JP3774935B2 - 剥離容易な積層シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、その層間で容易に剥離することができ、しかも一度剥離してしまうと元に戻せず、その剥離の形跡も残らない、熱可塑性合成樹脂を積層したシートの、押出しラミネーション、サンドイッチラミネーションによる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる積層シートは、親展はがきや配送伝票等を構成する素材として、多く用いられている。例えば、親展はがきに用いる場合には、その上側の基材層の裏面や下側の基材層の表面に情報を記載すれば、これは積層シートをその層間で剥離しない限り判読できないので、それまでは秘密状態が維持でき、かつ一度剥離するとこのシートは元に戻せないのであるから、この情報の盗み見も防止することができる。また、配送伝票に用いる場合には、下側基材層を透明なシートとして、この基材層とこれに隣接する層との間で剥離が起こるようにすれば、伝票としての必要事項を記載した上側基材層を、その使用後に、これが貼着された荷物等の表面から剥がしたときこの層間で剥離が起こるため、透明シートのみが荷物等の表面に残り、従ってその荷物等の表面が損傷することも、またその表面に印刷された文字、模様等が隠れることもない。
【0003】
このように、必要な剥離がその積層シートの所定の層間で起こるようにするため、基材と合成樹脂または合成樹脂同士の組合わせ、コロナ処理・オゾン処理等の基材や樹脂層に対する処理、樹脂層を積層する際の加工条件等が変えられて、基材と樹脂層または樹脂層間の接着強度が調節されるが、さらに、この層間が容易に剥離できるよう、剥離しようとする層を摘むためのきっかけとなる非接着領域が、通常はその同じ層間の一部に設けられる。加えて、上記の用途に用いられる積層シートにおいては、同じ層間で、接着強度が小さく剥離容易な部分(疑似接着領域)と、接着強度が大きく容易に剥離しない部分(完全接着領域)とが、両者共に存在することを要求される場合も多い。
【0004】
従来、同一層間にこうした非接着領域、疑似接着領域もしくは完全接着領域を形成するためには、あらかじめその一方の層に剥離剤非塗工部と剥離剤塗工部を作っておき、剥離剤が塗工されていなければこの層と完全接着するような条件でこれに樹脂を積層する、さもなければ接着剤塗工部と接着剤非塗工部を作っておき、接着剤が塗工されていなければこの層と疑似接着するような条件でこれに樹脂を積層する、という方法が一般に採用されてきた。
【0005】
また、かかる積層シートの製造にあたっては、積層樹脂の厚さのコントロールを始め、種々の積層加工上の条件設定が容易であること等から、Tダイ押出機を用いた押出しラミネーションや、サンドイッチラミネーションが用いられることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の方法では、積層シートの同一の層間に非接着領域、疑似接着領域もしくは完全接着領域を形成するため、そのどちらかの層にあらかじめ剥離剤や接着剤等を塗工しておくことが必要であった。しかもこれらを同時に形成しようとすると、同一層間に接着強度の全くない部分、弱い部分、そして大きい部分を形成しなければならないのであるから、使用する剥離剤等も1種類では難しくなる。加えて、これらの部分をやはり同一層間に何か所か形成する場合には、その数に応じて塗工する剥離剤等の種類を変え、塗り分けなければならなかった。
【0007】
本発明はかかる煩雑さを解消し、簡易、かつ効率的に、積層シートの層間に非接着領域を形成すべくなされたものである。
【0008】
また本発明は、必要に応じて、簡易、かつ効率的に、積層シートの同一層間に非接着領域と疑似接着領域を形成すべくなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明では、押出しラミネーション、またはサンドイッチラミネーションにより熱可塑性合成樹脂を基材上に積層するにあたり、表面に特定の加工を施したニップロールを使用する。これにより、積層時、各層間に付加される押付け圧を部分的に変え、その領域の接着強度を他の部分と異なったものとするのである。
【0010】
即ち本発明では、押出しラミネーションまたはサンドイッチラミネーションによる、熱可塑性合成樹脂を積層したシートの製造において、1層以上の熱可塑性合成樹脂層を基材上に積層する際、ニップロールとして、ロール表面に、その周面を一周する1以上の溝を形成したロールを用いることにより、製造される積層シートの層間の少なくとも一部に非接着領域を形成させる。あるいは、ニップロールとして、ロール表面に、その周面を一周する1以上の溝と、これらの溝のうち少なくとも一つと隣接して、かつロールの幅方向に対し部分的に区分されたその周面に、前記溝よりも深さの浅い凹部を形成したロールを用いることにより、製造される積層シートの層間の少なくとも一部に前記溝による非接着領域と前記凹部による疑似接着領域とを同時に形成させる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、熱可塑性合成樹脂を積層したシートの製造は、押出しラミネーションまたはサンドイッチラミネーションにより行う。ここで押出しラミネーションとは、図16に示すように、巻取20から繰出された基材21の一表面に、1層以上の熱可塑性合成樹脂22を溶融状態でTダイ製膜機23から押出して積層し、クーリングロール24とこれに対向するニップロール25との間で冷却しつつ圧着する方法である。またサンドイッチラミネーションとは、図17に示すように、繰出された基材21の一表面に、1層以上の熱可塑性合成樹脂22を溶融状態でTダイ製膜機23から押出して積層し、さらにこの樹脂層が固化する前に、サンド軸側から繰り出された別の基材28をこの樹脂層に重ねて、これらを一体としてクーリングロール24とニップロール25との間で冷却しつつ圧着する方法である。つまり本発明に係る積層シートは、何れの製造方法を用いるにしても、基材へ樹脂が積層された後、クーリングロールと、その表面に特定の加工が施されたニップロールにより冷却・圧着されて製造される。なおその際、必要に応じて、基材や熱可塑性合成樹脂の接着性を向上させるため、コロナ処理、オゾン処理等を行ってもよい。
【0012】
樹脂の積層時に用いるTダイとしては、例えばシングルTダイ、共押しTダイを挙げることができる。共押しTダイを用いれば、2種以上の樹脂を同時に押出すことができるので、基材上に2層以上の樹脂を積層する場合には適しているが、シングルTダイを用いてももちろん、基材上への樹脂の押出し・積層工程を繰り返すことにより、2層以上の樹脂を積層することができる。なお、共押しTダイには、ダイ内接着、ダイ外接着の2種があり、中でも共押しダイ外接着Tダイは、2種以上の樹脂を、温度条件を代えて同時に積層することができる点で優れている。
【0013】
ニップロールに形成する溝の深さは、少なくとも、ニップロールと接触する側の基材層(以下、ニップロール側基材層とする。)とこれに隣接する樹脂層とが、積層シートの製造時、このニップロールにより圧着された際にこの溝の部分に位置した領域において、非接着となるように設定する。
【0014】
なお、本発明において目的とする効果を生ずる溝の深さは、その幅や、これが形成されるニップロールの硬度、押付け圧等の影響を受ける。具体的には、その幅が狭い、ニップロールの硬度が硬い、または押付け圧が小さい場合は深さを小さく設定し、その幅が広い、ニップロールの硬度が柔らかい、または押付け圧が大きい場合は深さを大きく設定すればよいが、一般的な操業条件下で本発明の効果を発揮させるためには、ここで形成する溝の深さは、たとえこれを小さく設定する場合であっても、30μm以上あることが好ましい。また、溝の深さの上限については、本発明の効果との関係では特に定める必要はない。しかし現実的には、ニップロール加工上の技術的、経済的な制約により定められることになる。
【0015】
この溝により形成される非接着領域に隣接して、積層シートの同じ層間に疑似接着領域を生じせしめるよう、溝に隣接してニップロールに形成される凹部の深さは、この溝の深さよりも浅いものでなければならない。しかし、これがあまり浅くなると今度は、ニップロールのこの凹部による押付け圧が強くなり過ぎるため、適当な疑似接着が得られなくなる。かかる凹部による効果もまた、その幅、ニップロールの硬度、押付け圧等の影響を受けるが、このような理由から、その深さは少なくとも10μm以上であることが好ましい。
【0016】
また、この溝や凹部の幅は、積層シート層間に形成しようとする非接着領域・疑似接着領域の幅に従って定めればよい。しかし、非接着領域を層間剥離のきっかけとして利用する場合には、溝の幅は0.5〜4.0cmの範囲にあることが好ましい。これが0.5cm未満の場合は、形成される非接着領域の幅が狭すぎて、これを剥離のきっかけとしようとしても指で摘めなくなり、4.0cm以上になると、積層シートの取扱中にこの非接着部分が引っ掛かり、意図しない状況で剥離がおこる可能性が生ずる。
【0017】
本発明においてニップロールに形成する凹凸模様には特に制限はなく、格子模様、ストライプ模様、織物模様等を単独で、あるいは適宜組合わせて用いることができる。
【0018】
ニップロールに溝や凹部、凹凸模様を形成する方法としては、ニップロール自体を彫刻等の手段により直接加工する方法の他、無模様や凹凸模様等、様々な表面状態を有するシートをロール表面に貼り付ける方法等、種々の方法を用いることができる。特に、ロール表面にシートを貼り付ける方法は、ニップロールを直接加工する必要がないため、新たなロールを準備したり、加工したりすることなく、種々のタイプ・形状の非接着領域、疑似接着領域をその層間に有する積層シートを製造することができ、便利である。
【0019】
一方、本発明で積層シートの材料となる熱可塑性合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂の他、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド等、押出し法により基材への積層が可能な樹脂であれば、どのようなものでも使用することができる。
【0020】
また基材層としては、紙、合成樹脂フィルム、不織布、金属箔等を用いることができる。サンドイッチラミネーションにより積層シートの表裏両面に基材層を設ける場合、両基材層は同じものを用いても、異なる種類のものを組合わせて用いてもよい。
【0021】
なお、紙を基材層とする場合、用途に応じて、種々の加工を施した紙を使用することは有効である。例えば、積層シートの表面となる側に各種顔料を塗工して印刷適性、筆記性等を付与したり、あるいはそれ自身熱可塑性樹脂を積層して耐水化した紙、さらにはその熱可塑性樹脂に顔料を添加することで印刷適性、筆記性を付与した紙を用いることができる。また、この積層シートを配送伝票等として用いる場合には、その使用後に、荷物等に貼着される側の基材層がその荷物等の表面に残っても、これを透かしてその表面に印刷された文字等を読むことができるように、透明合成樹脂フィルムやグラシン紙をその基材層として使用することが好ましい。
【0022】
本発明に係る積層シートにおいて、その層間に形成される疑似接着領域の剥離強度は、剥離操作を容易に行なうことができるよう、通常は0.5〜200g/cm、特に2〜100g/cm(あらかじめ非接着領域に切込みを入れて剥離のきっかけとした幅10mmの積層シートについて、その疑似接着領域の90度剥離に要する力を、JIS Z 0237に準じて測定したもの。)の範囲にあることが好ましい。剥離強度が小さすぎれば意図しない状況で剥離が生ずるおそれがあり、剥離強度が大きすぎればその層間でのスムーズな剥離が困難となって、かかる積層シートに要求される基本的な性能が発揮できないことになるからである。また、この剥離操作に関しては、積層シートの非接着領域に、少なくともニップロール側基材層を貫き、かつ、積層シートのもう一方の側(以下、クーリングロール側とする。)の最外層までは達しない剥離用切込みを設けると、この領域を剥離のきっかけとして利用する場合に、指で摘みやすく便利となる。この切込みは積層シートの製造後、目的に応じた形状・サイズを適宜設定し、ロータリー切込みカッターや平版切込みカッター等を用いて設けることができる。一方、完全接着領域は、この積層シートの通常の取扱や、疑似接着領域の剥離操作に際して剥離してしまうことがないように、十分に強く接着されていることが必要である。
【0023】
ところで、ここで用いる剥離強度とは、接着強度に対応した概念を表す。即ち、二つの層間の結合の程度を、接着の強弱の観点から把握すると接着強度として表現でき、また剥離のし易さという観点から把握すると剥離強度として表現することとなる。従って、剥離強度が小さいということは接着強度が弱いということであり、剥離強度が大きいということは接着強度もまた強いということになる。
【0024】
以上より明らかなように、本発明は、基材への熱可塑性合成樹脂の圧着の際、各層間に付加される押付け圧を部分的に変えることにより、製造される積層シートの層間に非接着領域、あるいは非接着領域と疑似接着領域とを形成させるものであるが、層間の全体的な接着強度を調節するためには、基材の処理、熱可塑性合成樹脂の種類やその押出し温度、熱可塑性合成樹脂中への添加剤の使用、そしてその種類、使用量等の条件を適宜調整し、組合わせて用いればよい。例えば、グラフト変性ポリオレフィン、エチレンとアクリル酸もしくはアクリル酸エステルの共重合体等は、これが熱可塑性合成樹脂中に配合された場合、その樹脂と基材との接着強度を上げる方向に働き、一方、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド等は、熱可塑性合成樹脂と基材との接着強度を下げる方向へと働く。また通常、樹脂中に何らかの添加剤を加えれば、基材との接着強度は低下する方向に働くので、本来別の機能を有する静電防止剤、アンチブロック剤、紫外線吸収剤も、基材との接着強度を低下させるための添加剤として用いることができる。
【0025】
【作用】
本発明においては、押出しラミネーション、またはサンドイッチラミネーションにより熱可塑性合成樹脂を基材上に積層するにあたり、表面に特定の加工を施したニップロールを使用することで、積層時、各層間に付加される押付け圧を部分的に変え、その領域の接着強度を他の部分と異なったものとする。
【0026】
即ち、ニップロール表面に溝を形成することで、基材層への熱可塑性合成樹脂層の圧着の際、このロールの溝の部分に位置した積層シートの領域が、少なくともニップロール側基材層とこれに隣接する樹脂層との間で非接着となる。そして本発明では、この溝が、ニップロール周面を一周するように設けられるため、製造される積層シートは、その流れ方向に連続的に非接着領域を有することとなり、従って、これを流れ方向とは直行する方向に適当なサイズで切断することのみにより、所定の同じ位置に非接着領域を有する平判の積層シートが容易に製造される。
【0027】
一方、ニップロール表面に形成された凹部は、基材層への熱可塑性合成樹脂層の圧着の際、この部分に位置した積層シートの領域の少なくともニップロール側基材層とこれに隣接する樹脂層との間に、疑似接着領域を形成する働きを果たす。そして本発明において、この凹部は溝に隣接して設けられ、従って、形成される疑似接着領域もまた非接着領域に隣接することとなるので、この疑似接着領域を剥離する際、非接着領域を剥離のきっかけとして利用することができる。
【0028】
さらに、かかる溝や凹部以外のロール面は、積層シートの完全接着領域を形成する働きを有する。なお、凹部がその表面に形成されたロールを用いる場合には、このロールにおいて、その凹部、及び溝以外の他の表面は相対的に凸部を形成していることになるので、基材層と熱可塑性合成樹脂層との圧着時には、この部分に位置した領域にかなり強い押付け圧がかかる。従って、このとき形成される完全接着領域は一層強い接着強度を有することとなる。
【0029】
また、本発明においてニップロールの表面に形成される凹凸模様は、このロールを用いて製造される積層シートを剥離した際の剥離感に影響を与える。例えば、模様部分の凸部の間隔が比較的広い場合には、このような模様を有するロールを用いて基材層と熱可塑性合成樹脂層とを圧着すると、その凸部に位置する部分に押付け圧が集中するため、製造された積層シートのこの部分の接着強度が偏在的に強くなる。従って、基材層と樹脂層との圧着時にこの凹凸模様部分に位置した積層シートの領域は、全体的な接着強度は平坦な面で圧着された場合と変わらなくとも、その剥離感が重くなるのである。さらに、こうした凹凸の間隔のみならず、その凹凸模様の方向もまた、剥離感に影響を与える。例えばニップロールに、これを用いて製造される積層シートの剥離方向と直行する方向の模様、即ち、このロールに形成した溝に対して平行な線状の凸部を有する模様を設けた場合は、この凸部が剥離方向と同一方向を向いている場合と比べ、剥離感はかなり重くなり、甚だしい時には剥離することができなくなることもある。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0031】
[参考例1]図1及び2に示すように、幅40cm、直径20cm、JIS硬度82度のロールの中央部分に、円周方向へ一周する幅3cm、深さ200μmの溝2を彫ったニップロール1を用意した。
【0032】
一方、基材層である上質紙の表面に、エルカ酸アミド1000ppmを添加混合した溶融状態のポリプロピレンをTダイより300℃の温度で押出して積層し(溶融膜の積層速度100m/分、エアギャップ130mm)、この樹脂と基材とを上記ニップロールとク−リングロ−ルで冷却しつつ圧着することにより、厚さ15μmのポリプロピレン層が積層されたシ−トを得た。次いで、積層されたポリプロピレン層の基材層と接していない面に粘着剤を塗工し、その上に剥離紙を積層した。
【0033】
こうして得られた積層シート4は、ポリプロピレン層6と基材層5との圧着時にこのニップロール1に形成された溝2の部分に位置した領域の、そのポリプロピレン層6と基材層5との層間に非接着領域7を有している。実際に、この非接着領域7に基材層5のみを貫くように切込み8を設けた後、この積層シート4を適当なサイズにカットして平判とし、板紙9に貼付け、この切込み8によって浮上がった部分をきっかけとして摘んで、非接着領域7の両側の領域に向かってそれぞれ引張ったところ、双方の領域とも、ポリプロピレン層6と基材層5との層間で容易に剥離することができた(図3)。
【0034】
この積層シートの製造条件を表1に、また得られたシートの各領域の剥離強度を表2に示す。
【0035】
[参考例2]図4、5に示すように、幅40cm、直径20cm、JIS硬度82度のロールの中央部分に、円周方向へ一周する幅2cm、深さ200μmの溝102を彫り、さらにこの溝の一方の縁に接して、幅5mm、厚さ200μmの表面が平滑な塩化ビニル製シートを、やはりこのロールの円周方向へ一周するように貼付けて凸部111を形成することにより、ニップロール101を用意した。
【0036】
一方、基材層である両面コート紙の表面に、エルカ酸アミド1000ppmを添加混合した低密度ポリエチレンと、これを添加していない低密度ポリエチレンとを溶融状態で、エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレンが基材側となるように、内接着Tダイより290℃の温度で共押出しすることで積層し(溶融膜の積層速度120m/分、エアギャップ130mm)、引続き、これらの樹脂層が固化する前に、エルカ酸アミド無添加低密度ポリエチレン樹脂層側にもう一方の基材層となる上質紙を重ね、これらを一体として上記ニップロールとクーリングロールで冷却しつつ圧着することにより、ニップロール側から、基材層(両面コート紙:100μm)/エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレン層(10μm)/エルカ酸アミド無添加低密度ポリエチレン層(10μm)/基材層(上質紙:188μm)という構成を有する積層シートを得た。
【0037】
なおこのとき、エルカ酸アミド無添加低密度ポリエチレン層とクーリングロール側基材層との接着性を上げるために、このポリエチレン層の基材層と接着させる面に、濃度40g/m3 のオゾンガスを流量3m3 /時で吹付けてオゾン処理を行うとともに、クーリングロール側基材層にも、ポリエチレン層を接着させる面に9kw/m2 /分でコロナ処理を行った。
【0038】
こうして得られた積層シート104は、熱可塑性合成樹脂層と両基材層との圧着時にこのニップロール101に形成された溝102の部分に位置した領域の、エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレン層106とニップロール側基材層105との層間に非接着領域107を有しており、さらにこの非接着領域107を挟んで存在する領域の一方は、非接着領域107に接して、ニップロール101の凸部111により集中的に強く圧着されるために生ずる、極めて強い接着部112を有している。実際に、この非接着領域107にニップロール側基材層105のみを貫くように切込み108を設けた後、この積層シート104を適当なサイズにカットして平判とし、この切込み108によって浮上がった部分をきっかけとして摘んで、強接着部112を有さない領域に向かって引張ったところ、この領域は、エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレン層106とニップロール側基材層105との層間で容易に剥離することができた。しかし、これを強接着部112を有する領域に向かって引張ると、強接着部112がストッパーとして働くため、この領域は剥離することができず、無理に剥離しようとするとニップロール側基材層105が材破した(図6)。
【0039】
この積層シートの製造条件を表1に、また得られたシートの各領域の剥離強度を表2に示す。
【0040】
[実施例3]
図7、8に示すように、幅40cm、直径20cm、JIS硬度82度のロールの中央部分に、円周方向へ一周する幅2cm、深さ300μmの溝202を彫り、さらにこの溝202により区切られたロール面の一方の面に、約1cm間隔で幅2mmの線状の凸部211が溝202と平行に残るよう、50μmの深さでロールを彫刻して、この溝202と隣接した幅8cmの凹凸模様部215をその周面に設けることにより、ニップロール201を用意した。
【0041】
一方、基材層である上質紙の表面に、エルカ酸アミド800ppmを添加混合した低密度ポリエチレンとポリプロピレンとを溶融状態で、エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレンが基材側となるように、内接着Tダイより290℃の温度で共押出しすることで積層し(溶融膜の積層速度100m/分、エアギャップ130mm)、引続き、これらの樹脂層が固化する前に、ポリプロピレン樹脂層側にもう一方の基材層となるポリエステル(PET)フィルムを重ね、これらを一体として上記ニップロールとクーリングロールで冷却しつつ圧着した。次いで、積層されたクーリングロール側基材層のポリプロピレン層と接していない面に粘着剤を塗工し、その上に剥離フィルムを積層して、ニップロール側から、基材層(上質紙:103μm)/エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレン層(10μm)/ポリプロピレン層(10μm)/基材層(PETフィルム:30μm)/粘着剤/剥離フィルムという構成を有する積層シートを得た。
【0042】
なおこのとき、ポリプロピレン層とクーリングロール側基材層との接着性を上げるために、このポリプロピレン層の基材層と接着させる面に、濃度40g/m3 のオゾンガスを流量2m3 /時で吹付けてオゾン処理を行うとともに、クーリングロール側基材層にも、ポリエチレン層を接着させる面に8kw/m2 /分でコロナ処理を行った。
【0043】
こうして得られた積層シートは、熱可塑性合成樹脂層と両基材層との圧着時にこのニップロール201に形成された溝202の部分に位置した領域の、エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレン層とニップロール側基材層との層間に非接着領域を有しており、さらにこの非接着領域を挟んで存在する領域の一方は、ニップロール201の凹凸模様部215に存在する複数の凸部211により部分的に強く圧着されるために生ずる、複数の強接着部を有している。実際に、この非接着領域にニップロール側基材層のみを貫くように切込みを設けた後、この積層シートを適当なサイズにカットして平判とし、板紙に貼付け、この切込みによって浮上がった部分をきっかけとして摘んで、強接着部を有さない領域に向かって引張ったところ、この領域は、エルカ酸アミド添加低密度ポリエチレン層とニップロール側基材層との層間で、容易に剥離することができた。また、これを強接着部を有する領域に向かって引張ることにより剥離を試みても、剥離する層間及びその剥離強度の平均は強接着部を有しない領域を剥離する場合と変わらなかったが、この領域には剥離方向に直行する複数の強接着部が存在するため、その影響により、剥離感としては重く感じられた。従って、かかる凹凸模様もまた、これにより圧着される積層シートの領域に、剥離を阻害するストッパーを形成する効果があると言える。
【0044】
この積層シートの製造条件を表1に、また得られたシートの各領域の剥離強度を表2に示す。
【0045】
[実施例4]
図9、10に示すように、幅40cm、直径20cm、JIS硬度82度のロールの中央部分に、円周方向へ一周する幅2cm、深さ300μmの溝302を彫り、さらにこの溝に隣接するロール面の一方の面を彫刻して、幅10cm、深さ150μmの凹部316をその周面に設けることにより、ニップロール301を用意した。
【0046】
一方、基材層である上質紙の表面に、直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとを溶融状態で、直鎖状低密度ポリエチレンが基材側となるように、内接着Tダイより280℃の温度で共押出しすることで積層し(溶融膜の積層速度100m/分、エアギャップ130mm)、引続き、これらの樹脂層が固化する前に、ポリプロピレン樹脂層側にもう一方の基材層となる上質紙を重ね、これらを一体として上記ニップロールとクーリングロールで冷却しつつ圧着することにより、ニップロール側から、基材層(上質紙:240μm)/直鎖状低密度ポリエチレン層(5μm)/ポリプロピレン層(10μm)/基材層(上質紙:45μm)という構成を有する積層シートを得た。
【0047】
なおこのとき、ポリプロピレン層とクーリングロール側基材層との接着性を上げるために、このポリプロピレン層の基材層と接着させる面に、濃度40g/m3 のオゾンガスを流量2m3 /時で吹付けてオゾン処理を行うとともに、クーリングロール側基材層にも、ポリエチレン層を接着させる面に8kw/m2 /分でコロナ処理を行った。
【0048】
こうして得られた積層シート304は、熱可塑性合成樹脂層と両基材層との圧着時にこのニップロール301に形成された溝302の部分に位置した領域の、直鎖状低密度ポリエチレン層306とニップロール側基材層305との層間に非接着領域307を有している。また、この非接着領域307を挟んで存在する領域の一方は、この圧着時に、ニップロール301の凹部316により圧着されるため、未加工ロール面303に圧着されるもう一方の領域に比べ、圧着時に受ける押付け圧が小さく、その結果、接着強度の小さい疑似接着領域317を形成する。実際に、この非接着領域307にニップロール側基材層305のみを貫くように切込み308を設けた後、この積層シート304を適当なサイズにカットして平判とし、この切込み308によって浮上がった部分をきっかけとして摘んで、非接着領域307の両側の領域に向かって引張ったところ、双方の領域とも、直鎖状低密度ポリエチレン層306とニップロール側基材層305との層間で剥離することができたが、ニップロール301の凹部316に圧着された領域は容易に剥離できたのに対し、未加工ロール面303に圧着された領域の剥離にはかなり強い力を必要とした(図11)。
【0049】
この積層シートの製造条件を表1に、また得られたシートの各領域の剥離強度を表2に示す。
【0050】
[実施例5]
幅40cm、直径20cm、JIS硬度82度のロールに、図12、13に示すようにして、厚さ500μmの表面が平滑な塩化ビニル製シート、厚さ250μmのガラス繊維製ネットを貼付け、結果的に、円周方向へ一周する幅1cm、深さ500μmの溝402を7cm間隔で2本、さらにそのそれぞれの溝の端縁からロール端に向かって13cmの幅で、網目の凹凸模様が施された深さ250μmの凹部416をその周面に設けた、ニップロール401を用意した。
【0051】
一方、基材層である片面コート紙の非コート面に、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとを溶融状態で、低密度ポリエチレンが基材側となるように、外接着Tダイより、低密度ポリエチレンを290℃、直鎖状低密度ポリエチレンを310℃の温度で共押出しすることで積層し(溶融膜の積層速度100m/分、エアギャップ130mm)、引続き、これらの樹脂層が固化する前に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層側にもう一方の基材層となる両面コート紙を重ね、これらを一体として上記ニップロールとクーリングロールで冷却しつつ圧着することにより、ニップロール側から、基材層(片面コート紙:99μm)/低密度ポリエチレン層(15μm)/直鎖状低密度ポリエチレン層(15μm)/基材層(両面コート紙:100μm)という構成を有する積層シートを得た。
【0052】
なおこのとき、直鎖状低密度ポリエチレン層とクーリングロール側基材層との接着性を上げるために、このポリエチレン層の基材層と接着させる面に、濃度40g/m3 のオゾンガスを流量3m3 /時で吹付けてオゾン処理を行うとともに、クーリングロール側基材層にも、ポリエチレン層を接着させる面に9kw/m2 /分でコロナ処理を行った。
【0053】
こうして得られた積層シートは、熱可塑性合成樹脂層と両基材層との圧着時にこのニップロール401に形成された溝402の部分に位置した領域の、低密度ポリエチレン層とニップロール側基材層との層間に非接着領域を有している。また、この圧着時にニップロール401の凹部416により圧着された、非接着領域に隣接する領域は、実施例4の場合と同様に疑似接着領域を形成する。実際に、この非接着領域にニップロール側基材層のみを貫くように切込みを設けた後、この積層シートを適当なサイズにカットして平判とし、この切込みによって浮上がった部分をきっかけとして摘んで、非接着領域の両側の領域に向かって引張ったところ、ニップロール401の塩化ビニルシート貼付け面418に圧着された領域は、極めて強く接着しているため剥離できず、一方、凹部416に圧着された領域は、低密度ポリエチレン層とニップロール側基材層との層間で非常に容易に剥離することができた。
【0054】
このように、凹凸模様部をニップロールの凹部に設けても、製造される積層シートにおけるその効果は、ただの凹部によりもたされる効果と基本的に変わらず、熱可塑性合成樹脂層と両基材層との圧着時にこの凹部により圧着された領域は、やはり疑似接着領域を形成する。しかしこの場合は、疑似接着領域中に部分的に非接着点が混在することとなるため、この効果によって、その領域の剥離感は軽く感じられるようになる。なお、本実施例で作成した積層シートは、ニップロール401に塩化ビニル製シートを貼付けた面418に圧着された領域で極めて強く接着した。これは、ここで用いたロールの全体的な構成上、この面418が大きな凸部を形成しているとも言え、そのため、これにより圧着された領域に比較的大きな押付け圧がかかったからであると考えられる。
【0055】
この積層シートの製造条件を表1に、また得られたシートの各領域の剥離強度を表2に示す。
【0056】
[実施例6]
図14、15に示すように、幅40cm、直径20cm、JIS硬度82度のロールの中央部分に、円周方向へ一周する幅3cm、深さ300μmの溝502を彫り、さらにこの溝の一方の端縁からロール端まで、厚さ300μmのガラス布を貼付けるとともに、このロールのもう一方の端には、幅4cm、厚さ300μmの塩化ビニル製シートを、この端に沿って、やはりロールの円周方向へ一周するように貼付けることにより、溝502及びこれに隣接する凹部516をその周面に設けたニップロール501を用意した。
【0057】
一方、基材層である両面コート紙の表面に、エルカ酸アミド1200ppmを添加混合した直鎖状低密度ポリエチレンと、エルカ酸アミド500ppmを添加混合した低密度ポリエチレンとを溶融状態で、直鎖状低密度ポリエチレンが基材側となるように、内接着Tダイより310℃の温度で共押出しすることで積層し(溶融膜の積層速度100m/分、エアギャップ130mm)、これらを一体として上記ニップロールとクーリングロールで冷却しつつ圧着することにより、ニップロール側から、基材層(両面コート紙:130μm)/エルカ酸アミド1200ppm添加直鎖状低密度ポリエチレン層(5μm)/エルカ酸アミド500ppm添加低密度ポリエチレン層(15μm)という構成を有する積層シートを得た。
【0058】
こうして得られた積層シートは、熱可塑性合成樹脂層と基材層との圧着時にこのニップロール501に形成された溝502の部分に位置した領域の、直鎖状低密度ポリエチレン層と基材層との層間に非接着領域を有している。また、この圧着時にニップロール501の凹部516により圧着された、非接着領域に隣接する領域は、実施例4及び5の場合と同様に疑似接着領域を形成する。実際に、この非接着領域に基材層のみを貫くように切込みを設けた後、この積層シートを適当なサイズにカットして平判とし、この切込みによって浮上がった部分をきっかけとして摘んで、非接着領域の両側の領域に向かって引張ったところ、ニップロール501のガラス布貼付け面518に圧着された領域は剥離できず、一方、凹部516に圧着された領域は、直鎖状低密度ポリエチレン層と基材層との層間で容易に剥離することができた。なおここで、ニップロール501のガラス布貼付け面518により圧着された領域が剥離できなかったのは、このガラス布の布目により形成される凹凸模様の複数の凸部が、かかる領域内を部分的に強く圧着し、その結果、この領域に複数の強接着部が形成されたためであると考えられる。
【0059】
この積層シートの製造条件を表1に、また得られたシートの各領域の剥離強度を表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、ニップロールに溝を形成することのみにより、押出しラミネーションまたはサンドイッチラミネーションにて効率的に、積層シートの層間に非接着領域を形成することができる。
【0063】
また本発明によれば、ニップロールに溝及びこれよりも深さの浅い凹部を形成することのみにより、押出しラミネーションまたはサンドイッチラミネーションにて効率的に、積層シートの同一層間に、非接着領域と疑似接着領域とを同時に形成することができる。
【0064】
さらに本発明においては、非接着領域、あるいは非接着領域と疑似接着領域を一回の工程で同時に2か所以上、形成することができる。
【0065】
加えて本発明においては、かかるニップロールの適当な位置に凹凸模様を施すことで、これを用いて製造される積層シートの剥離し易さ・し難さを、微妙に調節することもできる。
【0066】
しかも本発明においては、こうした非接着領域、あるいは非接着領域と疑似接着領域の形成に際して、その層間に剥離剤等を塗工する必要は一切ない。
【0067】
また、ニップロールへの溝や凹部、凹凸模様の形成を、様々な表面状態を有するシートをロール表面に貼付けることによって行えば、新たなロールを準備したり、加工したりすることなく、非接着領域、あるいは非接着領域と疑似接着領域を有する積層シートを製造することができて便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1において使用したニップロールの概略断面図である。
【図2】参考例1において使用したニップロールの概略平面図である。
【図3】参考例1において製造された積層シートを板紙に貼付けた状態を示す、概略断面図である。
【図4】参考例2において使用したニップロールの概略断面図である。
【図5】参考例2において使用したニップロールの概略平面図である。
【図6】参考例2において製造された積層シートの概略断面図である。
【図7】実施例3において使用したニップロールの概略断面図である。
【図8】実施例3において使用したニップロールの概略平面図である。
【図9】実施例4において使用したニップロールの概略断面図である。
【図10】実施例4において使用したニップロールの概略平面図である。
【図11】実施例4において製造された積層シートの概略断面図である。
【図12】実施例5において使用したニップロールの概略断面図である。
【図13】実施例5において使用したニップロールの概略平面図である。
【図14】実施例6において使用したニップロールの概略断面図である。
【図15】実施例6において使用したニップロールの概略平面図である。
【図16】押出しラミネーションによる積層シートの製造方法を示す、説明図である。
【図17】サンドイッチラミネーションによる積層シートの製造方法を示す、説明図である。
【符号の説明】
1、101、201、301、401、501 ニップロール
2、102、202、302、402、502 溝
3、103、103´、203、303 未加工ロール面
4、104、304 積層シート
5、105、305 ニップロール側基材層
6、106、113、306、313 熱可塑性合成樹脂層
7、107、307 非接着領域
8、108、308 切込み
9 板紙
10 粘着剤層
20、27 巻取
21、28 基材
22 熱可塑性合成樹脂
23 Tダイ製膜機
24 クーリングロール
25 ニップロール
26、29 積層シート
111、211 凸部
112 強接着部
114 クーリングロール側基材層
215 凹凸模様部
316、416、516 凹部
317 疑似接着領域
418、518 シート貼付け面
Claims (2)
- 押出しラミネーションまたはサンドイッチラミネーションによる、クーリングロールとこれに対向するニップロールとの間で冷却・圧着して熱可塑性合成樹脂を積層したシートの製造方法であって、1層以上の熱可塑性合成樹脂層をニップロール側基材上に積層する工程において、ニップロールとして、ロール表面に、その周面を一周する深さ30μ以上、幅0.5〜4cmである1以上の溝と、これらの溝のうち少なくとも一つと隣接して、かつロールの幅方向に対し部分的に区分されたその周面に、前記溝よりも深さの浅い凹部を形成したロールを用いることにより、製造される積層シートの層間の少なくとも一部に前記溝による非接着領域と前記凹部による疑似接着領域とを同時に形成させ、さらに前記非接着領域に、少なくともニップロール側基材層を貫き、かつ積層シートのもう一方の側の最外層までは達しない剥離用切込みを設けたことを特徴とする、剥離容易な積層シートの製造方法。
- 前記ニップロールとして、ロールの全周面またはロールの幅方向に対し部分的に区分された1以上の周面に凹凸模様を設けたロールを用いることを特徴とする、請求項1に記載の剥離容易な積層シートの製造方法。
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