JP2008202455A - 圧縮機 - Google Patents

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能成 浅野
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
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Abstract

【課題】アキシャルギャップ型のモータを有する圧縮機において、起動時に潤滑油の粘度が高い場合であっても、モータを回転しやすくする技術を提供する。
【解決手段】容器1内には、アキシャルギャップ型のモータ2と、モータ2から伝達される回転力を利用して冷媒を圧縮する圧縮部3と、モータ2の回転に起因して容器1内に生じる摩擦面に供給される潤滑油8とが設けられている。モータ2は、コイル22を有するステータ21と、ステータ21のコイル22が通電されることによって回転するロータ26と、ロータ26の回転力を圧縮部3に伝達するシャフト20とを有する。コイル22が通電されていない状態での潤滑油8の油面8aは、当該潤滑油8の油温が少なくとも所定温度以下の場合に、当該潤滑油8がコイル22を浸漬し、かつロータ26を浸漬しない状態となる位置に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アキシャルギャップ型のモータを有する圧縮機に関する。
空気調和機や冷凍機等に搭載される圧縮機においては、冬期などの外気温が低い場合には、容器内の摩擦面を潤滑する潤滑油の油温が低下し、当該潤滑油の粘度が高くなることがある。その結果、圧縮機の動作時に潤滑油によってモータが回転しにくくなり、圧縮機の性能が低下することがある。特に、粘度の高い潤滑油を使用する必要があるCO2を冷媒とした圧縮機においては、この問題が顕著となり、場合によっては、モータが回転せずに起動不良が生じることがある。
また、外気温が低下すると冷媒が液化し、潤滑油には液化した冷媒が含まれることがある。この状態において、圧縮機を起動させると、潤滑油の温度が急激に上昇し、その中の液化した冷媒が急激に気化して、発泡現象が発生することがある。その結果、潤滑油が容器外に持ち出されて、容器内の潤滑油が減少し、容器内での摩擦面の潤滑に支障をきたすことがある。
そこで、これらの問題を解決するために、起動時にモータのコイルを通電して、潤滑油を予備加熱する技術が特許文献1,2に提案されている。
特開平8−110102号公報 特開2000−292017号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術では、十分な効果は得られず、さらなる改善が望まれる。
そこで、本発明は上記点に鑑みて成されたものであり、アキシャルギャップ型のモータを有する圧縮機において、起動時に潤滑油の粘度が高い場合であっても、モータを回転しやすくする技術を提供することを第1の目的とする。
また、潤滑油に含まれる液化した冷媒が急激に気化することを抑制することを第2の目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、容器(1)と、前記容器内に設けられたアキシャルギャップ型のモータ(2)と、前記容器内において前記モータの上方に配置され、前記モータから伝達される回転力を利用して冷媒を圧縮する圧縮部(3,303)と、前記容器内に設けられ、前記モータの回転に起因して前記容器内に生じる摩擦面に供給される潤滑油(8)とを備え、前記モータは、コイル(22,122U,122V,122W,222U,222V,222W)を有するステータ(21,121,221)と、前記ステータの上方に配置され、当該ステータの前記コイルが通電されることによって回転するロータ(26)と、前記ロータの回転力を前記圧縮部に伝達する伝達機構(20)とを有し、前記コイルが通電されていない状態での前記潤滑油の油面(8a)は、当該潤滑油の油温が少なくとも所定温度以下の場合に、当該潤滑油が前記コイルを浸漬し、かつ前記ロータを浸漬しない状態となる位置に設定されている、圧縮機である。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の圧縮機であって、前記モータを駆動するモータ駆動部(50)をさらに備え、前記モータ駆動部は、前記モータを駆動する際には、前記ロータが回転しないように前記コイルを通電した後、前記ロータを回転させる。
また、請求項3の発明は、請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の圧縮機であって、前記ロータが回転している状態での前記潤滑油が前記コイルを浸漬しない状態となるときが存在する。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の圧縮機であって、前記コイルは、複数の導線の結線部分(40)を有し、前記結線部分は、前記ロータの回転時および回転停止時の両方において前記潤滑油に浸漬しない位置に配置されている。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の圧縮機であって、前記容器には、当該容器から部分的に露出し、前記コイルが結線された端子(45)が設けられており、前記端子と前記コイルとの結線部分(46)は、前記ロータの回転時および回転停止時の両方において前記潤滑油に浸漬しない位置に配置されている。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の圧縮機であって、前記コイルが通電されていない状態での前記潤滑油は、前記容器内における、前記圧縮部に供給される冷媒で満たされる領域(LPR)に存在している。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の圧縮機であって、前記コイルが通電されていない状態での前記潤滑油は、前記容器内における、前記圧縮部で圧縮された冷媒で満たされる領域(HPR)に存在している。
また、請求項8の発明は、請求項2に記載の圧縮機であって、前記コイルは、互いに積層された三相の分布巻コイル(122U,122V,122W,222U,222V,222W)を有し、前記モータ駆動部は、前記モータを駆動する際には、前記ロータが回転しないように前記三相の分布巻コイルのうち下二層の分布巻コイル(122U,122V,222U,222V)のみを通電した後に、前記ロータを回転させる。
また、請求項9の発明は、請求項2に記載の圧縮機であって、前記モータは、前記ロータの上方に第2のステータ(21)をさらに有し、前記モータ駆動部は、前記モータを駆動する際には、前記ロータが回転しないように下方の前記ステータの前記コイルのみを通電した後に、前記ロータを回転させる。
請求項1及び請求項6の発明によれば、コイルが通電されていない状態での潤滑油の油面は、当該潤滑油の油温が少なくとも所定温度以下の場合に、当該潤滑油がコイルを浸漬する状態となる位置に設定されているため、油温が所定温度以下の状態でコイルが通電されると、コイルの発熱によって潤滑油の温度が上昇し、その粘度が低下する。したがって、モータを回転させる際に外気温の低下によって油温が低下し、潤滑油の粘度が高くなっている場合であっても、モータの駆動開始後すぐに潤滑油の粘度を低くすることができる。よって、容器内の摩擦面に供給される潤滑油によってモータが回転しにくくなることを抑制できる。さらに、潤滑油はロータを浸漬しないため、モータの駆動開始時に潤滑油によってロータが回転しにくくなることを抑制できる。
また、請求項2の発明によれば、モータ駆動部は、モータを駆動する際には、ロータが回転しないようにコイルを通電した後にロータを回転させるため、ロータを回転させる前に潤滑油を予備加熱することができる。そのため、潤滑油の温度が急激に上昇することを抑制できる。したがって、外気温の低下によって液化した冷媒が圧縮機内部や潤滑油中に滞留することを抑制でき、圧縮機起動時に当該冷媒が急激に気化することに起因する発泡現象を抑制でき、容器内の摩擦面への潤滑油の給油が途切れず圧縮機の信頼性が確保できる。また、潤滑油を予備加熱することから、ロータがさらに回転しやすくなる。
また、請求項3の発明によれば、ロータが回転している状態での潤滑油の油面は、当該潤滑油がコイルを浸漬しない状態となる位置に設定されているため、圧縮部が冷媒を圧縮している際に潤滑油の温度が上昇することを抑制できる。したがって、潤滑油の温度の影響で圧縮部に供給される冷媒の温度が高くなることを抑制でき、本圧縮機の効率の低下を抑制できる。
また、請求項4の発明によれば、コイルの結線部分は常に潤滑油に浸漬しないため、結線のはずれを抑制できる。
また、請求項5の発明によれば、端子とコイルとの結線部分は常に潤滑油に浸漬しないため、結線のはずれを抑制できる。
また、請求項7の発明によれば、潤滑油は、容器内における、圧縮部で圧縮された冷媒で満たされる領域に存在しているため、潤滑油が加熱されることにより、圧縮された冷媒の温度を上昇することができる。したがって、本圧縮機の速暖性能を向上することができる。
また、請求項8の発明によれば、互いに積層された三相の分布巻コイルのうち下二層の分布巻コイルのみが通電されるため、潤滑油が最上層の分布巻コイルを浸漬しない場合でも、当該潤滑油の温度を効率良く上昇することができる。
また、請求項9の発明によれば、ロータを挟む2つのステータのうち、下方のステータのコイルのみが通電されるため、潤滑油の温度を効率良く上昇することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る圧縮機の構造を示す図である。また図2は、本実施の形態1に係る圧縮機の構造を部分的に拡大して示す図である。図1,2では、斜線部分は断面構造を示している。また図2では、×印が示されている部分も断面構造を示している。なお、後述の図5,9でも同様である。
図1,2に示されるように、本実施の形態1に係る圧縮機は、密閉の容器1内に下から上に順に配置された、アキシャルギャップ型のモータ2と、当該モータ2で駆動される圧縮部3とを備えている。ここで、上側とは、容器1の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、容器1の中心軸に沿った上側をいう。
本実施の形態1に係る圧縮機は、低圧ドーム型の圧縮機であって、容器1内は圧縮部3を挟んで高圧領域HPRと低圧領域LPRとに区分されている。低圧領域LPRは、圧縮部3に吸入される低圧の冷媒で満たされ、高圧領域HPRは、圧縮部3で圧縮された高圧の冷媒で満たされる。
モータ2は低圧領域LPRに配置されている。モータ2は、ステータ21と、当該ステータ21の上にエアギャップを介して配置されたロータ26と、当該ロータ26に固定されたシャフト20とを有している。シャフト20は、ロータ26の回転力を圧縮部3に伝達する伝達機構として機能する。
図3はモータ2の構造を詳細に示す斜視図である。なお図3では、モータ2の構造が理解しやすいように、モータ2を構成する部品を引き離して示している。図1〜3に示されるように、ステータ21は、容器1に取り付けられた鉄心23と、この鉄心23に取り付けられた複数のコイル22と、ステータ板25とを有している。
鉄心23は、シャフト20に対して略直交するように配置された円環状の基台24aと、この基台24aのロータ26側の一面に設けられた複数の突部24bとを有している。複数の突部24bは、それぞれシャフト20に沿って突出しており、シャフト20の周りに配置されている。複数のコイル22は、複数の突部24bの軸周りにそれぞれ巻回されている。各コイル22は、励磁されて、対応する突部24bの軸方向の磁束を発生する。
本実施の形態1に係るステータ21では、例えば6つのコイル22が設けられている。これらの6つのコイル22では、U相コイル、V相コイル及びW相コイルがこの順番で周方向に沿って繰り返し配置されている。U相コイル同士、V相コイル同士及びW相コイル同士は、例えばそれぞれ直列接続されている。そして、U相コイル、V相コイル及びW相コイルは例えばスター結線されている。
ステータ板25は、磁性体からなり、鉄心23の基台24aとの間に複数のコイル22を挟んでいる。ステータ板25には、隣接する2つの突部24bの間を磁気的に絶縁するスリット25aが複数設けられている。複数のスリット25aは、ステータ板25の中心から径方向に沿って外側へ放射状に延びている。この構成により、エアギャップに対向するステータコア面積が増加するので、鎖交磁束を増大させることが可能となる。なお、ステータ21においてステータ板25は必須ではない。
ロータ26は、シャフト20に取り付けられた円環状のバックヨーク28と、このバックヨーク28のステータ21側の一面に設けられた永久磁石27と、ロータ板29とを有している。バックヨーク28は磁性体から成る。永久磁石27はシャフト20の周方向に交互に異なる磁極を有する。具体的には、永久磁石27は、1つの磁極を有する磁石を複数有し、この複数の磁石は、シャフト20の周方向に交互に磁極が異なるように配置されている。そして、隣り合う磁石の間には空間27aが形成されている。永久磁石27は、シャフト20に沿った方向の磁束を発生する。
ロータ26は、永久磁石27を有するので、モータ2の停止時において、ロータ26にはステータ21に対する吸引力が働いて、ロータ26およびシャフト20の逆転を防止できる。また、モータ2の運転時において、エアギャップの磁束密度を高くできるため、本圧縮機の高出力化および高効率化が実現できる。なお、ロータ26において永久磁石27は必須ではない。
ロータ板29は、磁性体からなり、バックヨーク28との間に永久磁石27を挟んでいる。ロータ板29には、永久磁石27における隣接する2つの磁極の間を磁気的に絶縁するスリット29aが複数設けられている。複数のスリット29aは、ロータ板29の中心から径方向に沿って外側へ放射状に延びている。この構成により、エアギャップに対向するロータコア面積が増加するので、鎖交磁束を増大させることが可能となる。また、永久磁石27に減磁界が直接かからないため、減磁耐力も増大する。なお、ロータ26においてロータ板29は必須ではない。
圧縮部3は、容器1に取り付けられた本体部30と、この本体部30に固定支持された固定スクロール31と、この固定スクロール31に噛み合う旋回スクロール32とを有している。
固定スクロール31及び旋回スクロール32のそれぞれは、鏡板に渦巻き状の突起部を有している。固定スクロール31及び旋回スクロール32は、それらの渦巻き状の突起部が互いに噛み合うように配置されている。これにより、圧縮部3には、複数の圧縮室33が形成されている。旋回スクロール32は、モータ2のシャフト20の上端に取り付けられており、シャフト20の回転により旋回する。
本体部30にはシャフト20が挿入されている。本体部30は軸受け4aを介してシャフト20の中央よりも上方側を支持している。容器1内にはモータ2の下側で保持部5が取り付けられている。保持部5は、軸受け4bを介してシャフト20の下端部を支持している。このように、本実施の形態1に係るシャフト20は両持ちされている。軸受け4a,4bのそれぞれは、例えばすべり軸受けである。
本体部30には、低圧領域LPRと圧縮室33とを連通する吸入孔30aが設けられており、固定スクロール31には、高圧領域HPRと圧縮室33とを連通する吐出孔31aが設けられている。
容器1には、ロータ26と同じ高さにおいて、当該ロータ26に向かって開口する開口部6aが設けられている。そして、開口部6aには吸入管6が接続されている。また、容器1には、高圧領域HPRに向かって開口する開口部7aが設けられており、当該開口部7aには吐出管7が取り付けられている。圧縮部3に供給される低圧の冷媒は吸入管6から低圧領域LPR内に供給され、圧縮部3で圧縮された高圧の冷媒は吐出管7から容器1の外側に吐出される。
容器1内には、モータ2の回転に起因して容器1内に生じる摩擦面を潤滑する潤滑油8が設けられている。潤滑油8は、モータ2のコイル22が通電されていない場合には、容器1内の底部に存在しており、シャフト20の下端部を浸漬している。
本圧縮機には、容器1の外側に、モータ2を駆動するモータ駆動部50が設けられている。モータ駆動部50は、ステータ21のコイル22を通電することによって、ロータ26を回転させる。
容器1内には、モータ2のロータ26のトルクを検出するトルク検出部51と、潤滑油8の温度を検出する油温検出部52と、潤滑油8の油面8aの高さを検出する油面位置検出部53とが設けられている。なお図1では、図面の煩雑さを避けるために、トルク検出部51、油温検出部52及び油面位置検出部53を容器1の外側に示している。トルク検出部51では、例えばモータ2の機器定数や電流等から間接的にロータ26のトルクを求めても良い。また本圧縮機では、油面位置検出部53は必須ではない。また、油温検出部52の替わりに、例えば圧縮部3における冷媒の吐出部の温度を検出する手段など、圧縮機内部または圧縮機本体のいずれかの温度を検出する手段を使用しても良い。
容器1の側壁には、当該容器1から部分的に露出する複数の外部端子45が取り付けられている。複数の外部端子45の一部においては、容器1内でコイル22の一端が接続されている。その結果、外部端子45とコイル22との結線部分46が低圧領域LPRに位置している。また、複数の外部端子45の他の一部においては、トルク検出部51、油温検出部52及び油面位置検出部53の出力端子が電気的に接続されている。そして、複数の外部端子45の容器1の外側の一端には、モータ駆動部50が電気的に接続されている。この構成により、モータ駆動部50は各コイル22を通電することができ、トルク検出部51、油温検出部52及び油面位置検出部53からの出力信号を受け取ることができる。
以上の構成を備える本実施の形態1に係る圧縮機では、低圧の冷媒が吸入管6から低圧領域LPRに供給される。そうすると、冷媒はモータ2に当たって、当該モータ2を冷却する。低圧の冷媒は、圧縮部3に設けられた吸入孔30aを通って圧縮室33に供給される。モータ駆動部50がステータ21のコイル22に所定の波形の交流電圧を印加すると、ロータ26が回転し、それに連動してシャフト20が回転する。これにより、ロータ26の回転力がシャフト20によって圧縮部3の旋回スクロール32に伝達される。旋回スクロール32はロータ26からの回転力によって旋回し、圧縮室33では冷媒の圧縮が行われる。このように、圧縮部3は、モータ2から伝達される回転力を利用して冷媒を圧縮する。圧縮室33で圧縮された高圧の冷媒は吐出孔31aを通って高圧領域HPRに供給され、その後、吐出管7を通って容器1の外側に吐出される。
一方で、シャフト20内には、その上下方向に貫通する給油路(図示せず)が設けられており、シャフト20が回転すると、それによって発生する遠心力によって、潤滑油8が当該給油路を通って吸い上げられて、シャフト20の上端からその外側に排出される。その結果、モータ2の回転に起因して発生する摩擦面に潤滑油8が供給される。例えば、旋回スクロール32が旋回することよって生じる、当該旋回スクロール32と固定スクロール31との間の摩擦面や、シャフト20が回転することによって生じる、当該シャフト20と軸受け4aとの間の摩擦面に潤滑油8が供給される。なお、潤滑油8は、圧縮された冷媒と一緒に吐出管7から容器1の外側に持ち出されることがある。
このように、モータ2が回転している際には、潤滑油8はシャフト20によって吸い上げられるため、その油面8aの位置は低下する。ただし、シャフト20の下端部と、軸受け4bとの間の摩擦面も潤滑する必要があることから、本圧縮機では、潤滑油8の油面8aが、シャフト20の下端よりも低下しないようになっている。
その後、モータ駆動部50によるコイル22の通電が停止し、シャフト20の回転が停止すると、潤滑油8のすべてが容器1の底部に戻ってきて、潤滑油8の油面8aは上昇する。
本実施の形態1では、モータ2のコイル22がモータ駆動部50によって通電されていない状態では、図1に示されるように、潤滑油8はコイル22を浸漬するものの、ロータ26を浸漬していない。ただし、これは、潤滑油8の油温が少なくとも所定温度以下、例えば少なくとも5℃以下の場合である。つまり、本実施の形態1では、コイル22が通電されていない状態での潤滑油8の油面8aは、当該潤滑油8の油温が少なくとも所定温度以下の場合に、当該潤滑油8がコイル22を浸漬し、かつロータ26を浸漬しない状態となる位置に設定されている。具体的には、ステータ板25内かそれ以下にある。
上述のように、冬期などの外気温が低い場合には、潤滑油8の油温が低下し、潤滑油8の粘度が高くなる。この状態で、モータ2が回転して潤滑油8が容器1内の摩擦面に供給されると、潤滑油8の粘度が高いことから、モータ2が回転しにくくなる。
本実施の形態1では、潤滑油8の油温が所定温度以下、例えば5℃以下の状態では、潤滑油8がコイル22を浸漬しているため、この状態でコイル22が通電されると、コイル22の発熱によって、潤滑油8の温度が上昇し、その粘度が低下するようになる。したがって、モータ2を回転させる際に、外気温の低下によって油温が低下し、潤滑油8の粘度が高くなっている場合であっても、モータ2の駆動開始後すぐに潤滑油8の粘度を低くすることができる。よって、容器1内の摩擦面に供給される潤滑油8によってモータ2が回転しにくくなることを抑制でき、本圧縮機の性能を向上できる。
さらに、本実施の形態1では、コイル22が通電されていない状態では、潤滑油8はロータ26を浸漬しないため、モータ2の駆動開始時に潤滑油8によってロータ26が回転しにくくなることを抑制できる。
なお、外気温が低い場合には、潤滑油8には液化した冷媒が含まれ、その油面8aは夏期などの外気温が高い場合よりも高くなっている。したがって、外気温が高い場合には、潤滑油8はコイル22を浸漬しなくなる場合がある。しかしながら、外気温が高い場合には、潤滑油8に含まれる冷媒量は少ないため、潤滑油8がコイル22を浸漬しなくても問題とならない。
また、本実施の形態1では、ロータ26が回転すると、潤滑油8がシャフト20によって吸い上げられて、潤滑油8はコイル22を浸漬しなくなる。つまり、本圧縮機では、ロータ26が回転している状態での潤滑油8が、コイル22を浸漬しない状態となるときが存在する。これにより、圧縮部3が冷媒を圧縮している際に潤滑油8の油温が上昇することを抑制できる。したがって、潤滑油8の油温の影響で圧縮部3に供給される冷媒の温度が高くなることを抑制でき、その結果、吸入冷媒と吐出冷媒の温度差を確保することができ、本圧縮機の効率の低下を抑制できる。
また、本実施の形態1では、図1に示されるように、コイル22間の結線部分40は、ロータ26の回転時および回転停止時の両方において潤滑油8に浸漬しない位置に配置されている。したがって、潤滑油8の流動によるコイル22間の結線のはずれを抑制できる。
また、本実施の形態1では、図1に示されるように、外部端子45とコイル22との結線部分46は、ロータ26の回転時および回転停止時の両方において潤滑油8に浸漬しない位置に配置されているため、潤滑油8の流動による外部端子45とコイル22との間の結線のはずれを抑制できる。
なお、各コイル22では、導線の大部分に被覆が設けられており、絶縁処理が施されているが、導体における、他のコイル22との結線箇所及び外部端子45との結線箇所は、被覆から露出している。一方で、液化した冷媒の電気導電性は比較的高く、液化した冷媒にコイル22の導線が浸漬すると、漏れ電流が増加する。
本実施の形態1では、外気温の低下によって潤滑油8に液化した冷媒が含まれている場合であっても、コイル22の結線部分40及び外部端子45とコイル22との結線部分46が液化した冷媒に浸漬することを抑制できるため、漏れ電流が増加することを抑制できる。
また、本実施の形態1に係る圧縮機では、圧縮機停止中、油温が所定温度以下、例えば5℃以下の場合、ロータ26が回転しないようにコイル22を通電して、潤滑油8に対して予備加熱を行う。これにより、モータ2の起動時に潤滑油8の油温が急激に上昇することを抑制できる。したがって、外気温の低下によって液化した冷媒が圧縮機内部や潤滑油中に滞留することを抑制でき、圧縮機起動時に当該冷媒が急激に気化することに起因する発泡現象を抑制でき、容器内の摩擦面への潤滑油の給油が途切れず圧縮機の信頼性が確保できる。また、潤滑油8が予備加熱されるため、ロータ26がさらに回転しやすくなる。以下に、この動作について詳細に説明する。
モータ駆動部50は、圧縮機停止中、油温検出部52の出力信号から現在の潤滑油8の油温を確認する。モータ駆動部50は、潤滑油8の油温が所定温度以下、例えば5℃以下の場合、潤滑油8に対して予備加熱を行う。モータ駆動部50は、潤滑油8の油温が所定温度よりも高い場合には、ロータ26を回転させるためにコイル22を通電する。このとき、モータ駆動部50は、トルク検出部51の出力信号を確認しながら、ロータ26の回転が開始するまで、コイル22に供給する電流を段階的に増加させる。
予備加熱を行うか否かの判断には、潤滑油8の油面8aの位置情報も利用しても良い。この場合には、モータ駆動部50は、油温検出部52の出力信号から現在の潤滑油8の油温を確認するとともに、油面位置検出部53の出力信号から潤滑油8の高さ、つまり油面8aの位置を確認する。モータ駆動部50は、潤滑油8の油温が所定温度以下、例えば5℃以下の場合、及び潤滑油8の油面8aの位置が所定位置よりも高い場合の少なくとも一方の場合に、潤滑油8に対して予備加熱を行う。これは、潤滑油8の油面8aの位置が所定位置よりも高くなっている場合にも、潤滑油8には多量の液化した冷媒が含まれていると考えられるからである。モータ駆動部50は、潤滑油8の油温が所定温度よりも高く、かつ潤滑油8の油面8aの位置が所定位置と同じかそれよりも低い場合には、ロータ26を回転させるためにコイル22を通電する。
なお、潤滑油8の油温が所定温度以下であり、かつ潤滑油8の油面8aの位置が所定位置よりも高い場合に潤滑油8に対して予備加熱を行い、潤滑油8の油温が所定温度よりも高いか、あるいは潤滑油8の油面8aの位置が所定位置と同じかそれよりも低い場合に、ロータ26を回転させても良い。
また、潤滑油8の油温や油面8aの位置を検出する替わりに、モータ2が回転する前に当該モータ2に供給する電流値が上限値に到達することによりモータ駆動が停止した場合には、潤滑油8の粘度が高いために起動不良が発生したと判断して、潤滑油8に対して予備加熱を行っても良い。
予備加熱では、ロータ26が回転しないようにコイル22が通電される。具体的には、モータ駆動部50は、U相、V相及びW相のコイル22の間にきわめて高い周波数の電流を流すか、U相、V相及びW相のコイル22のうちの任意の二相のコイル22の間に高い周波数の電流を流す。U相、V相及びW相のコイル22の間にきわめて高い周波数の電流を流すと、ロータ26はそれには反応せずに回転することができず、コイル22の温度は通電により上昇する。また、二相のコイル22の間に高い周波数の電流を流す場合には、回転磁界が発生しないため、ロータ26は回転せずにコイル22は発熱する。二相のコイル22の間に電流を流す場合には、三相のコイル22の間に電流を流す場合よりも、その電流の周波数を低く設定できるが、二相のコイル22の間に供給する電流の周波数が低すぎると、交番磁界によりロータ26が往復運動をするため、これが生じない程度の高い周波数の電流を二相のコイル22の間に供給する。コイル22が加熱されると、誘導加熱によりステータ21の鉄心23も加熱される。
モータ駆動部50は、潤滑油8の油温が所定温度以下であったために潤滑油8に対して予備加熱を行う場合には、予備加熱を行っている間、油温検出部52の出力信号を確認し、潤滑油8の油温が所定温度を超えると予備加熱を終了する。また、モータ駆動部50は、潤滑油8の油面8aの位置が所定位置よりも高いために潤滑油8に対して予備加熱を行う場合には、予備加熱を行っている間、油面位置検出部53の出力信号を確認し、潤滑油8の油面8aの位置が所定位置と同じか、それよりも低くなると、予備加熱を終了する。また、モータ駆動部50は、コイル22に供給する電流が上限値となったために潤滑油8に対して予備加熱を行う場合には、予備加熱開始から一定時間経過後に、予備加熱を終了する。
モータ駆動部50は、予備加熱が終了すると、ロータ26を回転させるためにコイル22を通電する。このとき、モータ駆動部50は、上述のように、トルク検出部51の出力信号を確認しながら、ロータ26の回転が開始するまで、コイル22に供給する電流を段階的に増加させ、ロータ26の回転が開始すると、そのときの電流を維持する。
上述のように、潤滑油8は、ステータ21の大部分を浸漬するため、コイル22が発する熱の大部分を潤滑油8の加熱に使用することができる。
また、潤滑油8はその油温が所定温度以下ではロータ26を浸漬していないため、予備加熱の際に潤滑油8が必要以上に加熱されることを抑制できる。本実施の形態1のように、ロータ26に永久磁石27が使用されている場合には、ロータ26の加熱を抑制することによって、吸入加熱を抑制できる。
なお、容器1の中心軸が水平面に対して傾斜している場合であっても、潤滑油8の油面8aが上述の位置にあれば同様の効果が得られる。
また、上述の特許文献1のように、ラジアルギャップ型のモータを使用した場合には、ステータを潤滑油に浸漬すると、ロータも潤滑油に浸漬することになることから、本実施の形態1に係る圧縮機よりも攪拌損失は増大する。
また、本実施の形態1に係る圧縮機は低圧ドーム型であるため、高圧ドーム型と比較して、冷媒圧縮中に容器1の底部に存在する潤滑油8の温度が低くなる。したがって、当該潤滑油8の粘度が高くなる。そのため、容器1内の摩擦面に給油される油の粘度が上昇し、油の粘性による抵抗のために余分な損失が増加する。その結果、機械損失が増加し効率が低下する。そこで、冷媒圧縮中、つまりロータ26が回転している最中でも、コイル22を潤滑油8に浸すことによって、冷媒圧縮中でも潤滑油8を加熱できる。その結果、油の粘性による機械損失を低減できる。
なお、軸受け4a,4bは、一般的に、液化した冷媒で潤滑油8が希釈した場合(潤滑油8の粘度が低い場合)を考慮して設計される。液化した冷媒で潤滑油8が希釈される程度は、高圧ドーム型でだろうが低圧ドーム型でだろうが大きな差はないため、両者で軸受け4a,4bの大きさは変わらない。
一方で、上述のように、冷媒圧縮中では、低圧ドーム型の方が高圧ドーム型よりも潤滑油8の粘度が高いため、軸受け4a,4bの大きさを同じにすると、低圧ドーム型の方が軸受け損失が大きくなる。そこで、上述のように予備加熱を行う。これにより、液化した冷媒で潤滑油8が希釈した場合に潤滑油8の加熱を行うことで液冷媒を気化させることができ、潤滑油8の著しい粘度低下を防止できる。その結果、通常運転時の粘度で軸受け4a,4bが設計でき、最小の軸受けサイズとなる。よって、機械損失を低減できる。
本実施の形態1に係るモータ2では、ロータ26の片側にしかステータ21が設けられていなかったが、図4に示されるように、ロータ26の両側にステータ21を設けても良い。この場合には、ロータ26は、例えば、2つのロータ板29で永久磁石27が挟まれた構造となり、下側のステータ21は、そのステータ板25が、ロータ26の下側のロータ板29に対向するように配置され、上側のステータ21は、そのステータ板25が、ロータ26の上側のロータ板29に対向するように配置される。モータ2を図4に示されるように構成した場合には、予備加熱において、ロータ26を挟む2つのステータ21のうち、下方のステータ21のコイル22のみを通電することによって、潤滑油8の油温を効率良く上昇することができる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る圧縮機の構造を示す図である。本実施の形態2に係る圧縮機は、上述の実施の形態1に係る圧縮機において、ステータ21の替わりにステータ121を設けるとともに、オイルピックアップ100を設けて、保持部5、軸受け4b及びロータ板29を取り除いたものである。以下では、本実施の形態2に係る圧縮機について、実施の形態1に係る圧縮機との相違点を中心に説明する。
図5に示されるように、本実施の形態2に係るシャフト20は片持ちされている。シャフト20は中央よりも上方側で軸受け4aを介して圧縮部3の本体部30に支持されており、その下端にはオイルピックアップ100が取り付けられている。オイルピックアップ100は、モータ2が回転しているか否かに関わらず常に潤滑油8に浸漬されている。オイルピックアップ100は、シャフト20の回転と共に回転し、その回転により生じる遠心力を利用して、潤滑油8を吸い上げる。オイルピックアップ100によって吸い上げられた潤滑油8は、シャフト20内の給油路を通って、容器1内に生じる摩擦面に供給される。
このように、シャフト20の下端にはオイルピックアップ100が取り付けられているため、シャフト20の下端部が潤滑油8に浸漬されないように、あるいは潤滑油8に浸漬されたとしても、この浸漬された部分の長さを実施の形態1よりも短くすることができる。一般的に、オイルピックアップ100の径は、シャフト20の径よりも小さくすることができるため、攪拌損失を低減できる。
図6はステータ121の構造を示す斜視図である。図6では、ステータ121の構造が理解しやすいように、ステータ121を構成する部品を引き離して示している。本実施の形態2に係るステータ121には、コイルとして、三相の分布巻コイルが使用されており、その極数は二極である。図6に示されるように、ステータ121には、容器1に取り付けられた鉄心123が設けられている。鉄心123は、上述の基台24aと同様の基台124aと、当該基台124aのロータ26側の一面に設けられた複数の突部124bとを有している。本実施の形態2では、例えば6つの突部124bが設けられている。複数の突部124bは、それぞれシャフト20に沿って突出しており、シャフト20の周りに配置されている。
複数の突部124bには、ステータ121の軸に沿って下から順に、U相コイル群122U、V相コイル群122V及びW相コイル群122Wが巻回されている。U相コイル群122U、V相コイル群122V及びW相コイル群122Wのそれぞれでは、2つのコイルが直列あるいは並列に接続されており、当該2つのコイルのそれぞれは、3つの突部124bを一括して巻回している。U相コイル群122UとV相コイル群122Vとの間、V相コイル群122VとW相コイル群122Wとの間、W相コイル群122WとU相コイル群122Uとの間では、それぞれ、コイルが巻回する3つの突部124bは1つだけずれている。
このように、本実施の形態2では、U相の分布巻コイルと、V相の分布巻コイルと、W層の分布巻コイルとが、この順で互いに積層されている。そして、潤滑油8に対する予備加熱を行う際には、ステータ121の下二層の分布巻コイルのみを通電する。つまり、U相コイル群122UとV相コイル群122Vとの間に電流を流す。これにより、潤滑油8が最上層のW相コイル群122Wを浸漬しない場合であっても、潤滑油8の油温を効率よく上昇することができる。
なお、ステータ121の替わりに、図7,8に示されるステータ221を使用しても良い。ステータ221には、コイルとして、三相の分布巻コイルが使用されており、その極数は四極である。図7はステータ221を構成する部品を引き離した状態で当該ステータ221の構造を示す斜視図である。また、図8はステータ221を構成する部品を組み合わせた状態で当該ステータ221の構造を示す斜視図である。
図7,8に示されるように、ステータ221には、容器1に取り付けられる鉄心223が設けられている。鉄心223は、上述の基台24a,124aと同様の基台224aと、当該基台224aのロータ26側の一面に設けられた複数の突部224bとを有している。本実施の形態2では、例えば24個の突部224bが設けられている。複数の突部224bは、それぞれシャフト20に沿って突出しており、シャフト20の周りに配置されている。
複数の突部224bには、ステータ221の軸に沿って下から順に、U相コイル群222U、V相コイル群222V及びW相コイル群222Wが巻回されている。U相コイル群222U、V相コイル群222V及びW相コイル群222Wのそれぞれでは、4つのコイルが直列または並列に接続されており、当該4つのコイルのそれぞれは5つの突部224bを一括して巻回している。U相コイル群222UとV相コイル群222Vとの間、V相コイル群222VとW相コイル群222Wとの間、W相コイル群222WとU相コイル群222Uとの間では、それぞれ、コイルが巻回する5つの突部224bが2つだけずれている。
U相コイル群222Uが有する4つのコイルの各々では、外側のコイルエンド(複数の突部224bの外周側に設けられる部分)及び内側のコイルエンド(複数の突部224bの内周側に設けられる部分)がともに下方に曲げられている。そして、外側及び内側のコイルエンドは、基台224aに設けられた凹部224c,224dにそれぞれ収納される。V相コイル群222Uが有する4つのコイルの各々では、外側及び内側のコイルエンドは曲げられていない。W相コイル群222Wが有する4つのコイルの各々では、外側及び内側のコイルエンドはともに上方に曲げられており、ロータ26に設けられた図示しない凹部に収納される。
以上のような構成のステータ221を備える圧縮機においても、潤滑油8に対する予備加熱を行う際には、ステータ221の下二層の分布巻コイルのみを通電する。つまり、U相コイル群222UとV相コイル群222Vとの間に電流を流す。これにより、潤滑油8が最上層のW相コイル群222Wの外側のコイルエンド及び内側のコイルエンドを浸漬しない場合であっても、潤滑油8の油温を効率よく上昇することができる。
実施の形態3.
図9は本発明の実施の形態3に係る圧縮機の構造を示す図である。本実施の形態3に係る圧縮機は、上述の実施の形態1に係る圧縮機において、基本的には、スクロール型の圧縮部3の替わりにロータリ型の圧縮部303を備え、低圧ドーム型を高圧ドーム型に変更したものである。以下では、本実施の形態3に係る圧縮機について、実施の形態1に係る圧縮機との相違点を中心に説明する。
図9に示されるように、圧縮部303はモータ2の上方に位置している。圧縮部303は、シリンダ状の本体部330と、この本体部330の上下の開口端にそれぞれ取り付けられた上端板331及び下端板332とを備えている。シャフト20は、本体部330、上端板331及び下端板332を貫通している。
本体部330の内部には、シャフト20に設けられたクランクピン20aに嵌合したローラ333が公転可能に配置されている。ローラ333の外面と本体部330の内面との間に圧縮室334が形成されている。圧縮部303では、ローラ333の公転運動により圧縮室334で冷媒圧縮が行われる。
本実施の形態3では、吸入管6は、容器1の側壁を貫通して、本体部330の内部にまで侵入し、圧縮室334と連通している。したがって、低圧の冷媒は吸入管6から直接圧縮室334に供給される。また、吐出管7は、容器1の上壁を貫通して当該容器1に取り付けられている。
以上の構成を備える本実施の形態3に係る圧縮機では、低圧の冷媒が吸入管6から圧縮室334に供給される。モータ駆動部50がステータ21のコイル22に対して所定の波形の交流電圧を印加すると、ロータ26が回転し、それに連動してシャフト20が回転する。これにより、ローラ333が公転運動して圧縮室334で冷媒が圧縮される。圧縮部303で圧縮された冷媒は、圧縮部303の上方及び下方に吐出される。その結果、容器1内の圧縮部303の上方及び下方の領域は、ともに高圧の冷媒で満たされる高圧領域HPRとなり、モータ2は下方の高圧領域HPRに配置されている。圧縮部303の上方に吐出された高圧の冷媒は、吐出管7を通って容器1の外側に吐出される。
一般的に、低圧ドーム型の圧縮機では、起動時に潤滑油8が冷えていると、高圧の冷媒の吐出温度がなかなか向上せず、速暖性能があまり良くない。これに対して、本実施の形態3のように、高圧ドーム型の圧縮機では、潤滑油8を加熱することにより圧縮冷媒も加熱されることから、その吐出温度を速く上昇させることができる。その結果、速暖性能が向上する。
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4に係る圧縮機の構造を示す図である。本実施の形態4に係る圧縮機は、上述の実施の形態1に係る圧縮機において、低圧ドーム型を高圧ドーム型に変更したものである。以下では、本実施の形態4に係る圧縮機について、実施の形態1に係る圧縮機との相違点を中心に説明する。
本実施の形態4に係る容器1内では、圧縮部3の上部が、低圧の冷媒で満たされる低圧領域LPRとなり、圧縮部3の下部が、高圧の冷媒で満たされる高圧領域HPRとなる。モータ2は高圧領域HPRに配置されている。
吸入管6は容器1の上壁を貫通して圧縮部3の圧縮室33まで到達している。容器1の側壁には、ロータ26と同じ高さにおいて、当該ロータ26に向かって開口する開口部7aが設けられており、この開口部7aには吐出管7が接続されている。圧縮部3には、圧縮後の高圧の冷媒が流れる冷媒流路130aが設けられており、当該冷媒流路130aの一端は圧縮室33に接続され、その他端は高圧領域HPRに接続されている。
以上の構成を備える本実施の形態4に係る圧縮機では、低圧の冷媒が吸入管6から圧縮室33に供給される。モータ駆動部50がステータ21のコイル22に所定の波形の交流電圧を印加すると、ロータ26が回転し、それに連動してシャフト20が回転する。これにより、ロータ26の回転力がシャフト20によって圧縮部3の旋回スクロール32に伝達される。旋回スクロール32はロータ26からの回転力によって旋回し、圧縮室33では冷媒の圧縮が行われる。圧縮室33で圧縮された高圧の冷媒は冷媒流路130aを通って圧縮部3の下方の高圧領域HPRに吐出される。高圧領域HPRに吐出された高圧の冷媒は、吐出管7を通って容器1の外側に吐出される。なお、図中の矢印350は、冷媒の流れる方向を示している。
上述のように、低圧ドーム型の圧縮機では、一般的に、起動時に潤滑油8が冷えていると、高圧の冷媒の吐出温度がなかなか向上せず、速暖性能があまり良くない。これに対して、本実施の形態4のように、高圧ドーム型の圧縮機では、潤滑油8を加熱することにより圧縮冷媒も加熱されることから、その吐出温度を速く上昇させることができる。その結果、速暖性能が向上する。
本発明の実施の形態1に係る圧縮機の構造を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る圧縮機の構造を部分的に拡大して示す図である。 本発明の実施の形態1に係るモータの構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るステータの変形例の構造を示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係る圧縮機の構造を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るステータの構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るステータの変形例の構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るステータの変形例の構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る圧縮機の構造を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る圧縮機の構造を示す図である。
符号の説明
1 容器
2 モータ
3,303 圧縮部
8 潤滑油
8a 油面
20 シャフト
21,121,221 ステータ
22 コイル
26 ロータ
40,46 結線部分
45 外部端子
50 モータ駆動部
122U,222U U相コイル群
122V,222V V相コイル群
122W,222W W相コイル群
HPR 高圧領域
LPR 低圧領域

Claims (9)

  1. 容器(1)と、
    前記容器内に設けられたアキシャルギャップ型のモータ(2)と、
    前記容器内において前記モータの上方に配置され、前記モータから伝達される回転力を利用して冷媒を圧縮する圧縮部(3,303)と、
    前記容器内に設けられ、前記モータの回転に起因して前記容器内に生じる摩擦面に供給される潤滑油(8)と
    を備え、
    前記モータは、
    コイル(22,122U,122V,122W,222U,222V,222W)を有するステータ(21,121,221)と、
    前記ステータの上方に配置され、当該ステータの前記コイルが通電されることによって回転するロータ(26)と、
    前記ロータの回転力を前記圧縮部に伝達する伝達機構(20)と
    を有し、
    前記コイルが通電されていない状態での前記潤滑油の油面(8a)は、当該潤滑油の油温が少なくとも所定温度以下の場合に、当該潤滑油が前記コイルを浸漬し、かつ前記ロータを浸漬しない状態となる位置に設定されている、圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記モータを駆動するモータ駆動部(50)をさらに備え、
    前記モータ駆動部は、前記モータを駆動する際には、前記ロータが回転しないように前記コイルを通電した後、前記ロータを回転させる、圧縮機。
  3. 請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の圧縮機であって、
    前記ロータが回転している状態での前記潤滑油が前記コイルを浸漬しない状態となるときが存在する、圧縮機。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の圧縮機であって、
    前記コイルは、複数の導線の結線部分(40)を有し、
    前記結線部分は、前記ロータの回転時および回転停止時の両方において前記潤滑油に浸漬しない位置に配置されている、圧縮機。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の圧縮機であって、
    前記容器には、当該容器から部分的に露出し、前記コイルが結線された端子(45)が設けられており、
    前記端子と前記コイルとの結線部分(46)は、前記ロータの回転時および回転停止時の両方において前記潤滑油に浸漬しない位置に配置されている、圧縮機。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の圧縮機であって、
    前記コイルが通電されていない状態での前記潤滑油は、前記容器内における、前記圧縮部に供給される冷媒で満たされる領域(LPR)に存在している、圧縮機。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の圧縮機であって、
    前記コイルが通電されていない状態での前記潤滑油は、前記容器内における、前記圧縮部で圧縮された冷媒で満たされる領域(HPR)に存在している、圧縮機。
  8. 請求項2に記載の圧縮機であって、
    前記コイルは、互いに積層された三相の分布巻コイル(122U,122V,122W,222U,222V,222W)を有し、
    前記モータ駆動部は、前記モータを駆動する際には、前記ロータが回転しないように前記三相の分布巻コイルのうち下二層の分布巻コイル(122U,122V,222U,222V)のみを通電した後に、前記ロータを回転させる、圧縮機。
  9. 請求項2に記載の圧縮機であって、
    前記モータは、前記ロータの上方に第2のステータ(21)をさらに有し、
    前記モータ駆動部は、前記モータを駆動する際には、前記ロータが回転しないように下方の前記ステータの前記コイルのみを通電した後に、前記ロータを回転させる、圧縮機。
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JP2013034277A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Kakei Gakuen 超伝導モーター

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