JPH11115101A - 複層構成の熱可塑性エラストマ−層をもつ積層布の製造方法 - Google Patents
複層構成の熱可塑性エラストマ−層をもつ積層布の製造方法Info
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- JPH11115101A JPH11115101A JP29182697A JP29182697A JPH11115101A JP H11115101 A JPH11115101 A JP H11115101A JP 29182697 A JP29182697 A JP 29182697A JP 29182697 A JP29182697 A JP 29182697A JP H11115101 A JPH11115101 A JP H11115101A
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Abstract
複層構成の熱可塑性エラストマ−層を形成させた積層布
を得ること。 【解決手段】 基布の面に熱可塑性エラストマ−層を形
成させると共に、前記熱可塑性エラストマ−層の表面
に、表面成形材を用いて、織布の織り組織状の凹凸形状
の表面加工を施し、この表面に、更に熱可塑性エラスト
マ−層をもつ積層布の製造方法であって、前記織り組織
状は、織密度が繊度より大なるように織成された織布の
織り組織状にする。
Description
成の熱可塑性エラストマ−層を形成させた積層布の製造
方法に関するものである。
の一面又は両面に、例えば熱可塑性ポリウレタンの如き
熱可塑性エラストマ−層を形成させた積層布(以下「熱
可塑性エラストマ−布」という)は、押し出しラミネ−
ト機又はカレンダ−ロ−ル機等の加工機によって製造さ
れることは良く知られている。
の如き熱可塑性エラストマ−布は、優れた耐摩耗性をも
つ等から、ゴム引布等に比較すれば、一層苛酷な環境で
使用されるもの、例えば、エア−クッション艇のフィン
ガ−スカ−トに用いられるようになってきているが、こ
のような過酷な環境での使用において、より良く、より
長く耐えるために、前記熱可塑性エラストマ−布を構成
するエラストマ−層は厚いものが要求されている。しか
しながら、このような要求に応えるべくエラストマ−層
の厚みを大きくするには、押し出しラミネ−ト機又はカ
レンダ−ロ−ル機等の加工機では、1回で基布の面に積
層できる熱可塑性エラストマ−の厚みには制約があり、
厚物専用の場合を除いて精々0.5mmが最大であり、
また、異種材料を2層或は2層以上の多層に成形する場
合を含めて、従来の加工機を用いた製造方法では数回に
渡り積層を繰り返して所望する厚みを出さねばならない
という多工数を要し、しかも、このように積層されたエ
ラストマ−層は、苛酷な環境条件では、層間剥離を発生
してしまう等、製品の耐久性も不十分といった課題があ
った。
ので、その目的とするところは、基布の面に熱可塑性エ
ラストマ−を数回に渡り積層して熱可塑性エラストマ−
層の厚みを大きくして熱可塑性エラストマ−層を積層構
成した場合でも、過酷な環境での使用においても層間界
面から剥離現象が生じない熱可塑性エラストマ−布の製
造方法を提供するものである。
に、本発明に係る複層構成の熱可塑性エラストマ−層を
もつ積層布の製造方法は、基布の面に、溶融状態にある
熱可塑性エラストマ−を供給し、前記熱可塑性エラスト
マ−を、織り組織状の凹凸面のある表面成形材の前記凹
凸面と前記基布との間に置いて押圧を加えて、前記熱可
塑性エラストマ−を前記基布に圧着した後、前記表面成
形材を剥離して凹凸表面をもつ下位熱可塑性エラストマ
−層を形成させ、前記下位熱可塑性エラストマ−層の凹
凸表面に溶融状態にある熱可塑性エラストマ−を供給し
て圧着して上位熱可塑性エラストマ−層を形成させてな
る。
テル繊維の織布であり、前記表面成形材である織布は織
密度が繊度よりも大なるように織成された合成繊維の織
布になるのが好ましい。また、前記表面成形材は、ポリ
アミド織布を使用し、低デニ−ルで高密度の織布、即
ち、織密度が経210(本/inch)、緯210(本
/inch)であり、繊度が経70(デニ−ル/本)、
緯70(デニ−ル/本)のものが最適である。
の凹凸面形状を形成してなるエンボスロ−ルであり、前
記表面成形材であるエンボスロ−ルは織密度が繊度より
も大なるように織成された合成繊維の織布の織り組織状
の凹凸面形状を有するのが好ましい。
に、予め接着剤層を形成させ、この接着剤層の面に溶融
状態にある熱可塑性エラストマ−を供給し、この熱可塑
性エラストマ−を、表面が織布の織り組織状の凹凸形状
をなす表面成形材と前記基布1との間で押圧した後、表
面成形材を剥離して凹凸表面をもつ下位熱可塑性エラス
トマ−層2を前記基布1の面に一体に形成させ、次に、
前記下位熱可塑性エラストマ−層2の凹凸表面に、更
に、溶融状態にある熱可塑性エラストマ−を供給して圧
着して上位熱可塑性エラストマ−層3を形成させること
によって、基布1の面に複層構成の熱可塑性エラストマ
−層を形成させた積層布を得る。
の凹凸表面を形成させるために、織布を表面成形材とし
て用い、この表面成形材と基布1との間で供給された熱
可塑性エラストマ−を押圧し、基布1の面に下位熱可塑
性エラストマ−層2を一体に形成させると共に前記表面
成形材を剥離して前記の下位熱可塑性エラストマ−層2
の表面に織り組織状の凹凸面を形成させるのが好まし
い。また、前記した表面成形材である織布として、織密
度が繊度よりも大なるように織成された合成繊維の織布
を用いるのが好ましい。
て、織布の織り組織状の凹凸形状を表面に刻んだエンボ
スロ−ルを用いることにより、また、前記した織り組織
状の凹凸形状として、織密度が繊度よりも大なるように
織成された合成繊維の織布の織り組織状の凹凸形状であ
るエンボスロ−ルを用いることによって複層構成の熱可
塑性エラストマ−層を形成させた積層布を得るのが好ま
しい。
の繊維で経13/inch、緯14/inchに織成さ
れたポリアミド織布の一面に接着剤を塗布し、この接着
剤塗布面に、押し出しラミネ−ト機から溶融状態にある
熱可塑性ポリウレタンをシ−ト状に押し出すと共に、後
述の表1に記載の各表面成形材を個別に前記熱可塑性ポ
リウレタンに当てて熱可塑性ポリウレタンを基布1と各
表面成形材で挟持するようにして基布1に圧着した後、
表面成形材を剥離し、織り組織状の凹凸表面が形成され
た下位熱可塑性ポリウレタン層2を基布1の面に積層し
た。
の表面に、押し出しラミネ−ト機から溶融状態にある熱
可塑性ポリウレタンをシ−ト状に押し出しロ−ルで押圧
し、上位熱可塑性ポリウレタン層3を一体に密着するよ
うに形成させた。
じ方法で、凹凸表面をもつ下位熱可塑性ポリウレタン層
を形成し、この下位熱可塑性ポリウレタン層に上位熱可
塑性ポリウレタン層とを形成させ、複層構成の熱可塑性
ポリウレタン層が基布の両面に形成された総厚みが3m
mの各積層布を得た。
が3mmの積層布と、表面成形をしない同じ厚みと構成
の熱可塑性ポリウレタン積層布とをエア−クッション艇
のフィンガ−スカ−トに加工し、エア−クッション艇に
装着して200時間の走行試験をしたところ、表面成形
を施さない積層布では層間剥離が生じたが、本発明の表
面成形を施した積層布では層間剥離を起こしたものはな
かった。
テル繊維からなる表面成形材である織布の織密度と繊度
の関係を示すもので、該表1に記載のポリアミド繊維か
らなる第1から第10の各織布、及びポリエステルから
なる第1から第6の各織布で表面成形した総厚みが3m
mの積層布は層間剥離を起こしたものはなかった。しか
し、織密度が繊度よりも小さい織布、即ち、表1中第6
乃至第10のポリアミド繊維の織布及び第6のポリエス
テル繊維の織布を表面成形材として用いた場合は、表面
成形材を下位熱可塑性エラストマ−から剥離するとき
に、周到な注意をもって作業をする必要がある。もし、
剥離を失敗して下位熱可塑性エラストマ−層の表面凹凸
形状を破損させた場合、下位熱可塑性ポリウレタン層と
上位熱可塑性ポリウレタン層との密着力に悪い影響を与
えることを考慮すれば、織密度が繊度よりも大きい織
布、即ち、表1中の第1乃至第5のポリアミドの織布及
び第1乃至第5のポリエステルの織布が剥離が容易で使
用に好適であり、就中、表1の第5のポリアミド織布の
如く、低デニ−ルで高密度の織布が最適である。なお、
この実施例1において、5040デニ−ルの繊維で経1
3/inch、緯14/inchに織成されたポリアミ
ド織布を使用したが、5040デニ−ルの繊維で経13
/inch、緯13/inchに織成されたポリアミド
織布からなる基布が好ましい。
エンボスロ−ルを用いて下位熱可塑性エラストマ−層2
の表面に凹凸形状を形成させる方法であり、エンボスロ
−ルの表面には、繊細な形状が刻設してあるので、エン
ボスロ−ルの製作費は高価であり、扱いにも細心の注意
を要し、また、摩耗もし易いので、積層布の生産コスト
は前記した表面成形材である織布を用いるのに比し、高
価になるのは免れないし、低い押圧力に頼らなければな
らない等の難点はあるものの、下位熱可塑性ポリウレタ
ン層2と上位熱可塑性ポリウレタン層3との密着力は、
表面成形材である織布と同様の満足するものが得られ
る。
に示す織密度と繊度の各種織り組織形状に刻設した、各
種凹凸形状のエンボスロ−ルを用いて表面成形した総厚
みが3mmの積層布をエア−クッション艇のフィンガ−
スカ−トに加工し、エア−クウション艇に装着して20
0時間の走行試験をした結果、層間剥離を生じたものは
なかった。しかし該エンボスロ−ルを用いる場合でも、
エンボスロ−ルの表面の凹凸形状は、表面成形時に、熱
可塑性エラストマ−がロ−ルにとられずに良好な表面成
形を得るために、織密度が繊度よりも大きい織成の織布
の織り組織形状に形成することが望ましい。
ポリウレタン層には、織り組織状に表面成形を施した方
が、表面成形を施さないものに比し、下位熱可塑性ポリ
ウレタン層と上位熱可塑性ポリウレタン層間で層間剥離
の現象は生じなくなるが、表面成形はエンボレスロ−ル
を用いるよりも織布を表面成形材とするのが、コスト、
作業性等の総合的見地から優位であり、織布を表面成形
材とする場合でも、繊密度が繊度よりも大きい織成の織
布を用いるのが一層優位である。
表面の凹凸形状は織密度が繊度よりも大きい織組織形状
のものがより有効である。
性エラストマ−層の表面に、前記熱可塑性エラストマ−
層が未だ可塑性を有するうちに、織り組織状の凹凸を形
成する表面加工を施すので、下位熱可塑性エラストマ−
層と上位エラストマ−層との界面は、表面積が大きくな
り密着強度が高まり、屈曲や振動に対して耐久性があ
り、層間で剥離することがない複層構成の熱可塑性エラ
ストマ−層をもつ積層布が得られる。
は機械の能力的に困難であった厚みの大きい熱可塑性エ
ラストマ−層をもつ積層布が得られ、また、基布の片面
又は両面に形成される熱可塑性エラストマ−は、実際に
は、複層構成であるにも拘らず、単層であると同等の強
度をもつものが得られる。その結果、従来の加工機を用
いても、限界的押し出し厚みにしないで最適厚みに押し
出し、この工程を繰り返すことによって所望する厚みの
熱可塑性エラストマ−層をもつ積層布が得られるように
なった。更に、本発明によって製造された積層布は過酷
な環境での使用に十分に耐える優れた製品として提供で
きる等の効果を奏する。
Claims (1)
- 【請求項1】 基布1の面に、溶融状態にある熱可塑性
エラストマ−を供給し、該熱可塑性エラストマ−を、織
り組織状の凹凸面のある表面成形材の該凹凸面と前記基
布1との間に置いて押圧を加えて熱可塑性エラストマ−
を基布1に圧着した後、前記表面成形材を剥離して凹凸
表面をもつ下位熱可塑性エラストマ−層2を形成させ、
次に、該下位熱可塑性エラストマ−層2の凹凸表面に溶
融状態にある熱可塑性エラストマ−を供給し圧着して上
位熱可塑性エラストマ−層3を形成させてなることを特
徴とする複層構成の熱可塑性エラストマ−層をもつ積層
布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29182697A JPH11115101A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 複層構成の熱可塑性エラストマ−層をもつ積層布の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29182697A JPH11115101A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 複層構成の熱可塑性エラストマ−層をもつ積層布の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11115101A true JPH11115101A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17773924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29182697A Pending JPH11115101A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 複層構成の熱可塑性エラストマ−層をもつ積層布の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11115101A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005007478A3 (en) * | 2003-07-10 | 2005-04-14 | Jhrg | Abrasion-resistant sheet material |
US7279142B2 (en) | 2000-08-18 | 2007-10-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Hydrogen refining apparatus |
JP2010058301A (ja) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Isamu Kuremoto | 皮革様シートへの型押し加工方法及びこれによって得られる皮革様シート |
JP2014037105A (ja) * | 2012-08-17 | 2014-02-27 | Okura Ind Co Ltd | 積層シートの製造方法および熱可塑性エラストマーシートの製造方法 |
-
1997
- 1997-10-09 JP JP29182697A patent/JPH11115101A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014037105A (ja) * | 2012-08-17 | 2014-02-27 | Okura Ind Co Ltd | 積層シートの製造方法および熱可塑性エラストマーシートの製造方法 |
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