JP5994779B2 - 電気化学デバイス用電解液 - Google Patents

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Description

本発明は、マグネシウムイオンを含有する電解液及び該電解液を含む電気化学デバイスに関する。
マグネシウムイオン電池の原料となるマグネシウムは地球上に豊富に存在する元素であり、価格および供給量等に不安定を抱えるリチウムと比較して優位性の高い材料である。また、マグネシウムイオン電池は安価且つ安全であり、更に高いエネルギー密度を有することから、ポストリチウムイオン電池として注目されている。
マグネシウムイオン電池の負極としては、通常金属マグネシウムが用いられる。しかしながら、金属マグネシウムは高い還元性を有するため、該金属を負極に用いた場合、電解液と反応してその電極表面にイオン伝導性の低い不働態皮膜を形成する。そして、この不働態皮膜の形成によりマグネシウムの可逆的な溶解析出が阻害されることが知られており、金属マグネシウムを負極として用いる際の問題となっている。
その一方で、不働態皮膜を形成しない電解液も知られている。例えば特許文献1および非特許文献1においては、一般式Mg(ZR (Zはホウ素またはアルミニウム、RおよびRは炭化水素基、Xは臭素または塩素を表し、l+m+nは4である)で表される電解質をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた電解液を用いることで、マグネシウムの可逆的な溶解析出が可能であることが報告されている。
その他、マグネシウムイオン電池の性能を向上させることを目的として種々の報告がなされている。例えば、特許文献2では、一般式CMgX(X=Cl,Br)で表される芳香族グリニャール試薬をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた電解液を用いることにより、従来言われていたグリニャール試薬(RMgX,Rはアルキル基)の低い酸化電位を改善できることが報告されている。
また、特許文献3および特許文献4では、グリニャール試薬(RMgX)あるいは塩化マグネシウム(II)に有機金属化合物(アルキルアルミニウム化合物)を組み合わせて用いることで、マグネシウムを2量体化させた錯体を系内に生成させて、電解液の耐酸化性を改善できることが報告されている。
更に、非特許文献2では、電解液の安全性を高めるために臭化マグネシウム(II)を2−メチルテトラヒドロフランに溶解させて電解液を調液し、サイクリックボルタモグラムおよび電極表面分析の結果から、マグネシウムの溶解析出が可逆的に進行することについて言及されている。
特表2003−512704 特開2004−259650 特開2007−188694 特開2007−188709
D. Aurbach et al., Nature, vol. 407, p. 724-727 (2000) 第76回新電池構想部会、講演要旨集(2011年)、p. 1-5 未来材料, vol. 62, p. 211-216 (2011)
しかしながら、上記文献に記載の電解液はいずれも、マグネシウムの溶解析出に伴って観測される電流値(あるいは電流密度)が±1mA以下(あるいは±1mA/cm以下)と低いため、電池の充放電を行うに当たり長時間を要することとなる。すなわち、急速充放電が困難であるため、実用性の高い電池とは言えない。例えば、特許文献4ではマグネシウムの溶解に伴う電流値が0.8mA、析出に伴う電流値が−0.6mAであり、十分に高い値とは言えない。
また、特許文献1および非特許文献1で使用されている電解液は、2.3V程度の電圧を印加することで電解液が分解を始めるため、2.3V以上の充電電圧をかけることができない。更に、特許文献2には臭化フェニルマグネシウム(CMgBr)の酸化分解電位が3.8Vと記載されているが、実際にはさらに低い電位(2.0V程度)で酸化分解し始めることが特許文献4で言及されている。
このように、電解液の分解電位により充放電電圧が制限されてしまうことで、マグネシウム二次電池が本来有する高いエネルギー密度を十分利用しきれないという問題が生じることとなる。
実用電池として使用する場合に重要視される別の要因として安全性が挙げられるが、上記電解液では安全性が十分ではない。例えば、アルミン酸マグネシウム塩(特許文献1、非特許文献1)は危険物第3類に分類される禁水性化合物であり、グリニャール試薬(特許文献2)は強い引火性を有する有機金属化合物であることから、電解液の安全性に問題が残る。
また、特許文献3および特許文献4では原料として各々トリエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウムを用い、系内でマグネシウム―アルミニウム錯体へと変換しているが、いずれの原料も自然発火性物質であるため、安全性が高いとは言い難い。
そこで本発明では、上述した問題点を解決するために、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行し、電流密度および耐酸化性が高く、かつ安全性が高い電解液を有する電気化学デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、「(1)マグネシウム塩からなる支持電解質、及び、
(2)下記一般式[2]
Figure 0005994779
[式中、l、m及びnは、それぞれ独立して、0〜2の整数を表し、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表し、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基又はヒドロキシル基を表し、R7は、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルシリルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数7〜11のアリールカルボニル基、炭素数7〜11のアリールカルボニルオキシ基、炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、炭素数8〜13のアリールアルケニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数7〜12のヒドロキシアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のヒドロキシアリール基、炭素数6〜10のヒドロキシアリールオキシ基、炭素数2〜7のヒドロキシアルキルカルボニル基、炭素数8〜16のアルコキシアリールアルキルオキシ基、炭素数7〜13のアルコキシアリール基、炭素数7〜13のアルコキシアリールオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルケニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニルオキシ基、炭素数4〜8のアルコキシアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルオキシカルボニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニル基、下記一般式[3]で示されるホスホノ基
Figure 0005994779
(式中、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
下記一般式[4]で示されるアミド基、
Figure 0005994779
(R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
下記一般式[5]で示されるカルバミド基
Figure 0005994779
(式中、R12は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R13は、炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
下記一般式[6]で示される基
Figure 0005994779
(式中、pは1〜6の整数を表し、R14は、pが2〜5の場合はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキレン基又はハロゲノアルキレン基を表し、R15は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表す)、
ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するアミノ基、シアノ基、チオール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基、又は環状カルボン酸エステル由来の基、或いは、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基又は環状カルボン酸エステル由来の基]で示される化合物を少なくとも一種以上含む、電気化学デバイス用電解液」に関する。
本発明によれば、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行し、電流密度が少なくとも±1mA超と従来の電解液と比較して高く、かつ、イオンの拡散抵抗が非常に小さいことから、急速充放電が可能な実用的な電気化学デバイスを提供することができる。さらに、電解液の分解電圧が4.2V以上と高いことから、充電電圧の高いマグネシウムイオン電池を作製することが可能である。また、禁水性化合物や引火性を有する有機金属化合物を用いずに、単純なマグネシウム塩を支持電解質として使用しているため、安全性が高い電解液を提供することができる。また、錯体を用いた電解液を用いることにより、溶媒として各種有機溶媒を選択することが可能となる。
実施例82で得られた、電解液1((Mg(OTf))/2−メトキシエタノール溶液)を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定のグラフを表す。 実施例83で得られた、電解液1((Mg(OTf))/2−メトキシエタノール溶液)を用いた4.2Vまで測定範囲を拡大したCV測定のグラフを表す。 実施例84で得られた、電解液2(Mg(OTf)/エチレングリコール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例85で得られた、電解液3(Mg(OTf)/グリコール酸メチル溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例86で得られた、電解液4(Mg(OTf)/2−エトキシエタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例87で得られた、電解液7(Mg(OTf)/2−(2−メトキシエトキシ)エタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例88で得られた、電解液9(Mg(OTf)/1−メトキシ−2−プロパノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例89で得られた、電解液13(Mg(OTf)/2−ヒドロキシ酢酸エチル溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例90で得られた、電解液15(Mg(OTf)/2−(アリルオキシ)エタノールを用いたCV測定のグラフを表す。 実施例91で得られた、電解液17(Mg(OTf)/cis−2−ブテン−1,4−ジオール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例92で得られた、電解液25(Mg(OTf)/ピナコール:エチレングリコール混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例93で得られた、電解液28(Mg(OTf)/ヒドロキシアセトン溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例94で得られた、電解液29(Mg(OTf)/4−ヒドロキシ−2−ブタノン溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例95で得られた、電解液33(Mg(OTf)/(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチル溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例96で得られた、電解液41(Mg(OTf)/2−(ジメチルアミノ)エタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例97で得られた、電解液45(Mg(OTf)/3−ヒドロキシプロピオニトリル溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例98で得られた、電解液46(Mg(OTf)/乳酸メチル溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例99で得られた、電解液49(Mg(OTf)/グリコール酸:エチレングリコール混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例100で得られた、電解液50(Mg(OTf)/ラクトアミド:エチレングリコール混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例101で得られた、電解液51(Mg(OTf)/パントラクトン:エチレングリコール混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例102で得られた、電解液52(Mg(OTf)/カテコール:エチレングリコール混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例103で得られた、電解液53(Mg(OTf)/o−アミノフェノール:エチレングリコール混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例104で得られた、電解液55(Mg(OTf)/1H,1H,11H,11H−ドデカフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジオール:エチレングリコール混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例105で得られた、電解液57(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール1.0M溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例106で得られた、電解液58(Mg(OTf)/エチレングリコール1.0M溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例107で得られた、電解液59(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:ジメトキシエタン(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例108で得られた、電解液60(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:2−メチルテトラヒドロフラン(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例109で得られた、電解液61(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:ジエチレングリコールジメチルエーテル(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例110で得られた、電解液62(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:炭酸プロピレン(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例111で得られた、電解液63(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:アセトニトリル(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例112で得られた、電解液64(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:γ−ブチルラクトン(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例113で得られた、電解液65(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:エタノール(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例114で得られた、電解液66(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:酢酸エチル(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例115で得られた、電解液67(Mg(OTf)/エチレングリコール:アセトニトリル(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例116で得られた、電解液68(Mg(OTf)/エチレングリコール:プロピオニトリル(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例117で得られた、電解液69(Mg(OTf)/2−メトキシエタノール:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=トリフルオロメタンスルホネート(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例118で得られた、電解液70(Mg(OTf)/エチレングリコール:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=トリフルオロメタンスルホネート(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例119で得られた、電解液71(Mg(OTf)/エチレングリコール:テトラエチルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホネート(1:1)混合溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例120で得られた、電解液72(MgCl/2−メトキシエタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例121で得られた、電解液73(MgBr/2−メトキシエタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例122で得られた、電解液74(MgI/2−メトキシエタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例123で得られた、電解液79(Mg(BF/エチレングリコール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例124で得られた、電解液81(Mg(TFSI)/エチレングリコール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 比較例1で得られた、電解液(BuMgCl/THF溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 比較例2で得られた、電解液(PhMgCl/THF溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 比較例3で得られた、電解液(BuNClO/2−メトキシエタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 比較例4で得られた、電解液(Mg(OTf)/エタノール溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 比較例5で得られた、電解液(Mg(OTf)/ジメトキシエタン溶液)を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例125で得られた、電解液2(Mg(OTf)/エチレングリコール溶液)を用いた交流インピーダンス測定のグラフを表す。 実施例125で得られた、電解液3(Mg(OTf)/グリコール酸メチル溶液)を用いた交流インピーダンス測定のグラフを表す。 比較例6で得られた、比較例1で調製した電解液(BuMgCl/THF溶液)を用いた交流インピーダンス測定のグラフを表す。 実験例1で得られた、錯体1の加熱発生ガス-質量分析における、トータルイオンピークのチャートを表す。 実験例1で得られた、図52のトータルイオンピークのチャートから2−メトキシエタノールのフラグメントイオンピークを抽出したチャートを表す。 実験例2で得られた、錯体2の加熱発生ガス-質量分析における、トータルイオンピークのチャートを表す。 実験例2で得られた、図54のトータルイオンピークのチャートから2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランのフラグメントイオンピークを抽出したチャートを表す。 実験例3で得られた、錯体3の加熱発生ガス-質量分析における、トータルイオンピークのチャートを表す。 実験例3で得られた、図56のトータルイオンピークのチャートからエチレングリコールのフラグメントイオンピークを抽出したチャートを表す。 実験例5で得られた、錯体5の加熱発生ガス-質量分析における、トータルイオンピークのチャートを表す。 実験例5で得られた、図58のトータルイオンピークのチャートから2−ヒドロキシイソ酪酸メチルのフラグメントイオンピークを抽出したチャートを表す。 実験例6で得られた、錯体6の加熱発生ガス-質量分析における、トータルイオンピークのチャートを表す。 実験例6で得られた、図60のトータルイオンピークのチャートから2−エトキシエタノールのフラグメントイオンピークを抽出したチャートを表す。 実施例136で得られた、電解液82{Mg[(OTf)(2−メトキシエタノール)錯体]/ジメトキシエタン溶液}を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例137で得られた、電解液83{Mg[(OTf)(2−メトキシエタノール)錯体]/ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液}を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例138で得られた、電解液84{Mg[(OTf)(2−メトキシエタノール)錯体]/テトラヒドロフラン溶液}を用いたCV測定のグラフを表す。 実施例139で得られた、電解液91{Mg[(OTf)(エチレングリコール)]/ジメトキシエタン溶液}を用いたCV測定のグラフを表す。 比較例7で得られた、電解液[Mg(acac)錯体/テトラヒドロフラン溶液]を用いたCV測定のグラフを表す。
1.支持電解質
本発明に係る支持電解質は、マグネシウム塩からなるものであればよく、具体的には、例えば、下記一般式[1]
Figure 0005994779
[式中、Mgはマグネシウムイオンを表し、qは1又は2を表し、qが1の場合Xは、2価のアニオンである、酸化物イオン(O2-)、硫化物イオン(S2-)、硫酸イオン(SO4 2-)、リン酸一水素イオン(HPO4 2-)、又は炭酸イオン(CO3 2-)を表し、qが2の場合Xは、1価のアニオンである、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオン、下記一般式[7]
Figure 0005994779
(式中、kは1〜4の整数を表し、Fはフッ素原子を表す)で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、炭素数1〜4のアルカンスルホン酸イオン、炭素数6〜10のアレーンスルホン酸イオン、炭素数2〜5のパーフルオロアルカンカルボン酸イオン、炭素数2〜5のアルカンカルボン酸イオン、炭素数7〜11のアレーンカルボン酸イオン、炭素数1〜4のアルコキシドイオン、過マンガン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、硝酸イオン、リン酸ニ水素イオン、硫酸水素イオン、炭酸水素イオン、硫化水素イオン、水酸化物イオン(OH-)、チオシアン酸イオン、シアン化物イオン(CN-)、フッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、ヨウ化物イオン(I-)、又は水素化物イオン(H-)を表す。]で示されるマグネシウム塩少なくとも一種からなるものが挙げられる。本発明に係る支持電解質においては、グリニヤール試薬を含んでいると一般式[2]で示される化合物のヒドロキシル基と激しく反応し、グリニヤール試薬及び一般式[2]で示される化合物が共に分解して電解液として機能しなくなる。更には、分解物(炭化水素等)の影響により電気化学デバイスの性能が低下するため、グリニヤール試薬を含まないものが好ましい。本発明に係る支持電解質は、上記一般式[1]で示されるマグネシウム塩のみからなるものが特に好ましい。
一般式[1]中のqは1又は2を表し、2が好ましい。
一般式[1]中のXは、qが1の場合2価のアニオンを表し、qが2の場合1価のアニオンを表し、1価のアニオンがより好ましい。
Xで示される炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオンとしては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましい。具体的には例えばトリフルオロメタンスルホン酸イオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸イオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸イオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン等が挙げられ、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが好ましい。
Xで示される一般式[7]におけるkは、1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2、より好ましくは1である。
一般式[7]で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオンの具体例としては、例えばビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドイオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドイオン等が挙げられ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン等が好ましい。
Xで示される炭素数1〜4のアルカンスルホン酸イオンとしては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましい。具体的には例えばメタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、n−プロパンスルホン酸イオン、イソプロパンスルホン酸イオン、シクロプロパンスルホン酸イオン、n−ブタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
Xで示される炭素数6〜10のアレーンスルホン酸イオンとしては、例えばベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン等が挙げられる。
Xで示される炭素数2〜5のパーフルオロアルカンカルボン酸イオンとしては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましい。具体的には例えばトリフルオロ酢酸イオン、ペンタフルオロプロピオン酸イオン、ヘプタフルオロ酪酸イオン、ノナフルオロペンタン酸イオン等が挙げられる。
Xで示される炭素数2〜5のアルカンカルボン酸イオンとしては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましい。具体的には例えば酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、イソ酪酸イオン等が挙げられる。
Xで示される炭素数7〜11のアレーンカルボン酸イオンとしては、例えば安息香酸イオン、ナフタレンカルボン酸イオン等が挙げられる。
Xで示される炭素数1〜4のアルコキシドイオンとしては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましい。具体的には、例えばメトキシドイオン、エトキシドイオン、n-プロポキシドイオン、イソプロポキシドイオン、n-ブトキシドイオン、イソブトキシドイオン、sec-ブトキシドイオン、tert-ブトキシドイオン、シクロプロポキシドイオン、シクロブトキシドイオン等が挙げられる。
Xで示される1価のアニオンの中でも、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオン、一般式[7]で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、炭素数2〜5のパーフルオロアルカンカルボン酸イオン、炭素数1〜4のアルコキシドイオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、過塩素酸イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオンが好ましく、中でも、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオン、一般式[6]で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、テトラフルオロホウ酸イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオンが好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオンが特に好ましい。
一般式[1]で示されるマグネシウム塩の好ましい具体例としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、ノナフルオロブタンスルホン酸マグネシウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウム、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドマグネシウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドマグネシウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、ペンタフルオロプロピオン酸マグネシウム、マグネシウムエトキシド、テトラフェニルホウ酸マグネシウム、テトラフルオロホウ酸マグネシウム、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム等であり、中でも、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウム、テトラフルオロホウ酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウムが好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウムが特に好ましい。
2.化合物
一般式[2]におけるlは、0〜2の整数を表し、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
一般式[2]におけるmは、0〜2の整数を表し、0又は1が好ましい。
一般式[2]におけるnは、0〜2の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
R1〜Rにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数1〜3のものが好ましい。具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
R1〜Rにおける炭素数1〜6のハロゲノアルキル基としては、上記炭素数1〜6のアルキル基の水素原子がハロゲン原子に置換されたものが挙げられ、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数1〜3のものが好ましい。尚、ハロゲン原子に置換される水素原子は、アルキル基中の水素原子の一部又は全部の何れであってもよく、水素原子の全部がハロゲン原子に置換されたものが好ましい。上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。具体的には、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、パークロロエチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、モノブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、パーブロモエチル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、モノヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、パーヨードエチル基、パーヨードプロピル基、パーヨードブチル基、パーヨードペンチル基、パーヨードヘキシル基等が挙げられ、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基が好ましい。
一般式[2]におけるR1又はR2は、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、メチル基又は水素原子が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
一般式[2]におけるR3〜R6におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式[2]におけるR3〜R6は、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、メチル基、フッ素原子又は水素原子が好ましく、メチル基又は水素原子がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
R7における炭素数1〜6のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数1〜3のものが好ましい。具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。中でも、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
R7における炭素数7〜12のアラルキルオキシ基としては、例えばベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニル-n-プロポキシ基、ナフチルメトキシ基、ナフチルエトキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えばフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数6〜10のハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシ基としては、上記炭素数6〜10のアリールオキシ基の水素原子がハロゲン原子で置換されたものが挙げられ、アリール基中の水素原子の一部が置換されたもの又は全部が置換されたものの何れであってもよいが、全部がハロゲン原子に置換されたものが好ましい。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。炭素数6〜10のハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシ基としては、具体的には例えばモノフルオロフェニルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基、ヘプタフルオロナフチルオキシ基、ペンタブロモフェニルオキシ基、ヘプタブロモナフチルオキシ基、ペンタクロロフェニルオキシ基、ヘプタクロロナフチルオキシ基等が挙げられ、ペンタフルオロフェニルオキシ基が好ましいものとして挙げられる。
R7における炭素数2〜4のアルケニルオキシ基としては、例えばビニルオキシ基,1−プロペニルオキシ基,アリルオキシ基,2−メチルアリルオキシ、3−メチルアリルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基としては、例えばヒドロキシビニル基、3-ヒドロキシ-1-プロペニル基、3-ヒドロキシ-2-プロペニル基、4-ヒドロキシ-1-ブテニル基、4-ヒドロキシ-2-ブテニル基等が挙げられ、3-ヒドロキシ-1-プロペニル基が好ましい。
R7における炭素数2〜7のアルキルカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが直鎖状のものが好ましく、炭素数2〜5のものが好ましい。具体的には、例えばメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、sec-ペンチルカルボニル基、tert-ペンチルカルボニル基、ネオペンチルカルボニル基、n-へキシルカルボニル基、イソヘキシルカルボニル基、sec-ヘキシルカルボニル基、tert-ヘキシルカルボニル基、ネオヘキシルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。中でも、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基が好ましく、メチルカルボニル基がより好ましい。
R7における炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが直鎖状のものが好ましく、炭素数2〜5のものが好ましい。具体的には、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキシ基、n-ペンチルカルボニルオキシ基、イソペンチルカルボニルオキシ基、sec-ペンチルカルボニルオキシ基、tert-ペンチルカルボニルオキシ基、ネオペンチルカルボニルオキシ基、n-へキシルカルボニルオキシ基、イソヘキシルカルボニルオキシ基、sec-ヘキシルカルボニルオキシ基、tert-ヘキシルカルボニルオキシ基、ネオヘキシルカルボニルオキシ基、シクロプロピルカルボニルオキシ基、シクロブチルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。中でも、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基が好ましく、メチルカルボニルオキシ基がより好ましい。
R7における炭素数2〜7のアルケニルカルボニルオキシ基としては、例えばビニルカルボニルオキシ基,1−プロペニルカルボニルオキシ基、2−メチルプロペニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数2〜5のものが好ましい。具体的には、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘキシルオキシカルボニル基、sec-ヘキシルオキシカルボニル基、tert-ヘキシルオキシカルボニル基、ネオヘキシルオキシカルボニル基、シクロプロポキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。中でも、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基がより好ましい。
R7における炭素数1〜4のアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましい。具体的には例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基等が挙げられる。
R7における炭素数1〜6のアルキルシリルオキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状又は分枝状のものが好ましく、炭素数1〜4のものが好ましい。具体的には例えばトリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、tert-ブチルジメチルシリルオキシ等が挙げられる。
R7における炭素数1〜4のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基等が挙げられる。
R7における炭素数7〜11のアリールカルボニル基としては、例えばフェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基等が挙げられる。
R7における炭素数7〜11のアリールカルボニルオキシ基としては、例えばフェニルカルボニルオキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基としては、例えばフェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
R7における炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、具体的には例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基等が挙げられる。
R7における炭素数2〜7のアルコキシアルキル基としては、具体的には例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシ-n-プロピル基、メトキシイソプロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシ-n-プロピル基、エトキシイソプロピル基、n-プロポキシメチル基、n-プロポキシエチル基、n-プロポキシ-n-プロピル基、n-プロポキシイソプロピル基、イソプロポキシメチル基、イソプロポキシエチル基、イソプロポキシ-n-プロピル基、イソプロポキシイソプロピル基、n-ブトキシメチル基、n-ブトキシエチル基、n-ブトキシ-n-プロピル基、n-ブトキシイソプロピル基等が挙げられる。
R7における炭素数8〜13のアリールアルケニルオキシ基としては、例えばシンナミルオキシ基、β−スチレニルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数2〜4のものが好ましい。具体的には例えばメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n-プロピルスルホニルオキシ基、tert-ブチルスルホニルオキシ基、n-ブチルスルホニルオキシ基、イソブチルスルホニルオキシ基、n-ペンチルスルホニルオキシ基、シクロプロピルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数7〜12のヒドロキシアラルキルオキシ基としては、例えばヒドロキシベンジルオキシ基、ヒドロキシフェネチル基、ヒドロキシフェニル-n-プロピルオキシ基、ヒドロキシナフチルメチルオキシ基、ヒドロキシナフチルエチルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数6〜10のヒドロキシアリール基としては、例えばヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等が挙げられる。
R7における炭素数6〜10のヒドロキシアリールオキシ基、例えばヒドロキシフェニルオキシ基、ヒドロキシナフチルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数2〜7のヒドロキシアルキルカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが直鎖状のものが好ましく、炭素数2〜5のものが好ましい。具体的には、例えばヒドロキシメチルカルボニル基、ヒドロキシエチルカルボニル基、ヒドロキシn-プロピルカルボニル基、ヒドロキシイソプロピルカルボニル基、ヒドロキシn-ブチルカルボニル基、ヒドロキシイソブチルカルボニル基、ヒドロキシsec-ブチルカルボニル基、ヒドロキシtert-ブチルカルボニル基、ヒドロキシn-ペンチルカルボニル基、ヒドロキシイソペンチルカルボニル基、ヒドロキシsec-ペンチルカルボニル基、ヒドロキシtert-ペンチルカルボニル基、ヒドロキシネオペンチルカルボニル基、ヒドロキシn-へキシルカルボニル基、ヒドロキシイソヘキシルカルボニル基、ヒドロキシsec-ヘキシルカルボニル基、ヒドロキシtert-ヘキシルカルボニル基、ヒドロキシネオヘキシルカルボニル基、ヒドロキシシクロプロピルカルボニル基、ヒドロキシシクロブチルカルボニル基、ヒドロキシシクロペンチルカルボニル基、ヒドロキシシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
R7における炭素数8〜16のアルコキシアリールアルキルオキシ基としては、例えばメトキシフェニルメチルオキシ基、ジメトキシフェニルメチルオキシ基、エトキシフェニルメチルオキシ基、n-プロポキシフェニルメチルオキシ基、メトキシフェニルエチルオキシ基、ジメトキシフェニルエチルオキシ基、エトキシフェニルエチルオキシ基、n-プロポキシフェニルエチルオキシ基、メトキシナフチルメチルオキシ基、メトキシナフチルエチルオキシ基、メトキシナフチルプロピルオキシ基、エトキシナフチルメチルオキシ基、エトキシナフチルエチルオキシ基、エトキシナフチルプロピルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数7〜13のアルコキシアリール基としては、例えばメトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n-プロポキシフェニル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、n-プロポキシナフチル基等が挙げられる。
R7における炭素数7〜13のアルコキシアリールオキシ基としては、例えばメトキシフェニルオキシ基、ジメトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、n-プロポキシフェニルオキシ基、メトキシナフチルオキシ基、エトキシナフチルオキシ基、n-プロポキシナフチルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数3〜7のアルコキシアルケニル基としては、例えばメトキシビニル基、エトキシビニル基、プロポキシビニル基、メトキシ−1−プロペニル基、エトキシ−1−プロペニル基、プロポキシ−1−プロペニル基等が挙げられる。
R7における炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニルオキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数3〜6のものが好ましい。具体的には例えばメトキシメチルカルボニルオキシ基、メトキシエチルカルボニルオキシ基、メトキシ-n-プロピルカルボニルオキシ基、メトキシイソプロピルカルボニルオキシ基、エトキシメチルカルボニルオキシ基、エトキシエチルカルボニルオキシ基、エトキシ-n-プロピルカルボニルオキシ基、エトキシイソプロピルカルボニルオキシ基、n-プロポキシメチルカルボニルオキシ基、n-プロポキシエチルカルボニルオキシ基、n-プロポキシ-n-プロピルカルボニルオキシ基、n-プロポキシイソプロピルカルボニルオキシ基、イソプロポキシメチルカルボニルオキシ基、イソプロポキシエチルカルボニルオキシ基、イソプロポキシ-n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロポキシイソプロピルカルボニルオキシ基、n-ブトキシメチルカルボニルオキシ基、n-ブトキシエチルカルボニルオキシ基、n-ブトキシ-n-プロピルカルボニルオキシ基、n-ブトキシイソプロピルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
R7における炭素数4〜8のアルコキシアルケニルカルボニルオキシ基としては、例えばメトキシビニルカルボニルオキシ基、エトキシビニルカルボニルオキシ基、プロポキシビニルカルボニルオキシ基、メトキシ−1−プロペニルカルボニルオキシ基、エトキシ−1−プロペニルカルボニルオキシ基、プロポキシ−1−プロペニルカルボニルオキシ基等が挙げられる
R7における炭素数3〜7のアルコキシアルキルオキシカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数3〜6のものが好ましい。具体的には例えばメトキシエチルオキシカルボニル基、メトキシ-n-プロピルオキシカルボニル基、メトキシイソプロピルオキシカルボニル基、エトキシエチルオキシカルボニル基、エトキシ-n-プロピルオキシカルボニル基、エトキシイソプロピルオキシカルボニル基、n-プロポキシエチルオキシカルボニル基、n-プロポキシ-n-プロピルオキシカルボニル基、n-プロポキシイソプロピルオキシカルボニル基、イソプロポキシエチルオキシカルボニル基、イソプロポキシ-n-プロピルオキシカルボニル基、イソプロポキシイソプロピルオキシカルボニル基、n-ブトキシエチルオキシカルボニル基、n-ブトキシ-n-プロピルオキシカルボニル基、n-ブトキシイソプロピルオキシカルボニル基等が挙げられる。
R7における炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状のものが好ましく、炭素数3〜6のものが好ましい。具体的には例えばメトキシメチルカルボニル基、メトキシエチルカルボニル基、メトキシ-n-プロピルカルボニル基、メトキシイソプロピルカルボニル基、エトキシメチルカルボニル基、エトキシエチルカルボニル基、エトキシ-n-プロピルカルボニル基、エトキシイソプロピルカルボニル基、n-プロポキシメチルカルボニル基、n-プロポキシエチルカルボニル基、n-プロポキシ-n-プロピルカルボニル基、n-プロポキシイソプロピルカルボニル基、イソプロポキシメチルカルボニル基、イソプロポキシエチルカルボニル基、イソプロポキシ-n-プロピルカルボニル基、イソプロポキシイソプロピルカルボニル基、n-ブトキシメチルカルボニル基、n-ブトキシエチルカルボニル基、n-ブトキシ-n-プロピルカルボニル基、n-ブトキシイソプロピルカルボニル基等が挙げられる。
R7における一般式[3]中のR8及びR9における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
R7における一般式[3]で示されるホスホノ基の好ましい具体例としては、例えばホスホノ基、ジメチルホスホノ基、ジエチルホスホノ基等が挙げられ、ジメチルホスホノ基が好ましい。
R7における一般式[4]中のR10及びR11における炭素数1〜4のアルキル基としては、上記R5及びR6における炭素数1〜4のアルキル基と同じものが挙げられる。
R7における一般式[4]で示されるアミド基の好ましい具体例としては、例えばアミド基、N−メチルアミド基、N,N−ジメチルアミド基等が挙げられる。
R7における一般式[5]中のR12及びR13における炭素数1〜4のアルキル基としては、上記R5及びR6における炭素数1〜4のアルキル基と同じものが挙げられる。
R7における一般式[5]で示されるカルバミド基の好ましい具体例としては、例えばアセトアミド基、N−メチルアセトアミド基等が挙げられる。
R7における一般式[6]中のpは1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
R7における一般式[6]中のR14における炭素数1〜3のアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基等が挙げられ、中でも、メチレン基、エチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
R7における一般式[6]中のR14における炭素数1〜3のハロゲノアルキレン基は、上記アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子に置換されたものが挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。該炭素数1〜3のハロゲノアルキレン基は具体的には、モノフルオロメチレン基、ジフルオロメチレン基、トリフルオロメチレン基、モノフルオロエチレン基、ジフルオロエチレン基、トリフルオロエチレン基、パーフルオロエチレン基、パーフルオロプロピレン基、ジクロロメチレン基、トリクロロメチレン基、パークロロエチレン基、パークロロプロピレン基、モノブロモメチレン基、ジブロモメチレン基、トリブロモメチレン基、パーブロモエチレン基、パーブロモプロピレン基、モノヨードメチレン基、ジヨードメチレン基、トリヨードメチレン基、パーヨードエチレン基、パーヨードプロピレン基等が挙げられ、モノフルオロエチレン基、ジフルオロエチレン基、トリフルオロエチレン基、パーフルオロエチレン基が好ましい。
R7における一般式[6]中のR15における炭素数1〜6のアルキル基及びハロゲノアルキル基は、R3、R4、R5及びR6における炭素数1〜6のアルキル基及びハロゲノアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
R7における炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するアミノ基としては、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン等が挙げられ、中でも、メチルアミン、ジメチルアミンが好ましい。
R7における単環複素環基としては、5員環又は6員環のものが好ましく、具体的には、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、スルホラン、ペンタメチレンスルホン、ジオキサン等の飽和複素環由来の基、例えばピリジン、ピロール、ピロリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラン、ピラン、チオフェン等の不飽和複素環由来の基等が挙げられる。中でもピロリジン、ジオキサン、ピリジン、イミダゾール、フラン、チオフェン等がより好ましい。
R7における環状アセタール由来の基としては、例えば炭素数3〜6のものが挙げられ、具体的には例えばジオキソラニル基、ジオキサニル基が挙げられ、ジオキソラニル基が好ましい。
環状炭酸エステル由来の基としては、炭酸ビニレン由来の基、炭酸エチレン(1,3-ジオキソラン-2-オン)由来の基、炭酸プロピレン由来の基等が挙げられ、炭酸エチレン由来の基が好ましい。
R7における環状カルボン酸エステル由来の基としては、例えば炭素数3〜9のラクトン化合物由来の基が挙げられ、具体的には、例えばγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、ε-カプロラクトン由来の基が挙げられる。
R7における炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基又は環状カルボン酸エステル由来の基の置換基である炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
R7における、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する炭素数5〜6のシクロアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を1〜6個置換基として有する、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が挙げられ、置換基としては、ヒドロキシル基が好ましく、1〜2個置換されているものが好ましい。具体的には、モノヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基、モノヒドロキシシクロペンチル基、ジヒドロキシシクロペンチル基、モノアミノシクロヘキシル基、ジアミノシクロヘキシル基、モノアミノシクロペンチル基、ジアミノシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基等が挙げられる。
R7における、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリール基としては、例えばアミノフェニル基、モノヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基等が挙げられ、中でもアミノフェニル基、モノヒドロキシフェニル基が好ましい。
R7における、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する単環複素環基としては、上記単環複素環基における水素原子の1〜4個、好ましくは1〜2個、より好ましくは1個が置換されたものが挙げられる。置換基としては、ヒドロキシル基が好ましい。
R7における、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する環状アセタール由来の基としては、上記環状アセタール由来の基における水素原子の1〜2個、好ましくは1個が置換されたものが挙げられる。
R7における、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する環状炭酸エステル由来の基としては、上記環状炭酸エステル由来の基における水素原子の1〜2個、好ましくは1個が置換されたものが挙げられる。
R7における、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する環状カルボン酸エステル由来の基としては、上記環状カルボンエステル由来の基における水素原子の1〜4個、好ましくは1〜2個が置換されたものが挙げられる。置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、具体的にはメチル基が好ましい。
上記R7の具体例の中でも、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルシリルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、一般式[3]で示される基、一般式[4]で示される基、一般式[5]で示される基、一般式[6]で示される基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するアミノ基、シアノ基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、アルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有するシクロアルキル基、ヒドロキシル基を置換基として有するアリール基、又はヒドロキシル基を置換基として有する単環複素環基が好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、一般式[3]で示される基、一般式[6]で示される基、ヒドロキシル基、又はシアノ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、又は、ヒドロキシル基が特に好ましい。
一般式[2]で示される化合物の好ましい具体例としては、例えば下記一般式[2−1]
Figure 0005994779
(式中、m、R1、R2、R3及びR7は上記と同じ)で示されるものが挙げられる。
一般式[2−1]におけるm、R1、R2、R3及びR7の好ましいものは、上記一般式[2]におけるこれらと同じである。
一般式[2−1]の好ましい具体例としては、例えばヒドロキシアセトン、4−ヒドロキシー2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、5−ヒドロキシ−3−ペンタノン、5−ヒドロキシ−4−ペンタノン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−プロポキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ヒドロキシ酢酸エチル、3−ヒドロキシ酢酸プロピル、2−ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ酢酸プロピル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−ヒドロキシプロピオニトリル、cis-2-ブテン-1,4-ジオール、1−メトキシ−2−プロパノール、乳酸メチル、2−(アリルオキシ)エタノール等が挙げられ、中でも、ヒドロキシアセトン、4−ヒドロキシー2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、5−ヒドロキシ−3−ペンタノン、5−ヒドロキシ−4−ペンタノン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−プロポキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリコール酸メチル、グリコール酸エチルが好ましい。
3.本発明に係る有機溶媒
本発明の電解液においては、上記一般式[2]で示される化合物以外に、更に、有機溶媒を添加してもよい。該有機溶媒は、上記一般式[2]で示される化合物の粘度が高い場合等に用いるのが好ましい。本発明の電解液においては、本発明に係る有機溶媒を添加すると、より高い電流密度を示すことが可能となるため、有機溶媒を含むものが好ましい。
該有機溶媒としては例えばエーテル系溶媒、アルコール系溶媒、カーボネート系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホン系溶媒、ハロゲン系溶媒、炭化水素系溶媒、イオン液体(常温溶融塩)から選ばれる少なくとも一種以上からなるものが挙げられる。該エーテル系溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられ、アルコール系溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、カーボネート系溶媒としては例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸プロピレン等が挙げられ、エステル系溶媒としては例えば、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、ぎ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブチロラクトン等が挙げられ、ニトリル系溶媒としては例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、スクシノニトリル、ピメロニトリル等が挙げられ、スルホン系溶媒としては例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、ジプロピルスルホン等が挙げられ、ハロゲン系溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられ、炭化水素系溶媒としては例えば、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、イオン液体(常温溶融塩)としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。上記有機溶媒の中でも、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、カーボネート系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、イオン液体等が好ましく、その中でも、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸プロピレン、アセトニトリル、ブチロラクトン、エタノール又は酢酸エチル、プロピオニトリル、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、又はテトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート等がより好ましく、アセトニトリル、プロピオニトリル、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、又はテトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネートが特に好ましい。
上記有機溶媒を使用する場合、その使用量は、目的に合わせて、電解液の粘度を低下させる量を用いればよい。有機溶媒の使用量は、好ましくは電解液中90v/v%以下であり、より好ましくは80v/v%以下で用いればよい。
4.本発明の電解液
本発明の電解液は、上記マグネシウム塩からなる支持電解質及び上記一般式[2]で示される化合物を少なくとも1種以上含むものである。
本発明の電解液中の支持電解質の濃度は、通常0.1〜5.0mol/L、好ましくは0.1〜3.0mol/L、より好ましくは0.5〜3.0mol/Lである。
本発明の電解液は、通常この分野で用いられる皮膜形成剤、過充電防止剤、脱酸剤、脱水剤、難燃剤等の添加剤を含んでいてもよい。
5.電解液の調製方法
本発明の電解液の調製方法は、本発明に係る支持電解質を上記濃度となるように、上記一般式[2]で示される化合物、又は上記一般式[2]で示される化合物及び上記有機溶媒の混合溶液に溶解すればよい。具体的には、通常20〜120℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃で、通常1〜20時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは5〜10時間接触させて溶解することによりなされる。尚、溶解後、脱水処理に付すのが好ましく、該脱水処理は、例えばモレキュラーシーブ等の脱水剤を例えば電解液20mLに0.5〜10g添加することによりなされればよい。
一般式[2]で示される化合物の使用量は、該化合物のみを溶媒として用いる場合には、本発明に係る支持電解質が上記濃度となるような量である。また、一般式[2]で示される化合物と本発明に係る有機溶媒の混合溶液を溶媒として使用する場合、一般式[2]で示される化合物の使用量は、支持電解質1molに対して通常2〜30mol、好ましくは5〜20molであり、本発明に係る有機溶媒は本発明に係る支持電解質が上記濃度となるような量を添加すればよい。
6.錯体から調製される電解液
本発明の電解液中のマグネシウム塩からなる支持電解質は、一般式[2]で示される化合物と結合してマグネシウム錯体を形成していると考えられる。そのため、本発明の電解液は、予めこのようなマグネシウム錯体(以下、本発明に係るマグネシウム錯体と略記する場合がある)を調製し、該本発明に係る錯体を上記本発明に係る有機溶媒に溶解することにより電解液を調製してもよい。本発明に係る錯体を用いて電解液を調製する場合には、例えば錯体の濃度が、上記の本発明の電解液中の支持電解質の濃度範囲と同じとなるように、本発明に係る化合物、本発明に係る有機溶媒又はその混合溶液に溶解すればよい。
該錯体としては、一般式[1]で示されるマグネシウム塩1分子に2分子の一般式[2]が配位されているものであればよく、具体的には、下記一般式[10]で示される錯体

Figure 0005994779
(式中、Mg、X、q、l、m、n、R1〜R7は上記と同じ。但し、R7とマグネシウムイオンの配位結合は、R7中の酸素原子、硫黄原子、リン原子、又は窒素原子との結合を表す。)が挙げられる。
上記一般式[10]で示される錯体中のX、q、l、m、n、R1〜R7の具体例は、上記1.支持電解質及び2.化合物の項で記載したものと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式[10]で示される錯体の具体例としては、下記一般式[10−1]で示される錯体
Figure 0005994779
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。Yは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R21は、結合手、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数2〜4のアルケニレン基を表し、R22は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数8〜13のアリールアルケニル基、又は炭素数2〜7のアルコキシアルキル基を表す。R21は、R22、Yと共に単環複素環基を形成してもよく、その場合、R21はメチレン基であってもよい。)、
下記一般式[10−2]で示される錯体
Figure 0005994779
[式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。R23は、酸素原子、下記一般式[8]
Figure 0005994779
(式中、R12は上記と同じ。)で示される基又は結合手を表し、R24は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、下記一般式[9]
Figure 0005994779
(式中、R10及びR11は上記と同じ。)で示される基を表す。R24は、R23及びカルボニル基と共に環状炭酸エステル基又は環状カルボン酸エステル基を形成してもよく、その場合、R11はメチレン基であってもよい。mが0の場合、R24、カルボニル基、R23、R1及びR2と結合している炭素原子、R2とで環状カルボン酸エステル基を形成してもよい。]、
下記一般式[10−3]で示される錯体
Figure 0005994779
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2、R3、R8及びR9は上記と同じ。)、
下記一般式[10−4]で示される錯体
Figure 0005994779
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。Aは、結合手又は酸素原子を表し、R25は、ヒドロキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示される錯体、
下記一般式[10−5]で示される錯体
Figure 0005994779
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。)、
下記一般式[10−6]で示される錯体
Figure 0005994779
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。)が挙げられる。
上記一般式[10−1]中のR21における炭素数1〜3のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、n-プロピレン基等が挙げられる。
上記一般式[10−1]中のR21における炭素数2〜4のアルケニレン基としては、例えばビニレン基,1−プロペニレン基,2−メチル−2−プロペニレン基、3−メチル−2−プロペニレン基等が挙げられる。
上記一般式[10−1]中のR21における結合手とは、R21の両隣の原子を結びつけていることを表し、具体的には
Figure 0005994779
の構造を表す。尚、本願明細書における結合手とは以下同様のものを表す。
R21がR22、Yと共に単環複素環基を形成する場合の単環複素環基としては、5員環又は6員環のものが好ましく、具体的には、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、スルホラン、ペンタメチレンスルホン等の飽和複素環由来の基、例えばピロール、ピロリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラン、ピラン、チオフェン等の不飽和複素環由来の基等が挙げられる。尚、この場合、R21は結合手又はメチレン基を表す。
R22における炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが直鎖状が好ましく、好ましくは炭素数1〜3のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
R22における炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニル-n-プロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
R22における炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
R22における炭素数2〜4のアルケニル基としては、例えばビニル基,1−プロペニル基,アリル基,2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−2−プロペニル基が挙げられる。
R22における炭素数8〜13のアリールアルケニル基としては、例えばシンナミル基、β−スチレニル基等が挙げられる。
R22における炭素数2〜7のアルコキシアルキル基としては、炭素数3〜6が好ましく、具体的には例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシ-n-プロピル基、メトキシイソプロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシ-n-プロピル基、エトキシイソプロピル基、n-プロポキシメチル基、n-プロポキシエチル基、n-プロポキシ-n-プロピル基、n-プロポキシイソプロピル基、イソプロポキシメチル基、イソプロポキシエチル基、イソプロポキシ-n-プロピル基、イソプロポキシイソプロピル基、n-ブトキシメチル基、n-ブトキシエチル基、n-ブトキシ-n-プロピル基、n-ブトキシイソプロピル基等が挙げられる。
上記一般式[10−2]中のR24における炭素数1〜6のアルキル基としては、上記R22における炭素数1〜6のアルキル基と同じものが挙げられる。
R24における炭素数1〜6のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよいが、直鎖状が好ましく、炭素数1〜3のものが好ましい。具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
R24がR23及びカルボニル基と共に形成する環状炭酸エステル基としては、例えば炭素数3〜6のものが挙げられ、具体的には例えば炭酸ビニレン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン由来の基等が挙げられる。この場合、R23はメチレン基であってもよい。
R24がR23及びカルボニル基と共に形成する環状カルボン酸エステル基としては、例えば炭素数3〜9のラクトン化合物由来の基が挙げられ、具体的には、例えばγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、ε-カプロラクトン由来の基が挙げられる。この場合、R23はメチレン基であってもよい。
mが0の場合、R24、カルボニル基、R23、R1及びR2と結合している炭素原子、R2とで環状カルボン酸エステル基を形成してもよく、この場合の環状カルボン酸エステル基としては、上記R24、R23及びカルボニル基が形成する環状エステル基と同じものが挙げられる。
R24がR23及びカルボニル基と共に形成する環状カルボン酸エステ基ルとしては、例えば炭素数3〜9のラクトン化合物由来の基が挙げられ、具体的には、例えばγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、ε-カプロラクトン由来の基が挙げられる。
R23における一般式[8]で示される基としては、例えば
Figure 0005994779
等が挙げられる。
R23における一般式[9]で示される基としては、例えばアミノ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基等が挙げられる。
上記一般式[10−4]中のR25における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、n-ブチル基等が挙げられる。
上記一般式[10−1]〜[10−6]で示される錯体の中でも一般式[10−1]又は一般式[10−2]で示される錯体が好ましい。
該一般式[10−1]で示される錯体の具体例としては、例えば下記一般式[10−1−1]で示される錯体

Figure 0005994779
(式中、Mg、X、n、m、R3及びR21は上記と同じ。R'22は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数8〜13のアリールアルケニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキル基を表す。R21は、R'22、酸素原子と共に単環複素環基を形成してもよく、その場合、R21はメチレン基であってもよい。)が挙げられ、より具体的には、下記表1記載のものが挙げられる。尚、R'22の各基の具体例は、R'22の具体例と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
Figure 0005994779
該一般式[10−2]で示される錯体の具体例としては、例えば下記一般式[10−2−1]で示される錯体

Figure 0005994779
(式中、Mg、X、n、m、R1、R2及びR3は上記と同じ。R'23は、酸素原子又は結合手を表し、R'24は、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)が挙げられ、より具体的には、下記表2及び表3に記載のものが挙げられる。尚、R'24の各基の具体例は、R24の具体例と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
Figure 0005994779
Figure 0005994779
上記錯体の調製方法としては、例えば本発明に係る支持電解質1molに対して上記一般式[2]で示される化合物を2〜10当量、好ましくは5〜10当量添加し、通常20〜120℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃、通常1〜20時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは5〜10時間反応させればよい。なお、その溶解度に応じて、一般式[2]で示される化合物を過剰量添加してもよく、溶媒として上記本発明に係る有機溶媒を更に添加してもよい。溶解後、要すれば濃縮する等して溶媒を除去した後に、また要すれば適当な貧溶媒を加えて錯体を析出させればよい。
電気化学デバイス
本発明の電解液は、負極活物質にマグネシウムを含有する電気化学デバイス、又は電極へのマグネシウムイオンのインターカレーション(吸蔵、放出)により電気二重層を形成しうる電気化学デバイスであれば、その電解液として用いることができる。該電気化学デバイスとしては、二次電池、電気二重層キャパシタ等が挙げられ、中でも二次電池が好ましい。
本発明の電解液を用いた電気化学デバイスとしては、上述の通り負極活物質にマグネシウムを含有すればよいが、その構成は、上記本発明の電解液、正極、負極、及びセパレータからなる。
正極としては、マグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属酸化物であれば特に限定されないが、例えば非特許文献3に記載のものであれば全て用いることができる。
負極としては、活物質としてマグネシウムを含有するもので、マグネシウムイオンのインターカレーションが可能なものであれば特に限定されないが、例えば金属マグネシウム、マグネシウム合金が挙げられる。
セパレータとしては、正極と負極とを電気的に絶縁し、且つマグネシウムイオンが透過可能なものであればよく、具体的には、例えば多孔性ポリオレフィンフィルム等の微多孔性高分子フィルムが挙げられる。多孔性ポリオレフィンフィルムの具体例としては、例えば多孔性ポリエチレンフィルム単独、又は多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンフィルムとを重ね合わせて複層フィルムとしたもの等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
実施例1トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム(Mg(OTf) )/2−メトキシエタノール溶液の調製
窒素雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム(Mg(OTf))(東京化成工業社製)4.84gと2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを反応器に入れて、100℃で4時間加熱撹拌した。不溶物を吸引ろ過によりろ別した後に、母液にMS5A[(モレキュラーシーブ5A(和光純薬工業社製)]2gを添加して脱水処理し、Mg(OTf)を0.5M含有する2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液1とした。
実施例2 Mg(OTf) /エチレングリコール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するエチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液2とした。
実施例3 Mg(OTf) /グリコール酸メチル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにグリコール酸メチル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するグリコール酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液3とした。
実施例4 Mg(OTf) /2−エトキシエタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−エトキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−エトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液4とした。
実施例5 Mg(OTf) /2−イソプロポキシエタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−イソプロポキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−イソプロポキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液5とした。
実施例6 Mg(OTf) /2−ブトキシエタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ブトキシエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−ブトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液6とした。
実施例7 Mg(OTf) /2−(2−メトキシエトキシ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−(2−メトキシエトキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液7とした。
実施例8 Mg(OTf) /2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン溶液を調製した。該溶液を電解液8とした。
実施例9 Mg(OTf) /1−メトキシ−2−プロパノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。該溶液を電解液9とした。
実施例10 Mg(OTf) /2−(ベンジルオキシ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ベンジルオキシ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−(ベンジルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液10とした。
実施例11 Mg(OTf) /2−(フェニルオキシ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(フェニルオキシ)エタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.16M含有する2−(フェニルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液11とした。
実施例12 Mg(OTf) /2−(ペンタフルオロフェニルオキシ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ペンタフルオロフェニルオキシ)エタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.13M含有する2−(ペンタフルオロフェニルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液12とした。
実施例13 Mg(OTf) /2−ヒドロキシ酢酸エチル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ヒドロキシ酢酸エチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−ヒドロキシ酢酸エチル溶液を調製した。該溶液を電解液13とした。
実施例14 Mg(OTf) /2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エタノール:ジメトキシエタン混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エタノール(和光純薬工業社製)5.30gを添加したジメトキシエタン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.33M含有する2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エタノール:ジメトキシエタン混合溶液を調製した。該溶液を電解液14とした。
実施例15 Mg(OTf) /2−(アリルオキシ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(アリルオキシ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−(アリルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液15とした。
実施例16 Mg(OTf) /2−(ビニルオキシ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ビニルオキシ)エタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.17M含有する2−(ビニルオキシ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液16とした。
実施例17 Mg(OTf) /cis−2−ブテン1,4−ジオール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにcis−2−ブテン1,4−ジオール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するcis−2−ブテン1,4−ジオール溶液を調製した。該溶液を電解液17とした。
実施例18 Mg(OTf) /メタクリル酸2−ヒドロキシメチル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにメタクリル酸2−ヒドロキシメチル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するメタクリル酸2−ヒドロキシメチル溶液を調製した。該溶液を電解液18とした。
実施例19 Mg(OTf) /3−メトキシ−1−プロパノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに3−メトキシ−1−プロパノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する3−メトキシ−1−プロパノール溶液を調製した。該溶液を電解液19とした。
実施例20 Mg(OTf) /グリセリン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにグリセリン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するグリセリン溶液を調製した。該溶液を電解液20とした。
実施例21 Mg(OTf) /プロピレングリコール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにプロピレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するプロピレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液21とした。
実施例22 Mg(OTf) /3−メトキシ−1,2−プロパンジオール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに3−メトキシ−1,2−プロパンジオール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する3−メトキシ−1,2−プロパンジオール溶液を調製した。該溶液を電解液22とした。
実施例23 Mg(OTf) /1,3−プロパンジオール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1,3−プロパンジオール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する1,3−プロパンジオール溶液を調製した。該溶液を電解液23とした。
実施例24 Mg(OTf) /ジエチレングリコール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにジエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するジエチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液24とした。
実施例25 Mg(OTf) /ピナコール:エチレングリコール混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにピナコール(和光純薬工業社製)3.54gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するピナコール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液25とした。
実施例26 Mg(OTf) /cis−シクロヘキサン−1,2−ジオール:ジメトキシエタン混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにcis−シクロヘキサン−1,2−ジオール(和光純薬工業社製)3.48gを添加したジメトキシエタン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するcis−シクロヘキサン−1,2−ジオール:ジメトキシエタン混合溶液を調製した。該溶液を電解液26とした。
実施例27 Mg(OTf) /1,4−ジオキサン−2,3−ジオール:ジメトキシエタン混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1,4−ジオキサン−2,3−ジオール(和光純薬工業社製)3.60gを添加したジメトキシエタン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する1,4−ジオキサン−2,3−ジオール:ジメトキシエタン混合溶液を調製した。該溶液を電解液27とした。
実施例28 Mg(OTf) /ヒドロキシアセトン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにヒドロキシアセトン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するヒドロキシアセトン溶液を調製した。該溶液を電解液28とした。
実施例29 Mg(OTf) /4−ヒドロキシ−2−ブタノン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに4−ヒドロキシ−2−ブタノン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する4−ヒドロキシ−2−ブタノン溶液を調製した。該溶液を電解液29とした。
実施例30 Mg(OTf) /4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン溶液を調製した。該溶液を電解液30とした。
実施例31 Mg(OTf) /2−(メタンスルホニル)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(メタンスルホニル)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.49M含有する2−(メタンスルホニル)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液31とした。
実施例32 Mg(OTf) /2−(メチルチオ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(メチルチオ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.25M含有する2−(メチルチオ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液32とした。
実施例33 Mg(OTf) /(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチル溶液を調製した。該溶液を電解液33とした。
実施例34 Mg(OTf) /2−アセトアミドエタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−アセトアミドエタノール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−アセトアミドエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液34とした。
実施例35 Mg(OTf) /メチリデングリセロール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにメチリデングリセロール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するメチリデングリセロール溶液を調製した。該溶液を電解液35とした。
実施例36 Mg(OTf) /4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン溶液を調製した。該溶液を電解液36とした。
実施例37 Mg(OTf) /2−(ヒドロキシメチル)チオフェン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)チオフェン(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.05M含有する2−(ヒドロキシメチル)チオフェン溶液を調製した。該溶液を電解液37とした。
実施例38 Mg(OTf) /2−(ヒドロキシメチル)フラン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)フラン(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.06M含有する2−(ヒドロキシメチル)フラン溶液を調製した。該溶液を電解液38とした。
実施例39 Mg(OTf) /2−アミノエタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−アミノエタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.33M含有する2−アミノエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液39とした。
実施例40 Mg(OTf) /2−(メチルアミノ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(メチルアミノ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.45M含有する2−(メチルアミノ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液40とした。
実施例41 Mg(OTf) /2−(ジメチルアミノ)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ジメチルアミノ)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−(ジメチルアミノ)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液41とした。
実施例42 Mg(OTf) /2−(ヒドロキシメチル)ピリジン溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(ヒドロキシメチル)ピリジン(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−(ヒドロキシメチル)ピリジン溶液を調製した。該溶液を電解液42とした。
実施例43 Mg(OTf) /2−ピロリジンメタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ピロリジンメタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.12M含有する2−ピロリジンメタノール溶液を調製した。該溶液を電解液43とした。
実施例44 Mg(OTf) /2−(1−イミダゾリル)エタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−(1−イミダゾリル)エタノール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−(1−イミダゾリル)エタノール溶液を調製した。該溶液を電解液44とした。
実施例45 Mg(OTf) /3−ヒドロキシプロピオニトリル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに3−ヒドロキシプロピオニトリル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.45M含有する3−ヒドロキシプロピオニトリル溶液を調製した。該溶液を電解液45とした。
実施例46 Mg(OTf) /乳酸メチル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに乳酸メチル(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する乳酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液46とした。
実施例47 Mg(OTf) /2−ヒドロキシイソ酪酸メチル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する2−ヒドロキシイソ酪酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液47とした。
実施例48 Mg(OTf) /ヒドロキシピバル酸メチル溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにヒドロキシピバル酸メチル(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するヒドロキシピバル酸メチル溶液を調製した。該溶液を電解液48とした。
実施例49 Mg(OTf) /グリコール酸:エチレングリコール混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにグリコール酸(和光純薬工業社製)2.28gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するグリコール酸:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液49とした。
実施例50 Mg(OTf) /ラクトアミド:エチレングリコール混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにラクトアミド(東京化成工業社製)2.68gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するラクトアミド:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液50とした。
実施例51 Mg(OTf) /パントラクトン:エチレングリコール混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにパントラクトン(東京化成工業社製)3.90gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するパントラクトン:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液51とした。
実施例52 Mg(OTf) /カテコール:エチレングリコール混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにカテコール(和光純薬工業社製)3.30gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するカテコール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液52とした。
実施例53 Mg(OTf) /o−アミノフェノール:エチレングリコール混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにo−アミノフェノール(和光純薬工業社製)3,27gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するo−アミノフェノール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液53とした。
実施例54 Mg(OTf) /パーフルオロピナコール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにパーフルオロピナコール(東京化成工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.15M含有するパーフルオロピナコール溶液を調製した。該溶液を電解液54とした。
実施例55 Mg(OTf) /1H,1H,11H,11Hードデカフルオロー3,6,9−トリオキサウンデカンー1,11−ジオール:エチレングリコール混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに1H,1H,11H,11Hードデカフルオロー3,6,9−トリオキサウンデカンー1,11−ジオール(和光純薬工業社製)12.3gを添加したエチレングリコール(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する1H,1H,11H,11Hードデカフルオロー3,6,9−トリオキサウンデカンー1,11−ジオール:エチレングリコール混合溶液を調製した。該溶液を電解液55とした。
実施例56 Mg(OTf) /ポリエチレングリコール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにポリエチレングリコール200(和光純薬工業社製)25mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有するポリエチレングリコール200溶液を調製した。該溶液を電解液56とした。
実施例57 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を1.0M含有する2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液57とした。
実施例58 Mg(OTf) /エチレングリコール溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を1.0M含有するエチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液58とした。
実施例59 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:ジメトキシエタン(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとジメトキシエタン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとジメトキシエタンの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液59とした。
実施例60 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:2−メチルテトラヒドロフラン(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと2−メチルテトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと2−メチルテトラヒドロフランの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液60とした。
実施例61 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:ジエチレングリコールジメチルエーテル(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとジエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとジエチレングリコールジメチルエーテルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液61とした。
実施例62 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:炭酸プロピレン(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと炭酸プロピレン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと炭酸プロピレンの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液62とした。
実施例63 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:アセトニトリル(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとアセトニトリル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとアセトニトリルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液63とした。
実施例64 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:γ−ブチロラクトン(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとγ−ブチロラクトン(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとγ-ブチロラクトンの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液64とした。
実施例65 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:エタノール(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlとエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールとエタノールの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液65とした。
実施例66 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:酢酸エチル(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと酢酸エチル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと酢酸エチルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液66とした。
実施例67 Mg(OTf) /エチレングリコール:アセトニトリル(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlとアセトニトリル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、エチレングリコールとアセトニトリルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液67とした。
実施例68 Mg(OTf) /エチレングリコール:プロピオニトリル(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlとプロピオニトリル(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、エチレングリコールとプロピオニトリルの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液68とした。
実施例69 Mg(OTf) /2−メトキシエタノール:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりに2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)12.5mlと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、2−メトキシエタノールと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液69とした。
実施例70 Mg(OTf) /エチレングリコール:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、エチレングリコールと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液70とした。
実施例71 Mg(OTf) /エチレングリコール:テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート(1:1)混合溶液の調製
溶媒として、実施例1の2−メトキシエタノール25mlの代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)12.5mlとテトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート(和光純薬工業社製)12.5mlの混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.5M含有する、エチレングリコールとテトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネートの混合溶液(1:1)を調製した。該溶液を電解液71とした。
実施例72 塩化マグネシウム(MgCl )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)4.84gの代わりにMgCl(和光純薬工業社製)1.43gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、MgClを0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液72とした。
実施例73 臭化マグネシウム(MgBr )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)4.84gの代わりにMgBr(和光純薬工業社製)2.76gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、MgBrを0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液73とした。
実施例74 よう化マグネシウム(MgI )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)4.84gの代わりにMgI(和光純薬工業社製)4.17gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、MgIを0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液74とした。
実施例75 マグネシウムエトキシド(Mg(OEt) )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)4.84gの代わりにMg(OEt)(和光純薬工業社製)1.72gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OEt)を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液75とした。
実施例76 過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)4.84gの代わりにMg(ClO(和光純薬工業社製)3.35gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(ClOを0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液76とした。
実施例77 トリフルオロ酢酸マグネシウム(Mg(TFAc) )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、Mg(TFAc) 3.76gをMg(OTf)4.84gの代わりに用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(TFAc)を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。なお、Mg(TFAc)は、特開2009−269986の実施例1に記載の方法と同様にして、酢酸マグネシウムとトリフルオロ酢酸から合成したものを用いた。該溶液を電解液77とした。
実施例78 テトラフルオロほう酸マグネシウム(Mg(BF )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)4.84gの代わりにMg(BF(和光純薬工業社製)2.97gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(BFを0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液78とした。
実施例79 テトラフルオロほう酸マグネシウム(Mg(BF )/エチレングリコール溶液の調液
支持電解質として、実施例2のMg(OTf)4.84gの代わりにMg(BF(和光純薬工業社製)2.97gを用いた以外は実施例2と同様に処理して、Mg(BFを0.5M含有する、エチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液79とした。
実施例80 ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウム(Mg(TFSI) )/2−メトキシエタノール溶液の調液
支持電解質として、実施例1のMg(OTf)4.84gの代わりにMg(TFSI)(キシダ化学社製)8.80gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、Mg(TFSI)を0.5M含有する、2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液80とした。
実施例81 ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウム(Mg(TFSI) )/エチレングリコール溶液の調液
支持電解質として、実施例2のMg(OTf)4.84gの代わりにMg(TFSI)(キシダ化学社製)8.80gを用いた以外は実施例2と同様に処理して、Mg(TFSI)を0.5M含有する、エチレングリコール溶液を調製した。該溶液を電解液81とした。
上記実施例1〜81で得た電解液の一覧を下記表4〜表9に示す。
Figure 0005994779
Figure 0005994779
Figure 0005994779
Figure 0005994779
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実施例82 電解液1を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液1を用いてCV測定を実施し、電解液1の電気特性を調べた。
具体的には、3極式のビーカーセルを用い、作用極にマグネシウム(0.5cm)、対極に硫黄をドープした五酸化バナジウム(V)、参照極にマグネシウムを使用した。また、ビーカーには電解液1を2ml加え、室温下(20℃)、5mV/sの掃引速度にて、−1.5〜1Vの範囲の測定を行った。なお、掃引は3サイクル行った。その結果を図1に示す。
図1中の横軸(V)は、参照極の電位を基準とした作用極の電位差を表し、縦軸(mA/cm)は、各電位において観測された電流値を作用極の表面積で割った電流密度を表す(以下で示すCV測定のグラフにおける縦軸及び横軸は、同じものを表す)。
図1の結果より、0.5V付近から作用極からのマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ13.0mA/cmであった。一方、−1V付近からは作用極におけるマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−9.0mA/cmであった。よって、電解液1を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例83 電解液1の耐酸化性の評価
掃引速度を10mV/sとし、電圧の範囲を−1.5〜4.2Vとした以外は、実施例82と同様にして、電解液1を用いてCV測定を行った。その結果を図2に示す。
図2の結果から明らかなように、10mV/sの掃引速度で4.2Vまで電圧を印加した場合であっても、サイクリックボルタモグラムに変曲点が見られず、マグネシウムの溶解に伴う酸化電流のみが観測されており、電解液の酸化分解に由来する著しい電流上昇は見られなかった。また、2回目以降の掃引においても電流密度の低下が見られなかったことから、測定した電圧範囲では電解液の分解は起こらないことが判った。即ち、分解電圧は4.2V以上であると考えられた。この値は、特許文献1および非特許文献1に記載されているMg(ZR (Zはアルミニウム、R1はエチル基、R2はブチル基、Xは塩素)をTHFに溶解させた電解液の分解電圧(2.3V)や特許文献2に記載されている芳香族グリニャール試薬をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた電解液の分解電圧(3.8V)と比較しても、十分に高い値である。
実施例84 電解液2を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液2を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図3に示す。
図3の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ6.0mA/cmであった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−11.0mA/cmであった。よって、電解液2を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例85 電解液3を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液3を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図4に示す。
図4の結果から明らかなように、0.2V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ4.0mA/cmであった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.0mA/cmであった。よって、電解液3を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例86 電解液4を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液4を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図5に示す。
図5の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ6.4mA/cmであった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.1mA/cmであった。よって、電解液4を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例87 電解液7を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液7を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図6に示す。
図6の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ2.6mA/cmであった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.0mA/cmであった。よって、電解液7を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例88 電解液9を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液9を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図7に示す。
図7の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ3.8mA/cmであった。一方、−1.0V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.0mA/cmであった。よって、電解液9を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例89 電解液13を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液13を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図8に示す。
図8の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ8.8mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.2mA/cmであった。よって、電解液13を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例90 電解液15を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液15を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図9に示す。
図9の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ2.7mA/cmであった。一方、−1.0V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.7mA/cmであった。よって、電解液15を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例91 電解液17を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液17を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図10に示す。
図10の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ3.7mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.0mA/cmであった。よって、電解液17を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例92 電解液25を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液25を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図11に示す。
図11の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.8mA/cmであった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−9.6mA/cmであった。よって、電解液25を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例93 電解液28を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液28を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図12に示す。
図12の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ15.4mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−25.0mA/cmであった。よって、電解液28を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例94 電解液29を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液29を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図13に示す。
図13の結果から明らかなように、0.2V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ24.4mA/cmであった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.3mA/cmであった。よって、電解液29を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例95 電解液33を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液33を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図14に示す。
図14の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ1.3mA/cmであった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.3mA/cmであった。よって、電解液33を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例96 電解液41を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液41を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図15に示す。
図15の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.7mA/cmであった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.8mA/cmであった。よって、電解液41を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例97 電解液45を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液45を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図16に示す。
図16の結果から明らかなように、0.4V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.7mA/cmであった。一方、−1.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.8mA/cmであった。よって、電解液45を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例98 電解液46を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液46を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図17に示す。
図17の結果から明らかなように、0.1V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ3.1mA/cmであった。一方、−0.1V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−2.0mA/cmであった。よって、電解液46を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例99 電解液49を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液49を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図18に示す。
図18の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.0mA/cmであった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−7.9mA/cmであった。よって、電解液49を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例100 電解液50を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液50を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図19に示す。
図19の結果から明らかなように、0.8V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.1mA/cmであった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.4mA/cmであった。よって、電解液50を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例101 電解液51を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液51を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図20に示す。
図20の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.4mA/cmであった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.2mA/cmであった。よって、電解液51を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例102 電解液52を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液52を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図21に示す。
図21の結果から明らかなように、0.4V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ7.0mA/cmであった。一方、−0.1V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−8.0mA/cmであった。よって、電解液52を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例103 電解液53を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液53を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図22に示す。
図22の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.0mA/cmであった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−10.7mA/cmであった。よって、電解液53を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例104 電解液55を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液55を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図23に示す。
図23の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.8mA/cmであった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−7.4mA/cmであった。よって、電解液55を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例105 電解液57を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液57を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図24に示す。
図24の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ16.3mA/cmであった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−13.0mA/cmであった。よって、電解液57を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。さらに、実施例82と比較して電流密度が向上したことから、CVの電流密度が電解液中の支持電解質の濃度に依存することが判った。
実施例106 電解液58を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液58を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図25に示す。
図25の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ4.1mA/cmであった。一方、−0.3V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.8mA/cmであった。よって、電解液58を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。さらに、実施例84と比較して電流密度が低下したことから、支持電解質の高濃度化に伴って電解液の粘度が上昇し、これにより電流密度が低下することが判った。
実施例107 電解液59を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液59を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図26に示す。
図26の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ8.6mA/cmであった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−7.6mA/cmであった。よって、電解液59を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例108 電解液60を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液60を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図27に示す。
図27の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.8mA/cmであった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.3mA/cmであった。よって、電解液60を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例109 電解液61を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液61を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図28に示す。
図28の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.6mA/cmであった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.0mA/cmであった。よって、電解液61を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例110 電解液62を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液62を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図29に示す。
図29の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ2.5mA/cmであった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.4mA/cmであった。よって、電解液62を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例111 電解液63を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液63を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図30に示す。
図30の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.6mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.9mA/cmであった。よって、電解液63を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例112 電解液64を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液64を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図31に示す。
図31の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ7.6mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.3mA/cmであった。よって、電解液64を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例113 電解液65を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液65を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図32に示す。
図32の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ10.8mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.8mA/cmであった。よって、電解液65を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例114 電解液66を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液66を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図33に示す。
図33の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.8mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.2mA/cmであった。よって、電解液66を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例115 電解液67を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液67を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図34に示す。
図34の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ77.1mA/cmであった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−41.8mA/cmであった。よって、電解液67を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例116 電解液68を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液68を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図35に示す。
図35の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ59.7mA/cmであった。一方、−0.2V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−33.6mA/cmであった。よって、電解液68を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例117 電解液69を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液69を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図36に示す。
図36の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ22.2mA/cmであった。一方、−0.6V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−70.2mA/cmであった。よって、電解液69を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例118 電解液70を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液70を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図37に示す。
図37の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ6.6mA/cmであった。一方、−0.4V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−13.7mA/cmであった。よって、電解液70を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例119 電解液71を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液71を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図38に示す。
図38の結果から明らかなように、0.6V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ7.1mA/cmであった。一方、−0.4V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−12.8mA/cmであった。よって、電解液71を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例120 電解液72を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液72を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図39に示す。
図39の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ16.6mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.4mA/cmであった。よって、電解液72を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例121 電解液73を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液73を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図40に示す。
図40の結果から明らかなように、0.5V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ28.8mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−15.1mA/cmであった。よって、電解液73を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例122 電解液74を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液74を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図41に示す。
図41の結果から明らかなように、0.3V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ43.5mA/cmであった。一方、−0.9V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−56.6mA/cmであった。よって、電解液74を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例123 電解液79を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液79を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図42に示す。
図42の結果から明らかなように、0.2V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ14.5mA/cmであった。一方、−0.9V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−3.4mA/cmであった。よって、電解液79を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
実施例124 電解液81を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
電解液として電解液81を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図43に示す。
図43の結果から明らかなように、0.7V付近からMgの溶解に伴う酸化電流が見られ、1.0V付近の電流密度はおよそ1.7mA/cmであった。一方、−0.7V付近からはMgの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.3mA/cmであった。よって、電解液81を用いることにより、Mgの酸化還元反応が可逆的に起こり、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、Mgの溶解析出が繰り返し安定して進行することも判った。
比較例1 塩化ブチルマグネシウム(BuMgCl)/テトラヒドロフラン(THF)溶液)を電解液として用いたCV測定
塩化ブチルマグネシウム(BuMgCl)を0.5M含有するTHF溶液(キシダ化学社製)2mlを電解液1の代わりに電解液として用い、電圧の範囲を−1.5〜2.0Vとした以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図44に示す。
図44の結果より、BuMgCl/THF溶液を電解液として用いた場合、Mgが可逆的に溶解析出するものの、その際に流れる電流密度は非常に低く、1.5V付近の電流密度はおよそ0.4mA/cm、−1.5V付近の電流密度はおよそ−0.5mA/cmであることが判った。
比較例2 塩化フェニルマグネシウム(PhMgCl)/テトラヒドロフラン(THF)溶液)を電解液として用いたCV測定
塩化フェニルマグネシウム(PhMgCl)(キシダ化学社製)を0.5M含有するTHF溶液 2mlを電解液1の代わりに電解液として用い、電圧の範囲を−1.0〜1.0Vとした以外は、実施例82の方法と同様にしてCV測定を行った。その結果を図45に示す。
図45の結果より、PhMgCl/THF溶液を電解液として用いた場合、比較例1よりも電流密度はさらに低下し、1V付近の電流密度はおよそ6.0×10−2mA/cm、−1V付近の電流密度はおよそ−8.0×10−2mA/cmであることが判った。
比較例3 過塩素酸テトラブチルアンモニウム(Bu NClO )/2−メトキシエタノール溶液を電解液として用いたCV測定
過塩素酸テトラブチルアンモニウム(BuNClO)(和光純薬工業社製)4.28gを2−メトキシエタノール25mlに溶解し、BuNClOを0.5M含むBuNClO/2−メトキシエタノール溶液を調製した。該溶液を電解液1の代わりに電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にしてCV測定を行った。その結果を図46に示す。
図46の結果より、酸化電流はサイクルを繰り返すに従って低下し、還元電流は図1の場合と比べて大幅に低下することが判った。このことから、BuNClO/2−メトキシエタノール溶液では還元分解は全く起こらず、支持電解質(BuNClO)が酸化分解して不働態皮膜を形成し、その結果、電流密度が徐々に低下したと考えられた。つまり、溶媒として用いている2−メトキシエタノールは酸化還元に対して安定であり、図1において観測された電流はMgの溶解析出に伴うものであると考えられた。
比較例4 Mg(OTf) /エタノール溶液を電解液として用いたCV測定
溶媒として、2−メトキシエタノール25mlの代わりにエタノール25mlを用い、Mg(OTf)の量を2.42gとした以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.3M含有する電解液を調製した。該溶液を電解液1の代わりに電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図47に示す。
図47の結果より、Mg(OTf)/エタノール溶液を電解液として用いた場合、マグネシウムが可逆的に溶解析出するものの、その際に流れる電流密度は非常に低く、1.0V付近の電流密度はおよそ0.63mA/cmであった。一方、還元電流は比較的高く、−1.5V付近の電流密度はおよそ−5.3mA/cmであったが、サイクルに伴って電流密度の急激な低下が起きた。このことは、溶媒に用いたエタノールが酸化還元分解することで、電極表面に不働態皮膜が形成されたためと考えられた。
比較例5 Mg(OTf) /ジメトキシエタン溶液を電解液として用いたCV測定
溶媒として、2−メトキシエタノール25mlの代わりにジメトキシエタン25mlを用い、Mg(OTf)を0.16gとした以外は実施例1と同様に処理して、Mg(OTf)を0.02M含有する電解液を調製した。その結果、ジメトキシエタンの場合、Mg(OTf)の溶解性が低く、最高でも0.02Mしか溶解できないことが判った。該溶液を電解液1の代わりに電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、Mg(OTf)/ジメトキシエタン溶液のCV測定を行った。その結果を図48に示す。
図48の結果より、Mg(OTf)/ジメトキシエタン溶液を電解液として用いた場合、Mgが可逆的に溶解析出するものの、その際に流れる電流密度は非常に低く、1.0V付近の電流密度はおよそ2.6×10−3mA/cm、−1.5V付近の電流密度はおよそ−6.3×10−3mA/cmであることが判った。また比較例4と同様に、サイクルに伴う電流密度の低下が見られたことから、電極表面に不働態皮膜が形成されていると考えられた。
実施例82、84〜124及び比較例1〜5の、酸化電流密度及び還元電流密度の結果を、使用した電解液、電解液中の支持電解質、溶媒と合わせて下記表10およひ表11に示す。
Figure 0005994779
Figure 0005994779
実施例82〜124と比較例1〜2を比較すると、比較例1及び2で用いたグリニャール試薬系の電解液では電流密度が±1mA/cm以下であるのに対して、実施例82〜124で示した本発明の電解液ではいずれも高い電流密度を有することが判った。また、特許文献3および4に記載されているグリニャール試薬系以外の電解液のCV測定の結果(比較例4及び5)と比較しても、明らかに高い電流値(あるいは電流密度)を示すことが判った。
また、実施例83の結果から明らかなように、本発明の電解液を用いることにより、電解液の分解電圧が4.2V以上と極めて高いことから、電池やキャパシタ等の電気化学デバイスの電解液として本発明の電解液を用いた場合、高電圧での充電にも対応できることが判った。
比較例3は、マグネシウム塩以外の電解質を用いた結果であるが、該結果より、電流密度が低いことから、本発明の電解液自身が酸化還元分解されていないことが証明できた。
更に、比較例4および5に示した電解液では、電流密度が極めて低いうえ、サイクルに伴う電流密度の低下が見られるのに対して、本発明の電解液では、サイクルに伴う電流密度の低下は起きていない。このことから、比較例4のエタノールや比較例5のジメトキシエタンでは、溶媒自身の酸化還元分解により電極表面に不働態皮膜が形成されると考えられる。一方、本発明の電解液では溶媒自身の分解が抑制され、マグネシウムの溶解析出反応のみが効率的かつ選択的に進行していることが判った。
以上の結果から、本発明の電解液は、電流密度が高く、且つ、高い電圧での充電が可能であるため、該電解液を電気化学デバイスに用いれば、急速充放電が可能な電気化学デバイスの提供を可能とするものである。
実施例125 電解液2及び3の交流インピーダンスの測定
電解液2及び3を用いて交流インピーダンスの測定を実施し、電解液2及び3の抵抗成分を解析した。
具体的には、3極式のビーカーセルを用い、作用極にMg合金(AZ31、2cm×1.5cm)、対極にV、参照極にマグネシウムを使用し、作用極と対極間の距離は5mmとした。該ビーカー中に、電解液2又は3を2ml添加し、初期電位を参照電極に対して0.1Vとし、周波数領域を20kHzから20mHz、振幅を10mVとして測定を行った。交流インピーダンスを測定した結果を図49および50のグラフに示す。
図49および図50の結果より、全抵抗値はそれぞれ120Ω、120Ω程度と低い値となり、電解液中のマグネシウムイオンの拡散速度が早いことが判った。
比較例6 塩化ブチルマグネシウム(BuMgCl)/テトラヒドロフラン(THF)溶液)の交流インピーダンス測定
電解液2又は3の代わりに、比較例1で調製した、塩化ブチルマグネシウム(BuMgCl)を0.5M含有するTHF溶液(キシダ化学社製)を用いた以外は実施例125と同様にして交流インピーダンス測定を行った。その結果を図51のグラフに示す。
その結果、全抵抗値は8.5×10Ω程度と非常に高く、電解液中のイオンの拡散速度が遅いことが推察された。
実施例125、比較例6の結果より、本発明の電解液を用いると、グリニャール試薬と比較してマグネシウムの溶解により生成したマグネシウムイオンの拡散が速やかに起こるため、CVにおける電流密度が劇的に向上したと考えられた。よって、電解液2及び3以外の本発明の電解液も高い電流密度を有することから、これらの電解液も同様に速い拡散速度を示すと考えられた。
実験例1 Mg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]錯体の合成及び確認
(1)錯体の合成
窒素雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム[Mg(OTf)](東京化成工業社製)2.42g(0.0075mol)、2−メトキシエタノール(和光純薬工業社製)1.14g(0.0150mol)、1,2−ジメトキシエタン(和光純薬工業社製)15mlを順次反応器に入れて、80℃で5時間加熱撹拌した。不溶物を吸引ろ過によりろ別した後に、ろ液を減圧濃縮して白色固体を得た。次いでトルエン15mlを加えて懸濁下で撹拌し、ろ過により回収した白色固体を減圧乾燥させて、Mg[(OTf)(2−メトキシエタノール)]錯体を得た。該錯体を錯体1とした。
(2)錯体のH−NMR測定
単離した錯体1を重アセトン(acetone−d、和光純薬工業社製)に溶解させて、H−NMRをNMR測定機により測定した。測定されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.51 (br, 1H), 3.84-3.76 (m, 2H), 3.60-3.55 (t, 2H), 3.42 (s, 3H)
また、2−メトキシエタノール単独のH−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.62-3.3.58 (m, 2H), 3.54 (br, 1H), 3.41-3.38 (t, 2H), 3.28 (s, 3H)
錯体1のH−NMR結果を2−メトキシエタノール単独のH−NMRと比較すると、錯体1のシフト値が全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体1は、Mg(OTf)に2−メトキシエタノールが配位した錯体となっていると推定された。
(3)キレート滴定によるマグネシウムの定量
錯体1をキレート滴定[0.01M/EDTA水溶液、指示薬としてエリオクロムブラックTを使用]に供した。
即ち、先ず、錯体1を0.5g精秤し、イオン交換水に溶かして50mlに定容した。この溶液5mlに3M 水酸化アンモニウム水溶液(和光純薬工業社製)を数滴、および1M 水酸化アンモニウム−塩化アンモニウム水溶液(和光純薬工業社製)を2ml、指示薬としてエリオクロムブラックT(和光純薬工業社製)を数滴、順次加えて試料溶液とした。その後、マグネシウム標準液(濃度200ppm)で予め濃度を規定した0.01M EDTA水溶液(和光純薬工業社製)を用いてキレート滴定を行った。
その結果、錯体中のマグネシウム含量は5.1w/w%であった。これは、錯体1の構造をMg[(OTf)(2−メトキシエタノール)]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:5.1w/w%と同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体1の構造は2分子の2−メトキシエタノールが配位したMg[(OTf)(2−メトキシエタノール)]であると推定された。
(4)配位子の構造解析
錯体1を加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体中の配位子の構造を同定した。
即ち、錯体1(1mg)を固体試料の状態で熱分解装置に充填し、20℃/分の昇温速度にて40℃から400℃まで徐々に加熱し、発生するガス成分を質量分析計で測定した。それらの結果を、図52および図53に示す。
尚、図52及び図53中の横軸は測定時間(熱分解温度に対応する)を表し、図52は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図53は2−メトキシエタノールの質量分析で観測されるm/z45、m/z58、およびm/z76の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z45、m/z58、およびm/z76の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体1中に含まれる配位子は2−メトキシエタノールであると同定された。
実験例2 Mg[(OTf) (2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン) ]錯体の合成及び確認
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりに2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)1.53g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)(2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン)]錯体を得た。該錯体を錯体2とした。
(2)錯体のH−NMR測定
単離した錯体2を重アセトン(acetone−d、和光純薬工業社製)に溶解させて、H−NMRをNMR測定機により測定した。測定されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.09 (br, 1H), 4.21-4.12 (m, 1H), 4.04-3.95 (m, 1H), 3.89-3.79 (m, 1H), 3.79-3.70 (m, 1H), 3.60-3.56 (m, 1H), 2,10-1.88 (m, 3H), 1.70-1.63 (m, 1H)
また、2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン単独のH−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.87-3.384 (m, 1H), 3.78-3.73 (m, 1H), 3.66-3.61 (m, 1H), 3.49-3,41 (m, 2H), 2.84 (br, 1H), 1.92-1.77 (m, 3H), 1.67-1.61 (m, 1H)
錯体2のH−NMRの結果を2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン単独のH−NMR結果と比較すると、錯体2のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体2は、Mg(OTf)に2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランが配位した錯体となっていると推定された。
(3)キレート滴定によるマグネシウムの定量
錯体1 0.5gの代わりに錯体2 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は4.5w/w%であった。これは、錯体2の構造をMg[(OTf)(2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン)]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:4.6w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体2の構造は2分子の2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランが配位したMg[(OTf)(2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン)]であると推定された。
(4)配位子の構造解析
錯体2を、実験例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体2中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図54および図55に示す。
図54は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図55は2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランの質量分析で観測されるm/z27、m/z43、およびm/z71の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z27、m/z43、およびm/z71の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体2中に含まれる配位子は2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランであると同定された。
実験例3 Mg[(OTf) (エチレングリコール) ]錯体の合成
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりにエチレングリコール(和光純薬工業社製)0.93g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)(エチレングリコール)]錯体を得た。該錯体を錯体3とした。
(2)錯体のH−NMR測定
単離した錯体3を重アセトン(acetone−d、和光純薬工業社製)に溶解させて、H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.89 (br, 2H), 3.87 (s, 4H)
また、エチレングリコール単独のH−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.78 (br, 2H), 3.56 (s, 4H)
錯体3のH−NMR結果をエチレングリコール単独のH−NMRの結果と比較すると、錯体3のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体3は、Mg(OTf)にエチレングリコールが配位した錯体となっていると推定された。
(3)キレート滴定によるマグネシウムの定量
錯体1 0.5gの代わりに錯体3 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は5.3w/w%であり、これは、錯体3の構造をMg[(OTf)(エチレングリコール)]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:5.4w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体3の構造は2分子のエチレングリコールが配位したMg[(OTf)(エチレングリコール)]であると推定された。
(4)配位子の構造解析
錯体3を、実験例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体3中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図56および図57に示す。
図56は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図57はエチレングリコールの質量分析で観測されるm/z31、およびm/z43の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z31、およびm/z43の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体3中に含まれる配位子はエチレングリコールであると同定された。
実験例4 Mg[(OTf) (グリコール酸メチル) ]錯体の合成
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりにグリコール酸メチル(和光純薬工業社製)1.35g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)(グリコール酸メチル)]錯体を得た。該錯体を錯体4とした。
(2)錯体のH−NMR測定
単離した錯体4を重アセトン(acetone−d、(和光純薬工業社製)に溶解させて、H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.32 (br, 1H), 4.24-4.17 (m, 2H), 3.72 (s, 3H)
また、グリコール酸メチル単独のH−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 4.67 (br, 1H), 4.10-4.07 (m, 2H), 3.69 (s, 3H)
錯体4のH−NMR結果をグリコール酸メチル単独のH−NMR結果と比較すると、錯体4のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体4は、Mg(OTf)にグリコール酸メチルが配位した錯体となっていると推定された。
(3)キレート滴定によるマグネシウムの定量
錯体1 0.5gの代わりに錯体4 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は4.6w/w%であった。これは、錯体4の構造をMg[(OTf)(グリコール酸メチル)]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:4.8w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体4の構造は2分子のグリコール酸メチルが配位したMg[(OTf)(グリコール酸メチル)]であると推定された。
実験例5 Mg[(OTf) (2−ヒドロキシイソ酪酸メチル) ]錯体の合成
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりに2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(東京化成工業社製)1.77g(0.0150mol)を用いた以外は、実験例1と同様に操作して、Mg[(OTf)(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル)]錯体を得た。該錯体を錯体5とした。
(2)錯体のH−NMR測定
単離した錯体5を重アセトン(acetone−d、(和光純薬工業社製)に溶解させて、H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 5.44 (br, 1H), 3.79 (s, 3H), 1.45 (s, 6H)
また、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル単独のH−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 4.09 (br, 1H), 3.69 (s, 3H), 1.35 (s, 6H)
錯体5のH−NMR結果を2−ヒドロキシイソ酪酸メチル単独のH−NMR結果と比較すると、錯体5のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体5は、Mg(OTf)に2−ヒドロキシイソ酪酸メチルが配位した錯体となっていると推定された。
(3)キレート滴定によるマグネシウムの定量
錯体1 0.5gの代わりに錯体5 0.5gを用いた以外は、実験例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のマグネシウム含量は4.3w/w%であった。これは、錯体5の構造をMg[(OTf)(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル)]と仮定して理論的に算出したマグネシウム含量:4.4w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体5の構造は2分子の2−ヒドロキシイソ酪酸メチルが配位したMg[(OTf)(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル)]であると推定された。
(4)配位子の構造解析
錯体5を、実験例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体5中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図58および図59に示す。
図58は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図59は2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの質量分析で観測されるm/z31、m/z43、およびm/z59の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z31、m/z43、およびm/z59の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体5中に含まれる配位子は2−ヒドロキシイソ酪酸メチルであると同定された。
実験例6 Mg[(OTf) (2−エトキシエタノール) ]錯体の合成
(1)錯体の合成
2−メトキシエタノール1.14g(0.0150mol)の代わりに2−エトキシエタノール(和光純薬工業社製)1.35g(0.0150mol)を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、Mg[(OTf)(2−エトキシエタノール)]錯体を得た。該錯体を錯体6とした。
(2)錯体のH−NMR測定
単離した錯体6を重アセトン(acetone−d、(和光純薬工業社製)に溶解させて、H−NMRをNMR測定機により測定した。観測されたピークのシフト値(テトラメチルシランを基準とする)を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 6.06 (br, 1H), 3.88-3.84 (m, 2H), 3.72-3.67 (m, 4H), 1.23-1.19 (t, 3H)
また、2−エトキシエタノール単独のH−NMRをNMR測定機により測定した。その結果を以下に示す。
1H NMR (CD3COCD3) ; δ = 3.62-3.59 (m, 2H), 3.47-3.42 (m, 4H), 2.81 (br, 1H), 1,14-1.11 (t, 3H)
錯体6のH−NMR結果を2−エトキシエタノール単独のH−NMR結果と比較すると、錯体6のシフト値は全体的に低磁場側へシフトしていることが判った。よって、錯体6は、Mg(OTf)に2−エトキシエタノールが配位した錯体となっていると推定された。
(3)キレート滴定によるMgの定量
錯体1 0.5gの代わりに錯体6 0.5gを用いた以外は、実施例1と同様にキレート滴定を行った。その結果、錯体中のMg含量は4.6w/w%であった。これは、錯体6の構造をMg[(OTf)(2−エトキシエタノール)]と仮定して理論的に算出したMg含量:4.8w/w%とほぼ同じであった(相対誤差:5%以下)。このことから、錯体6の構造は2分子の2−エトキシエタノールが配位したMg[(OTf)(2−エトキシエタノール)]であると推定された。
(4)配位子の構造解析
錯体6を、実施例1と同様に、加熱発生ガス-質量分析法に供して、錯体6中の配位子の構造を同定した。それらの結果を、図60および図61に示す。
図60は質量分析の結果から得られたトータルイオンピークのチャート、図61は2−エトキシエタノールの質量分析で観測されるm/z31、m/z45、m/z59、およびm/z72の各フラグメントイオンピークをトータルイオンピークから抽出したチャートである。これらの結果から、m/z31、m/z45、m/z59、およびm/z72の各フラグメントイオンピークの総和がトータルイオンピークとほぼ一致することが判った。よって、錯体6中に含まれる配位子は2−エトキシエタノールであると同定された。
実施例126 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/ジメトキシエタン溶液の調製
実験例1で単離した錯体1 9.5g(0.02mol)とジメトキシエタン(和光純薬工業社製)20mlとを混合し、室温で5時間撹拌した。不溶物を吸引ろ過によりろ別した後に、母液にMS5A[(モレキュラーシーブ5A(和光純薬工業社製)]を1g添加して脱水処理し、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液82とした。
実施例127 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、ジエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液83とした。
実施例128 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/テトラヒドロフラン溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、テトラヒドロフラン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液84とした。
実施例129 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/2−メチルテトラヒドロフラン溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、2−メチルテトラヒドロフラン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液85とした。
実施例130 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/炭酸プロピレン溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、炭酸プロピレン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液86とした。
実施例131 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/アセトニトリル溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、アセトニトリル(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液87とした。
実施例132 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/γ−ブチロラクトン溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、γ−ブチロラクトン(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液88とした。
実施例133 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/エタノール溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、エタノール(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液89とした。
実施例134 錯体1からのMg[(OTf) (2−メトキシエタノール) ]/酢酸エチル溶液の調製
実施例126のジメトキシエタン20mlの代わりに、酢酸エチル(和光純薬工業製)20mlを用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体1を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液90とした。
実施例135 錯体3からのMg[(OTf) (エチレングリコール) ]/ジメトキシエタン溶液の調製
実施例126の錯体1の代わりに、実験例3で単離した錯体3 8.9g(0.02mol)を用いた以外は実施例126と同様に処理して、錯体3を0.5M含有する電解液を調製した。該電解液を電解液91とした。
実施例136 電解液82のサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定
電解液として電解液82を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図62に示す。
図62の結果から明らかなように、0.5V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ4.5mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.5mA/cmであった。よって、電解液82を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
実施例137 電解液83のサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定
電解液として電解液83を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図63に示す。
図63の結果から明らかなように、0.3V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ4.6mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.1mA/cmであった。よって、電解液83を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
実施例138 電解液84のサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定
電解液として電解液84を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図64に示す。
図64の結果から明らかなように、0.5V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、1V付近の電流密度はおよそ2.1mA/cmであった。一方、−0.7V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.2mA/cmであった。よって、電解液84を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
実施例139 電解液91のサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定
電解液として電解液91を用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図65に示す。
図65の結果から明らかなように、0.5V付近からマグネシウムの溶解に伴う酸化電流が見られ、0.85V付近の電流密度はおよそ2.8mA/cmであった。一方、−0.5V付近からはマグネシウムの析出に伴う還元電流が見られ、−1.5V付近の電流密度はおよそ−1.0mA/cmであった。よって、電解液91を用いることにより、マグネシウムの酸化還元反応が可逆的に起こることが判り、且つ、高い電流密度を与えることが判った。さらに、2サイクル目以降の掃引においても、電流密度は低下しないことから、マグネシウムの溶解析出が繰り返し安定して進行していることが判った。
比較例7 Mg(acac) 錯体/テトラヒドロフラン溶液を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)測定
(1)Mg(acac)錯体/テトラヒドロフラン溶液の調製
ビス(2,4−ペンタンジオナト)マグネシウム[Mg(acac)](東京化成工業社製)5.0g(0.02mol)とテトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)45mlとを混合し、室温で5時間撹拌した。得られた溶液から吸引ろ過により不溶物をろ別した後に、母液にMS5A[(モレキュラーシーブ5A(和光純薬工業社製)]を1g添加して脱水処理し、Mg(acac)錯体を0.49M含有する電解液を調製した。
(2)CV測定
上記Mg(acac)錯体を0.49M含有する電解液を電解液として用いた以外は、実施例82の方法と同様にして、CV測定を行った。その結果を図66に示す。
図66の結果から明らかなように、Mg(acac)錯体/テトラヒドロフラン溶液を電解液として用いた場合、マグネシウムの溶解析出に伴う電流ピークは全く観測されなかった。
実施例136〜139、比較例7及び比較例5の、酸化電流密度及び還元電流密度の結果を、使用した電解液、電解液中の錯体、溶媒と合わせて下記表12に示す。
Figure 0005994779
実施例136〜139の結果から、本発明に係るマグネシウム錯体を支持電解質として用いれば、本発明に係る一般式[2]で示される化合物を用いなくても、汎用的な有機溶媒が電解液として使用可能となり、更に、高い電流密度を有することが判った。
また、実施例138と比較例7では、マグネシウム錯体が異なる以外は同じ溶媒でほぼ同じ濃度の錯体を用いて電流密度を測定しているが、公知のマグネシウム錯体では電流は流れなかったものの、本発明に係るマグネシウム錯体を用いた場合であれば、酸化電流として2.1mA/cm、還元電流として−1.2mA/cm観測され、特定のマグネシウム錯体を用いることにより電解質としての効果が得られることが示された。
更に、実施例136及び139と比較例5を比較すると、マグネシウム塩を支持電解質として用いた場合には電流密度が非常に低いものの、本発明に係るマグネシウム錯体を用いた場合には高い電流密度を有することが判った。
本発明に係るマグネシウム錯体は、一般式[10]に示しているように、本発明に係る一般式[2]で示される化合物2分子が、マグネシウムに対してキレーションしているが、同様の配位構造を有するMg(acac)錯体では酸化還元電流が全く観測されなかった。このことから、本発明に係るマグネシウム錯体は、Mg(acac)錯体と比較して、キレート効果が比較的穏和であることが判った。
従って、上記実施例136〜139並びに比較例5及び7の結果より、本発明に係る錯体から得られた電解液は、還元反応(マグネシウムの析出反応)の際には、マグネシウム錯体からの配位子(一般式[2]で示される化合物)の脱離が速やかに進行し、その一方で、酸化反応(マグネシウムの溶解反応)の際には、溶解したマグネシウムイオンへの配位子(一般式[2]で示される化合物)の再配位が容易に起こることから、充放電が繰り返し可能な電解液となることが推定される。
尚、実施例82〜124の電解液中においても、支持電解質中のマグネシウムイオンに2分子の配位子(一般式[2]で示される化合物)が配位したマグネシウム錯体が生成しており、これにより、電流密度が著しく向上していると推察された。

Claims (11)

  1. (1)マグネシウム塩からなる支持電解質、及び、
    (2)下記一般式[2]
    Figure 0005994779
    [式中、l、m及びnは、それぞれ独立して、0〜2の整数を表し(但し、l、m及びnは同時に0ではない。)、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表し、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基又はヒドロキシル基を表し、R7は、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルシリルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数7〜11のアリールカルボニル基、炭素数7〜11のアリールカルボニルオキシ基、炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、炭素数8〜13のアリールアルケニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数7〜12のヒドロキシアラルキルオキシ基、炭素数6〜10のヒドロキシアリール基、炭素数6〜10のヒドロキシアリールオキシ基、炭素数2〜7のヒドロキシアルキルカルボニル基、炭素数8〜16のアルコキシアリールアルキルオキシ基、炭素数7〜13のアルコキシアリール基、炭素数7〜13のアルコキシアリールオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルケニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニルオキシ基、炭素数4〜8のアルコキシアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルオキシカルボニル基、炭素数3〜7のアルコキシアルキルカルボニル基、下記一般式[3]で示されるホスホノ基
    Figure 0005994779
    (式中、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
    下記一般式[4]で示されるアミド基、
    Figure 0005994779
    (R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
    下記一般式[5]で示されるカルバミド基
    Figure 0005994779
    (式中、R12は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R13は、炭素数1〜4のアルキル基を表す)、
    下記一般式[6]で示される基
    Figure 0005994779
    (式中、pは1〜6の整数を表し、R14は、pが2〜5の場合はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキレン基又はハロゲノアルキレン基を表し、R15は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロゲノアルキル基を表す)、
    ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するアミノ基、シアノ基、チオール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基、又は環状カルボン酸エステル由来の基、或いは、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又はヒドロキシル基を置換基として有する、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、単環複素環基、環状アセタール由来の基、環状炭酸エステル由来の基又は環状カルボン酸エステル由来の基]で示される化合物を少なくとも一種以上含む、電気化学デバイス用電解液。
  2. 一般式[2]のl、m及びnが、lが1の整数であってm及びnがそれぞれ独立して0〜2の整数であるか、mが1の整数であってl及びnがそれぞれ独立して0〜2の整数であるか、又はnが1の整数であってl及びnがそれぞれ独立して0〜2の整数の何れかを表すものである、請求項1に記載の電解液。
  3. R1及びR2が、水素原子又はメチル基である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. R3、R4、R5及びR6が水素原子である、請求項1〜3の何れかに記載の電解液。
  5. R7が、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のヒドロキシアルケニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、前記一般式[3]で示される基、前記一般式[6]で示される基、ヒドロキシル基、又はシアノ基である請求項1〜の何れかに記載の電解液。
  6. nが0である、請求項1〜の何れかに記載の電解液。
  7. 支持電解質が、少なくとも一種の下記一般式[1]で示されるマグネシウム塩からなるものである、請求項1記載の電解液;
    Mg X [1]
    [式中、Mgはマグネシウムイオンを表し、qは1又は2を表し、qが1の場合Xは、酸化物イオン(O2-)、硫化物イオン(S2-)、硫酸イオン(SO4 2-)、リン酸一水素イオン(HPO4 2-)、又は炭酸イオン(CO3 2-)を表し、qが2の場合Xは、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオン、下記一般式[7]
    Figure 0005994779
    (式中、kは1〜4の整数を表し、Fはフッ素原子を表す)で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、炭素数1〜4のアルカンスルホン酸イオン、炭素数6〜10のアレーンスルホン酸イオン、炭素数2〜5のパーフルオロアルカンカルボン酸イオン、炭素数2〜5のアルカンカルボン酸イオン、炭素数7〜11のアレーンカルボン酸イオン、炭素数1〜4のアルコキシドイオン、過マンガン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、硝酸イオン、リン酸ニ水素イオン、硫酸水素イオン、炭酸水素イオン、硫化水素イオン、水酸化物イオン(OH-)、チオシアン酸イオン、シアン化物イオン(CN-)、フッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、ヨウ化物イオン(I-)、又は水素化物イオン(H-)を表す]。
  8. 支持電解質の濃度が0.1〜5.0mol/Lである請求項1記載の電解液。
  9. 更に(3)溶媒を含む、請求項1に記載の電解液。
  10. 溶媒が、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸プロピレン、アセトニトリル、ブチロラクトン、エタノール、酢酸エチル、プロピオニトリル、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・トリフルオロメタンスルホネート、又はテトラエチルアンモニウム・トリフルオロメタンスルホネートを含む、請求項に記載の電解液。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の電解液、正極、負極及びセパレータを含む電気化学デバイス。
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