JP5977767B2 - ブロック化メルカプトシランを含むラバー組成物およびそれから作られた物品 - Google Patents

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Description

本発明は、含硫黄シランカップリング剤から部分的に誘導される無機物充填ラバー組成物、およびタイヤ、タイヤ構成部品、パワートランスミッションベルト等の、該ラバー組成物から作られた物品に関する。
無機充填ラバー(エラストマー)の製造に使用される既知の含硫黄シランカップリング剤は、一つ以上の下記化学結合型:SH(メルカプト)、S−S−(ジスルフィドまたはポリスルフィド)、C=S(チオカルボニル)およびC(=O)S(チオエステル)を含む。
メルカプトシランは、無機物充填配合エラストマー中で用いられる既知および通常の有機ポリマーと高い化学反応性を示し、そしてそれゆえ、大幅に減らされた充填におけるカップリングを達成する。しかしながら、メルカプトシランカップリング剤と有機ポリマーとの間の化学結合は、有機ポリマーの炭素−炭素結合よりも弱い傾向がある。高い負荷および/または高い頻度の使用状況において、これらの化学結合は切断しやすく、そしてそれゆえ、有機ポリマーとカップリング剤との間のカップリングは消失または減少しやすい。このカップリングの消失または減少は磨耗および/またはメルカプトシランカップリング剤で組成されるラバー組成物の他の重要な物理的特性の低下の一因となる。メルカプトシランカップリング剤と有機ポリマーとの高い化学反応性は、加工および/または早期加硫(スコーチ)の時の、容認されないほど高い粘性につながる。それらの望ましくなさは、その非常に不快な臭気によってさらに悪化する。結果として、他の、S−S(ジスルフィドおよびポリスルフィド)結合、C=S(チオカルボニル)、もしくはC(=O)S(チオエステル)官能基のような、より低い反応性のカップリング剤が単独で、または後者の高い化学反応性を低下させるために、メルカプトシランカップリング剤との混合物として用いられる。これらの反応性の低いシランカップリング剤は、一般的に有機ポリマーと反応し得る単独の硫黄官能基を含むため、ラバーが高ストレスの使用環境に置かれる場合、比較的弱いC−S結合は壊れ、ラバーの充填剤からのデカップリング、空隙の形成および/または摩耗の結果最も多く生じる、充填ラバーの裂けに繋がる。
M.G.Voronkovら、Zhurnal Obshchei Khimii(1975)、45(6)、1395は、CHC(=O)S(CH1−3Si(OR)のようなアシルチオアルキルシランを開示する。米国特許第3,992,436号は、サルファシラン HOC(=O)CHCHC(=O)S(CHSi(OCおよびそのカップリング剤としての使用を開示する。このシランは、一つのブロック化メルカプト基のみを含む。
特開昭63−270751は、一般式CH=C(CH)C(=O)S(CH1−6Si(OCHで表される化合物のタイヤトレッド組成物中での使用を開示する。これらの化合物は、単独のブロック化メルカプト基のみを含み、チオエステルのカルボニル基に対するα、β不飽和が、配合過程においてもしくは貯蔵中において重合化するという望ましくない可能性を有するために通常望ましくない。
オーストラリア特許AU−A−10082/97は、R 3−nSi−(Alk)(Ar)−S(C=O)−R〔式中、Rはフェニルもしくはアルキルであり;Xはハロゲン、アルコキシ、シクロアルコキシ、アシロキシ、もしくはOHであり;Alkはアルキルであり;Arはアリールであり;Rはアルキル、アルケニル、もしくはアリールであり;nは0から2であり;mおよびpはそれぞれ0もしくは1であるが両方ともがゼロではない。〕によって表される構造のシランのラバー中での使用を開示する。しかしながら、これらのシランを含む組成物は、官能性シロキサンと共に使用されなければならないことを要求する。
米国特許6,608125号、6,683,135号、6,20439号、6,127,468号、6,777,569号、6,528,673号、6,649,684号、米国特許公開US20050009955A1、20040220307A1、2003020900A1、20030130388A1、ならびに係属中の米国特許出願11/105916号、および10/128804号、そして欧州特許出願EP1270657A1は、[[(ROC(=O))−(G)−Y−S]−G−(SiX〔式中、ラバー化合物においてYは多価のブロック基で、rは整数1から3であり、sは好ましくは1から3である〕で表される構造のブロック化メルカプトシランの、ラバーマスターバッチにおいておよび無機物充填剤のための表面処理としての使用を開示する。これらの特許および特許出願は一つより多いブロック化メルカプト基を有するカップリング剤、すなわち、r=2もしくは3である化合物を開示するが、ラバー組成の有機ポリマー成分との効率的な多重結合の達成に必要なケイ素原子と有機官能基との間の多価G構造の特定の立体化学的な配置を記述しない。
米国特許6,359,046号、5,663,226号、5,780,531号、5,827,912号、5,977,225号、4,709,065号、6,759,545号、および国際公開第2004000930A1は、分子当たり平均で一つより多いS−S(ジスルフィドもしくはポリスルフィド)結合を有するポリスルフィドシランカップリング剤の種類を開示する。しかしながら、複数のS−S結合は、ここの結合を有機炭化水素ラジカルで分離する事によって達成される。使用の際、これらのS−S基は分解してポリマーへと結合する硫黄ラジカルを生成するが、しかしながら、ケイ素原子当たり一つのみの硫黄反応基を有する種を生成する。米国特許5,110,969号、6,268,421号、6,211,345号および6,350,797号に開示されるポリスルフィドシランカップリング剤が、環状炭化水素ラジカルを介してケイ素原子へと直接的に結合した一つより多い硫黄官能基を有することによって、この難点を克服する。その複数のS−S基は近接した炭素原子へと結合し、ケイ素原子はアルコキシシランのヒドロシラン化を介して環構造に直接的に結合し、ビニル含有環状炭化水素となる。しかしながらこれらの化合物はS−Sの環および炭素原子を有するかまたは、ポリマー物質であり、ここで、炭化水素ラジカルを有したシリルはS−S基を介して結合される。これらの環状もしくはポリマーのカップリング剤は、それらが第2の炭素へと直接的に結合されたS−S基を含んでいるために、有機ポリマーとの低い反応性を与えられている。S−S含有基の第2の炭素元素への結合は、S−S基の反応を妨害し、それらの有機ポリマーとの反応を阻害する。
米国特許公開US20080161590は、複数のブロック化メルカプト基を含むサルファシラン、および該シランのラバー中での使用を開示する。これらのサルファシランは、ラバーに複数の結合を形成し、また、ラバーを無機物充填剤に効率的に結合させる。しかしながら、比較的嵩高い環状基のために、充填剤は、シランカップリング剤を含まない領域を持ち得る。
故に、無機物充填エラストマーまたはラバーの加工において反応性が低いけれどもスコーチが無い含硫黄シランカップリング剤であって、ラバーマトリックス内に無機物充填剤を効率的に分散させるのに役立ち、また、有機ポリマー成分との複数の結合の形成にするための目的時間において活性化される、含硫黄シランカップリング剤の需要がある。これらの複数の結合は、タイヤに起こる環境のような高ストレスの使用環境において、前記の欠点を示すことなく、ラバーとカップリング剤との間のカップリングの消失が最小化されるように、十分な結合を提供する。
本発明は、単独のブロック化メルカプト基を含む少なくとも一つのブロック化メルカプトシランと、直鎖アルキレン基を介して環状炭化水素に結合した二つのブロック化メルカプト基を含む少なくとも一つのブロック化メルカプトシランとの混合物を含む微粒子充填ラバー組成物を対象とする。
ブロック化メルカプトシランは、メルカプト水素原子が他の基(以下、「ブロック基」と称する)で置き換えられた化合物であり、アルコキシシリル基を持つ。具体的には、本発明のシランは、ブロック基が、単結合を介して硫黄と直接結合するアシル基を含む、ブロック化メルカプトシランである。
更に具体的には、本発明は、
(i)少なくとも一つの加硫ラバー;
(ii)少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤;
(iii)二つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシランで、式:
[RC(=O)S(CH G−RSiX
を持つブロック化メルカプトシラン;および
(iv)一つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシランで、式:
C(=O)SRSiX
を持つブロック化メルカプトシラン
(式中、
の各々は、独立して水素または最大12の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
は、最大10の炭素原子および任意に酸素原子または硫黄原子を含む二価の炭化水素基であり;
は、水素または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
は、最大12の炭素原子を含む二価の炭化水素基であり;
Gは、最大10の炭素原子を含む三価の環状炭化水素基であり;
の各々は、独立してRO−およびRC(=O)O−からなる群より選択され、式中、Rは、水素、または最大18の炭素原子および任意に少なくとも一つの酸素原子を含む一価の炭化水素基であり;
およびXの各々は、独立してRおよびXで挙げられている要素からなる群より選択され、式中、Rは、最大6の炭素原子の一価の炭化水素基であり;そして
nは、1〜5の整数である。)
を含む微粒子充填ラバー組成物に関する。
本発明はまた、前記の微粒子充填ラバー組成物の製法、シラン反応性微粒子充填剤(ii)とブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物とから調製される自由流動性充填剤組成物、および自由流動性充填剤組成物を含むラバー組成物を含む。
更に他の実施態様において、本発明は、硬化ラバーおよびそれから作られた物品を提供する。
ここに引用された全ての先行する特許および非特許文献は、ここに参照することによって全ての内容が組み込まれる。
用語「エラストマー」は、「ラバー」と同義語であり、故に置き換え可能である。
用語「加硫」は、「硬化」と同義語であり、故に置き換え可能である。
「不活性微粒子充填剤」という表現は、本質的にシランと反応しない微粒子充填剤材料に適用されると理解されるべきである。
「ブロック化メルカプトシラン」という表現は、部分加水分解物を含むと理解されるべきである。ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の部分加水分解物は、それらの製造方法の殆どによって生じ、および/または、特に湿度の高い条件下での保存において生じ得る。
「カップリング剤」という表現は、加硫性エラストマーと充填剤との間の効果的な化学および/または物理結合を確立し得る剤を意味する。効果的なカップリング剤は、充填剤と、例えば、カップリング剤のケイ素原子と充填剤の表面水酸基(OH)(例えば、シリカの場合、表面シラノール)との間で物理的および/または化学的に結合し得る官能基、および、例えば、加硫(硬化)の結果としてエラストマーと物理的および/または化学的に結合し得る硫黄原子を持つ。
用語「充填剤」は、エラストマーを伸張するためまたは弾性網目構造を強化するためのいずれかでエラストマーに添加される物質を意味する。強化する充填剤は、その弾性率がエラストマー組成物の有機ポリマーより高く、また、エラストマーが引っ張られる際に有機ポリマーからの応力を吸収し得る材料である。充填剤は、繊維状、微粒子状およびシート状の構造を持ち、無機ミネラル、ケイ酸塩、シリカ、クレー、セラミックス、カーボン、有機ポリマーおよび珪藻土で構成される。ここで、ラバー組成物は少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤を含まなくてはならず、また、本質的にシランに不活性である一以上の微粒子充填剤を任意で含んでも良い。
用語「担体」は、高い吸着性能または吸収性能を持ち、その自由流動性および乾燥特性を維持しながら、75%までの液体シランを担持することが出来る多孔性または高表面積充填剤を意味する。ここで有用な充填剤/担体は、本質的にシランカップリング剤に対して不活性であり、加硫性ラバー組成物に添加された際に液体シランを放出または脱吸着可能なものである。
ここで、用語「炭化水素」は、水素原子および炭素原子を含むあらゆる化学構造を、また任意で、骨格中の炭素−炭素結合が酸素および/または硫黄原子に結合することで遮られる構造、および/または一級アルコール(−OH)またはオキソ(=0)等の、炭素に結合した水素または二つの水素が酸素または硫黄原子で置き換えられる構造をも呼ぶ。
ここで、「アルキル」は、直鎖、分枝状および環状アルキル基を含み、「アルケニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有した任意の直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルケニル基を含み、ここで置換の場所は、炭素−炭素二重結合においてか、または基の中の他の場所の、いずれか一方であり得る;「アルキニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素三重結合を、ならびに任意選択で同様に一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有した任意の直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルキニル基を含み、ここで置換の場所は、炭素−炭素三重結合においてか、炭素−炭素二重結合においてか、または基の中の他の場所の、いずれかであり得る。
具体的な、限定されないアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、およびイソブチルを含む。具体的な、限定されないアルケニルの例は、ビニル、プロペニル、アリル、およびメタリルを含む。具体的な、限定されないアルキニルの例は、アセチレニル、プロバルギル、およびメチルアセチレニルを含む。
ここで、「アリール」は、ここで用いられる時に、「アリール」は、そこから一つの水素原子が取り除かれた、任意の芳香族炭水化物を含む;「アラルキル」は、一つもしくはそれ以上の水素原子が、同じ数の同類のおよび/もしくは異なった(ここで定義されるような)アリールの置換基によって置換されている上述のアルキル基の任意のものを含む;ならびに「アレニル」は、一つもしくはそれ以上の水素原子が、同じ数の同類および/もしくは異なった(ここで定義された)アルキルの置換基によって置換されている上述のアリール基の任意のものを含む。具体的な、限定されないアリール基の例は、フェニルおよびナフタレニルを含む。具体的な、限定されないアラルキル基の例は、ベンジルおよびフェネチルを含む。具体的な、限定されないアレニル基の例は、トリルおよびキシリルを含む。
実施例中または他に指定した以外に、明細書および請求の範囲に記載された、材料の量を表す全ての数字、反応条件、時間、材料の量化特性等は、全ての事例において「およそ」という用語によって変更されると理解されるべきである。
ここで記載されるあらゆる数値範囲は、その範囲のあらゆる部分範囲、および該範囲または部分範囲の様々な終点のあらゆる組合せを含むと理解される。
更に、構造的に、組成的におよび/または機能的に関連する化合物、材料または物質の群に属するとして、明示的にまたは黙示的に明細書に開示され、および/または請求の範囲に記載されるあらゆる化合物、材料または物質は、個々の代表的な群およびそれらのあらゆる組合せを含むと理解される。
発明の詳細な説明
加硫性ラバー(i)
好適な加硫性(すなわち硬化性)ラバー(有機ポリマー)は、当技術分野においてよく知られており、また、多くの教科書に記載されており、その中での二例がThe Vanderbilt Rubber Handbook,R.F.Ohm,ed.(R.T.Vanderbilt Company,Inc.,Norwalk,Connecticut,1990),およびManual for the Rubber Industry,T.Kempermann,S.Koch, and J.Sumner,eds.(Bayer AG,Leverkusen,Germany,1993)である。
好適な加硫性ポリマーの代表的な例は、溶液重合スチレン−ブタジエンラバー(sSBR)、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、天然ゴム(NR)、ポリブタジエン(BR)、エチレン−プロピレン共重合体および三元共重合体(EP、EPDM)およびアクリロニトリル−ブタジエンラバー(NBR)を含む。ここで、ラバー組成物は、少なくとも一つのジエン系エラストマーまたはラバーを含む。好適な共役ジエンは、イソプレンおよび1,3−ブタジエンであり、好適なビニル芳香族化合物は、スチレンおよびα−メチルスチレンである。
ジエン系エラストマーまたはゴムは、例えば、シス−l,4−ポリイソプレンゴム(天然および/または合成ゴムで、好ましくは天然ゴム)、乳化重合スチレン/ブタジエン共重合体ゴム、有機溶液重合スチレン/ブタジエンゴム、3,4−ポリイソプレンゴム、イソプレン/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエン三元共重合体ゴム、シス−1,4−ポリブタジエン、中ビニルポリブタジエンゴム(35%〜50%ビニル)、高ビニルポリブタジエンゴム(50%〜75%ビニル)、スチレン/イソプレン共重合体、乳化重合スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル三元共重合体ゴムおよびブタジエン/アクリロニトリル共重合体ゴムの少なくとも一つから選ばれる。いくつかの用途にも有用であるものは、比較的一般的な20%〜28%の結合スチレン含有量を持つ乳化重合によって得られるスチレン/ブタジエン(eSBR)または中間〜比較的高い、すなわち30%〜45%の結合スチレン含有量を持つである。三元共重合体中に2〜40重量%の結合アクリロニトリルを含む乳化重合スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル三元共重合体ゴムはまた、本発明で用いるジエン系ゴムとして考えられる。
溶液重合SBRは、通常、5〜50%、好ましくは9〜36%の範囲の結合スチレン量を持つ。ポリブタジエンエラストマーは、汎用的に、例えば、少なくとも90重量%のシス−l,4−含量を持つことによって特徴付けられる。
組成中の各々のラバー成分の量を合計し、その合計は、ラバー100部に付き100部の値に標準化された。
シラン反応性微粒子充填剤(ii)
好適なシラン反応性微粒子充填剤は、シリカ(焼成および沈降)、二酸化チタン、アルミナ、アルミノケイ酸塩等の金属酸化物、粘土、タルク等のシリカ物質、およびそれらの混合物を含む。任意で、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の不活性、すなわち、非シラン反応性充填剤をシラン反応性微粒子充填剤(ii)と共に使用しても良い。シリカとカーボンブラックの組み合わせが、タイヤの接地面のようなラバー製品での使用が特に有利である。アルミナは、単独でもシリカと組み合わせてでも用いられ得る。用語「アルミナ」はここでは酸化アルミニウムもしくはAlである。充填剤は、水和物もしくは無水物であり得る。アルミナをラバー組成物中で用いる事は、たとえば、米国特許5,116,886号、欧州特許631,982号に記載されている。
ここで、更に十分に記載されるように、いくつかの実施態様において、シラン反応性微粒子充填剤(ii)の少なくとも一部を、ブロック化メルカプトシラン(iii)の少なくとも一部とブロック化メルカプトシランの少なくとも一部との混合物と反応させる。他の実施態様において、ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の全量をラバーおよび充填剤の混合中にもしくは加工段階でラバー混合物中へ添加して良い。もし、ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)と充填剤とが、ラバーおよび充填剤の混合中にもしくは加工段階でラバー混合物中へ別々に添加されるなら、それらはその場で(in situ)充填剤と混合されると考えられる。
加硫したラバー組成物は、合理的に高いモジュラスと高い耐摩耗性に寄与するのに充分な量のシラン反応性微粒子充填剤を通常含有するであろう。該シラン反応性微粒子充填剤の重量は、5phrという低さから140phrという高さであり、好ましくは25phr〜110phrである。
本発明の一つ実施態様において、沈降シリカはシラン反応性充填剤として用いられる。好ましいシリカは、窒素ガスを用いて計測される、好ましくは40から600m/gの範囲の、より好ましくは50から300m/gの範囲のBET表面積を有する事で特徴付けられる。好ましいシリカは典型的には、100から350の範囲の、より通常には、150から300の、フタル酸ジブチル(DBP)吸収値を有する事によって特徴付けられる。さらに、シリカ充填剤は、前述のアルミナおよびアルミノケイ酸塩充填剤と同様、100から240の範囲のCTAB表面積を有することで特徴付けられる。CTAB表面積は、pH9の臭化セチルトリメチルアンモニウムによって、ASTM D 3849に記載される方法を用いて測定されるような外部表面である。
水銀多孔度表面積は、水銀ポロシメトリー法によって決定される特定の表面積である。その方法によると、揮発物を取り除くための温度処理ののち、水銀は測定サンプルである微粒子充填剤の孔に浸透させられる。通常のセットアップ条件は、100mgの試料、2時間、105℃、環境大気圧で揮発物が取り除かれ、周囲環境から2000バールの圧力範囲を含む。前記水銀多孔度法は、ASTM公報39ページ(1959)のWinslow,Shapiro記載の方法、もしくはDIN66133に従って実施される。前記方法のため、CARLO−ERBA Porosimeter2000を使用して良い。通常のシリカ充填剤の平均水銀多孔度の特定の表面積は100から300m/gの範囲である。
前記水銀多孔度評価法による、シリカ、アルミナ、およびアルミノケイ酸塩充填剤の適切な細孔径分布は:その孔の5%もしくはそれ以下が、約10nm以下の直径を有し、その孔の60%から90%が、10から100nmの直径を有し、その孔の10%から30%が100から1000nmの直径を有し、その孔の5%から20%が約1000nmより大きい直径を有する、とここでは考えられる。
シリカは、電子顕微鏡によって決定されるように、たとえば0.01から0.05μmの範囲の平均素粒子径を有すると予想されるが、シリカ粒子がサイズとして、より小さくもしくは場合によってより大きい可能性がある。PRG Industriesからの、HI−SIL 210,243などの呼称を持つHI−SILの商標によるもの;Rhodiaから入手可能な、たとえばZEOSIL 1165MP、Zeosil 195HRおよびZeosil Premium 200MPの呼称によるシリカ;Evonik Industriesから入手可能な、例えば、VN2およびVN3、およびUltrasil 7000GRの呼称によるシリカ;およびHuberから市販される、たとえばHUBERSIL8745の呼称を持つシリカのような、種々の市販のシリカは、本発明での使用を考えても良い。
本発明の一つ実施態様において、充填剤/強化顔料として、シリカ、アルミナおよび/またはアルミノケイ酸塩、およびカーボンのようなシリカ充填剤とカーボンブラックとの両方を含有するラバー組成物にとって、強化顔料としてのシリカによってまず強化されることが望まれ、そのようなシリカ充填剤のカーボンブラックに対する重量比が少なくとも3/1、好ましくは少なくとも10/1、そして最大30/1であることがしばしば好ましい。充填剤は15から95重量%の沈降シリカ、アルミナ、および/もしくはアルミノケイ酸塩、そして対応する5から85重量%のカーボンブラックからなり、ここで、カーボンブラックは80から150の範囲のCTAB値を有する。代替的に、充填剤は60から95重量%の、前記シリカ、アルミナ、および/もしくはアルミノケイ酸塩、そして対応する40から5重量%のカーボンブラックからなる。シリカ充填剤とカーボンブラック充填剤は加硫ラバーの製造において予備混合もしくは一緒に混合できる。
ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)
ここに記載されるブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)は、加硫性有機ポリマー(すなわちラバー)(i)とシラン反応性微粒子充填剤(ii)のためのカップリング剤として混合物中で有用である。ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物は、メルカプトシランを用いる事と典型的に関連する、高い加工中の粘性、所望するより低い充填剤の分散、早期加硫(スコーチ)、および悪臭などの有害な副作用無しに、高効率のメルカプト基を利用できるという点で独特である。これらの利点は、ブロック基のおかげで、メルカプタン基がラバー成分(i)との反応に開始時には利用されないことに由来すると考えられる。一般的に、シラン、−SiX基とシラン反応性充填剤との反応のみが、配合プロセスの初期段階において起こる。このように、充填剤とポリマーとの実質的なカップリングは混合中においては排除され、それによって、望ましくない早期加硫(スコーチ)および関連した望ましくない粘性の上昇が最小限に抑えられる。早期加硫の予防、阻害、最小限化のおかげで、高いモジュラスと耐摩耗とのバランスのような、より良い硬化した充填剤配合ラバーの性能が達成できる。
ケイ素原子をG基に結合させるR基中の炭素原子の数、およびnで示されるブロック化メルカプタンとG基との間のメチレン単位の数は、R基とメチレン基が、メルカプトシラン(iii)と充填剤およびポリマーとの間の過剰な立体相互作用を軽減するために、カップリングを向上させる。二つ以上の連続したメチレン基は、立体相互作用を軽減し、メルカプトシラン(iii)の化学構造に自由度を与え、それによって、相間における、すなわち分子レベルのラバーと充填剤の両方の表面の形態によって課される、位置的および方向的な制約に対して適応するそれの能力を高める。環状構造、特に芳香族構造にチオアシル基を結合する直鎖アルキレン基ではなく、第2級炭素原子、および特に第3級炭素原子を含むより密な構造は、より剛直であり、シリカおよびポリマー成分上の結合可能な部位と遭遇するように向きを変えることが容易に出来ない。二級および三級炭素原子によるこの立体的に混み合った構造は、硫黄基をポリマーと結合しない状態に置く傾向があり、それにより、シランの二つの非ブロック化メルカプト基(フリーメルカプタン)を介したシランのポリマーへの多重結合が現実化する効率を減らす。
G基は、ヒドロカルビレン連結基を介して、シリルおよびブロック化メルカプト基に接続される環状構造である。環状構造の形状がお互いに基を生じることを志向するため、この構造特性はまたカップリングを改善する。G基は、これらのシリルおよびブロック化メルカプト基を、お互いの通路に入る事を妨げ、それらを異なった方向へ向けさせ、それゆえシリル基は充填剤に結合することが出来、一方で、脱ブロック化後、メルカプト基がポリマー表面に結合する。Gにとって、芳香族環状構造は非常に硬直であるため、シリルとブロック化メルカプト基を異なった方向に向けさせる。それらの硬直性はブロック化メルカプト基の方向の自由度を制限し、それゆえ、整数nで示されるメチレン単位の数はより大きいことが要求され得る。脂肪族環状G構造は、それらが結合した二重結合を有していないため、より自由度が高い。それらは、環状構造からのシリル基およびブロック化メルカプト基の多様な方向と、脂肪族環状構造の自由度との利点を兼ね備える。
単独のチオアシル基を含むブロック化メルカプトシラン(iv)は、シリル基が、嵩が小さい傾向があり、また、二つのチオアシル基を含む結合ブロック化メルカプトシラン(iii)の間に自身を挿入出来るため、無機物充填剤表面に結合したシリル基の量を増やすと考えられている。長直鎖形状のメルカプトシラン(iv)はまた、シリル基を含まない充填剤の表面の量を最小化することによって、他の充填剤微粒子の水酸基と水素結合をし得る表面の水酸基の数を最小化または消去し、無機物充填剤の分散を助ける。充填剤粒子間の水素結合は、集合体および/または凝集体の凝集および形成をもたらす。
Gの代表的な、限定されない例示は、シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、シクロドデカン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびナフタレンを含む。
の代表的な、限定されない例示は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジルおよびフェネチルを含む。
の代表的な、限定されない例示は、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、シクロヘキシレンおよびフェニレンを含む。
の代表的な、限定されない例示は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、オクタデシル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジルおよびフェネチルを含む。
の代表的な、限定されない例示は、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、シクロヘキシレンおよびフェニレンを含む。
の代表的な、限定されない例示は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、オクタデシル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、3−オキサブチルおよび4,7−ジオキサオクチルを含む。
の代表的な、限定されない例示は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびフェニルを含む。
の代表的な、限定されない例示は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヒドロキシおよびアセトキシを含む。XおよびXの代表的な例示は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、フェニル、ビニルおよびシクロヘキシルに加えて、上記に挙げられたXの代表的な例示を含む。
本発明の他の実施態様において、Rは、メチル、エチルまたはペンチルであり、Gは、シクロへキサンまたはベンゼンから誘導され、Rは、エチレン、プロピレンまたはブチレンであり、Xは、メトキシ、エトキシまたはプロポキシであり、そして、nは、2〜4である。
本発明の更に他の実施態様において、Rは、5〜9の炭素原子を含むアルキル基であって、第一級炭素原子を介してカルボニル基に結合し、Rは、メチレン、エチレンまたはプロピレンであり、Xは、メトキシ、エトキシまたはプロポキシであり、そして、XおよびXは、個々に、Xの代表的な例示およびメチルを含む。
本発明の更に他の実施態様において、二つのチオアシル基を所有するブロック化メルカプトシラン(iii)および一つのチオアシル基を所有するブロック化メルカプトシラン(iv)の混合物中の二つのチオアシル基を所有するブロック化メルカプトシラン(iii)の量が、成分(iii)および(iv)の混合物の合計重量に基いて10〜30重量%である。
本発明の更に他の実施態様において、ブロック化メルカプトシラン(iii)内のRおよびR基の炭素原子の合計は、2〜16の範囲であり、更に具体的には6〜14である。RおよびR基の炭素がこの合計であると、有機ポリマーへの充填剤の分散が容易になり、また、硬化の割合に影響し、それによって、硬化充填ラバーの物性バランスが向上する。
本発明の他の実施態様において、Gは、シクロへキサンから誘導され、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、エチレンまたは3−チア−ヘキシレンであり、Xは、エトキシであり、そして、nは、2である。
更に他の実施態様において、Gがシクロへキサンまたはベンゼンから誘導される場合、二つのチオアシルアルキレン基は、環の3,4−位または3,5−位である。脱ブロック化されると、これらの位置は、これらの基が2−位において置換されている場合よりも大きい程度で、チオアシル基に遊離メルカプト基を形成させ、また、ラバーと化学結合を形成させる。脱ブロック化されると、2−位のチオアシルアルキレン基は、立体障害によりラバーとの化学結合の形成がより困難な充填剤表面に向けられる。
ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)は、通常、別々に調製された後、上記に示したような目的の重量で混合される。
ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の調製方法は、炭素―炭素二重結合におけるチオ酸のフリーラジカル付加によって、チオエステル基をアルケン官能性シランに直接組み込むことを含む。該反応は、紫外線、熱、または適切なフリーラジカル開始剤によって触媒される。該反応は、高温で、または、アルケン官能性シランおよびチオ酸の混合物を還流することにより行うことが出来る。該反応の種々の態様は、米国特許番号3,692,812およびG.A.Gornowiczら、J.Org.Chem.(1968),33(7),2918−24に記載されている。無触媒反応は、温度105℃から起こり得るが、しばしば失敗する。成功の可能性は、温度に伴って増加し、また、温度が160℃以上であると高くなる。反応は、UV照射もしくは触媒を用いたとき、より信頼できるようになり、ほとんど完全になる。触媒を用いる事で、反応は90℃より下の温度で起こるようになる。適切な触媒は、たとえば、空気、過酸化物、特に有機化酸化物、およびアゾ化合物のような、フリーラジカル開始剤である。過酸化物開始剤の例は、過安息香酸および過酢酸のような過酸;過酸のエステル;t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;ジ−t−ブチル過酸化物のような過酸化物;ならびに、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンのような過酸化アセタールおよびケタール、もしくは任意の他の過酸化物を含む。アゾ開始剤の例は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO、DuPont製);およびアゾ−tert−ブタンを含む。
反応はアルケン官能性シランとチオ酸反応体との混合物を最適な触媒と共に温める事によって実施される。最も高い転換を得るために、等モル基準かもしくは等モルに近い基準において、反応全般が実施されることが好ましい。反応は充分に発熱し、反応が開始し急速に進行するに従い、後に激しい還流へと続くような還流へと至る、急速な温度の上昇を導く傾向にある。この激しい還流は、反応体の量が比較的大きい時、大量の有害な吹きこぼれを導く可能性がある。副反応、不純物汚染、産物のロスは同様に、制御されてない反応から起こりうる。一般に、一つの反応体の部分量を他の反応体へ加え、触媒と共に反応を開始し、おおむね完全になるまで反応を進行させ、そして残りの反応体を、一回の添加によってか、または複数回の添加によって、添加する事によって、反応は効果的に制御できる。最初の濃度ならびに添加の速度および欠乏した試薬の続けての添加の回数は、用いられる触媒のタイプおよび量、反応のスケール、開始物質の性質、ならびに、装置の熱を吸収し放散する能力に依存する。反応を制御する第二の方法は、同時に起こる連続的な触媒の添加をともなう、一つの試薬の他の試薬への連続的な添加を含む。連続的な添加もしくは順次的な添加のどちらが用いられても、触媒は単独でおよび/もしくは一つもしくは両方の試薬とあらかじめ混合されて、またはこれらの方法の組み合わせで用いられる。
還流方法は、最初にアルケン官能性シランを160℃から180℃の温度にすること、もしくは、温度がより低い限り還流することを含む。チオ酸の最初の部分は、激しいが制御された還流が維持されるような速度で添加される。沸点が100℃から120℃より高いアルケン官能性シランの場合、還流は、チオ酸の、アルケン官能性シランの温度に比べて比較的低い沸点(88℃から92℃、純度による)から主に生じる。添加が完了する時、還流の速度は急速に弱まる。それは、特に、沸点が120℃より高いアルケン官能性シランを用いたとき、反応が開始すると、数分内に再び加速する。もし反応が10から15分内に開始しない場合、触媒の添加によって開始される。好ましい触媒はジ−t−ブチル過酸化物である。触媒の適切な量は、触媒が加えられる反応混合物の総重量の0.2から2%であり、より好ましくは0.5から1%である。還流速度の上昇によって示されるように、反応は典型的には数分内に開始する。そして、チオ酸の次の部分が添加され、上述のステップの連続が繰り返される。約1から約4キログラムの総反応量に対する、チオ酸の添加の好ましい回数は2回であり、用いられるチオ酸全部の1/3が第一の添加で、残りが第二の添加である。約4から10キログラムの範囲の総量に対しては、合計で3回のチオ酸の添加が好ましく、配分は全量のおおよそ20%が第一の添加においてであり、おおよそ30%が第二の添加においてであり、そして残りが第三の添加においてである。チオ酸とアルケン官能性シランを含むより大きなスケールに対して、全部で3回より多いチオ酸の添加を用いる事が好ましく、より好ましくは試薬を逆順に添加する。最初に、チオ酸の全量が還流される。これに、潤滑であるが激しい反応速度になるような速度における、アルケン官能性シランのチオ酸へ対する連続的な添加が続く。触媒、例えば、ジ−t−ブチル過酸化物は、反応の経過に沿って小部分で添加されるかもしくは連続的な流れで添加される。必要とされる最小の量の触媒で最も多い量の産物を得るために、反応が完全に進むに連れて触媒添加の速度が加速するのが最適である。用いられる触媒の全量は、反応体の全重量の0.5から2%であるべきである。いずれの方法が用いられても、反応の後に、揮発成分と反応していないチオ酸およびシランを取り除くために、真空吸引プロセスが続く。産物は蒸留によって精製され得る。
更に他の製造方法において、チオ酸のアルカリ金属塩は、ハロアルキルシランと反応させる。第一ステップは、チオ酸の塩の調製である。アルカリ金属誘導体が好ましく、ナトリウム誘導体が更に好ましい。これらの塩は溶媒中の溶液で作成され、ここで塩はかなり可溶性であるが、溶媒中に塩が固体でけん濁していて、ここで塩がわずかに可溶性であるものも、実行可能な選択肢である。アルカリ金属塩がそれらに僅かに溶解するため、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール、および好ましくは、メタノールおよびエタノール、が特に有用である。目的の生成物がアルコキシシランである場合、ケイ素エステルのエステル交換を妨げるために、シランアルコキシ基に対応するアルコールを使用することが好ましい。或いは、非プロトン性溶媒が使用される。好適な溶媒の例示は、グリム、ジグリム、ジオキサン等のエーテルまたはポリエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;ジメチルスルフォキシド;N−メチルピロリジノン;およびヘキサメチルホスホルアミドである。
チオ酸の塩の溶液、けん濁液もしくはそれらの組み合わせが作成されると、塩を選択されたハロアルキルシランと反応させる。これはハロアルキルシランとチオ酸の塩の溶液、けん濁液もしくはそれらの組み合わせとの混合物を、溶媒の液体範囲に対応する温度において、反応が実質的に完結するのに充分な時間、かく拌する事によって達成され得る。好ましい反応温度は、塩が溶媒中にかなり可溶性であり、反応が過剰な副反応無しに、許容できる速度で進むようなものである。反応が、塩素原子がアリルでもベンジルでもないクロロアルキルシランから開始する時、好ましい温度は60℃〜160℃の範囲である。反応時間は、1時間もしくは数時間から数日間までの範囲であり得る。アルコールが4つもしくはそれ以下の炭素原子を有するアルコール溶媒に対し、もっとも好ましい温度は還流、もしくは還流に近いものである。もし、ジグリムが溶媒として用いられた場合、好ましい温度は、用いられるチオ酸塩に依存して、70℃〜120℃の範囲である。もしハロアルキルシランが、塩素原子がアリルもしくはベンジルであるブロモアルキルシランもしくはクロロアルキルシランである場合、ブロモ基のより高い反応性のため、30℃〜60℃の反応温度の減少が適切である。チオカルボン酸エステルエトキシシランを生成する、直鎖クロロアルキルエトキシシランとチオカルボン酸ナトリウムとの間の反応にとって、反応産物中に5〜20重量%のメルカプトシランの存在が許容出来るなら、10〜20時間の還流においてエタノールを用いることが好ましい。さもなければ、溶媒としてジグリムを使用することが好ましく、その場合、反応は、80℃〜120℃の範囲で1〜3時間行われる。反応が完結すると塩及び溶媒は通常に取り除かれ、その後、高い純度を得るために反応産物の蒸留を行う。
チオ酸の塩が市販されていない場合は、方法Aおよび方法Bとして下記に記載の二つの方法の一つによって調製が成される。方法Aでは、アルカリ金属またはアルカリ金属から誘導された塩基をチオ酸に添加することを含む。反応は室温で起きる。適切な塩基はアルカリ金属アルコキシド、ヒドリド、カーボナート、およびバイカーボナートを含む。トルエン、キシレン、ベンゼン、脂肪族炭化水素、エーテル、およびアルコールのような溶媒は、アルカリ金属誘導体を作成するのに用いて良い。方法Bにおいて、酸塩化物もしくは酸無水物は、アルカリ金属硫化物もしくは水硫化物との反応によって、直接的にチオ酸の塩へと転換される。水和したアルカリ金属硫化物、もしくは、部分的に水和したアルカリ金属硫化物、または水硫化物が市販されている;しかしながら無水のアルカリ金属硫化物、もしくはほとんど無水のアルカリ金属硫化物、または水硫化物が好ましい。水和物を用いることができるが、しかし、産物のロス、および、副産物としての硫化水素の産生を伴う。反応は、酸塩化物もしくは酸無水物をアルカリ金属硫化物および/もしくは水硫化物の溶液もしくはけん濁液へと添加することと、室温から溶媒の還流温度までの範囲の温度において、副産物の塩の形成によって示される、反応が大部分完結するのに充分な時間、温めることとを含む。
アルコールが、それが溶媒として使われたか、それが、たとえば、チオ酸とアルカリ金属アルコキシドとの反応によって形成されたかのいずれか一方の理由によって、存在するような方法によって、チオ酸のアルカリメタル塩が作成されるなら、もし、低メルカプトシランの産物が望まれるなら、チオ酸のアルカリ金属酸化物との反応によってアルコールが取り除かれることが望ましい。このような場合、チオ酸の塩とハロアルコキシシランとの反応に先立ち、アルコールを取り除くことが必要であろう。これは蒸留もしくは蒸発によって行う。メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、および、t−ブタノールのようなアルコールは、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、もしくは脂肪族炭化水素との共沸蒸留によって取り除かれる。この目的で、トルエンおよびキシレンが好ましい。
更に他の作成方法において、メルカプトシラン(iii)および(iv)は、チオ酸のアルカリ金属塩とハロアルキルシラン間の二相反応によって得られる。アルカリ金属塩は水層に可溶である一方、ハロアルキルシランは水層に僅かな溶解度しかもたないため、有機層を形成する。反応は、15℃〜95℃の範囲の温度で大気圧下で、或いは、水層の沸騰を防ぐために圧力を上げる場合は、より高い温度で進められる。有機層中のアルカリ金属チオ酸塩の溶解度を上げるために、臭化n−ブチルアンモニウムまたはヘキサエチルグアニジン等の相間移動触媒を用いることが出来、それが、反応速度を上げ、反応時間を短縮し、そして、アルコキシシリル基の加水分解を最小限にし得る。
本発明のブロック化メルカプトシラン(iii)の代表的な例示は、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)ベンゼン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソヘプチル)ベンゼン、1−(2−トリプロポキシシリルメチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)ベンゼン、1−(2−ジエトキシメチルシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(4−トリエトキシシリル−1−オキサ−ブチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジエトキシメチルシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソドデシル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソドデシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)メシチレンおよび4−(6−トリエトキシシリル−3−チアヘキシル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、およびそれらの混合物を含むが、限定はされない。
本発明のブロック化メルカプトシラン(iv)の代表的な例示は、トリエトキシシリルメチル チオホルメート、2−トリエトキシシリルエチル チオアセテート、3−トリエトキシシリルプロピル チオプロパノエート、3−トリエトキシシリルプロピル チオヘキサノエート、3−トリエトキシシリルプロピル チオオクタノエート、3−ジエトキシメチルシリルプロピル チオオクタノエート、3−エトキシジメチルシリルプロピル チオオクタノエート、3−トリエトキシシリルプロピル チオドデカノエート、3−トリエトキシシリルプロピル チオオクタドデカノエート、3−トリメトキシシリルプロピル チオオクタノエート、3−トリアセトキシシリルプロピル チオアセテート、3−ジプロポキシメチルシリルプロピル チオプロパノエート、4−オキサ−ヘキシルオキシジメチルシリルプロピル チオオクタノエート、およびそれらの混合物を含むが、限定はされない。
シランが液体であれば、ラバーへの配送の為に固体であるように、多孔性ポリマー、カーボンブラック、シリカ質充填剤またはシリカ等の担体に担持されて良い。前記の通り、特にシランおよび充填剤混合物が大気圧または減圧でおよそ50〜150℃に加熱される時、シランはシリカ質充填剤またはシリカの表面水酸基と反応する。
ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物中のブロック化メルカプトシラン(iii)の量は、混合物の合計重量に基づく5〜50重量%、更に具体的には混合物の合計重量に基づく10〜40重量および最も具体的には混合物の合計重量に基づく15〜35重量%の範囲である。
ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)は、充填剤の後者との配合の前、最中または後で加硫ラバー(有機ポリマー)成分(i)と混合される。好ましい実施態様において、ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)は、これらのシランが充填剤の分散を容易にし、また、向上する傾向があるため、ラバーへの充填剤の配合の前または最中に添加される。ラバー(有機ポリマー)成分と混合されて得られる組合せの中で存在するブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)ラバー100重量部(phr)につき0.05〜25重量部、更に具体的には0.2〜12phrおよび最も具体的には1〜8phrの範囲である。充填剤は、5〜140phr、更に具体的には25〜110phrの範囲の量で使用される。
任意の脱ブロック化剤(v)
充填剤をポリマーに結合させるために、ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物の反応が必要な場合、少なくとも一つのアシル基反応性脱ブロック化剤(v)がラバー組成物中に存在する。
アシル基反応性脱ブロック化剤(v)は、0.05〜20phrの範囲の、更に具体的には0.1〜5phrの範囲の、最も具体的には0.5〜3phrの範囲の量で添加される。混合物中にアルコールまたは水が存在する場合(よくあることだが)、加水分解またはアルコール分解によるブロック基の遊離を開始および促進するために触媒(例えば、三級アミン、ルイス酸、またはチオール)を使用しても良く、それによって対応する活性メルカプトシランを開放する。或いは、アシル脱ブロック化剤(v)は、水素原子が最初のブロック基の部位に移動され、対応する活性メルカプトシランが得られるのに十分不安定な水素原子を含む求核試薬であっても良い。そして、ブロック基受容体分子との、求核試薬からの水素交換は、メルカプトシランおよび元のブロック基を含む求核試薬の対応する誘導体を形成するために、ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)のブロック基によって起きる。メルカプトシランから求核試薬へのブロック基の移動は、例えば、最初の反応体(ブロック化メルカプトシランおよび求核試薬)にする、生成物(メルカプトシランおよびブロック基を含む求核試薬)のより大きな熱力学安定性によって動かされる。例えば、求核試薬がN−H結合を含むアミンである場合、ブロック化メルカプトシランからブロック基を移動することにより、アシル基に対応するメルカプトシランおよびアミドが得られる。
重要なことは、ブロック化メルカプトシラン上に最初に存在するアシルブロック基および使用されるアシル反応性脱ブロック化剤(v)について、初めに実質的に不活性な(有機ポリマーへの結合の観点から)ブロック化メルカプトシランが、ラバー配合手順における所望の段階で活性メルカプトシランへと実質的に変換されることである。尚、特定の組成の加硫度を管理するために、仮にブロック化メルカプトシランのほんの一部を脱ブロック化するとしたら、求核試薬の部分的な(すなわち、化学量論的に不足した)量を使用することが出来る。
通常、水は、水和物として充填剤上に存在、または水酸基の形で充填剤に結合する。アシル反応性脱ブロック化剤(v)は、硬化パッケージ中に、或いは配合プロセスの他のあらゆる段階において単独成分として添加できる。
一つの実施態様において、アシル−反応性脱ブロック化剤(v)は、式:
(式中、Rは、1〜30の炭素原子または水素を含む一価または多価の有機ラジカルであり、
Aの各々は、独立して酸素、硫黄または−NR(式中、Rの各々は、独立して1〜30の炭素原子または水素を含む一価または多価の有機ラジカルである)であり、そして、
下付き文字aは、1〜100の整数である)
である。
更に具体的には、RおよびRの各々は、独立して水素、または1以上の水素原子を除くことによって得られる、1〜30の炭素原子を含む炭化水素から誘導される基であり、酸素、窒素およびリンからなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意で含む。
前記の式によるアシル反応性脱ブロック化剤(v)の例示は、水、またはモノ−アルコール、グリコールまたはポリオール、アミンが少なくとも一つのN−H(窒素−水素)結合を含むという条件であらゆる第一級または二級アミンまたはイミン、グアニジン等のC=N二重結合を含むアミンを含む。そのようなグアニジン、アミンおよびイミンの多数の具体的な例が、例えば、J.Van Alphen,Rubber Chemicals(Plastics and Rubber Research Institute TNO,Delft,Holland,1973)に開示されるラバー成分として当技術分野においてよく知られている。いくつかの例示は、N、N‘−ジフェニルグアニジン、N,N’,N’’−トリフェニルグアニジン、N、N‘−ジ−オルト−トリルグアニジン、オルトビグアナイド、ヘキサメチレンテトラミン、シクロヘキシルエチルアミン、ジブチルアミンおよび4、4’−ジアミノジフェニルメタンを含む。ブレンステッド酸触媒、ルイス酸等の、エステルのエステル交換に使用されるいずれの一般的な酸触媒も、触媒として使用出来る。
他の任意の成分(vi)
ここで、ラバー組成物に、一以上の他の任意の成分、またはラバー配合技術分野において知られる添加剤(vi)を配合しても良い。そのような添加剤の例示は、前記不活性微粒子充填剤、硫黄、活性化剤、遅延剤および促進剤等の硬化助剤、油、粘着付与樹脂を含む樹脂、シリカ、可塑剤、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤、およびオゾン化防止剤等の加工助剤、解膠剤、および、例えば、カーボンブラック等の強化材を含む。加硫可能および加硫ラバー組成物の目的の用途に応じて、前記添加剤は通常、既知または標準の量で使用される。
本ラバー組成物中に存在する加硫性成分の加硫は、非ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)に加えて、一つ以上の含硫黄加硫剤(例えば、アミノジスルフィド、高分子ポリスルフィドポリマーおよび硫化オレフィン付加物のような単体硫黄(遊離硫黄)または硫黄供与加硫剤、および/または過酸化物のような非硫黄系加硫剤を例示として含む)の存在下で行われる。選択された加硫剤は、通常、ラバー組成物の最終または生産混合段階で添加される。加硫剤は、生産混合段階において、0.1〜3phrの範囲の量で、またはある場合にあっても最大およそ8phrで添加出来、0.2〜2.5phr、およびある場合には0.5〜2.5phrの範囲が好ましい。
例えば、硫黄供与体のような加硫促進剤をここで用いても良い。代表的な例示は、ベンゾチアゾール、アルキルチウラムジスルフィド、グアニジン誘導体およびチオカルバメートを含む。前記および他のタイプの促進剤は、具体的に、メルカプトベンゾチアゾール、テトラメチルチウラムジスルフィド、ベンゾチアゾールジスルフィド、ジフェニルグアニジン、ジチオカルバミン酸亜鉛、アルキルフェノールジスルフィド、キサント酸ブチル亜鉛、N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスフェナミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェナミド、N−オキシジエチレンベンゾチアゾール−2−スルフェナミド、N,N−ジフェニルチオウレア、ジチオカルバミルスルフェナミド、N,N−ジイソプロピルベンゾチアゾール−2−スルフェナミド、2−メルカプトトルイミダゾール亜鉛、ジチオビス(N−メチルピペラジン)、ジチオビス(N−β−ヒドロキシエチルピペラジン)およびジチオビス(ジベンジルアミン)を含むが、限定されない。他の有用な硫黄供与体は、例えば、チウラムおよびモルホリン誘導体を含む。代表的な該供与体は、例えば、ジモルホリンジスルフィド、ジモルホリンテトラスルフィド、テトラメチルチウラムテトラスルフィド、ベンゾチアジル−2,N−ジチオモルホリド、チオプラスト類、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィドおよびジスルフィドカプロラクタムであるが、限定されない。
促進剤は、加硫に要求される時間および/または温度の管理、および加硫特性の向上の為に使用される。一つの実施形態において、単独の促進剤、すなわち一次促進剤が使用される。通常、および好ましくは、一次促進剤は、0.5〜4phr、好ましくは0.8〜1.5phrの範囲の合計量で使用される。一次および二次促進剤の組合せで使用しても良く、二次促進剤は、加硫特性を活性化および向上するために、より少量(例えば、0.05〜3phr)で用いられる。遅効性促進剤および/または加硫遅延剤もまた、使用して良い。促進剤の好適なタイプは、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェナミド、ジチオカルバメートおよびキサンテートを含む。好ましくは、一次促進剤は、スルフェナミドである。二次促進剤を使用する場合、二次促進剤は好ましくは、グアニジン、ジチオカルバメートまたはチウラム化合物である。
使用される場合、粘着付与樹脂の標準的な量は、0.5〜10phrであり、通常、1〜5phrである。加工助剤の標準的な量は、1〜50phrである。該加工助剤は、例えば、芳香族、ナフテンおよび/またはパラフィン系加工油を含む。抗酸化剤の標準的な量は、1〜5phrである。代表的な抗酸化剤は、例えば、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、およびその他Vanderbilt Rubber Handbook (1978)、pages 344−46に開示したもの等が挙げられる。オゾン化防止剤の標準的な量は、1〜5phrである。使用される場合、ステアリン酸を含んでも良い脂肪酸の標準的な量は、0.5〜3phrである。酸化亜鉛の標準的な量は、2〜5phrである。ワックスの標準的な量は、1〜5phrである。微結晶ワックスがしばしば使用される。解膠剤の標準的な量は、0.1〜1phrである。典型的な解膠剤は、例えば、ペンタクロロチオフェノールおよびジベンザミドジフェニルジスルフィドが挙げられる。
アルキルシランのカップリング剤系(ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv))への添加に加えて、更なる遊離硫黄源および/または加硫促進剤の添加は、通常、ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の合計に対するアルキルシランのモル比率が1/50〜1/2の範囲で行われ、ラバー組成物の加工および熟成の更に良い管理を促進する。
ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物と予備反応させたシラン反応性微粒子充填剤(ii)
少なくとも一部から全量までのブロック化メルカプトシラン(iii)と少なくとも一部から全量までのブロック化メルカプトシラン(iv)との混合物と予備反応させた、少なくとも一部から全量までのシラン反応性微粒子充填剤(ii)を提供することもまた、本発明の範囲に含まれ、シラン反応性微粒子充填剤(ii)、およびブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の量が、前記のラバー組成物におけるこれらの成分の同量と置き換わる。故に、本発明は以下の更なる実施態様を含む。
(1)成分(i)、(ii)の一部、(iii)の一部、(iv)の一部、および(iii)の残りと(iv)の残りとの混合物と予備反応させた(ii)の残りを含む微粒子充填ラバー組成物;
(2)成分(i)、(ii)の一部、(iv)の一部、および(iii)の全てと(iv)の残りとの混合物と予備反応させた(ii)の残りを含む微粒子充填ラバー組成物;
(3)成分(i)、(ii)の一部、(iii)の一部、および(iii)の残りと(iv)の全てとの混合物と予備反応させた(ii)の残りを含む微粒子充填ラバー組成物;
(4)成分(i)、(iii)の一部、(iv)の一部、および(iii)の残りと(iv)の残りとの混合物と予備反応させた(ii)の全てを含む微粒子充填ラバー組成物;
(5)成分(i)、(iv)の一部、および(iii)の全てと(iv)の残りとの混合物と予備反応させた(ii)の全てを含む微粒子充填ラバー組成物;
(6)(i)、(iii)の一部、および(iii)の残りと(iv)の全てとの混合物と予備反応させた(ii)の全てを含む微粒子充填ラバー組成物;および
(7)(i)、および(iii)の全てと(iv)の全てとの混合物と予備反応させた(ii)の全てを含む微粒子充填ラバー組成物
微粒子充填ラバー組成物の製造方法
特に、硫黄加硫性ラバー物品は、通常、ラバーおよび種々の成分を連続段階で熱力学的に混合した後、配合されたラバーを加硫製品を形成するために、形成および硬化したことにより製造される。前記のラバーおよび種々の成分の混合として、まず、加硫剤および加硫促進剤(まとめて「硬化剤」)を典型的に除いて、ラバーおよび種々のラバー配合成分が、通常、少なくとも一つ、またしばしば(シリカ充填低転がり抵抗タイヤの場合)二つの予備熱力学的混合段階において、好適なミキサー中で混合される。該予備混合は、非生産混合、または非生産混合ステップまたは段階と呼ばれる。該予備混合は、通常、100℃〜200℃まで、およびしばしば140℃〜180℃までの温度で行われる。最終混合段階(時に生産混合段階と呼ばれる)において、前記予備混合段階に続いて、アシル反応性脱ブロック化剤(本発明の場合)、硬化剤、および場合によっては1以上の更なる成分を、通常50℃〜130℃の範囲内の温度でラバー組成物と混合する。該温度は、硬化ラバーの早期硬化(時にスコーチと呼ばれる)を予防または遅らせるために、予備混合段階で用いられる温度よりも低い温度である。ラバー化合物またはラバー組成物など、様々に呼ばれるラバー混合物は、通常、時に、前記の種々の混合ステップ間に行われる中間粉砕混合の最中または後で、例えば、およそ50℃以下の温度まで放冷される。ラバーを成形および硬化する必要がある場合は、ラバーを少なくともおよそ130℃および最大およそ200℃で適切な鋳型に入れ、非ブロック化メルカプトシラン、および、例えば、ラバー混合物に存在する遊離硫黄源等のあらゆる他の加硫剤のメルカプトグループによるラバーの加硫化を生じさせる。
熱力学的な混合とは、ラバー化合物、またはラバーおよびラバー配合成分の組成物をラバーミキサー中で高せん断条件下混合し、該条件で、混合の結果として、主にラバーミキサー中のラバー混合物内のせん断および付随する摩擦により、自発的に加熱することを意味する。いくつかの化学反応が、混合および硬化プロセスにおける種々の段階で生じ得る。
第一反応は、比較的速い反応で、充填剤およびブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)のSiX基間で起きると考えられている。該反応は、例えば、およそ120℃等の比較的低い温度で起きる。ここで、第二および第三反応は、メルカプトシランの脱ブロック化、および、例えば、およそ140℃より上の高温で、オルガノシラン(脱ブロック化後)の硫黄部分および硫黄硬化性ラバー間で起きる後続反応と考えられる。
例えば、他の硫黄源は、Sである単体硫黄の形状で使用出来る。ここで、硫黄供与体は、遊離または単独硫黄を140℃〜190℃の範囲の温度で遊離する硫黄含有化合物と考えられる。該硫黄供与体の例示は、ポリスルフィド橋中に少なくとも二つの接続する硫黄原子を有する、ポリスルフィド硬化剤およびオルガノシランポリスルフィドがあるが、限定されない。遊離硫黄源の混合物への添加量は、前記ブロック化メルカプトシランの添加からは比較的独立して選択されることとして、管理または操作される。故に、例えば、硫黄源の単独の添加は、その添加量、および他の成分のラバー混合物への添加に対する一連の添加によってコントロールされる。
本発明の一つの実施態様において、ラバー組成物は、以下のステップ:
a)少なくとも一つの予備混合ステップにおいて、第一の昇温が例えば、140℃〜200℃および好ましくは160℃〜190℃、好適な期間としては、例えば、20分〜および好ましくは4〜15分で、
例えば、100重量部の、好ましくは、共役ジエンホモポリマーおよびコポリマー、および少なくとも一つの共役ジエンと芳香族ビニル化合物とのコポリマーから選択される少なくとも一つの硫黄加硫性ラバー(i)、
例えば、5〜140phr(ラバー100重量部当たりの重量部)、好ましくは25〜110phrの少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤(ii)、または、例えば、シラン反応性および不活性微粒子充填剤の総合重量に基づく15〜99重量%のシラン反応性微粒子充填剤および、それに対応して、1〜85重量%の不活性微粒子充填剤である、シラン反応性微粒子充填剤(ii)と不活性微粒子充填剤との混合物、
例えば、合計量が0.05〜25phrである、少なくとも一つのブロック化メルカプトシラン(iii)と少なくとも一つのブロック化メルカプトシラン(iv)との混合物
を熱力学的に混合するステップであって、
ブロック化メルカプトシラン(iii)が式:
[RC(=O)S(CH G−RSiX
を持ち、そして、ブロック化メルカプトシラン(iv)が式:
C(=O)SRSiX
を持ち、式中、
の各々は、独立して水素または最大12の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
は、最大10の炭素原子および任意に酸素原子または硫黄原子を含む二価の炭化水素基であり;
は、水素または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
は、最大12の炭素原子を含む二価の炭化水素基であり;
Gは、最大10の炭素原子を含む三価の環状炭化水素基であり;
の各々は、独立して水素、RO−およびRC(=O)O−からなる群より選択され、式中、Rは、水素、または最大18の炭素原子および任意に少なくとも一つの酸素原子を含む一価の炭化水素基であり;
およびXの各々は、独立してRおよびXで挙げられている要素からなる群より選択され、式中、Rは、最大6の炭素原子の一価の炭化水素基であり;そして
nは、1〜5の整数である;
b)最終の熱力学的混合ステップにおいて、例えば、50℃〜130℃の、第一の昇温より低い第二の昇温で、好適な期間としては、例えば、〜30分まで、好ましくは1〜30分間、(a)で得られた混合物、好ましくは0.05〜20phrの少なくとも一つのアシル反応性脱ブロック化剤、および任意で、0.1〜8phrの少なくとも一つの加硫剤を混合するステップ;および任意で、
c)前記混合物を、例えば、130℃〜200℃の第三の昇温で、好適な期間として、例えば、5〜60分間硬化するステップ
を含むプロセスによって調製される。
本発明はまた、その実施態様の一つとして、シラン反応性微粒子充填剤(ii)を、ブロック化メルカプトシラン(iii)とブロック化メルカプトシラン(iv)との混合物と反応させることによって得られる自由流動性充填剤組成物を含む。必要に応じて、前記の自由流動性組成物は、例えば、少なくとも一つの加硫性ラバー(i)といった、本発明のラバー組成物の一以上の成分と組み合わせて良い。
本発明の他の実施態様において、前記プロセスはまた、本発明のラバー組成物を含むトレッドを用いた、タイヤまたは加硫性ラバーの組み立ての準備、および該組み立てを130℃〜200℃の範囲の温度で硬化させるための更なるステップを含んでも良い。
本発明の更に他の実施態様において、本発明のラバー組成物は、様々なの物品の製造に用いられる。例えば、トレッド、サイドウォール、ビード等の様々なタイヤ構成部材に用いられる。該タイヤは、当業者に知られ、また容易に分かる様々な方法によって、構築、形成、成形および硬化される。他に、ホース、ベルト、ローラー、絶縁体、外被材、工業製品、靴底、ブッシングまたは防振パッド(クッション)等を含む。
本発明は、以下の実施例を参照することによって更に良く理解されるであろう。実施例中、他に明示されない限り部および%は重量に基づくものである。
実施例1
3−(オクタノイルチオ)−1−プロピルトリエトキシシラン(シラン1)の調製
メカニカルスターラー、滴下漏斗、熱電対、加熱マントル、窒素導入口および温度調節器を備えた12リットルの三口丸底フラスコに、3−メルカプトシラン(1021グラム、3.73モル、Momentive Performance Matrials,Inc.より、商品名 SILQUEST A−1891 シランを購入)、トリエチルアミン(433グラム)、およびヘキサン(3000ミリリットル)を入れた。溶液を氷浴で冷却し、塩化オクタノイル(693グラム、4.25モル)を、滴下漏斗を介して二時間掛けて加えた。酸クロリドの添加が完了した後、混合物を加圧フィルタ−を用いて、最初に0.1μmフィルターを通した後、0.01μmフィルターを通して二回濾過し、塩を除去した。溶媒を真空下で除去した。残りの黄色液体を真空蒸留し、1349グラムのオクタノイルチオプロピルトリエトキシシランを、澄明な非常に淡い黄色の液体として得た。収率は87%であった。
実施例2
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン(シラン2)の調製
本実施例は、中間体であるチオアセテートシランの形成を経由する、二つのビニル基を含むシランからのチオカルボキシレート アルコキシシランの調製を説明する。
(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサンの調製は、ヒドロシレーションにより調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、加熱マントル、滴下漏斗、コンデンサーおよび空気導入口を備えた5リットルの三口丸底フラスコに、トリビニルシクロへキサン(2001.1グラム、12.3モル)およびVCAT触媒(1.96グラム、0.01534グラム白金)を入れた。チューブがシランの表面下にある空気導入口より、空気をビニルシラン中へ泡立てた。反応混合物を110℃まで加熱し、トリメトキシシラン(1204グラム、9.9モル)を3.5時間掛けて加えた。反応混合物の温度は、最大値130℃まで上場した。反応混合物を室温まで冷却し、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(3グラム、0.004モル)を加えた。反応混合物を122℃および圧力1mmHgで蒸留し、1427グラムの(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサンを得た。収率は51%であった。
(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサンは、エステル交換反応により調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、加熱マントル、滴下漏斗、蒸留ヘッドおよびコンデンサー、および窒素導入口を備えた3リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサン(284グラム、2.33モル)、エタノール中のナトリウムエトキシド(21%ナトリウムエトキシドを49グラム、Aldrich Chemicalより購入)およびエタノール(777グラム、16.9モル)を入れた。反応混合物を加熱し、メタノールとエタノールを大気圧下の蒸留により除去した。その後、粗生成物を106℃および0.4mmHgの減圧下で蒸留し、675グラムの生成物を89%の収率で得た。
(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサンは、ジビニルシランにチオ酢酸を添加することにより調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、加熱マントル、滴下漏斗、コンデンサー、空気導入口および水酸化ナトリウムスクラバーを備えた1リットルの三口丸底フラスコに、チオ酢酸(210グラム、2.71モル)を入れた。(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサン(400グラム、1.23モル)を30分間掛けて、室温で滴下漏斗を用いてゆっくりと添加した。反応は、発熱反応であった。混合物の温度は94.6℃まで上昇した。混合物を2.5時間攪拌し、38.8℃まで放冷した。チオ酢酸(10グラム、0.13モル)を追加したところ、わずかな発熱反応が認められた。反応混合物を約25℃にて一晩(18時間)攪拌した。分析により、反応混合物は2%未満のチオ酢酸を含むことが示された。その全体の純度は91%であった。反応混合物を減圧下でクーゲル装置を用いた蒸留により更に精製した。
ジメルカプトシランの中間体、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス(2−メルカプトエチル)シクロへキサンは、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサンからアシル基を除くことにより調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、加熱マントル、滴下漏斗、蒸留ヘッドおよびコンデンサー、10段のオールダーショウ式蒸留塔および窒素導入口を備えた5リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン(2000グラム、4.1モル)、エタノール(546.8グラム、11.8モル)およびエタノール中のナトリウムエトキシド(エタノール中に21%ナトリウムエトキシドを108グラム)を入れた。反応混合物のpHはおよそ8であった。反応混合物を88℃まで24時間加熱し、酢酸エチルとエタノールを反応混合物から除いた。二倍のエタノール(1リットル)を混合物に加えた。そして、エタノール中の21%ナトリウムエトキシド(21グラム)を加えることにより反応混合物のpHがおよそ10まで上昇し、反応混合物をさらに6.5時間加熱した。反応混合物を冷却後加圧濾過した。反応混合物を95℃未満および圧力1mmHgで吸引した。吸引した生成物を濾過し、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス(2−メルカプトエチル)シクロへキサンを得た(1398グラム、3.5モル、収率86%)。
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサンは、ビスメルカプトシランのアシル化により調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、氷/水浴、滴下漏斗およびコンデンサーを備えた5リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス(2−メルカプトエチル)シクロへキサン(1010.6グラム、2.56モル)、トリエチルアミン(700グラム、6.93モル)および塩化メチレン(1000グラム)を入れた。攪拌した反応混合物に、塩化プロピオニル(473.8グラム、5.12モル)を1.5時間掛けて加えた。反応混合物の温度は50℃まで上昇した。塩化プロピオニル(45.4グラム、0.49モル)を追加した。反応混合物を濾過し、塩を500ミリリットルの塩化メチレンと混合し、蒸留水で3回、そして、飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、124℃で減圧下吸引し、揮発性成分を除去した。吸引された生成物(1196グラム、2.36モル)をGC/MS、NMRおよびLCで分析し、収率は92%であった。
実施例3
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン(シラン3)の調製
本実施例は、チオアセテートシランとの反応を経由する、二つのビニル基を含むシランからのチオカルボキシレート アルコキシシランの調製を説明する。
(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサンの調製は、ヒドロシレーションにより調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、加熱マントル、滴下漏斗、コンデンサーおよび空気導入口を備えた5リットルの三口丸底フラスコに、トリビニルシクロへキサン(2001.1グラム、12.3モル)およびVCAT触媒(1.96グラム、0.01534グラム白金)を入れた。チューブがシランの表面下にある空気導入口より、空気をビニルシラン中へ泡立てた。反応混合物を110℃まで加熱し、トリメトキシシラン(1204グラム、9.9モル)を3.5時間掛けて加えた。反応混合物の温度は、最大値で130℃まで上場した。反応混合物を室温まで冷却し、1,3,5−トリメチル−2,4,6−tris(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(3グラム、0.004モル)を加えた。反応混合物を122℃および圧力1mmHgで蒸留し、1427グラムの(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサンを得た。収率は51%であった。
(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサンは、エステル交換反応により調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、加熱マントル、滴下漏斗、蒸留ヘッドおよびコンデンサー、および窒素導入口を備えた3リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサン(284グラム、2.33モル)、エタノール中のナトリウムエトキシド(21%ナトリウムエトキシドを49グラム、Aldrich Chemicalより購入)およびエタノール(777グラム、16.9モル)を入れた。反応混合物を加熱し、メタノールとエタノールを大気圧下の蒸留により除去した。その後、粗生成物を106℃および0.4mmHgの減圧下で蒸留し、675グラムの生成物を89%の収率で得た。
(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサンは、ジビニルシランにチオ酢酸を添加することにより調製された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/調節器、加熱マントル、滴下漏斗、コンデンサー、空気導入口および水酸化ナトリウム洗浄機を備えた1リットルの三口丸底フラスコに、チオ酢酸(210グラム、2.71モル)を入れた。(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロへキサン(400グラム、1.23モル)を30分間掛けて、室温で滴下漏斗を用いてゆっくりと添加した。反応は、発熱反応であった。混合物の温度は94.6℃まで上昇した。混合物を2.5時間攪拌し、38.8℃まで放冷した。チオ酢酸(10グラム、0.13モル)を追加したところ、わずかな発熱反応が認められた。反応混合物を約25℃にて一晩(18時間)攪拌した。分析により、反応混合物は2%未満のチオ酢酸を含むことが示された。その全体の純度は91%であった。反応混合物を減圧下でクーゲル装置を用いた蒸留により更に精製した。
比較例 A−C、実施例4−11
低転がり抵抗タイヤトレッド形成におけるシラン1〜3の使用
表1に記載した低転がり抵抗助手席タイヤトレッド形成モデル、および以下シラン1向けに記載した、シラン1、2または3、またはシラン1およびシラン2またはシラン1およびシラン3の混合物を用いた混合手順は、を、本発明のシランの代表的な例示の評価に使用した。
実施例1のシラン1は後述のように、1690cc(103cu.in.)のチャンバ容量の「B」BANBURY(登録商標)(Farrell Corp.)ミキサーにおいて混合された。ラバーの混合は2ステップで行われた。ミキサーを80rpmにし、冷却水を71℃にして、ミキサーを起動した。ラバーポリマーはミキサーに添加され、30秒間ラムダウン混合された。シランおよびオイルを除く、表1のマスターバッチ1のシリカおよび他の成分がミキサーに添加され、60秒間ラムダウン混合された。ミキサーの速度が35rpmに減ぜられ、そしてマスターバッチ1のシランおよびオイルがミキサーに添加され、60秒間ラムダウン混合された。ミキサースロートは塊を落とされ、成分は温度が149℃に達するまでラムダウン混合された。成分は更に3分30秒間混合された。ミキサーの速度は、温度が152℃と157℃に維持されるように調整された。ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃〜88℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温まで放冷した。
第二のステップにおいて、マスターバッチ1はミキサーに再び充填された。ミキサーの速度は80rpmであり、冷却水は71℃で、そしてバッチの圧は6MPaにセットされた。マスターバッチ1は30秒間ラムダウン混合され、マスターバッチ1の温度は149度にまでされ、ミキサーの速度は32rpmに減ぜられた。酸化亜鉛およびステアリン酸が添加され(マスターバッチ2)、ラバーは3分20秒、152℃と157℃の間の温度で混合された。混合の後、ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃から88℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温まで放冷した。
ラバーマスターバッチと硬化剤は、2600cc(103cu.in.)のチャンバ容量の「OOC」BANBURY(登録商標)(Farrell Corp.)ミキサーにおいて混合された。ラバーの混合は3ステップで行われた。ミキサーを80rpmにし、冷却水を70℃にして、ミキサーを起動した。ラバーポリマーはミキサーに添加され、30秒間ラムダウン混合された。シリカおよびシランはミキサーに添加され、30秒間ラムダウン混合された。オイルを除く、マスターバッチ1の他の成分がミキサーに添加され、60秒間ラムダウン混合された。ミキサーの速度が65rpmに減ぜられ、そしてマスターバッチ1のオイルがミキサーに添加され、60秒間ラムダウン混合された。ミキサースロートは塊を落とされ、成分は温度が150℃に達するまでラムダウン混合された。成分は更に3分30秒間混合された。ミキサーの速度は、温度が150℃と155℃に維持されるように調整された。ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃〜90℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温まで放冷した。
第二のステップにおいて、マスターバッチ1はミキサーに再び充填された。ミキサーの速度は80rpmであり、冷却水は70℃で、そしてバッチの圧は25psiにセットされた。マスターバッチ2は150秒間ラムダウン混合され、同時にマスターバッチの温度を150℃まで上げ、ミキサーの速度は50rpmに減ぜられ、ラバーは40秒、150℃〜155℃の間の温度で混合された。混合の後、ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃〜90℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温まで放冷した。
第三のステップにおいて、ミキサーの速度は50rpmであり、冷却水は70℃で、そしてバッチの圧は25psiにセットされた。ラバーマスターバッチ2および硬化剤は180秒間ラムダウン混合され、同時に最終混合の温度を110℃まで上げた。混合の後、ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃〜90℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温まで放冷した。加硫条件は、ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃〜90℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温まで放冷した。加硫条件は、160℃で20分間であった。
それぞれ比較例A、BおよびCと表示されたシラン1、2および3個々の、およびシラン1および2、およびシラン1および3の混合物の性能データを表1、2および3に示す。ここで、加硫(硬化)ラバー組成物の評価の試験手順は、以下のASTM法に記載されている。
ムーニースコーチ ASTM D1646
ムーニー粘度 ASTM D1646
レオメーター(MDR2000) DIN 53529
貯蔵弾性率、損失弾性率 DIN 53504−R1
引張りおよび伸び
DIN 摩耗 DIN 手順 53516
発熱性 ASTM D623
永久ひずみ % ASTM D623
ショアA硬度 DIN 53505
疲労破壊 LTA ASTM D4482
デマチャ き裂成長 ASTM D813
反発 DIN 53512、ASTM D1054
シラン2および3、およびシラン1および2と、シラン1および3の混合物は、表1に示したラバー組成物の調製に使用した。上述の試験手順の結果を以下、表2および3に示す。
表1:シランおよびその混合物を含む加硫ラバー組成物の組成
表2および3:シラン1〜3、およびシラン1と2、および1と3の混合物とを含む加硫ラバー組成物の性能データ
ラバーの強化は、最終硬化物の弾性率、およびの引張強度、引き裂き抵抗、耐クラック性および耐磨耗性等の破壊特性の向上によって明らかである。しかしながら、強化の最善の単一基準は、破断時のエネルギーまたは破断エネルギーである。破断時のエネルギーは、モジュラス−伸び曲線および伸び軸に挟まれた領域の面積の指標である。表3のデータは、それぞれΔトルクおよび硬化時間(T95)、ショアA硬度、および60℃におけるTanδといった、加工、物理、および力学特性を同等もしくはより良く維持しながら、引張強度、破断時のエネルギー、き裂成長(デマチャ(穴あき)破壊繰返し)に顕著な向上を示す。例えば、実施例1および3のシランを含む硬化ラバーの破断時のエネルギーは、それぞれ19.80および27.73J/cmであった。66重量%の実施例1のシランおよび34重量%の実施例3のシランを含むラバーの破断時のエネルギーは、28.87J/cmであり、4〜46%実施例1および3どちらかのシランの単独での使用に比べ、4〜46%の範囲で改善を示した。
上の記述は多くの具体例を含有するが、それら具体例は発明の限定として解釈されるべきでなく、その好ましい実施態様の例示に過ぎないと解釈されるべきである。当業者はここに添付される請求項によって定義されるような、発明の範囲および精神に包含される多くの他の実施態様を想到するであろう。

Claims (35)

  1. (i)少なくとも一つの加硫性ラバー;
    (ii)少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤;
    (iii)二つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシランで、式:
    [RC(=O)S(CH G−RSiX
    を持つブロック化メルカプトシラン;および
    (iv)一つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシランで、式:
    C(=O)SRSiX
    を持つブロック化メルカプトシラン
    (式中、
    の各々は、独立して水素または最大12の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大10の炭素原子を含む二価の炭化水素基、または最大10の炭素原子および酸素原子もしくは硫黄原子を含む二価の炭化水素基であり;
    は、水素または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大12の炭素原子を含む二価の炭化水素基であり;
    Gは、最大10の炭素原子を含む三価の環状炭化水素基であり;
    の各々は、独立してRO−およびRC(=O)O−からなる群より選択され、式中、Rは、水素、または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基、または最大18の炭素原子および少なくとも一つの酸素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    およびXの各々は、独立してRおよびXで挙げられている要素からなる群より選択され、式中、Rは、最大6の炭素原子の一価の炭化水素基であり;そして
    nは、1〜5の整数である。)
    を含む微粒子充填ラバー組成物。
  2. 少なくとも一つの加硫性ラバー(i)が、溶液重合スチレン−ブタジエンラバー(sSBR)、5〜50%の範囲の結合スチレン量を持つ溶液重合スチレン−ブタジエンラバー(sSBR)、9〜36%の範囲の結合スチレン量を持つ溶液重合スチレン−ブタジエンラバー(sSBR)、乳化重合スチレン−ブタジエンラバー(eSBR)、20〜28%結合スチレンのスチレン量を持つ乳化重合スチレン−ブタジエンラバー(eSBR)、スチレンconten〜f30〜45%結合スチレンのスチレン量を持つ乳化重合スチレン−ブタジエンラバー(eSBR)、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、天然ラバー(NR)、ポリブタジエン(BR)、90重量%のシス−1,4−量を含むポリブタジエン(BR)、エチレン−プロピレン共重合体および三元共重合体(EP、EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンラバー(NBR)、シス−1,4−ポリイソプレンラバー、3,4−ポリイソプレンラバー、イソプレン/ブタジエンラバー、スチレン/イソプレン/ブタジエン三元共重合体ラバー、シス−1,4−ポリブタジエン、35%〜50%のビニルを含む中ビニルポリブタジエンラバー、50%〜75%のビニルを含む高ビニルポリブタジエンラバー、スチレン/イソプレン共重合体、乳化重合で得られるスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル三元共重合体ラバーおよびブタジエン/アクリロニトリル共重合体ラバーからなる群より選択される、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  3. シラン反応性微粒子充填剤(ii)が、焼成シリカ、沈降シリカ、二酸化チタン、アルミノ珪酸塩、アルミナ、クレー、タルクおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  4. シラン反応性微粒子充填剤(ii)の合計量が、5〜140phrである、請求項1〜3の何れかに記載の微粒子充填ラバー組成物。
  5. ブロック化メルカプトシラン(iii)が、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)ベンゼン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソへプチル)ベンゼン、1−(2−トリプロポキシシリルメチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)ベンゼン、1−(2−ジエトキシメチルシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(4−トリエトキシシリル−1−オキサ−ブチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジエトキシメチルシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソドデシル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソドデシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)メシチレンおよび4−(6−トリエトキシシリル−3−チアヘキシル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  6. ブロック化メルカプトシラン(iii)が、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジエトキシメチルシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4オキシヘキシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4オキシヘキシル)シクロへキサンおよび2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4オキシヘキシル)シクロへキサンからなる群より選択される、請求項5に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  7. ブロック化メルカプトシラン(iv)が、トリエトキシシリルメチルチオホルマート、2−トリエトキシシリルエチルチオアセテート、3−トリエトキシシリルプロピルチオプロパノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオヘキサノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオオクタノエート、3−ジエトキシメチルシリルプロピルチオオクタノエート、3−エトキシジメチルシリルプロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオドデカノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオオクタデカノエート、3−トリメトキシシリルプロピルチオオクタノエート、3−トリアセトキシシリルプロピルチオアセテート、3−ジプロポキシメチルシリルプロピルチオプロパノエート、4−オキサ−ヘキシルオキシジメチルシリルプロピルチオオクタノエート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  8. ブロック化メルカプトシラン(iv)が、3−トリエトキシシリルプロピルチオオクタノエート、3−ジエトキシメチルシリルプロピルチオオクタノエート、および3−エトキシジメチルシリルプロピルチオオクタノエートからなる群より選択される、請求項7に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  9. ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物の合計量が、0.05〜25phr(100重量部のラバーに対しての重量部)である、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  10. ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物の合計量が、0.2〜12phr(100重量部のラバーに対しての重量部)である、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  11. ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物中のブロック化メルカプトシラン(iii)の量が、混合物の合計重量に基づいて5〜50重量%である、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  12. ブロック化メルカプトシラン(iii)および(iv)の混合物中のブロック化メルカプトシラン(iii)の量が、混合物の合計重量に基づいて15〜35重量%である、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  13. ブロック化メルカプトシラン(iii)が、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサンまたは4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサンであり、ブロック化メルカプトシラン(iv)が、3−トリエトキシシリルプロピルチオオクタノエートである、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  14. 不活性微粒子充填剤、硬化補助剤、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、樹脂、可塑剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤、オゾン劣化防止剤および釈解剤からなる群より選択される少なくとも一つの追加成分を更に含む、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  15. 少なくとも一部から全量までのシラン反応性充填剤(ii)、少なくとも一部から全量までのブロック化メルカプトシラン(iii)および少なくとも一部から全量までのブロック化メルカプトシラン(iv)が、シラン反応性微粒子充填剤(ii)と、ブロック化メルカプトシラン(iii)およびブロック化メルカプトシラン(iv)の混合物との反応生成物として提供される、請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  16. (1)(i)、(ii)の一部、(iii)の一部、(iv)の一部、および(iii)の残りと(iv)の残りの混合物と(ii)の残りとの反応生成物を含む微粒子充填ラバー組成物;
    (2)(i)、(ii)の一部、(iv)の一部、および(iii)の全部と(iv)の残りの混合物と(ii)の残りとの反応生成物を含む微粒子充填ラバー組成物;
    (3)(i)、(ii)の一部、(iii)の一部、および(iii)の残りと(iv)の全部との混合物と(ii)の残りとの反応生成物を含む微粒子充填ラバー組成物;
    (4)(i)、(iii)の一部、(iv)の一部、および(iii)の残りと(iv)の残りとの混合物と(ii)の全部との反応生成物を含む微粒子充填ラバー組成物;
    (5)(i)、(iv)の一部、および(iii)の全部と(iv)の残りとの混合物と(ii)の全部との反応生成物を含む微粒子充填ラバー組成物;
    (6)(i)、(iii)の一部、および(iii)の残りと(iv)の全部との混合物と(ii)の全部との反応生成物を含む微粒子充填ラバー組成物; および
    (7)(i)、および(iii)の全部と(iv)の全部との混合物と(ii)の全部との反応生成物を含む微粒子充填ラバー組成物
    からなる群より選択される、請求項15に記載の微粒子充填ラバー組成物。
  17. 加硫処理された、請求項1に記載のラバー組成物。
  18. 加硫処理された、請求項14に記載のラバー組成物。
  19. 加硫処理された、請求項15に記載のラバー組成物。
  20. 加硫処理された、請求項16に記載のラバー組成物。
  21. 請求項1に記載の微粒子充填ラバー組成物から作られた物品。
  22. 請求項14に記載の微粒子充填ラバー組成物から作られた物品。
  23. 請求項15に記載の微粒子充填ラバー組成物から作られた物品。
  24. 請求項16に記載の微粒子充填ラバー組成物から作られた物品。
  25. タイヤ、タイヤ構成部材、ホース、ベルト、ローラー、絶縁体、外被材、工業製品、靴底、ブッシングまたは減衰パッドである、請求項21に記載の物品。
  26. タイヤ、タイヤ構成部材、ホース、ベルト、ローラー、絶縁体、外被材、工業製品、靴底、ブッシングまたは減衰パッドである、請求項22に記載の物品。
  27. タイヤ、タイヤ構成部材、ホース、ベルト、ローラー、絶縁体、外被材、工業製品、靴底、ブッシングまたは減衰パッドである、請求項23に記載の物品。
  28. タイヤ、タイヤ構成部材、ホース、ベルト、ローラー、絶縁体、外被材、工業製品、靴底、ブッシングまたは減衰パッドである、請求項24に記載の物品。
  29. a)(i)少なくとも一つの加硫性ラバー;
    (ii)少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤;
    (iii)二つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシランで、式:
    [RC(=O)S(CH G−RSiX
    を持つブロック化メルカプトシラン;および
    (iv)一つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシランで、式:
    C(=O)SRSiX
    を持つブロック化メルカプトシラン
    (式中、
    の各々は、独立して水素または最大12の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大10の炭素原子を含む二価の炭化水素基、または最大10の炭素原子および酸素原子もしくは硫黄原子を含む二価の炭化水素基であり;
    は、水素または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大12の炭素原子を含む二価の炭化水素基であり;
    Gは、最大10の炭素原子を含む三価の環状炭化水素基であり;
    の各々は、独立して水素、RO−およびRC(=O)O−(式中、Rは、水素、または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基、または最大18の炭素原子および少なくとも一つの酸素原子を含む一価の炭化水素基である)からなる群より選択され;
    およびXの各々は、独立してRおよびXで挙げられている要素からなる群より選択され、式中、Rは、最大6の炭素原子の一価の炭化水素基であり;そして
    nは、1〜5の整数である。)
    を、第一の昇温で少なくとも一つの予備混合ステップで熱力学的に混合するステップ:
    b)第一の昇温よりも低い第二の昇温で、a)から得られた混合物を少なくとも一つのアシル反応性脱ブロック化剤、および、少なくとも一つの加硫剤と混合するステップ;および、
    c)第三の昇温およびb)から得られた混合物の硬化を達成するに十分な時間で、前記混合物を硬化するステップ
    を含む、微粒子充填ラバー組成物を作製するプロセス。
  30. ブロック化メルカプトシラン(iii)が、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)ベンゼン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソへプチル)ベンゼン、1−(2−トリプロポキシシリルメチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)ベンゼン、1−(2−ジエトキシメチルシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(4−トリエトキシシリル−1−オキサ−ブチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)ベンゼン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(2−チア−3−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジエトキシメチルシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソヘキシル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソノニル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−2,4−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、2−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,4−ビス−(3−チア−4−オキソウンデシル)シクロへキサン、4−(2−ジメチルエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソドデシル)シクロへキサン、4−(2−トリエトキシシリルエチル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソドデシル)シクロへキサン、1−(2−トリエトキシシリルエチル)−3,5−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)メシチレン、4−(6−トリエトキシシリル−3−チアヘキシル)−1,2−ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロへキサンおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項29に記載のプロセス
  31. ブロック化メルカプトシラン(iv)が、トリエトキシシリルメチルチオホルマート、2−トリエトキシシリルエチルチオアセテート、3−トリエトキシシリルプロピルチオプロパノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオヘキサノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオオクタノエート、3−ジエトキシメチルシリルプロピルチオオクタノエート、3−エトキシジメチルシリルプロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオドデカノエート、3−トリエトキシシリルプロピルチオオクタデカノエート、3−トリメトキシシリルプロピルチオオクタノエート、3−トリアセトキシシリルプロピルチオアセテート、3−ジプロポキシメチルシリルプロピルチオプロパノエート、4−オキサ−ヘキシルオキシジメチルシリルプロピルチオオクタノエート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項29に記載のプロセス
  32. ステップa)において、(i)共役ジエンホモポリマー、共役ジエンコポリマー、少なくとも一つの芳香族ビニル化合物の少なくとも一つの共役ジエンのコポリマー、およびそれらの混合物からなる群より選択される加硫性ラバー100重量部を、(ii)ラバー100重量部につき5〜140部の少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤または15〜99重量%の少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤と、それに対応して、1〜85重量%の少なくとも一つの無機微粒子充填剤との混合物、および(iii)ラバー100重量部につき、ブロック化メルカプトシラン(iii)およびブロック化メルカプトシラン(iv)の合計で0.05〜25部と混合する、請求項29に記載のプロセスであり、
    の各々は、独立して水素または最大12の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大10の炭素原子を含む二価の炭化水素基、または最大10の炭素原子および酸素原子もしくは硫黄原子を含む二価の炭化水素基であり;
    は、水素または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大12の炭素原子を含む二価の炭化水素基であり;
    Gは、最大10の炭素原子を含む三価の環状炭化水素基であり;
    の各々は、独立してRO−およびRC(=O)O−からなる群より選択され、式中、Rは、水素、または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基、または最大18の炭素原子および少なくとも一つの酸素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    およびXの各々は、独立してRおよびXで挙げられている要素からなる群より選択され、式中、Rは、最大6の炭素原子の一価の炭化水素基であり;そして
    nは、1〜5の整数である
    プロセス
  33. 少なくとも一部から全量までのシラン反応性充填剤(ii)、少なくとも一部から全量までのブロック化メルカプトシラン(iii)および少なくとも一部から全量までのブロック化メルカプトシラン(iv)が、シラン反応性微粒子充填剤(ii)と、ブロック化メルカプトシラン(iii)およびブロック化メルカプトシラン(iv)の混合物との反応生成物として提供される、請求項29に記載のプロセス
  34. 二つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシラン(iii)で、式:
    [RC(=O)S(CH G−RSiX
    を持つブロック化メルカプトシラン(iii)および一つのチオアシル基を所有する少なくとも一つのブロック化メルカプトシラン(iv)で、式:
    C(=O)SRSiX
    を持つブロック化メルカプトシラン(iv)の混合物と反応させた、少なくとも一つのシラン反応性微粒子充填剤(ii)を含む易流動性充填剤組成物。
    式中、
    の各々は、独立して水素または最大12の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大10の炭素原子を含む二価の炭化水素基、または最大10の炭素原子および酸素原子もしくは硫黄原子を含む二価の炭化水素基であり;
    は、水素または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    は、最大12の炭素原子を含む二価の炭化水素基であり;
    Gは、最大10の炭素原子を含む三価の環状炭化水素基であり;
    の各々は、独立してRO−およびRC(=O)O−からなる群より選択され、式中、Rは、水素、または最大18の炭素原子を含む一価の炭化水素基、または最大18の炭素原子および少なくとも一つの酸素原子を含む一価の炭化水素基であり;
    およびXの各々は、独立してRおよびXで挙げられている要素からなる群より選択され、式中、Rは、最大6の炭素原子の一価の炭化水素基であり;そして
    nは、1〜5の整数である。
  35. 少なくとも一つの加硫性ラバー(i)と混合してなる、請求項34に記載の易流動性充填剤組成物。
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