JP5979587B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型ハードコート剤、それらを用いた硬化膜、硬化膜が積層されたプラスチックフィルム、及びプラスチックフィルムを用いた加工製品。 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型ハードコート剤、それらを用いた硬化膜、硬化膜が積層されたプラスチックフィルム、及びプラスチックフィルムを用いた加工製品。 Download PDF

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本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型ハードコート剤、それらを用いた硬化膜、硬化膜が積層されたプラスチックフィルム、及びプラスチックフィルムを用いた加工製品に関する。さらに詳しくは、塗装、印刷などで加工製品表面を加飾する塗布工法ではなく、金型内(インモールド:In Mold)でプラスチック樹脂の射出成形と同時に加飾する工法、すなわち、IMD(In Mold Decoration)、IML(In Mold lamination)、IMF(In Mold Forming)、FIM(Film Insert Molding)、INS(Insert Molding)などに使用されるインモールド加飾フィルムに用いられる活性エネルギー線硬化型ハードコート剤、及びそれを用いて成形される物品である。
近年、携帯電話端末やパソコン筐体、車内内装トリム等のプラスチック射出成型品は、本来表面に傷が付き易いため、硬度や耐擦傷性といったハードコート性、耐薬品性などの機能性を付与させ、表面を保護することを目的としたコーティングが施される。コーティング剤には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂よりも、活性エネルギー線硬化性樹脂の方がそれら特徴に優れていることから賞用されている。コーティングの工法としては、スプレー塗装や印刷などの塗布工法よりも、複雑な絵柄が可能であり、且つ、生産性が高いことからインモールド加飾工法が注目されている。インモールド加飾工法は、下記(1)と(2)に分類することができる。
一つは、(1)予め離型表面処理が施されたプラスチックフィルム基材に、活性エネルギー線硬化型ハードコート剤を塗工し、含有する有機溶剤を乾燥させた後、熱処理または活性エネルギー線を照射して固体状態にした後、一旦、ロール状に巻き取り、後の工程で意匠性や物性向上を目的に多層塗工させたプラスチックフィルム(インモールド加飾フィルムという)を、射出成型の際に金型内に挿入して金型を閉じた後に溶融したプラスチック樹脂を射出して一体化させた成形品から、離型表面処理界面からプラスチックフィルム基材のみを剥ぎ取ることによって、ハードコート層や意匠柄をプラスチック表面に転写させる工法(IMD等と言われる)である。
もう一つは、(2)PET(ポリエチレンテレフタレート)などのフィルム基材に絵柄層やハードコート層を設けたインモールド加飾フィルムを、金型内に挿入し射出成型しプラスチック成型品に貼り付ける工法(IMLやIMF等と言われる)である。
上記(1)、(2)共に、金型内で射出成型する時、インモールド加飾フィルムは金型内面に沿った形状に延伸される。一般的に、成型品表面の傷付き難さであるハードコート性を優先させるほど硬くて脆い性状となり、延伸時の応力でクラックが生じ易くなる、すなわち加工性が低下する傾向がある。具体的には、曲面きついカーブや、箱型の加工(深絞り加工という)のコーナー部分でクラックが生じ易く、従来のインモールド加飾フィルムには、ハードコート性、もしくは、加工性において制限されるものであった。
また、加工成形品表面には、加工成形品表面を手指で触った際に付着する指紋汚れが、除去し難く美観を損なうという理由から、指紋汚れを容易に除去できる、または指紋が付着しても目立ち難くする耐指紋性の付与が求められるようになり、ハードコート性と加工性を両立し、耐ブロッキング性を有し、更に耐指紋性を有する活性エネルギー線硬化型樹脂が必要となっている。
耐指紋性を有する活性エネルギー線樹脂としては、皮脂汚れを弾き除去し易くするために、撥水撥油性を付与することを目的に、ポリフルオロアルキル基を含有する重合性モノマーを必須成分とした活性エネルギー線硬化性組成物が提案されている(特開文献1)。しかしながら、付着した皮脂を弾き除去し易くなるものの、かえって指紋が目立つようになってしまう。
これに対して、硬化膜表面に付着する皮脂に対して親和性を持たせ、皮脂が硬化膜表面に薄く広がり視認し難くさせる活性エネルギー線硬化性組成物が提案されている。
例えば、多官能(メタ)アクリレート樹脂に、アルキル基またはシクロアルキル基を有する親油性モノマーを30%以上含有する活性エネルギー線硬化性樹脂が提案されている(特許文献2参照)。これによれば、硬化膜表面が適度な親油性となり、指と馴染み目立たなくなるが、ハードコート性と加工性を両立するのが困難である。
また、活性メチレンまたはメチン基と飽和シクロアルキル基を含有するアクリル樹脂と、多官能(メタ)アクリレート樹脂及びマイケル付加反応触媒との配合物が提案されている(特開文献3)。これは、加熱処理後に半硬化の状態となることから加工性が良く、また、活性エネルギー線照射後の完全に硬化させた後はハードコート性や耐指紋性が良好であるものの、多官能(メタ)アクリレート樹脂を含むことから、耐ブロッキング性が悪い。
特開2002−241446号公報 特開2011−32365号公報 特開2011−26409号公報
本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂であって、従来困難であった加工性とハードコート性を両立し、硬化膜が耐指紋性を有し、更に良好な耐ブロッキング性と透明性を有することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(A)と、いずれか一方の末端にラジカル重合性基を有し且つもう一方の末端に所定の構造を有する重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(B)及び脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)とを共重合することによって得られるA/B/C共重合体のエポキシ基に、α,β−不飽和カルボン酸(D)を反応させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂、及び、それを用いた樹脂組成物によって、課題を解決することを見出した。
すなわち本発明1は、エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(A)、いずれか一方の末端がラジカル重合性基であり且つもう一方の末端が下記一般式(1)で表わされる構造を有する重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(B)、及び脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)を必須成分として反応させて得られる共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸(D)を反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法であって、
Figure 0005979587
(式中、R はH又はCH 、R はC(=O)OCH 、C(=O)OCH CH(CH 、C(=O)OC(CH 、C(=O)O(CH CH (mは1〜17の整数を示す。)及びフェニル基より選ばれるいずれかの基、nは整数を示す。)
前記マクロモノマー(B)が、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、チオアルコールの存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、かつ、前記共重合体の各成分の重量比が(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする、製造方法に関する。
本発明2は、エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(A)、いずれか一方の末端がラジカル重合性基であり且つもう一方の末端が下記一般式(1)で表わされる構造を有する重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(B)、及び脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)を必須成分として反応させて得られる共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸(D)を反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法であって、
Figure 0005979587
(式中、R はH又はCH 、R はC(=O)OCH 、C(=O)OCH CH(CH 、C(=O)OC(CH 、C(=O)O(CH CH (mは1〜17の整数を示す。)及びフェニル基より選ばれるいずれかの基、nは整数を示す。)
前記マクロモノマー(B)が、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、メルカプトプロピオン酸の存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーにグリシジルメタクリレートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、
かつ、前記共重合体の各成分の重量比が、(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする、製造方法に関する。
本発明3は、本発明1又は2において、脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)が、炭素数6〜12のシクロアルキル基を有する活性エネルギー線硬化型樹脂である。
本発明4は、本発明1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法により得られた活性エネルギー線硬化型樹脂と光重合開始剤を配合することを特徴とする活性エネルギー線硬化型ハードコート剤の製造方法に関する。
本発明5は、本発明4の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤に活性エネルギー線を照射することにより硬化させて得られることを特徴とする硬化膜の製造方法に関する。
本発明6は、本発明5の硬化膜をプラスチックフィルムに積層させることを特徴とする、プラスチックフィルムの製造方法に関する
本発明7は、本発明6のプラスチックフィルムを表面に有させることを特徴とする、加工製品の製造方法に関する
本発明の提供する活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることによって、インモールド射出成型の加工時の応力に対して、クラックが生じ難い良好な加工性を有することから、従来では困難であった深絞り加工などに適応できる。更に、傷付き難いハードコート性に加え、指紋が目立ち難く付着した指紋が除去し易いといった良好な耐指紋性、良好なタック性と透明性を成型加工品の表面に加飾することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂は、エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(以下、(A)成分という)、いずれか一方の末端(片末端ともいう)にラジカル重合性基を有し、もう一方の末端に下記一般式(1)で表わされる構造を有する、エポキシ基およびカルボキシル基を有しない重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(以下、(B)成分という)、脂環構造を有する重合性モノマー(C)(以下、(C)成分という)を必須成分としてラジカル反応させて得られる共重合体のエポキシ基に、α,β−不飽和カルボン酸(以下、(D)成分という)を反応させて得られるものであり、重量平均分子量が10,000〜100,000の活性エネルギー線硬化性樹脂である。
上記(A)成分とは、分子内に少なくとも1個のエポキシ基と1個の不飽和二重結合を有する化合物である。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性と調達コストの面から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(B)成分は、いずれか一方の末端が、ラジカル重合性基を有し、エポキシ基及びカルボキシル基を含有しない重量平均分子量1,000〜20,000の化合物である。ラジカル重合性基とは、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリール基等が挙げられる。
上記(B)成分は、分子構造中にエポキシ基及びカルボキシル基を含有しないことも特徴の一つである。エポキシ基を含有すれば、(D)成分の付加反応が生じてしまう結果、(メタ)アクリロイル基の架橋密度が高くなってしまうことから、加工性が低下してしまう。また、カルボキシル基を含有した場合では、(A)成分のエポキシ基と反応してしまいゲル化してしまう。
上記(B)成分のもう一方の末端は、一般式(1)で表わされる構造を有す。これにより、得られる本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤により形成する硬化膜の加工性とハードコート性の両立が可能となる。
上記一般式(1)で表わされる構造は、単量体(E)(以下、(E)成分ともいう)が共重合して得られるものである。(E)成分としては入手の容易さや原料コスト、成分(A)や有機溶剤との相溶性の観点からメチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、スチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いる。
上記(B)成分の製造方法は、特に限定されず、例えば、特開平8−73577号公報、特開2001−64318号公報で提案されている方法により合成できる。具体的には、チオアルコール存在下で、単量体(E)の重合反応を行い、少なくとも片末端に水酸基を導入した共重合ポリマーを合成した後、水酸基に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートやメタクリル酸クロライドなどを付加反応させて、片末端がラジカル重合性基を有するマクロモノマーを得ることができる。また、高温でのラジカル重合によって連鎖移動剤等を使用しないマクロモノマーの製造方法が東亞合成(株)河合氏らによって提案されている(東亞合成研究年報 TREND2002 第5号 p.2−10)。これらのいずれの方法でも製造することができる。
上記(B)成分は、重量平均分子量1,000〜20,000である。重量平均分子量1,000未満であると硬化膜のハードコート性を示す鉛筆硬度が低下する傾向であり、対して重量平均分子量20,000を超えると、(A)及び(C)成分や有機溶剤と相溶性が悪くなり、硬化膜の透明性も低下する。
上記(B)成分の具体例の市販品としては、東亞合成(株)マクロモノマーAA−6やAB−6、AS−6、AW−6S、AY−707S、AK−5、AK−32などが挙げられ、ハードコート性と加工性を良好にする点から、AA−6、AB−6、AW−6S、AS−6を用いることが好ましい。
上記(C)成分は、脂環構造を有するラジカル重合性モノマーであれば、特に限定されない。具体例としては、炭素数4〜12のラジカル重合性モノマーとして、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート,2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)プロパン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)ブタン、3−(メタ)アクリルロイルオキシ−3−(1−アダマンチル)ペンタンなどのアダマンチルアクリレート誘導体、シクロドデシル(メタ)アクリレートが挙られる。また、良好な耐指紋性と入手が容易な点で、炭素数6〜10のシクロアルキル基を有するラジカル重合性モノマーがより好ましく、具体例として、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート,2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)プロパン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)ブタン、3−(メタ)アクリルロイルオキシ−3−(1−アダマンチル)ペンタンなどのアダマンチルアクリレート誘導体が挙げられる。
上記(A)成分と(B)成分と(C)成分の重量比は、最終生成物である活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の耐指紋性、加工性及びハードコート性、耐ブロッキング性を優れたものとする点で、(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40とすること必要がある。そのため、良好なハードコート性と加工性を両立させ、優れた耐ブロッキング性を有し、更に優れた耐指紋性を有する硬化膜を得るためには、上記割合する必要がある。より好ましくは、(A):(B):(C)=55〜80:5〜30:5〜20である。
上記(A)成分は、硬化膜のハードコート性に大きく寄与する成分であり、配合量が50重量%以上90重量%以下でなければハードコート性と加工性の両立が得られない。具体的には、割合が50重量%未満であると加工性が向上するもののハードコート性が低下し、90重量%を超えるとハードコート性は向上するものの加工性が低下する。
上記(B)成分は、加工性の付与に効果的な成分であるものの、配合量が45重量%を超えると加工性が低下してしまい、さらにはハードコート性も低下する傾向がある。一方、5重量%未満の場合には加工性が低下することから、優れた加工性とハードコート性を両立する点で、5重量%以上45重量%以下の割合でなければならない。
上記(C)成分は、耐指紋性に寄与する成分であり、配合量が40重量%を超えた場合、耐指紋性は良好であるもののハードコート性が低下する傾向となり、5重量%未満になると耐指紋性が低下するもののハードコート性は向上する傾向である。
上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を共重合する際に用いるラジカル重合開始剤としては、特に限定することなく公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、ラジカル重合開始剤の使用量は、(A)〜(C)成分の合計100重量部に対し、0.01〜10重量部程度とすることが好ましい。なお、必要に応じ、連鎖移動剤などを用いてもよい。
上記連鎖移動剤としては、例えば、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。連鎖移動剤の使用量は、使用する(A)〜(C)成分の合計100重量部に対し、0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。
このようにして得られた(A)成分、(B)成分及び(C)成分との共重合体(A/B/C共重合体)に(D)成分を付加反応させて活性エネルギー線硬化型樹脂とする。
上記A/B/C共重合体と(D)成分の反応は、(A)成分のエポキシ基と(D)成分のカルボキシル基の反応である。反応方法については、特に限定されず公知の方法を採用することができる。通常は、A/B/C共重合体を(D)成分と混合し、必要により各種触媒の存在下80〜120℃の温度に加熱することにより行う。
上記A/B/C共重合体のエポキシ基数に対して、カルボキシル基が同数となるように(D)成分を配合することが好ましい。カルボキシル基数がエポキシ基数よりも少なければ、エポキシ基同士の架橋が生じてしまい増粘しゲル化する可能性がある。カルボキシル基数をエポキシ基数よりも過剰に配合してしまうと、未反応の(D)成分が生成物中に存在する状態となり、(D)成分は一般的に皮膚刺激性が高いことから、取り扱いの点から好ましくない。
上記触媒としては、例えば、塩基性触媒としては、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンやアンモニア等のアミン類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類が挙げられ、酸触媒としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、テトラブトキシトリチタニウム等の金属アルコキシド化合物、塩化アルミニウム等のルイス酸、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物などが挙げられる。触媒の使用量は特に限定されないが、(A)〜(D)成分の合計重量100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。
上記A/B/C共重合体と(D)成分との反応においては、必要に応じて、重合禁止剤を用いてもよい。重合禁止剤としては、メトキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は特に限定されないが、得られる樹脂の反応硬化性に悪影響を与えることがないようにするため(A)〜(D)成分の合計重量100重量部に対して、通常、1重量部程度以下とすることが好ましい。また、重合を防止するために、反応系中に空気を吹き込む等してもよい。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の共重合反応、及び、A/B/C共重合体と(D)成分との反応における溶剤は、各成分を溶解する有機溶剤であれば、特に限定することなく公知のものを使用することができる。具体的には、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の低級ケトン類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸ブチル、酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。各反応工程において、反応温度を高く設定すると反応を効率よく短時間で進行させることができるため、沸点が高いものが好ましいものの、活性エネルギー線硬化型ハードコート剤としては乾燥性がよいものが好ましい点を考慮すると、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルが反応温度を高く設定でき、且つ、乾燥性が良いことから好ましい。
こうして得られた本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂は、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)10,000〜100,000程度であることが好ましい。この範囲内であれば、有機溶剤を含有する混合液として取り扱うことができ、硬化膜の伸度の低下を防止することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂と光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型ハードコート剤とすることもでき、これもまた本願発明の一つである。本発明のハードコート剤は、単官能(メタ)アクリレート及び/又は多官能(メタ)アクリレート及び、添加剤を含有することもできる。単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートを使用することで硬化膜のハードコート性と加工性を調整することできる。
上記光重合開始剤としては、紫外線により分解してラジカルを発生して重合を開始させることができるものであれば、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン等が挙げられBASF(株)などから容易に入手することができる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部程度とすることが好ましい。
上記単官能(メタ)アクリレート及び/又は多官能(メタ)アクリレートは、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましく、単官能(メタ)アクリレートのみでも、多官能(メタ)アクリレートのみでも、これらが両方含まれていてもよい。
また、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートを両方用いる場合のそれぞれの配合比率は、特に限定されず、物性をコントロールする目的で、任意に組み合わせることができる
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等に代表される化合物が挙げられる。これらは東亞合成(株)のアロニックス製品群や大阪有機化学工業(株)のビスコート製品群などより容易に入手することができる。なお、これらはそれぞれを単独で、または2種以上を併用して配合してもよい。2種以上使用する場合の各多官能(メタ)アクリレート成分の使用割合は、特に制限されない。優れた加工性とハードコート性の両立という点で、好ましくは、ウレタン(メタ)アクリレートとポリエステル(メタアクリレート)である。
上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、多価イソシアネート化合物と2個以上の水酸基含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート、多価イソシアネート化合物と1個の水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られる分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記水酸基含有化合物としては、2個以上の水酸基を有するものであれば特に限定されず、例えば(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ビスフェノ−ルA、S、F等が挙げられる。また、ポリ(エチレン−プロピレン)グリコール等の2種以上のアルキレンオキシド骨格を有する2価アルコールであってもよい。
上記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、分子中にエポキシ基を3個以上含有する化合物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を3個以上有するエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明のハードコート剤は、耐摩耗性向上やブロッキング性向上を目的に無機フィラーと配合しても良い。無機フィラーとしては、シリカや金属酸化物微粒子などの公知のものを限定なく使用することができる。例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化インジウム等があげられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、商業的に製品群が充実しており入手容易で、安価であることから、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化亜鉛が好ましい。
上記無機フィラーの平均粒子径は40〜200nm(レーザー回折・散乱法による)程度に制御されたものを使用することが好ましい。平均粒子径が40nm未満の場合には、耐ブロッキング性の向上が得られなくなる傾向があり、平均粒子径が200nmを超えると硬化膜に白化が生じ易くヘイズや透過効率などの光学特性を損ねる恐れがある。
また、上記活性エネルギー線硬化型ハードコート剤に活性エネルギー線を照射することにより硬化させて得られる硬化膜も本発明の一つである。本発明の硬化膜を使用すれば、優れた耐指紋性を有し、かつ、加工性とハードコート性を両立し、耐ブロッキング性を有するプラスチックフィルムとして、使用することができる。
上記活性エネルギー線としては、光(紫外線などの光線)、電子線、X線、α線、β線、γ線、中性子線等)が挙げられる。一般に広く普及しているという点で、光と電子線が賞用される。
上記硬化膜が積層されたプラスチックフィルムも本発明の一つである。このプラスチックフィルムは、これまでハードコート層のクラックから適応できなかった曲面のきつい加工や箱型の加工(深絞り加工という)においても対応することができ、従来のハードコート剤と同等の傷付き難いハードコート性を成型品の表面に付与することができるものである。硬化膜(ハードコート層)の形成方法としては、特に限定することなく適応でき、具体的には上述したIMDや、IML、IMF、FIMなどに使用することができる。
上記プラスチックフィルムの基材としては、特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
上記プラスチックフィルムに硬化膜(ハードコート層)を積層させる方法としては、公知の方法で塗布して乾燥/または乾燥後に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより行う。ハードコート剤の塗布方法としては、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。なお、塗布量は特に限定されないが、通常は、乾燥後の重量が0.1〜20g/m、好ましくは0.5〜10g/mになる範囲である。
本発明はまた、上記プラスチックフィルムを表面に有する加工製品である。従来ではハードコート層のクラックの問題から、プラスチック射出成型品のハードコート性に妥協を強いるか、もしくは、デザイン性に制限があったが、本発明のプラスチックフィルムを用いれば、複雑なデザイン性に対応し、且つ、表面に傷が付き難いプラスチックフィルムを表面に有する加工製品を得ることができ、携帯電話端末やパソコンといった電気機器の筐体や、車内内装トリムや外装カバーの一部、家電家具外装板に使用可能である。
以下に、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。なお、各例中、部および%は特記しない限りすべて重量基準である。
<マクロモノマーの合成例1>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、メチルメタクリレート(以下、MMA)9.4部、メルカプトプロピオン酸 0.8部、酢酸ブチル 49.1部、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)0.5部を仕込んで撹拌し、窒素気流化で90℃まで昇温したのち、予めMMA 37.4部、AIBN 1.4部を仕込んでおいた滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、その後90℃5時間反応させた。室温まで冷却し、グリシジルメタアクリレート(以下、GMA)1.1部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌して110℃まで昇温させ9時間反応させ、片末端メタクロイル基含有のMMAマクロモノマー(マクロモノマーA)を得た。なお、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は4,600であった。重量平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名「HLC−8220」、カラム:東ソー(株)製、商品名「TSKgel superHZ−M」を3本直列に連結して測定した値を示す(以下の、合成例についても同じ)。
<マクロモノマーの合成例2>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MMA 8.1部、2−メルカプトエタノール 6.3部、酢酸ブチル 49.7部、AIBN 0.1部を仕込んで撹拌し、窒素気流化で90℃まで昇温したのち、予めMMA 24.1部、AIBN 0.3部を仕込んでおいた滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、その後90℃5時間反応させた。室温まで冷却し、2−イソシアナトエチルアクリレート 11.3部、オクチル酸第一錫 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌して110℃まで昇温させ9時間反応させ、片末端アクロイル基含有のMMAマクロモノマー(マクロモノマーB)を得た。なお、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は700であった。
<マクロモノマーの合成例3>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MMA 9.8部、メルカプトプロピオン酸 0.2部、酢酸ブチル 33.2部、AIBN 0.1部を仕込んで撹拌し、窒素気流化で90℃まで昇温したのち、予めMMA 39.1部、AIBN 0.4部を仕込んでおいた滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、その後90℃5時間反応させた。室温まで冷却し、GMA 0.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌して110℃まで昇温させ9時間反応させた後、酢酸ブチル 16.6部を加えた。片末端メタクロイル基含有のMMAマクロモノマー(マクロモノマーC)が得られ、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は22,000であった。
<合成例1>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK)49.8部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 15.6部、(B)成分としてマクロモノマーA 18.7部、(C)成分としてシクロヘキシルメタクリレート(以下、CHMA) 6.2部、AIBN 1.4部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=50:30:20の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を7.9部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量30,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(1)を得た。
<合成例2>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、(B)成分としてマクロモノマーAA−6(東亞合成株式会社) 5.8部、(C)成分としてジシクロペンタニルメタクリレート(以下、DCPA) 2.9部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=70:20:10の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量20,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(2)を得た。
<合成例3>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 18部、(B)成分としてマクロモノマーAS−6(東亞合成株式会社) 3部、(C)成分としてイソボルニルアクリレート(以下、IBXA) 9部、AIBN 1.4部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=60:10:30の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を7.9部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量20,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(3)を得た。
<合成例4>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 57.9部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 24.2部、(B)成分としてマクロモノマーAW−6S(東亞合成株式会社) 2.7部、(C)成分としてイソボルニルアクリレート 1.3部、AIBN 1.2部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=90:5:5の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を12.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量17,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(4)を得た。
<合成例5>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.3を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 26.0部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、GMA共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を13.2部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量17,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(5)を得た。
<合成例6>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 50.6部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、(B)成分としてマクロモノマーA 17.3部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B)=70:30の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量28,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(6)を得た。
<合成例7>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、(C)成分としてIBXA 8.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(C)=70:30の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量18,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(7)を得た。
<合成例8>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 59.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 20.2部、親油性基を有する長鎖アルキル化合物としてステアリルメタクリレート(以下、SMA) 8.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を10.3部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量16,000の親油性基を有する活性エネルギー線硬化型樹脂(8)を得た。
<合成例9>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、酢酸ブチル 59.3部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 24.2部、撥水撥油性基含有化合物としてポリジメチルシロキサンモノ(メタ)アクリレート化合物の商品名;サイラプレーンFM−0711(JNC株式会社) 2.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、ポリジメチルシロキサン基含有の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を12.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量14,000の撥水撥油性基を有する活性エネルギー線硬化型樹脂(9)を得た。
<合成例10>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、酢酸ブチル 59.3部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 24.2部、撥水撥油性基を有するフロロアルキル化合物として商品名;V−8FM(大阪有機化学工業株式会社) 2.7部、AIBN 1.3部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、フロロアルキル基含有の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を12.3部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量16,000の撥水撥油性基を有する活性エネルギー線硬化型樹脂(10)を得た。
<合成例11>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 57.6部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 15.6部、(B)成分としてマクロモノマーA 3.1部、(C)成分としてCHMA 14部、AIBN 1.4部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=50:5:45の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を7.9部、トリフェニルフォスフィン 0.3部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量13,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(11)を得た。
<合成例12>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 41.2部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 13部、(B)成分としてマクロモノマーA 35.8部、(C)成分としてCHMA 1.6部、AIBN 1.5部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=40:55:5の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を6.6部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量32,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(12)を得た。
<合成例13>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、MIBK 46.1部を入れ、窒素気流化で110℃まで昇温させた後、(A)成分としてGMA 13部、(B)成分としてマクロモノマーA 26部、(C)成分としてCHMA 6.5部、AIBN 1.5部の混合液を仕込んだ滴下ロートから2時間掛けて全量滴下し、5時間反応させることで、重量比(A):(B):(C)=40:40:20の共重合体を得た。その後、常温まで冷却した後、(D)成分としてアクリル酸を6.6部、トリフェニルフォスフィン 0.2部、メトキノン 0.1部を仕込み、滴下ロートを外して窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら撹拌し、110℃6時間反応させ重量平均分子量30,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(13)を得た。
<合成例14>
合成例1の成分(B)をマクロモノマーBに置き換え、同様の手順で製造を行い、重量平均分子量21,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(14)を得た。
<比較例15>
合成例1の成分(B)をマクロモノマーCに置き換え、同様の手順で製造を行い、
重量平均分子量75,000の活性エネルギー線硬化型樹脂(15)を得た。
<実施例1〜4>
活性エネルギー線硬化型樹脂(1)から(4)100部に、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」BASF)2部を配合し完全に溶解させて、樹脂固形分40%の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤を調製し、実施例1から4とした。
<比較例1〜11>
同様の手順で、活性エネルギー線硬化型樹脂(5)から(15)100部に、イルガキュア184 2部を配合し完全に溶解させて、樹脂固形分40%の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤を調製し、比較例1から11とした。
<比較例12>
活性エネルギー線硬化型樹脂(7)40部に対して、トリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TMP)24部、イルガキュア184 2部、MEK 36部を配合し、固形分40%のハードコート剤を調整し、比較例12とした。
各実施例および比較例のハードコート剤を用い、以下の項目、評価方法にて、ハードコート性と加工性の試験を行った結果を表1、2、3に示す。
(評価用塗膜の作成1)
各実施例および比較例のハードコート剤を厚さ188μmの片面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「コスモシャインA4100」東洋紡績株式会社)の易接着面にバーコーターNo.12で塗布し、80℃1分間乾燥させ、溶剤分を除去し膜厚5μmの乾燥塗膜を得た。
(評価用塗膜の作成2)
評価用塗膜の作成1の乾燥塗膜に、高圧水銀灯で400mJ/cmの積算光量を照射し、硬化膜を得た。
(評価用塗膜の作成3)
38μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムに、メラミン樹脂系離型剤を1μmの厚さにグラビア印刷法にて塗工し、離型層を形成した後、その上層に実施例および比較例のハードコート剤をバーコーターNo.12で塗布し、80℃1分間乾燥させ、溶剤分を除去し膜厚5μmの乾燥塗膜を得た。さらに、この乾燥塗膜上に、商品名「オリバインBPS8170」東洋インキ株式会社を膜厚1μmに積層し、150℃40秒間乾燥させた後、アクリル板上に貼り付け、ポリエチレンテレフタレートフィルムのみを引き剥がすことで、アクリル板上に乾燥塗膜を転写した。そして乾燥塗膜に、高圧水銀灯で400mJ/cmの積算光量を照射し、転写した硬化膜を得た。
(耐ブロッキング性の評価)
プラスチックフィルムに溶剤を含むハードコーティング剤を塗工し、熱処理により溶剤分を揮発させ乾燥膜にした後にロール状に巻き取りいったん保存する場合がある。その際、乾燥膜面とプラスチックフィルム面が重なった状態になると、層間に粘着力などによって付着した状態(ブロッキング)になり、層間を剥がすのに力が必要となったり、剥がすのが困難になる場合や、無理やり剥がすと塗工フィルムの破壊が生じたりしてしまう。この粘着力が低いほど、優れた耐ブロッキング性を有する。
上記の粘着力について、耐ブロッキング試験を行い評価した。評価用塗膜の作成1で作成した乾燥塗膜を、5×5cmの大きさに切り出し、易接着処理していないPETフィルムを、乾燥膜面側に重ね、ガラス板に挟み100g/cmの荷重を掛け、25℃保温庫に24時間静置し、乾燥膜面とPETフィルムの密着具合を観察評価した。
◎;全く貼りついて無い状態
○;一部貼りついていない箇所があり、貼り付いている箇所も容易に剥離する
△;全体が貼りついているものの、容易に剥離する
□;全体が貼り付き、かつ、容易に剥離せず、剥離させた時に塗工フィルムが破壊する
△を使用可能なレベルと判断し、○は優れた耐ブロッキング性、◎はより優れた耐ブロッキング性と判断した。対して、×は上述の問題が生じる可能性が高く不合格とした。
(透明性の評価)
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂は、硬化後に透明性が求められる。透明性が不十分であれば、下地になる柄インキなどの意匠柄の色彩を損ねてしまう。
評価用塗膜の作成2で作成した硬化膜を、ヘイズメーター「HM−150」(村上色彩技術研究所)を用いて、JIS−K−7105に準拠してヘイズを測定した。ヘイズが1.0%以下で透明性が良好であると判断し、より好ましくは0.6%以下である。
(ハードコート性の評価)
評価用塗膜の作成2で作成した硬化膜を用い、鉛筆硬度試験によりハードコート性の評価を行った。鉛筆硬度試験は、JIS−K−5600の試験方法に則り評価した。ここで、鉛筆硬度2Hのものを優れたハードコート性を有しているとし、逆に、鉛筆硬度Hのものはハードコート剤として使用できるもののややハードコート性に劣るもの、鉛筆硬度Fはハードコート性が明らかに劣るものと判断した。
(加工性の評価)
加工性は、硬化膜の伸度にて評価を行った。伸度が大きければ射出成型時にかかる延伸の応力に対して柔軟に追従できることを意味し、ハードコート層の割れの抑制が可能となる。
伸度は、評価用塗膜の作成2で作成した硬化膜を長さ100mm、幅7mmの短冊状に切り出した試験片を、引張試験機(型番「RTC−1250A」株式会社オリエンテック)にチャック間距離50mmでセットし、室温25℃、湿度45%RHの環境の下、引張り速度10mm/minで実施し、チャック間距離をそれぞれ60mm(伸度20%)、65mm(伸度30%)、70mm(伸度40%)になった点で停止し、硬化膜のクラックの有無を目視で観察し。クラックがなければ○、クラックが発生していれば×と評価し、伸度20%でクラックが発生するものは、加工性に乏しくインモールド加飾フィルムに適したハードコート剤ではないと判断し、クラックが無かったものは適応できるものと判断した。また、伸度30%でクラックが生じなかったものは、加工性に優れたハードコート剤、伸度40%でクラックが生じなかったものは、加工性に極めて優れたハードコート剤と判断した。
(耐指紋性の評価)
硬化膜表面に指紋が付着した時の指紋の目立ち難さと、付着している指紋の拭き取りの容易さの二点について、感応評価を行った。
目立ち難さは、評価用塗膜の作成3の硬化膜表面に実験者の人差し指を押し付け、垂直90°からの目視、斜め45°から目視し、指紋の目立ち難さを評価した。指紋が全く見えないものを○、指紋が僅かに見えるもの△、指紋がはっきりと見えるものを×と評価した。
拭取り易さは、評価用塗膜の作成3の硬化膜表面に実験者の人差し指を押し付け、指紋の付着箇所を、綿コットンで3往復拭き取った後に、目視にて指紋の付着を観察し、指紋が全く確認できないものを○とし、僅かに指紋が確認できるものを△、指紋が目立つものを×と評価した。
Figure 0005979587
Figure 0005979587
Figure 0005979587

Claims (7)

  1. エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(A)、いずれか一方の末端がラジカル重合性基であり且つもう一方の末端が下記一般式(1)で表わされる構造を有する重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(B)、及び脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)を必須成分として反応させて得られる共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸(D)を反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法であって、
    Figure 0005979587
    (式中、R はH又はCH 、R はC(=O)OCH 、C(=O)OCH CH(CH 、C(=O)OC(CH 、C(=O)O(CH CH (mは1〜17の整数を示す。)及びフェニル基より選ばれるいずれかの基、nは整数を示す。)
    前記マクロモノマー(B)が、
    メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、チオアルコールの存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、
    かつ、
    前記共重合体の各成分の重量比が(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする
    製造方法。
  2. エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(A)、いずれか一方の末端がラジカル重合性基であり且つもう一方の末端が下記一般式(1)で表わされる構造を有する重量平均分子量1,000〜20,000のマクロモノマー(B)、及び脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)を必須成分として反応させて得られる共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸(D)を反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法であって、
    Figure 0005979587
    (式中、R はH又はCH 、R はC(=O)OCH 、C(=O)OCH CH(CH 、C(=O)OC(CH 、C(=O)O(CH CH (mは1〜17の整数を示す。)及びフェニル基より選ばれるいずれかの基、nは整数を示す。)
    前記マクロモノマー(B)が、
    メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(E)を、メルカプトプロピオン酸の存在下で重合反応させてなる共重合ポリマーにグリシジルメタクリレートを付加反応させてなるマクロモノマーであり、
    かつ、
    前記共重合体の各成分の重量比が、(A):(B):(C)=50〜90:5〜45:5〜40であることを特徴とする、
    製造方法。
  3. 上記脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(C)は、炭素数6〜10のシクロアルキル基を有することを特徴とする請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法により得られた活性エネルギー線硬化型樹脂と光重合開始剤を配合することを特徴とする活性エネルギー線硬化型ハードコート剤の製造方法
  5. 請求項4記載の活性エネルギー線硬化型ハードコート剤に活性エネルギー線を照射することにより硬化させて得られることを特徴とする硬化膜の製造方法
  6. 請求項5記載の硬化膜をプラスチックフィルムに積層させることを特徴とする、プラスチックフィルムの製造方法
  7. 請求項6記載のプラスチックフィルムを表面に有させることを特徴とする、加工製品の製造方法
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