JP2004259650A - マグネシウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、高い安全性を有し、安価で、高い電気容量密度を有し、かつ、高い充電電圧とすることが可能な、二次電池を提供することである。
【解決手段】負極活物質がマグネシウム金属、正極活物質がマグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属化合物であって、電解液が、マグネシウム原子に芳香族原子団及び一つのハロゲン原子が結合した原子団を含む化合物を含む電解質と、エーテル系化合物液からなる溶媒と、からなる二次電池とする。充電電圧を2.3V以上とすることが可能である。また、、電解質をC6H5MgX(X=Cl,Br)及びポリエチレンオキサイド(PEO)を含むポリマーゲル電解質とすることで、固体二次電池として作製及び使用することが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】負極活物質がマグネシウム金属、正極活物質がマグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属化合物であって、電解液が、マグネシウム原子に芳香族原子団及び一つのハロゲン原子が結合した原子団を含む化合物を含む電解質と、エーテル系化合物液からなる溶媒と、からなる二次電池とする。充電電圧を2.3V以上とすることが可能である。また、、電解質をC6H5MgX(X=Cl,Br)及びポリエチレンオキサイド(PEO)を含むポリマーゲル電解質とすることで、固体二次電池として作製及び使用することが可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充放電可能な二次電池に関し、特に金属マグネシウムを負極活物質とした場合に、高い放電電圧及び高い充電電圧を可能とする有機電解質を備えたマグネシウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、高エネルギー密度の二次電池としてはリチウムイオン電池と金属リチウム電池(以後、両者の総称として“リチウム系電池”と呼称する)があり、さらなる改良が行われている。リチウム系電池にはその安全性に不可避的な問題があり、また、リチウム元素は資源的に限られており高価である。特に現在は鉛畜電池、ニッケル−カドミウム電池等が用いられている中型・大型電池用途では、リチウム系電池の安全性とコストの問題は致命的と言える。ところで、マグネシムは、リチウムよりはるかに安価で、またリチウムほどではないが高い電気容量密度(2.21 Ah/kg)を持ち、これを二次電池に用いた場合には高い安全性が期待できる。従って、リチウム系電池の欠点を補うことのできる二次電池として、マグネシウム金属を負極活物質として使うマグネシウム二次電池が注目されている(例えば非特許文献1、非特許文献2、特許文献1)。
【0003】
マグネシウム二次電池に使う電解液としては、水溶液系電解液のみならず、非プロトン系有機溶媒(例えば、プロピレンカーボナート、エチレンカーボナート、エステル類、及びアクリロニトリル)を溶媒として含むものも一般には使用不可である。その理由は、これらを電解液として用いると、負極活物質であるマグネシウム金属からなるマグネシウム電極表面にマグネシウムイオンを通さない不働態膜が生じるからである。この不働態膜の発生の問題がマグネシウム二次電池実現の主たる障害の一つになっている。
【0004】
このマグネシウム不働態膜発生の問題が生じない電解液としては、グリニャール試薬RMgX(R=アルキル基、またはアリール基、X=Cl、またはBr)のエーテル系溶液が知られている。しかし、耐酸化性が低く、酸化剤である正極材料に触れると容易に分解するので実用には使えなかった。(非特許文献3、特許文献2)
1990年にダウ・ケミカル社のグレゴリーらはやや耐酸化性が高い電解液として、Mg[AR4]2のエーテル溶液を見いだし、充放電に成功したが、まだ実用的ではなかった(非特許文献3、特許文献2)。
【0005】
2000年にオーバッハ(Aurbach)らは電解質がMg[AXnR’n`R’’n“]2(A=BまたはAl、R’及びR’’は炭化水素基、X=ClまたはBr、n+n’+n’’=4,n(1)溶媒がテトラヒドロフランの電解液を用いて、正極をシェブレル相Mo6S8として1000回以上の充放電サイクルが可能なマグネシウム二次電池を報告している(非特許文献4、特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−025555号公報
【0007】
【特許文献2】
米国特許4,894,302号
【0008】
【特許文献3】
米国特許6,316,141号
【0009】
【非特許文献1】
C. Libenow. J. Appl. Electrochem., Vol. 27, 221−225 (1997)
【0010】
【非特許文献2】
P. Novak et al. Electrochimica Acta,vol.45, 351−367 (1999)
【0011】
【非特許文献3】
T. D. Gregory et al., J. Electrochem. soc. vol.137, 775−780 (1990)
【0012】
【非特許文献4】
D. Aurbach. et al. NATURE、Vol.407、724−727 (2000)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この電池の放電電圧である実用電圧は、まだ1.1〜1.3Vと低い(特許文献1にはオーバッハらのものとは異なるタイプのマグネシウム二次電池が提案されているが、この実用電圧も1.2V前後である)。今後、既存正極活物質の改良や新正極活物質の開発などにより、より高い実用電圧が達成できる可能性がある。しかし、実用電圧が高くなれば、当然充電電圧も高くしなればならならないので、電解液中の電解質が酸化分解してしまう可能性が高くなる。
【0014】
たとえば、オーバッハらが合成したMg[AlCl2(C4H9)(C2H5)]2電解質、及びTHF溶媒からなる電解液では約2.3V(マグネシウム参照極に対する電位)にてこの電解質が分解し始めるので、この電解液を用いる限り、充電電圧が2.3V未満の電池しかできないことになる。これではたとえ高い実用電圧が可能な正極材が見出されたとしても、それが実際の電池には応用できないこととなる。従って、高い実用電圧を持つマグネシウム二次電池を得るためには、電解液中の電解質の分解電圧も高くする必要がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、負極活物質がマグネシウム金属、正極活物質がマグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属化合物であって、電解液が、マグネシウム原子に芳香族原子団及び一つのハロゲン原子が結合した原子団を含む化合物を含む電解質と、エーテル系化合物液からなる溶媒とからなる二次電池に関する。
【0016】
本発明の二次電池は、充電電圧を2.3V以上とすることが可能である。
【0017】
前記電解質は、ハロゲノフェニルマグネシウムC6H5MgX(X=Cl,Br)であることことが好ましい。
【0018】
前記電解質は、C6H5MgX(X=Cl,Br)及びポリエチレンオキサイド(PEO)を含むポリマーゲル電解質であることが好ましい。
【0019】
つまり、前記課題を解決するために、本発明者はオーバッハらが見いだしたものより、より高い分解電圧を有する電解質を鋭意探索した。この過程において、グリニャール試薬RMgXの過去の研究例をあらためて検討したところ、非特許文献3において実際に実験されているのはRがCH3、C2H5、C4H9の場合に限られ、また、非特許文献2において詳しく実験されているのはRMgXがC2H5MgBrの場合のみであった。すなわち、Rが芳香族原子団のものは未だ実験されていないことが判った。
【0020】
そこで、本発明者はC6H5MgBrのTHF溶液を電解液として電気化学測定を行った。その結果、予想外にもオーバッハらが見出したMg[Al(C2H5)(C4H9)Cl2]2のTHF溶液よりもはるかに高い耐酸化分解電圧を持つことを発見し、本発明に至った。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の電解質に含まれるハロゲノフェニルマグネシウムC6H5MgXは、臭素原子が塩素原子に置き換わったC6H5MgClも化学的性質がC6H5Brとほとんど同じなので使用可能である。また、電解質をC6H5MgX(X=Cl、Br)及びAlCl3とし、溶媒をエーテル系溶媒とする電解液でもよい。さらに電解質をC6H5MgX(X=Cl、Br)とし、これをポリエチレンオキサイド(PEO)などの有機ポリマーに分散させた混合物を、エーテル系溶媒に含浸しポリマーゲルとしたものも電解液として使用可能である。このポリマーゲル電解質を用いることによりマグネシウム二次電池を固体電池として作製及び使用することが可能となる。
【0022】
このような溶媒としては、THFのほか、ジエチルエーテル、ジグライム(H3COCH2CH2OCH2CH2OCH3:diglym)、等があり、また、これらの溶媒の混合物でもよく、電気伝導度に影響する粘度や沸点などを考慮して適宜選択可能である。
【0023】
電解質に電圧をかけた時の酸化されやすさの程度、つまり耐酸化分解電圧はイオン化ポテンシャルの大小で判断できる。C2H5MgXとC6H5MgX(X=Cl、Br)とのイオン化ポテンシャルを密度汎関数法(B3LYP/3−21G*、Gaussian98W使用)によって計算すると次の結果となった。C2H5MgClでは8.534eV、C2H5MgBrでは8.330eV、C6H5MgClでは8.799eV、C6H5MgBrでは8.653eV。この結果が示すように、C6H5MgXはC2H5MgXより高いイオン化ポテンシャルを持っている。実際のグリニャール試薬(エーテル系溶媒中)の構造は、これら化学式で示されるものに溶媒分子が複数個配位したものであるが、それらのイオン化ポテンシャルの大小順は上記計算結果の大小順と同じであると考えられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
【0025】
(実施例)
5.024gのブロモベンゼンC6H5Br、0.778gの金属マグネシウム、および20mlのTHFを100ml丸底フラスコに入れ、マグネチックスターラーで約二時間攪拌してC6H5MgBrのTHF溶液を得た。この溶液の電気伝導度を北斗電工社製ガルバノスタット「HA−151」と伝導度測定用セル(10ml)で測定したところ1.4(10−3S/mであった。この値は、二次電池の電解液として使用可能なレベルと考えられる。
【0026】
次に、この溶液のサイクリックボルタノグラフ測定(CV測定)を北斗電工社製ガルバノスタット「HA−151」と関数発生器「HB−111」を組み合わせた装置を用い、室温(20℃)で行ったところ、図1に示すCVカーブを得た。図1から、この電解液の金属マグネシウム参照極(MgRE)に対する耐酸化分解電圧である分解開始電圧は約3.8Vであることが判る。これはオーバッハらが見いだしたMg[Al(C2H5)(C4H9)Cl2]2のTHF溶液の分解開始電圧2.3Vよりはるかに高い。
【0027】
次に電池を作製するため、まず微細孔を有するステンレスフィルターからなるポケット状容器に、金属マグネシウム片を充填して負極とした。次に粉末状五酸化バナジウムV2O5とグラファイト粉末を9:1の重量比で混合したものを前記ステンレスフィルター製容器に充填して正極とした。最後に、これら両電極と前記電解液をポリエチレン製容器に入れることによって電池とした。この電池の両極間に電圧計を挿入し、事実上の起電力である開放電圧を測定したところ2.2Vであった。この値は、この電解液の分解開始電圧である3.8Vよりかなり小さな値である。このことは、2.2V〜3.8Vの広い範囲で、しかも例えば急速充電等に有利な高電圧での充電に対応できることを意味する。
【0028】
(比較例)
比較例としてオーバッハらのMg[Al(C2H5)(C4H9)Cl2]2とほとんど同じCVカーブを示すMg[Al(C2H5)2Br2]2について実験を行った。
【0029】
コベルコ科研社製マグナリウム(アルミニウム70重量%、マグネシウム30重量%の合金)2.71g、臭化エチル(C2H5Br)14.64g、沃素0.05gを100ml丸底フラスコに入れ、乾燥窒素気流中でマグネチックスターラーで攪拌しつつオイルバス中で室温から徐々に昇温し、6時間かかって135℃に至らしめ、無色粘稠な液体であるジエチルブロモアルミニウム(C2H5)2AlBrと白色固体である臭化マグネシウムMgBr2の混合物を得た。このときの反応は以下の反応式1で示される。
【0030】
【化1】
ここまでの操作は第4版実験化学講座第24巻(丸善)p98に記載されている(C2H5)2AlBrの合成方法に従った。
【0031】
次にこの混合物の温度をさらに160℃〜170℃に上げ、8時間加熱したところフラスコ内容物はほとんど固体になった。このときの反応は以下の反応式2で示される。
【0032】
【化2】
この固体生成物をTHFに溶かして濃度0.2Mの電解質溶液を作製した。この電解液のCVカーブを、マグネシウムリボンを参照電極とし、白金線を作用極(直径0.3mm、長さ5mm)に用いて測定したところ、図2に示す結果となった。図2から、この電解液は2.3Vで分解し始めることが判る。
【0033】
次に実施例1と同様に、電解液のみをこの0.2M−Mg[Al(C2H5)2Br2]2のTHF溶液に変えて、電池を作製した。実施例1と同様に測定したこの電池の開放電圧は2.2Vであり、用いた電解質の分解開始電位とほとんど等しかった。また、この電池に充電を想定した2.2Vをかけると当初無色だった電解液が茶色になり、酸化されることが認められた。
【0034】
実施例と比較例とを比較すると、電解液をC6H5MgBrのTHF溶液とした実施例では分解開始電圧が約3.8Vであったのに対して、電解液をMg[Al(C2H5)2Br2]2のTHF溶液とした比較例では分解開始電圧が約2.3Vで、2.2Vでも電解液が酸化し茶色に変化している。従って、実施例に示す本発明の二次電池は、高電圧での充電が可能であることが判った。また、本発明の二次電池に使用する電解液は、分解電圧が高いことが示された。
【0035】
つまり、本発明によれば、負極活物質をマグネシウム金属、正極活物質をマグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属化合物とし、電解液を、マグネシウム原子に芳香族原子団及び一つのハロゲン原子が結合した原子団を含む化合物を電解質と、エーテル系化合物液を溶媒と、を含む電解液とすることにより、高い安全性を有し、安価で、高い電気容量密度を有し、かつ、高い充電電圧が可能な二次電池を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の電解質溶液を用いれば、充電電圧が2.3V以上のマグネシウム二次電池を作ることができ、現在鉛蓄電池やニッケル・カドミウム電池が用いられている中型・大型電池用途に使える。また本電解質をポリエチレンオキサイド(PEO)などのポリマーと混ぜてゲル電解質とすれば、固体高分子型のマグネシウム二次電池が作成でき、携帯情報機器に使用できる。このような電池はリチウム電池より安価で安全であり、また環境負荷が鉛電池やニッケル−カドミウム電池より小さい、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】C6H5MgBrのTHF溶液のCVカーブ
【図2】Mg[Al(C2H5)2Br2]2のTHF溶液のCVカーブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、充放電可能な二次電池に関し、特に金属マグネシウムを負極活物質とした場合に、高い放電電圧及び高い充電電圧を可能とする有機電解質を備えたマグネシウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、高エネルギー密度の二次電池としてはリチウムイオン電池と金属リチウム電池(以後、両者の総称として“リチウム系電池”と呼称する)があり、さらなる改良が行われている。リチウム系電池にはその安全性に不可避的な問題があり、また、リチウム元素は資源的に限られており高価である。特に現在は鉛畜電池、ニッケル−カドミウム電池等が用いられている中型・大型電池用途では、リチウム系電池の安全性とコストの問題は致命的と言える。ところで、マグネシムは、リチウムよりはるかに安価で、またリチウムほどではないが高い電気容量密度(2.21 Ah/kg)を持ち、これを二次電池に用いた場合には高い安全性が期待できる。従って、リチウム系電池の欠点を補うことのできる二次電池として、マグネシウム金属を負極活物質として使うマグネシウム二次電池が注目されている(例えば非特許文献1、非特許文献2、特許文献1)。
【0003】
マグネシウム二次電池に使う電解液としては、水溶液系電解液のみならず、非プロトン系有機溶媒(例えば、プロピレンカーボナート、エチレンカーボナート、エステル類、及びアクリロニトリル)を溶媒として含むものも一般には使用不可である。その理由は、これらを電解液として用いると、負極活物質であるマグネシウム金属からなるマグネシウム電極表面にマグネシウムイオンを通さない不働態膜が生じるからである。この不働態膜の発生の問題がマグネシウム二次電池実現の主たる障害の一つになっている。
【0004】
このマグネシウム不働態膜発生の問題が生じない電解液としては、グリニャール試薬RMgX(R=アルキル基、またはアリール基、X=Cl、またはBr)のエーテル系溶液が知られている。しかし、耐酸化性が低く、酸化剤である正極材料に触れると容易に分解するので実用には使えなかった。(非特許文献3、特許文献2)
1990年にダウ・ケミカル社のグレゴリーらはやや耐酸化性が高い電解液として、Mg[AR4]2のエーテル溶液を見いだし、充放電に成功したが、まだ実用的ではなかった(非特許文献3、特許文献2)。
【0005】
2000年にオーバッハ(Aurbach)らは電解質がMg[AXnR’n`R’’n“]2(A=BまたはAl、R’及びR’’は炭化水素基、X=ClまたはBr、n+n’+n’’=4,n(1)溶媒がテトラヒドロフランの電解液を用いて、正極をシェブレル相Mo6S8として1000回以上の充放電サイクルが可能なマグネシウム二次電池を報告している(非特許文献4、特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−025555号公報
【0007】
【特許文献2】
米国特許4,894,302号
【0008】
【特許文献3】
米国特許6,316,141号
【0009】
【非特許文献1】
C. Libenow. J. Appl. Electrochem., Vol. 27, 221−225 (1997)
【0010】
【非特許文献2】
P. Novak et al. Electrochimica Acta,vol.45, 351−367 (1999)
【0011】
【非特許文献3】
T. D. Gregory et al., J. Electrochem. soc. vol.137, 775−780 (1990)
【0012】
【非特許文献4】
D. Aurbach. et al. NATURE、Vol.407、724−727 (2000)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この電池の放電電圧である実用電圧は、まだ1.1〜1.3Vと低い(特許文献1にはオーバッハらのものとは異なるタイプのマグネシウム二次電池が提案されているが、この実用電圧も1.2V前後である)。今後、既存正極活物質の改良や新正極活物質の開発などにより、より高い実用電圧が達成できる可能性がある。しかし、実用電圧が高くなれば、当然充電電圧も高くしなればならならないので、電解液中の電解質が酸化分解してしまう可能性が高くなる。
【0014】
たとえば、オーバッハらが合成したMg[AlCl2(C4H9)(C2H5)]2電解質、及びTHF溶媒からなる電解液では約2.3V(マグネシウム参照極に対する電位)にてこの電解質が分解し始めるので、この電解液を用いる限り、充電電圧が2.3V未満の電池しかできないことになる。これではたとえ高い実用電圧が可能な正極材が見出されたとしても、それが実際の電池には応用できないこととなる。従って、高い実用電圧を持つマグネシウム二次電池を得るためには、電解液中の電解質の分解電圧も高くする必要がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、負極活物質がマグネシウム金属、正極活物質がマグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属化合物であって、電解液が、マグネシウム原子に芳香族原子団及び一つのハロゲン原子が結合した原子団を含む化合物を含む電解質と、エーテル系化合物液からなる溶媒とからなる二次電池に関する。
【0016】
本発明の二次電池は、充電電圧を2.3V以上とすることが可能である。
【0017】
前記電解質は、ハロゲノフェニルマグネシウムC6H5MgX(X=Cl,Br)であることことが好ましい。
【0018】
前記電解質は、C6H5MgX(X=Cl,Br)及びポリエチレンオキサイド(PEO)を含むポリマーゲル電解質であることが好ましい。
【0019】
つまり、前記課題を解決するために、本発明者はオーバッハらが見いだしたものより、より高い分解電圧を有する電解質を鋭意探索した。この過程において、グリニャール試薬RMgXの過去の研究例をあらためて検討したところ、非特許文献3において実際に実験されているのはRがCH3、C2H5、C4H9の場合に限られ、また、非特許文献2において詳しく実験されているのはRMgXがC2H5MgBrの場合のみであった。すなわち、Rが芳香族原子団のものは未だ実験されていないことが判った。
【0020】
そこで、本発明者はC6H5MgBrのTHF溶液を電解液として電気化学測定を行った。その結果、予想外にもオーバッハらが見出したMg[Al(C2H5)(C4H9)Cl2]2のTHF溶液よりもはるかに高い耐酸化分解電圧を持つことを発見し、本発明に至った。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の電解質に含まれるハロゲノフェニルマグネシウムC6H5MgXは、臭素原子が塩素原子に置き換わったC6H5MgClも化学的性質がC6H5Brとほとんど同じなので使用可能である。また、電解質をC6H5MgX(X=Cl、Br)及びAlCl3とし、溶媒をエーテル系溶媒とする電解液でもよい。さらに電解質をC6H5MgX(X=Cl、Br)とし、これをポリエチレンオキサイド(PEO)などの有機ポリマーに分散させた混合物を、エーテル系溶媒に含浸しポリマーゲルとしたものも電解液として使用可能である。このポリマーゲル電解質を用いることによりマグネシウム二次電池を固体電池として作製及び使用することが可能となる。
【0022】
このような溶媒としては、THFのほか、ジエチルエーテル、ジグライム(H3COCH2CH2OCH2CH2OCH3:diglym)、等があり、また、これらの溶媒の混合物でもよく、電気伝導度に影響する粘度や沸点などを考慮して適宜選択可能である。
【0023】
電解質に電圧をかけた時の酸化されやすさの程度、つまり耐酸化分解電圧はイオン化ポテンシャルの大小で判断できる。C2H5MgXとC6H5MgX(X=Cl、Br)とのイオン化ポテンシャルを密度汎関数法(B3LYP/3−21G*、Gaussian98W使用)によって計算すると次の結果となった。C2H5MgClでは8.534eV、C2H5MgBrでは8.330eV、C6H5MgClでは8.799eV、C6H5MgBrでは8.653eV。この結果が示すように、C6H5MgXはC2H5MgXより高いイオン化ポテンシャルを持っている。実際のグリニャール試薬(エーテル系溶媒中)の構造は、これら化学式で示されるものに溶媒分子が複数個配位したものであるが、それらのイオン化ポテンシャルの大小順は上記計算結果の大小順と同じであると考えられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
【0025】
(実施例)
5.024gのブロモベンゼンC6H5Br、0.778gの金属マグネシウム、および20mlのTHFを100ml丸底フラスコに入れ、マグネチックスターラーで約二時間攪拌してC6H5MgBrのTHF溶液を得た。この溶液の電気伝導度を北斗電工社製ガルバノスタット「HA−151」と伝導度測定用セル(10ml)で測定したところ1.4(10−3S/mであった。この値は、二次電池の電解液として使用可能なレベルと考えられる。
【0026】
次に、この溶液のサイクリックボルタノグラフ測定(CV測定)を北斗電工社製ガルバノスタット「HA−151」と関数発生器「HB−111」を組み合わせた装置を用い、室温(20℃)で行ったところ、図1に示すCVカーブを得た。図1から、この電解液の金属マグネシウム参照極(MgRE)に対する耐酸化分解電圧である分解開始電圧は約3.8Vであることが判る。これはオーバッハらが見いだしたMg[Al(C2H5)(C4H9)Cl2]2のTHF溶液の分解開始電圧2.3Vよりはるかに高い。
【0027】
次に電池を作製するため、まず微細孔を有するステンレスフィルターからなるポケット状容器に、金属マグネシウム片を充填して負極とした。次に粉末状五酸化バナジウムV2O5とグラファイト粉末を9:1の重量比で混合したものを前記ステンレスフィルター製容器に充填して正極とした。最後に、これら両電極と前記電解液をポリエチレン製容器に入れることによって電池とした。この電池の両極間に電圧計を挿入し、事実上の起電力である開放電圧を測定したところ2.2Vであった。この値は、この電解液の分解開始電圧である3.8Vよりかなり小さな値である。このことは、2.2V〜3.8Vの広い範囲で、しかも例えば急速充電等に有利な高電圧での充電に対応できることを意味する。
【0028】
(比較例)
比較例としてオーバッハらのMg[Al(C2H5)(C4H9)Cl2]2とほとんど同じCVカーブを示すMg[Al(C2H5)2Br2]2について実験を行った。
【0029】
コベルコ科研社製マグナリウム(アルミニウム70重量%、マグネシウム30重量%の合金)2.71g、臭化エチル(C2H5Br)14.64g、沃素0.05gを100ml丸底フラスコに入れ、乾燥窒素気流中でマグネチックスターラーで攪拌しつつオイルバス中で室温から徐々に昇温し、6時間かかって135℃に至らしめ、無色粘稠な液体であるジエチルブロモアルミニウム(C2H5)2AlBrと白色固体である臭化マグネシウムMgBr2の混合物を得た。このときの反応は以下の反応式1で示される。
【0030】
【化1】
ここまでの操作は第4版実験化学講座第24巻(丸善)p98に記載されている(C2H5)2AlBrの合成方法に従った。
【0031】
次にこの混合物の温度をさらに160℃〜170℃に上げ、8時間加熱したところフラスコ内容物はほとんど固体になった。このときの反応は以下の反応式2で示される。
【0032】
【化2】
この固体生成物をTHFに溶かして濃度0.2Mの電解質溶液を作製した。この電解液のCVカーブを、マグネシウムリボンを参照電極とし、白金線を作用極(直径0.3mm、長さ5mm)に用いて測定したところ、図2に示す結果となった。図2から、この電解液は2.3Vで分解し始めることが判る。
【0033】
次に実施例1と同様に、電解液のみをこの0.2M−Mg[Al(C2H5)2Br2]2のTHF溶液に変えて、電池を作製した。実施例1と同様に測定したこの電池の開放電圧は2.2Vであり、用いた電解質の分解開始電位とほとんど等しかった。また、この電池に充電を想定した2.2Vをかけると当初無色だった電解液が茶色になり、酸化されることが認められた。
【0034】
実施例と比較例とを比較すると、電解液をC6H5MgBrのTHF溶液とした実施例では分解開始電圧が約3.8Vであったのに対して、電解液をMg[Al(C2H5)2Br2]2のTHF溶液とした比較例では分解開始電圧が約2.3Vで、2.2Vでも電解液が酸化し茶色に変化している。従って、実施例に示す本発明の二次電池は、高電圧での充電が可能であることが判った。また、本発明の二次電池に使用する電解液は、分解電圧が高いことが示された。
【0035】
つまり、本発明によれば、負極活物質をマグネシウム金属、正極活物質をマグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属化合物とし、電解液を、マグネシウム原子に芳香族原子団及び一つのハロゲン原子が結合した原子団を含む化合物を電解質と、エーテル系化合物液を溶媒と、を含む電解液とすることにより、高い安全性を有し、安価で、高い電気容量密度を有し、かつ、高い充電電圧が可能な二次電池を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の電解質溶液を用いれば、充電電圧が2.3V以上のマグネシウム二次電池を作ることができ、現在鉛蓄電池やニッケル・カドミウム電池が用いられている中型・大型電池用途に使える。また本電解質をポリエチレンオキサイド(PEO)などのポリマーと混ぜてゲル電解質とすれば、固体高分子型のマグネシウム二次電池が作成でき、携帯情報機器に使用できる。このような電池はリチウム電池より安価で安全であり、また環境負荷が鉛電池やニッケル−カドミウム電池より小さい、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】C6H5MgBrのTHF溶液のCVカーブ
【図2】Mg[Al(C2H5)2Br2]2のTHF溶液のCVカーブ
Claims (4)
- 負極活物質がマグネシウム金属、正極活物質がマグネシウムイオンのインターカレーションが可能な遷移金属化合物であって、電解液が、マグネシウム原子に芳香族原子団及び一つのハロゲン原子が結合した原子団を含む化合物を含む電解質と、エーテル系化合物液からなる溶媒とからなる、ことを特徴とする二次電池。
- 請求項1記載の二次電池であって、充電電圧が2.3V以上であることを特徴とする二次電池。
- 請求項1記載の二次電池であって、前記電解質がハロゲノフェニルマグネシウムC6H5MgX(X=Cl,Br)であることを特徴とするマグネシウム二次電池。
- 請求項1記載の二次電池であって、前記電解質がC6H5MgX(X=Cl,Br)及びポリエチレンオキサイド(PEO)を含むポリマーゲル電解質であることを特徴とするマグネシウム二次電池。
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