JP5278589B1 - マグネシウムイオン二次電池およびこれを用いた電池パック - Google Patents
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Abstract
【課題】電池容器が腐食することなく、また電池性能が低下することがない、マグネシウムイオン二次電池およびこれを用いた電池パックを提供すること。
【解決手段】マグネシウムイオン二次電池において電池容器の電解質と接する部分をポリマーまたはケイ酸塩ガラスとし、正極板と正極取り出し線との接続部分、または、負極板と負極取り出し線との接続部分を、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスによって被覆する。
【選択図】図2
【解決手段】マグネシウムイオン二次電池において電池容器の電解質と接する部分をポリマーまたはケイ酸塩ガラスとし、正極板と正極取り出し線との接続部分、または、負極板と負極取り出し線との接続部分を、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスによって被覆する。
【選択図】図2
Description
本発明は、マグネシウムイオン二次電池および電池パックに関し、詳しくは、マグネシウムイオン二次電池を含む電池パックに関する。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、クリーンなエネルギー源としてリチウムイオン二次電池等に代表される二次電池に関する積極的な研究開発が進められている。
さらに、近時、リチウム金属よりも高いエネルギー密度を有する二次電池が模索されており、リチウム金属よりも高いエネルギー密度を有し、資源的に豊富であるとともに安全性に優れるマグネシウム金属を用いたマグネシウムイオン二次電池が注目を集めている。
マグネシウムイオン二次電池に関する先行技術文献としては、以下に示す特許文献1などを挙げることができる。
本願発明者らは、リチウムイオン二次電池において使用可能な電池容器をマグネシウムイオン二次電池に単純に流用すると、当該電池容器が腐食してしまい強度的な問題が生じてしまうこと、さらには、電池容器から何らかの物質が電解質中に溶け出し、著しく電池性能が低下すること、という新たな課題を見出し、本願発明をするに至った。
つまり、本願発明が解決しようとする主たる課題は、電池容器が腐食することを抑制し、また電池性能が低下することを抑制する、マグネシウムイオン二次電池およびこれを用いた電池パックを提供することである。
上記課題を解決するための本願発明は、正極集電体を有する正極板と、負極集電体を有する負極板と、マグネシウムイオンを含む電解質と、前記正極板と接続された正極取り出し線と、前記負極板と接続された負極取り出し線と、これらを収納するための電池容器と、を含むマグネシウムイオン二次電池であって、前記電池容器の前記電解質と接する部分は、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスであり、前記正極板と前記正極取り出し線との接続部分、または、前記負極板と前記負極取り出し線との接続部分が、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスによって被覆されていることを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するための本願発明は、収納ケースと、マグネシウムイオン二次電池と、過充電保護機能および過放電保護機能を含む保護回路とを含み、該収納ケースにマグネシウムイオン二次電池および該保護回路が収納されて構成される電池パックであって、前記マグネシウムイオン二次電池は、正極集電体を有する正極板と、負極集電体を有する負極板と、マグネシウムイオンを含む電解質と、前記正極板と接続された正極取り出し線と、前記負極板と接続された負極取り出し線と、これらを収納するための電池容器と、を含み、前記電池容器の前記電解質と接する部分は、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスであり、前記正極板と前記正極取り出し線との接続部分、または、前記負極板と前記負極取り出し線との接続部分が、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスによって被覆されていることを特徴とする。
本発明のマグネシウムイオン二次電池およびこれを用いた電池パックによれば、電池容器の電解質と接触する部分がポリマーまたはケイ酸塩ガラスであるため、当該電池容器が腐食したり電池性能が低下したりすることを抑制できる。
以下、本発明の実施形態、および本発明と関連する参考実施形態にかかるマグネシウムイオン二次電池について図面を用いて具体的に説明する。
図1は、参考実施形態にかかるマグネシウムイオン二次電池を説明するための概略断面図である。
図1に示すように、参考実施形態にかかるマグネシウムイオン二次電池10は、正極集電体を有する正極板1と、負極集電体を有する負極板2と、マグネシウムイオンを含む電解質3と、前記正極板と接続された正極取り出し線4と、前記負極板と接続された負極取り出し線5と、これらを収納するための電池容器6と、を含んで構成されている。また、正極板1と負極板2との間には、セパレータ20が設けられていてもよい。なお、電解質3は電池容器6内に充填された状態となっている。そして、前記電池容器6の前記電解質と接する部分、つまり、本実施形態においては、電池容器6の内周全面が、ポリマーまたはケイ酸塩ガラス7となっていることを特徴としている。
このように、電池容器6においてこれに充填される電解質3と接触する部分、つまり電池容器6の内周全面をポリマーまたはケイ酸塩ガラス7とすることにより、電池容器6が電解質3に侵される、より具体的には腐食することを防止することができ、その結果、電池容器6の強度を経時的に維持することができるとともに、電池容器6が電解質3中に溶け出すことによる電池性能の低下を防止することもできる。
電池を構成する種々の構成物品を電池容器に収納してマグネシウムイオン二次電池とした場合に、電池容器が腐食したり、電池性能が著しく低下したりする原因については、必ずしも明確ではないが、本願発明者らの鋭意研究の結果、電池容器として各種金属を用いた場合であって、当該金属とマグネシウムイオン二次電池を構成する電解質中に含まれているマグネシウムイオンとが接触した場合に、上記の問題が生じることを最初に見出したものである。本願発明において電池容器の電解質と接する部分をポリマーまたはケイ酸塩ガラスとするのは、要すれば、マグネシウムイオン二次電池を構成するために必要な正極板や負極板を除き、マグネシウムイオンを含む電解質と金属とを可能な限り接触させないためであり、換言すれば電池容器内に金属を可能な限り露出させないことが本願発明の技術的思想であると言える。
ここで、図1においては、電池容器6の内周全面にポリマーまたはケイ酸塩ガラス7の皮膜が電池容器6とは別体として設けられているが、このような態様に限定されることはなく、電池容器6そのものをポリマーまたはケイ酸塩ガラスで形成することも可能である。
また、図1に示すように、電池容器6の内周全面にポリマーまたはケイ酸塩ガラス7の皮膜を形成する方法についても特に限定されることはなく、当該皮膜を別体として形成し、これを接着剤等により電池容器6の内周に載置してもよく、塗布、積層、さらには蒸着などにより電池容器6の内周全面に直接的に形成してもよい。より具体的には、電池容器6の形状により適宜選択することが可能であり、例えば、融解させたポリマー、溶剤に溶解させたポリマー、さらには溶剤に分散させたケイ酸塩ガラスなどをロールコート、スピンコート、ディップコート法などで塗布し、乾燥させて形成してもよいし、フィルム状のポリマーやケイ酸塩ガラスをラミネート法で形成してもよい。また、物理蒸着や化学蒸着などの蒸着法を用いて形成してもよい。このように、電池容器6とは別にポリマーまたはケイ酸塩ガラス7からなる皮膜を形成することにより、電池容器6自体の材質の選択幅を広げることができ、例えば、リチウムイオン二次電池において用いられている各種金属製の電池容器6を流用することができる点で好ましい。
さらに、図1においては、電池容器6の内周全面をポリマーまたはケイ酸塩ガラス7としているが、必ずしも全面である必要はなく、電解質3と接触する部分を余すことなくポリマーまたはケイ酸塩ガラスとすれば必要十分である。
用いられるポリマーについても特に限定することはなく、従来公知の各種ポリマーを適宜選択して用いることができる。具体的には、エチレン系ポリマーやプロピレン系ポリマーなどのオレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、エステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、および(メタ)アクリル系ポリマーなどが挙げられる。
ここで、参考実施形態にあっては、正極板1と接続された正極取り出し線4の材質を、正極板1を構成する正極集電体の材質と同じとすることが好ましく、また、負極板2と接続された負極取り出し線5の材質を、負極板2を構成する負極集電体の材質と同じとすることが好ましく、さらには、これら両方を同時に行うことが特に好ましい。
電池容器の腐食および電池性能の低下の原因は必ずしも明確ではないが、電池容器を構成する金属と電解質中に含まれているマグネシウムイオンとの接触が問題であると仮定した場合、正極取り出し線4および負極取り出し線5に集電体とは別材質の金属を用いると、当該取り出し線が腐食し、これが原因で電池性能が低下することが懸念されるところ、これらを集電体と同じ材質により形成することにより、このような懸念を払拭することができる。なお、具体的な材質については後述する。また、材質が同じとは、主成分の元素の種類が同じであることを意味する。
図2は、本発明の実施形態にかかるマグネシウムイオン二次電池を説明するための概略断面図である。
なお、図1と同じ構成については同じ符号を付与し、詳細な説明は省略する。
図2に示すマグネシウムイオン二次電池10は、電池容器6の内周全面がポリマーまたはケイ酸塩ガラス7となっているのみならず、正極板1と前記正極取り出し線4との接続部分、および負極板2と前記負極取り出し線5との接続部分が、ポリマーまたはケイ酸塩ガラス7'によって被覆されている点に特徴を有している。
このように、正極板1と前記正極取り出し線4との接続部分、および負極板2と前記負極取り出し線5との接続部分をポリマーまたはケイ酸塩ガラス7'によって被覆すること
により、正極取り出し線4および負極取り出し線5の材質が集電体と異なる金属であったとしても、マグネシウムイオンを含む電解質3と直接接触することを防止でき、その結果、腐食や電池性能の低下を防止することができる。つまり、本実施態様においては、正極取り出し線4および負極取り出し線5の材料の選択の幅を広げることができる。
により、正極取り出し線4および負極取り出し線5の材質が集電体と異なる金属であったとしても、マグネシウムイオンを含む電解質3と直接接触することを防止でき、その結果、腐食や電池性能の低下を防止することができる。つまり、本実施態様においては、正極取り出し線4および負極取り出し線5の材料の選択の幅を広げることができる。
ここで、正極板1と前記正極取り出し線4との接続部分、および負極板2と前記負極取り出し線5との接続部分をポリマーまたはケイ酸塩ガラス7'によって被覆する方法につ
いては特に限定することはなく、塗布、積層、さらには蒸着など、種々の方法を適宜選択して用いればよい。具体的には、例えば、接続部分および正極取り出し線4または負極取り出し線5において電解液に接触する部分にテープ状のポリマー製ヒートシール材を巻きつけて積層することで被覆し、オーブンでヒートシール材の溶融温度まで加熱した後、室温で冷却し固定することにより当該部分をポリマーで被覆することができる。
いては特に限定することはなく、塗布、積層、さらには蒸着など、種々の方法を適宜選択して用いればよい。具体的には、例えば、接続部分および正極取り出し線4または負極取り出し線5において電解液に接触する部分にテープ状のポリマー製ヒートシール材を巻きつけて積層することで被覆し、オーブンでヒートシール材の溶融温度まで加熱した後、室温で冷却し固定することにより当該部分をポリマーで被覆することができる。
図3は、参考実施形態にかかるマグネシウムイオン二次電池を説明するための概略断面図である。
なお、図1と同じ構成については同じ符号を付与し、詳細な説明は省略する。
図3に示すマグネシウムイオン二次電池10は、図1や図2に示したマグネシウムイオン二次電池10と同様、電池容器6の内周全面がポリマーまたはケイ酸塩ガラス7となっており、さらに、正極板1と正極取り出し線4との接続部分、および負極板2と負極取り出し線5との接続部分が、電池容器6の外側に位置している点に特徴を有している。
このように、正極板1と正極取り出し線4との接続部分、および負極板2と負極取り出し線5との接続部分を電池容器6の外側に位置せしめる、つまり、そもそも電解質3と接触しないようにすることにより、取り出し線4、5の材質の如何に関わらず腐食や電池性能の低下が生じることがない。
以上、図1〜3を用いて、具体的な実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはなく、当該技術的思想の範疇において、自由に設計変更が可能である。
以下に、図1〜3に示した実施形態にかかるマグネシウムイオン二次電池において、上記で説明した以外の各構成について説明する。
正極板1としては、正極集電体および正極活物質を有していれば特に限定されることはなく、マグネシウムイオン二次電池の正極板として従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、正極板1は、正極集電体とその上に設けられた正極活物質とから構成されるのが一般的であり、この場合の正極集電体としては、厚みが10〜100μm程度のアルミニウム板、金板、白金板等が用いられる。また、正極活物質の材質としては、マグネシウムイオンを可逆的に挿入・脱離することができるものであればよく、例えば、フッ化黒鉛((CF)n)、二酸化マンガン(MnO2)等のマンガン酸化物、五酸化ニバナジウム(V2O5)等のバナジウム酸化物、硫黄および硫黄化合物、マグネシウム銅酸化物(MgxCuyOz)、マグネシウム鉄酸化物(MgxFeyOz)、シェブレル化合物などが用いられる。
負極板2としても、正極集電体および負極活物質を有していれば特に限定されることはなく、マグネシウムイオン電池の負極板として従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、負極板2は、正極板1と同様、負極集電体とその上に設けられた負極活物質とから構成してもよく、この場合の負極集電体としては、厚みが10〜100μm程度の銅板、金板、白金板等が用いられる。また、負極活物質の材質としては、マグネシウムイオンを供給することができればよく、各種マグネシウム合金を適宜用いればよい。また、マグネシウムイオン二次電池の負極板2としては、負極集電体と負極活物質の両方の機能をマグネシウム合金に担わせることもできる。この場合負極板2の材質がそのまま負極活物質の材質となる。
電解質3についても特に限定されることはなく、水系溶媒や有機溶媒を用いた電解液、イオン性液体、固体電解質、ゲル電解質等を使用することができる。電解質の一例として、マグネシウムイオンの挿入・脱離が可能なものとして公知な電解質、例えば、グリニャール試薬(RMgX:Rはアルキル基又はアリール基であり、Mgはマグネシウムであり、Xはヨウ素、臭素、塩素の何れかである。)のエーテル溶液、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO4)2)、臭化マグネシウム(MgBr2)、硝酸マグネシウム(Mg(NO3)2)、マグネシウムエトキシド、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム(Mg(TFS)2)、マグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(Mg(TFSI)2)を、4−ブチロラクトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ブチルメチルエーテル、炭酸プロピレン、ジメトキシエタン溶媒に溶解した溶液等を挙げることができる。
セパレータ20は、マグネシウムイオン二次電池10に必須の構成ではないが、図1〜3に示すように、正極板1と負極板2とを順次積層して電池容器6内に収納するタイプのマグネシウムイオン二次電池にあっては、正極板1と負極板2とを絶縁するためにこれらの間に設けることが好ましい。セパレータ20の材質については特に限定されることはなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、セルロール製など単層または多層の多孔質フィルムなど従来公知の材質を用いることができる。
上記のように、正極板1、負極板2、電解質3、正極取り出し線4、負極取り出し線5および電池容器6とで構成されるマグネシウムイオン電池の構造としては、図1〜3に示すような構造に限定されることはなく、従来公知の構造を適宜選択して用いることができる。例えば、図示はしないが、正極板及び負極板をセパレータを介して渦巻状に巻き回して、電池容器内に収納する構造が挙げられる。また別の態様としては、所定の形状に切り出した正極板及び負極板を、セパレータを介して積層して固定し、これを電池容器内に収納する構造を採用してもよい。いずれの構造においても、正極板及び負極板を電池容器内に収納後、正極板に取り付けられた正極取り出し線を外装容器に設けられた正極端子に接続し、一方、負極板に取り付けられた負極取り出し線を外装容器内に設けられた負極端子に接続し、さらに電池容器内に電解質を充填した後、密封することによってマグネシウムイオン二次電池が製造される。なお、電解質として、固体電解質やゲル電解質等を用いる場合には、セパレータを不要にすることができる。
図4は、本発明の実施形態にかかるマグネシウムイオン二次電池パックの分解斜視図である。
図4に示すように電池パック40は、マグネシウムイオン二次電池10が樹脂容器36a、樹脂容器36b、および端部ケース37に収納されて構成される。また、マグネシウムイオン二次電池の一端面であって、正極端子32および負極端子33を備える面と、端部ケース37との間には、過充電や過放電を防止するための保護回路基板34が設けられている。
保護回路基板34は、外部接続コネクタ35を備えており、外部接続コネクタ35は、樹脂容器36aに設けられた外部接続用窓38a、および、端部ケース37に設けられた外部接続用窓38bに挿入され外部端子と接続される。また、保護回路基板34には、図示しない、充放電を制御するための充放電安全回路、外部接続端子とマグネシウムイオン二次電池10とを導通させるための配線回路などが搭載されている。
電池パック40は、本発明のマグネシウムイオン二次電池10を用いること以外は、従来公知の電池パックの構成を適宜選択することができる。図示しないが、電池パック40は、マグネシウムイオン二次電地10と端部ケース37との間に、正極端子32と接続する正極リード板、負極端子33と接続する負極リード板、絶縁体などを適宜備えていてもよい。
なお、本発明のマグネシウムイオン二次電池10は、電池パックへの使用態様以外に、上記保護回路に、さらに過大電流の遮断、電池温度モニター等の機能を備え、且つ、該保護回路をマグネシウムイオン二次電池10に一体化させて取り付けられる態様に用いられてもよい。かかる態様では、電池パックを構成することなく、保護機能および保護回路を含むマグネシウムイオン二次電池として使用することができ、汎用性が高い。
次に実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(参考例1)
作用極に厚さ10μmのCu(古河電気工業(株)製)、対極と参照極に厚さ50μmのMg合金(AZ31、日本金属(株)製)、電解質として0.5Mのフェニルマグネシウムブロミド(PhMgBr)/テトラヒドロフラン(THF)を用い、これらをケイ酸塩ガラスの電池容器に収納して、参考例1の三極式セルを作製した。なお、Cuの作用極には、Cuの取り出し線を超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合して取り付けた。対極と参照極では取り出し線は用いなかった。電池容器と取り出し線や電極板との接触部分はゴムのオーリングを用いて封止した。
作用極に厚さ10μmのCu(古河電気工業(株)製)、対極と参照極に厚さ50μmのMg合金(AZ31、日本金属(株)製)、電解質として0.5Mのフェニルマグネシウムブロミド(PhMgBr)/テトラヒドロフラン(THF)を用い、これらをケイ酸塩ガラスの電池容器に収納して、参考例1の三極式セルを作製した。なお、Cuの作用極には、Cuの取り出し線を超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合して取り付けた。対極と参照極では取り出し線は用いなかった。電池容器と取り出し線や電極板との接触部分はゴムのオーリングを用いて封止した。
(実施例1)
作用極に厚さ10μmのCu(古河電気工業(株)製)、対極と参照極に厚さ50μmのMg合金(AZ31、日本金属(株)製)、電解質として0.5Mのフェニルマグネシウムブロミド(PhMgBr)/テトラヒドロフラン(THF)を用い、これらをフィルム状のアルミニウムおよびポリマーからなりかつ当該電池容器の内側にプロピレン系ポリマー層を設けている電池容器(D−EL40H、大日本印刷(株)製)に収納して、実施例1の三極式ラミネートセルを作製した。なお、Cuの作用極には、Niの取り出し線(宝泉(株)製)を、超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合して取り付けた後、さらに、その接合部分および取り出し線の電解液に触れる部分に、ポリオレフィン系ポリマー(シーラントフィルムPPAN、宝泉(株)製)を巻き付けて、ポリオレフィン系ポリマーを150℃のオーブンで溶融させて、室温で冷却することで、ポリマーを被覆した。対極と参照極では取り出し線は用いなかった。電池容器と取り出し線や電極板との接触部分はポリオレフィン系ポリマー(シーラントフィルムPPAN、宝泉(株)製)を用いて封止した。
作用極に厚さ10μmのCu(古河電気工業(株)製)、対極と参照極に厚さ50μmのMg合金(AZ31、日本金属(株)製)、電解質として0.5Mのフェニルマグネシウムブロミド(PhMgBr)/テトラヒドロフラン(THF)を用い、これらをフィルム状のアルミニウムおよびポリマーからなりかつ当該電池容器の内側にプロピレン系ポリマー層を設けている電池容器(D−EL40H、大日本印刷(株)製)に収納して、実施例1の三極式ラミネートセルを作製した。なお、Cuの作用極には、Niの取り出し線(宝泉(株)製)を、超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合して取り付けた後、さらに、その接合部分および取り出し線の電解液に触れる部分に、ポリオレフィン系ポリマー(シーラントフィルムPPAN、宝泉(株)製)を巻き付けて、ポリオレフィン系ポリマーを150℃のオーブンで溶融させて、室温で冷却することで、ポリマーを被覆した。対極と参照極では取り出し線は用いなかった。電池容器と取り出し線や電極板との接触部分はポリオレフィン系ポリマー(シーラントフィルムPPAN、宝泉(株)製)を用いて封止した。
(参考例2)
作用極に厚さ10μmのCu(古河電気工業(株)製)、対極と参照極に厚さ50μmのMg合金(AZ31、日本金属(株)製)、電解質として1.5Mの臭化マグネシウム/2−メチルテトラヒドロフランを用い、これらをフィルム状のアルミニウムおよびポリマーからなり、当該電池容器の内側にプロピレン系ポリマー層を設けている電池容器(D−EL40H、大日本印刷(株)製)に収納して、参考例3の三極式ラミネートセルを作製した。なお、Cuの作用極には、Niの取り出し線(宝泉(株)製)を超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合し、その接続部分が当該電池容器の外側に位置するようにした。
作用極に厚さ10μmのCu(古河電気工業(株)製)、対極と参照極に厚さ50μmのMg合金(AZ31、日本金属(株)製)、電解質として1.5Mの臭化マグネシウム/2−メチルテトラヒドロフランを用い、これらをフィルム状のアルミニウムおよびポリマーからなり、当該電池容器の内側にプロピレン系ポリマー層を設けている電池容器(D−EL40H、大日本印刷(株)製)に収納して、参考例3の三極式ラミネートセルを作製した。なお、Cuの作用極には、Niの取り出し線(宝泉(株)製)を超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合し、その接続部分が当該電池容器の外側に位置するようにした。
(比較例1)
材質がステンレスの電池容器(簡易型評価セル、東洋システム製)を用いたこと、および下記のこと以外はすべて実施例1と同様の条件により、比較例1の三極式セルを作製した。なお、参照極には、Niの取り出し線(宝泉(株)製)を超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合して取り付けた。作用極と対極では取り出し線は用いなかった。取り出し線や電極板は電池容器の内側のステンレスに接合し、電池容器の外側に付属している取り出し部が使用できるようにした。
材質がステンレスの電池容器(簡易型評価セル、東洋システム製)を用いたこと、および下記のこと以外はすべて実施例1と同様の条件により、比較例1の三極式セルを作製した。なお、参照極には、Niの取り出し線(宝泉(株)製)を超音波溶接機(日本エマソン(株)製)にて接合して取り付けた。作用極と対極では取り出し線は用いなかった。取り出し線や電極板は電池容器の内側のステンレスに接合し、電池容器の外側に付属している取り出し部が使用できるようにした。
(比較例2)
電解質として1.5Mの臭化マグネシウム/2−メチルテトラヒドロフランを用いたこと以外はすべて比較例1と同様の条件により、比較例2の三極式セルを作製した。
電解質として1.5Mの臭化マグネシウム/2−メチルテトラヒドロフランを用いたこと以外はすべて比較例1と同様の条件により、比較例2の三極式セルを作製した。
(C−V評価)
前記実施例1、参考例1〜2と比較例1〜2の三極式セルのそれぞれについて、C−V評価を実施した。なお、C−V評価は、−1.0Vまで電位を掃引した後、1.5Vまで掃引し、この作業を3回程度繰り返すことにより測定されるものであり、このときの走査速度は10mV/秒とした。
前記実施例1、参考例1〜2と比較例1〜2の三極式セルのそれぞれについて、C−V評価を実施した。なお、C−V評価は、−1.0Vまで電位を掃引した後、1.5Vまで掃引し、この作業を3回程度繰り返すことにより測定されるものであり、このときの走査速度は10mV/秒とした。
C−V評価の結果は、実施例1および参考例1〜2で同様のカーブ形状で、安定的な酸化還元電流により、マグネシウムイオンの析出溶解が確認できたのに対し、比較例1〜2では、電流値が不安定で、還元電流の電位が低電位にシフトしたりした。電流が不安定になったのは、電解液中のマグネシウムイオンが容器材質であるステンレス中の金属と接触して電気化学的な反応が起こり、マグネシウムの析出溶解反応が阻害されたことに起因し、電位がずれたのは参照電極のマグネシウムがステンレス由来の金属と反応したことに起因すると考えられる。
1・・・正極板
2・・・負極板
3・・・電解質
4・・・正極取り出し線
5・・・負極取り出し線
6・・・電池容器
7・・・ポリマーまたはケイ酸塩ガラス
10・・・マグネシウムイオン二次電池
20・・・セパレータ
40・・・電池パック
2・・・負極板
3・・・電解質
4・・・正極取り出し線
5・・・負極取り出し線
6・・・電池容器
7・・・ポリマーまたはケイ酸塩ガラス
10・・・マグネシウムイオン二次電池
20・・・セパレータ
40・・・電池パック
Claims (2)
- 正極集電体を有する正極板と、負極集電体を有する負極板と、マグネシウムイオンを含む電解質と、前記正極板と接続された正極取り出し線と、前記負極板と接続された負極取り出し線と、これらを収納するための電池容器と、
を含むマグネシウムイオン二次電池であって、
前記電池容器の前記電解質と接する部分は、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスであり、
前記正極板と前記正極取り出し線との接続部分、または、前記負極板と前記負極取り出し線との接続部分が、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスによって被覆されていることを特徴とするマグネシウムイオン二次電池。 - 収納ケースと、マグネシウムイオン二次電池と、過充電保護機能および過放電保護機能を含む保護回路とを含み、該収納ケースにマグネシウムイオン二次電池および該保護回路が収納されて構成される電池パックであって、
前記マグネシウムイオン二次電池は、正極集電体を有する正極板と、負極集電体を有する負極板と、マグネシウムイオンを含む電解質と、前記正極板と接続された正極取り出し線と、前記負極板と接続された負極取り出し線と、これらを収納するための電池容器と、を含み、前記電池容器の前記電解質と接する部分は、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスであり、前記正極板と前記正極取り出し線との接続部分、または、前記負極板と前記負極取り出し線との接続部分が、ポリマーまたはケイ酸塩ガラスによって被覆されていることを特徴とするマグネシウムイオン二次電池パック。
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