JP2011054389A - 二次電池及び正極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バナジウムを含み多価金属を吸蔵・放出する二次電池において、電池特性をより高める。
【解決手段】本発明の二次電池は、多価金属を吸蔵・放出可能な負極と、バナジウムを含む正極活物質と炭素材料とを含む正極活物質層を有する正極と、多価金属のイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、を備えている。この正極は、バナジウムと炭素材料とを混合した混合材料を調製し、混合工程で得られた混合材料を酸化雰囲気において275℃以上で熱処理して作製されている。そして、正極活物質層は、X線回折測定すると2θが12.2°、15.4°、20.3°及び29.2°に回折ピークを有し、正極活物質層は、窒素吸着測定を行いBJH法により解析すると細孔半径2nmを含む所定の細孔半径範囲でのLog微分細孔容積の平均値である平均細孔容積Vdが1.50×10-2cm3/g以上を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池及び正極の製造方法に関し、更に詳しくは多価金属を用いた二次電池及び正極の製造方法に関する。
従来、この種の二次電池としては、マグネシウムイオンを吸蔵放出する材料として、五酸化バナジウム/炭素複合材料を正極の活物質に利用することが提案されている(例えば、非特許文献1,2参照)。この非特許文献1では、マグネシウムの挿入サイトとして、酸化バナジウムのピラミッドの内部サイトと層間サイトとの2つが存在し、五酸化バナジウム/炭素複合材料は、五酸化バナジウムと炭素材料との単なる混合物に比して、層間隔がより大きく、拡散長さがより小さい特性を示し、層間サイトをより利用しやすく、マグネシウムを吸蔵・放出する正極活物質として有用であることが提案されている。また、非特許文献2では、五酸化バナジウム/炭素複合材料を用いると、急速充放電にも対応することができると提案されている。
Solid State Ionics,161,173(2003) Jounal of The Electrochemical Society,150,A753−A758(2003)
上述の非特許文献1,2に記載の五酸化バナジウム/炭素複合材料では、作製時の熱処理温度が120℃と比較的低く、図8に示すように、酸化バナジウムの層間に、2種類の水が存在する積層構造を有している。即ち、2種類の水を含む状態の積層構造によりマグネシウムイオンの吸蔵・放出が円滑に行われるのである。しかしながら、二次電池の構成では、非水系の電解液を用いることから、上述の非特許文献1,2に記載の正極活物質に含まれる水分が電解液へ溶出すると、例えばマグネシウム金属やマグネシウム合金などの負極と反応して酸化物層(水酸化物層)を形成するため、繰り返し充放電時などに、電池性能が低下する問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、バナジウムを含み多価金属を吸蔵・放出するものにおいて、電池特性をより高めることができる二次電池及び正極の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、バナジウムと炭素材料とを含む混合材料を所定の温度範囲で熱処理し、酸化バナジウムから水分を除去すると共に、炭素材料を一部酸化して細孔を形成すると、多価金属を吸蔵・放出するものにおいて電池特性をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の二次電池は、
多価金属を用いた二次電池であって、
前記多価金属を吸蔵・放出可能な負極と、
バナジウムを含む正極活物質と炭素材料とを含む正極活物質層を有する正極と、
前記負極と前記正極との間に介在し前記多価金属のイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、を備え、
前記正極活物質層は、X線回折測定すると2θが12.2°、15.4°、20.3°及び29.2°に回折ピークを有し、
前記正極活物質層は、窒素吸着測定を行いBJH法により解析すると細孔半径2nmを含む所定の細孔半径範囲でのLog微分細孔容積の平均値である平均細孔容積Vdが1.50×10-2cm3/g以上であるものである。
また、本発明の正極の製造方法は、
多価金属を用いた二次電池の正極の製造方法であって、
バナジウムと炭素材料とを混合した混合材料を調製する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合材料を酸化雰囲気において275℃以上で熱処理する熱処理工程と、
を含むものである。
本発明では、バナジウムを含み多価金属を吸蔵・放出するものにおいて、電池特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、多価金属(MgやAlなど)の吸蔵・放出には、酸化バナジウムの層間などに結晶水が存在すると多価金属が移動しやすく好ましいことから、酸化バナジウムから結晶水を除去せずに利用するのが一般的である。しかしながら、この場合、水がイオン伝導媒体中に溶出し、負極活物質の表面で酸化物又は水酸化物を形成することにより、負極が不活性化することがあった。一方、酸化バナジウムから結晶水を単に除去すると、酸化物の結晶化や緻密化など構造変化が進行することにより、多価金属の吸蔵・放出性が低下し、電池性能が低下することがあった。本発明では、熱処理により酸化バナジウムの層間などに存在する水分を除去することによって、正極活物質層をCu管球を用いてX線回折測定すると2θが12.2°、15.4°、20.3°及び29.2°に回折ピークを有するものとし、水との反応により生じる負極の不活性化を抑制するのである。また、これに加え、バナジウムと炭素材料とを混合して酸化雰囲気下で熱処理することにより、炭素材料を燃焼させ平均細孔容積Vdが1.50×10-2cm3/g以上であるものとする、即ち細孔容積を増加することによって活物質層とイオン伝導媒体との接触性を高め、多価金属の吸蔵・放出性の低下を抑制するのである。したがって、バナジウムを含み多価金属を吸蔵・放出するものにおいて、電池特性をより高めることができるものと推察される。
バナジウム錯体をゾル化したのち炭素材料を混合する処理の概念図。 バナジウム錯体と炭素材料とを混合したのちゾル化する処理の概念図。 25の熱処理条件と重量変化との関係を表す図。 炭素材料の熱処理条件と重量変化との関係を表す図。 熱処理後の混合材料のX線回折の測定結果。 各サンプルの細孔分布曲線。 熱処理温度とバナジウム利用率との関係を表す図。 五酸化バナジウムの層状構造の説明図。
本発明の二次電池は、多価金属を吸蔵・放出可能な負極と、バナジウムを含む正極活物質と炭素材料とを含む正極活物質層を有する正極と、負極と正極との間に介在し多価金属のイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、を備えている。多価金属としては、電池反応が起きる2価以上の金属であれば特に限定されないが、マグネシウム及びアルミニウムのうち少なくとも1以上であることが好ましく、マグネシウムがより好ましい。
本発明の二次電池の負極は、多価金属を含む負極活物質を集電体上に形成したものとしてもよい。負極活物質としては、多価金属の吸蔵・放出が可能である材料であれば特に限定されず、例えば多価金属や多価金属合金、多価金属を吸蔵する導電性高分子や層状化合物(炭素材料や金属酸化物等)などを用いることができる。多価金属としてマグネシウムを用いる場合、例えば、金属マグネシウム、金属マグネシウムとアルカリ金属との合金などを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、貴金属、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明の二次電池の正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥して正極活物質層とし、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、バナジウムを含む酸化物を用いるものとする。バナジウムを含む酸化物としては、五酸化バナジウム(V25)などが挙げられる。この正極活物質層は、X線回折測定すると2θが12.2°、15.4°、20.3°及び29.2°近傍に回折ピークを有している。この2θ=12.2°、29.2°近傍の回折ピークは斜方晶系のV25(無水)に由来し、2θ=15.4°、20.3°近傍の回折ピークは正方晶系のV25(無水)に由来する。即ち、正極活物質層に含まれる酸化バナジウムは、水分(例えば結晶水)を含まないものである。こうすれば、水が移動し負極上で反応することにより生じる負極の不活性化をより抑制することができ、ひいては電池特性をより向上することができる。ここで、回折ピークの存在する上記2θ値は、水の存在が低減されたV25を有することを趣旨とし、「近傍」と表現するように、それぞれ上下1°程度のピークシフトは許容するものとする。また、正極活物質層は、窒素吸着測定を行いBJH法により解析すると細孔半径2nmを含む所定の細孔半径範囲でのLog微分細孔容積の平均値である平均細孔容積Vdが1.50×10-2cm3/g以上であるものとする。こうすれば、正極活物質と電解液との接触性を高めることが可能であり、水の除去に伴う構造変化(緻密化や結晶化など)に起因して生じる多価金属の吸蔵・放出性の低減をより抑制することができる。この2nm近傍での平均細孔容積Vdは、正極活物質層の窒素吸着等温線を測定し、測定結果をBJH法により解析し、得られた解析結果を用い、細孔半径2nmに最も近い点を中心とし、この中心を含めた両側2点(計5点)のLog微分細孔容積(cm3/g)の平均値を計算して得た値とする。なお、細孔半径2nmに最も近い点を中心としこの中心を含めた両側2点(計5点)の範囲が「細孔半径2nmを含む所定の細孔半径範囲」に該当する。この2nm近傍での平均細孔容積Vdは、4.0×10-2cm3/g以上であることがより好ましく、6.0×10-2cm3/g以上であることが更に好ましい。また、この2nm近傍での平均細孔容積Vdは、正極活物質層の作成の容易性の観点から、1.0×10-1cm3/g以下であることが好ましい。
また、正極活物質層は、炭素材料の重量Wcと酸化バナジウムの重量Wvとの比である重量比Wc/Wvが0.30以上1.30以下であることが好ましく、0.80以上1.20以下であることがより好ましい。重量比Wc/Wvが1.30以下では、電池反応に関わる酸化バナジウムの量が相対的に大きくなり、酸化バナジウムと炭素材料との比率が好適であり好ましい。この炭素材料は、導電材として機能するものとしてもよい。こうすれば、重量比Wc/Wvが0.30以上では導電性をより確保することができる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、活性炭などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。このうち、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどがより好ましい。
正極に含まれる導電材としては、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、上述した炭素材料や金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、貴金属、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、負極と同様のものを用いることができる。
本発明の二次電池のイオン伝導媒体としては、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。非水電解液の溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、アセトニトリルがより好ましい。
本発明の二次電池に含まれている支持塩は、例えば、多価金属を含む塩を用いることができ、例えば多価金属の過塩素酸塩を用いることができる。また、その他、例えば、M(SO2CF3n(Mは多価金属、nはMの価数に伴う値)や、ホウフッ化塩(M(BF4n)、トリフルオロメチルスルホン酸塩(M(CF3SO3n)、ヘキサフルオロ燐酸塩(M(PF6n)などの塩が挙げられ、1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いてもよい。多価金属をマグネシウムとした場合、例えば、Mg(ClO42,Mg(SO2CH32,Mg(BF42,Mg(CF3SO32,Mg(PF62等のマグネシウム塩を用いることができ、このうちMg(ClO42を用いることが好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩の濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。
また、液状のイオン伝導媒体の代わりに、固体のイオン伝導性ポリマーをイオン伝導媒体として用いることもできる。イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、アクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーと支持塩とで構成されるポリマーゲルを用いることができる。更に、イオン伝導性ポリマーと非水系電解液とを組み合わせて用いることもできる。また、イオン伝導媒体としては、イオン伝導性ポリマーのほか、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質の混合材料、若しくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを利用することができる。
本発明の二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
次に、多価金属を用いた本発明の二次電池の正極の製造方法について説明する。本発明の正極の製造方法は、バナジウムと炭素材料とを混合した混合材料を調製する混合工程と、混合工程で得られた混合材料を酸化雰囲気において275℃以上で熱処理する熱処理工程と、を含むものである。
(混合工程)
この工程では、バナジウムと炭素材料とを混合し、混合材料を調製する。バナジウムは、金属粉末、塩、酸化物などを用いることができる。また、炭素材料としては、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック及びケッチェンブラックなどのカーボンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、活性炭などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。このうち、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどが導電性を向上する観点から、より好ましい。アセチレンブラック及びケッチェンブラックを混合して用いる際には、中実粒子であり熱処理で焼失しにくいアセチレンブラックと、中空粒子であり熱処理で焼失しやすいケッチェンブラックとの混合比率を経験的に求めることにより、正極活物質層の細孔容積などの特性を容易に制御することができる。この混合工程では、バナジウムを溶解したバナジウム錯体溶液からバナジウムを含むゾルを生成したのち、このゾルに炭素材料を混合することにより混合材料を調製するものとしてもよい。バナジウム錯体溶液は、例えば過酸化水素水溶液とするのが、その後ゾル化しやすいため好ましい。あるいは、混合工程では、バナジウムを溶解したバナジウム錯体溶液と炭素材料とを混合したのち、バナジウムを含むゾルを生成することにより混合材料を調製するものとしてもよい。こうすれば、バナジウムと炭素材料とをより均一に混合することができる。
(熱処理工程)
この工程では、混合材料を酸化雰囲気において275℃以上で熱処理する。熱処理温度は、275℃以上であるが、300℃以上であるのが好ましい。275℃以上で処理すると、酸化バナジウムに含まれる水分をより除去することができ好ましい。また、炭素材料の一部が燃焼し、正極活物質層の多孔質化を図る(特に2nm近傍での平均細孔容積Vdをより高める)ことができると考えられ、好ましい。図1は、バナジウム錯体をゾル化したのち炭素材料を混合する処理の概念図である。図1に示すように、熱処理によって炭素材料が焼失することにより、細孔容積が増加し、イオン伝導媒体との接触面積が増大するものと推測される。一般的に、酸化バナジウムは、結晶水を含んだ層状構造を有すると多価金属の吸蔵・放出を円滑に行うことができるとされている。また、水が溶出し、負極に移動すると、負極表面で酸化物又は水酸化物を形成することにより、負極が不活性化することがある。ここでは、酸化バナジウムに含まれる水分を除去することにより、このような負極の不活性化を抑制すると共に、細孔容積を増加することによって活物質とイオン伝導媒体との接触性を高め、多価金属の移動性の低下を抑制するのである。その結果、電池特性をより向上することができる。この熱処理工程では、炭素材料が導電材を兼ねている際には、完全に焼失しない温度で処理するのが好ましく、例えば、400℃以下が好ましく、350℃以下がより好ましく、325℃以下が更に好ましい。また、熱処理工程では、集電体上に混合材料を形成したのち、この集電体を熱処理するものとしてもよい。こうすれば、集電体上への活物質層の固着処理と混合材料の熱処理とを同時に行うことができ、より簡便な処理で正極活物質層を作製することができる。集電体上に混合材料を形成する際には、混合材料には、上述した導電材や結着材などを予め混合するものとしてもよい。あるいは、集電体上に混合材料を形成しないで熱処理する場合には、例えば、混合材料を容器に入れて熱処理を行い、得られた熱処理後の混合材料に導電材や結着材などを混合し、集電体上に形成して、正極活物質層を作製するものとしてもよい。
また、混合工程において、バナジウム錯体溶液と炭素材料とを混合したのち、バナジウムを含むゾルを生成することにより混合材料を調製した場合には、この熱処理工程では、混合工程で得られた混合材料を不活性雰囲気において250℃以上で熱処理するものとしてもよい。こうしても、水分を除去することによって負極の不活性化を抑制することができると共に、細孔容積を増加することによって活物質層とイオン伝導媒体との接触性を高めて多価金属の移動性の低下を抑制することができる。この理由は、例えば、図2に示すように、バナジウムと炭素材料とが均一に分散しており、炭素材料の表面にバナジウム錯体が吸着し、酸化バナジウムがゾル化する際に炭素材料の表面にコートされることによって、不活性雰囲気下においても細孔容積を増加することができるものと推察される。図2は、バナジウム錯体と炭素材料とを混合したのちゾル化する処理の概念図である。なお、ここでは、不活性雰囲気において熱処理するものとして説明したが、酸化雰囲気で熱処理するものとしてもよい。こうしても、細孔容積を増加することができる。また、熱処理する際には、250℃では4時間以上処理することが、水分を除去する観点から好ましい。以上説明したように、本発明の正極を作製することができる。
以上詳述した本実施形態の二次電池及びその正極の製造方法では、バナジウムを含み多価金属を吸蔵・放出するものにおいて、電池特性をより高めることができる。この理由は、水分を除去することによって負極の不活性化を抑制することができると共に、細孔容積(特に2nm近傍での平均細孔容積Vd)を増加することによって活物質層とイオン伝導媒体との接触性を高めて多価金属の吸蔵・放出性の低下を抑制することができるためであると推察される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明の二次電池を具体的に作製した例を実験例として説明する。
(正極活物質の作製)
0.1gのバナジウム(高純度化学研究所製、99.9%)を氷冷した10mlの過酸化水素水(和光純薬工業製、30%精密分析用)に加えて溶解し、バナジウム錯体溶液を作製した。得られたバナジウム錯体溶液を室温に保持して過剰量の過酸化水素を分解させてV25ゾルを生成し、V25ゾルを含むバナジウムゾル溶液を得た。次に、得られたバナジウムゾル溶液1mlと、純水1mlと、アセトン1mlと、アセチレンブラック(電気化学工業製デンカブラック、以下abとも称する)23.2mgとをホモジナイザ(Ika製T−25)により混合して混合材料を調製した。混合条件は、24000rpm、5分間の分散とした。得られた混合材料の略称をV25/ab−1と称する。このV25/ab−1は、重量比率V25:ab=1:1.3であった。
また、上記得られたバナジウムゾル溶液1mlと、純水1mlと、アセトン1mlと、アセチレンブラック23.2mgと、ケッチェンブラック(ケッチェンブラック・インターナショナル製ケッチェンブラックEC、以下kbとも称する)5.3mgとをホモジナイザにより上記と同様の条件で混合して混合材料を調製した。得られた混合材料の略称をV25/ab−2と称する。このV25/ab−2は、重量比率V25:ab:kb=1:1.3:0.3であった。
また、上記作製したバナジウム錯体溶液1mlを氷冷し、これに純水1mlと、アセトン1mlと、アセチレンブラック23.2mgとを加え、マグネティックスターラーで攪拌しながら緩やかに室温まで液温を上げて過剰量の過酸化水素を分解させ、V25ゾルとアセチレンブラックとの混合材料を調製した。得られた混合材料の略称をV25/ab−3と称する。このV25/ab−3は、重量比率V25:ab=1:1.3であった。
(正極の作製)
集電体としてPt板を使用し、V25ゾルが約100μgとなるように、上記調製した混合材料V25/ab−1、V25/ab−2及びV25/ab−3のうちいずれかをPt板上に担持させ、後述する雰囲気条件及び温度条件で熱処理を行い、熱処理後に100MPaで加圧成形し、得られたものを正極とした。
(電池の作製)
上述した正極と、対極として2枚のマグネシウムリボン(高純度化学研究所製、99.9%、サイズ3.5cm×0.32cm×0.24mm)を用い、端部にPt箔を巻き付けてリード線とした。セパレータとして、東燃化学製PE単層(厚さ25μm、空孔率37%)を使用した。担持した正極活物質層の脱落等を防止するため、これらの構成物を外側にPTFE板を配置してこれを挟み付け、電極系を構成した。参照極としてAg線を使用した。この電極系をビーカーに入れ、1M(mol/L)の過塩素酸マグネシウム(和光純薬工業製、元素分析用)を溶解したアセトニトリル(和光純薬工業製、脱水)を電解液として注液して電池を構成した。測定中において水分の混入のないように、また電解液の蒸発を防止するため、高純度の窒素(>99.999%、露点<−70℃、酸素<0.5ppm)を供給するアクリル製のグローブボックス(アズワン製、陽圧式)内の密閉式のガラス容器内に電池を入れて使用した。
(V25の熱処理による重量変化の検討)
上記得られたバナジウムゾル溶液1mlと、純水1mlと、アセトン1mlとを加えマグネティックスターラーで攪拌して混合し、V25が約600μgとなるようにPt板上に塗布し、60℃で1時間乾燥した。このサンプルを複数用意し、熱処理条件として、250℃で1時間、2時間、3.5時間、6時間、8時間、300℃で1時間、2時間、3時間、4時間、350℃で1時間、2時間、4時間、その各々を大気中で熱処理した。そして、60℃での乾燥後の重量を初期重量W0とし、熱処理後の重量を処理後重量Wとし、重量減少率W/W0を求めた。図3は、V25の熱処理条件と重量変化との関係を表す図である。図3に示すように、どの熱処理条件でも所定時間以上経過すると、一定重量を示すことがわかった。このため、この熱処理での重量減少は、V25から除去された水分量を表しているものと推察された。この結果より、250℃では3.5時間以上、300℃以上では1時間以上の熱処理により、V25に含まれる水分がほぼ完全に除去されることがわかった。また、この重量減少から、初期組成がV25・1.9H2Oであると見積もることができた。
(炭素材料の熱処理による重量変化の検討)
純水2mlと、アセトン1mlと、炭素材料(ab及びkbのいずれか一方)23.2mgとを加えマグネティックスターラーで攪拌して混合し、Pt板上に塗布し、60℃で1時間、乾燥した。このサンプルを複数用意した。abのサンプルについては窒素中又は大気中で熱処理し、kbのサンプルについては大気中で熱処理した。また、ab及びkbのサンプルは、それぞれ250℃、275℃、300℃、325℃及び350℃で4時間熱処理した。そして、60℃での乾燥後の重量を初期重量W0とし、熱処理後の重量を処理後重量Wとし、重量減少率W/W0を求めた。図4は、炭素材料の熱処理条件と重量変化との関係を表す図である。図4に示すように、窒素中では、重量減少はほとんど起きなかったが、酸化雰囲気である大気中では、250℃を超えると重量減少がみられた。このため、この熱処理での重量減少は、焼失した炭素量を表しているものと推察された。この結果より、炭素材料の種類により、焼失しやすさが異なり、例えばabでは300℃、4時間で重量減少割合W/W0が0.85(15%が焼失)を示し、kbでは300℃、4時間で重量減少割合W/W0が0.00(100%が焼失)を示すことがわかった。なお、kbは中空球状の炭素であり燃焼して焼失しやすいのに対し、abは中実球状の炭素であり焼失しにくいという違いがある。したがって、酸化する程度が高いkbと酸化する程度が低いabとを経験的な分量で混合することにより、正極活物質層の細孔径分布などを制御することができることがわかった。
(X線回折測定)
混合材料V25/ab−1をガラス板上に塗布したものを複数用意し、窒素雰囲気中で、それぞれ60℃、120℃、200℃及び250℃で8時間熱処理して得られたサンプルをそれぞれX線回折測定した。X線回折測定は、X線回折装置(リガク製RINT−TTR)によりCuKα線を用いて2θが5°〜75°の範囲で行った。図5は、熱処理後の混合材料のX線回折の測定結果である。図5に示すように、200℃までの熱処理では、2θ=26°、30°近傍でのアセチレンブラックなどに由来するブロードな回折ピークと、2θ=6.5°,24.2°近傍でのV25・1.6H2Oに由来する回折ピークが得られた。即ち、V25は結晶水を有する状態であった。これに対して、250℃、8時間の熱処理では、V25・1.6H2Oに由来するピークが大きく減少し、斜方晶系のV25(無水)に由来する2θ=12.2°、29.2°の回折ピークと、正方晶系のV25(無水)に由来する2θ=15.4°、20.3°の回折ピークとが得られるようになった。即ち、V25の構造からほとんどの結晶水を除去することができることがわかった。これらの基本的な熱処理による特性変化を考慮して、以下の実験例に示す熱処理条件を設定し、電池特性について検討した。
[実験例1]
混合材料V25/ab−1をPt板上に担持させ、窒素雰囲気中、250℃で4時間熱処理して得られたものを実験例1の正極とした。この正極を用いて、上述した作成工程を経て得られた電池を実験例1の二次電池とした。
[実験例2〜5]
混合材料V25/ab−1をPt板上に担持させ、大気雰囲気中、275℃、300℃、325℃、350℃でそれぞれ4時間熱処理して得られたものをそれぞれ実験例2〜5の正極とした。これらの正極をそれぞれ用いて、上述した作成工程を経て得られた電池をそれぞれ実験例2〜5の二次電池とした。
[実験例6]
混合材料V25/ab−2をPt板上に担持させ、大気雰囲気中、300℃で4時間熱処理して得られたものを実験例6の正極とした。この正極を用いて、上述した作成工程を経て得られた電池を実験例6の二次電池とした。
[実験例7]
混合材料V25/ab−3をPt板上に担持させ、窒素雰囲気中、250℃で4時間熱処理して得られたものを実験例7の正極とした。この正極を用いて、上述した作成工程を経て得られた電池を実験例7の二次電池とした。
[実験例8〜10]
混合材料V25/ab−1をPt板上に担持させ、窒素雰囲気中、60℃、120℃、200℃でそれぞれ4時間熱処理して得られたものをそれぞれ実験例8〜10の正極とした。これらの正極をそれぞれ用いて、上述した作成工程を経て得られた電池をそれぞれ実験例8〜10の二次電池とした。
[実験例11]
純水2mlと、アセトン1mlと、アセチレンブラック23.2mgとを加えマグネティックスターラーで攪拌して混合し、Pt板上に塗布し、60℃で1時間、乾燥したのち、窒素雰囲気中、250℃で4時間熱処理して得られたものを実験例11の正極とした。この正極を用いて、上述した作成工程を経て得られた電池を実験例11の二次電池とした。
[実験例12]
上記得られたバナジウムゾル溶液1mlと、純水1mlと、アセトン1mlとを加えマグネティックスターラーで攪拌して混合し、V25が約600μgとなるようにPt板上に塗布し、60℃で1時間乾燥した。こののち、窒素雰囲気中、250℃で4時間熱処理して得られたものを実験例12の正極とした。この正極を用いて、上述した作成工程を経て得られた電池を実験例12の二次電池とした。
[実験例13〜16]
熱処理時の雰囲気を窒素雰囲気とした以外は、実験例2〜5と同様の工程を経て得られた正極及び二次電池をそれぞれ実験例13〜16とした。
(電池特性測定)
上記構成した二次電池を用いて、電流−電位(I−V)特性を測定した。Ag基準電位で、−0.4V〜1.5V(Mg/Mg2+基準での2.0V〜3.9V)の電位範囲で掃引速度0.2mV・s-1にて3サイクル電位掃引し、3サイクル目において、Mg/Mg2+基準での2.0V〜3.5Vの電位範囲で、貴な方向に電位掃引したときに流れた電気量Qaと卑な方向に電位掃引したときに流れた電気量Qcとの差として、電気量Q=(Qa−Qc)/2を算出した。また、アセチレンブラックのみを担持した正極を用いて上記と同様に電池を構成し、上記電流−電位測定を行い、アセチレンブラック/電解液界面に形成される電気二重層容量によって生じる電気量Qeを求めた。そして、Mg/Mg2+のドープ(脱ドープ)によって生じる電気量(Q−Qe)を算出し、担持したV25がすべてV3+とV5+との間で価数変化した場合の電気量Q0との比率から、バナジウム利用率Urv=(Q−Qe)/Q0を算出した。
(細孔分布測定)
実験例1〜7及び実験例11,12の正極活物質層の細孔分布測定を行った。細孔分布は、QUANTACHROME製AUTOSORP−1を用いて窒素吸着等温線を測定し、測定結果をBJH法により解析して求めた。得られた解析結果を用い、細孔半径2nmに最も近い点を中心とし、中心を含めた両側2点(計5点)のLog微分細孔容積(cm3/g)の平均値を計算し、得られた値を平均細孔容積Vd(cm3/g)とした。図6は、各サンプルの細孔分布曲線である。図6に示すように、V25又はアセチレンブラックのみのサンプルでは、細孔半径2nm近傍領域での平均細孔容積Vd(cm3/g)は値0であった。これに対して、実験例1では細孔半径2nm近傍領域での平均細孔容積Vdが微量存在し、実験例2〜7では、この平均細孔容積Vdが1.50×10-2(cm3/g)以上の値を示した。
(重量比Wc/Wvの算出)
実験例1〜16の熱処理後の炭素の重量WcとV25の重量Wvとの重量比Wc/Wvを算出した。この重量比は、熱処理前後の正極の重量を測定することにより熱処理における重量減少量を算出し、この重量減少量から水分の減量分を差し引いた値を炭素材料の減量とし、混合時に入っている炭素材料の重量からこの炭素材料の減量を差し引いて、各実験例において残存する炭素材料の重量を計算した。そして、残存する炭素材料の重量を、混合時に入っているV25の重量で除算することにより、重量比Wc/Wvを算出した。なお、窒素雰囲気中で熱処理したものは炭素材料の減量はないものとして重量比Wc/Wvを算出した。
(測定結果と考察)
各サンプルの内容と、熱処理条件、熱処理後の炭素/V25の重量比Wc/Wv、平均細孔容積Vd(cm3/g)及びバナジウム利用率を実験例1〜11については表1に示し、実験例1,12〜15については表2に示した。また、熱処理温度とバナジウム利用率との関係を図7に示した。図7に示すように、熱処理温度の低い実験例8〜10では、V25に結晶水が存在することから、バナジウム利用率は約0.2以上と比較的高い値を示した。しかしながら、実験例8〜10では、繰り返し充放電などを行うと、この結晶水による不具合が生じるものと予測される。この正極活物質層を250℃で熱処理すると、水分を完全に除去することはできるが、バナジウム利用率が0.12まで低下した(実験例1)。また、窒素中で熱処理した実験例13〜16では、熱処理温度が250℃以上であってもバナジウム利用率は向上しなかった。これは、V25又から結晶水が除去されることによりマグネシウムの吸蔵・放出が十分に行えなくなったためであると推察された。また、この理由としては、図4に示すように、窒素雰囲気では、熱処理温度の増加によっても炭素質の重量減がほとんどない、即ち細孔容積の増加が起きないためであるとも推察された。これに対して、大気雰囲気中で275℃以上の熱処理を行うと、250℃で熱処理した実験例1に比してバナジウム利用率が向上することがわかった。このバナジウム利用率の向上は、2nm近傍での平均細孔容積Vdの増加に関係しているものと推察された。なお、大気雰囲気中、325℃以上で熱処理した際にバナジウム利用率が低下する理由は、本実験条件においては電池反応での導電性を担うアセチレンブラックの焼失量が増加し導電性が低下してしまうことから、見かけ上バナジウム利用率が低下してしまうものであると推察された。このため、混合材料の熱処理後に導電材を更に加えるなどすれば、325℃以上で熱処理してもバナジウム利用率が低下してしまうのを抑制することができるものと予想された。また、アセチレンブラックとケッチェンブラックとを用いた実験例6では、細孔半径が2nm近傍での平均細孔容積Vd及びバナジウム利用率が最も高く、電解液と正極活物質との接触がより良好であるものと推察された。また、バナジウム錯体溶液にアセチレンブラックを投入したあとにバナジウムゾルを生成した実験例7では、バナジウムと炭素材料との均一分散性が最も良好であり、窒素雰囲気中、250℃での熱処理にもかかわらず、平均細孔容積Vdが1.50×10-2cm3/g以上あり、バナジウム利用率も0.3を超えるなど、良好な特性を示した。これらのことより、V25に水がなく、且つ2nm近傍での平均細孔容積Vdが1.50×10-2cm3/g以上であるものとすれば、バナジウムを含み多価金属を吸蔵・放出するものにおいて、電池特性、特にバナジウム利用率などをより高めることができることが明らかとなった。
本発明は、二次電池の製造分野に利用可能である。

Claims (7)

  1. 多価金属を用いた二次電池であって、
    前記多価金属を吸蔵・放出可能な負極と、
    バナジウムを含む正極活物質と炭素材料とを含む正極活物質層を有する正極と、
    前記負極と前記正極との間に介在し前記多価金属のイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、を備え、
    前記正極活物質層は、X線回折測定すると2θが12.2°、15.4°、20.3°及び29.2°に回折ピークを有し、
    前記正極活物質層は、窒素吸着測定を行いBJH法により解析すると細孔半径2nmを含む所定の細孔半径範囲でのLog微分細孔容積の平均値である平均細孔容積Vdが1.50×10-2cm3/g以上である、
    二次電池。
  2. 前記多価金属は、マグネシウム及びアルミニウムのうち少なくとも1以上である、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記正極活物質層は、炭素重量Wcと酸化バナジウム重量Wvとの比である重量比Wc/Wvが0.30以上1.30以下である、請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 多価金属を用いた二次電池の正極の製造方法であって、
    バナジウムと炭素材料とを混合した混合材料を調製する混合工程と、
    前記混合工程で得られた混合材料を酸化雰囲気において275℃以上で熱処理する熱処理工程と、
    を含む正極の製造方法。
  5. 前記熱処理工程では、集電体上に前記混合材料を形成したのち該集電体を熱処理する、請求項4に記載の正極の製造方法。
  6. 前記混合工程では、前記炭素材料としてアセチレンブラック及びケッチェンブラックを用いて前記混合材料を調製する、請求項4又は5に記載の正極の製造方法。
  7. 前記混合工程では、バナジウム錯体溶液と前記炭素材料とを混合したのち、バナジウムを含むゾルを生成することにより前記混合材料を調製し、
    前記熱処理工程では、前記混合工程で得られた混合材料を不活性雰囲気において250℃以上で熱処理する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の正極の製造方法。
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