JP2001253922A - 押出成形体 - Google Patents

押出成形体

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JP2001253922A
JP2001253922A JP2000066350A JP2000066350A JP2001253922A JP 2001253922 A JP2001253922 A JP 2001253922A JP 2000066350 A JP2000066350 A JP 2000066350A JP 2000066350 A JP2000066350 A JP 2000066350A JP 2001253922 A JP2001253922 A JP 2001253922A
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Japan
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propylene
copolymer
extruded product
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olefin
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Application number
JP2000066350A
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English (en)
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Naonori Jiyunke
直憲 順毛
Yutaka Minami
裕 南
Shuji Machida
修司 町田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】押出成形性及び表面特性に優れるプロピレン系
重合体からなる押出成形体を提供する。 【解決手段】プロピレン系重合体が、(a)温度230
℃、荷重49NでのMI 49(g/10分)と荷重21.
2NでのMI21.2(g/10分)との比MI49/MI
21.2と、GPC法で測定したMw/Mnとが、式 MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 (I) の関係を満たし、及び(b)温度230℃での溶融張力
MS(g)と、テトラリン溶媒中、温度135℃での極
限粘度〔η〕(dl/g)とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 (II) の関係を満たし、かつ〔η〕が0.5〜3.5dl/g
の範囲にある押出成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形体に関
し、さらに詳しくは、特定性状のプロピレン系重合体、
又はこのものと他のオレフィン系重合体とを混合した特
定性状の樹脂混合物から得られる表面荒れもなく表面特
性に優れる押出成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレンは、(1)剛性な
どの機械的強度が高く、かつ物性バランスに優れる、
(2)化学的に安定で、耐候性に優れ、化学薬品などに
侵されにくい、(3)融点が高く、耐熱性に優れる、
(4)軽量で安価である、などの特長を有するととも
に、溶融成形性に優れ、押出成形,圧延成形、ブロー成
形,射出成形,インフレーション成形などの溶融成形法
を適用しうることから、多くの分野において広範に用い
られている。
【0003】ところで、ポリプロピレンを押出成形法に
よって、フィルム、シート、パイプ、ホース、電線被
覆、モノフィラメント等に成形する場合、従来のポリプ
ロピレンでは、メルトテンション(溶融張力,MT)が
低いため、例えば大型の押出成形体を成形することが困
難であった。また、メルトテンションの高いポリプロピ
レンでは、一般的に流動性(メルトフローレート)が小
さくなり、成形条件が制約されてしまい、高速の押出成
形に適用するには困難であった。
【0004】一方、プロピレンとジエン化合物の共重合
により得られるプロピレン系樹脂を押出成形に用いるこ
とが提案されている(特開平5−194793号公
報)。しかしながら、成形性は向上するものの、局所的
な架橋に伴う超高分子量体であるゲルの発生により、表
面荒れが生じるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、プロピレン系重合体、又はこのものと他のオ
レフィン系重合体との樹脂混合物から得られたものであ
って、押出成形性に優れかつ表面荒れもなく表面特性に
優れる押出成形体を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定性状のプ
ロピレン系重合体を用いることにより、その目的を達成
しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づい
て完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、(1)プロピレン系
重合体から得られる押出成形体であって、上記プロピレ
ン系重合体が、(a)温度230℃において測定した荷
重5.0kgf(49N)でのメルトインデックスMI
49(g/10分)と荷重2.16kgf(21.2N)
でのメルトインデックスMI21.2(g/10分)との比
MI49/MI21.2と、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー法で測定した質量平均分子量Mwとの比Mw/
Mnとが、式 MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 (I) の関係を満たすこと、及び(b)温度230℃において
測定した溶融張力MS(g)と、テトラリン溶媒中、温
度135℃において測定した極限粘度〔η〕(dl/
g)とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 (II) の関係を満たし、かつ該極限粘度〔η〕が0.5〜2.
5dl/gの範囲にあることを特長とする押出成形体、
及び(2)上記のプロピレン系重合体と他のオレフィン
系重合体との樹脂混合物から得られ、該樹脂混合物が上
記パラメータを満たす押出成形体、を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の押出成形体は、(1)特
定性状のプロピレン系重合体から得られたもの(押出成
形体I)及び(2)特定性状のプロピレン系重合体と他
のオレフィン系重合体とを混合した特定性状の樹脂混合
物から得られたもの(押出成形体II)である。
【0009】本発明においては、上記押出成形体I及び
IIに用いられるプロピレン系重合体は、以下の(a)
及び(b)に示す性状を有する。まず、(a)温度23
0℃において測定した荷重5.0kgf(49N)での
メルトインデックスMI49(g/10分)と荷重2.1
6kgf(21.2N)でのメルトインデックスMI
21.2(g/10分)との比MI49/MI21.2と、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定
した質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw
/Mnとが、式 MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 (I) の関係を満たすことが必要である。
【0010】MI49/MI21.2が“0.240×Mw/
Mn+3.1”の値より小さい場合には、押出成形性に
劣り、本発明の目的が達せられない。押出成形性の面か
ら、好ましくは MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.8 より好ましくは MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+4.5 である。
【0011】なお、上記Mw/Mnは、GPC法によ
り、下記の装置及び条件で測定したポリエチレン換算の
質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より
算出した値である。
【0012】 装置:本体 Waters ALC/GPC 150C カラム 東ソー製 TSK MH+GMH6×2本 条件:温度135℃ 溶媒1,2,4−トリクロルベンゼン 流量1.0ミリリットル/分 次に、(b)温度230℃において測定した溶融張力M
S(g)と、テトラリン溶媒中、温度135℃において
測定した極限粘度〔η〕(dl/g)とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 (II) の関係を満たすことが必要である。
【0013】logMSが“3.17×log〔η〕−
0.68”の値より小さい場合には、押出成形性に劣
り、本発明の目的が達せられない。押出成形性の面か
ら、好ましくは logMS≧3.17×log〔η〕−0.57 より好ましくは logMS≧3.17×log〔η〕−0.46 特に好ましくは logMS≧3.17×log〔η〕−0.35 である。
【0014】また、前記極限粘度〔η〕は、0.5〜
2.5dl/gの範囲にあることが必要である。この
〔η〕が0.5dl/g未満では押出成形性に劣るとと
もに機械的強度が不充分であり、また2.5dl/gを
超えると溶融粘度が高く、押出成形性が低下する。押出
成形性及び機械的強度のバランスなどの面から、この
〔η〕としては、1.0〜2.0dl/gの範囲が好ま
しい。
【0015】なお、前記溶融張力MSは東洋精機社製キ
ャピログラフIBを用い、下記の条件で測定した値であ
る。 キャピラリー :直径2.095mm,長さ8.0
mm シリンダー径 :9.6mm シリンダー押出速度:10mm/分 巻き取り速度 :3.14m/分 温度 :230℃ さらに、本発明におけるプロピレン系重合体は、上記の
要件以外に、溶融粘弾性の周波数分散測定による周波数
ωが100rad/secのときの複素粘性率の大きさ
(η* )(Pa・s)と極限粘度〔η〕(dl/g)と
が、式 η* <159η+743 (III) の関係を満たす場合、成形加工性が向上するので好まし
い。成形加工性の面からより好ましくは、 η* ≦159η+600 特に好ましくは、 η* ≦159η+500 である。
【0016】なお、(η* )(Pa・s)は、レオメト
リクス社製の回転型レオメーター(ARES)において
パラレルプレート(直径25mm,ギャップ1mm)を
用い、温度230℃、初期ひずみ20%以下の条件にて
溶融粘弾性の周波数分散測定を行ない求める。(η*
は、成形加工時の溶融樹脂の流動性を表す指標であり、
この値が小さいほど流動性が高く、成形加工性が優れて
いる。
【0017】また、該プロピレン系重合体は、前記質量
平均分子量Mwとの数平均分子量Mnとの比Mw/Mn
が1.5〜4.0の範囲にあるものが好ましい。Mw/
Mnが4.0を超えるものは分子量分布が広すぎ、充分
に満足しうる物性のものが得られにくい。また、Mw/
Mnが1.5未満のものは実質上製造することが困難で
ある。物性の面から、より好ましいMw/Mnは1.5
〜3.5の範囲である。
【0018】さらに、本発明におけるプロピレン系重合
体は、低分子量成分やアタクチック部の少ないものが好
ましく、アイソタクチックペンタッド分率mmmmとし
て、90モル%以上のものが、押出成形体の物性の面か
ら好ましい。このアイソタクチックペンタッド分率は、
プロピレン系重合体分子鎖中の全プロピレンモノマー単
位において存在する、5個連続してメソ結合しているプ
ロピレンモノマー単位の割合を示し、同位体炭素核磁気
共鳴分光(13C−NMR)法で求めることができる。
【0019】本発明におけるプロピレン系重合体として
は、(イ)プロピレンと、(ロ)GPC法で求めた質量
平均分子量Mwが5000以上、好ましくは10000
以上で、かつ末端ビニル基濃度TBが0.05個/10
0炭素以上、好ましくは0.1個/100炭素以上のマ
クロモノマーとの共重合体を好ましく挙げることができ
る。この共重合体は、マクロモノマーが分岐となるた
め、長鎖分岐を有するものとなる。マクロモノマーとし
ては、α−オレフィンとポリエンの共重合体が好まし
く、α−オレフィンとポリエンの共重合体は、そのポリ
エン単位含有量が該共重合体に対して0.001〜10
質量%、好ましくは0.01〜5質量%のもの、その末
端ビニル基濃度TBが0.15個/100炭素以上、好
ましくは0.2個/100炭素以上のものを好ましく挙
げることができる。
【0020】前記マクロモノマーにおいて、原料モノマ
ーとして用いられるα−オレフィンとしては、例えばエ
チレン;プロピレン;ブテン−1;ペンテン−1;4−
メチル−ペンテン−1;ヘキセン−1;オクテン−1;
デセン−1;ドデセン−1;テトラデセン−1;ヘキサ
デセン−1;オクタデセン−1;エイコセン−1などの
炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、これらは
単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0021】なお、前記マクロモノマーにおいて、原料
単量体としてプロピレンのみを用いる場合には、得られ
るプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体とな
る。一方、α−オレフィン−ポリエン共重合体マクロモ
ノマーにおいて、コモノマーとして用いられるポリエン
としては、例えば4−メチル−1,4ヘキサジエン,5
−メチル−1,4−ヘキサジエン,6−メチル−1,6
−オクタジエン,7−メチル−1,6−オクタジエン,
6−エチル−1,6−オクタジエン,6−プロピル−
1,6−オクタジエン,6−ブチル−1,6−オクタジ
エン,6−メチル−1,6−ノナジエン,7−メチル−
1,6−ノナジエン,6−エチル−1,6−ノナジエ
ン,7−エチル−1,6−ノナジエン,6−メチル−
1,6−デカジエン,7−メチル−1,6−デカジエ
ン,6−メチル−1,6−ウンデカジエン,1,4−ヘ
キサジエン,1,5−ヘキサジエン,1,6−オクタジ
エン,1,6−ヘプタジエン,1,7−オクタジエン,
1,8−ノナジエン,1,9−デカジエン,1,13−
テトラデカジエン,1,5,9−デカトリエン,ブタジ
エン,イソプレンなどの脂肪族ポリエン化合物,ビニル
シクロヘキセン,ビニルノルボルネン,エチリデンノル
ボルネン,ジシクロペンタジエン,シクロオクタジエ
ン,2,5−ノルボルナジエン,1,4−ジビニルシク
ロヘキサン,1,3−ジビニルシクロヘキサン,1,3
−ジビニルシクロペンタン,1,5−ジビニルシクロオ
クタン,1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン,1,
4−ジアリルシクロヘキサン,1−アリル−5−ビニル
シクロオクタン,1,5−ジアリルシクロオクタン,1
−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン,1−イ
ソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン,1−イソプ
ロペニル−3−ビニルシクロペンタンなどの脂環族ポリ
エン化合物,ジビニルベンゼン,ビニルイソプロペニル
ベンゼンなどの芳香族ポリエン化合物などが挙げられ
る。
【0022】これらのポリエンの中で、炭素数が7以上
であり、かつ両末端にオレフィン性二重結合を有するポ
リエン化合物が好ましく、さらに両末端にオレフィン性
二重結合を有する脂肪族または脂環族ポリエン化合物が
より好ましく挙げられる。本発明においては、これらの
ポリエンは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0023】このようなプロピレン系重合体から得られ
る押出成形体は、長鎖分岐がプロピレン主鎖中に均一に
分散しており、従来のプロピレン系樹脂に見られる、局
所的な架橋に伴う超高分子量体であるゲルの発生が抑え
られ、成形性も向上する上に、厚みむらや表面荒れが生
じにくいという長所がある。
【0024】本発明におけるプロピレン系重合体の製造
方法については、前記要件を満たすプロピレン系重合体
が得られる方法であればよく、例えば、オレフィン重合
用触媒の存在下にα−オレフィン又はα−オレフィンと
ポリエンを反応させることにより得られる反応性マクロ
モノマーと、プロピレンとを、オレフィン重合用触媒の
存在下に重合させることにより、所望のプロピレン系重
合体を効率よく製造することができる。
【0025】この際、オレフィン重合用触媒としては様
々なものを用いることができるが、以下に示す遷移金属
化合物及びこれと反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物から構成されるメタロセン系触媒が好ましく用い
られる。
【0026】前記遷移金属化合物の代表的なものとして
は、重合体の立体構造を規制できるような、置換基を有
する二つのインデニル基又はシクロペンタジエニル基が
一つ若しくは二つの架橋基により、五員環部で架橋した
配位子を有する周期律表第4族の遷移金属化合物を挙げ
ることができる。周期律表第4族の遷移金属としては、
チタニウム,ジルコニウム,ハフニウムが好適である。
【0027】このインデニル又はシクロペンタジエニル
骨格を有する周期律表第4族の遷移金属化合物として
は、例えば(イ)ヘキスト,BASF型錯体、(ロ)二
重架橋型錯体などを用いることができる。
【0028】前記(イ)のヘキスト,BASF型錯体と
しては、例えばrac−ジメチルシリレン−ビス(2−
メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロ
リド,rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−
4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,
rac−エチレンビスインデニルジルコニウムジクロリ
ドなど、及びこれらジルコニウム化合物に対応するチタ
ニウムやハフニウム化合物が挙げられる。一方、前記
(ロ)の二重架橋型錯体としては、例えば(1,2’−
エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,7−ジ
メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−
フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドなど及び
これらのジルコニウム化合物に対応するチタニウムやハ
フニウム化合物が挙げられる。
【0029】一方、前記遷移金属化合物と反応してイオ
ン性の錯体を形成しうる化合物としては、例えばアルミ
ニウムオキシ化合物,カチオンと複数の基が元素に結合
したアニオンとからなるイオン性化合物,ルイス酸など
が挙げられるが、これらの中で、アルミニウムオキシ化
合物が好ましく、特にアルミノキサンが好適である。
【0030】このアルミノキサンの例としては、メチル
アルミノキサン,エチルアルミノキサン,n−プロピル
アルミノキサン,イソブチルアルミノキサン,メチル−
エチルアルミノキサン,メチル−n−プロピルアルミノ
キサン,メチル−イソプロピルアルミノキサン,エチル
−n−プロピルアルミノキサン,エチル−イソプロピル
アルミノキサンなど、及びこれらを二種以上混合したも
のを挙げることができる。
【0031】この方法においては、マクロモノマ−がプ
ロピレン重合体マクロモノマーである場合には、単一の
リアクターを用いて、連続的に該マクロモノマーとプロ
ピレン単独重合体を製造するのが好ましい。一方、マク
ロモノマーが他のα−オレフィン重合体マクロモノマー
又はα−オレフィン−ポリエン共重合体マクロモノマー
である場合には、まずマクロモノマーのみを製造し、次
いで該マクロモノマーの存在下にプロピレンの重合を行
ない、プロピレン系重合体を製造するのがよく、この場
合、反応形式は回分式又は多段連続式を採用することが
できる。
【0032】重合方法については特に制限はなく、スラ
リー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸
濁重合法など、いずれの方法を用いてもよい。また、重
合時に、例えば水素のような一般に用いられる連鎖移動
剤を使用することにより、得られる重合体の分子量を調
節することができる。
【0033】また、溶液重合法やスラリー重合法などに
おいて重合溶媒を用いる場合、この溶媒としては、重合
に不活性なものであればよく、特に制限されず、例えば
ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素,
ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族
炭化水素,シクロペンタン,シクロヘキサンなどの脂環
式炭化水素などを挙げることができる。
【0034】さらに、重合温度は、重合方法に応じて、
通常0〜250℃の範囲で適宜選定すればよく、重合圧
力は、通常1kPa・G〜10MPa・G、好ましく
0.02〜6MPa・Gの範囲で適宜選定すればよい。
また、重合時間は、通常1分〜10時間程度である。
【0035】本発明の押出成形体Iは、このようにして
得られた特定のプロピレン系重合体を用いて得られたも
のであり、一方、押出成形体IIは、該特定のプロピレ
ン系重合体と他のオレフィン系重合体との樹脂混合物で
あって、前記(a)及び(b)の関係を見たし、かつ該
樹脂混合物の135℃、テトラリン溶媒中において測定
した極限粘度〔η〕が0.5〜2.5dl/gである樹
脂混合物を用いて得られたものである。この〔η〕が
0.5dl/g未満では圧延成形性に劣るとともに機械
的強度が不充分であり、また2.5dl/gを超えると
溶融粘度が高く、圧延成形性が低下する。
【0036】上記押出成形体IIに用いられる他のオレ
フィン系重合体としては、従来知られている炭素数2〜
20のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体を挙げ
ることができる。具体的には、高密度ポリエチレン,低
密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリブテン−1,ポリ(4−メチルペンテン
−1),ポリペンテン−1,エチレン/プロピレン共重
合体,エチレン/ブテン−1共重合体,プロピレン/ブ
テン−1共重合体,エチレン/プロピレン/ブテン−1
共重合体,4−メチルペンテン−1/エチレン共重合
体,エチレン/プロピレン/ポリエン共重合体,種々の
プロピレン系ブロック共重合体やプロピレン系ランダム
共重合体などが挙げられる。
【0037】これらのオレフィン系重合体は、単独で用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。該
樹脂混合物における特定性状のプロピレン系重合体と他
のオレフィン系重合体との配合割合としては特に制限は
なく、各種状況に応じて適宜選定することができるが、
他のオレフィン系重合体の含有量は、50質量%以下が
好ましく、特に5〜30質量%が好ましい。
【0038】本発明の押出成形体(押出成形体I及びI
I)は、例えば前記の特定性状を有するプロピレン系重
合体又は樹脂混合物と、必要に応じて各種添加剤を加
え、これを押出成形することにより、製造することがで
きる。
【0039】また、各種添加成分としては、酸化劣化や
熱劣化などに対する安定剤,具体的にはフェノール系安
定剤,有機ホスファイト系安定剤,チオエーテル系安定
剤,ヒンダードアミン系安定剤など、さらには、高級脂
肪酸金属塩,難燃剤,帯電防止剤,着色剤,滑剤,天然
油,合成油,ワックスなどが挙げられる。
【0040】フェノール系安定剤としては、従来公知の
もの、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール,2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール,2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノー
ル,2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール,
2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール,2,
6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール,
2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノー
ル,2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール,2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オク
チルフェノール,2−イソブチル−4−エチル−6−t
−ヘキシルフェノール,2−シクロヘキシル−4−n−
ブチル−6−イソプロピルフェノール,スチレン化混合
クレゾール,dl−α−トコフェロール,t−ブチルヒ
ドロキノン,2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール),4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール),4,4′
−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル),2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール),4,4′−メチレンビス(2,6−ジ
−t−ブチルフェノール),2,2′−メチレンビス
[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾー
ル],2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブ
チルフェノール),2,2′−ブチリデンビス(2−t
−ブチル−4−メチルフェノール),1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン,トリエチレングリコール−ビス[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート],2,2′−チオジエチレン
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート],N,N′−ヘキサメチレ
ンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナミド),3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル,1,
3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−
4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート,1,3,
5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレ
ート,トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3
−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート,2,4−ビ
ス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン,テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン,ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸エチル)カルシウム,ビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エ
チル)ニッケル,ビス[3,3−ビス(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシド]グリコ
ールエステル,N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒ
ドラジン,2,2′−オキザミドビス[エチル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート],ビス[2−t−ブチル−4−メチル
−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシ
ベンジル)フェニル]テレフタレート,1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン,3,9−ビス
〔1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン,2,2−ビス〔4−[2−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
ナモイルオキシ)]エトキシフェニル〕プロパン及びス
テアリル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルフェノール)プロピオネートなどのβ−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中で
は、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール,
ステアリル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ブチルフェノール)プロピオネート,2,2′−エチリ
デンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)及びテ
トラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好
適である。
【0041】また、有機ホスファイト系安定剤として
は、例えば、トリオクチルホスファイト,トリラウリル
ホスファイト,トリストリデシルホスファイト,トリス
イソデシルホスファイト,フェニルジイソオクチルホス
ファイト,フェニルジイソデシルホスファイト,フェニ
ルジ(トリデシル)ホスファイト,ジフェニルイソオク
チルホスファイト,ジフェニルイソデシルホスファイ
ト,ジフェニルトリデシルホスファイト,トリフェニル
ホスファイト,トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト,トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト,トリス(ブトキシエチル)ホスファイト,テト
ラトリデシル−4,4′−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト,4,
4′−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスフ
ァイト(ただし、アルキルは炭素数12〜15程度)、
4,4′−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェ
ノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト,トリス
(ビフェニル)ホスファイト,テトラ(トリデシル)−
1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト,トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
ホスファイト,水素化−4,4′−イソプロピリデンジ
フェノールポリホスファイト,ビス(オクチルフェニ
ル)・ビス[4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)]・1,6−ヘキサンジオ
ールジホスファイト,ヘキサトリデシル−1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェノール)ジホスファイト,トリス[4,4′−イソ
プロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)]ホス
ファイト,トリス(1,3−ジステアロイルオキシイソ
プロピル)ホスファイト,9,10−ジヒドロ−9−ホ
スファフェナンスレン−10−オキシド,テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフ
ェニレンジホスホナイト,ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト,ジ(ノニルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト,フェニル・4,4′−イ
ソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジ
ホスファイト,ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト及びフェニルビスフェノール
−A−ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げ
られる。
【0042】これらの中では、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト及びテトラキス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナ
イトが好ましい。
【0043】さらに、有機チオエーテル系安定剤として
は、ジアルキルチオジプロピオネート及びアルキルチオ
プロピオン酸の多価アルコールエステルを用いることが
好ましい。ここで使用されるジアルキルチオジプロピオ
ネートとしては、炭素数6〜20のアルキル基を有する
ジアルキルチオジプロピオネートが好ましく、またアル
キルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとして
は、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルチオ
プロピオン酸の多価アルコールエステルが好ましい。こ
の場合に多価アルコールエステルを構成する多価アルコ
ールの例としては、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及
びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなどを挙げ
ることができる。
【0044】このようなジアルキルチオジプロピオネー
トとしては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネー
ト,ジミリスチルチオジプロピオネート及びジステアリ
ルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。一
方、アルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステ
ルとしては、例えば、グリセリントリブチルチオプロピ
オネート,グリセリントリオクチルチオプロピオネー
ト,グリセリントリラウリルチオプロピオネート,グリ
セリントリステアリルチオプロピオネート,トリメチロ
ールエタントリブチルチオプロピオネート,トリメチロ
ールエタントリオクチルチオプロピオネート,トリメチ
ロールエタントリラウリルチオプロピオネート,トリメ
チロールエタントリステアリルチオプロピオネート,ペ
ンタエリスリトールテトラブチルチオプロピオネート,
ペンタエリスリトールテトラオクチルチオプロピオネー
ト,ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオ
ネート,ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプ
ロピオネートなどを挙げることができる。これらの中で
は、ジラウリルチオジプロピオネート,ジステアリルチ
オジプロピオネート,ペンタエリスリトールテトララウ
リルチオプロピオネートが好適である。
【0045】ヒンダードアミン系安定剤としては、例え
ば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート,コハク酸ジメチル−1−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン重縮合物,ポリ[6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イ
ミノ],テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレート,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルベンゾエート,ビス−(1,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロネート,ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート,1,1′−
(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テト
ラメチルピペラジノン),(ミックスト2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート,(ミック
スト1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレート,ミックスト〔2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル/β,β,β′,β′−テトラメ
チル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート,ミックスト〔1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,
β,β′,β′−テトラメチル−3,9−[2,4,
8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]
ジエチル〕−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシ
レート、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレ
ンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポ
リ[6−N−モルホリル−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミド],
N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロ
モエタンとの縮合物,[N−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−2−メチル−2−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]
プロピオンアミドなどを挙げることができる。
【0046】これらのヒンダードアミン系安定剤の中で
は、特に、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン重縮合物,ポリ[6−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
キシレート、ビス(1,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート,
1,1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,
5,5−テトラメチルピペラジノン),(ミックスト
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリ
デシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ
ート,(ミックスト1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボキシレート,ミックスト〔2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,
β′,β′−テトラメチル−3,9−[2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチ
ル〕−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、ミックスト〔1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル/β,β,β′,β′−テトラメチル−
3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン]ジエチル〕−1,2,3,4−
ブタンテトラカルボキシレート,N,N′−ビス(3−
アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N
−ブチル−N−(1,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリ
アジン縮合物,ポリ[6−N−モルホリル−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレ
ン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミド]、N,N′−ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと
1,2−ジブロモエタンとの縮合物,[N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−メチル
−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ]プロピオンアミドが好適である。
【0047】高級脂肪酸金属塩としては、例えばステア
リン酸,オレイン酸,ラウリン酸,カプリン酸,アラキ
ジン酸,パルミチン酸,ベヘニン酸,12−ヒドロキシ
ステアリン酸,リシノール酸,モンタン酸などの高級脂
肪酸のマグネシウム塩,カルシウム塩,バリウム塩など
のアルカリ土類金属塩,カドミウム塩,亜鉛塩,鉛塩,
さらにはナトリウム塩,カリウム塩,リチウム塩などの
アルカリ金属塩などが用いられる。具体的には、ステア
リン酸マグネシウム,ラウリン酸マグネシウム,パルミ
チン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,オレイ
ン酸カルシウム,ラウリン酸カルシウム,ステアリン酸
バリウム,オレイン酸バリウム,ラウリン酸バリウム,
アラキジン酸バリウム,ベヘニン酸バリウム,ステアリ
ン酸亜鉛,オレイン酸亜鉛,ラウリン酸亜鉛,ステアリ
ン酸リチウム,ステアリン酸ナトリウム,パルミチン酸
ナトリウム,ラウリン酸ナトリウム,ステアリン酸カリ
ウム,ラウリン酸カリウム,12−ヒドロキシステアリ
ン酸カルシウム,モンタン酸カルシウムなどが挙げられ
る。
【0048】また、本発明の目的を損なわない範囲で、
充填剤を含んでいてもよい。充填剤としては、例えば球
状フィラー,板状フィラー,繊維状フィラーなどがあ
る。球状フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム,カ
オリン(ケイ酸アルミニウム),シリカ、パーライト,
シラスバルーン,セリサイト,ケイソウ土,亜硫酸カル
シウム,焼成アルミナ,ケイ酸カルシウム,結晶質ゼオ
ライト,非晶質ゼオライトなどが、板状フィラーとして
は、例えばタルクやマイカなどが、繊維状フィラーとし
ては、例えばウオラストナイトのような針状のもの、マ
グネシウムオキシサルフェイト,チタン酸カリウム繊
維,繊維状炭酸カルシウムのような繊維状のもの、さら
には、ガラス繊維,ボロン繊維,炭化ケイ素繊維,ポリ
エチレン繊維,ポリプロピレン繊維,ポリエステル繊
維,ポリアミド繊維のような完全に繊維状のものなどが
挙げられる。
【0049】本発明に係る押出成形体の形状及び製品の
種類については、特に制限はないが、フィルム、シー
ト、パイプ、ホース、電線被覆、モノフィラメント等が
挙げられる。
【0050】本発明の押出成形体を製造する方法として
は、従来公知の押出装置を用いればよい。例えば、単軸
スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出
機などが挙げられる。また、押出機に環状ダイス或いは
Tダイなどを取り付けてもよい。また、成形条件も、従
来公知の条件を採用することができる。例えば、Tダイ
を用いる場合の成形条件としては、樹脂温度100℃〜
300℃、好ましくは130℃〜270℃、ロール温度
100℃〜350℃、好ましくは130℃〜300℃、
特に好ましくは150℃〜270℃である。また、成形
体を冷却する場合は一般に水が用いられるが、シートを
成形する場合には、エアナイフや冷却ロールなどを用い
てもよい。また、成形の際、ロール上に紙や布等を送
り、人工レザーや防水布、各種ラミネート製品を作るこ
ともできる。
【0051】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によって、なんら限
定されるものではない。
【0052】なお、プロピレン系重合体の物性評価は、
予め酸化防止剤としてチバスペシャルティケミカルズ社
製のイルガノックス1010と住友化学社製のBHTと
の質量比1:1の混合物を4000質量ppm添加した
ものについて、単軸押出し機にて造粒し、下記の方法に
従って行った。 (1)メルトインデックスMI49,MI21.2 ASTM D1238に準拠して、温度230℃で荷重
5.0kgf(49N)でのMI49及び荷重2.16k
gf(21.2N)でのMI21.2を測定した。 (2)溶融張力MS 明細書本文に記載した方法に従って測定した。 (3)極限粘度〔η〕 テトラリン溶媒中、温度135℃において測定した。 (4)質量平均分子量Mw及び分子量分布Mw/Mn 明細書本文に記載した方法に従って測定した。 (5)アイソタクチックペンタッド分率mmmm13 C−NMRを測定し、公知の方法に従って算出した。
【0053】また、マクロモノマーの物性評価は、下記
の方法に従い行った。 (6)質量平均分子量Mw 上記(4)と同様にして測定した。 (7)末端ビニル基濃度TB 厚さが0.5mmの熱プレスシートを用い、赤外法によ
り910cm-1における吸光度(A910 )を求め、炭素
100個当たりのC=C結合の個数(n)を下記式によ
り算出した。
【0054】n=0.114A910 /(ρ・t) ここで、ρは試料の密度(g/cm3)、tは試料の厚
さ(mm)である。 (8)ポリエン単位含有量 ポリエン単位含有量(Pモル%)を下記式により算出し
た。
【0055】P=〔(P0 −Pr )×100〕/〔(P
0 −Pr )+(α0 −αr )〕 ここで、P0 は重合時に供給されるポリエン化合物のモ
ル数、Pr は未反応ポリエン化合物のモル数、α0 は重
合時に供給されるα−オレフィンのモル数、αr は未反
応α−オレフィンのモル数である。上記αr 及びP
r は、重合器中に残存する未反応のα−オレフィン及び
ポリエン化合物をガスクロマトグラフィーを用いて測定
することによって決定した。
【0056】さらに、押出成形体の物性評価は、押出成
形体としてフィルムを作製し、そのフィルムについて、
下記のように行った。 (9)表面荒れ フィルムを目視にて評価した。
【0057】表面荒れがないものを「良好」、表面荒れ
があるものを「表面荒れ」で示した。 〔実施例1〕 [1]ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェ
ニルインデニル)ハフニウムジクロライドの合成 (1)2−(2−フェニルベンジル)プロピオン酸 10.0g(435ミリモル)のナトリウムを200ミ
リリットルの脱水エタノー中に混合したものに、75.
7g(435ミリモル)のジエチルメチルマロネートを
滴下する。次いで107.4g(435ミリモル)の2
−フェニルベンジルブロミドを50ミリリットルの脱水
エタノール中に混合したものを滴下し、混合液を3時間
加熱還流した。溶媒を留去し残渣に水300ミリリット
ルを加えた。有機相を分液し、水相を塩化ナトリウムで
飽和させ、200ミリリットルのエーテルで3回抽出し
た。有機相を無水MgSO4で乾燥した。溶媒を留去
し、残渣にエタノール500ミリリットル、水50ミリ
リットルを加え84g(1.5モル)のKOHを加え
た。本反応混合物を4時間加熱還流した。溶媒を留去後
残渣に500ミリリットルの水を加え、塩酸により溶液
のpHを1にした。生成した沈殿物を吸引ろ過し、得ら
れた固体をフラスコ中で250℃、30分間加熱する
と、83.5g(80%)の(1)が油状物として得ら
れた。 (2)2−メチル−4−フェニルインダン−1−オン 83.5g(348ミリモル)の(1)を72ミリリッ
トル(1190ミリモル)の塩化チオニル中に溶解さ
せ、得られた溶液を室温で18時間攪拌した。過剰の塩
化チオニルを減圧下留去し、残渣に150ミリリットル
のトルエンを加え減圧下留去する。この操作を3回繰り
返す。得られた酸塩化物にトルエン150ミリリットル
を加えこの溶液を69g(522ミリモル)の塩化アル
ミニウムをトルエン500ミリリットルに懸濁させた溶
液に10℃で滴下した。滴下終了後、混合物をさらに3
時間還流した。反応混合物を500gの氷水に注ぎ込
み、塩酸によりpHを1とした。有機相を分液し、水相
を100ミリリットルのエーテルで3回抽出した。有機
相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム
溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥すると69.5g
(90%)の(2)が得られた。 (3)2−メチル−7−フェニルインデン 69.5g(313ミリモル)の(2)を600ミリリ
ットルのTHF/MeOH(2:1)に溶解し、17.
7g(470ミリモル)の水素化硼素ナトリウムを0℃
で少しずつ添加した。反応混合物をさらに18時間攪拌
後、氷水中に注ぎ込み、塩酸によりpHを1にする。水
相をエーテル3500ミリリットルで抽出する。有機相
を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧下留去し残渣に1Lのトルエンを加
える。ここへ2.8gのp−トルエンスルホン酸を加え
て2時間加熱還流した。反応混合物を300ミリリット
ルの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し減圧下溶媒
を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/ジクロロメタン)を通すことにより精製すると
41g(88%)の(3)が油状物として得られた。 (4)ジメチルビス(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)シラン (3)の20g(97.1ミリモル)をトルエン200
ミリリットル、THF10ミリリットルの混合溶媒に溶
解させ、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.57
M)の62ミリリットル(97ミリモル)を室温で加え
80℃で1時間加熱還流させた。0℃に冷却し6.3g
(48.6ミリモル)のジメチルジクロロシランを加え
た。80℃で1時間加熱し次いで100ミリリットルの
水に注ぎ込んだ。水相をエーテル300ミリリットルで
抽出し有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去したあと残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/ジクロロメタン)で処理することによ
り15.9g(70%)の(4)を得た。 (5)rac−ジメチルシリルビス(2−メチル−4−
フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド (4)の10.0g(21.3ミリモル)をトルエン1
50ミリリットルに溶解し、n−ブチルリチウム(1.
57M)27ミリリットル(43ミリモル)を滴下し3
時間加熱還流した。この懸濁液に−25℃で6.7g
(21.0ミリモル)の四塩化ハフニウムを添加した。
室温で2時間攪拌しろ過した。固体をトルエン50ミリ
リットルで抽出しろ液の溶媒を減圧下留去することによ
り黄白色の粉末が得られた。この粉末をジクロロメタン
30ミリリットルで3回洗浄することによりラセミ体
(5)を単離した。収量4.4g(29%) [2]重合 内容積10リットルのステンレス製オートクレーブに、
トルエンを5.5リットル、メチルアルミノキサン50
ミリモル(Al)と、前記のジメチルシリレン−ビス
(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジ
クロライド5マイクロモルをトルエン中5分間予備接触
させた触媒成分を投入した。ここで、全圧で0.8MP
a・Gまでプロピレンガスを導入し重合中圧力が一定に
なるように調圧器によりプロピレンを供給した。重合温
度60℃で、240分間重合を行なった後、内容物を取
り出し、減圧下、乾燥することにより、プロピレン重合
体を850g得た。
【0058】このプロピレン重合体、及びマクロモノマ
ーとしてのこのプロピレン重合体の物性を第1表に示
す。 [3]フィルムの作製 上記[2]で得られたプロピレン重合体に対し、以下の
添加剤を処方し、単軸押出機(塚田樹機製作所製:TL
C35−20型)にて混練造粒して、ペレット 状樹脂組成物を調製した。この際の樹脂温度は170℃
であった。 フェノール系酸化防止剤:チバスペシャルティケミカ
ルズ社製:イルガノックス1010: 1000ppm リン系酸化防止剤:チバスペシャルティケミカルズ社
製:イルガノックス168:1000 ppm ステアリン酸カルシウム:500ppm シリカ系アンチブロッキング剤:2300ppm スリップ剤:エルカ酸アミド:250ppm 次に、このペレット状樹脂組成物を塚田樹機製作所製2
0mmφ押出成形機を用い、Tダイ出口温度192℃、
チルロール温度40℃、チルロール鏡面、引き取り速度
6.0m/分にて、膜厚20μmのフィルムを製膜し
た。得られたフィルムの物性を第1表に示す。
【0059】〔実施例2〕 [1](μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)(3,5−ジイソプロピルシク
ロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの合成 (1)6,6−ジメチルフルベン 1リットル三つ口フラスコにメタノール300ミリリッ
トル、シクロペンタジエン70ミリリットル(852ミ
リモル)及びアセトン63ミリリットル(859ミリモ
ル)を仕込んだのち、これに室温にて、ピロリジン85
ミリリットル(1018.3ミリモル)を滴下ロートよ
り、ゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間攪拌したの
ち、酢酸84ミリリットルで中和した。次いで、水及び
エーテル各200ミリリットルで希釈したのち、分液ロ
ートで分液し、有機相をブライン,水それぞれ200ミ
リリットルで洗浄後、無水塩化マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去後、減圧蒸留することにより、6,6−
ジメチルフルベン66.55g(627ミリモル)を得
た。 (2)イソプロピルシクロペンタジエン 水素化リチウムアルミニウム24.8g(653ミリモ
ル)にエーテル200ミリリットルを加え、これに6,
6−ジメチルフルベン66.55g(627ミリモル)
を滴下ロートよりゆっくり滴下した。滴下終了後室温で
1時間攪拌したのち、0℃で加水分解を行った。エーテ
ルで抽出し、無水塩化マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去し、減圧蒸留することにより、イソプロピルシクロペ
ンタジエン36.61g(338.4ミリモル)を得た
(収率39%)。 (3)3−イソプロピル−6,6−ジメチルフルベン メタノール200ミリリットルにイソプロピルシクロペ
ンタジエン36.61g(338.4ミリモル)及びア
セトン27.3ミリリットル(372ミリモル)を加
え、さらにピロリジン36ミリリットル(431ミリモ
ル)を滴下ロートより滴下した。室温で1時間攪拌後、
酢酸で中和し、水,エーテル各200ミリリットルで希
釈した。有機相を分液後溶媒を留去し、得られた黄色油
状物を減圧蒸留することにより、3−イソプロピル−
6,6−ジメチルフルベン36.81g(248ミリモ
ル)を得た(収率73%)。 (4)1,3−ジイソプロピルシクロペンタジエン エーテル200ミリリットルに水素化リチウムアルミニ
ウム9.4g(248ミリモル)を加え、これに3−イ
ソプロピル−6,6−ジメチルフルベン35.26g
(237.8ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下後、
室温で1時間攪拌したのち、0℃で加水分解を行ない、
エーテル抽出した。有機相を無水塩化マグネシウムで乾
燥後、溶媒を留去し、さらに減圧蒸留することにより、
1,3−ジイソプロピルシクロペンタジエン27.58
g(183.5ミリモル)を得た(収率74%)。 (5)3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジ
メチルクロロシラン 1,3−ジイソプロピルシクロペンタジエン9.6g
(63.4ミリモル)にトルエン100ミリリットル及
びヘキサン50ミリリットルを加えたのち、これにn−
ブチルリチウム1.55モル/リットル濃度のヘキサン
溶液45ミリリットルを−78℃にて滴下した。室温で
8時間攪拌後、白色沈澱をろ別し、減圧下で乾燥したの
ち、得られた白色固体を−78℃でTHF80ミリリッ
トルに溶解し、これにジメチルジクロロシラン10.8
gミリリットル(89ミリモル)を滴下した。室温に戻
し、12時間攪拌したのち、溶媒を留去し、ヘキサン1
00ミリリットルで抽出した。次いで、溶媒を留去する
ことにより3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニ
ルジメチルクロロシラン14.4g(59ミリモル)を
得た(収率93%)。 (6)(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)
(2,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジメ
チルシラン 3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジメチル
クロロシラン14.4g(59ミリモル)にTHF50
ミリリットルを加え、これに別途合成した1,2−ジメ
チルシクロペンタジエニルリチウム(59ミリモル)の
THF溶液に滴下した。終夜攪拌後、溶媒を留去し、ヘ
キサン100ミリリットルで抽出したのち、溶媒を留去
することにより、(2,3−ジメチルシクロペンタジエ
ニル)(2,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルシラン7.55g(25.1ミリモル)を
得た(収率43%)。 (7)(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)(3,5−ジイソプロピルシク
ロペンタジエン) (2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4−
ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン
7.55g(25.1ミリモル)にエーテル100ミリ
リットルを加え、さらに−78℃にてn−ブチルリチウ
ム1.61モル/リットル濃度のヘキサン溶液31.2
gミリリットルを加えた。室温で8時間攪拌したのち、
溶媒を留去し、ヘキサン100ミリリットルで洗浄後、
減圧乾燥した。これに、THF80ミリリットルを加え
たのち、0℃にてジメチルジクロロシラン3.0ミリリ
ットル(24.7ミリモル)を加え、室温で20時間攪
拌した。
【0060】次に、黄白濁溶液の溶媒を留去し、ヘキサ
ン80ミリリットルで抽出したのち、抽出液の溶媒を留
去し、黄色油状物を得た。次いで、この黄色油状物をク
ーゲル蒸留(8Pa,160℃)することにより、粘稠
な淡黄色油状物として(μ−ジメチルシリレン)
2 (3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3,5
−ジイソプロピルシクロペンタジエン)が得られた。 (8)(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)(3,5−ジイソプロピルシク
ロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド (μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)(3,5−ジイソプロピルシクロペン
タジエン)2.04g(5.7ミリモル)にTHF50
ミリリットルを加え、これに0℃にて、n−ブチルリチ
ウム1.61モル/リットル濃度のヘキサン溶液8.5
ミリリットル(n−ブチルリチウム13.7ミリモル)
を滴下した。滴下終了後、室温で2.5時間攪拌したの
ち、溶媒を留去し、ヘキサン30ミリリットルで洗浄し
た。次いで、ろ取し、減圧乾燥して白色粉末を得たの
ち、この粉末1.17g(3.2ミリモル)をジクロロ
メタン50ミリリットル中に懸濁させ、−78℃に冷却
した。これに、四塩化ハフニウム1.0gのジシクロロ
メタン30ミリリットル懸濁液を滴下し、室温で8時間
攪拌した。溶媒を留去後、トルエン40ミリリットルで
抽出したのち、ろ過して得られたろ液を濃縮して冷蔵す
ることにより、(μ−ジメチルシリレン)2 (3,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジイソプロ
ピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの無
色結晶が析出した。 [2]マクロモノマーの合成 内容積10リットルのステンレス製オートクレーブにヘ
プタン6リットル,トリイソブチルアルミニウム6ミリ
モル、さらに、メチルアルミノキサン(アルベマール社
製)25ミリモル(Al原子換算)と、(μ−ジメチル
シリレン)2 (3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)
ハフニウムジクロリド25マイクロモルをトルエン中5
分間予備接触させた触媒成分を投入した。次いで、全圧
で0.8MPa・Gまでプロピレンガスを導入し重合中
圧力が一定になるように調圧器によりプロピレンを供給
した。重合温度80℃で、480分間重合を行った後、
触媒量と同等のメタノールを投入することにより重合を
停止し、ヘプタン1リットル当たりマクロモノマー12
0gを得た。得られたマクロモノマーは常温(25℃)
でヘプタン中に完全に溶解していた。 [3]プロピレンとマクロモノマーの共重合 (1)担体の調製 SiO2(富士シリシア化学(株)製P−10)70g
を140℃で15時間、微量窒素気流下で乾燥した。乾
燥SiO2を22.0g秤量し脱水トルエン200ミリ
リットルに投入した。窒素雰囲気下、攪拌しながら40
℃に温度を一定とした後、これにトリイソブチルアルミ
ニウムのトルエン溶液(1mol/l)をアルミニウム
原子換算で0.5ミリモルを滴下した。5時間反応した
後、脱水トルエン200ミリリットルでデカンテーショ
ン法により2回洗浄を行なつた。洗浄温度は40℃であ
った。洗浄後、同様に脱水トルエン250ミリリットル
を投入した。 (2)アルミニウムオキシ化合物の調製 アルミニウムオキシ化合物としてメチルアルミノキサン
を用いた。メチルアルミノキサンのトルエン溶液1.0
リットル(1.5mol/l,アルベマール社製、トリ
メチルアルミニウム14.5質量%含有)を減圧下(2
0mmHg)、60℃で溶媒を留去した。この状態で、
4時間保持した後、室温まで降温し、ドライアップした
メチルアルミノキサンを得た。このドライアップメチル
アルミノキサンに脱水トルエンを添加し、再溶解させ、
溶媒を留去する前の容積に戻しlH−NMRによリメチ
ルアルミノキサン中のトリメチルアルミニウムを定量し
た結果3.6質量%であった。また、ケイ光X線(IC
P)法により全アルミニウム量を測定した結果1.32
モル/リットルであった。その後、この溶液を2昼夜静
置し、不溶成分を沈降させた。この後、上澄み液をG5
ガラス製フィルターで窒素気流下にてろ過して、上澄み
の溶液を回収して、アルミニウムオキン化合物としてメ
チルアルモキサン(a)を得た。ICP法による濃度は
1.06であった。以上の測定により、有機アルミニウ
ムは、10.9質量%及び不溶成分は17.33質量%
除去された。 (3)担持メチルアルミノキサンの調製 上記(1)で調製したSiO2のトルエンスラリーを攪
拌下、窒素雰囲気下、0℃に温度を制御した。これに上
記(2)で調製した可溶性メチルアルミノキサン溶液を
200ミリリットル、60分かけて滴下した。滴下終了
後、室温まで温度を上昇し30分間反応し、更に70℃
まで昇温した。この状態で3時間反応を継続した。反応
終了後、60℃まで降温し、この温度を保持したまま、
脱水トルエン200ミリリットルで2回、引き続き、脱
水ヘプタン200ミリリットルで2回洗浄した。50℃
で減圧乾固したところ、32.8gのSiO2担持メチ
ルアルミノキサンを得た。再度、脱水ヘプタン186ミ
リリットルを投入してSiO2担持メチルアルミノキサ
ンのヘプタンスラリーを調製した。 (4)プロピレンとマクロモノマーの共重合 前記[2]で得られたマクロモノマーのヘプタン溶液の
入った、内容積10リットルのステンレス製オートクレ
ーブに、トリイソブチルアルミニウム10ミリモル、さ
らに、前記[3]で得られたシリカ担持メチルアルミノ
キサン10ミリモル(Al原子換算)と、ジメチルシリ
レン−ビス(2−メチル−5,6−ベンゾインデニル)
ジルコニウムジクロリド20マイクロモルをトルエン中
5分間予備接触させた触媒成分を投入した。次いで、全
圧で0.8MPa・Gまでプロピレンガスを導入し重合
中圧力が一定になるように調圧器によりプロピレンを供
給した。重合温度50℃で、240分間重合を行った
後、内容物を取り出し、80℃ヘプタン3リットルで3
回洗浄し、未反応のマクロモノマーを除去した。さらに
減圧下、乾燥することにより、プロピレン系共重合体1
800gを得た。
【0061】このプロピレン系共重合体及び前記マクロ
モノマーの物性を第1表に示す。 [4]フィルムの作製 実施例1と同様に行った。得られたフィルムの物性を第
1表に示す。 〔実施例3〕 (1)マクロモノマーの合成 実施例2の[2]において、1,9−デカジエンを0.
4ml添加したこと以外は実施例2の[2]と同様にし
て、ヘプタン1リットル当たり、マクロモノマー100
g得た。得られたマクロモノマーは常温(25℃)でヘ
プタン中に完全に溶解していた。 (2)プロピレンとマクロモノマーの共重合 実施例2の[3]において、上記(1)で得られたマク
ロモノマーの存在下に、実施例2の[3]と同様にして
プロピレンの重合を行ない、プロピレン−ポリエン共重
合体1700gを得た。この共重合体及び前記マクロモ
ノマーの物性を第1表に示す。 (3)フィルムの作製 上記(2)で得られた共重合体を用い、実施例1の
[4]とどうようにしてペレット状の樹脂組成物を調製
した後、フィルムを作製した。このフィルムの物性を第
1表に示す。 〔比較例1〕実施例2においてマクロモノマーを用いな
いこと以外は実施例2と同様に行ったが、ドローダウン
によりフィルム切れが発生し、物性評価を行うことがで
きなかった。
【0062】
【表1】
【0063】(注) (1)MI49/MI21.2計算値:MI49/MI21.2
0.240×Mw/Mn+3.1より算出 (2)MS計算値:logMS=3.17×log
〔η〕−0.68より算出 (3)η* 計算値:η* =159η+743より算出
【0064】
【発明の効果】本発明の押出成形体は、特定性状のプロ
ピレン系重合体、又はこのものと他のオレフィン系重合
体との樹脂混合物から得られたものであって、成形性に
優れる上に、表面荒れもなく表面特性に優れるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA20X AA39X AA81 AA88 AF43 BB03 BB06 BC01 4F207 AA11E AA12E KA01 KA17 4J027 AA08 BA04 CA04 CA14 CA18 CA27 CA29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系重合体から得られる押出成
    形体であって、上記プロピレン系重合体が、(a)温度
    230℃において測定した荷重5.0kgf(49N)
    でのメルトインデックスMI49(g/10分)と荷重
    2.16kgf(21.2N)でのメルトインデックス
    MI21.2(g/10分)との比MI49/MI21.2と、ゲ
    ルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定した質
    量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn
    とが、式 MI49/MI21.2≧0.240×Mw/Mn+3.1 (I) の関係を満たすこと、及び(b)温度230℃において
    測定した溶融張力MS(g)と、テトラリン溶媒中、温
    度135℃において測定した極限粘度〔η〕(dl/
    g)とが、式 logMS≧3.17×log〔η〕−0.68 (II) の関係を満たし、かつ該極限粘度〔η〕が0.5〜2.
    5dl/gの範囲にある押出成形体。
  2. 【請求項2】 プロピレン系重合体が、(イ)プロピレ
    ンと、(ロ)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    法で測定した質量平均分子量Mwが5000以上で、か
    つ末端ビニル基濃度TBが0.05個/100炭素以上
    のマクロモノマーとの共重合体である請求項1記載の押
    出成形体。
  3. 【請求項3】 マクロモノマーが、α−オレフィンとポ
    リエンの共重合体である請求項2記載の押出成形体。
  4. 【請求項4】 α−オレフィンとポリエンの共重合体
    が、そのポリエン単位含有量が該共重合体に対して0.
    001〜10質量%のものである請求項3記載の押出成
    形体。
  5. 【請求項5】 α−オレフィンとポリエンの共重合体
    が、その末端ビニル基濃度TBが0.15個/100炭
    素以上のものである請求項3又は4記載の押出成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のプロピ
    レン系重合体と、他のオレフィン系重合体との樹脂混合
    物から得られる圧延成形体であって、該樹脂混合物が請
    求項1の(a)及び(b)の関係を満たし、かつテトラ
    リン溶媒中、温度135℃において測定した該樹脂混合
    物の極限粘度〔η〕が0.5〜2.5dl/gの範囲に
    ある押出成形体。
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