JP2001226497A - 延伸フィルム - Google Patents

延伸フィルム

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JP2001226497A
JP2001226497A JP2000037616A JP2000037616A JP2001226497A JP 2001226497 A JP2001226497 A JP 2001226497A JP 2000037616 A JP2000037616 A JP 2000037616A JP 2000037616 A JP2000037616 A JP 2000037616A JP 2001226497 A JP2001226497 A JP 2001226497A
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stretched film
propylene
based polymer
olefin
copolymer
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JP2000037616A
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English (en)
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Naonori Jiyunke
直憲 順毛
Yutaka Minami
裕 南
Shuji Machida
修司 町田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面特性に優れるポリプロピレン系延伸フィ
ルムを提供すること。 【解決手段】 MI5(230℃,5.0kg)とMI21.2
(230℃,2.16kg)との比MI49/MI21.2と、
Mw/Mnとが、式 MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 の関係を満たすと共に、溶融張力MS(230℃)と極
限粘度〔η〕とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 の関係を満たし、かつ〔η〕が1.0〜3.0dl/gであ
るプロピレン系重合体、又はこのものと他のオレフィン
系重合体との樹脂混合物から得られた延伸フィルムであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、延伸フィルムに関
し、さらに詳しくは、特定性状のプロピレン系重合体、
又はこのものと他のオレフィン系重合体とを混合した特
定性状の樹脂混合物を素材とする、表面特性に優れる延
伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレンは、(1)剛性な
どの機械的強度が高く、かつ物性バランスに優れる、
(2)化学的に安定で、耐候性に優れ、化学薬品などに
侵されにくい、(3)融点が高く、耐熱性に優れる、
(4)軽量で安価である、などの特徴を有するととも
に、溶融成形性に優れ、押出し成形,ブロー成形,射出
成形,インフレーション成形などの溶融成形法を適用し
うることから、多くの分野において広範に用いられてい
る。ところで、ポリプロピレン系延伸フィルムは、食品
包装,衣料品包装,医薬品包装,雑貨包装などの包装用
をはじめ、建材用としての化粧板,合板,金属板などの
ラミネート用や各種化粧板の成形時の離型材用として、
あるいはブックカバー,化粧箱,食品ケースなどに用い
られている。このポリプロピレン系延伸フィルムの中
で、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは耐熱性,引張強
さ,耐衝撃強さ,気体透過性及び腰の強さなどに優れる
特徴を有している。
【0003】しかしながら、ポリプロピレンは、一般的
に溶融張力が低く、延伸工程を伴う押出成形法によって
フィルムを成形する際に、サージング(波打ち)などを
起こして、成形中にフィルムが切れたり、延伸処理後の
フィルムの厚み精度が悪くなるなど、好ましくない事態
を招来することがある。また、一般的に、高い溶融張力
を有するポリプロピレンは、メルトフローレート(MF
R)が低いため、成形条件が限定されて、特に高速成形
が困難であるという問題があった。具体的には、ポリプ
ロピレンを延伸工程を伴う押出成形法によって所望形状
に成形する際には、ポリプロピレンは溶融張力が低いた
め、延伸前の原反中央部が薄くなり延伸後のフィルム厚
み精度が悪くなったり、延伸時に切断して良好なフィル
ムが得られないなどの問題点があった。そのため、従
来、ポリプロピレンのMFRを低くすることで、溶融張
力を高めて成形の安定性を図っていた。
【0004】しかしながら、最近、延伸装置の大型化や
高速化に伴い、低MFR品では溶融押出時の押出量不足
および樹脂発熱の増大による樹脂の劣化が激しくなりゲ
ルやフィッシュアイの形成が問題となっているのが実状
である。このため、成形安定性に優れ、かつ高速で延伸
フィルムに成形しうる溶融張力を高めたポリプロピレン
の出現が望まれていた。ポリプロピレンの溶融張力を高
める方法としてはこれまで、(1)溶融張力の高い高分
子量の高密度ポリエチレンを混合する方法(特公平6−
55868号公報)、(2)クロム系触媒によって製造
される溶融張力の高い高密度ポリエチレンを混合する方
法(特開平8−92438号公報)、(3)一般的な高
圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエチレン
を混合する方法、(4)一般的なポリプロピレンに光照
射することにより溶融張力を高める方法、(5)一般的
なポリプロピレンに架橋剤や過酸化物の存在下、光照射
することにより溶融張力を高める方法、(6)一般的な
ポリプロピレンにスチレンなどのラジカル重合性モノマ
ーをグラフトする方法、(7)プロピレンとポリエンを
共重合させる方法(特開平5−194778号公報、特
開平5−194779号公報)などが試みられている。
【0005】しかしながら、前記(1)〜(3)の方法
においては、溶融張力を高める成分の弾性率,強度,耐
熱性が不足するために、ポリプロピレン本来の特徴が損
なわれるのを免れない。また、前記(4)及び(5)の
方法においては、副反応として起こる架橋反応を制御す
ることが困難であって、ゲルの発生により外観不良や機
械特性に悪影響が生じる上、成形加工性を任意に制御す
ることに限界があり、制御範囲が狭いという問題があ
る。さらに、前記(6)の方法においては、ポリプロピ
レンの化学的安定性が損なわれ、しかもスチレン系のグ
ラフト体では樹脂リサイクル性に問題が生じ、また、前
記(7)の方法においては、溶融張力の改良効果が小さ
く、充分な効果が発揮されない上、局所的な架橋に伴う
ゲルの発生が懸念される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、プロピレン系重合体、又はこのものと他のオ
レフィン系重合体との樹脂混合物を素材とする、表面特
性に優れる延伸フィルムを提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定性状のプ
ロピレン系重合体を用いることにより、その目的を達成
しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づい
て完成したものである。すなわち、本発明は、(1)プ
ロピレン系重合体から得られた延伸フィルムであって、
上記プロピレン系重合体が、(a)温度230℃におい
て測定した荷重5.0kgf(49N)でのメルトインデ
ックスMI49(g/10分)と荷重2.16kgf(21.
2N)でのメルトインデックスMI21.2(g/10分)
との比MI49/MI21.2と、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー法で測定した重量平均分子量Mwと数平
均分子量Mnとの比Mw/Mnとが、式 MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 (I) の関係を満たすこと、及び(b)温度230℃において
測定した溶融張力MS(g)と、テトラリン溶媒中、温
度135℃において測定した極限粘度〔η〕(dl/
g)とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 (II) の関係を満たし、かつ該極限粘度〔η〕が1.0〜3.0d
l/gの範囲にあることを特徴とする延伸フィルム、及
び(2)上記のプロピレン系重合体と他のオレフィン系
重合体との樹脂混合物から得られる延伸フィルムを提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の延伸フィルムは、(1)
特定性状のプロピレン系重合体から得られたもの(延伸
フィルムI)及び(2)特定性状のプロピレン系重合体
と他のオレフィン系重合体とを混合した特定性状の樹脂
混合物から得られたもの(延伸フィルムII)である。本
発明においては、上記延伸フィルムI及びIIに用いられ
るプロピレン系重合体は、以下に示す性状を有する。ま
ず、温度230℃において測定した荷重5.0kgf(4
9N)でのメルトインデックスMI49(g/10分)と
荷重2.16kgf(21.2N)でのメルトインデックス
MI21.2(g/10分)との比MI49/MI21.2と、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で
測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比
Mw/Mnとが、式 MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 (I) の関係を満たすことが必要である。MI49/MI21.2
“0.240×Mw/Mn+3.1”の値より小さい場合に
は、延伸加工性に劣り、本発明の目的が達せられない。
延伸加工性の面から、好ましくは MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.8 より好ましくは MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+4.5 である。
【0009】なお、上記Mw/Mnは、GPC法によ
り、下記の装置及び条件で測定したポリエチレン換算の
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より
算出した値である。 装置:本体 Waters ALC/GPC 150C カラム 東ソー製 TSK MH+GMH6×2本 条件:温度135℃ 溶媒1,2,4−トリクロルベンゼン 流量1.0ミリリットル/分
【0010】次に、温度230℃において測定した溶融
張力MS(g)と、テトラリン溶媒中、温度135℃に
おいて測定した極限粘度〔η〕(dl/g)とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 (II) の関係を満たすことが必要である。logMSが“3.1
7×log〔η〕−0.68”の値より小さい場合には、
延伸加工性に劣り、本発明の目的が達せられない。延伸
加工性の面から、好ましくは logMS≧3.17×log〔η〕−0.57 より好ましくは logMS≧3.17×log〔η〕−0.46 特に好ましくは logMS≧3.17×log〔η〕−0.35 である。
【0011】また、前記極限粘度〔η〕は、1.0〜3.0
dl/gの範囲にあることが必要である。この〔η〕が
1.0dl/g未満では延伸加工性に劣るとともに機械的
強度が不充分であり、また3.0dl/gを超えると溶融
粘度が高く、成形加工性が低下する。成形加工性及び機
械的強度のバランスなどの面から、この〔η〕として
は、1.5〜2.5dl/gの範囲が好ましい。なお、前記
溶融張力MSは東洋精機社製キャピログラフIBを用
い、下記の条件で測定した値である。 キャピラリー :直径2.095mm,長さ8.0mm シリンダー径 :9.6mm シリンダー押出速度:10mm/分 巻き取り速度 :3.14m/分 温度 :230℃
【0012】さらに、本発明におけるプロピレン系重合
体は、上記の要件以外に、溶融粘弾性の周波数分散測定
による周波数ωが100rad/secのときの複素粘
性率の大きさ(η* )(Pa・s)と極限粘度〔η〕
(dl/g)とが、式 η* <159η+743 (III) の関係を満たす場合、成形加工性が向上するので好まし
い。成形加工性の面から、より好ましくは、 η* ≦159η+600 特に好ましくは、 η* ≦159η+500 である。なお、(η* )(Pa・s)は、レオメトリク
ス社製の回転型レオメーター(ARES)においてパラ
レルプレート(直径25mm,ギャップ1mm)を用
い、温度230℃、初期ひずみ20%以下の条件にて溶
融粘弾性の周波数分散測定を行い求める。(η* )は、
成形加工時の溶融樹脂の流動性を表す指標であり、この
値が小さいほど流動性が高く、成形加工性が優れてい
る。
【0013】また、該プロピレン系重合体は、前記重量
平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが
1.5〜4.0の範囲にあるものが好ましい。Mw/Mnが
4.0を超えるものは分子量分布が広すぎ、充分に満足し
うる物性のものが得られにくい。また、Mw/Mnが1.
5未満のものは実質上製造することが困難である。物性
の面から、より好ましいMw/Mnは1.5〜3.5の範囲
である。さらに、本発明におけるプロピレン系重合体
は、低分子量成分やアタクチック部の少ないものが好ま
しく、アイソタクチックペンタッド分率mmmmとし
て、90モル%以上のものが、延伸フィルムの物性の面
から好ましい。このアイソタクチックペンタッド分率
は、プロピレン系重合体分子鎖中の全プロピレンモノマ
ー単位において存在する、5個連続してメソ結合してい
るプロピレンモノマー単位の割合を示し、同位体炭素核
磁気共鳴分光(13C−NMR)法で求めることができ
る。
【0014】本発明におけるプロピレン系重合体として
は、(イ)プロピレンと、(ロ)GPC法で求めた重量
平均分子量Mwが5000以上、好ましくは10000
以上で、かつ末端ビニル基濃度TBが0.05個/100
炭素以上、好ましくは0.1個/100炭素以上のマクロ
モノマーとの共重合体を好ましく挙げることができる。
この共重合体は、マクロモノマーが分岐となるため、長
鎖分岐を有するものとなる。マクロモノマーとしては、
α−オレフィンとポリエンの共重合体が好ましく、α−
オレフィンとポリエンの共重合体は、そのポリエン単位
含有量が該共重合体に対して0.001〜10重量%、好
ましくは0.01〜5重量%のもの、その末端ビニル基濃
度TBが0.15個/100炭素以上、好ましくは0.2個
/100炭素以上のものを好ましく挙げることができ
る。前記α−オレフィン−ポリエン共重合体マクロモノ
マーにおいて、原料モノマーとして用いられるα−オレ
フィンとしては、例えばエチレン;プロピレン;ブテン
−1;ペンテン−1;4−メチル−ペンテン−1;ヘキ
セン−1;オクテン−1;デセン−1;ドデセン−1;
テトラデセン−1;ヘキサデセン−1;オクタデセン−
1;エイコセン−1などの炭素数2〜20のα−オレフ
ィンが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以
上を組み合わせて用いてもよい。なお、前記マクロモノ
マーにおいて、原料単量体としてプロピレンのみを用い
る場合には、得られるプロピレン系重合体は、プロピレ
ン単独重合体となる。
【0015】一方、前記(2)におけるα−オレフィン
−ポリエン共重合体マクロモノマーにおいて、コモノマ
ーとして用いられるポリエンとしては、例えば4−メチ
ル−1,4ヘキサジエン,5−メチル−1,4−ヘキサ
ジエン,6−メチル−1,6−オクタジエン,7−メチ
ル−1,6−オクタジエン,6−エチル−1,6−オク
タジエン,6−プロピル−1,6−オクタジエン,6−
ブチル−1,6−オクタジエン,6−メチル−1,6−
ノナジエン,7−メチル−1,6−ノナジエン,6−エ
チル−1,6−ノナジエン,7−エチル−1,6−ノナ
ジエン,6−メチル−1,6−デカジエン,7−メチル
−1,6−デカジエン,6−メチル−1,6−ウンデカ
ジエン,1,4−ヘキサジエン,1,5−ヘキサジエ
ン,1,6−オクタジエン,1,6−ヘプタジエン,
1,7−オクタジエン,1,8−ノナジエン,1,9−
デカジエン,1,13−テトラデカジエン,1,5,9
−デカトリエン,ブタジエン,イソプレンなどの脂肪族
ポリエン化合物,ビニルシクロヘキセン,ビニルノルボ
ルネン,エチリデンノルボルネン,ジシクロペンタジエ
ン,シクロオクタジエン,2,5−ノルボルナジエン,
1,4−ジビニルシクロヘキサン,1,3−ジビニルシ
クロヘキサン,1,3−ジビニルシクロペンタン,1,
5−ジビニルシクロオクタン,1−アリル−4−ビニル
シクロヘキサン,1,4−ジアリルシクロヘキサン,1
−アリル−5−ビニルシクロオクタン,1,5−ジアリ
ルシクロオクタン,1−アリル−4−イソプロペニルシ
クロヘキサン,1−イソプロペニル−4−ビニルシクロ
ヘキサン,1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペン
タンなどの脂環族ポリエン化合物,ジビニルベンゼン,
ビニルイソプロペニルベンゼンなどの芳香族ポリエン化
合物などが挙げられる。これらのポリエンの中で、炭素
数が7以上であり、かつ両末端にオレフィン性二重結合
を有するポリエン化合物が好ましく、さらに両末端にオ
レフィン性二重結合を有する脂肪族または脂環族ポリエ
ン化合物がより好ましく挙げられる。本発明において
は、これらのポリエンは単独で用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。このようなプロピレン系
重合体から得られる延伸フィルムは、ゲルの発生がない
ものである。
【0016】本発明におけるプロピレン系重合体の製造
方法については、前記要件を満たすプロピレン系重合体
が得られる方法であればよく、例えば、オレフィン重合
用触媒の存在下にα−オレフィン又はα−オレフィンと
ポリエンを反応させることにより得られる反応性マクロ
モノマーと、プロピレンとを、オレフィン重合用触媒の
存在下に重合させることにより、所望のプロピレン系重
合体を効率よく製造することができる。この際、オレフ
ィン重合用触媒としては様々なものを用いることができ
るが、以下に示す遷移金属化合物及びこれと反応してイ
オン性の錯体を形成しうる化合物から構成されるメタロ
セン系触媒が好ましく用いられる。前記遷移金属化合物
の代表的なものとしては、重合体の立体構造を規制でき
るような、置換基を有する二つのインデニル基又はシク
ロペンタジエニル基が一つ若しくは二つの架橋基によ
り、五員環部で架橋した配位子を有する周期律表4族の
遷移金属化合物を挙げることができる。周期律表4族の
遷移金属としては、チタニウム,ジルコニウム,ハフニ
ウムが好適である。
【0017】このインデニル又はシクロペンタジエニル
骨格を有する周期律表4族の遷移金属化合物としては、
例えば(イ)ヘキスト,BASF型錯体、(ロ)二重架
橋型錯体などを用いることができる。前記(イ)のヘキ
スト,BASF型錯体としては、例えばrac−ジメチ
ルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,rac−ジメチルシリレ
ン−ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド,rac−エチレンビスインデニ
ルジルコニウムジクロリドなど、及びこれらジルコニウ
ム化合物に対応するチタニウムやハフニウム化合物が挙
げられる。一方、前記(ロ)の二重架橋型錯体として
は、例えば(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレ
ン)−ビス(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エ
チレン)−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリドなど及びこれらのジルコニウム化合物に対
応するチタニウムやハフニウム化合物が挙げられる。
【0018】一方、前記遷移金属化合物と反応してイオ
ン性の錯体を形成しうる化合物としては、例えばアルミ
ニウムオキシ化合物,カチオンと複数の基が元素に結合
したアニオンとからなるイオン性化合物,ルイス酸など
が挙げられるが、これらの中で、アルミニウムオキシ化
合物が好ましく、特にアルミノキサンが好適である。こ
のアルミノキサンの例としては、メチルアルミノキサ
ン,エチルアルミノキサン,n−プロピルアルミノキサ
ン,イソブチルアルミノキサン,メチル−エチルアルミ
ノキサン,メチル−n−プロピルアルミノキサン,メチ
ル−イソプロピルアルミノキサン,エチル−n−プロピ
ルアルミノキサン,エチル−イソプロピルアルミノキサ
ンなど、及びこれらを二種以上混合したものを挙げるこ
とができる。この方法においては、マクロモノマ−がプ
ロピレン重合体マクロモノマーである場合には、単一の
リアクターを用いて、連続的に該マクロモノマーとプロ
ピレン単独重合体を製造するのが好ましい。一方、マク
ロモノマーが他のα−オレフィン重合体マクロモノマー
又はα−オレフィン−ポリエン共重合体マクロモノマー
である場合には、まずマクロモノマーのみを製造し、次
いで該マクロモノマーの存在下にプロピレンの重合を行
ない、プロピレン系重合体を製造するのがよく、この場
合、反応形式は回分式又は多段連続式を採用することが
できる。
【0019】重合方法については特に制限はなく、スラ
リー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸
濁重合法など、いずれの方法を用いてもよい。また、重
合時に、例えば水素のような一般に用いられる連鎖移動
剤を使用することにより、得られる重合体の分子量を調
節することができる。また、溶液重合法やスラリー重合
法などにおいて重合溶媒を用いる場合、この溶媒として
は、重合に不活性なものであればよく、特に制限され
ず、例えばベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族
炭化水素,ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンな
どの脂肪族炭化水素,シクロペンタン,シクロヘキサン
などの脂環式炭化水素などを挙げることができる。
【0020】さらに、重合温度は、重合方法に応じて、
通常0〜250℃の範囲で適宜選定すればよく、重合圧
力は、通常1kPa・G〜10MPa・G、好ましく0.
02〜6MPa・Gの範囲で適宜選定すればよい。ま
た、重合時間は、通常1分〜10時間程度である。本発
明の延伸フィルムIは、このようにして得られた特定の
プロピレン系重合体を用いて得られたものであり、一方
延伸フィルムIIは、該特定のプロピレン系重合体と他の
オレフィン系重合体との樹脂混合物を用いて得られたも
のである。
【0021】上記延伸フィルムIIに用いられる他のオレ
フィン系重合体としては、従来知られている炭素数2〜
20のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体を挙げ
ることができる。具体的には、高密度ポリエチレン,低
密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリブテン−1,ポリ(4−メチルペンテン
−1),ポリペンテン−1,エチレン/プロピレン共重
合体,エチレン/ブテン−1共重合体,プロピレン/ブ
テン−1共重合体,エチレン/プロピレン/ブテン−1
共重合体,4−メチルペンテン−1/エチレン共重合
体,エチレン/プロピレン/ポリエン共重合体,種々の
プロピレン系ブロック共重合体やプロピレン系ランダム
共重合体などが挙げられる。これらのオレフィン系重合
体は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。該樹脂混合物における特定性状のプロピレ
ン系重合体と他のオレフィン系重合体との配合割合とし
ては特に制限はなく、各種状況に応じて適宜選定するこ
とができるが、他のオレフィン系重合体の含有量は、5
0重量%以下が好ましく、特に5〜30重量%が好まし
い。
【0022】本発明の延伸フィルムは、その厚さが通常
5〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲で
ある。この延伸フィルムは一軸延伸フィルムであっても
よく、二軸延伸フィルムであってもよいが、特に二軸延
伸フィルムが好適である。次に、この二軸延伸フィルム
の作製方法について説明する。
【0023】まず、前記の特定性状を有するプロピレン
系重合体又は樹脂混合物と、必要に応じて用いられる各
種添加成分とを配合し、タンブラーブレンダー,ヘンシ
ェルミキサーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸
押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造粒するか、ある
いはニーダー,バンバリーミキサーなどで溶融混練造粒
することにより、フィルム成形用材料を調製する。次
に、このフィルム成形用材料を、例えば、押出機を用
い、T型ダイスから押出してシートを成形する。この際
の樹脂温度は通常220〜300℃、好ましくは240
〜280℃である。次いで、このシートを、通常110
〜160℃、好ましくは130〜150℃の温度で、延
伸倍率3〜12倍程度に縦方向に延伸処理したのち、通
常130〜170℃、好ましくは145〜165℃の温
度で、延伸倍率5〜12倍程度に横方向に延伸処理し
て、二軸延伸フィルムを作製する。
【0024】なお、一軸延伸フィルムの場合には、通常
縦方向に2〜10倍、好ましくは2〜6倍程度に延伸す
る。この際、必要に応じて用いられる各種添加成分とし
ては、特に制限はなく、従来ポリプロピレンフィルムに
おいて慣用されているものの中から、任意のものを適宜
選択して用いることができる。例えば、酸化劣化や熱劣
化などに対する安定剤,具体的にはフェノール系安定
剤,有機ホスファイト系安定剤,チオエーテル系安定
剤,ヒンダードアミン系安定剤など、さらには充填剤,
高級脂肪酸金属塩,アンチブロッキング剤,難燃剤,帯
電防止剤,着色剤,滑剤,天然油,合成油,ワックスな
どが挙げられる。
【0025】フェノール系安定剤としては、従来公知の
もの、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール,2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール,2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノー
ル,2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール,
2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール,2,
6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール,
2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノー
ル,2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール,2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オク
チルフェノール,2−イソブチル−4−エチル−6−t
−ヘキシルフェノール,2−シクロヘキシル−4−n−
ブチル−6−イソプロピルフェノール,スチレン化混合
クレゾール,dl−α−トコフェロール,t−ブチルヒ
ドロキノン,2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール),4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール),4,4′
−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル),2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール),4,4′−メチレンビス(2,6−ジ
−t−ブチルフェノール),2,2′−メチレンビス
[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾー
ル],2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブ
チルフェノール),2,2′−ブチリデンビス(2−t
−ブチル−4−メチルフェノール),1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン,トリエチレングリコール−ビス[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート],1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート],2,2′−チオジエチレン
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート],N,N′−ヘキサメチレ
ンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナミド),3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル,1,
3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−
4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート,1,3,
5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレ
ート,トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3
−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート,2,4−ビ
ス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン,テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン,ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸エチル)カルシウム,ビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エ
チル)ニッケル,ビス[3,3−ビス(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシド]グリコ
ールエステル,N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒ
ドラジン,2,2′−オキザミドビス[エチル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート],ビス[2−t−ブチル−4−メチル
−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシ
ベンジル)フェニル]テレフタレート,1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン,3,9−ビス
〔1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン,2,2−ビス〔4−[2−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
ナモイルオキシ)]エトキシフェニル〕プロパン及びス
テアリル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルフェノール)プロピオネートなどのβ−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中で
は、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール,
ステアリル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ブチルフェノール)プロピオネート,2,2′−エチリ
デンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)及びテ
トラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好
適である。
【0026】また、有機ホスファイト系安定剤として
は、例えば、トリオクチルホスファイト,トリラウリル
ホスファイト,トリストリデシルホスファイト,トリス
イソデシルホスファイト,フェニルジイソオクチルホス
ファイト,フェニルジイソデシルホスファイト,フェニ
ルジ(トリデシル)ホスファイト,ジフェニルイソオク
チルホスファイト,ジフェニルイソデシルホスファイ
ト,ジフェニルトリデシルホスファイト,トリフェニル
ホスファイト,トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト,トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト,トリス(ブトキシエチル)ホスファイト,テト
ラトリデシル−4,4′−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト,4,
4′−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスフ
ァイト(ただし、アルキルは炭素数12〜15程度),
4,4′−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェ
ノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト,トリス
(ビフェニル)ホスファイト,テトラ(トリデシル)−
1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト,トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
ホスファイト,水素化−4,4′−イソプロピリデンジ
フェノールポリホスファイト,ビス(オクチルフェニ
ル)・ビス[4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)]・1,6−ヘキサンジオ
ールジホスファイト,ヘキサトリデシル−1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェノール)ジホスファイト,トリス[4,4′−イソ
プロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)]ホス
ファイト,トリス(1,3−ジステアロイルオキシイソ
プロピル)ホスファイト,9,10−ジヒドロ−9−ホ
スファフェナンスレン−10−オキシド,テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフ
ェニレンジホスホナイト,ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト,ジ(ノニルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト,フェニル・4,4′−イ
ソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジ
ホスファイト,ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト及びフェニルビスフェノール
−A−ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げ
られる。これらの中では、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナイ
トが好ましい。
【0027】さらに、有機チオエーテル系安定剤として
は、ジアルキルチオジプロピオネート及びアルキルチオ
プロピオン酸の多価アルコールエステルを用いることが
好ましい。ここで使用されるジアルキルチオジプロピオ
ネートとしては、炭素数6〜20のアルキル基を有する
ジアルキルチオジプロピオネートが好ましく、またアル
キルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとして
は、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルチオ
プロピオン酸の多価アルコールエステルが好ましい。こ
の場合に多価アルコールエステルを構成する多価アルコ
ールの例としては、グリセリン,トリメチロールエタ
ン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトール及
びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなどを挙げ
ることができる。
【0028】このようなジアルキルチオジプロピオネー
トとしては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネー
ト,ジミリスチルチオジプロピオネート及びジステアリ
ルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。一
方、アルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステ
ルとしては、例えば、グリセリントリブチルチオプロピ
オネート,グリセリントリオクチルチオプロピオネー
ト,グリセリントリラウリルチオプロピオネート,グリ
セリントリステアリルチオプロピオネート,トリメチロ
ールエタントリブチルチオプロピオネート,トリメチロ
ールエタントリオクチルチオプロピオネート,トリメチ
ロールエタントリラウリルチオプロピオネート,トリメ
チロールエタントリステアリルチオプロピオネート,ペ
ンタエリスリトールテトラブチルチオプロピオネート,
ペンタエリスリトールテトラオクチルチオプロピオネー
ト,ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオ
ネート,ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプ
ロピオネートなどを挙げることができる。これらの中で
は、ジラウリルチオジプロピオネート,ジステアリルチ
オジプロピオネート,ペンタエリスリトールテトララウ
リルチオプロピオネートが好適である。
【0029】ヒンダードアミン系安定剤としては、例え
ば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート,コハク酸ジメチル−1−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン重縮合物,ポリ[6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イ
ミノ],テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレート,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルベンゾエート,ビス−(1,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロネート,ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート,1,1′−
(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テト
ラメチルピペラジノン),(ミックスト2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート,(ミック
スト1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレート,ミックスト〔2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル/β,β,β′,β′−テトラメ
チル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート,ミックスト〔1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,
β,β′,β′−テトラメチル−3,9−[2,4,
8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]
ジエチル〕−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシ
レート,N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレ
ンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物,ポ
リ[6−N−モルホリル−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミド],
N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロ
モエタンとの縮合物、[N−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−2−メチル−2−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]
プロピオンアミドなどを挙げることができる。
【0030】これらのヒンダードアミン系安定剤の中で
は、特に、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン重縮合物,ポリ[6−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ],テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
キシレート,ビス(1,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート,
1,1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,
5,5−テトラメチルピペラジノン),(ミックスト
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリ
デシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ
ート,(ミックスト1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボキシレート,ミックスト〔2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,
β′,β′−テトラメチル−3,9−[2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチ
ル〕−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト,ミックスト〔1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル/β,β,β′,β′−テトラメチル−
3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン]ジエチル〕−1,2,3,4−
ブタンテトラカルボキシレート,N,N′−ビス(3−
アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N
−ブチル−N−(1,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリ
アジン縮合物、ポリ[6−N−モルホリル−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレ
ン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミド],N,N′−ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと
1,2−ジブロモエタンとの縮合物,[N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−メチル
−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ]プロピオンアミドが好適である。
【0031】また、充填剤としては、例えば球状フィラ
ー,板状フィラー,繊維状フィラーなどがある。球状フ
ィラーとしては、例えば炭酸カルシウム,カオリン(ケ
イ酸アルミニウム),シリカ、パーライト,シラスバル
ーン,セリサイト,ケイソウ土,亜硫酸カルシウム,焼
成アルミナ,ケイ酸カルシウム,結晶質ゼオライト,非
晶質ゼオライトなどが、板状フィラーとしては、例えば
タルクやマイカなどが、繊維状フィラーとしては、例え
ばウオラストナイトのような針状のもの、マグネシウム
オキシサルフェイト,チタン酸カリウム繊維,繊維状炭
酸カルシウムのような繊維状のもの、さらには、ガラス
繊維,ボロン繊維,炭化ケイ素繊維,ポリエチレン繊
維,ポリプロピレン繊維,ポリエステル繊維,ポリアミ
ド繊維のような完全に繊維状のものなどが挙げられる。
高級脂肪酸金属塩としては、例えばステアリン酸,オレ
イン酸,ラウリン酸,カプリン酸,アラキジン酸,パル
ミチン酸,ベヘニン酸,12−ヒドロキシステアリン
酸,リシノール酸,モンタン酸などの高級脂肪酸のマグ
ネシウム塩,カルシウム塩,バリウム塩などのアルカリ
土類金属塩,カドミウム塩,亜鉛塩,鉛塩,さらにはナ
トリウム塩,カリウム塩,リチウム塩などのアルカリ金
属塩などが用いられる。具体的には、ステアリン酸マグ
ネシウム,ラウリン酸マグネシウム,パルミチン酸マグ
ネシウム,ステアリン酸カルシウム,オレイン酸カルシ
ウム,ラウリン酸カルシウム,ステアリン酸バリウム,
オレイン酸バリウム,ラウリン酸バリウム,アラキジン
酸バリウム,ベヘニン酸バリウム,ステアリン酸亜鉛,
オレイン酸亜鉛,ラウリン酸亜鉛,ステアリン酸リチウ
ム,ステアリン酸ナトリウム,パルミチン酸ナトリウ
ム,ラウリン酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,ラ
ウリン酸カリウム,12−ヒドロキシステアリン酸カル
シウム,モンタン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0032】このようにして、延伸加工性がよく、かつ
ゲルの発生が抑制された表面特性に優れる延伸フィルム
を、安定して生産性よく得ることができる。本発明にお
いては、所望に応じ、この延伸フィルムの表面を処理
し、表面エネルギーを大きくしたり、表面を極性にした
りしてもよい。この表面処理により、コーティング,ラ
ミネート,印刷などにおいて接着力が向上する。この表
面処理方法は、表面の酸化法と表面の凹凸化法に大別す
ることができ、表面の酸化法としては、例えば、コロナ
放電処理,クロム酸処理,火炎処理,熱風処理,オゾン
や紫外線照射などの方法が挙げられ、表面の凹凸化法と
しては、例えばサンドブラスト法,溶剤処理法などが挙
げられる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によって、なんら限
定されるものではない。なお、プロピレン系重合体の物
性評価は、予め酸化防止剤としてイルガノックス101
0とBHTとの重量比1:1の混合物を4000重量p
pm添加したものについて、単軸押出し機にて造粒し、
下記の方法に従い、行った。 (1)メルトインデックスMI49,MI21.2 ASTM D1238に準拠して、温度230℃で荷重
5.0kgf(49N)でのMI49及び荷重2.16kgf
(21.2N)でのMI21.2を測定した。 (2)溶融張力MS 明細書本文に記載した方法に従って測定した。 (3)極限粘度〔η〕 テトラリン溶媒中、温度135℃において測定した。 (4)重量平均分子量Mw及び分子量分布Mw/Mn 明細書本文に記載した方法に従って測定した。 (5)アイソタクチックペンタッド分率mmmm13 C−NMRを測定し、公知の方法に従って算出した。
【0034】また、マクロモノマーの物性評価は、下記
の方法に従い行った。 (6)重量平均分子量Mw 上記(4)と同様にして測定した。 (7)末端ビニル基濃度TB 厚さが0.5mmの熱プレスシートを用い、赤外法により
910cm-1における吸光度(A910 )を求め、炭素1
00個当たりのC=C結合の個数(n)を下記式により
算出した。 n=0.114A910 /(ρ・t) ここで、ρは試料の密度(g/cm3)、tは試料の厚さ
(mm)である。 (8)ポリエン単位含有量 ポリエン単位含有量(Pモル%)を下記式により算出し
た。 P=〔(P0 −Pr )×100〕/〔(P0 −Pr )+
(α0 −αr )〕 ここで、P0 は重合時に供給されるポリエン化合物のモ
ル数、Pr は未反応ポリエン化合物のモル数、α0 は重
合時に供給されるα−オレフィンのモル数、α r は未反
応α−オレフィンのモル数である。上記αr 及びP
r は、重合器中に残存する未反応のα−オレフィン及び
ポリエン化合物をガスクロマトグラフィーを用いて測定
することによって決定した。
【0035】さらに、延伸フィルムの物性評価は、下記
の方法に従い行った。 (9)延伸性 二軸延伸時に、延伸可能かどうかを目視にて評価し、延
伸可能のものを○、延伸不可能なものを×で示した。 (10)外観 フィルムにおけるゲル量を目視にて評価し、ゲルがない
ものを◎、ゲルが少ないものを○、ゲルが多いものを×
で示した。
【0036】実施例1 (1)(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチル
シクロペンタジエニル) (3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ハフ
ニウムジクロリドの合成 6,6−ジメチルフルベン 1リットル三つ口フラスコにメタノール300ミリリッ
トル、シクロペンタジエン70ミリリットル(852ミ
リモル)及びアセトン63ミリリットル(859ミリモ
ル)を仕込んだのち、これに室温にて、ピロリジン85
ミリリットル(1018.3ミリモル)を滴下ロートよ
り、ゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間攪拌したの
ち、酢酸84ミリリットルで中和した。次いで、水及び
エーテル各200ミリリットルで希釈したのち、分液ロ
ートで分液し、有機相をブライン,水それぞれ200ミ
リリットルで洗浄後、無水塩化マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去後、減圧蒸留することにより、6,6−
ジメチルフルベン66.55g(627ミリモル)を得
た。
【0037】イソプロピルシクロペンタジエン 水素化リチウムアルミニウム24.8g(653ミリモ
ル)にエーテル200ミリリットルを加え、これに6,
6−ジメチルフルベン66.55g(627ミリモル)を
滴下ロートよりゆっくり滴下した。滴下終了後室温で1
時間攪拌したのち、0℃で加水分解を行った。エーテル
で抽出し、無水塩化マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
し、減圧蒸留することにより、イソプロピルシクロペン
タジエン36.61g(338.4ミリモル)を得た(収率
39%)。 3−イソプロピル−6,6−ジメチルフルベン メタノール200ミリリットルにイソプロピルシクロペ
ンタジエン36.61g(338.4ミリモル)及びアセト
ン27.3ミリリットル(372ミリモル)を加え、さら
にピロリジン36ミリリットル(431ミリモル)を滴
下ロートより滴下した。室温で1時間攪拌後、酢酸で中
和し、水,エーテル各200ミリリットルで希釈した。
有機相を分液後溶媒を留去し、得られた黄色油状物を減
圧蒸留することにより、3−イソプロピル−6,6−ジ
メチルフルベン36.81g(248ミリモル)を得た
(収率73%)。
【0038】1,3−ジイソプロピルシクロペンタジ
エン エーテル200ミリリットルに水素化リチウムアルミニ
ウム9.4g(248ミリモル)を加え、これに3−イソ
プロピル−6,6−ジメチルフルベン35.26g(23
7.8ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下後、室温で1
時間攪拌したのち、0℃で加水分解を行ない、エーテル
抽出した。有機相を無水塩化マグネシウムで乾燥後、溶
媒を留去し、さらに減圧蒸留することにより、1,3−
ジイソプロピルシクロペンタジエン27.58g(183.
5ミリモル)を得た(収率74%)。 3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジメチ
ルクロロシラン 1,3−ジイソプロピルシクロペンタジエン9.6g(6
3.4ミリモル)にトルエン100ミリリットル及びヘキ
サン50ミリリットルを加えたのち、これにn−ブチル
リチウム1.55モル/リットル濃度のヘキサン溶液45
ミリリットルを−78℃にて滴下した。室温で8時間攪
拌後、白色沈澱をろ別し、減圧下で乾燥したのち、得ら
れた白色固体を−78℃でTHF80ミリリットルに溶
解し、これにジメチルジクロロシラン10.8gミリリッ
トル(89ミリモル)を滴下した。室温に戻し、12時
間攪拌したのち、溶媒を留去し、ヘキサン100ミリリ
ットルで抽出した。次いで、溶媒を留去することにより
3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジメチル
クロロシラン14.4g(59ミリモル)を得た(収率9
3%)。
【0039】(2,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(2,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)
ジメチルシラン 3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジメチル
クロロシラン14.4g(59ミリモル)にTHF50ミ
リリットルを加え、これに別途合成した1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニルリチウム(59ミリモル)のT
HF溶液に滴下した。終夜攪拌後、溶媒を留去し、ヘキ
サン100ミリリットルで抽出したのち、溶媒を留去す
ることにより、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(2,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)
ジメチルシラン7.55g(25.1ミリモル)を得た(収
率43%)。
【0040】(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジイソプロ
ピルシクロペンタジエン) (2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4−
ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン
7.55g(25.1ミリモル)にエーテル100ミリリッ
トルを加え、さらに−78℃にてn−ブチルリチウム1.
61モル/リットル濃度のヘキサン溶液31.2gミリリ
ットルを加えた。室温で8時間攪拌したのち、溶媒を留
去し、ヘキサン100ミリリットルで洗浄後、減圧乾燥
した。これに、THF80ミリリットルを加えたのち、
0℃にてジメチルジクロロシラン3.0ミリリットル(2
4.7ミリモル)を加え、室温で20時間攪拌した。次
に、黄白濁溶液の溶媒を留去し、ヘキサン80ミリリッ
トルで抽出したのち、抽出液の溶媒を留去し、黄色油状
物を得た。次いで、この黄色油状物をクーゲル蒸留(8
Pa,160℃)することにより、粘稠な淡黄色油状物
として(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)(3,5−ジイソプロピルシク
ロペンタジエン)が得られた。
【0041】(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジイソプロ
ピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド (μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)(3,5−ジイソプロピルシクロペン
タジエン)2.04g(5.7ミリモル)にTHF50ミリ
リットルを加え、これに0℃にて、n−ブチルリチウム
1.61モル/リットル濃度のヘキサン溶液8.5ミリリッ
トル(n−ブチルリチウム13.7ミリモル)を滴下し
た。滴下終了後、室温で2.5時間攪拌したのち、溶媒を
留去し、ヘキサン30ミリリットルで洗浄した。次い
で、ろ取し、減圧乾燥して白色粉末を得たのち、この粉
末1.17g(3.2ミリモル)をジクロロメタン50ミリ
リットル中に懸濁させ、−78℃に冷却した。これに、
四塩化ハフニウム1.0gのジシクロロメタン30ミリリ
ットル懸濁液を滴下し、室温で8時間攪拌した。溶媒を
留去後、トルエン40ミリリットルで抽出したのち、ろ
過して得られたろ液を濃縮して冷蔵することにより、
(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)(3,5−ジイソプロピルシクロペン
タジエニル)ハフニウムジクロリドの無色結晶が析出し
た。
【0042】(2)マクロモノマーの合成 内容積10リットルのステンレス製オートクレーブにヘ
プタン6リットル,トリイソブチルアルミニウム6ミリ
モル、さらに、メチルアルミノキサン(アルベマール社
製)25ミリモル(Al原子換算)と、(μ−ジメチル
シリレン)2 (3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)
ハフニウムジクロリド25マイクロモルをトルエン中5
分間予備接触させた触媒成分を投入した。次いで、全圧
で0.8MPa−Gまでプロピレンガスを導入し重合中圧
力が一定になるように調圧器によりプロピレンを供給し
た。重合温度80℃で、480分間重合を行った後、触
媒量と同等のメタノールを投入することにより重合を停
止し、ヘプタン1リットル当たりマクロモノマー120
gを得た。得られたマクロモノマーは常温(25℃)で
ヘプタン中に完全に溶解していた。
【0043】(3)プロピレンとマクロモノマーの共重
合 マクロモノマーのヘプタン溶液の入った、内容積10リ
ットルのステンレス製オートクレーブに、トリイソブチ
ルアルミニウム10ミリモル、さらに、シリカ担持メチ
ルアルミノキサン10ミリモル(Al原子換算)と、ジ
メチルシリレン−ビス(2−メチル−5,6−ベンゾイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド20マイクロモルを
トルエン中5分間予備接触させた触媒成分を投入した。
次いで、全圧で0.8MPa−Gまでプロピレンガスを導
入し重合中圧力が一定になるように調圧器によりプロピ
レンを供給した。重合温度60℃で、360分間重合を
行った後、内容物を取り出し、80℃ヘプタン3リット
ルで3回洗浄し、未反応のマクロモノマーを除去した。
さらに減圧下、乾燥することにより、プロピレン系共重
合体2000gを得た。このプロピレン系共重合体及び
前記マクロモノマーの物性を第1表に示す。
【0044】(4)延伸フィルムの作製 上記(3)で得られたプロピレン系共重合体に対し、酸
化防止剤として「イルガノックス1010」(チバスペ
シャルティケミカルズ社製:テトラキス〔メチレン−3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン)を1000重量pp
m及び「P−EPQ」〔旭電化工業(株)製:テトラキ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスフォナイト〕を500重量p
pm、中和剤としてステアリン酸カルシウム500重量
ppm及び「DHT−4A」(共和化学社製)を500
重量ppmを添加し、単軸押出機(塚田樹機製作所製:
TLC35−20型)にて混練造粒して、ペレット状樹
脂組成物を調製した。
【0045】次に、このペレット状樹脂組成物を、プレ
ス成形機にて成形し、厚さ1mmのシートを得た。次い
で、これを二軸延伸機(岩本製作所製)にて、縦方向に
温度140℃で10倍延伸を行い、さらに横方向に温度
165℃で10倍延伸を行い、厚さ約20μmの二軸延
伸フィルムを作製した。この際の延伸速度は40m/分
であった。この延伸フィルムの延伸性及び外観について
の評価結果を第1表に示す。 比較例1 (1)重合 実施例1(3)において、マクロモノマーを共重合させ
なかったこと以外は、実施例1(3)と同様にして重合
を行い、ポリプロピレンを得た。このポリプロピレンの
物性を第1表に示す。 (2)延伸フィルムの作製 上記(1)で得られたポリプロピレンを用い、実施例1
(4)と同様にしてペレット状樹脂組成物を調製したの
ち、延伸フィルムを作製しようとしたが、延伸時に切断
が生じ、延伸フィルムを作製することができなかった。
【0046】実施例2 (1)マクロモノマーの合成 実施例1(2)において、1,9−デカジエン0.4ミリ
リットルを添加した以外は、実施例2(2)と同様にし
て、ヘプタン1リットル当たり、マクロモノマー100
gを得た。得られたマクロモノマーは常温(25℃)で
ヘプタン中完全に溶解していた。 (2)プロピレンとマクロモノマーの共重合体 実施例1(3)において、上記(1)で得られたマクロ
モノマーの存在下に、実施例1(3)と同様にしてプロ
ピレンの重合を行ない、プロピレン系共重合体2000
gを得た。このプロピレン系共重合体及び前記マクロモ
ノマーの物性を第1表に示す。 (3)延伸フィルムの作製 上記(2)で得られたプロピレン系共重合体を用い、実
施例1(4)と同様にしてペレット状の樹脂組成物を調
製したのち、延伸フィルムを作製した。この延伸フィル
ムの延伸性及び外観についての評価結果を第1表に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】(注) (1)MI49/MI21.2計算値:MI49/MI21.2=0.
240×Mw/Mn+3.1より算出 (2)MS計算値:logMS=3.17×log〔η〕
−0.68より算出 (3)η* 計算値:η* =159η+743より算出
【0049】
【発明の効果】本発明の延伸フィルムは、特定性状のプ
ロピレン系重合体、又はこのものと他のオレフィン系重
合体との樹脂混合物から得られたものであって、ゲルの
発生が抑制され、表面特性に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA20 AA20X AA78 AA78X AA81 AA88 AE05 AF15 BA01 BB03 BB08 BC01 BC12 4J002 BB03X BB05X BB12W BB12X BB14X BB15X BB17X BQ00W FD010 FD030 4J027 AA03 BA04 CB08 CC02 CD01 4J100 AA03P CA01 DA04 DA09 DA40 DA42 JA58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系重合体から得られた延伸フ
    ィルムであって、上記プロピレン系重合体が、(a)温
    度230℃において測定した荷重5.0kgf(49N)
    でのメルトインデックスMI5 (g/10分)と荷重2.
    16kgf(21.2N)でのメルトインデックスMI
    21.2(g/10分)との比MI5 /MI 21.2と、ゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフィー法で測定した重量平
    均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnと
    が、式 MI5 /MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 (I) の関係を満たすこと、及び(b)温度230℃において
    測定した溶融張力MS(g)と、テトラリン溶媒中、温
    度135℃において測定した極限粘度〔η〕(dl/
    g)とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 (II) の関係を満たし、かつ該極限粘度〔η〕が1.0〜3.0d
    l/gの範囲にあることを特徴とする延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 プロピレン系重合体が、(イ)プロピレ
    ンと、(ロ)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    法で測定した重量平均分子量Mwが5000以上で、か
    つ末端ビニル基濃度TBが0.05個/100炭素以上の
    マクロモノマーとの共重合体である請求項1記載の延伸
    フィルム。
  3. 【請求項3】 マクロモノマーが、α−オレフィンとポ
    リエンの共重合体である請求項2記載の延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 α−オレフィンとポリエンの共重合体
    が、そのポリエン単位含有量が該共重合体に対して0.0
    01〜10重量%のものである請求項3記載の延伸フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 α−オレフィンとポリエンの共重合体
    が、その末端ビニル基濃度TBが0.15個/100炭素
    以上のものである請求項3又は4記載の延伸フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のプロピ
    レン系重合体と、他のオレフィン系重合体との樹脂混合
    物からなり、該樹脂混合物が請求項1〜5のいずれかに
    記載の条件を満足するものである延伸フィルム。
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