JP2011241750A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2011241750A
JP2011241750A JP2010114212A JP2010114212A JP2011241750A JP 2011241750 A JP2011241750 A JP 2011241750A JP 2010114212 A JP2010114212 A JP 2010114212A JP 2010114212 A JP2010114212 A JP 2010114212A JP 2011241750 A JP2011241750 A JP 2011241750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant gas
rotor
hermetic
container
refrigerant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010114212A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazushi Morishima
和史 森島
Osamu Kazama
修 風間
Ken Yamakawa
健 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2010114212A priority Critical patent/JP2011241750A/ja
Publication of JP2011241750A publication Critical patent/JP2011241750A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

【課題】 暖房の高速立ち上げのため密閉型圧縮機の高速起動を行ったり、高暖房能力を得るため高速回転領域へ拡大を図ったりすると、密閉型圧縮機の密閉容器下方の圧縮要素から吐出される冷媒ガスにより密閉容器下方の圧力が急速に上昇するので、密閉容器の下方から電動要素を通過し上方に向かう冷媒ガスの流速が急速に上昇し、電動要素の回転子に設けた貫通孔により回転子上方に吹き上がる冷凍機油を含んだ冷媒ガス量が増加するため、さらに上方にある吐出管から冷凍機油を含んだまま冷媒ガスは送り出され、密閉型圧縮機内の冷凍機油が不足するという課題があった。
【解決手段】 この発明は、回転子を構成する電磁鋼板に貫通孔を設けるとともに電磁鋼板をかしめるリベットにも貫通孔を設け、回転子内部を通過する冷媒流路の流路面積の拡大を図ったものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、冷凍空調装置に使用される密閉型圧縮機に関するものである。
冷凍空調装置に用いる密閉型の電動圧縮機において、圧縮要素の各摺動部品の磨耗を抑制するために圧縮機の密閉容器の内部に冷凍機油を貯留し、圧縮要素に給油している。しかしながら、出力容量の増加などにより冷凍回路に封入される冷媒量が増加すると、圧縮機によって圧縮される冷媒ガスに冷凍機油の一部が混合し、圧縮機外に搬出されて冷媒回路を循環する量が増加し、圧縮機内部の貯溜冷凍機油量が減少するため、圧縮要素への給油不足を生じ摩耗を促進する。また、回転式電動圧縮機は、その体積効率などの性能を維持するために、圧縮要素の各摺動部品の間隙を冷凍機油で満たす必要があることから、圧縮要素に対する油面レベルの維持をはかる必要がある。
このような循環冷凍機油量を抑制するために、電動要素の回転子に貫通孔を設け、電動要素の下方から上方に冷媒ガスが流れる流路面積を増加させ流路抵抗を抑制することで、圧縮機の密閉容器下方の圧縮要素にて圧縮され冷凍機油を含んだ冷媒ガスが電動要素の固定子の内周面より内側の流路を上昇し、電動要素の上方の空間に滞留したところで、冷媒ガスと冷凍機油とに分離され、冷凍機油は固定子の外周側と密閉容器との間に設けられた流路を通って密閉容器の下方に戻り、冷媒ガスは密閉容器に設けられた吐出管から送り出されることによって、圧縮機外部に吐出される冷凍機油量を抑制するというものがある(例えば文献1参照)。
なお、同様に電動機要素に貫通孔を設ける例として、回転軸が横向きの圧縮機にて電動要素を冷却するため、回転子と固定子を形成する積層した鋼板をかしめるリベットに中空円筒状のパイプリベットを用い、パイプリベットの中を冷媒が通過するようにしたものもある(例えば文献2参照)。
また、同様に回転子に貫通孔を設けるとともに、その上方の駆動軸に円盤を設け、冷媒ガスを円盤に衝突させ冷凍機油と分離させたり、円盤によって冷媒ガスの流れを回転子の外側方向を変えるとともにその遠心力により冷凍機油と分離させたりするものもある(例えば文献3参照)。
特開平8−065961号公報(第2、3頁、第1、2図) 特開2001−309607号公報(第3−6頁、第2図) 特開2007−255214号公報(第4−5頁)
近年、省エネ、環境対策の促進によって、冷凍空調装置にて暖房を行う機会が増加している。また、密閉型圧縮機は、省エネと高い制御性を得るため、回転数を可変制御可能なインバータ装置による可変周波数電源化も進み、より快適な居住空間を得るため、暖房の高速立ち上げや高暖房能力が要求されている。しかしながら、暖房の高速立ち上げのため密閉型圧縮機の高速起動を行ったり、高暖房能力を得るため高速回転領域へ拡大を図ったりすると、密閉型圧縮機の密閉容器下方の圧縮要素から吐出される冷媒ガスにより密閉容器下方の圧力が急速に上昇するので、密閉容器の下方から電動要素を通過し上方に向かう冷媒ガスの流速が急速に上昇し、電動要素の回転子に設けた貫通孔により回転子上方に吹き上がる冷凍機油を含んだ冷媒ガス量が増加するため、さらに上方にある吐出管から冷凍機油を含んだまま冷媒ガスは送り出され、密閉型圧縮機内の冷凍機油が不足するという課題があった。
また、冷凍空調装置において、冬の外気温が低下した条件で長時間装置を停止しておいた場合、冷凍回路内部の冷媒ガスが液化し密閉型圧縮機内に集中して溜るが、この状態で、密閉型圧縮機を急激に立ち上げると、フォーミング現象を起こし、密閉型圧縮機の外部にある冷凍回路に冷凍機油を含んだまま冷媒ガスが送り出され、密閉型圧縮機内の冷凍機油が不足するという課題があった。
また、密閉容器の上方に向かう冷媒ガスの流速緩和のため、電動要素の回転子に貫通孔をさらに増加させ流路面積を増加させようとすると、貫通孔が回転子の鉄心内部を通過する磁束の磁気抵抗となるため、圧縮機の運転効率を低下させるという課題があった。
また、電動要素の固定子側に貫通孔を設けると、固定子側から密閉容器の上方に吹き上げる冷媒ガスが増加するため、冷凍機油が冷媒ガスから分離し固定子側の貫通孔や隙間から密閉容器の下方に戻り難くなるという課題があった。
また、圧縮機の効率を維持しつつ流路面積を増加させ流速を抑制するには、密閉型圧縮機の密閉容器に収納された電動要素の回転子のサイズを大きくする必要があり、密閉型圧縮機全体を大型化しなければならなくなるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、電動要素内の磁束を阻害することなく回転子内部を通過する冷媒流路面積を増加し、密閉容器内を上昇する冷媒ガスを回転子内部を上昇し回転子上方で密閉容器の側面に流れを導き密閉容器の側面に衝突させる流路に集中させることによって、冷媒ガスから冷凍機油を分離、回収させ、密閉容器の外に持ち出される冷凍機油量を抑制することができる高効率で信頼性の高い密閉型圧縮機を得ることが目的である。
この発明は、回転子を構成する電磁鋼板に貫通孔を設けるとともに電磁鋼板をかしめるリベットにも貫通孔を設け、回転子内部を通過する冷媒流路の流路面積の拡大を図ったものである。
この発明は、回転子を構成する電磁鋼板に貫通孔を設けるとともに電磁鋼板をかしめるリベットにも貫通孔を設け、回転子内部を通過する冷媒流路の流路面積の拡大を図ることによって、密閉容器内を上昇する冷媒ガスを回転子内部を上昇し回転子上方で密閉容器の側面に流れを導き密閉容器の側面に衝突させる流路に集中させることができ、冷媒ガスから冷凍機油を分離、回収させ、密閉容器の外に持ち出される冷凍機油量を抑制することができる高効率で信頼性の高い密閉型圧縮機を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る図1のA−A断面図を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機内の冷凍ガスの流れを示す図である。
実施の形態1.
まず初めに密閉型圧縮機について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の断面図、図2は図1のA−A断面図を示すものである。図1にて、1シリンダ型ロータリ圧縮機の一例である密閉型圧縮機の全体構成を説明する。密閉型圧縮機100は、上部容器11と下部容器12とで構成される密閉容器10内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮要素20と、圧縮要素20を駆動する電動要素30を収納している。圧縮要素20と電動要素30とは、駆動軸すなわちクランクシャフト21で連結され、圧縮要素20が密閉容器10の下部に、電動要素30が密閉容器10の上部に収納されている。
クランクシャフト21は主軸21a、副軸21b、偏心部21cから構成されており、偏心部21cにはローリングピストン22が勘合されている。
圧縮要素20は、シリンダ23、ローリングピストン22、主軸受け24、副軸受け25および図示しないベーンで構成されており、シリンダ23内にクランクシャフト21の偏心部21cと勘合したローリングピストン22と、シリンダ23に設けられた溝内を径方向に往復運動する図示しないベーンの一端がローリングピストン22の外周に当接し圧縮室が形成されている。シリンダ23の軸方向両端の開口部は、主軸受け24および副軸受け25で閉塞されている。また、シリンダ23には密閉容器10の外部から冷媒ガスを吸入する吸入口が設けられており、主軸受け24には圧縮した冷媒ガスを上方の電動要素30側に吐出する吐出口が設けられている。
また、密閉容器10の下部すなわち底部には、冷凍機油が貯留されており、クランクシャフト21の下部に設けられたオイルポンプによって、圧縮要素20内の軸受け24、25などへ給油される。これにより、圧縮要素20の機械的潤滑作用を確保し、かつ圧縮要素20を冷却している。なお、冷凍機油は常に底部に貯留されているわけではなく、圧縮要素20の圧縮動作に伴い、冷凍機油一部は圧縮された冷媒ガスとともに霧状になって密閉容器の上方へ吹き上げられる。
電動要素30は、固定子31と回転子41とから構成された、例えば、ブラシレスDCモータである。
固定子31は、固定子鉄心32、絶縁部材33、コイル34から構成されており、図1のようにコイル34には電圧をかけ電流を流すためリード線35が接続されている。リード線35は密閉容器10の外部から電力の供給を受けるため、上部容器11に設けられたガラス端子36に接続されている。コイル34は、図2に示すように、固定子鉄心32に複数設けられたティース38に回転軸方向すなわち上下方向に巻き付けられた巻き線の集合体であり、巻き線全体はほぼ隙間無くスロット37に収納されている。コイル34に電流を流したとき、これらのコイル34が巻きつけられた固定子鉄心32のティース38の各々が固定子31に設けた複数の磁極となり、コイル34に流す電流の方向を変えることよって、N・S極と変化する交番磁界すなわち固定子31側の界磁を発生させる。また、固定子鉄心32は、薄板電磁鋼板を打抜いた鉄心シートを積層して構成されており、固定子鉄心32の外径は下部容器12の中間部分の内径より大きく製作され、下部容器12に焼嵌めによって固定される。
回転子41は、図1または図2のように、回転子鉄心42と、回転子鉄心42の両端部に夫々配置され永久磁石43の飛散を防止する役割を兼ねた回転子鉄心42の上端部に配置される上バランスウェイト44及び回転子鉄心42の下端部に配置される下バランスウェイト45と、で構成され、上バランスウェイト44、下バランスウェイト45、及び回転子鉄心42はリベット46で固定されている。回転子41の回転子鉄心42は、固定子31と同様に薄板電磁鋼板を打抜いた鉄心シートを積層し構成され、磁石挿入孔47、貫通孔48を有し、磁石挿入孔47には回転子鉄心に永久磁石43が挿入されている。なお、磁石挿入孔47は回転子41の外周側表面付近に設けられ永久磁石43により磁極を形成し、貫通孔48は磁石挿入孔47より内周側で磁極が形成する磁束を邪魔しない位置、例えば、隣り合う磁極の間であってクランクシャフト21の近傍や永久磁石43の回転子41の内周側などに設けられている。回転子鉄心42の両端部に夫々配置される上下バランスウェイト44、45にも貫通孔は有され、回転子鉄心の貫通孔とつながって、回転子41の上下に連通する貫通孔48が構成される。また、リベット46はリベット挿入孔例えば図2の回転子鉄心42の49に挿入されている。リベット46も、磁石挿入孔47より内周側で磁束を邪魔しない位置、例えば隣り合う磁極の間であってクランクシャフト21の近傍に設けられている。なお、上下バランスウェイト44、45は、圧縮要素20の冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出などの圧縮工程における回転トルクの変位によって生じる回転子41の回転運動のむらを修正するめに取付けられている。したがって、圧縮要素20の構成の種類によって、上下バランスウェイト44、45が不要であったり、上下のうちどちらか取付けられていれば良かったり、回転子鉄心42の上下の端面を覆うように取付けるほどウェイトが必要でなかったりする場合もある。その場合は、回転子鉄心42の端面と同じ大きさの上下バランスウェイト44、45より薄い端板を取付けられていて、上下バランスウェイト44、45同様リベット46で取付けられている。また、貫通孔48も上下に連通するように端板にも設けられている。なお、上下バランスウェイト44、45と端板は別材料の部品でもよい。
貫通孔48は、圧縮要素20から吐出された冷媒ガスを密閉容器10の上部へ導く役割を持っている。また、固定子31の外周面と密閉容器10の内部側面との間には、密閉容器10の上部と下部を連通し、冷媒ガスと共に密閉容器10の上部に導かれた冷凍機油を電動要素30の下方に落とすための間隙39を設けている。また、電動要素30の下方に落とされた冷凍機油を、さらに密閉容器10の底部に落とすため、圧縮要素20のシリンダ23には密閉容器10の内部側面に近く、ローリングピストン22で形成される圧縮室より遠い外周部分に油戻しの穴が設けられている。なお、図1の例ではシリンダ23が密閉容器10の底部と電動要素30がある上部とを仕切っているので、油戻しの穴はシリンダ23に設けられているが、シリンダ23以外のサブフレームによって仕切られている場合は、サブフレームに油戻しの穴を設けている。その場合も外周側に設ける。
また、回転子鉄心42の内径はクランクシャフト21の主軸21aの外径より小さく、回転子鉄心42は主軸21aに焼嵌め固定される。
また、回転子41上方のクランクシャフト21には回転子41の貫通孔48を覆うように円盤26が取付けられており、貫通孔48から吐出された冷媒ガスを固定子31側すなわち密閉容器10の側面に向う流れに変える役目を持っている。また、円盤26の外径は回転子41の外径より小さいが貫通孔48を覆うため貫通孔48が設けられた位置よりも大きい。
このように構成された電動要素20では、固定子31のコイルに電流を流し交番磁束を発生させると、固定子31の磁束と回転子41の永久磁石43が発生する磁束との斥力または引力によって回転子41は回転するようになる。この回転子41の回転力によりクランクシャフト21でつながった圧縮要素20は吸入、圧縮、吐出という一連の動作を行っている。このとき、固定子31の磁束は固定子鉄心32を通過し、回転子41の磁束は回転子鉄心42を通過する。磁束にとって材料ごとに磁気抵抗があり、磁束の強さが変化する。したがって、磁束が通る磁路が薄板電磁鋼板以外の別の材料を通過すると磁気抵抗が上がり、磁力が低下する。例えば、回転子41に設けたリベット46などは磁気抵抗となる。また、貫通孔48のような空間を通る場合も例外ではなく、磁気抵抗が変化する。これらの抵抗が磁束を阻害し、回転子41に発生する回転する力が低下し、電動要素20の効率が低下する。すなわち、永久磁石43は磁束の力が最大限発揮されるように回転子の外周付近に配置され、リベット46は永久磁石43の磁束を阻害しないように永久磁石43にて形成される磁極より内周側のクランクシャフト21の近傍であるとともに複数の磁極どうしが隣り合うの間に配置されている。すなわち、リベット46どうしの間には複数の磁極が配置されており、例えば、図2の場合、リベット46は磁極間であって120°毎離れた磁極より内周に設けられている。また、貫通孔48は隣り合うリベット48の間であって永久磁石43の磁束を阻害しない位置、例えば、隣り合う磁極の間であって磁極より内周側のクランクシャフト21の近傍や永久磁石43の回転子41の内周側に配置されている。
また、密閉型圧縮機100には、図1に示すように、密閉容器10に隣接して、冷媒音を消音する役割を有する吸入マフラー60が設けられ、吸入マフラー60は吸入連結管61によりシリンダ23に連結されている。密閉型圧縮機100が圧縮運転するときには、吸入マフラー60には液冷媒を貯留するアキュムレータなどの冷凍回路が接続され、吸入マフラー60を介してアキュムレータなどから冷媒ガスが吸入される。また、密閉型圧縮機100の上部には圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出管62が設けられており、外部の冷凍回路と吐出管62とが接続され、圧縮された冷媒ガスはこの吐出管62を通って外部の冷凍回路に吐出される。
すなわち、外部の冷凍回路から吸入マフラー60及び吸入連結管61を介し冷媒ガスを密閉容器10の下方のシリンダ23に吸入し、シリンダ23内で圧縮され、密閉容器10内に吐出される。このとき、シリンダ23内の圧縮室はクランクシャフト21の周囲に形成されるため、圧縮室から冷媒ガスを吐出する吐出口もクランクシャフト21の近傍にある。よって、吐出された冷媒ガスは、同じくクランクシャフト21に接続され圧縮要素20の上方に位置する電動要素30の回転子41の下方に吐出され、回転子41の貫通孔48や固定子31と回転子41との間の間隙などを上昇し、電動要素30のさらに上方にある空間まで上昇した後、密閉容器10の上方にある吐出管62から外部の冷凍回路へ送り出されることになる。
このとき、密閉容器10の底部に貯留された冷凍機油が潤滑作用のためオイルポンプによって圧縮要素20に給油されながら、圧縮動作を繰り返している。圧縮要素20が圧縮動作を行うとき、冷媒ガスを圧縮し密閉容器10内に吐出するとともに、給油された冷凍機油の一部も冷媒ガスに混じって密閉容器10内に霧状に吹き上げられる。回転子41は回転運動を行っているため、回転子41周辺に気流を起こし、回転子41の貫通孔48や回転子41の外周面と固定子31の内周面との間隙などの固定子31の内周面より内側の流路は流路抵抗が小さくなり、冷媒ガスを下方から吸込み上方に吐出しやすくなる。よって、冷凍機油を含んだ冷媒ガスは、圧縮要素20の上方に配置された電動要素30の固定子31の内周面より内側の流路を上昇する。また、回転子41の貫通孔48を上昇した冷媒ガスは電動要素30の上方にあるクランクシャフト21に取付けられた円盤26によって、冷媒ガスの流れを固定子31側すなわち密閉容器10の側面に向う流れに変えられる。このとき、回転子41は同様に回転運動を行っているため回転子41の貫通孔48を上昇した冷媒ガスは回転子41の遠心力が加わり比較的流速が速くなり、円盤26によって冷媒ガスは流れを密閉容器10の側面に向けられたとき、回転子41の外周面と固定子31の内周面との間隙を上昇する冷媒ガスも巻き込み、密閉容器10の側面に導かれる。これによって、上昇する冷媒ガスはまとめて密閉容器10の側面に衝突することになり、その衝突によって、冷媒ガスと冷凍機油が分離する。また、冷媒ガスの一部は円盤26との衝突によって冷凍機油と分離するが、大部分は密閉容器10の側面に衝突することによって冷凍機油と分離する。冷媒ガスと冷凍機油との比重や粘度の違いから、比重の軽い冷媒ガスは、密閉容器10の上部に拡散したとき、吐出管62から外部の冷凍回路に送り出され、比重が重い冷凍機油は密閉容器10の下方に降下していく。圧縮要素20にて圧縮された冷媒ガスが電動要素30内を上昇するとき、流路抵抗の大きい固定子31の内周面より外側の流路より流路抵抗の小さい固定子31の内周面より内側の流路を上昇するため、固定子31の内周面より外側の流路を上昇する量は少なく、冷凍機油もこの流路を下方に降下しやすい。よって、分離された冷凍機油は電動要素30の固定子31の外周面と密閉容器10の内部側面と間に設けられた間隙38や固定子31を構成するコイルやスロットの隙間から、電動要素30の下方に降下し、さらに圧縮要素20に設けられた油戻しの穴から密閉容器10の冷凍機油が貯油されている底部に戻っていく。なお、密閉容器10の上方に滞留した冷媒ガスは冷凍機油が完全に分離する前に吐出管62から冷凍機油を含んだまま送り出されることもあり、冷凍回路中に流出した冷凍機油は、冷凍回路の各要素部品を経由して循環し、やがて密閉型圧縮機100の吸入連結管61側から戻ることになる。
以上から、圧縮要素20に密閉容器10の底部に貯留された冷凍機油を給油するとともに、給油された冷凍機油の一部が圧縮要素20で圧縮された冷媒ガスに含まれ、固定子31の内周面より内側の流路を上昇し、上昇した冷媒ガスが密閉容器10の上部で円盤26によって密閉容器10の側面に向う流れに変えられ、密閉容器10の側面に衝突する。この衝突によって、冷媒ガスと冷凍機油とを分離し、冷媒ガスは吐出管62から外部の冷凍回路に送り出され、冷凍機油は固定子31の内周面より外側の流路を通過し圧縮要素20の油戻し穴を経て密閉容器10の底部に戻って行くという循環経路を形成する。
しかしながら、密閉容器10の上部の空間で冷媒ガスから冷凍機油が分離できず、外部の冷凍回路に流出する量が増加する場合がある。
ここでは密閉型圧縮機の一例として、ロータリ型圧縮機を一例に示したが、スクロール型、レシプロ型等、電動機が密閉容器内に配置される密閉型圧縮機であればその圧縮構造を問わない。
次に、圧縮機100を外部の冷凍回路につなぎ冷凍システムを構成した場合の構成例と動作について説明する。
図3は例えば空気調和機などの冷凍回路の概略構成図であり、60は密閉型圧縮機100の吸入マフラーで密閉型圧縮機100の吸入側に接続されており、101は密閉型圧縮機100の吐出側に接続された圧縮機100からの冷媒の流れを切換える四方切換弁、102は室外側熱交換器、103は電動膨張等の減圧器、104は室内側熱交換器、105は密閉型圧縮機100の吸入側配管に接続され冷媒を貯留するアキュムレータであり、これら機器は配管を介して順次接続し、冷凍回路が形成されている。なお、一般的に冷凍空調装置では、室内側熱交換器104は屋内の装置に、残る密閉型圧縮機100、四方弁101、室外熱交換器102、減圧器103、アキュムレータ105は屋外の装置に搭載されている。
次に、冷凍回路における暖房動作、冷房動作を順に説明する。
まず、暖房運転は、暖房運転が開始されると、四方切換弁101は図3の実線側に接続される。圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は室内側熱交換器104に流れ、凝縮し、液化した後、電動膨張弁103で絞られ、低温低圧の二相状態となり、室外側熱交換器102へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁101、アキュムレータ105を通って再び圧縮機100に戻る。すなわち、図3の実線矢印に示すように冷媒は循環する。この循環によって、蒸発器である室外側熱交換器102では外気と熱交換して、室外側熱交換器102に送られてきた冷媒が吸熱し、吸熱した冷媒は凝縮器である室内側熱交換器104に送られ、室内の空気と熱交換を行い、室内の空気を温める。
次に、冷房運転について説明する。冷房運転が開始されると、四方切換弁101は図3の破線側に接続される。圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は室外側熱交換器102に流れ、凝縮し、液化した後、電動膨張弁103で絞られ、低温低圧の二相状態となり、室内側熱交換器104へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁101、アキュムレータ105を通って再び圧縮機100に戻る。すなわち、暖房運転から冷房運転に変わると、室内側熱交換器104が凝縮器から蒸発器に変わり、室外側熱交換器102が蒸発器から凝縮器に変わる。よって、図3の破線矢印に示すように冷媒は循環する。この循環によって、蒸発器である室内側熱交換器104では室内の空気と熱交換を行い、室内の空気から吸熱すなわち室内の空気を冷却し、吸熱した冷媒は凝縮器である室外側熱交換器102に送られ、外気と熱交換を行い、外気に放熱する。
ところで、密閉型圧縮機100の圧縮要素20で冷媒ガスが圧縮されるとき、同時に圧縮要素20の潤滑油である冷凍機油も圧縮された冷媒ガスに混じって密閉容器10の上方に吹き上げられることは説明した。密閉容器10の上方にある空間で冷凍機油と冷媒ガスがうまく分離せず、冷凍機油が回収流路から回収できなかった場合、冷媒ガスに混じって密閉圧縮機100の外部に接続された冷凍回路へ送り出される。このような現象が続き冷凍機油が循環経路としての冷凍回路に増加した場合、冷凍機油は室内側熱交換器104、室外側熱交換器102において熱交換を行うものではなく冷媒の循環を阻害するだけで、冷凍回路の冷凍能力を低下させる。また、密閉容器10内から冷凍機油が外部の冷凍回路側へ持ち出されると、圧縮要素20の潤滑作用を低下させるばかりか、密閉容器10内の圧縮要素20を構成する各摺動部品の摩耗を促進し、時にはクランクシャフト21や軸受け24、25などを損傷させることもある。
したがって、冷凍回路においては、密閉型圧縮機の内部も含め冷凍回路の冷媒が流れる冷媒流路は分解整備が出来ない構造である為、部品の信頼性を向上する必要があり、かつ熱交換器の効率を維持するためにも、密閉圧縮機から持ち出される冷凍機油は少ないほうが望ましい。
近年、環境対策のため、化石燃料を燃焼する暖房機より、クリーンなエネルギーを利用するヒートポンプを利用した冷凍空調装置にて暖房を行うことが多くなった。また、CO2削減のため、省エネ化が進み、インバータ装置のような可変周波数電源にて密閉型圧縮機を駆動することが一般的となり、高速起動によって所定の目標回転数までの到達時間を短縮できるようになるとともに、高速回転にて高出力を得られるようになってきた。そのため、暖房を行う部屋の室温が十分目標に達すると回転数を下げて暖房出力を下げた省エネ運転を行う他、大きな容量の圧縮機でしか得られなかった高能力を小さな容量の圧縮機でも高速に回転させ同等の出力を得られるようになった。すなわち、従来1馬力程度の冷凍空調装置に用いていた小型の密閉型圧縮機をインバータ装置による回転数の調整と封入冷媒量の調整にて2馬力程度の冷凍空調装置で使用するなど、省エネと同時にコストダウンと小型化を図るような最適化を行う場合も多くなった。
しかし、冷凍空調装置において暖房を利用するとき、冬の冷え込んだ部屋をいかに早く温めるかが課題であり、そのためには、冷凍回路中の冷媒をいち早く循環させ室内外の熱交換器の熱交換能力をフルに発揮させることが必要である。そこで、インバータ装置によって、密閉型圧縮機を高速起動かけ、一気に所定の目標回転数まで到達させる制御を行うケースが増加した。
しかしながら、冷凍空調装置が低温条件にて長時間停止していた後に、密閉型圧縮機100の高速起動を図ったり、急激な高回転での運転を行ったりすると、密閉型圧縮機100内から冷凍機油が一気に持ち出され不足する現象が発生しやすい。
例えば、図1の密閉圧縮機100が停止中のとき、密閉容器10内では一様な気圧となっており、密閉容器10下部の吸入側と密閉容器10上部の吐出側とでは大きな圧力差はない。ここで、密閉容器10下部の圧縮要素20が圧縮動作を開始すると急激に圧縮要素20から吐出される冷媒ガスによって密閉容器10下部の気圧が上昇し、電動要素30を通過し、気圧の低い密閉容器10上部に向かって、上昇する流速が速く大量の冷媒ガスの流れができ、密閉容器10の底部に貯留された冷凍機油も、持ち出されやすい状態になる。
特に、真冬の屋外が冷え込んだ場合、冷凍回路では冷媒ガスが液化し冷凍機油が貯留されている密閉型圧縮機100の底部に溜るという寝込み現象が発生する。さらに、低温の冷凍機油は冷媒に溶け込みやすく、密閉容器10の底部では冷媒と冷凍機油とが混濁した状態になっていることが多い。特に、小さな容量の圧縮機にて高暖房能力を得るため冷媒封入量を増やす傾向にあり、寝込み現象が発生すると密閉容器10内に溜る冷媒量が増加する傾向にある。このような状態で、電動要素30を起動し圧縮要素20の圧縮動作を開始させると、吐出される冷媒ガスによって密閉容器10の下部の気圧が上昇し、密閉容器10の底部に液化し溜った冷凍機油に溶け込んだ冷媒は、沸騰し気化し発泡するフォーミング現象が起きる。冷凍機油に溶け込んだ冷媒量が少なければ、オイルポンプなどで給油する軸受けを通って発泡、気化したり、圧縮室に侵入し圧縮した冷媒ガスとともに吐出口から吐出される際に発泡、気化したりするが、冷凍機油に溶け込んだ冷媒が多くなると、密閉容器10の底部から発生する発泡した冷媒ガスも増加するので、圧縮要素20の隙間例えばシリンダ23の油戻し穴などからも圧縮要素20の上方にゆっくりと上昇してくる。電動要素30が起動直後で低速回転であるため、回転子41周辺に冷媒を吸い込む力も弱く、固定子31より内側の流路に集まりにくく、上昇させにくい。また、圧縮要素20で圧縮された高圧高温の冷媒ガスではないので、電動要素30を自力で上昇する速度も遅く、固定子31の内周面より内側、外側の流路に係らず冷凍機油とともに冷媒ガスが上昇する状態になる。さらに、起動直後であり低速で圧縮要素20にて圧縮、吐出されるため、発泡、気化した冷媒ガスに比べると冷媒ガスの量も少ない。
以上により、圧縮された吐出ガスである冷媒ガスと発泡、気化した発泡ガスである冷媒ガスが電動要素30内を混在、混合して上昇するが、回転子41の貫通孔48から上昇し円盤26によって密閉容器10の側面に向かう流れに変えられる冷媒ガスの量は少なく、これ以外の流路から上昇する冷媒ガスを密閉容器10の側面に導くことはできないばかりか、密閉容器10の側面に向かう流れを他の流路の冷媒ガスが阻むことになる。これによって、密閉容器10の上方に上昇し、冷媒ガスと冷凍機油とが分離せず、上方の吐出管62から送り出される。
また、仮に冷媒ガスから冷凍機油が分離したとしても、冷凍機油は本来の戻り流路である固定子31の内周面より外側の流路を下方から上昇してくる冷媒ガスによって阻まれ戻ることができなくなる。
よって、密閉容器10の底部に貯留されるべき冷凍機油は、持ち出されたまま密閉容器10内では戻れずに不足し、密閉型圧縮機100は故障に至る。
フォーミング現象が起こっても、冷媒ガスから冷凍機油を分離するためには、回転子41の外周面より外側の流路から上昇する冷媒ガスを抑制し、密閉容器10の側面に向かう冷媒ガスを阻む流れを無くし、回転子41内部の流路を通過し円盤によって密閉容器10の側面に導かれる流量を増加させ、密閉容器10の側面に衝突する量を増加させる必要がある。そのためには、回転子41の貫通孔の増設が必要である。
しかしながら、回転子41を通過する流路を増やすため、回転子41の貫通孔48の数を増やすと、回転子41上の永久磁石43が発生させる磁束の磁気抵抗となり、回転する力が低下する。すなわち、電動要素30の効率が低下したり、円滑な回転ができなかったりする。したがって、回転子41に設けた貫通孔48も磁束への影響が少ない位置に設けており、回転子41の大きさを考慮してもこれ以上磁束に影響を与えない位置を探し出して増やすことは容易にはできない。また、電動要素30の高効率化と円滑な回転を保持するために回転子41の磁極を増やした多極化を進めると、回転子41が有する磁束数も増加し、回転子鉄心42の中で磁束が通らないスペースは少なくなり、貫通孔48を設けても良いスペースは少ない。また、省エネと同時にコストダウンと小型化を図る最適化のため、密閉型圧縮機100は小型化する傾向であり、さらに回転子41に貫通孔などを設けるスペースは少ない。
一方、回転子41には薄板電磁鋼板と上下のバランスウェイト44、45を固定するため、リベット46が打たれている。このリベット46は、回転子41上の磁束にとって、磁気抵抗の原因になるだけで、磁束の形成を円滑にすることに貢献はしない。よって、この磁束の無駄なスペースに貫通孔を設ける。すなわち、リベット46にも回転子41の上下に連通するリベット貫通孔50を設け、回転子41の流路面積拡大を行うことができる。なお、リベット46は円盤26の外径より内側に設けたものに貫通孔を設け、リベット46の貫通孔を通過した冷媒ガスが円盤26に衝突できるように配置している。
これにより、例え密閉型圧縮機100の起動時にフォーミング現象が発生し図4の圧縮要素20が圧縮し吐出する実線a以外に実線bのように上昇する冷媒ガスが増加しても、回転子41の外周面より外側の流路から上昇する冷媒ガスを抑制し、回転子41内部の流路を上昇し円盤26によって密閉容器10の側面に導かれる冷媒ガスの流れを増やし、密閉容器10の側面と衝突させ、冷媒ガスから冷凍機油を分離する量を増加させることができる。すなわち、図4の実線cのように回転子41を上昇する冷媒ガスは、回転子41の外周面と固定子31の内周面との間隙を上昇する実線dの冷媒ガスより流量が大きくなり、これらを巻き込んで実線eのような密閉容器10の側面に向かう流れにすることができる。また、回転子41内部の流路に上昇する冷媒ガスを集中させることによって固定子31の内周面より外側の流路を上昇する冷媒ガスを抑制し、密閉容器10の側面に向かう冷媒ガスは阻まれること無く、密閉容器10の側面に衝突するので、冷媒ガスと冷凍機油との分離は確実に行われたうえ、冷凍機油は実線fの経路でスムーズに電動要素30を通過し、圧縮要素20の油戻し穴を経て密閉容器10の底部に戻るようになり、冷凍機油の不足を抑制できる。なお、分離された冷媒ガスは、実線gのように吐出管62側に流れて外部に送り出される。
すなわち、例えフォーミング現象が発生しても、冷媒ガスが固定子31の内周面より内側の流路を上昇し円盤26によって、密閉容器10の側面に向かう流れに変えて密閉容器10の側面に衝突させ、冷媒ガスと冷凍機油とを分離し、冷媒ガスは吐出管62から外部の冷凍回路に送り出され、冷凍機油は固定子31の内周面より外側の流路を通過し圧縮要素20の油戻し穴を経て密閉容器10の底部に戻って行くという循環経路を維持できる。
また、固定子31の内周面より内側の流路を冷凍機油を含んだ冷媒ガスが上昇する流路に集中させ、固定子31の内周面より外側の流路を分離された冷凍機油を戻す油戻し用流路の流路に特化することができる。
また、密閉型圧縮機100の電動機要素30の大きさを大きくすることなく、密閉容器10内を上昇する上昇気流の流速を抑えることができるので、冷媒ガスと冷凍機油との分離が促進でき、冷凍機油の不足を防止できる。すなわち、小容量の密閉型圧縮機100を従来の冷凍空調装置よりひとサイズ大きな容量の冷凍空調装置に適用し、冷媒封入量が増えても、冷凍機油の不足を防止できる。
また、回転子41や固定子31に無駄な貫通孔をあけ、永久磁石43、コイル34が発生する磁束を妨害し、電動要素30の効率を下げるということも回避できる。
また、冷凍機油を含む冷媒ガスが密閉容器10の上部に滞留し、自然に分離するのではなく、密閉容器10の側面に衝突することによって分離させるため、冷媒ガスと冷凍機油との分離も速く、冷凍機油の回収も速いほか、上部に冷凍機油を含む状態で冷媒ガスが滞留しないので吐出管62から外部の冷媒回路に分離されずに送り出されるケースが抑制できる。
これにより、密閉型圧縮機運転時に密閉型圧縮機外部に持ち出される冷凍機油量を低減することができ、信頼性の高い密閉型圧縮機を得ることができる。
なお、貫通孔48とリベット貫通孔50は、円盤26で覆われていると説明したが、必ずしも、覆われていなくても構わない。例えば、貫通孔48の一部が円盤26より外周にあっても構わず、また、リベット貫通孔50の一部が円盤26より外周にあっても構わない。仮に、貫通孔48の一部が円盤26より外周にあって円盤26と衝突する流量が少なくなっても、リベット貫通孔50を通過する流量が補っているので、リベット貫通孔50を設けず、貫通孔48と円盤26で貫通孔48を十分に覆った構成と同等である。
また、リベット貫通孔50を増やした分、冷媒ガスが円盤26に衝突する量が増えるので、円盤26を小さくして、軽量化、低コスト化を図っても構わない。
なお、貫通孔48、リベット貫通孔50の位置は、回転子41の内周側すなわちクランクシャフト21の近傍にあった方が、流路を通過する冷媒ガスが円盤26に衝突しやすく、位置としては望ましい。
また、貫通孔48とリベット貫通孔50の位置も、必ずしもリベット貫通孔50が貫通孔48より内側にある必要はない。回転子の外周付近の磁束を邪魔しない位置にリベット貫通孔50を有するリベット46を設け、リベット46より内側に貫通孔48を設ける構成であっても構わない。
また、貫通孔48の総面積の方がリベット貫通孔50の総面積より大きい説明をしてきたが、これは逆でも構わない。すなわち、リベット貫通孔50の総面積の方が貫通孔48の総面積より大きくても構わない。また、貫通孔48を設けず、すべてリベット貫通孔50にて、流路を設けても構わない。
貫通孔48とリベット貫通孔50とで形成される冷媒の流路の総面積のうち円盤26に覆われる総面積が同じであれば、貫通孔の位置に関係なく冷凍機油の高い分離効果が得られる。
また、貫通孔48とリベット貫通孔50とで形成される流路の総面積は、回転子41の外周面と固定子31の内周面との間隙によって形成される流路の総面積より大きい方が望ましい。貫通孔48とリベット貫通孔50とで形成される流路の総面積が大きい分、円盤26に衝突する流量が増加し、円盤26にて冷凍機油の分離効果が大きくなり、冷媒ガスが密閉容器10内を流れる早い段階で分離でき、冷凍機油を密閉容器10の下方に戻すことができる。すなわち、流路の早い段階の分離は、吐出管62から冷凍機油と冷媒ガスが混合状態で吐出される機会を少なくし、早い段階で冷凍機油を密閉容器10の下方に戻すことができる。
なお、従来同様、貫通孔48とリベット貫通孔50とで形成される流路の総面積が、回転子41の外周面と固定子31の内周面との間隙によって形成される流路の総面積と同等かあるいは小さくても、円盤26に衝突後の冷媒ガスが回転子41の外周面と固定子31の内周面との間隙によって形成される流路を上昇する冷媒ガスを巻き込んで、密閉容器10の側面に衝突させるので、密閉容器10の側面にて冷凍機油は分離される。したがって、円盤26と密閉容器10の側面とによって冷凍機油を分離する量や効果に不足はない。
以上により、電動要素の回転子内部を通過する流路面積をコイルや永久磁石が発生する磁束を阻害することなく増加させ、密閉容器内を上昇する冷媒ガスを回転子内部を上昇し回転子の上方に設けられた円盤によって密閉容器の側面に向かう流れに変え密閉容器の側面に冷媒ガスを衝突させる流路に集中させることによって、例え密閉型圧縮機が低温条件で長時間停止し、冷媒が密閉型圧縮機の密閉容器内に溜る寝込み現象が発生した状態で電動要素の起動を行ったとしても、冷媒ガスから冷凍機油を分離させることができる。さらに、回転子内部の流路に上昇する冷媒ガスを集中させることによって回転子外周面より外側の流路から上昇する冷媒ガスは抑制されるとともに、固定子内周面より外側の流路を上昇した冷媒ガスから分離される冷凍機油を戻す油戻し用の流路として特化させることができるので、密閉型圧縮機内で冷媒ガスから冷凍機油を分離し冷凍機油のみ密閉型圧縮機の底部に回収することができ、密閉型圧縮機の外部の冷凍回路に持ち出される冷凍機油量を抑制することができる高効率で信頼性の高い密閉型圧縮機を得ることができる。
10 密閉容器
11 上部容器
12 下部容器
20 圧縮要素
21 クランクシャフト
21a 主軸
21b 副軸
21c 偏心部
22 ローリングピストン
23 シリンダ
24 主軸受け
25 副軸受け
26 円盤
30 電動要素
31 固定子
32 固定子鉄心
33 絶縁部材
34 コイル
35 リード線
36 ガラス端子
37 スロット
38 ティース
39 間隙
41 回転子
42 回転子鉄心
43 永久磁石
44 上バランスウェイト
45 下バランスウェイト
46 リベット
47 磁石挿入孔
48 貫通孔
49 リベット挿入孔
50 リベット貫通孔
60 吸入マフラー
61 吸入連結管
62 吐出管
100 密閉型圧縮機
101 四方弁
102 室外側熱交換器
103 減圧器
104 室内側熱交換器
105 アキュムレータ

Claims (6)

  1. 底部に冷凍機油が貯油された密閉容器と、前記密閉容器の内部下方に設けられ冷媒ガスを圧縮し前記密閉容器内に吐出する圧縮要素と、前記密閉容器の内部上方に設けられ固定子と前記固定子の内側に設けられた回転子とによって構成され駆動軸にて接続された前記圧縮機要素を駆動する電動要素と、前記回転子を構成する電磁鋼板に設けられた複数の第1貫通孔と前記電磁鋼板をかしめる複数のリベットに設けられた第2貫通孔とによって形成され前記冷媒ガスを上下に導く流路と、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔の少なくとも一方を覆うように前記駆動軸の上部に設けられ前記冷媒ガスと衝突し前記密閉容器の側面に導く円盤と、を備えたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 前記回転子の外周側に複数の磁極を備え、前記複数の磁極どうしが隣り合う間であって前記複数の磁極より内周側に前記第2貫通孔が複数設けられ、前記第2貫通孔の間に複数の前記第1貫通孔が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記固定子の内周面と前記回転子の外周面とによって形成される前記冷媒ガスの流路の総面積より前記第1貫通孔と前記第2貫通孔からなる前記冷媒ガスの流路の総面積の方が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記冷媒ガスを前記密閉容器の側面に衝突させ前記冷媒ガスに混合した前記冷凍機油を分離することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記密閉容器の前記側面と前記固定子の外周面との間に設けられ前記冷凍機油が前記密閉容器の底部に戻る流路を備えたことを特徴とする請求項4に記載の密閉型圧縮機。
  6. 請求項5に記載の密閉型圧縮機と、前記密閉圧縮機にて圧縮された高温高圧の冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器にて凝縮された前記冷媒を減圧する減圧器と、前記減圧器にて減圧した前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、を配管で接続し前記冷媒を循環させる冷凍回路を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
JP2010114212A 2010-05-18 2010-05-18 密閉型圧縮機 Pending JP2011241750A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010114212A JP2011241750A (ja) 2010-05-18 2010-05-18 密閉型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010114212A JP2011241750A (ja) 2010-05-18 2010-05-18 密閉型圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011241750A true JP2011241750A (ja) 2011-12-01

Family

ID=45408665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010114212A Pending JP2011241750A (ja) 2010-05-18 2010-05-18 密閉型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011241750A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013224594A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Panasonic Corp 圧縮機
JP2013245644A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Panasonic Corp 圧縮機
WO2022157839A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 三菱電機株式会社 回転電機及び回転電機の冷却システム
US11460029B2 (en) 2017-12-28 2022-10-04 Fujitsu General Limited Compressor
WO2023142560A1 (zh) * 2022-01-26 2023-08-03 珠海格力电器股份有限公司 自起动同步磁阻压缩机和制冷设备系统

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013224594A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Panasonic Corp 圧縮機
JP2013245644A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Panasonic Corp 圧縮機
US11460029B2 (en) 2017-12-28 2022-10-04 Fujitsu General Limited Compressor
WO2022157839A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 三菱電機株式会社 回転電機及び回転電機の冷却システム
JP7150219B1 (ja) * 2021-01-20 2022-10-07 三菱電機株式会社 回転電機及び回転電機の冷却システム
WO2023142560A1 (zh) * 2022-01-26 2023-08-03 珠海格力电器股份有限公司 自起动同步磁阻压缩机和制冷设备系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5445550B2 (ja) ベーンロータリ圧縮機
JP5346210B2 (ja) 密閉型回転圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP5818731B2 (ja) 密閉型圧縮機及びこれを備えた冷凍サイクル装置
JP5490251B2 (ja) 誘導電動機の回転子及び誘導電動機及び圧縮機及び送風機及び空気調和機
WO2013175566A1 (ja) 冷媒圧縮機および冷凍サイクル機器
WO2013099237A1 (ja) 密閉型圧縮機およびそれを備える冷蔵庫
JP2011241750A (ja) 密閉型圧縮機
JP6001410B2 (ja) 密閉型電動圧縮機及びこれを用いた冷凍空調装置
WO2009084245A1 (ja) 圧縮機用電動機及び圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2011106322A (ja) スクロール圧縮機
US11473571B2 (en) Sealed refrigerant compressor and refrigeration device
WO2018016364A1 (ja) 密閉形回転圧縮機、及び、冷凍空調装置
JP2021080918A (ja) 圧縮機及び空気調和機
JP4156506B2 (ja) 電動機及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置及びウェッジ
JP6556342B2 (ja) 固定子、モータ、圧縮機および冷凍サイクル装置
JPWO2021095151A1 (ja) 圧縮機及び空気調和機
JPWO2017006454A1 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
WO2023012852A1 (ja) 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置
WO2023248268A1 (ja) 固定子、回転電機、圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP7466692B2 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP6091575B2 (ja) 密閉型圧縮機、及びこの密閉型圧縮機を備えた冷凍サイクル装置
JP5738213B2 (ja) 圧縮機及びこの圧縮機を備えた冷凍サイクル装置
WO2021152844A1 (ja) 室外ユニットおよび冷凍サイクル装置
JP2001124444A (ja) 冷凍サイクル装置
WO2017212598A1 (ja) 密閉型圧縮機及び空気調和機