JP5979587B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型ハードコート剤、それらを用いた硬化膜、硬化膜が積層されたプラスチックフィルム、及びプラスチックフィルムを用いた加工製品。 - Google Patents
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Description
前記マクロモノマー(B)が、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、チオアルコールの存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、かつ、前記共重合体の各成分の重量比が、(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする、製造方法に関する。
前記マクロモノマー(B)が、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、メルカプトプロピオン酸の存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーにグリシジルメタクリレートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、
かつ、前記共重合体の各成分の重量比が、(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする、製造方法に関する。
また、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートを両方用いる場合のそれぞれの配合比率は、特に限定されず、物性をコントロールする目的で、任意に組み合わせることができる
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、メチルメタクリレート(以下、MMA)9.4部、メルカプトプロピオン酸 0.8部、酢酸ブチル 49.1部、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)0.5部を仕込んで撹拌し、窒素気流化で90℃まで昇温したのち、予めMMA 37.4部、AIBN 1.4部を仕込んでおいた滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、その後90℃5時間反応させた。室温まで冷却し、グリシジルメタアクリレート(以下、GMA)1.1部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌して110℃まで昇温させ9時間反応させ、片末端メタクロイル基含有のMMAマクロモノマー(マクロモノマーA)を得た。なお、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は4,600であった。重量平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名「HLC−8220」、カラム:東ソー(株)製、商品名「TSKgel superHZ−M」を3本直列に連結して測定した値を示す(以下の、合成例についても同じ)。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MMA 8.1部、2−メルカプトエタノール 6.3部、酢酸ブチル 49.7部、AIBN 0.1部を仕込んで撹拌し、窒素気流化で90℃まで昇温したのち、予めMMA 24.1部、AIBN 0.3部を仕込んでおいた滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、その後90℃5時間反応させた。室温まで冷却し、2−イソシアナトエチルアクリレート 11.3部、オクチル酸第一錫 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌して110℃まで昇温させ9時間反応させ、片末端アクロイル基含有のMMAマクロモノマー(マクロモノマーB)を得た。なお、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は700であった。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MMA 9.8部、メルカプトプロピオン酸 0.2部、酢酸ブチル 33.2部、AIBN 0.1部を仕込んで撹拌し、窒素気流化で90℃まで昇温したのち、予めMMA 39.1部、AIBN 0.4部を仕込んでおいた滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、その後90℃5時間反応させた。室温まで冷却し、GMA 0.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌して110℃まで昇温させ9時間反応させた後、酢酸ブチル 16.6部を加えた。片末端メタクロイル基含有のMMAマクロモノマー(マクロモノマーC)が得られ、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は22,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK)49.8部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 15.6部、(B)成分としてマクロモノマーA 18.7部、(C)成分としてシクロヘキシルメタクリレート(以下、CHMA) 6.2部、AIBN 1.4部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=50:30:20の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を7.9部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量30,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(1)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、(B)成分としてマクロモノマーAA−6(東亞合成株式会社) 5.8部、(C)成分としてジシクロペンタニルメタクリレート(以下、DCPA) 2.9部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=70:20:10の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量20,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(2)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 18部、(B)成分としてマクロモノマーAS−6(東亞合成株式会社) 3部、(C)成分としてイソボルニルアクリレート(以下、IBXA) 9部、AIBN 1.4部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=60:10:30の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を7.9部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量20,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(3)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 57.9部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 24.2部、(B)成分としてマクロモノマーAW−6S(東亞合成株式会社) 2.7部、(C)成分としてイソボルニルアクリレート 1.3部、AIBN 1.2部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=90:5:5の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を12.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量17,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(4)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.3を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 26.0部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、GMA共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を13.2部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量17,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(5)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 50.6部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、(B)成分としてマクロモノマーA 17.3部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B)=70:30の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量28,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(6)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、(C)成分としてIBXA 8.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(C)=70:30の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量18,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(7)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、親油性基を有する長鎖アルキル化合物としてステアリルメタクリレート(以下、SMA) 8.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量16,000の親油性基を有する活性エネルギー線硬化型樹脂(8)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、酢酸ブチル 59.3部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 24.2部、撥水撥油性基含有化合物としてポリジメチルシロキサンモノ(メタ)アクリレート化合物の商品名;サイラプレーンFM−0711(JNC株式会社) 2.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、ポリジメチルシロキサン基含有の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を12.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量14,000の撥水撥油性基を有する活性エネルギー線硬化型樹脂(9)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、酢酸ブチル 59.3部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 24.2部、撥水撥油性基を有するフロロアルキル化合物として商品名;V−8FM(大阪有機化学工業株式会社) 2.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、フロロアルキル基含有の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を12.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量16,000の撥水撥油性基を有する活性エネルギー線硬化型樹脂(10)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 57.6部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 15.6部、(B)成分としてマクロモノマーA 3.1部、(C)成分としてCHMA 14部、AIBN 1.4部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=50:5:45の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を7.9部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量13,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(11)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 41.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 13部、(B)成分としてマクロモノマーA 35.8部、(C)成分としてCHMA 1.6部、AIBN 1.5部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=40:55:5の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を6.6部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量32,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(12)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 46.1部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 13部、(B)成分としてマクロモノマーA 26部、(C)成分としてCHMA 6.5部、AIBN 1.5部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=40:40:20の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を6.6部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量30,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(13)を得た。
合成例1の成分(B)をマクロモノマーBに置き換え、同様の手順で製造を行い、重量平均分子量21,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(14)を得た。
合成例1の成分(B)をマクロモノマーCに置き換え、同様の手順で製造を行い、
重量平均分子量75,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(15)を得た。
活性エネルギー線硬化型樹脂(1)から(4)100部に、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」BASF)2部を配合し完全に溶解させて、樹脂固形分40%の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤を調製し、実施例1から4とした。
同様の手順で、活性エネルギー線硬化型樹脂(5)から(15)100部に、イルガキュア184 2部を配合し完全に溶解させて、樹脂固形分40%の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤を調製し、比較例1から11とした。
活性エネルギー線硬化型樹脂(7)40部に対して、トリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TMP)24部、イルガキュア184 2部、MEK 36部を配合し、固形分40%のハードコート剤を調整し、比較例12とした。
各実施例および比較例のハードコート剤を厚さ188μmの片面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「コスモシャインA4100」東洋紡績株式会社)の易接着面にバーコーターNo.12で塗布し、80℃1分間乾燥させ、溶剤分を除去し膜厚5μmの乾燥塗膜を得た。
評価用塗膜の作成1の乾燥塗膜に、高圧水銀灯で400mJ/cm2の積算光量を照射し、硬化膜を得た。
38μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムに、メラミン樹脂系離型剤を1μmの厚さにグラビア印刷法にて塗工し、離型層を形成した後、その上層に実施例および比較例のハードコート剤をバーコーターNo.12で塗布し、80℃1分間乾燥させ、溶剤分を除去し膜厚5μmの乾燥塗膜を得た。さらに、この乾燥塗膜上に、商品名「オリバインBPS8170」東洋インキ株式会社を膜厚1μmに積層し、150℃40秒間乾燥させた後、アクリル板上に貼り付け、ポリエチレンテレフタレートフィルムのみを引き剥がすことで、アクリル板上に乾燥塗膜を転写した。そして乾燥塗膜に、高圧水銀灯で400mJ/cm2の積算光量を照射し、転写した硬化膜を得た。
プラスチックフィルムに溶剤を含むハードコーティング剤を塗工し、熱処理により溶剤分を揮発させ乾燥膜にした後にロール状に巻き取りいったん保存する場合がある。その際、乾燥膜面とプラスチックフィルム面が重なった状態になると、層間に粘着力などによって付着した状態(ブロッキング)になり、層間を剥がすのに力が必要となったり、剥がすのが困難になる場合や、無理やり剥がすと塗工フィルムの破壊が生じたりしてしまう。この粘着力が低いほど、優れた耐ブロッキング性を有する。
◎;全く貼りついて無い状態
○;一部貼りついていない箇所があり、貼り付いている箇所も容易に剥離する
△;全体が貼りついているものの、容易に剥離する
□;全体が貼り付き、かつ、容易に剥離せず、剥離させた時に塗工フィルムが破壊する
△を使用可能なレベルと判断し、○は優れた耐ブロッキング性、◎はより優れた耐ブロッキング性と判断した。対して、×は上述の問題が生じる可能性が高く不合格とした。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂は、硬化後に透明性が求められる。透明性が不十分であれば、下地になる柄インキなどの意匠柄の色彩を損ねてしまう。
評価用塗膜の作成2で作成した硬化膜を、ヘイズメーター「HM−150」(村上色彩技術研究所)を用いて、JIS−K−7105に準拠してヘイズを測定した。ヘイズが1.0%以下で透明性が良好であると判断し、より好ましくは0.6%以下である。
評価用塗膜の作成2で作成した硬化膜を用い、鉛筆硬度試験によりハードコート性の評価を行った。鉛筆硬度試験は、JIS−K−5600の試験方法に則り評価した。ここで、鉛筆硬度2Hのものを優れたハードコート性を有しているとし、逆に、鉛筆硬度Hのものはハードコート剤として使用できるもののややハードコート性に劣るもの、鉛筆硬度Fはハードコート性が明らかに劣るものと判断した。
加工性は、硬化膜の伸度にて評価を行った。伸度が大きければ射出成型時にかかる延伸の応力に対して柔軟に追従できることを意味し、ハードコート層の割れの抑制が可能となる。
硬化膜表面に指紋が付着した時の指紋の目立ち難さと、付着している指紋の拭き取りの容易さの二点について、感応評価を行った。
Claims (7)
- エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(A)、いずれか一方の末端がラジカル重合性基であり且つもう一方の末端が下記一般式(1)で表わされる構造を有する重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(B)、及び脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)を必須成分として反応させて得られる共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸(D)を反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法であって、
前記マクロモノマー(B)が、
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、チオアルコールの存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、
かつ、
前記共重合体の各成分の重量比が、(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする、
製造方法。 - エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(A)、いずれか一方の末端がラジカル重合性基であり且つもう一方の末端が下記一般式(1)で表わされる構造を有する重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(B)、及び脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)を必須成分として反応させて得られる共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸(D)を反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法であって、
前記マクロモノマー(B)が、
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、メルカプトプロピオン酸の存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーにグリシジルメタクリレートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、
かつ、
前記共重合体の各成分の重量比が、(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする、
製造方法。 - 上記脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)は、炭素数6〜10のシクロアルキル基を有することを特徴とする請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法により得られた活性エネルギー線硬化型樹脂と光重合開始剤を配合することを特徴とする活性エネルギー線硬化型ハードコート剤の製造方法。
- 請求項4記載の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤に活性エネルギー線を照射することにより硬化させて得られることを特徴とする硬化膜の製造方法。
- 請求項5記載の硬化膜をプラスチックフィルムに積層させることを特徴とする、プラスチックフィルムの製造方法。
- 請求項6記載のプラスチックフィルムを表面に有させることを特徴とする、加工製品の製造方法。
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