JP5034476B2 - 圧縮機および空気調和機および給湯機 - Google Patents

圧縮機および空気調和機および給湯機 Download PDF

Info

Publication number
JP5034476B2
JP5034476B2 JP2006336984A JP2006336984A JP5034476B2 JP 5034476 B2 JP5034476 B2 JP 5034476B2 JP 2006336984 A JP2006336984 A JP 2006336984A JP 2006336984 A JP2006336984 A JP 2006336984A JP 5034476 B2 JP5034476 B2 JP 5034476B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
compressor
rotor
motor
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006336984A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008150962A (ja
Inventor
能成 浅野
洋文 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2006336984A priority Critical patent/JP5034476B2/ja
Publication of JP2008150962A publication Critical patent/JP2008150962A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5034476B2 publication Critical patent/JP5034476B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、圧縮機および空気調和機および給湯機に関する。
近年、地球温暖化防止対策として、フロン等の人工冷媒を用いた冷凍サイクルから自然冷媒を用いた冷凍サイクルへ変換する動きが国内外問わず市場要求として高まっている。
このような自然冷媒の中でも、CO冷媒はODP(オゾン破壊係数)=0、GWP(地球温暖化係数)=1であり、更に毒性や可燃性が共に無いことから、有力冷媒として注目されている。
しかしながら、CO冷媒は、同じ吐出ガス温度を得る圧力がR410A等に代表されるHFC冷媒の値とくらべて約3倍以上(約10[MPa])も高いため、軸受の負荷が増大し、軸受面圧も大きくなる。
一般に、軸受部において良好な潤滑を得るためには、
油の粘度×軸の速度÷面圧
で表される値を、ある一定以上に保つ必要がある。
よって、HFC冷媒の置き換え等としてCO冷媒を用いる場合、圧縮機の速度および軸受周辺温度が同一の条件では、HFC冷媒を使用しているときよりも高粘度な冷凍機油を使用する必要がある。例えば、100℃において、同じ油膜を得る(良好な潤滑性を得る)ために、エーテル油、エステル油の約2倍の粘度が必要である。
特に、一般に冷凍機油の粘度が低下する高温において、高粘度を維持できる冷凍機油がCO冷媒を使用する圧縮機には不可欠となる。
ところで、冷凍機油の粘度が高いと、ステータヨーク外周に、例えばティースの延長線上にわずかなコアカットを設けただけでは、通常、一定のトルクを得るために、コアカットの軸長が長いことと相まって、流路抵抗が高くなり、モータの上部の空間で冷媒と分離された冷凍機油は、コアカットを通ってモータの下にある油溜めに戻らず、油溜めの油面が低下し、軸受が損傷するという問題がある。
また、高圧ドームの圧縮機の場合、CO冷媒は高圧となり、ガス冷媒の密度が高く、冷凍機油との密度差が小さくなり、冷凍機油を押し上げる浮力が大きくなる。
このような理由から、CO冷媒を用いた圧縮機は、冷凍機油を戻す通路抵抗を、HFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒に比べると、小さくする必要がある。例えば、従来の分布巻や集中巻のモータであれば、ステータのバックヨークの外周に大きなコアカットを設ける必要があるが、バックヨークは磁束が多く通るので、一定の断面積が必要である。従って、大きな断面積のコアカットを設けることにより、実質ステータの外径を小さくすることになり、ロータ径を小さくするか、または、スロット面積を小さくしなければならないので、サイズのわりには出力の小さいモータとなってしまう。
一方で、特許文献1および特許文献2には、アキシャルギャップ型モータを圧縮機に搭載した内容が記載されている。これらの特許文献1,2において、冷媒は特定されていないが、特許文献1は、ステータは、密閉容器の断面よりも十分小さい(隙間だらけ)のモータである。しかし、バックヨークを有するステータであって、特に、ステータのバックヨーク外径で密閉容器の内壁に固定されるような構成では、ステータバックヨークが完全にモータ上下の空間を仕切ってしまう(エアギャップすらない)。そのため、モータの上下での差圧が大きくなり、モータの上部空間に上がった冷凍機油は、モータの下部の空間に戻りにくいという問題がある。
さらに、CO冷媒であれば、ラジアルギャップ型モータにコアカットを設けた場合、バックヨークの断面積を確保すると、ステータのバックヨークとして有効に働く部分の外径が小さくなり、特性が低下する。
特開昭61−185040 特開2004−52657
そこで、この発明の課題は、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機およびそれを用いた空気調和機および給湯機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の圧縮機は、
冷媒としてCOを用いた圧縮機であって、
密閉容器と、
上記密閉容器内に搭載され、回転軸に固定されたロータと上記ロータの軸方向にエアギャップを介して対向するステータとを有するアキシャルギャップ型のモータと、
上記密閉容器内に搭載され、上記モータにより上記回転軸を介して駆動される圧縮機構部と
を備え、
上記ステータのバックヨークと上記密閉容器の内壁との間に、上記モータの軸方向両側の空間を連通するステータ外周通路を設け、
上記回転軸の軸方向に上記ステータ外周通路を投影した部分は、上記ステータのコイルの外側の形状に沿うようになっていると共に、
上記ロータの外周は、上記ステータ外周通路の内周よりも半径方向内側にあることを特徴とする。
上記構成の圧縮機によれば、アキシャルギャップ型のモータを用いることによって、ステータのバックヨークのステータ外周通路となるコアカットの軸長を短くすることができ、流路抵抗を減ずることができる。また、ティース外周部を迂回して回るインナーロータ型の電動機と比べて、隣接するティース間や、ティースの内側のバックヨークを磁束が通るため、バックヨークの磁気抵抗は、コアカットにより極端に上昇することはない。したがって、ステータのバックヨークと密閉容器の内壁との間に、モータの軸方向両側の空間を連通するステータ外周通路を、ステータを通る磁束を阻害せずに設けることが可能となる。また、上記モータの上部の空間で分離された冷凍機油が、上記モータの軸方向両側の空間を連通する通路を通って落ちる間に、ステータのコイルにより加熱されて粘度が下がるため、冷凍機油がより油溜めに戻りやすい。したがって、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を実現できる。
また、上記ロータの外周は、ステータ外周通路の内周よりも半径方向内側にすることによって、ロータの外周の流路抵抗は、ステータ外周通路の流路抵抗に比べて十分無視できる程度に小さくできる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記モータは、上記圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる上記密閉容器内の領域に配置されている。
上記圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器内の高圧領域にモータが配置された構成では、CO冷媒は高圧となり、ガス冷媒の密度が高く、冷凍機油との密度差が小さくなるため、冷凍機油を押し上げる浮力が大きくなる。しかしながら、このような構成の圧縮機において、モータの上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくするので、特に有効である。
また、一実施形態の圧縮機では、上記ロータの外周と上記密閉容器の内壁との間の空間の上記ロータの軸直角断面の断面積は、上記ステータ外周通路の上記バックヨークの軸直角断面の断面積よりも大きい。
上記実施形態によれば、上記ロータの外周と密閉容器の内壁との間の空間のロータの軸直角断面の断面積を、ステータ外周通路のバックヨークの軸直角断面の断面積よりも大きくすることによって、ロータの外周の流路抵抗は、ステータ外周通路の流路抵抗に比べて十分無視できる程度に小さくできる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記ステータは、上記バックヨークの外周にて、上記密閉容器の内壁に圧入、または、焼きばめ、または、溶接されている。
上記実施形態によれば、上記バックヨークの外周にて、ステータが密閉容器の内壁に圧入、または、焼きばめ、または、溶接されていることによって、ステータのバックヨークを密閉容器に確実に保持できると共に、バックヨークにより密閉容器の強度も向上し、振動や騒音を低減できる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記ステータの上記コイルは、集中巻である。
上記実施形態によれば、上記ステータのコイルが集中巻であれば、上記ステータ外周通路をコイルの極間に設けることができる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記ステータの上記コイルは、コイルエンドが軸方向に重ねられた分布巻または波巻である。
上記実施形態によれば、上記ステータのコイルが、コイルエンドが軸方向に重ねられた分布巻または波巻であれば、起磁力を正弦波に近づけて、振動や騒音を低減できる。また、波巻の場合は、コイル同士の結線を減らすことができ、特に極数が多い場合に好適である。さらに、波巻の場合は、ステータ外周通路となるコアカットを設けられる箇所が増大し、より大きなステータ外周通路を設けることができる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記ステータ外周通路は、上記コイルの互いに重ね合わせられた外周側のコイルエンドのうち、他のコイルエンドよりも半径方向内側に設けられたコイルエンドの外側、かつ、上記他のコイルエンドを有する上記コイルの相互間に設けられた。
上記実施形態によれば、上記コイルの互いに重ね合わせられた外周側のコイルエンドのうち、他のコイルエンドよりも半径方向内側に設けられたコイルエンドの外側、かつ、上記他のコイルエンドを有するコイルの相互間に設けられたステータ外周通路を冷凍機油が通るとき、三方がコイルにより囲まれているため、冷凍機油が効果的にコイルにより加熱されて、粘度を下げることができる。
また、この発明の空気調和機では、上記のいずれか1つの圧縮機を搭載したことを特徴とする。
上記構成によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、性能がよく信頼性の高い空気調和機を実現できる。
また、この発明の給湯機では、上記のいずれか1つの圧縮機を搭載したことを特徴とする。
上記構成によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、性能がよく信頼性の高い給湯機を実現できる。
以上より明らかなように、この発明の圧縮機によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を実現することができる。また、一実施形態の圧縮機によれば、ロータの外周を、ステータ外周通路の内周よりも半径方向内側にすることによって、ロータの外周の流路抵抗は、ステータ外周通路の流路抵抗に比べて十分無視できる程度に小さくできる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器内の高圧領域にモータが配置された圧縮機において、モータの上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくするので、特に有効である。
また、一実施形態の圧縮機によれば、ロータの外周と密閉容器の内壁との間の空間の断面積を、ステータ外周通路の断面積よりも大きくすることによって、ロータの外周の流路抵抗は、ステータ外周通路の流路抵抗に比べて十分無視できる程度に小さくできる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、バックヨークの外周にて、ステータが密閉容器の内壁に圧入、または、焼きばめ、または、溶接されていることによって、ステータのバックヨークを密閉容器に確実に保持できると共に、バックヨークにより密閉容器の強度も向上し、振動や騒音を低減できる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、上記ステータのコイルが集中巻であれば、上記ステータ外周通路をコイルの極間に設けることができる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、ステータのコイルが、コイルエンドが軸方向に重ねられた分布巻または波巻であれば、起磁力を正弦波に近づけて、振動や騒音を低減できる。また、波巻の場合は、コイル同士の結線を減らすことができ、特に極数が多い場合に好適で、さらに、ステータ外周通路となるコアカットを設けられる箇所が増大し、より大きなステータ外周通路を設けることができる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、コイルの互いに重ね合わせられた外周側のコイルエンドのうち、他のコイルエンドよりも半径方向内側に設けられたコイルエンドの外側、かつ、上記他のコイルエンドを有するコイルの相互間に設けられたステータ外周通路を冷凍機油が通るとき、三方がコイルにより囲まれているため、冷凍機油が効果的にコイルにより加熱されて、粘度を下げることができる。
また、この発明の空気調和機によれば、上記圧縮機を用いることによって、性能がよく信頼性の高い空気調和機を実現できる。
また、この発明の給湯機によれば、上記圧縮機を用いることによって、性能がよく信頼性の高い給湯機を実現できる。
以下、この発明の圧縮機および空気調和機および給湯機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、この発明の第1実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図を示している。この第1実施形態のロータリ圧縮機は、CO冷媒を用いた高圧ドーム型である。
この第1実施形態の圧縮機は、図1に示すように、密閉容器1と、上記密閉容器1内に配置された圧縮機構部2と、上記密閉容器1内かつ圧縮機構部2の上側に配置され、上記圧縮機構部2を回転軸4を介して駆動するアキシャルギャップ型のモータ3とを備えている。上記密閉容器1の下側側方に、吸入管11を接続する一方、密閉容器1の上側に吐出管12を接続している。上記吸入管11から供給される冷媒ガスは、圧縮機構部2の吸込側に導かれる。
ここで、上方向とは、上記密閉容器1の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、密閉容器1の中心軸に沿った上方向をいう。また、このロータリ圧縮機は、少なくともモータ3の下部に油溜めを有する縦型である。
上記モータ3は、圧縮機構部2から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器1内の高圧領域に配置されている。
上記アキシャルギャップ型のモータ3は、回転軸4に固定された円盤形状のロータ50と、上記ロータ50の上側に軸方向にエアギャップを介して対向するように配置された上側ステータ60Bと、上記ロータ50の下側に軸方向にエアギャップを介して対向するように配置された下側ステータ60Aとを有する。
また、上記圧縮機構部2は、図1に示すように、シリンダ状の本体部20と、この本体部20の上下の開口端のそれぞれに取り付けられた上端板8および下端板9とを備える。上記回転軸4は、上端板8および下端板9を貫通して、本体部20の内部に挿入されている。上記回転軸4は、圧縮機構部2の上端板8に設けられた軸受21と、圧縮機構部2の下端板9に設けられた軸受22により回転自在に支持されている。上記本体部20内の回転軸4にクランクピン5が設けられ、そのクランクピン5に嵌合されて駆動されるピストン6とそれに対応するシリンダとの間に形成された圧縮室7により圧縮を行う。ピストン6は偏芯した状態で回転し、または、公転運動を行い、圧縮室7の容積を変化させる。
図2は上記ロータ50および下側ステータ60Aの分解斜視図を示しており、図3は上記下側ステータ60Aの平面図を示している。なお、上側ステータ60Bは、下側ステータ60Aと同様の構成をしている(上下が逆)。
図2に示すように、上記ロータ50は、円周に沿って配列された扇形状の4つの永久磁石52を、軸方向両側からロータコア51で挟むように重ね合わせて形成している。また、上記ロータコア51には、中央に円孔51aを設けると共に、放射状に4つのスリット51bを設け、スリット51b間に各永久磁石52を周方向に所定の間隔をあけて配置している。上記ロータコア51のスリット33bと、永久磁石52間の空間で、冷媒ガスが軸方向に流れるガス通路を形成している。
上記下側ステータ60Aは、中央孔63aを有する磁性体からなる円盤状のバックヨーク63と、上記バックヨーク63からロータ50側に向って起立し、周方向に略等間隔に設けられた6つのティース64と、上記回転軸4に平行な方向を中心に各ティース64に巻回されたアキシャルコイル62と、上記ティース64先端に、エアギャップ面に対して対向面積を広げるように設けられ、中央孔61aを有する円板形状の磁性体板61とを有している。一方、上側ステータ60Bは、上下が逆であるのを除いて下側ステータ60Aと同じ構成をしている。上側ステータ60B,下側ステータ60Aの各磁性体板61には、複数のティース64を互いに磁気的に絶縁するためのスリット61bを放射状に設けている。
上記6つのティース64は、バックヨーク63によって互いに磁気的に接続され、バックヨーク63と反対側(ロータに対向する側)では、磁性体板61により接続されている。上記コイル62は、例えば3相スター結線され、インバータから電流を供給する。
上側ステータ60B,下側ステータ60A夫々のロータ50に対向する位置には、互いに逆の極性が発生するようにコイル62が巻回される。すなわち、軸方向の一方の方向から見て同一方向に巻回されたコイルが設けられることになる。
上記上側ステータ60B,下側ステータ60Aは、ロータ50の径方向両側に配置され、密閉容器1に固定されている。上記回転軸4は、ロータ50の回転力を圧縮機構部2に伝達する。
上記バックヨーク63の外周部は、密閉容器1の内壁に接触しているが、磁性体板61は、密閉容器1の内壁に対して一定の距離を隔てている。密閉容器1の内壁に近接または接触すれば、磁束が短絡するからである。
図2, 図3に示すように、上記バックヨーク63の外周部に、コイル62の外側の形状に沿うようにコアカット63bを設けている。
上記バックヨークの63のコアカット63bは、モータ3の軸方向両側の空間を連通するステータ外周通路であり、油戻し通路として有効に使うことができる。ここで、コアカットは、例えば集中巻であれば、極間に設けられる。なお、バックヨークのコアカットは、コイルの外側形状よりも大きめでもよいし、小さめでもよい。
上記ロータ50は、任意であるが、この第1実施形態においては、永久磁石52の両側に、磁極ごとにスリット51bで磁気的に隔てられたロータコア51を設けている。ただ、このまま回転軸4でロータコア51を保持することは困難であるので、ロータコア51と永久磁石52を保持する非磁性体のホルダーを介することが望ましい。
なお、上側ステータ60B,下側ステータ60Aは対称形状で十分であるが、異なっていてもよい。
次に、上記ロータリ圧縮機の作用を説明する。
図1に示すように、吸入管11から圧縮機構部2の圧縮室7に冷媒ガスを供給し、モータ3により圧縮機構部2を駆動させて、冷媒ガスを圧縮する。そして、圧縮された冷媒ガスは、冷凍機油と共に、圧縮機構部2の吐出孔23から密閉容器1内に吐出され、モータ3を通って、圧縮機構部2の上部空間に運ばれ、吐出管12より密閉容器1の外側に吐出される。
このとき、冷媒ガスは、上側ステータ60B,下側ステータ60Aの内周部およびロータ50の回転軸付近に設けられた通路(図示せず)を通って上部空間に導かれる。この冷媒ガスに含まれる冷凍機油は、ロータ50の遠心力で飛ばされ、密閉容器1の内側に微粒子の状態で付着することで液化した後、重力の作用によって、モータ3の冷媒ガス流れの上流側に戻る。
上記第1実施形態の圧縮機においては、圧縮機構部2や軸受を潤滑した冷凍機油は、モータ3を通るうちに、上側ステータ60B,下側ステータ60Aのコイル62によって加熱されて粘度を下げる。そして、モータ3の上部の空間で分離された冷凍機油が、コアカット63bを通って落ちる。冷凍機油が粘度を下げるため、冷凍機油がより油溜めに戻りやすくなる。特に、下側ステータ60Aまわりは、上側ステータ60Bのコアカット63bよりも面積を小さくすることができる。上側ステータ60B,下側ステータ60Aのコアカット63bを落ちた冷凍機油は、吸入管11付近を通ることにより、再び冷却され、粘度を回復し、軸受21,22を良好に潤滑する。
したがって、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高いロータリ圧縮機実現することができる。
また、高圧ドーム型のロータリ圧縮機において、CO冷媒が高圧となってガス冷媒の密度が高くなり、CO冷媒と冷凍機油との密度差が小さくなるため、冷凍機油を押し上げる浮力が大きくなっても、この第1実施形態の構成のロータリ圧縮機によれば、モータ3の上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくするので、特に有効である。
ここで、ロータ50の外周は、ステータ外周通路(コアカット63b)の内周よりも半径方向内側にある。さらに、ロータ50の外周と密閉容器1の内壁との間の空間の断面積は、ステータ外周通路(コアカット63b)の断面積よりも大である。これにより、ロータ50の外周の流路抵抗は、ステータ外周通路の流路抵抗に比べて十分無視できる程度に小さくできる。
また、上側ステータ60B,下側ステータ60Aのバックヨーク63の軸長は、モータ全長(ロータ50および上側ステータ60B,下側ステータ60Aを併せた軸方向長さ)の1/2以下であると、流路抵抗を1/2以下にする点で望ましい。実際、ティース64、ロータ50、バックヨーク63がそれぞれ同等程度であれば、バックヨーク63の軸長はモータ全長の1/2以下になる。
なお、上側ステータ60B,下側ステータ60Aの磁性体板61は必須ではない。
また、上側ステータ60B,下側ステータ60Aの内周側の通路は、冷凍機油を含んだ冷媒をモータ3の上部空間に上げるためのものであるが、こちらの通路もコイル62に接触するようにすれば、コイル62を冷却しつつ、冷凍機油は加熱しながら上に上がる。このとき、一部の冷凍機油は、ロータ50および上側ステータ60Bのギャップ面にて滴下して、ロータ50の遠心力で外周に飛散される。従って、上側ステータ60Bのコアカット63bは、十分大きくする必要は必ずしも無い。
また、冷凍機油の粘度の変化を考えると、圧縮機構部と軸受は、モータの下部に有する場合に適する。
なお、上側ステータ60B,下側ステータ60Aのうちのバックヨーク63を密閉容器1の内周に焼きばめすることは、軸長が短すぎる場合があり、この場合は溶接により固定すればよい。
図4は上記第1実施形態のロータリ圧縮機において置き換え可能な分布巻のステータ構造を示している。このステータ80は、コイルエンドが軸方向に重ねられた巻線をもつ、分布巻である。
上記ステータ80は、例えば密閉容器(図示せず)の内側に圧入または焼きばめまたは溶接により取り付けられたステータコア82と、このステータコア82に取り付けられたコイルU1,V1,W1,U2,V2,W2とを有する。上記ステータ80は、下層のコイルU2,V2,W2と上層のコイルU1,V1,W1の2層構造をしている。ステータコア82は、軟磁性材料、例えば、透磁率の高い鉄等からなる。
上記ステータコア82は、回転軸4に対して略直交するように配置された円環状のバックヨーク83と、このバックヨーク83のロータ31側の一面に、軸方向に起立するように設けられたティース24bとを有する。上記バックヨーク83の外周にて、ステータ80が密閉容器1の内壁に圧入、または、焼きばめ、または、溶接されていることによって、ステータ80のバックヨーク83を密閉容器1に確実に保持できると共に、バックヨーク83により密閉容器1の強度も向上し、振動や騒音を低減することができる。
上記ティース84は、回転軸4(図1に示す)に沿って延びており、回転軸4の周りに複数個設けられている。上記コイルU1,V1,W1,U2,V2,W2は、各ティース84の複数に巻回されている。従って、上記コイルU1,V1,W1,U2,V2,W2のコイルエンドにおいて、他のコイルと重なり合う部分を有する。このコイルエンドが重なり合う部分の一方のコイルU2,V2,W2は、同一平面で巻回される。また、上記コイルエンドが重なり合う部分の他方のコイルU1,V1,W1は、ティース84に対して、軸方向かつロータ50側に曲げられている。それにより、他方のコイルU1,V1,W1は、一方のコイルU2,V2,W2のコイルエンドを邪魔することなく、巻回される。
上記コイルU1,V1,W1,U2,V2,W2は、上段にU相,V相,W相が配置され、下段に上段のU相と180°対向する位置にU相,V相,W相が配置されている。上段のコイルU1,V1,W1のコイルエンドは、下段のコイルU2,V2,W2のコイルエンドとの干渉を避けるべく、下段のコイルエンドよりもティース84に対して内側で上に曲げられ、下段のコイルエンドよりも上に、かつ、ティース84に対して内側にてわたる。
上記ステータ外周通路85は、互いに重ね合わせられたコイルエンドのうち、より内周側に退けられた上段のコイルU1,V1,W1の外側であって、かつ、外周側に設けられた下段のコイルU2,V2,W2の相互間に設けられている。すなわち、ステータ外周通路85は、ティース84の外周部になる。このステータ外周通路85を通るときに、冷凍機油は上段のコイルU1,V1,W1のコイルエンドの外周側、および、下段のコイルU2,V2,W2のコイルエンドの屈曲部付近を通るため、加熱されて粘度を減ずる。なお、コイルU1,V1,W1,U2,V2,W2と密閉容器1の内周部との間には、絶縁を確保するための空間を有するように設けられるのが一般的であり、その部分にも適宜コアカットを設けてステータ外周通路を形成するとよい。
図5は上記第1実施形態の圧縮機において置き換え可能な波巻のステータ構造を示している。
上記ステータ90のコイルUd,Vd,Wdは、いわゆる波巻である。すなわち、ティース94間のスロット部を通ったコイルUd,Vd,Wdは、外周側と内周側では異なる方向に巻回される。つまり、極数によらず、各相1コイルとなる。従って、極数を増した場合でも、結線が容易となり、結線のためのスペースも不要となる。
上記コイルUd,Vd,Wdを、下から第1層、第2層、第3層とよぶ。なお、ティース94間のスロット部に収納されたコイルUd,Vd,Wdの部分は、ティース長ほぼ全部に渡って収納され、他の相と重なることはない。
第1層は、平面状にコイルUdが配置される。ただし、ティース94に対して、内周および外周に空間を設けてある。この空間を用いて、他の相のコイルエンドを屈曲させる。
第2層は、コイルVdが配置され、第1層のコイルUdと重ならない部分において、コイルエンドはスロット内部と同じ平面状に這うが、第1層のコイルUdと重なり合う部分においては、ロータ側(図5では上側)に屈曲し、第1層のコイルUのコイルエンドの上の層(「上段」とよぶ)を通る。
また、第3層は、コイルWdが配置され、コイルWdのコイルエンドは、ほぼ、上段を這う。
各相のコイルUd,Vd,Wdは、予め巻枠に巻回されて、所定の形状に整形された後、ステータコア92のティース94に外嵌される。
図5に示す波巻のステータ90は、内側に退けられたコイルWd,Vdのコイルエンドの外周であって、外側に設けられたコイルエンドの境界付近にステータ外周通路95を形成している。すなわち、ステータ外周通路95はティース94の外周部になる。
このステータ外周通路の効果は、図4,図5に示すステータ80,90のいずれも同等である。
ただ、分布巻および波巻は、起磁力を正弦波に近づけ、振動・騒音を低減できる。また、波巻は、コイル同士の結線を減らすことができ、特に極数が多い場合に好適である。さらに、波巻の場合は、コアカット(ステータ外周通路)を設けられる箇所が増大し、より大きなコアカットを設けることが可能となる。
〔第2実施形態〕
図6はこの発明の第2実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図を示している。この第2実施形態の圧縮機は、ステータとロータがそれぞれ1組のアキシャルギャップ型モータを搭載している。また、このロータリ圧縮機は、CO冷媒を用いた高圧ドーム型である。
この第2実施形態のロータリ圧縮機は、図6に示すように、密閉容器101と、上記密閉容器101内に配置された圧縮機構部102と、上記密閉容器101内かつ圧縮機構部102の上側に配置され、上記圧縮機構部102を回転軸104を介して駆動するアキシャルギャップ型のモータ103とを備えている。上記密閉容器101の下側側方に、吸入管111を接続する一方、密閉容器101の上側に吐出管112を接続している。上記吸入管111から供給される冷媒ガスは、圧縮機構部102の吸込側に導かれる。
ここで、上方向とは、上記密閉容器101の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、密閉容器101の中心軸に沿った上方向をいう。また、このロータリ圧縮機は、少なくともモータ103の下部に油溜めを有する縦型である。
上記アキシャルギャップ型のモータ103は、ロータ130と、上記ロータ130の軸方向の下側に配置されたステータ140とを有する。
図7は上記モータ103の分解斜視図を示している。
図7に示すように、上記ロータ130は、ロータコア131と、上記ロータコア131の下側に円周に沿って配列された扇形状の4つの永久磁石132とを有する。
また、上記ステータ140は、バックヨーク143と、上記バックヨーク143からロータ50側に向って起立し、周方向に略等間隔に設けられた6つのティース144と、上記6つのティース64に巻回されたアキシャルコイル62とを有する。上記バックヨーク143の外周かつ各ティース144の半径方向外側にコアカット146を夫々設けている。このコアカット146は、冷媒の通路や冷却のための風の通路等に用いられる。また、バックヨーク143の外周にケーシング(図示せず)の内周が接触する固定部147に、応力緩和孔145を設けている。この応力緩和孔145により、バックヨーク143の固定部147をケーシングの内周に固定する焼きばめ時(または圧入時)の応力によりバックヨーク143が面内変形して軸方向に変位しないので、エアギャップ精度が向上すると共に、バックヨーク143のティース144周りで歪が緩和されるため、磁気特性の劣化がない。
上記構成のロータリ圧縮機によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高いロータリ圧縮機を実現することができる。
また、高圧ドーム型のロータリ圧縮機において、CO冷媒が高圧となってガス冷媒の密度が高くなり、CO冷媒と冷凍機油との密度差が小さくなるため、冷凍機油を押し上げる浮力が大きくなっても、この第2実施形態の構成のロータリ圧縮機によれば、モータ103の上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくするので、特に有効である。
ここで、ロータ130の外周は、ステータ外周通路(コアカット146)の内周よりも内側にある。さらに、ロータ130の外周と密閉容器1の内壁との間の空間の断面積は、ステータ外周通路(コアカット146)の断面積よりも大である。これにより、ロータ130の外周の流路抵抗は、ステータ外周通路の流路抵抗に比べて十分無視できる程度に小さくできる。
上記ステータ140は集中巻である。また、ステータ外周通路(コアカット146)は、コイル142の最外径部に沿って設けられているか、または、上記コイル142の最外径部に近接して設けられている。通常、コイル142は、絶縁のために密閉容器101の内壁とある程度距離を離す必要がある。そのコイル142と密閉容器101の内壁との間の空間を利用し、そのままバックヨーク143にもコアカット146を連続して設けている。
また、バックヨーク143の密閉容器101の内壁に勘合する固定部147において、外径から少し隔てた部分に設けた貫通孔(応力緩和孔145)を併せて、冷凍機油の戻し通路として利用できる。
〔第3実施形態〕
図8はこの発明の第3実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図を示している。この第3実施形態のスクロール圧縮機は、低圧ドーム型で、圧縮機構部203がモータ202の上部にある形態を示す。
このスクロール圧縮機は、図8に示すように、密閉容器201内に下から上に順に配置された、アキシャルギャップ型のモータ202と、このモータ202で駆動される圧縮機構部203とを備えている。ここで、上側とは、密閉容器201の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、密閉容器201の中心軸に沿った上側をいう。
上記モータ202は、圧縮機構部203に吸入されるべき低圧の冷媒が満たされる密閉容器201内の低圧領域に配置されている。具体的には、密閉容器201内は、圧縮機構部203を挟んで高圧領域Hと低圧領域Lとに区画され、モータ202は、低圧領域Lに配置されている。
上記モータ202は、ステータ221と、このステータ221の下側に軸方向にエアギャップを介して配置されたロータ226と、このロータ226に固定されると共にこのロータ226の回転力を圧縮機構部203に伝達する回転軸220とを有している。
上記ステータ221は、密閉容器201の内面に取り付けられたステータコア223と、このステータコア223に取り付けられたコイル222とを有する。
上記ステータコア223は、回転軸220に対して略直交するように配置された円環状のバックヨーク224aと、このバックヨーク224aのロータ226側の一面に設けられたティース224bとを有する。
上記バックヨーク224aは、回転軸220を挿通して保持するボス部224cを有する。なお、上記ボス部224cは、必須ではなく、バックヨーク224aは、回転軸220から離隔していてもよい。
上記ティース224bは、回転軸220に沿って延びており、回転軸220の周りに複数個設けられている。上記コイル222は、各ティース224bの軸周りに巻回されている。上記コイル222は、励磁されて、ティース224bの軸方向の磁束を発生する。上記ティース224bのそれぞれに発生した磁束は、バックヨーク224aを介して他のティース224bに移動する。
上記構成のスクロール圧縮機において、吸入管206から冷媒を導入し、スクロール形式の圧縮機構部203により冷媒を圧縮し、吐出管207から圧縮された高圧冷媒を吐出する。このとき、冷凍機油は、油溜め208から、回転軸204の下端より回転軸204内を通って軸受部および圧縮機構部203を潤滑する。そして、例えば、吐出冷媒が充満する高圧空間Hと吸入冷媒が充満する低圧空間Lを接続する油戻し通路234を通って、高圧空間Hにて吐出冷媒と分離された冷凍機油が低圧空間Lに戻る。回転軸204内を通って密閉容器201内部(低圧部)に冷凍機油を返す。そのとき、バックヨーク224aのうち、コイルのない部分(集中巻であれば、隣接するティースの間)にコアカット246を設けている。ロータ226の外径は、密閉容器201の内側より十分に小さい。なお、油溜め208とロータ226の間には、ロータ226が冷凍機油を跳ね上げることを防止するための仕切り209を設けているが、仕切り209にも、油通路を設けている。
上記構成のスクロール圧縮機によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高いスクロール圧縮機を実現することができる。
ここで、ロータ226の外周は、ステータ外周通路(コアカット246)の内周よりも内側にある。さらに、ロータ226の外周と密閉容器1の内壁との間の空間の断面積は、ステータ外周通路(コアカット246)の断面積よりも大である。これにより、ロータ226の外周の流路抵抗は、ステータ外周通路の流路抵抗に比べて十分無視できる程度に小さい。
〔第4実施形態〕
図9はこの発明の第4実施形態の圧縮機を用いた空気調和機の回路図を示している。この第4実施形態の空気調和機では、第1,第2実施形態のロータリ圧縮機または第3実施形態のスクロール圧縮機のうちのいずれか1つを用いる。
この空気調和機は、図9に示すように、圧縮機401と、上記圧縮機401の吐出側が一端に接続された四路弁402と、上記四路弁402の他端に一端が接続された室外熱交換器403と、上記室外熱交換器403の他端に一端が接続された電動膨張弁404と、上記電動膨張弁404の他端に一端が接続された室内熱交換器405と、上記室内熱交換器405の他端に四路弁402を介して一端が接続され、他端が圧縮機401の吸入側に接続されたアキュムレータ406とを備えている。上記圧縮機401,四路弁402,室外熱交換器403,電動膨張弁404, 室内熱交換器405およびアキュムレータ406で冷媒回路を構成している。
また、この空気調和機は、室外熱交換器403近傍に配置された室外ファン407と、室内熱交換器5近傍に配置された室内ファン408を備えている。
上記圧縮機401,四路弁402,室外熱交換器403,電動膨張弁404,キュムレータ406,室外ファン407で室外機410を構成し、上記室内熱交換器405と室内ファン408で室内機420を構成している。
この第4実施形態の空気調和機によれば、CO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、高性能,高信頼性でかつ地球環境にやさしい空気調和機を実現することができる。
〔第5実施形態〕
図10はこの発明の第5実施形態の圧縮機を用いたヒートポンプ給湯機の回路図を示している。この第5実施形態の空気調和機では、第1,第2実施形態のロータリ圧縮機または第3実施形態のスクロール圧縮機のうちのいずれか1つを用いる。
このヒートポンプ給湯機は、図10に示すように、室外ユニット510,室内ユニット520および給湯タンクユニット530を備えている。上記室外ユニット510は、圧縮機501と、上記圧縮機501の吐出側に接続された四路弁502と、上記四路弁502に一端が接続された室外熱交換器503と、上記室外熱交換器503の他端に一端が接続された電動膨張弁504とを有している。上記電動膨張弁504の他端に減圧器としての電動膨張弁505の一端を接続している。また、上記室外ユニット510の電動膨張弁505の他端と室内ユニット520の室内熱交換器507の一端と接続している。上記室内ユニット520の室内熱交換器507の他端を室外ユニット510の四路弁502,アキュムレータ508を介して圧縮機501の吸入側に接続している。また、上記圧縮機501と四路弁502との間の冷媒配管551に電磁弁552を配設している。
また、上記圧縮機501の吐出側に給湯タンクユニット530の二重管構造の給湯熱交換器531の一端を冷媒配管553により接続して、その冷媒配管553に電磁弁554を配設している。上記給湯熱交換器531の他端を電動膨張弁504と電動膨張弁505との間の冷媒配管に電動膨張弁506を介して接続している。上記給湯熱交換器531の内管の上端を給湯タンク532の中間位置に接続する一方、給湯熱交換器531の内管の下端を給湯タンク532の底に接続している。上記給湯タンク532内の湯を給湯熱交換器531の内管を介して循環ポンプ533により循環させる。
この第5実施形態の給湯機によれば、CO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、高性能,高信頼性でかつ地球環境にやさしいヒートポンプ給湯機を実現することができる。
上記第1〜第5実施形態において、高粘度を維持できる冷凍機油がCO冷媒を使用する圧縮機には不可欠となる。
例えば、エーテル油、エステル油であっても、高温において高粘度である冷凍機油を使う方法があるが、同時に低温ではより冷凍機油の粘度が高くなるので、低温における冷凍機油またはCOが飽和溶解した冷凍機油の流動性に注意する必要がある。粘度指数が150未満の冷凍機油を使う場合、高温で高粘度であると、低温においては粘度が過剰に大きくなり、冷凍機油が流動性を失い、圧縮機が潤滑油不足となり起動不良などを引起こす。
このように、高温においても高粘度を維持し、低温においても流動性を失わない冷凍機油の特性としては、冷凍機油の温度による動粘度の変化の割合を表す尺度である粘度指数が、150以上、望ましくは200程度が望ましい。上記第1〜第3実施形態の圧縮機では、冷凍機油としてPAG(ポリアルキレングルコール)を用いる。
上記第1〜第3実施形態では、スクロール圧縮機およびロータリ圧縮機について説明したが、他の構成の圧縮機にこの発明を適用してもよい。
また、上記第4,第5実施形態では、圧縮機を用いた空気調和機およびヒートポンプ給湯機について説明したが、空気調和機と給湯機の構成はこれに限らない。また、この発明の圧縮機は、第4,第5実施形態に限らず、他の冷凍機等に適用してもよい。
図1はこの発明の第1実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図である。 図2は上記ロータリ圧縮機のロータおよび下側ステータの分解斜視図である。 図3は上記ロータリ圧縮機のステータの平面図である。 図4は上記第1実施形態のロータリ圧縮機において置き換え可能な分布巻のステータ構造を示す図である。 図5は上記第1実施形態のロータリ圧縮機において置き換え可能な波巻のステータ構造を示す図である。 図6はこの発明の第2実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図を示している。 図7は上記圧縮機のモータの分解斜視図である。 図8はこの発明の第3実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図を示している。 図9はこの発明の第4実施形態の圧縮機を用いた空気調和機の回路図である。 図10はこの発明の第5実施形態の圧縮機を用いたヒートポンプ給湯機の回路図である。
1,101,201…密閉容器
2,102,203…圧縮機構部
3,103,202…モータ
4,104,220…回転軸
5…クランクピン
6…ピストン
7…圧縮室
8…上端板
9…下端板
11,111…吸入管
12,112…吐出管
20…本体部
21,22…軸受
50,130,226…ロータ
51…ロータコア
52…永久磁石
60B…上側ステータ
60A…下側ステータ
61…磁性体板
62,U1,V1,W1,U2,V2,W2,Ud,Vd,Wd,142,222…コイル
63,143,224a…バックヨーク
63b…コアカット
64,144,224b…ティース
80,90,140,221…ステータ
85,95…ステータ外周通路
145…応力緩和孔
146…コアカット
147…固定部
223…ステータコア
224c…ボス部
401,501…圧縮機

Claims (9)

  1. 冷媒としてCOを用いた圧縮機であって、
    密閉容器(1,101,201)と、
    上記密閉容器(1,101,201)内に搭載され、回転軸(4,104,220)に固定されたロータ(50,130,226)と上記ロータ(50,130,226)の軸方向にエアギャップを介して対向するステータ(60A,60B,80,90,140,221)とを有するアキシャルギャップ型のモータ(3,103,202)と、
    上記密閉容器(1,101,201)内に搭載され、上記モータ(3,103,202)により上記回転軸(4,104,220)を介して駆動される圧縮機構部(2,102,203)と
    を備え、
    上記ステータ(60A,60B,80,90,140,221)のバックヨーク(63,83,93,143,224a)と上記密閉容器(1,101,201)の内壁との間に、上記モータ(3,103,202)の軸方向両側の空間を連通するステータ外周通路(63b,85,95,146,246)を設け、
    上記回転軸(4,104,220)の軸方向に上記ステータ外周通路(63b,85,95,146,246)を投影した部分は、上記ステータ(60A,60B,80,90,140,221)のコイル(62,U1,V1,W1,U2,V2,W2,Ud,Vd,Wd,142,222)の外側の形状に沿うようになっていると共に、
    上記ロータ(50)の外周は、上記ステータ外周通路(63b,85,95,146,246)の内周よりも半径方向内側にあることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機において、
    上記モータ(3,103)は、上記圧縮機構部(2,102)から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる上記密閉容器(1,101)内の領域に配置されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載の圧縮機において、
    上記ロータ(50,130,226)の外周と上記密閉容器(1,101,201)の内壁との間の空間の上記ロータ(50,130,226)の軸直角断面の断面積は、上記ステータ外周通路(63b,85,95,146,246)の上記バックヨーク(63,83,93,143,224a)の軸直角断面の断面積よりも大きいことを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記ステータ(60A,60B,80,90,140,221)は、上記バックヨーク(63,83,93,143,224a)の外周にて、上記密閉容器(1,101,201)の内壁に圧入、または、焼きばめ、または、溶接されたことを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記ステータ(60A,60B,140,221)の上記コイル(62,142,222)は、集中巻であることを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記ステータ(80,90)の上記コイル(U1,V1,W1,U2,V2,W2,Ud,Vd,Wd)は、コイルエンドが軸方向に重ねられた分布巻または波巻であることを特徴とする圧縮機。
  7. 請求項に記載の圧縮機において、
    上記ステータ外周通路(95)は、上記コイル(Ud,Vd,Wd)の互いに重ね合わせられた外周側のコイルエンドのうち、他のコイルエンドよりも半径方向内側に設けられたコイルエンドの外側、かつ、上記他のコイルエンドを有する上記コイルの相互間に設けられたことを特徴とする圧縮機。
  8. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする空気調和機。
  9. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする給湯機。
JP2006336984A 2006-12-14 2006-12-14 圧縮機および空気調和機および給湯機 Expired - Fee Related JP5034476B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006336984A JP5034476B2 (ja) 2006-12-14 2006-12-14 圧縮機および空気調和機および給湯機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006336984A JP5034476B2 (ja) 2006-12-14 2006-12-14 圧縮機および空気調和機および給湯機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008150962A JP2008150962A (ja) 2008-07-03
JP5034476B2 true JP5034476B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=39653419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006336984A Expired - Fee Related JP5034476B2 (ja) 2006-12-14 2006-12-14 圧縮機および空気調和機および給湯機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5034476B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5482072B2 (ja) * 2009-10-02 2014-04-23 株式会社ジェイテクト アキシャルギャップ型モータ及び電動パワーステアリング装置
JP5963436B2 (ja) 2011-12-21 2016-08-03 株式会社ヴァレオジャパン 電動圧縮機
JP6001356B2 (ja) * 2012-06-29 2016-10-05 株式会社ヴァレオジャパン 電動圧縮機

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4586599B2 (ja) * 2005-03-25 2010-11-24 ダイキン工業株式会社 圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008150962A (ja) 2008-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6742402B2 (ja) 電動機、圧縮機、及び冷凍サイクル装置
JP2009136101A (ja) モータ及びそれを備えた冷媒圧縮機
JP2008211873A (ja) ステータ、モータおよび圧縮機
KR101531978B1 (ko) 전동기 및 이것을 사용한 공기조화기
CN109155544A (zh) 定子、电动机、压缩机以及制冷空调装置
JP6001410B2 (ja) 密閉型電動圧縮機及びこれを用いた冷凍空調装置
JP5034476B2 (ja) 圧縮機および空気調和機および給湯機
JP2005184874A (ja) 電動圧縮機
JPWO2009084245A1 (ja) 圧縮機用電動機及び圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2007218097A (ja) 圧縮機
JP2008148526A (ja) モータ用のステータ、モータおよび圧縮機
JP3992071B1 (ja) 圧縮機
JP5135779B2 (ja) 圧縮機
JP2007064019A (ja) 圧縮機
JP4513633B2 (ja) 圧縮機
JP4156506B2 (ja) 電動機及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置及びウェッジ
EP1911975A1 (en) Sealed electric compressor
JP2008202455A (ja) 圧縮機
JP2009299663A (ja) 圧縮機および空気調和機および給湯機
JP2009002352A (ja) 圧縮機
JP6556342B2 (ja) 固定子、モータ、圧縮機および冷凍サイクル装置
JP4774821B2 (ja) 圧縮機
JP2008138591A5 (ja)
JP2008184931A (ja) モータおよび圧縮機
JPWO2017006454A1 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110922

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120618

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees