JP5975788B2 - 積層シートの製造方法および熱可塑性エラストマーシートの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)フラットダイから押出された溶融状態の熱可塑性エラストマーの片面に離型性を有するセパレータを添わせて30℃以下の冷媒を通した冷却ロールと30℃以下の冷媒を通したプレッシャーロールとの間を通過させ、厚みが500μm以下である熱可塑性エラストマー層とセパレータよりなる第1積層シートを得、前記第1積層シートの熱可塑性エラストマー層表面へ、再度、熱可塑性エラストマーを押出ラミネートした積層シートから前記セパレータを剥離することにより、厚みが500μm〜2000μmであり、かつ厚みの振れ幅が±5.0%以下である熱可塑性エラストマーシートを得ることを特徴とする熱可塑性エラストマーシートの製造方法が提供され、
(2)フラットダイから押出された溶融状態の熱可塑性エラストマーの両面に離型性を有するセパレータを添わせて30℃以下の冷媒を通した冷却ロールと30℃以下の冷媒を通したプレッシャーロールとの間を通過させ、厚みが500μm以下である熱可塑性エラストマー層とセパレータよりなる第1積層シートを得、前記第1積層シートの片面のセパレータを剥離した後、熱可塑性エラストマー層表面へ、再度、熱可塑性エラストマーを押出ラミネートした積層シートからセパレータを剥離することにより、厚みが500μm〜2000μmであり、厚みの振れ幅が±5.0%以下である熱可塑性エラストマーシートを得ることを特徴とする熱可塑性エラストマーシートの製造方法が提供され、
(3)前記第1積層シートの熱可塑性エラストマー層とセパレータとの剥離強度が0.3N/25mm〜5N/25mmの範囲となるようき積層して得られることが特徴である(1)乃至(2)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマーシートの製造方法が提供され、
(4)前記熱可塑性エラストマーが熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマーシートの製造方法
(5)前記セパレータがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマーシートの製造方法
が提供される。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、同一分子中にハードセグメントとソフトセグメントとを有しており、ハードセグメントが室温で物理的な架橋点として作用し、エラストマーとしての特性を示す。また、前記架橋点は加熱によって消失し熱可塑性を示す。
(1)剥離強度の測定
島津製作所製オートグラフ(AGS−100)を用いて幅25mm×長さ150mmの短冊状試料を速度300mm/min、剥離角度180°で剥離させ、その時の最大荷重を測定し剥離強度とした。尚、その単位を(N/25mm)として表した。
(2)厚さの測定
熱可塑性エラストマー層の厚さは、(株)ミツトヨ製デジタルインジケータを用いて幅方向に20mmピッチで測定し、平均値で示した。厚さの振れ幅は、測定した厚さの最大値と最小値から求めた中央値((tmax+tmin)/2)からの振れで評価した。
但し、tmax:厚さの最大値(μm)、tmin:厚さの最小値(μm)
(3)MFRの測定
熱可塑性エラストマーのMFRは、JIS K7210に準拠して190℃で測定した。
<熱可塑性エラストマー>
・熱可塑性ポリウレタン(TPUと略記する):BASF社製、エステル系熱可塑性ポリウレタンET598、MFR:1.5g/10min(190℃)、硬度:ショアA98
<セパレータ>
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルムと略記する):表面未処理、厚さ75μm、東レ製)
図1に示すフラットダイを装着した押出機および引取機よりなる製膜装置を用い、第1冷却ロール表面へセパレータを供給しつつ熱可塑性ポリウレタンをフラットダイから押出し、熱可塑性ポリウレタン層の設定厚さが400μmの第1積層シートを得た。なお、第1冷却ロール(金属ロール)は内部へ20℃の冷却水を循環させ、プレッシャーロール(ゴムロール)は内部へ20℃の冷却水を循環した。得られた第1積層シートは、セパレータと熱可塑性ポリウレタンとが均一に貼合されており、外観は良好であった。
次いで、図2のように、前記第1積層シートを第1冷却ロール表面へ供給(熱可塑性ポリウレタン層がフラットダイ側となるように供給)し、当該熱可塑性ポリウレタン層の上へ新たに設定厚さ200μmの熱可塑性ポリウレタンを積層し、熱可塑性ポリウレタン層の設定厚さの合計が600μmの積層シートを得た。
得られた積層シートからセパレータを剥離することにより、設定厚さ600μmの熱可塑性ポリウレタンシートを得た。この時のセパレータと熱可塑性ポリウレタンとの剥離強度は1.1N/25mmであった。得られた熱可塑性ポリウレタンシートの厚さの振れ幅を表1に併せて示す。
第1積層シートの熱可塑性ポリウレタン層の上へ新たに設定厚さ400μmの熱可塑性ポリウレタン層を積層した以外は実施例1と同様にし、熱可塑性ポリウレタン層の設定厚さの合計が800μmの積層シートを得た。
得られた積層シートからセパレータを剥離することにより、設定厚さ800μmの熱可塑性ポリウレタンシートを得た。この時のセパレータと熱可塑性ポリウレタンとの剥離強度は1.3N/25mmであった。得られた熱可塑性ポリウレタンシートの厚さの振れ幅を表1に併せて示す。
図1に示すフラットダイを装着した押出機および引取機よりなる製膜装置を用い、第1冷却ロール表面へセパレータを供給しつつ熱可塑性ポリウレタンをフラットダイから押出し、熱可塑性ポリウレタン層の設定厚さが600μmの第1積層シートを得た。なお、第1冷却ロール(金属ロール)はその内部へ20℃の冷却水を循環させ、プレッシャーロール(ゴムロール)はその内部へ20℃の冷却水を循環した。得られた第1積層シートのセパレータであるポリエチレンテレフタレートフィルムは、熱可塑性ポリウレタン層の厚さが厚いため熱により変形し、セパレータの浮きが発生した。また、第1積層シートからセパレータを剥離して得た熱可塑性エラストマーシートの厚みの平均厚さは588μm、厚さの振れ幅は±8.3%であった。
熱可塑性エラストマー層の設定厚さを800μmとした以外は比較例1と同様にして、第1積層シートを得た。得られた第1積層シートからセパレータを剥離することにより、平均厚さ776μmの熱可塑性ポリウレタンシートを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンシートの厚さの振れ幅は±10.2%であった。
熱可塑性エラストマー層の設定厚さを200μmとした以外は比較例1と同様にして、第1積層シートを得た。得られた第1積層シートからセパレータを剥離することにより、平均厚さ202μmの熱可塑性ポリウレタンシートを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンシートの厚さの振れ幅は±2.4%であった。
2.フラットダイ
3.第1冷却ロール
4.第2冷却ロール
5.プレッシャーロール
6.ピンチロール
11.溶融状態の熱可塑性エラストマー
12.第1積層シート(2層)
13.積層シート(3層)
14.セパレータ
15.第1積層シート(3層)
16.積層シート(4層)
Claims (5)
- フラットダイから押出された溶融状態の熱可塑性エラストマーの片面に離型性を有するセパレータを添わせて30℃以下の冷媒を通した冷却ロールと30℃以下の冷媒を通したプレッシャーロールとの間を通過させ、厚みが500μm以下である熱可塑性エラストマー層とセパレータよりなる第1積層シートを得、前記第1積層シートの熱可塑性エラストマー層表面へ、再度、熱可塑性エラストマーを押出ラミネートした積層シートから前記セパレータを剥離することにより、厚みが500μm〜2000μmであり、かつ厚みの振れ幅が±5.0%以下である熱可塑性エラストマーシートを得ることを特徴とする熱可塑性エラストマーシートの製造方法。
- フラットダイから押出された溶融状態の熱可塑性エラストマーの両面に離型性を有するセパレータを添わせて30℃以下の冷媒を通した冷却ロールと30℃以下の冷媒を通したプレッシャーロールとの間を通過させ、厚みが500μm以下である熱可塑性エラストマー層とセパレータよりなる第1積層シートを得、前記第1積層シートの片面のセパレータを剥離した後、熱可塑性エラストマー層表面へ、再度、熱可塑性エラストマーを押出ラミネートした積層シートからセパレータを剥離することにより、厚みが500μm〜2000μmであり、厚みの振れ幅が±5.0%以下である熱可塑性エラストマーシートを得ることを特徴とする熱可塑性エラストマーシートの製造方法。
- 前記第1積層シートの熱可塑性エラストマー層とセパレータとの剥離強度が0.3N/25mm〜5N/25mmの範囲となるようき積層して得られることが特徴である請求項1乃至2のいずれかに記載の熱可塑性エラストマーシートの製造方法。
- 前記熱可塑性エラストマーが熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマーシートの製造方法。
- 前記セパレータがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマーシートの製造方法。
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