JP5994779B2 - 電気化学デバイス用電解液 - Google Patents
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Description
(2)下記一般式[2]
[式中、l、m及びnは、それぞれ独立して、0〜2の整数を表し、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表し、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基又はヒドロキシル基を表し、R7は、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルシリルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数7〜11のアリールカルボニル基、炭素数7〜11のアリールカルボニルオキシ基、炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、炭素数8〜13のアリールアルケニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数7〜12のヒドロキシアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のヒドロキシアリール基、炭素数6〜10のヒドロキシアリールオキシ基、炭素数2〜7のヒドロキシアルキルカルボニル基、炭素数8〜16のアルコキシアリールアルキルオキシ基、炭素数7〜13のアルコキシアリール基、炭素数7〜13のアルコキシアリールオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルケニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニルオキシ基、炭素数4〜8のアルコキシアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルオキシカルボニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニル基、下記一般式[3]で示されるホスホノ基
(式中、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
下記一般式[4]で示されるアミド基、
(R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
下記一般式[5]で示されるカルバミド基
(式中、R12は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R13は、炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
下記一般式[6]で示される基
(式中、pは1〜6の整数を表し、R14は、pが2〜5の場合はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキレン基又はハロゲノアルキレン基を表し、R15は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表す)、
ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するアミノ基、シアノ基、チオール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基、又は環状カルボン酸エステル由来の基、或いは、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基又は環状カルボン酸エステル由来の基]で示される化合物を少なくとも一種以上含む、電気化学デバイス用電解液」に関する。
本発明に係る支持電解質は、マグネシウム塩からなるものであればよく、具体的には、例えば、下記一般式[1]
[式中、Mgはマグネシウムイオンを表し、qは1又は2を表し、qが1の場合Xは、2価のアニオンである、酸化物イオン(O2-)、硫化物イオン(S2-)、硫酸イオン(SO4 2-)、リン酸一水素イオン(HPO4 2-)、又は炭酸イオン(CO3 2-)を表し、qが2の場合Xは、1価のアニオンである、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオン、下記一般式[7]
一般式[2]におけるlは、0〜2の整数を表し、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
一般式[2]におけるmは、0〜2の整数を表し、0又は1が好ましい。
一般式[2]におけるnは、0〜2の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
本発明の電解液においては、上記一般式[2]で示される化合物以外に、更に、有機溶媒を添加してもよい。該有機溶媒は、上記一般式[2]で示される化合物の粘度が高い場合等に用いるのが好ましい。本発明の電解液においては、本発明に係る有機溶媒を添加すると、より高い電流密度を示すことが可能となるため、有機溶媒を含むものが好ましい。
本発明の電解液は、上記マグネシウム塩からなる支持電解質及び上記一般式[2]で示される化合物を少なくとも1種以上含むものである。
本発明の電解液の調製方法は、本発明に係る支持電解質を上記濃度となるように、上記一般式[2]で示される化合物、又は上記一般式[2]で示される化合物及び上記有機溶媒の混合溶液に溶解すればよい。具体的には、通常20〜120℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃で、通常1〜20時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは5〜10時間接触させて溶解することによりなされる。尚、溶解後、脱水処理に付すのが好ましく、該脱水処理は、例えばモレキュラーシーブ等の脱水剤を例えば電解液20mLに0.5〜10g添加することによりなされればよい。
6.錯体から調製される電解液
本発明の電解液中のマグネシウム塩からなる支持電解質は、一般式[2]で示される化合物と結合してマグネシウム錯体を形成していると考えられる。そのため、本発明の電解液は、予めこのようなマグネシウム錯体(以下、本発明に係るマグネシウム錯体と略記する場合がある)を調製し、該本発明に係る錯体を上記本発明に係る有機溶媒に溶解することにより電解液を調製してもよい。本発明に係る錯体を用いて電解液を調製する場合には、例えば錯体の濃度が、上記の本発明の電解液中の支持電解質の濃度範囲と同じとなるように、本発明に係る化合物、本発明に係る有機溶媒又はその混合溶液に溶解すればよい。
(式中、Mg、X、q、l、m、n、R1〜R7は上記と同じ。但し、R7とマグネシウムイオンの配位結合は、R7中の酸素原子、硫黄原子、リン原子、又は窒素原子との結合を表す。)が挙げられる。
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。Yは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R21は、結合手、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数2〜4のアルケニレン基を表し、R22は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数8〜13のアリールアルケニル基、又は炭素数2〜7のアルコキシアルキル基を表す。R21は、R22、Yと共に単環複素環基を形成してもよく、その場合、R21はメチレン基であってもよい。)、
[式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。R23は、酸素原子、下記一般式[8]
(式中、R12は上記と同じ。)で示される基又は結合手を表し、R24は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、下記一般式[9]
(式中、R10及びR11は上記と同じ。)で示される基を表す。R24は、R23及びカルボニル基と共に環状炭酸エステル基又は環状カルボン酸エステル基を形成してもよく、その場合、R11はメチレン基であってもよい。mが0の場合、R24、カルボニル基、R23、R1及びR2と結合している炭素原子、R2とで環状カルボン酸エステル基を形成してもよい。]、
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。Aは、結合手又は酸素原子を表し、R25は、ヒドロキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示される錯体、
下記一般式[10−5]で示される錯体
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。)、
(式中、Mg、X、n、m、R3及びR21は上記と同じ。R'22は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数8〜13のアリールアルケニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキル基を表す。R21は、R'22、酸素原子と共に単環複素環基を形成してもよく、その場合、R21はメチレン基であってもよい。)が挙げられ、より具体的には、下記表1記載のものが挙げられる。尚、R'22の各基の具体例は、R'22の具体例と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。R'23は、酸素原子又は結合手を表し、R'24は、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)が挙げられ、より具体的には、下記表2及び表3に記載のものが挙げられる。尚、R'24の各基の具体例は、R24の具体例と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
電気化学デバイス
本発明の電解液は、負極活物質にマグネシウムを含有する電気化学デバイス、又は電極へのマグネシウムイオンのインターカレーション(吸蔵、放出)により電気二重層を形成しうる電気化学デバイスであれば、その電解液として用いることができる。該電気化学デバイスとしては、二次電池、電気二重層キャパシタ等が挙げられ、中でも二次電池が好ましい。
窒素雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム(Mg(OTf)2)(東京化成工業社製)4.84gと2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを反応器に入れて、100℃で4時間加熱撹拌した。不溶物を吸引ろ過によりろ別した後に、母液にMS5A[(モレキュラーシーブ5A(和光純薬工業社製)]2gを添加して脱水処理し、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液1とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するエチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液2とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにグリコール酸メチル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するグリコール酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液3とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−エトキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−エトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液4とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−イソプロポキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−イソプロポキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液5とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ブトキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−ブトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液6とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−(2−メトキシエトキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液7とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン溶液を調製した。該溶液を電解液8とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。該溶液を電解液9とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ベンジルオキシ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−(ベンジルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液10とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(フェニルオキシ)エタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.16M含有する2−(フェニルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液11とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ペンタフルオロフェニルオキシ)エタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.13M含有する2−(ペンタフルオロフェニルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液12とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ヒドロキシ酢酸エチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−ヒドロキシ酢酸エチル溶液を調製した。該溶液を電解液13とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エタノール(和光純薬工業社製)5.30gを添加したジメトキシエタン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.33M含有する2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エタノール:ジメトキシエタン混合溶液を調製した。該溶液を電解液14とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(アリルオキシ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−(アリルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液15とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ビニルオキシ)エタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.17M含有する2−(ビニルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液16とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにcis−2−ブテン1,4−ジオール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するcis−2−ブテン1,4−ジオール溶液を調製した。該溶液を電解液17とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにメタクリル酸2−ヒドロキシメチル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するメタクリル酸2−ヒドロキシメチル溶液を調製した。該溶液を電解液18とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに3−メトキシ−1−プロパノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する3−メトキシ−1−プロパノール溶液を調製した。該溶液を電解液19とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにグリセリン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するグリセリン溶液を調製した。該溶液を電解液20とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにプロピレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するプロピレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液21とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに3−メトキシ−1,2−プロパンジオール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する3−メトキシ−1,2−プロパンジオール溶液を調製した。該溶液を電解液22とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1,3−プロパンジオール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する1,3−プロパンジオール溶液を調製した。該溶液を電解液23とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにジエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するジエチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液24とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにピナコール(和光純薬工業社製)3.54gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するピナコール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液25とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにcis−シクロヘキサン−1,2−ジオール(和光純薬工業社製)3.48gを添加したジメトキシエタン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するcis−シクロヘキサン−1,2−ジオール:ジメトキシエタン混合溶液を調製した。該溶液を電解液26とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1,4−ジオキサン−2,3−ジオール(和光純薬工業社製)3.60gを添加したジメトキシエタン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する1,4−ジオキサン−2,3−ジオール:ジメトキシエタン混合溶液を調製した。該溶液を電解液27とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにヒドロキシアセトン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するヒドロキシアセトン溶液を調製した。該溶液を電解液28とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに4−ヒドロキシ−2−ブタノン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する4−ヒドロキシ−2−ブタノン溶液を調製した。該溶液を電解液29とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン溶液を調製した。該溶液を電解液30とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(メタンスルホニル)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.49M含有する2−(メタンスルホニル)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液31とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(メチルチオ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.25M含有する2−(メチルチオ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液32とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチル溶液を調製した。該溶液を電解液33とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−アセトアミドエタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−アセトアミドエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液34とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにメチリデングリセロール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するメチリデングリセロール溶液を調製した。該溶液を電解液35とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン溶液を調製した。該溶液を電解液36とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)チオフェン(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.05M含有する2−(ヒドロキシメチル)チオフェン溶液を調製した。該溶液を電解液37とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)フラン(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.06M含有する2−(ヒドロキシメチル)フラン溶液を調製した。該溶液を電解液38とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−アミノエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.33M含有する2−アミノエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液39とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(メチルアミノ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.45M含有する2−(メチルアミノ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液40とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ジメチルアミノ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−(ジメチルアミノ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液41とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)ピリジン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−(ヒドロキシメチル)ピリジン溶液を調製した。該溶液を電解液42とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ピロリジンメタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.12M含有する2−ピロリジンメタノール溶液を調製した。該溶液を電解液43とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(1−イミダゾリル)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−(1−イミダゾリル)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液44とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに3−ヒドロキシプロピオニトリル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.45M含有する3−ヒドロキシプロピオニトリル溶液を調製した。該溶液を電解液45とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに乳酸メチル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する乳酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液46とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する2−ヒドロキシイソ酪酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液47とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにヒドロキシピバル酸メチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するヒドロキシピバル酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液48とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにグリコール酸(和光純薬工業社製)2.28gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するグリコール酸:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液49とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにラクトアミド(東京化成工業社製)2.68gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するラクトアミド:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液50とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにパントラクトン(東京化成工業社製)3.90gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するパントラクトン:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液51とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにカテコール(和光純薬工業社製)3.30gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するカテコール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液52とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにo−アミノフェノール(和光純薬工業社製)3,27gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するo−アミノフェノール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液53とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにパーフルオロピナコール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.15M含有するパーフルオロピナコール溶液を調製した。該溶液を電解液54とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1H,1H,11H,11Hードデカフルオロー3,6,9−トリオキサウンデカンー1,11−ジオール(和光純薬工業社製)12.3gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する1H,1H,11H,11Hードデカフルオロー3,6,9−トリオキサウンデカンー1,11−ジオール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液55とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにポリエチレングリコール200(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有するポリエチレングリコール200溶液を調製した。該溶液を電解液56とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を1.0M含有する2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液57とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を1.0M含有するエチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液58とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとジメトキシエタン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとジメトキシエタンの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液59とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと2−メチルテトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと2−メチルテトラヒドロフランの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液60とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとジエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとジエチレングリコールジメチルエーテルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液61とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと炭酸プロピレン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと炭酸プロピレンの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液62とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとアセトニトリル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとアセトニトリルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液63とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとγ−ブチロラクトン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとγ-ブチロラクトンの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液64とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとエタノールの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液65とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと酢酸エチル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと酢酸エチルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液66とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlとアセトニトリル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、エチレングリコールとアセトニトリルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液67とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlとプロピオニトリル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、エチレングリコールとプロピオニトリルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液68とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液69とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、エチレングリコールと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液70とした。
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlとテトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.5M含有する、エチレングリコールとテトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネートの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液71とした。
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)24.84gの代わりにMgCl2(和光純薬工業社製)1.43gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、MgCl2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液72とした。
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)24.84gの代わりにMgBr2(和光純薬工業社製)2.76gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、MgBr2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液73とした。
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)24.84gの代わりにMgI2(和光純薬工業社製)4.17gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、MgI2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液74とした。
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)24.84gの代わりにMg(OEt)2(和光純薬工業社製)1.72gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OEt)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液75とした。
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)24.84gの代わりにMg(ClO4)2(和光純薬工業社製)3.35gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(ClO4)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液76とした。
支持電解質として、Mg(TFAc)2 3.76gをMg(OTf)24.84gの代わりに用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(TFAc)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。なお、Mg(TFAc)2は、特開2009−269986の実施例1に記載の方法と同様にして、酢酸マグネシウムとトリフルオロ酢酸から合成したものを用いた。該溶液を電解液77とした。
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)24.84gの代わりにMg(BF4)2(和光純薬工業社製)2.97gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(BF4)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液78とした。
支持電解質として、実施例2のMg(OTf)24.84gの代わりにMg(BF4)2(和光純薬工業社製)2.97gを用いた以外は実施例2と同様に処理して、Mg(BF4)2を0.5M含有する、エチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液79とした。
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)24.84gの代わりにMg(TFSI)2(キシダ化学社製)8.80gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(TFSI)2を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液80とした。
支持電解質として、実施例2のMg(OTf)24.84gの代わりにMg(TFSI)2(キシダ化学社製)8.80gを用いた以外は実施例2と同様に処理して、Mg(TFSI)2を0.5M含有する、エチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液81とした。
電解液1を用いてCV測定を実施し、電解液1の電気特性を調べた。
具体的には、3極式のビーカーセルを用い、作用極にマグネシウム(0.5cm2)、対極に硫黄をドープした五酸化バナジウム(V2O5)、参照極にマグネシウムを使用した。また、ビーカーには電解液1を2ml加え、室温下(20℃)、5mV/sの掃引速度にて、−1.5〜1Vの範囲の測定を行った。なお、掃引は3サイクル行った。その結果を図1に示す。
図1中の横軸(V)は、参照極の電位を基準とした作用極の電位差を表し、縦軸(mA/cm2)は、各電位において観測された電流値を作用極の表面積で割った電流密度を表す(以下で示すCV測定のグラフにおける縦軸及び横軸は、同じものを表す)。
図1の結果より、0.5V付近から作用極からのマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ13.0mA/cm2であった。一方、−1V付近からは作用極におけるマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−9.0mA/cm2であった。よって、電解液1を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
掃引速度を10mV/sとし、電圧の範囲を−1.5〜4.2Vとした以外は、実施例82と同様にして、電解液1を用いてCV測定を行った。その結果を図2に示す。
図2の結果から明らかなように、10mV/sの掃引速度で4.2Vまで電圧を印加した場合であっても、サイクリックボルタモグラムに変曲点が見られず、マグネシウムの溶解に伴う酸化電流のみが観測されており、電解液の酸化分解に由来する著しい電流上昇は見られなかった。また、2回目以降の掃引においても電流密度の低下が見られなかったことから、測定した電圧範囲では電解液の分解は起こらないことが判った。即ち、分解電圧は4.2V以上であると考えられた。この値は、特許文献1および非特許文献1に記載されているMg(ZR1 lR2 mXn)2(Zはアルミニウム、R1はエチル基、R2はブチル基、Xは塩素)をTHFに溶解させた電解液の分解電圧(2.3V)や特許文献2に記載されている芳香族グリニャール試薬をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた電解液の分解電圧(3.8V)と比較しても、十分に高い値である。
電解液として電解液2を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図3に示す。
図3の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ6.0mA/cm2であった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−11.0mA/cm2であった。よって、電解液2を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液3を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図4に示す。
図4の結果から明らかなように、0.2V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ4.0mA/cm2であった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.0mA/cm2であった。よって、電解液3を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液4を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図5に示す。
図5の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ6.4mA/cm2であった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.1mA/cm2であった。よって、電解液4を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液7を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図6に示す。
図6の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ2.6mA/cm2であった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.0mA/cm2であった。よって、電解液7を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液9を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図7に示す。
図7の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ3.8mA/cm2であった。一方、−1.0V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.0mA/cm2であった。よって、電解液9を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液13を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図8に示す。
図8の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ8.8mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.2mA/cm2であった。よって、電解液13を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液15を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図9に示す。
図9の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ2.7mA/cm2であった。一方、−1.0V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.7mA/cm2であった。よって、電解液15を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液17を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図10に示す。
図10の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ3.7mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.0mA/cm2であった。よって、電解液17を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液25を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図11に示す。
図11の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.8mA/cm2であった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−9.6mA/cm2であった。よって、電解液25を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液28を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図12に示す。
図12の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ15.4mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−25.0mA/cm2であった。よって、電解液28を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液29を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図13に示す。
図13の結果から明らかなように、0.2V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ24.4mA/cm2であった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.3mA/cm2であった。よって、電解液29を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液33を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図14に示す。
図14の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ1.3mA/cm2であった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.3mA/cm2であった。よって、電解液33を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液41を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図15に示す。
図15の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.7mA/cm2であった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.8mA/cm2であった。よって、電解液41を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液45を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図16に示す。
図16の結果から明らかなように、0.4V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.7mA/cm2であった。一方、−1.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.8mA/cm2であった。よって、電解液45を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液46を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図17に示す。
図17の結果から明らかなように、0.1V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ3.1mA/cm2であった。一方、−0.1V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.0mA/cm2であった。よって、電解液46を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液49を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図18に示す。
図18の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.0mA/cm2であった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−7.9mA/cm2であった。よって、電解液49を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液50を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図19に示す。
図19の結果から明らかなように、0.8V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.1mA/cm2であった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.4mA/cm2であった。よって、電解液50を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液51を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図20に示す。
図20の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.4mA/cm2であった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.2mA/cm2であった。よって、電解液51を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液52を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図21に示す。
図21の結果から明らかなように、0.4V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ7.0mA/cm2であった。一方、−0.1V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−8.0mA/cm2であった。よって、電解液52を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液53を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図22に示す。
図22の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.0mA/cm2であった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−10.7mA/cm2であった。よって、電解液53を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液55を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図23に示す。
図23の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.8mA/cm2であった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−7.4mA/cm2であった。よって、電解液55を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液57を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図24に示す。
図24の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ16.3mA/cm2であった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−13.0mA/cm2であった。よって、電解液57を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。さらに、実施例82と比較して電流密度が向上したことから、CVの電流密度が電解液中の支持電解質の濃度に依存することが判った。
電解液として電解液58を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図25に示す。
図25の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.1mA/cm2であった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.8mA/cm2であった。よって、電解液58を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。さらに、実施例84と比較して電流密度が低下したことから、支持電解質の高濃度化に伴って電解液の粘度が上昇し、これにより電流密度が低下することが判った。
電解液として電解液59を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図26に示す。
図26の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ8.6mA/cm2であった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−7.6mA/cm2であった。よって、電解液59を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液60を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図27に示す。
図27の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.8mA/cm2であった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.3mA/cm2であった。よって、電解液60を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液61を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図28に示す。
図28の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.6mA/cm2であった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.0mA/cm2であった。よって、電解液61を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液62を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図29に示す。
図29の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.5mA/cm2であった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.4mA/cm2であった。よって、電解液62を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液63を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図30に示す。
図30の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.6mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.9mA/cm2であった。よって、電解液63を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液64を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図31に示す。
図31の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ7.6mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.3mA/cm2であった。よって、電解液64を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液65を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図32に示す。
図32の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ10.8mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.8mA/cm2であった。よって、電解液65を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液66を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図33に示す。
図33の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.8mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.2mA/cm2であった。よって、電解液66を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液67を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図34に示す。
図34の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ77.1mA/cm2であった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−41.8mA/cm2であった。よって、電解液67を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液68を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図35に示す。
図35の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ59.7mA/cm2であった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−33.6mA/cm2であった。よって、電解液68を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液69を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図36に示す。
図36の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ22.2mA/cm2であった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−70.2mA/cm2であった。よって、電解液69を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液70を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図37に示す。
図37の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.6mA/cm2であった。一方、−0.4V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−13.7mA/cm2であった。よって、電解液70を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液71を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図38に示す。
図38の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ7.1mA/cm2であった。一方、−0.4V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−12.8mA/cm2であった。よって、電解液71を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液72を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図39に示す。
図39の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ16.6mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.4mA/cm2であった。よって、電解液72を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液73を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図40に示す。
図40の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ28.8mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−15.1mA/cm2であった。よって、電解液73を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液74を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図41に示す。
図41の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ43.5mA/cm2であった。一方、−0.9V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−56.6mA/cm2であった。よって、電解液74を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液79を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図42に示す。
図42の結果から明らかなように、0.2V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ14.5mA/cm2であった。一方、−0.9V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.4mA/cm2であった。よって、電解液79を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
電解液として電解液81を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図43に示す。
図43の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ1.7mA/cm2であった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.3mA/cm2であった。よって、電解液81を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
塩化ブチルマグネシウム(BuMgCl)を0.5M含有するTHF溶液(キシダ化学社製)2mlを電解液1の代わりに電解液として用い、電圧の範囲を−1.5〜2.0Vとした以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図44に示す。
図44の結果より、BuMgCl/THF溶液を電解液として用いた場合、Mgが可逆的に溶解析出するものの、その際に流れる電流密度は非常に低く、1.5V付近の電流密度はおよそ0.4mA/cm2、−1.5V付近の電流密度はおよそ−0.5mA/cm2であることが判った。
塩化フェニルマグネシウム(PhMgCl)(キシダ化学社製)を0.5M含有するTHF溶液 2mlを電解液1の代わりに電解液として用い、電圧の範囲を−1.0〜1.0Vとした以外は、実施例82の方法と同様にしてCV測定を行った。その結果を図45に示す。
図45の結果より、PhMgCl/THF溶液を電解液として用いた場合、比較例1よりも電流密度はさらに低下し、1V付近の電流密度はおよそ6.0×10−2mA/cm2、−1V付近の電流密度はおよそ−8.0×10−2mA/cm2であることが判った。
過塩素酸テトラブチルアンモニウム(Bu4NClO4)(和光純薬工業社製)4.28gを2−メトキシエタノール25mlに溶解し、Bu4NClO4を0.5M含むBu4NClO4/2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液1の代わりに電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にしてCV測定を行った。その結果を図46に示す。
図46の結果より、酸化電流はサイクルを繰り返すに従って低下し、還元電流は図1の場合と比べて大幅に低下することが判った。このことから、Bu4NClO4/2−メトキシエタノール溶液では還元分解は全く起こらず、支持電解質(Bu4NClO4)が酸化分解して不働態皮膜を形成し、その結果、電流密度が徐々に低下したと考えられた。つまり、溶媒として用いている2−メトキシエタノールは酸化還元に対して安定であり、図1において観測された電流はMgの溶解析出に伴うものであると考えられた。
溶媒として、2−メトキシエタノール25mlの代わりにエタノール25mlを用い、Mg(OTf)2の量を2.42gとした以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.3M含有する電解液を調製した。該溶液を電解液1の代わりに電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図47に示す。
図47の結果より、Mg(OTf)2/エタノール溶液を電解液として用いた場合、マグネシウムが可逆的に溶解析出するものの、その際に流れる電流密度は非常に低く、1.0V付近の電流密度はおよそ0.63mA/cm2であった。一方、還元電流は比較的高く、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.3mA/cm2であったが、サイクルに伴って電流密度の急激な低下が起きた。このことは、溶媒に用いたエタノールが酸化還元分解することで、電極表面に不働態皮膜が形成されたためと考えられた。
溶媒として、2−メトキシエタノール25mlの代わりにジメトキシエタン25mlを用い、Mg(OTf)2を0.16gとした以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)2を0.02M含有する電解液を調製した。その結果、ジメトキシエタンの場合、Mg(OTf)2の溶解性が低く、最高でも0.02Mしか溶解できないことが判った。該溶液を電解液1の代わりに電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、Mg(OTf)2/ジメトキシエタン溶液のCV測定を行った。その結果を図48に示す。
図48の結果より、Mg(OTf)2/ジメトキシエタン溶液を電解液として用いた場合、Mgが可逆的に溶解析出するものの、その際に流れる電流密度は非常に低く、1.0V付近の電流密度はおよそ2.6×10−3mA/cm2、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.3×10−3mA/cm2であることが判った。また比較例4と同様に、サイクルに伴う電流密度の低下が見られたことから、電極表面に不働態皮膜が形成されていると考えられた。
実施例82、84〜124及び比較例1〜5の、酸化電流密度及び還元電流密度の結果を、使用した電解液、電解液中の支持電解質、溶媒と合わせて下記表10およひ表11に示す。
また、実施例83の結果から明らかなように、本発明の電解液を用いることにより、電解液の分解電圧が4.2V以上と極めて高いことから、電池やキャパシタ等の電気化学デバイスの電解液として本発明の電解液を用いた場合、高電圧での充電にも対応できることが判った。
比較例3は、マグネシウム塩以外の電解質を用いた結果であるが、該結果より、電流密度が低いことから、本発明の電解液自身が酸化還元分解されていないことが証明できた。
更に、比較例4および5に示した電解液では、電流密度が極めて低いうえ、サイクルに伴う電流密度の低下が見られるのに対して、本発明の電解液では、サイクルに伴う電流密度の低下は起きていない。このことから、比較例4のエタノールや比較例5のジメトキシエタンでは、溶媒自身の酸化還元分解により電極表面に不働態皮膜が形成されると考えられる。一方、本発明の電解液では溶媒自身の分解が抑制され、マグネシウムの溶解析出反応のみが効率的かつ選択的に進行していることが判った。
以上の結果から、本発明の電解液は、電流密度が高く、且つ、高い電圧での充電が可能であるため、該電解液を電気化学デバイスに用いれば、急速充放電が可能な電気化学デバイスの提供を可能とするものである。
電解液2及び3を用いて交流インピーダンスの測定を実施し、電解液2及び3の抵抗成分を解析した。
具体的には、3極式のビーカーセルを用い、作用極にMg合金(AZ31、2cm×1.5cm)、対極にV2O5、参照極にマグネシウムを使用し、作用極と対極間の距離は5mmとした。該ビーカー中に、電解液2又は3を2ml添加し、初期電位を参照電極に対して0.1Vとし、周波数領域を20kHzから20mHz、振幅を10mVとして測定を行った。交流インピーダンスを測定した結果を図49および50のグラフに示す。
図49および図50の結果より、全抵抗値はそれぞれ120Ω、120Ω程度と低い値となり、電解液中のマグネシウムイオンの拡散速度が早いことが判った。
電解液2又は3の代わりに、比較例1で調製した、塩化ブチルマグネシウム(BuMgCl)を0.5M含有するTHF溶液(キシダ化学社製)を用いた以外は実施例125と同様にして交流インピーダンス測定を行った。その結果を図51のグラフに示す。
その結果、全抵抗値は8.5×104Ω程度と非常に高く、電解液中のイオンの拡散速度が遅いことが推察された。
実施例125、比較例6の結果より、本発明の電解液を用いると、グリニャール試薬と比較してマグネシウムの溶解により生成したマグネシウムイオンの拡散が速やかに起こるため、CVにおける電流密度が劇的に向上したと考えられた。よって、電解液2及び3以外の本発明の電解液も高い電流密度を有することから、これらの電解液も同様に速い拡散速度を示すと考えられた。
(1)錯体の合成
窒素雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム[Mg(OTf)2](東京化成工業社製)2.42g(0.0075mol)、2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)1.14g(0.0150mol)、1,2−ジメトキシエタン(和光純薬工業社製)15mlを順次反応器に入れて、80℃で5時間加熱撹拌した。不溶物を吸引ろ過によりろ別した後に、ろ液を減圧濃縮して白色固体を得た。次いでトルエン15mlを加えて懸濁下で撹拌し、ろ過により回収した白色固体を減圧乾燥させて、Mg[(OTf)2(2−メトキシエタノール)2]錯体を得た。該錯体を錯体1とした。
単離した錯体1を重アセトン(acetone−d6、和光純薬工業社製)に溶解させて、1H−NMRをNMR測定機により測定した。測定されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.51 (br, 1H), 3.84-3.76 (m, 2H), 3.60-3.55 (t, 2H), 3.42 (s, 3H)
また、2−メトキシエタノール単独の1H−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.62-3.3.58 (m, 2H), 3.54 (br, 1H), 3.41-3.38 (t, 2H), 3.28 (s, 3H)
錯体1の1H−NMR結果を2−メトキシエタノール単独の1H−NMRと比較すると、錯体1のシフト値が全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体1は、Mg(OTf)2に2−メトキシエタノールが配位した錯体となっていると推定された。
錯体1をキレート滴定[0.01M/EDTA水溶液、指示薬としてエリオクロムブラックTを使用]に供した。
即ち、先ず、錯体1を0.5g精秤し、イオン交換水に溶かして50mlに定容した。この溶液5mlに3M 水酸化アンモニウム水溶液(和光純薬工業社製)を数滴、および1M 水酸化アンモニウム−塩化アンモニウム水溶液(和光純薬工業社製)を2ml、指示薬としてエリオクロムブラックT(和光純薬工業社製)を数滴、順次加えて試料溶液とした。その後、マグネシウム標準液(濃度200ppm)で予め濃度を規定した0.01M EDTA水溶液(和光純薬工業社製)を用いてキレート滴定を行った。
その結果、錯体中のマグネシウム含量は5.1w/w%であった。これは、錯体1の構造をMg[(OTf)2(2−メトキシエタノール)2]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:5.1w/w%と同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体1の構造は2分子の2−メトキシエタノールが配位したMg[(OTf)2(2−メトキシエタノール)2]であると推定された。
錯体1を加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体中の配位子の構造を同定した。
即ち、錯体1(1mg)を固体試料の状態で熱分解装置に充填し、20℃/分の昇温速度にて40℃から400℃まで徐々に加熱し、発生するガス成分を質量分析計で測定した。それらの結果を、図52および図53に示す。
尚、図52及び図53中の横軸は測定時間(熱分解温度に対応する)を表し、図52は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図53は2−メトキシエタノールの質量分析で観測されるm/z45、m/z58、およびm/z76の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z45、m/z58、およびm/z76の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体1中に含まれる配位子は2−メトキシエタノールであると同定された。
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりに2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)1.53g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)2(2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン)2]錯体を得た。該錯体を錯体2とした。
単離した錯体2を重アセトン(acetone−d6、和光純薬工業社製)に溶解させて、1H−NMRをNMR測定機により測定した。測定されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.09 (br, 1H), 4.21-4.12 (m, 1H), 4.04-3.95 (m, 1H), 3.89-3.79 (m, 1H), 3.79-3.70 (m, 1H), 3.60-3.56 (m, 1H), 2,10-1.88 (m, 3H), 1.70-1.63 (m, 1H)
また、2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン単独の1H−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.87-3.384 (m, 1H), 3.78-3.73 (m, 1H), 3.66-3.61 (m, 1H), 3.49-3,41 (m, 2H), 2.84 (br, 1H), 1.92-1.77 (m, 3H), 1.67-1.61 (m, 1H)
錯体2の1H−NMRの結果を2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン単独の1H−NMR結果と比較すると、錯体2のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体2は、Mg(OTf)2に2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランが配位した錯体となっていると推定された。
錯体1 0.5gの代わりに錯体2 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は4.5w/w%であった。これは、錯体2の構造をMg[(OTf)2(2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン)2]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:4.6w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体2の構造は2分子の2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランが配位したMg[(OTf)2(2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン)2]であると推定された。
錯体2を、実験例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体2中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図54および図55に示す。
図54は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図55は2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランの質量分析で観測されるm/z27、m/z43、およびm/z71の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z27、m/z43、およびm/z71の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体2中に含まれる配位子は2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランであると同定された。
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)0.93g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)2(エチレングリコール)2]錯体を得た。該錯体を錯体3とした。
単離した錯体3を重アセトン(acetone−d6、和光純薬工業社製)に溶解させて、1H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.89 (br, 2H), 3.87 (s, 4H)
また、エチレングリコール単独の1H−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.78 (br, 2H), 3.56 (s, 4H)
錯体3の1H−NMR結果をエチレングリコール単独の1H−NMRの結果と比較すると、錯体3のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体3は、Mg(OTf)2にエチレングリコールが配位した錯体となっていると推定された。
錯体1 0.5gの代わりに錯体3 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は5.3w/w%であり、これは、錯体3の構造をMg[(OTf)2(エチレングリコール)2]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:5.4w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体3の構造は2分子のエチレングリコールが配位したMg[(OTf)2(エチレングリコール)2]であると推定された。
錯体3を、実験例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体3中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図56および図57に示す。
図56は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図57はエチレングリコールの質量分析で観測されるm/z31、およびm/z43の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z31、およびm/z43の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体3中に含まれる配位子はエチレングリコールであると同定された。
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりにグリコール酸メチル(和光純薬工業社製)1.35g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)2(グリコール酸メチル)2]錯体を得た。該錯体を錯体4とした。
単離した錯体4を重アセトン(acetone−d6、(和光純薬工業社製)に溶解させて、1H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.32 (br, 1H), 4.24-4.17 (m, 2H), 3.72 (s, 3H)
また、グリコール酸メチル単独の1H−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 4.67 (br, 1H), 4.10-4.07 (m, 2H), 3.69 (s, 3H)
錯体4の1H−NMR結果をグリコール酸メチル単独の1H−NMR結果と比較すると、錯体4のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体4は、Mg(OTf)2にグリコール酸メチルが配位した錯体となっていると推定された。
錯体1 0.5gの代わりに錯体4 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は4.6w/w%であった。これは、錯体4の構造をMg[(OTf)2(グリコール酸メチル)2]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:4.8w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体4の構造は2分子のグリコール酸メチルが配位したMg[(OTf)2(グリコール酸メチル)2]であると推定された。
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりに2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(東京化成工業社製)1.77g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)2(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル)2]錯体を得た。該錯体を錯体5とした。
単離した錯体5を重アセトン(acetone−d6、(和光純薬工業社製)に溶解させて、1H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.44 (br, 1H), 3.79 (s, 3H), 1.45 (s, 6H)
また、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル単独の1H−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 4.09 (br, 1H), 3.69 (s, 3H), 1.35 (s, 6H)
錯体5の1H−NMR結果を2−ヒドロキシイソ酪酸メチル単独の1H−NMR結果と比較すると、錯体5のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体5は、Mg(OTf)2に2−ヒドロキシイソ酪酸メチルが配位した錯体となっていると推定された。
錯体1 0.5gの代わりに錯体5 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は4.3w/w%であった。これは、錯体5の構造をMg[(OTf)2(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル)2]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:4.4w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体5の構造は2分子の2−ヒドロキシイソ酪酸メチルが配位したMg[(OTf)2(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル)2]であると推定された。
錯体5を、実験例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体5中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図58および図59に示す。
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりに2−エトキシエタノール(和光純薬工業社製)1.35g(0.0150mol)を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、Mg[(OTf)2(2−エトキシエタノール)2]錯体を得た。該錯体を錯体6とした。
単離した錯体6を重アセトン(acetone−d6、(和光純薬工業社製)に溶解させて、1H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 6.06 (br, 1H), 3.88-3.84 (m, 2H), 3.72-3.67 (m, 4H), 1.23-1.19 (t, 3H)
また、2−エトキシエタノール単独の1H−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.62-3.59 (m, 2H), 3.47-3.42 (m, 4H), 2.81 (br, 1H), 1,14-1.11 (t, 3H)
錯体6の1H−NMR結果を2−エトキシエタノール単独の1H−NMR結果と比較すると、錯体6のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体6は、Mg(OTf)2に2−エトキシエタノールが配位した錯体となっていると推定された。
錯体1 0.5gの代わりに錯体6 0.5gを用いた以外は、実施例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のMg含量は4.6w/w%であった。これは、錯体6の構造をMg[(OTf)2(2−エトキシエタノール)2]と仮定して理論的に算出したMg含量:4.8w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体6の構造は2分子の2−エトキシエタノールが配位したMg[(OTf)2(2−エトキシエタノール)2]であると推定された。
錯体6を、実施例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体6中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図60および図61に示す。
実験例1で単離した錯体1 9.5g(0.02mol)とジメトキシエタン(和光純薬工業社製)20mlとを混合し、室温で5時間撹拌した。不溶物を吸引ろ過によりろ別した後に、母液にMS5A[(モレキュラーシーブ5A(和光純薬工業社製)]を1g添加して脱水処理し、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液82とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、ジエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液83とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、テトラヒドロフラン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液84とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、2−メチルテトラヒドロフラン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液85とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、炭酸プロピレン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液86とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、アセトニトリル(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液87とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、γ−ブチロラクトン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液88とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、エタノール(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液89とした。
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、酢酸エチル(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液90とした。
実施例126の錯体1の代わりに、実験例3で単離した錯体3 8.9g(0.02mol)を用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体3を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液91とした。
電解液として電解液82を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図62に示す。
図62の結果から明らかなように、0.5V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ4.5mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.5mA/cm2であった。よって、電解液82を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
電解液として電解液83を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図63に示す。
図63の結果から明らかなように、0.3V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ4.6mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.1mA/cm2であった。よって、電解液83を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
電解液として電解液84を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図64に示す。
図64の結果から明らかなように、0.5V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ2.1mA/cm2であった。一方、−0.7V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.2mA/cm2であった。よって、電解液84を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
電解液として電解液91を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図65に示す。
図65の結果から明らかなように、0.5V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、0.85V付近の電流密度はおよそ2.8mA/cm2であった。一方、−0.5V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.0mA/cm2であった。よって、電解液91を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
(1)Mg(acac)2錯体/テトラヒドロフラン溶液の調製
ビス(2,4−ペンタンジオナト)マグネシウム[Mg(acac)2](東京化成工業社製)5.0g(0.02mol)とテトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)45mlとを混合し、室温で5時間撹拌した。得られた溶液から吸引ろ過により不溶物をろ別した後に、母液にMS5A[(モレキュラーシーブ5A(和光純薬工業社製)]を1g添加して脱水処理し、Mg(acac)2錯体を0.49M含有する電解液を調製した。
上記Mg(acac)2錯体を0.49M含有する電解液を電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図66に示す。
図66の結果から明らかなように、Mg(acac)2錯体/テトラヒドロフラン溶液を電解液として用いた場合、マグネシウムの溶解析出に伴う電流ピークは全く観測されなかった。
実施例136〜139、比較例7及び比較例5の、酸化電流密度及び還元電流密度の結果を、使用した電解液、電解液中の錯体、溶媒と合わせて下記表12に示す。
また、実施例138と比較例7では、マグネシウム錯体が異なる以外は同じ溶媒でほぼ同じ濃度の錯体を用いて電流密度を測定しているが、公知のマグネシウム錯体では電流は流れなかったものの、本発明に係るマグネシウム錯体を用いた場合であれば、酸化電流として2.1mA/cm2、還元電流として−1.2mA/cm2観測され、特定のマグネシウム錯体を用いることにより電解質としての効果が得られることが示された。
更に、実施例136及び139と比較例5を比較すると、マグネシウム塩を支持電解質として用いた場合には電流密度が非常に低いものの、本発明に係るマグネシウム錯体を用いた場合には高い電流密度を有することが判った。
本発明に係るマグネシウム錯体は、一般式[10]に示しているように、本発明に係る一般式[2]で示される化合物2分子が、マグネシウムに対してキレーションしているが、同様の配位構造を有するMg(acac)2錯体では酸化還元電流が全く観測されなかった。このことから、本発明に係るマグネシウム錯体は、Mg(acac)2錯体と比較して、キレート効果が比較的穏和であることが判った。
従って、上記実施例136〜139並びに比較例5及び7の結果より、本発明に係る錯体から得られた電解液は、還元反応(マグネシウムの析出反応)の際には、マグネシウム錯体からの配位子(一般式[2]で示される化合物)の脱離が速やかに進行し、その一方で、酸化反応(マグネシウムの溶解反応)の際には、溶解したマグネシウムイオンへの配位子(一般式[2]で示される化合物)の再配位が容易に起こることから、充放電が繰り返し可能な電解液となることが推定される。
尚、実施例82〜124の電解液中においても、支持電解質中のマグネシウムイオンに2分子の配位子(一般式[2]で示される化合物)が配位したマグネシウム錯体が生成しており、これにより、電流密度が著しく向上していると推察された。
Claims (11)
- (1)マグネシウム塩からなる支持電解質、及び、
(2)下記一般式[2]
[式中、l、m及びnは、それぞれ独立して、0〜2の整数を表し(但し、l、m及びnは同時に0ではない。)、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表し、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基又はヒドロキシル基を表し、R7は、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルシリルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数7〜11のアリールカルボニル基、炭素数7〜11のアリールカルボニルオキシ基、炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、炭素数8〜13のアリールアルケニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数7〜12のヒドロキシアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のヒドロキシアリール基、炭素数6〜10のヒドロキシアリールオキシ基、炭素数2〜7のヒドロキシアルキルカルボニル基、炭素数8〜16のアルコキシアリールアルキルオキシ基、炭素数7〜13のアルコキシアリール基、炭素数7〜13のアルコキシアリールオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルケニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニルオキシ基、炭素数4〜8のアルコキシアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルオキシカルボニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニル基、下記一般式[3]で示されるホスホノ基
(式中、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
下記一般式[4]で示されるアミド基、
(R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
下記一般式[5]で示されるカルバミド基
(式中、R12は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R13は、炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
下記一般式[6]で示される基
(式中、pは1〜6の整数を表し、R14は、pが2〜5の場合はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキレン基又はハロゲノアルキレン基を表し、R15は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表す)、
ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するアミノ基、シアノ基、チオール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基、又は環状カルボン酸エステル由来の基、或いは、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基又は環状カルボン酸エステル由来の基]で示される化合物を少なくとも一種以上含む、電気化学デバイス用電解液。 - 一般式[2]のl、m及びnが、lが1の整数であってm及びnがそれぞれ独立して0〜2の整数であるか、mが1の整数であってl及びnがそれぞれ独立して0〜2の整数であるか、又はnが1の整数であってl及びnがそれぞれ独立して0〜2の整数の何れかを表すものである、請求項1に記載の電解液。
- R1及びR2が、水素原子又はメチル基である請求項1又は2に記載の電解液。
- R3、R4、R5及びR6が水素原子である、請求項1〜3の何れかに記載の電解液。
- R7が、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、前記一般式[3]で示される基、前記一般式[6]で示される基、ヒドロキシル基、又はシアノ基である請求項1〜4の何れかに記載の電解液。
- nが0である、請求項1〜5の何れかに記載の電解液。
- 支持電解質が、少なくとも一種の下記一般式[1]で示されるマグネシウム塩からなるものである、請求項1記載の電解液;
Mg Xq [1]
[式中、Mgはマグネシウムイオンを表し、qは1又は2を表し、qが1の場合Xは、酸化物イオン(O2-)、硫化物イオン(S2-)、硫酸イオン(SO4 2-)、リン酸一水素イオン(HPO4 2-)、又は炭酸イオン(CO3 2-)を表し、qが2の場合Xは、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオン、下記一般式[7]
(式中、kは1〜4の整数を表し、Fはフッ素原子を表す)で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、炭素数1〜4のアルカンスルホン酸イオン、炭素数6〜10のアレーンスルホン酸イオン、炭素数2〜5のパーフルオロアルカンカルボン酸イオン、炭素数2〜5のアルカンカルボン酸イオン、炭素数7〜11のアレーンカルボン酸イオン、炭素数1〜4のアルコキシドイオン、過マンガン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、硝酸イオン、リン酸ニ水素イオン、硫酸水素イオン、炭酸水素イオン、硫化水素イオン、水酸化物イオン(OH-)、チオシアン酸イオン、シアン化物イオン(CN-)、フッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、ヨウ化物イオン(I-)、又は水素化物イオン(H-)を表す]。 - 支持電解質の濃度が0.1〜5.0mol/Lである請求項1記載の電解液。
- 更に(3)溶媒を含む、請求項1に記載の電解液。
- 溶媒が、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸プロピレン、アセトニトリル、ブチロラクトン、エタノール、酢酸エチル、プロピオニトリル、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・トリフルオロメタンスルホネート、又はテトラエチルアンモニウム・トリフルオロメタンスルホネートを含む、請求項9に記載の電解液。
- 請求項1〜10の何れかに記載の電解液、正極、負極及びセパレータを含む電気化学デバイス。
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