JP7094203B2 - 積層シートの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)溶融状態の熱可塑性エラストマーをセパレータフィルムAとセパレータフィルムBとの間に押出する工程と、
前記セパレータフィルムAと前記溶融状態の熱可塑性エラストマーと前記セパレータフィルムBとがこの順に積層された積層体を、前記セパレータフィルムAをゴム冷却ロール面に接触させ、前記セパレータフィルムBを金属冷却ロール面に接触させて、前記ゴム冷却ロールと前記金属冷却ロールとの間に挟圧して冷却する工程とを有する、
セパレータフィルムAと熱可塑性エラストマーフィルムとセパレータフィルムBとを備える積層シートの製造方法において、
前記ゴム冷却ロールの表面温度は、前記金属冷却ロールの表面温度よりも高く、
前記セパレータフィルムAの厚みは、前記セパレータフィルムBの厚みよりも大きいことを特徴とする積層シートの製造方法。;
(2)前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする(1)記載の積層シートの製造方法;
(3)前記セパレータフィルムA及び/または前記セパレータフィルムBは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする(1)または(2)記載の積層シートの製造方法;
(4)前記金属冷却ロール及び前記ゴム冷却ロールは、ともに同一の冷媒を使用して冷却することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の積層シートの製造方法;
を要旨とするものである。
本発明の特徴は、ゴム冷却ロールへ供給するセパレータAの厚みが金属冷却ロールへ供給するセパレータBの厚みよりも大きいことである。積層シートの製造方法において搬送工程あるいは巻き取り工程にてシワが発生する原因は、ゴム冷却ロールと金属冷却ロールのそれぞれの表面温度が大きく相違しているため、セパレータフィルムに伝わる温度も大きく相違し、その結果ロール表面温度が高いゴム冷却ロールへ供給するセパレータフィルムAの収縮応力が大きくなると推定した。ここで、溶融押出された熱可塑性エラストマー(樹脂温度:200℃)を冷却した場合の冷却ロールの表面温度(なお、ゴム冷却ロール及び金属冷却ロールは、同じ冷媒(20℃の冷却水)をその内部へ循環させた)を調べた。その結果、金属冷却ロールの表面温度は、20~30℃、ゴム冷却ロールの表面温度は、30~50℃であり、ゴム冷却ロールの表面温度は、金属冷却ロールの表面温度よりも大きいことが分かった。この温度差は、冷却ロールの材質の熱伝導率の違いによるものである。
そして、セパレータフィルムAとセパレータフィルムBの厚みを同一にすると、積層シートの搬送工程にて、熱可塑性エラストマーフィルムとセパレータフィルムAとの間に浮きが発生し、浮きの部分にシワ(搬送と直交する方向にシワが入る)が入った。また、セパレータフィルムAの厚みをセパレータフィルムBの厚みよりも小さく設定すると、セパレータフィルムAと熱可塑性エラストマーフィルムとの間に浮きが大きくなり、浮きの部分に多数のシワが入り、さらに搬送ロールにて巻き取りできなかった。
したがって、本発明の製造方法は、セパレータフィルムAの厚みがセパレータフィルムBの厚みよりも大きいことが必須である。言い換えると、セパレータフィルムBとセパレータフィルムAとの厚み比(B/A)は1未満である必要がある。更に、セパレータフィルムBとセパレータフィルムAとの厚み比(B/A)は、0.20~0.90の範囲が好ましく、より好ましくは0.30~0.80の範囲である。
ホッパー(図示せず)に供給された熱可塑性エラストマーが、押出機1からフラットダイ2へ送られ、フラットダイ2から溶融状態で押し出される。一方、セパレータフィルムA12を溶融状態の熱可塑性エラストマー11とゴム冷却ロール3との間に供給し、セパレータフィルムB13は溶融状態の熱可塑性エラストマー11と金属冷却ロール4との間に供給させる。そして、セパレータフィルムA12と溶融状態の熱可塑性エラストマー11とセパレータフィルムB13とをこの順で積層し、ゴム冷却ロール3と金属冷却ロール4との間で挟圧して冷却させ、ガイドロール5で搬送しながらピンチロール6で引き取られ、セパレータフィルムAと熱可塑性エラストマーフィルムとセパレータフィルムBからなる積層シート14を得ることができる。
なお、セパレータフィルムA12と溶融状態の熱可塑性エラストマー11とセパレータフィルムB13とをこの順で積層するとは、セパレータフィルムA12と溶融状態の熱可塑性エラストマー11とセパレータフィルムB13とを同時に積層(図1)してもよいし、溶融状態の熱可塑性エラストマー11とどちらか一方のセパレータフィルムを先に積層して冷却ロールに接触させ、次いでもう一方のセパレータフィルムを積層し、ゴム冷却ロールと金属冷却ロールとの間で挟圧して冷却させてもよい。特に、冷却効率の観点から、図1のようにセパレータフィルムA12、溶融状態の熱可塑性エラストマー11、セパレータフィルムB13を同時に積層する場合(言い換えると、溶融状態の熱可塑性エラストマー11の落下地点がゴム冷却ロール3と金属冷却ロール4とが最も接近する部分における隙間の中点を通る鉛直線状の場合)が好ましい。
(1)カール値の測定
巻き取られた積層シートを繰り出し、A4サイズ(29.7×21.0cm)の長方形上に切断したカットサンプルを用意し、水平な台の上にカットサンプル(金属冷却ロールに供給するセパレータBを台側に配置)を静置し、カットサンプルの角4ヶ所において、台からの浮き上がり高さ(mm)を測定し、その4ヶ所の値とその平均値を示し、その結果を表2に示す。なお、カットサンプルが丸まってしまう場合は、「測定不可」とした。
島津製作所製オートグラフ(AGS-100)を用いて幅25mm×長さ150mmの短冊状試料を速度300mm/min、剥離角度180°で剥離させ、その時の最大荷重を測定し剥離強度とした。尚、その単位を(N/25mm)として表した。
<熱可塑性エラストマー>
・熱可塑性ポリウレタン(TPUと略記する):DIC社製、エーテル系熱可塑性ポリウレタン、硬度:ショアA85(厚さ2mmのシートを作成し、3枚重ねて厚み6mmとし、デューロメータ タイプA(上島製作所製)を用いて測定した)
<セパレータフィルム>
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETと略記する):帝人株式会社製、離型処理付き2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
図1に示すフラットダイを装着した押出機及び引取機よりなる製膜装置を用い、ゴム冷却ロールの表面へセパレータフィルムAを供給し、金属冷却ロールの表面へセパレータフィルムBを供給しつつ、熱可塑性ポリウレタンをフラットダイから押出し、熱可塑性ポリウレタンフィルムの設定厚みが150μmを含む積層シートを得た。なお、ゴム冷却ロール及び金属冷却ロールは、内部へ20℃の冷却水を循環させ、ゴム冷却ロールの表面温度は30~50℃、金属冷却ロールの表面温度は20~30℃を示した。また、実施例、比較例で作製した層構成、セパレータフィルムA及びセパレータフィルムBの厚みは、表1に示す。
また、ゴム冷却ロールの表面に供給するセパレータフィルムAの厚みが金属冷却ロールの表面に供給するセパレータフィルムBの厚みより小さい比較例2(厚み比(B/A)=1.32である)は、カットサンプルが丸まってしまい非常に強いカールが発生した。これにより、比較例2の積層シートは、熱可塑性エラストマーフィルムの表裏面にかかる応力が大きく相違していることが確認できた。そして、搬送工程にて、セパレータフィルムAと熱可塑性エラストマーフィルムとの間に浮きが発生したため、浮きの部分にシワが発生し、巻き取りできなかった。
2.フラットダイ
3.ゴム冷却ロール
4.金属冷却ロール
5.ガイドロール
6.ピンチロール
11.溶融状態の熱可塑性エラストマー
12.セパレータフィルムA
13.セパレータフィルムB
14.積層シート
Claims (4)
- 溶融状態の熱可塑性エラストマーをセパレータフィルムAとセパレータフィルムBとの間に押出する工程と、
前記セパレータフィルムAと前記溶融状態の熱可塑性エラストマーと前記セパレータフィルムBとがこの順に積層された積層体を、前記セパレータフィルムAをゴム冷却ロール面に接触させ、前記セパレータフィルムBを金属冷却ロール面に接触させて、前記ゴム冷却ロールと前記金属冷却ロールとの間に挟圧して冷却する工程とを有する、
セパレータフィルムAと熱可塑性エラストマーフィルムとセパレータフィルムBとを備える積層シートの製造方法において、
前記ゴム冷却ロールの表面温度は、前記金属冷却ロールの表面温度よりも高く、
前記セパレータフィルムAの厚みは、前記セパレータフィルムBの厚みよりも大きいことを特徴とする積層シートの製造方法。 - 前記セパレータフィルムBと前記セパレータフィルムAとの厚み比(B/A)は、0.30~0.80の範囲であることを特徴とする請求項1記載の積層シートの製造方法。
- 下記する方法で測定したカール値4点の平均値が20mm未満であることを特徴とする請求項1または2記載の積層シートの製造方法。
(カール値の測定)
巻き取られた積層シートを繰り出し、A4サイズ(29.7×21.0cm)の長方形上に切断したカットサンプルを用意し、水平な台の上にカットサンプル(金属冷却ロールに供給するセパレータBを台側に配置)を静置し、カットサンプルの角4ヶ所において、台からの浮き上がり高さ(mm)を測定する。なお、カットサンプルが丸まってしまう場合は、「測定不可」とする。 - 前記金属冷却ロール及び前記ゴム冷却ロールは、ともに同一の冷媒を使用して冷却することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
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KR102486829B1 (ko) * | 2022-07-19 | 2023-01-10 | 주식회사 국보옵틱스 | 방오필름 제조장치 |
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