JP2011034798A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の保存特性を改善し、高温環境下での不可逆な容量低下を抑制する。
【解決手段】ヨウ素イオンとヨウ素の酸化還元平衡電位以上でリチウムイオンを吸蔵・放出する正極10、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極12、非水溶媒に電解質を溶解させた非水電解液からなるリチウムイオン二次電池において、前記非水電解液がハロゲン化リチウムまたはハロゲン分子を含有する。非水電解液の代わりに高分子固体電解質にハロゲン化リチウムまたはハロゲン分子を含有させたものを用いてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電源および種々の機器システムに利用し得るリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池を代表とする非水電解質二次電池は高いエネルギー密度を有するため、電気自動車用や電力貯蔵用の電池として注目されている。特に、電気自動車では、エンジンを搭載しないゼロエミッション電気自動車、エンジンと二次電池の両方を搭載したハイブリッド電気自動車、さらには近距離走行時に二次電池とモータのみで走行し、長距離走行時にはガソリンエンジンを駆動させるプラグインハイブリッド電気自動車がある。また、電力を貯蔵し、電力系統が遮断された非常時に電力を供給する定置式電力貯蔵システムとしての用途も期待されている。
このような多様な用途に対し、リチウムイオン二次電池に優れた耐久性が要求されている。すなわち、環境温度が高くなっても、充電可能な容量の低下率が低く、長期にわたって電池の容量維持率が高いことである。特に、電気自動車用リチウムイオン二次電池は、路面からの輻射熱あるいは車内からの熱伝導により、60℃以上の高温環境における保存特性とサイクル寿命が、重要な要求性能となっている。
高温保存時の容量低下あるいはサイクル劣化を抑制するための従来技術として、以下のような公知技術(特許文献1〜7)がある。
特許文献1は、ハロゲン化金属が添加された非水電解質を用いて、負極活物質表面にハロゲン化金属の被膜を形成し、集電体と活物質層とが密着している領域の近傍に発生する応力を抑制することにより、充放電サイクル特性を向上させる技術である。
特許文献2は、リチウム金属に吸着可能なエチレンオキシドチェーンを有するポリマー吸着剤を用いて、充放電効率とサイクル寿命を向上させる技術である。
特許文献3と4は、負極上にヨウ化リチウム等の被膜を形成し、充放電効率やサイクル寿命を向上させる発明である。
特許文献5は、負極中にヨウ化リチウム等のリチウム塩を混合し、リチウム化合物とフッ酸との反応が、CLiとフッ酸との反応に優先して起こるため、CLiからリチウムイオンが放出されにくくする技術である。
特許文献6は、電解液にカルシウム塩を添加させ、電解液の劣化(電解液と負極材料の反応)を抑制し、電池の保存特性を改善させる発明である。
特許文献7は、4V級電池において、ベンゼン環にハロゲン基とメトキシ基を導入した化合物からなるレドックスシャトルを効果的に機能させて、過充電電流を効果的に消費させる発明を開示している。
また、非特許文献1は、2I/Iの酸化還元反応の平衡電位およびLi/Liの平衡電位について記載している。
特開2005−063717号公報 特開2003−151626号公報 特許第3963090号 特開平07−302617号公報 特開平07−235297号公報 特開平07−192760号公報 特開2009−016362号公報 丸善発行、第4版電気化学便覧、71〜74ページ
電気自動車用あるいは電力貯蔵用のリチウムイオン二次電池は、充電状態にて高温で放置される場合があり、この放置後に二次電池の容量の低下が起こる。この低下した容量のうち、再充電できる容量とできない容量がある。本発明は、高温環境下にて放置した際に低下する容量の内、再充電できない容量を低減することを目的としている。
発明者らは上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、ヨウ素イオンとヨウ素の酸化還元平衡電位よりも高い電位にてリチウムイオンを吸蔵・放出する正極、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極、非水溶媒と電解質を含む非水電解液または高分子電解質からなるリチウムイオン二次電池において、前記電池を高温環境下にて放置した際に低下する容量の内、再充電できない容量を低減する手段を見出すに至った。
本発明の第1の態様によれば、リチウムイオン二次電池は、ヨウ素イオンとヨウ素の酸化還元平衡電位以上でリチウムイオンを吸蔵・放出する正極、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極、および非水溶媒に電解質を溶解させた非水電解液からなるリチウムイオン二次電池において、前記非水電解液がハロゲン化リチウムまたはハロゲン分子を含有することを特徴とする。
前記第1の態様によるリチウムイオン二次電池において、前記ハロゲン化リチウムまたは前記ハロゲン分子の含有量が、前記非水電解液の重量に対して0.01〜10mmol/kgのハロゲン相当重量の範囲にあることが好ましい。
前記第1の態様によるリチウムイオン二次電池において、前記負極に吸着した前記ハロゲン化リチウムまたは前記ハロゲン分子は、前記非水溶媒による洗浄により脱離可能であることが好ましい。
本発明の第2の態様によれば、リチウムイオン二次電池は、ヨウ素イオンとヨウ素の酸化還元平衡電位以上でリチウムイオンを吸蔵・放出する正極、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極、および電解質を含有する高分子固体電解質からなるリチウムイオン二次電池において、前記高分子固体電解質にハロゲン化リチウムまたはハロゲン分子を含有することを特徴とする。
前記第2の態様によるリチウムイオン二次電池において、前記ハロゲン化リチウムまたは前記ハロゲン分子の含有量が、前記高分子固体電解質の重量に対して0.01〜10mmol/kgのハロゲン相当重量の範囲にあることが好ましい。
前記第1および第2の態様によるリチウムイオン二次電池において、前記ハロゲンイオンはヨウ素イオンであり、前記ハロゲンはヨウ素であることが好ましい。
前記第1および第2の態様によるリチウムイオン二次電池において、前記炭素を含有する負極は、炭素、リチウムと合金を形成する金属およびこれらの混合物から選ばれることが好ましい。
本発明の第3の態様によれば、リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極と、電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、前記電解質は、無機レドックスシャトルを含有し、前記正極は前記無機レドックスシャトルの酸化還元平衡電位以上でリチウムを吸蔵・放出することを特徴とする。
前記第3の態様によりリチウムイオン二次電池において、前記無機レドックスシャトルは、ハロゲンであることが好ましい。
本発明の第4の態様によれば、リチウムイオンを電気化学的に挿入・離脱する正極と、リチウムイオンを電気化学的に挿入・離脱する負極と、電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、前記電解質は、前記リチウムイオンの電気化学的挿入・離脱反応に連動する酸化還元反応系を備え、前記正極は前記酸化還元系の酸化還元平衡電位以上でリチウムを吸蔵・放出することを特徴とする。
本発明の方法を適用すれば、リチウムイオン二次電池の、特に高温時の不可逆な容量低下を抑制することができる。
本発明の円筒型リチウムイオン二次電池の断面構造を示す。 本発明の電解液を用いた負極の容量維持特性を示す。
本発明は、電解液中にハロゲン化物イオンまたはハロゲン分子を用いることによって、高温環境下でも、再充電できない容量を低減することができる。以下、本発明の容量低下抑制剤を利用した容量低下の抑制方法を、ヨウ素イオンとヨウ素分子を例に、詳細に説明する。
まず、電解液中にヨウ素イオンを添加し、再充電できない容量を高温環境下でも低減する方法とその原理を説明する。本発明者らは、容量低下抑制剤を適用するに当り、以下で述べる観点を考慮した。
第一の観点は、容量低下抑制剤を添加した際に、不可逆な副反応を起こさず、電池の容量減少をもたらさないことである。特に、負極は還元反応性の高いリチウムを有しているため、添加剤と反応し安定なリチウム化合物を生成しやすい。たとえば、アルミニウムイオンを電解液に添加すると、アルミニウムが負極上に電析し、充電されていたリチウムが消費されてしまう。その結果、この不可逆な容量損失分を補うために、正極にリチウム含有量を増加させる必要がある。それは、電池の容量密度の低下をもたらす。このような不可逆な容量の損失は、リチウムイオン以外の陽イオンの塩を加えたときには必然的に起こり、回避することができない。負極の電位が、金属元素中で最も低い酸化還元平衡電位をもつリチウムの電位付近で作動しているためである。
したがって、容量低下抑制剤に必要な機能は、負極上で還元されないことか、あるいは還元されても正極上で酸化されて容量低下抑制剤が再生されることである。
後者の機能は、負極でリチウムが消費されても、再充電により容量を回復させるものである。また、容量低下抑制剤が再生されるとは、電池自身は自己放電をすることを意味している。すなわち、容量低下抑制剤(A)が負極上で還元され、リチウムが消費されても(式1)、正極上で容量低下抑制剤が酸化されて元の状態に戻れば(式2)、結果として電池自身は自己放電を起こしたことと同じになる(式3)。
Figure 2011034798
ただし、A、LiC、A、Li、C、MO、LiMOは、それぞれ容量低下抑制剤、黒鉛層にリチウムイオンを電気化学的に吸蔵したLiC、容量低下抑制剤の還元体、リチウムイオン、放電状態の黒鉛層を形成する炭素、金属酸化物(Mはコバルト、ニッケル、マンガン、鉄等の金属である。)、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵した金属酸化物を意味する。なお、LiCはその前段階となる充電状態の組成、すなわちLiC12、LiC18等のリチウム挿入量の少ない組成であっても良い。
第二の観点は、非水電解液の化学的・物理的特性に影響を与えないことである。これは、電解質の諸特性を活かしつつ、容量低下抑制剤の機能のみを電池に付与することを企図するもので、電解液の選択範囲を広げることを可能にする。このような容量低下抑制剤は、溶媒自身が有する粘性、電解質の溶解度などを変化させず、電池の充放電効率やレート特性などの諸特性を悪化させることがなく、好適である。
これらの二つの観点を満足させる容量低下抑制剤として、発明者らは非水電解液にヨウ素イオンを解離するヨウ素化合物とヨウ素分子に着目した。電解液にヨウ素イオンが添加されると、通常の充放電時には何ら効率の低下をもたらさないだけでなく、高温貯蔵時に非常にゆっくりとした自己放電を進行させ、その自己放電によって減少した容量が、再充電可能であることを見出した。ヨウ素分子を添加した場合も同様である。特に、電解液に微量のリチウムヨウ化物(LiI)またはヨウ素分子(I)を添加したときに、充放電効率と保存特性の向上に最も効果があった。このような特異な性質は、以下のように説明される。
本発明のハロゲン化合物としてヨウ化リチウムを電解液に添加すると、ヨウ素イオンが解離し、電解液中に存在することになる(式4)。このヨウ素イオンは、負極表面に達するものの、既に還元状態にあるため、負極中のリチウムとは反応しない。これは、電気化学的に2I/Iの酸化還元反応の平衡電位が、Li/Liの平衡電位より3.57Vも高いことから理解される(非特許文献1)。これに対し、ヨウ素(I)は、負極上で還元されうるが(式5)、初期の段階ではヨウ素は存在していない。したがって、本発明のヨウ素化合物を添加した初期の段階では、ヨウ素が生成していないため、ヨウ素イオンが安定して存在する。なお、式4と式5は、ヨウ化リチウムを用いたときの反応を例示しており、ヨウ素元素をフッ素、塩素、臭素に置き換えることが可能である。
Figure 2011034798
他方、2I/Iの酸化還元平衡電位よりも低い正極上では、ヨウ素イオンは安定に存在することができる。
ところが、その電位よりも高い電位で作動する正極(例えば、LiCoO、LiMn、LiNiOなど)の上では、ヨウ素イオンは酸化されヨウ素(I)を生成する。この際、ヨウ素イオンから電子を受け取った正極は、同時にリチウムイオンを取り込む。すなわち、ヨウ素イオンを犠牲に放電反応が起こる(式6)。
Figure 2011034798
ただし、式1に示したMは、Co、Mn、Ni等の遷移金属からなる一連の元素群から選択された金属である。
また、式6に示した正極活物質には、リチウムイオンを電気化学的に挿入・脱離することのできる任意の組成あるいは結晶構造の材料を用いることができる。ただし、正極の全てのリチウムイオンが、2I/Iの酸化還元平衡電位以上で、吸蔵または放出される必要はない。すなわち、前記平衡電位以上にて正極を充電することにより、一部のリチウムイオンが放出されれば、ヨウ素イオンの酸化が起こるからである。
正極上にヨウ素分子が生成すれば、正極側から負極側にヨウ素分子が拡散し、負極上で還元されヨウ素イオンに戻される。同時に負極中のリチウムが消費され、負極も放電される。たとえば、リチウムイオンを挿入・脱離可能な炭素負極を用いた場合、式5に示した放電反応が起こる。
ついで、そのヨウ素イオンは、正極上で酸化されヨウ素を再び生成すれば、正極と負極の間で式5と6が継続的に進行し、電池は徐々に放電されていく。すなわち、ヨウ素がメデエータ(mediator)として機能し、電池の自己放電を進める。
また、ヨウ化リチウムは、熱的にも負極上でヨウ素を発生する可能性がある。発明者らは、ヨウ化リチウムを添加した非水電解液に充電状態の負極を浸漬し、60℃以上の高温に保持した後に、再充電により容量が回復しうる容量低下(以下、可逆な容量低下と記す。)があることを見出した。これは、学術的に証明された反応であるか否かは不明であるが、発明者らは電解液中の易還元性物質(すなわち酸化剤)とヨウ素イオンが加熱促進的に反応しているものと考えている(式7)。下式において、Bは易還元性物質であり、例えば微量の金属イオンや水素イオンであると思われる。
Figure 2011034798
このように熱的に反応するか否かは今後の研究を待つしかないが、発明者らの実験結果によると、ヨウ素イオンが共存するだけで、何らかの安定化効果が作用することが確認されている(後述の図2)。
また、本発明の2I/Iの酸化還元反応を実現させるために、非水電解液に直接、ヨウ素分子(I)を溶解させる方法も採ることができる。電解液にIが存在すると、電池を充電したときに式5の反応が開始し、ヨウ素イオンが生成すれば、正極上で再酸化され(式6)、式5と式6からなる遅い自己放電反応が継続する。
同様に、ヨウ素元素を他のハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素)に置き換えて、2F/F、2Cl/Cl、2Br/Brの酸化還元反応をそれぞれ利用するができる。
以上で述べたように、本発明は、(1)リチウム塩を用いたことによって不可逆な容量低下を回避した点、(2)ハロゲン化物イオンとハロゲン分子の酸化還元反応サイクルからなる遅い自己放電を利用した点、(3)非水電解液にハロゲン分子を直接、溶解させて、前記酸化還元反応サイクルを開始させる点で、従来技術にない新規な方法である。
次に、本発明の構成を用い、遅い自己放電反応を制御する方法について説明する。代表例として、ヨウ化リチウムまたはヨウ素分子を非水電解液に添加した方法を取り上げる。
ヨウ化リチウムのみを電解液に添加したときの自己放電反応は、式6に示した正極上の酸化速度に支配され、その後、式5の負極上の還元反応が寄与し始め、全体の反応速度が決定される。式6は非水電解液中のヨウ素イオンの濃度、式5は非水電解液中のヨウ素の濃度によって制御可能である。
ヨウ素分子を電解液に添加したときの自己放電反応は、式5に示した負極上の還元速度に支配され、その後、式6の正極上の酸化反応が加わり、全体の反応速度が決定される。この場合も、各反応速度に対するヨウ素とヨウ素イオンの濃度の作用は同じである。
したがって、いずれの場合もヨウ素イオンまたはヨウ素の添加量によって、自己放電速度を制御可能である。
その性質を利用して、保管期間(または休止時間)が短く、一回の充電によりほぼ全容量の電気を利用する製品の用途には、ヨウ素イオンの濃度を低くして、自己放電を抑制しうる添加量にすることが望ましい。このようにすれば、リチウムイオン二次電池に貯蔵した電気エネルギーを有効に利用することができるからである。
逆に、保管期間が長く、再充電してから使用することの可能な電池の用途には、ヨウ素イオンの濃度を高くして、自己放電を促進し、可能な限り放電状態で保存することが好ましい。このようにすれば、保管期間中の不可逆な容量低下を防止することができる。
また、本発明では、ヨウ素の他の同族元素(フッ素、塩素、臭素)を使うことも可能である。ただし、それぞれに特徴があるため、後述のようにリチウムイオン二次電池の仕様や用途に応じて選択すべきである。
フッ化リチウム(LiF)は、フッ素イオンの強い電気陰性度の作用により、一般に難溶性である。フッ素イオンと溶媒和しやすい溶媒を選択すれば、フッ化リチウムも選択することができる。なお、2F/Fの酸化還元平衡電位は、Li/Li平衡電位に対して5.93Vと非常に高いので、6V級の高電圧作動タイプの正極材料を選択しなければ、式1によるフッ素(F)の生成は起こらない。
また、塩化リチウム(LiCl)は、リチウムフッ化物に次いで難溶性ではあるが、溶媒の選択によって利用可能である。ただし、塩素イオンによる電池容器や集電体の腐食等に留意すべきである。これらの問題を回避できる材料を選択すれば、塩化リチウムも使用することができる。なお、2Cl/Clの酸化還元平衡電位は、Li/Li平衡電位に対して4.43Vなので、4.5V以上で動作する正極との組合せが必要となる(式1参照)。
臭化リチウム(LiBr)は、非水溶媒に溶解可能であり、ヨウ化リチウムに次いで使用しやすい。2Br/Brの酸化還元平衡電位は4.10Vと低くなり、4V級の正極との組合せにて利用可能である。ただし、4.1V以下では、臭素イオンから臭素への酸化反応が止まってしまうので、やや高い充電状態にて放置される恐れがある。したがって、臭化リチウムは、ヨウ化リチウムを用いるリチウムイオン二次電池よりも動作電位の高い電池に適している。
ヨウ素は、他の同族元素に比べ、イオン半径が大きく、電気陰性度が最小である。そのため、ヨウ素イオンは電子を放出しやすく(酸化されやすく)、非水溶媒による溶媒和を受けやすい。よって、ヨウ素は、酸化還元のメデエータ(mediator)として利用しやすく、同族元素の中で4V級リチウムイオン二次電池に最も適しているイオンであると言える。
ハロゲン化物の陽イオンとして選択可能な化学種は、リチウムイオンが最適であるが、非水電解質二次電池の構成材料と不可逆に反応しなければ、リチウムイオンに限定されない。前記構成材料に反応する金属イオンは、電池容量を低下させ再充電不能にするので、本発明に適当でない。例えば、金属イオンが負極で還元され、充電されたリチウムが消費されるだけでなく、金属上で被膜(SEI;surface electrolyte interface)の形成による不可逆容量の増加をもたらす。さらに、金属デンドライトによるマイクロショートが発生する可能性が高まる。
以上のことから総合的に判断して、ヨウ化物以外の同族元素のリチウム塩を利用可能であるが、ヨウ化リチウム、あるいはヨウ素分子が高温環境下での充放電効率と保存特性の向上に最も優れていると考えられる。
また、発明者らは、本発明のヨウ化物イオンが負極の被膜あるいは保護膜を形成するものではないと考えている。なぜならば、ヨウ化リチウムは非水電解液に可溶であるので、被膜や保護膜中へヨウ化リチウムが浸入したとしても、それは電解液と被膜等の間の濃度平衡になっているに過ぎないからである。よって、ヨウ化リチウムを含まない非水電解液や溶媒で負極を洗浄すれば、徐々に溶出し、被膜等から脱離することから、ヨウ化リチウムが被膜等を構成していないことを判別することができる。
以下では、非水電解液にはヨウ化リチウムまたはヨウ素分子を添加した方法を、具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は下記の実施例によって何ら限定されることはなく、先に説明したいくつかの観点を満足しうる材料に変更しうる。また、本発明の主旨を変更しない範囲で、適宜変更も可能である。
最初に、非水電解液にはヨウ化リチウムを添加した方法を説明する。本発明を適用するリチウムイオン二次電池は、正極、非水電解質、負極からなる。非水電解液は、高分子多孔質膜(いわゆるセパレータと呼ばれる。)に含まれているのが一般的である。
正極は、正極活物質、導電剤、バインダ、集電体から構成される。その正極活物質を例示すると、LiCoO、LiNiO、LiMn、あるいはこれらの遷移金属を他の元素に置換した複合酸化物である。ヨウ素の酸化還元平衡電位よりも高い電位で動作する正極活物質であれば、その他の材料を用いることができる。
正極活物質の粒径は、合剤層の厚さ以下になるように規定される。正極活物質粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級、風流分級などにより粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を作製する。
また、正極活物質は酸化物系であり電気抵抗が高いので、それらの電気伝導性を補うための炭素粉末からなる導電剤を利用する。正極活物質と導電剤はともに粉末であるため、粉末にバインダを混合して、粉末同士を結合させると同時に集電体へ接着させている。
集電体には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられ、材質もアルミニウムの他に、ステンレス、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
正極活物質、導電剤、バインダ、および有機溶媒を混合した正極スラリーを、ドクタ−ブレ−ド法、ディッピング法、スプレー法などによって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥し、ロールプレスによって正極を加圧成形することにより、正極を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回おこなうことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能である。
負極は、負極活物質、バインダ、集電体からなる。高レート充放電が必要な場合に、導電剤を添加する場合もある。本発明で使用可能な負極活物質は、リチウムと合金化するアルミニウム、シリコン、スズなどがあり、さらにリチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な黒鉛や非晶質炭素からなる炭素質材料などもある。本発明では負極活物質に特に制限がなく、上述の材料以外でも利用可能である。特に、炭素質材料を主成分とする負極を用いた場合に、本発明は有効である。
一般に使用される負極活物質は粉末であるため、それにバインダを混合して、粉末同士を結合させると同時に集電体へ接着させている。本発明の負極では、負極活物質の粒径を合剤層の厚さ以下にすることが望ましい。負極活物質粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級、風流分級などにより粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を使用する。
集電体には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられ、材質も銅の他に、ステンレス、チタン、ニッケルなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
負極活物質、バインダ、および有機溶媒を混合した負極スラリーを、ドクタ−ブレ−ド法、ディッピング法、スプレー法などによって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥し、ロールプレスによって負極を加圧成形することにより、負極を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回おこなうことにより、多層合剤層を集電体に形成させることも可能である。
上述のように作製した正極と負極の間にセパレータを挿入し、正極と負極の短絡を防止する。ポリエチレン、ポリプロピレンなどからなるポリオレフィン系高分子シート、あるいはポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンを代表とするフッ素系高分子シートを溶着させた2層構造のセパレータなどを使用することが可能である。電池温度が高くなったときにセパレータが収縮しないように、セパレータの表面にセラミックスとバインダの混合物を薄層状に形成したり、アラミド樹脂層を形成しても良い。これらのセパレータは、電池の充放電時にリチウムイオンを透過させる必要があるため、一般に細孔径が0.01〜10μm、気孔率が20〜90%であれば、リチウムイオン二次電池に使用可能である。
このようなセパレータを正極と負極の間に挿入した電極群を製作する。電極群は、短冊状電極の積層したもの、あるいは円筒状、扁平状などの任意の形状に捲回したものなど、種々の形状にすることができる。電池容器の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒型、偏平長円形状、角型などの形状を選択してもよい。
電池容器の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製など、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択される。また、電池容器を正極または負極に電気的に接続する場合は、非水電解質と接触している部分において、電池容器の腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように、材料の選定を行う。
電池容器に電極群を収納し、電池容器あるいは蓋に正極と負極の端子を接続し、電解液を電極群に注入する。電解液の注入方法は、蓋を解放した状態にて電極群に直接、添加する方法、あるいは蓋に設置した注入口から添加する方法がある。
その後、蓋と電池容器に密着させ、電池全体を密閉する。電解液の注入口がある場合は、それも密封する。電池を密閉する方法には、溶接、かしめなどの公知の技術がある。
本発明で使用可能な電解液の代表例として、エチレンカーボネートにジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどを混合した溶媒に、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、あるいはホウフッ化リチウム(LiBF)を溶解させた溶液がある。本発明は、溶媒や電解質の種類、溶媒の混合比に制限されることなく、他の電解液も利用可能である。電解質は、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイドなどのイオン伝導性高分子に含有させた状態で使用することも可能である。この場合は前記セパレータが不要となる。
電解液に添加する容量低下抑制剤は、電解液に溶解し、電解液にハロゲン分子またはそのイオンを放出する材料である。4V以上で作動する正極を用いるリチウムイオン二次電池において、ヨウ素化合物が特に適している。その候補材料として、ヨウ化リチウム(LiI)、臭化リチウム(LiBr)、塩化リチウム(LiCl)である。なお、フッ化リチウム(LiF)は通常、溶解度が低く、取り扱いにくい塩であるが、フッ化リチウムを可溶な溶媒と組み合わせれば、使用することが可能である。
固体高分子電解質(ポリマー電解質)を用いる場合には、ポリマーのシートの成膜時に、ハロゲン化リチウムあるいはハロゲン分子を添加する。特に、ヨウ化リチウムとヨウ素分子が適している。固体高分子電解質は、ポリエチレンオキサイドなどの公知のポリマー電解質を用いることができる。
ヨウ化リチウム(LiI)を用いた場合、非水溶媒中に溶解させた電解質と共存させて用いられる。ヨウ化リチウムは、溶解度に達するまで電解液に添加することができる。
しかし、本発明のヨウ素イオンの酸化還元反応による遅い自己放電を実現するには、ヨウ素イオンの濃度の上限値を規定する必要がある。ヨウ素イオンが多いと自己放電速度が速くなり、リチウムイオン二次電池の通常の充放電効率が低下し、蓄電性能が低下するからである。
そこで、実質的に充放電効率は低下させず、長期間の保管のときにヨウ素イオンによる遅い自己放電を実現するために、ヨウ素イオンの添加量を適正な範囲に設定した。
リチウム以外の金属のヨウ化物を添加すると、必ず金属(陽イオン)の還元反応が負極上で起こる。リチウム以外の元素のヨウ化物を用いると、その金属析出(還元反応)に起因する初期容量の損失を回避することができない。その結果、その容量損失を補填するための余分な正極活物質が必要となり、電池の容量密度の低下をもたらす。初期の容量損失を回避することができない。したがって、従来の非リチウム元素のヨウ化物を電解液に添加した場合に、上述の金属析出に起因する初期容量の損失の問題を解決することができない。
これに対し、陽イオンがリチウムイオン(Li)であれば、リチウムイオンが負極に電気化学的に吸蔵されるので、容量損失の問題が回避される。
ヨウ素の酸化還元電位よりも高い正極を用いると、ヨウ素イオンの還元反応が進行する。そのため、例えば4V以上で作動する正極が存在する場合に、ヨウ化リチウムを電解質として用いることが原理的に不可能である。したがって、電解質にヨウ化リチウムを用いた場合に、ヨウ素の酸化還元電位よりも高い正極を用いることができない。
しかし、本発明によると、電気化学的に安定なリチウム塩を電解質に用い、微量添加剤としてヨウ化リチウムを併用することによって、初期容量の損失をなくし、その添加量を制限して4V以上で動作する正極に適用することができる。
本発明のヨウ化リチウムの電解液への添加量は、濃度換算で10mmol/kg以下、0.01mmmol/kgで本発明の効果が得られ、0.5mmol/kg未満の濃度であれば蓄電性能を悪化させずに本発明の効果が得られる。
0.5〜10mmol/kgの高濃度範囲は、放置期間が主であって、充放電時間の比率の小さい製品用途に適している。濃度を制限することにより、実使用上、問題とならないレベルに自己放電を抑制することができる。このような用途に適した製品として、工作機械や工具用電源がある。作業時間の間だけ、リチウムイオン二次電池に貯蔵された電力を利用し、残存した電力はヨウ素イオンの作用により遅い自己放電をさせて消費し、長い保管時の電池の不可逆な劣化を抑制することができる。
0.01〜0.1mmol/kgの低濃度範囲は、放置期間が短く、充放電時間の比率が大きい製品用途に適している。例えば、フロート充電を行うバックアップ電源がある。これは、平時に満充電状態を維持する必要があるので、自己放電速度を小さくし、容量保持率を高くすることが望ましいためである。
また、前述の2つの濃度範囲に挟まれた濃度範囲、すなわち、0.1〜0.5mmol/kgの濃度範囲は、充放電時間と放置時間の比率に著しい差がない製品用途に適している。例えば、電気自動車、定置型蓄電システムなどのように、一日の間に充電と放電のサイクルが想定される製品群が挙げられる。なお、上述の濃度範囲によって本発明が適用される製品が制限されるのではなく、リチウムイオン二次電池の使い方によって適正な濃度範囲が選択されるべきである。
ヨウ化リチウムの添加量は、以下の手順にて決定することができる。元の非水電解液の溶媒、あるいは複数の混合溶媒である場合には少なくとも一つ以上の溶媒を用いて、電池内部を洗浄することによってヨウ化リチウムと電解質を抽出する。ここで、遠心分離機などを用いて、電極剥離物などの沈殿物等の固形分を除去し、透明な非水電解液(抽出液)のみを得る。
抽出液中に含まれるヨウ素イオンの定量には、ヨウ素滴定、イオンクロマトグラフィー、あるいはそれと質量分析法を併用した分析方法など、公知の分析手法を適用することができる。電解質がヨウ素を含有し、ヨウ化リチウムのヨウ素と区別が必要な場合は、前述の抽出液の核磁気共鳴法、赤外分光法、イオンクロマトグラフィーなどを適用し、電解質を定量する。
前述のように電池の構成部材を溶媒で洗浄することによって、電解液中に溶解しているヨウ化リチウム(解離性LiI)の全量を抽出することができる。特許文献3に記述される被膜中のヨウ化リチウム(LiI)の層は、化学的にも安定に存在するとされているので、本手法により解離性LiIと被膜中のLiIは区別される。
また、電池自身を用いた方法では、電池自身を高温に加熱すると、電解液中のヨウ素イオンが正極上で酸化され、ヨウ素分子(I)となる。これは、電解液の溶媒の蒸発とともに、ヨウ素ガスとして気化する。そのガスをガスクロマトグラフィーや質量分析法を用いて検出することができる。このような方法により、ヨウ素イオンの存在を確認することができる。
また、上述の方法によれば、電極被膜のLiIとの区別ができる。LiIは塩の状態であれば、蒸発することがないためである。電池から電解液を抽出し、加熱することによりヨウ素ガス(I)として分析することも可能である。
本発明の容量低下抑制剤を電解液に溶解させる方法の他に、負極に添加する方法も有効である。ハロゲン化リチウムの微粉末を負極活物質やバインダと単純に混合し、集電板上に負極を形成する。あるいは、ポリマーなどとハロゲン化物を混合し、予めハロゲン化物をポリマー内部にカプセル状に被覆してから電極内部に混合したり、電極表面に被覆させたりしても良い。
また、容量低下抑制剤をセパレータ表面に薄く塗布する方法を採ることもできる。セパレータの成膜工程で、ハロゲン化リチウムを添加、混合し、セパレータの内部にハロゲン化リチウムを分散させることもできる。
ポリマー電解質を用いる場合には、ポリマーの内部に分散させても良い。これは、ポリマーシートを成形する段階で、容量低下抑制剤の粉末を混合する。
以上で説明した内容を踏まえ、それぞれ具体的な実施例を示し、本発明の効果を明らかにしていく。なお、本発明の要旨を変更しない範囲で、具体的な構成材料、部品などを変更しても良い。また、本発明の構成要素を含んでいれば、公知の技術を追加したり、公知の技術で置き換えたりすることも可能である。
図1は、本発明のリチウムイオン二次電池の内部構造を示す。図1で、10は正極、11はセパレータ、12は負極、13は電池缶、14は正極集電タブ、15は負極集電タブ、16は内蓋、17は内圧開放弁、18はガスケット、19は正温度係数(PTC;Positive temperature coefficient)抵抗素子、20は電池蓋である。電池蓋20は、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、PTC抵抗素子19からなる一体化部品である。
正極は以下の手順により作製した。正極活物質には、LiMnを用いた。その正極活物質の85.0重量部に、導電材として黒鉛粉末とアセチレンブラックをそれぞれ7.0重量部と2.0重量部を添加した。さらに、結着剤として6.0重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFを記す。)、1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)に溶解した溶液を加えて、プラネタリ−ミキサーで混合し、さらに真空下でスラリー中の気泡を除去して、均質な正極合剤スラリーを調製した。このスラリーを、塗布機を用いて厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一かつ均等に塗布した。塗布後ロールプレス機により電極密度が2.55g/cmになるように圧縮成形した。スリッタ(切断機)を用いてその正極を裁断し、厚さ160μm、長さ900mm、幅54mmの正極を作製した。
負極は以下の手順により作製した。負極活物質は、平均粒径20μmの人造黒鉛粉末を用いた。その負極活物質の95.0重量部に、結着剤として5.0重量部のPVDFをNMPに溶解した溶液を加えた。それをプラネタリ−ミキサーで混合し、真空下でスラリー中の気泡を除去して、均質な負極合剤スラリーを調製した。このスラリーを塗布機で厚さ10μmの圧延銅箔の両面に均一かつ均等に塗布した。塗布後、その電極をロールプレス機によって圧縮成形して、電極密度を1.3g/cmとした。スリッタ(切断機)を用いてその負極を裁断し、厚さ110μm、長さ950mm、幅56mmの負極を作製した。
上のように作製した正極10と負極12の未塗布部(集電板露出面)に、それぞれ集電タブ14、15を超音波溶接した。正極の集電タブ14はアルミニウム製リード片とし、負極の集電タブ15にはニッケル製リード片を用いた。その後、厚さ30μmの多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータ11を正極10と負極12の間に挿入し、正極10、セパレータ11、負極12を捲回した。この捲回体を電池缶13に収納し、負極タブ15を電池缶13の缶底に抵抗溶接機により接続した。正極タブ14は内蓋16の底面に超音波溶接により接続した。
上部の電池蓋20を電池缶13に取り付ける前に、本発明の非水電解液を注入した。電解液の溶媒は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)からなり、体積比は1:1:1とした。電解質は濃度1モル/リットル(約0.8mol/kg)のLiPFである。さらに、本発明のヨウ化リチウムを1mmol/kg相当量を添加した。このような電解液を電極群の上から滴下し、電池蓋20を電池缶13にかしめて密封し、リチウムイオン二次電池を得た。本試作電池をLIB1とする。なお、同一使用の電池を5本、製作した。
同様に、ヨウ化リチウム以外の構成物(溶媒、電解質、電極、セパレータ、電池缶、電池蓋など)の仕様は同一とし、ヨウ化リチウムの代わりにヨウ素を溶解させた電池を製作した。ヨウ素分子の添加量は0.5mmol/kgとし、電解液中のヨウ素元素のモル数がLIB1のヨウ素と同じになるようにした。本試作電池をLIB2とする。なお、同一仕様の電池を5本製作した。
さらに比較例として、ヨウ化リチウムまたはヨウ素を電解液に添加しないリチウムイオン二次電池を製作した。本試作電池をLIB3とする。なお、同一仕様の電池を5本製作した。
これらの3種類の電池を0.3A(レートで0.3CA相当)の定電流にて電圧4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧にて2時間充電した。充電後に、0.3Aで放電させ、3.2Vに達した時点で放電を停止させた。続けて、上述の充電と放電を10回繰り返して、電池の初期容量を求めた。各電池の初期容量は、1015±10mAh、1010±10mAh、1020±10mAhであった。なお、本試験は室温にて実施した。
上述の試験の11サイクル目に各電池を上述の条件にて充電し、満充電状態で試験を終了させた。これらの電池をそのまま、60℃の恒温槽に保管し、20日間放置した。放置後に、上述の充放電条件にて放電から試験を開始した。続けて、充放電のサイクルを5回行い、最後のサイクルでの放電容量を保持容量(再充電による放電可能容量)として計測した。表1にその結果をまとめた。
Figure 2011034798
その結果、放置後の初回放電容量はLIB1で705±15mAh、LIB2で710±15mAh、LIB2で680±15mAhとなった。保持容量は、LIB1で965±15mAh、LIB2で970±15mAh、LIB2で805±15mAhとなった。このことから、放置後の容量低下には、電池間に大きな差は認められなかったが、保持容量(再充電による放電可能容量)に大きな開きが認められた。本発明の容量低下抑制剤(ヨウ化リチウム)を用いたLIB1、LIB2は、極めて優れた容量保持特性を示した。
さらに、LIB1に使用した電極等の電池構成部品を用い、ヨウ化リチウムの添加量の異なるリチウムイオン二次電池、LIB4、LIB5、LIB6、LIB7を製作した。これらの電池のヨウ化リチウム添加量は、表1に記載されており、順に0.001、0.1、0.5、10mmol/kgとした。
次に、各電池を上述の条件にて充電し、満充電状態で試験を終了させた。これらの電池をそのまま、60℃の恒温槽に保管し、20日間放置した。放置後に、上述の充放電条件にて放電から試験を開始した。続けて、充放電のサイクルを5回行い、最後のサイクルでの放電容量を保持容量(再充電による放電可能容量)として計測した。表1にその結果を示した。
放置後の初回放電容量は、ヨウ化リチウムの添加量が少ないほど(例えばLIB4)やや大きくなり、ヨウ化リチウムの添加量が多いほど(例えばLIB7)減少する傾向があった。また、再充電による放電可能容量は逆の傾向が認められた。すなわち、ヨウ化リチウムの添加量が少ないほど(例えばLIB4)減少し、ヨウ化リチウムの添加量が多いほど(例えばLIB7)増大する傾向にあり、高温長期間の保管に本発明の容量低下抑制剤が有効であることがわかった。ただし、本発明のLIB4、LIB5、LIB6、LIB7のいずれの電池も、再充電による放電可能容量は、ヨウ化リチウムを添加していないLIB3よりも大きく、容量保持特性に優れていた。
なお、60℃で短期間の放置後、例えば1日以内であれば、放置後の初回放電容量は、ヨウ化リチウム添加量が少なくなるほど大きくなる傾向があった。しかし、LIB1、LIB2、LIB4、LIB5、LIB6、LIB7の再充電により放電可能な容量は、LIB3の容量よりも大きかった。
実施例2のLIB4、LIB5、LIB6、LIB7に添加したヨウ化リチウムをヨウ素分子に置き換えた電池も製作した。ヨウ素分子の添加量は、表1に示したヨウ化リチウムの添加量の1/2モル濃度とし、ヨウ素元素の量としてそれぞれ同じになるように調整した。
その結果、ヨウ化リチウムをヨウ素で置換しても、それぞれの濃度に対応するLIB4、LIB5、LIB6、LIB7における放置後の初回放電容量、再充電による放電可能容量と、±5%の範囲でほぼ同じ値であった。この結果より、ヨウ化リチウムをヨウ素に置き換えても、同一の効果を得ることができることを検証することができた。
図2は、前記の実施例で用いた負極のみを本発明の電解液に浸漬し、それらを金属製密閉容器に充填した状態で、高温に保管したときの容量保持特性を評価した結果である。金属製密閉容器は、市販のステンレス鋼製容器を用いることができ、例えばスウェージロック社製ユニオンの両端にプラグを取り付けたものがある。
電解液は、前記の実施例のLIB1とLIB3に用いた溶液と同一組成である。放置温度は60℃、放置日数は30日とした。放置後の初回放電容量は、図2の回復可能な容量低下率と不可逆な容量低下率を100%から引いた値と、放置前の電池容量の積である。再充電による放電可能な容量は、100%から不可逆な容量低下率を引いた値と、放置前の電池容量の積である。図2に示した結果から、明らかなように、本発明の電解液を用いた場合と用いなかった場合とで、放置直後の容量損失の割合(回復可能な容量低下率と不可逆な容量低下率の合計)に大きな差は認められない。しかし、本発明により容量低下抑制剤を添加したときの不可逆な容量低下率は、それを添加しなかったときの不可逆な容量低下率の1/4以下まで低減されたため、結果として、本発明のリチウムイオン二次電池は再充電による放電可能容量(回復可能な容量低下率)が極めて優れることが判明した。これは、本発明のヨウ素イオンが遅い自己放電により、負極の不活性化を抑制した効果によるものである。
さらに、本発明の方法は、従来の方法と比較して、構成上の相違点の他に、本発明はヨウ化物イオンまたはヨウ素の作用により得られる効果の点でも、以下で述べる新たな特徴がある。
従来技術による安定な被膜形成によると、その被膜は、負極と電解液、特に溶媒との直接的な接触を抑制し、溶媒の分解速度を低下させる作用があると考えられる。いわゆる、保護膜として機能している。そのため、被膜を形成した負極では、被膜を形成しなかった場合と比べて、不可逆な容量低下と可逆な容量低下が同じ比率で低減される。なぜならば、被膜を透過した溶媒が負極表面に到達した後の反応は、安定な被膜が形成されていなかったときと実質的に同じ電気化学反応が進行しうるからである。被膜を移動する溶媒の透過速度が変化するだけであって、不可逆な容量低下と可逆な容量低下をもたらすそれぞれの電気化学反応速度の比は同じである。
しかしながら、本発明の容量低下抑制剤(例えば、ヨウ化リチウム)を電解液に添加した場合は、無添加の場合と比較し、全体の容量低下は変化しないが、不可逆な容量低下を相対的に減少させ、その分を可逆な容量低下が増加させる特異な効果を示している。よって、本発明の容量低下抑制剤の添加効果は、被膜形成によるものではない。
そもそも、LiIが被膜に取り込まれて安定化な被膜形成をしたとしても、電気化学的な電子の授受は起こらない(式8)。ここで、LiI(溶液)は、溶液にLiIを添加したときの解離前の状態を意味し、Li(溶液)とI(溶液)はそれぞれ解離した後のイオンの状態を表し、LiI(被膜)は被膜に取り込まれて安定化した状態を示す。上式のLiI(溶液)がLiI(被膜)として安定化するまでに、電子の移動がないことは明らかである。
Figure 2011034798
以上の議論から、本発明の容量低下抑制剤は、正極上の酸化と負極上の還元を利用した酸化還元反応(式4〜6)と、加熱促進反応(式7)と酸化還元反応(式5)のいずれか一方または両方に関与し、ゆっくりとした自己放電と可逆的な充電を可能にしていると結論される。このような特異な作用は、従来技術では実現できない。
本発明は、電源および種々の機器システムに利用し得るリチウムイオン二次電池、特に電気自動車用や電力貯蔵用の電池に利用可能である。
10 正極、11セパレータ、12 負極、13 電池缶、14 正極集電タブ、15 負極集電タブ、16 内蓋、17 圧力開放弁、18 ガスケット、19 正温度係数抵抗素子、20 電池蓋

Claims (12)

  1. ハロゲンイオンとハロゲンの酸化還元平衡電位以上でリチウムイオンを吸蔵・放出する正極、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極、非水溶媒に電解質を溶解させた非水電解液からなるリチウムイオン二次電池において、
    前記非水電解液がハロゲン化リチウムまたはハロゲン分子を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記ハロゲン化リチウムまたは前記ハロゲン分子の含有量が、前記非水電解液の重量に対して0.01〜10mmol/kgのハロゲン相当重量の範囲にあることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記負極表面に吸着した前記ハロゲン化リチウムまたは前記ハロゲン分子は、前記溶媒の洗浄により脱離可能とすることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  4. ハロゲンイオンとハロゲンの酸化還元平衡電位以上でリチウムイオンを吸蔵・放出する正極、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極、電解質を含有する高分子固体電解質からなるリチウムイオン二次電池において、
    前記高分子固体電解質にハロゲン化リチウムまたはハロゲン分子を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  5. 前記ハロゲン化リチウムまたは前記ハロゲン分子の含有量が、前記高分子固体電解質の重量に対して0.01〜10mmol/kgのハロゲン相当重量の範囲にあることを特徴とする請求項4記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記ハロゲンイオンはヨウ素イオンであり、前記ハロゲンはヨウ素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記炭素を含有する負極は、炭素、リチウムと合金を形成する金属およびこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. リチウムイオンを吸蔵・放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素を含有する負極と、電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、
    前記電解質は、無機レドックスシャトルを含有し、
    前記正極は前記無機レドックスシャトルの酸化還元平衡電位以上でリチウムを吸蔵・放出することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  9. 前記無機レドックスシャトルは、ハロゲンであることを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記ハロゲンはヨウ素であることを特徴とする請求項9に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. リチウムイオンを電気化学的に挿入・離脱する正極と、リチウムイオンを電気化学的に挿入・離脱する負極と、電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、
    前記電解質は、前記リチウムイオンの電気化学的挿入・離脱反応に連動する酸化還元反応系を備え、
    前記正極は前記酸化還元系の酸化還元平衡電位以上でリチウムを吸蔵・放出することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  12. 前記酸化還元系はハロゲンイオンおよびハロゲン分子を含んでなることを特徴とする請求項11に記載のリチウムイオン二次電池。
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