JP4830726B2 - ロール状積層体およびそれを用いた容器 - Google Patents

ロール状積層体およびそれを用いた容器 Download PDF

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本願発明は、ロール状積層体およびそれを用いた容器に関する。
紙基材の表面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルムが積層された積層体は、包装材料として広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。例えば、液体用紙容器、冷凍食品用カートン、紙トレー、紙カップ等の用途には好適に使用されている。そして紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルムを積層させる方法としては、紙基材を繰り出しロールから順次繰り出すとともに、押出機から熱可塑性樹脂をフィルム状に押し出し、冷却ロールとこれに圧接された圧着ロールとの間で、熱可塑性樹脂フィルムと紙基材とを接着させる押出コーティングが一般的である。
特開平8−244831号公報
しかしながら、従来の押出コーティング法により熱可塑性樹脂フィルムを紙基材上に一様に積層させた積層体では、紙基材と熱可塑性樹脂とが強力に接着しているため、紙基材から熱可塑性樹脂を十分に剥離させることができないという問題がある。紙基材に熱可塑性樹脂の一部が残った状態であると、紙としての再利用が困難となる。一方、紙基材と熱可塑性樹脂との接着を弱めると、積層体を製品に加工する際および加工された製品を使用する際に熱可塑性樹脂が意図せず剥離してしまうという問題がある。
そこで、本発明者らは、紙基材と紙基材上に押出コーティングにより積層された熱可塑性樹脂層とが非接着されている部分と弱接着されている部分とを設けることにより、剥離強度が調整されたロール状積層体の作製を試みたところ、紙基材と熱可塑性樹脂層との間にエア溜まりが発生するという問題に直面した。このようなエア溜まりは、ロール状積層体の意匠性を低下させたり品質にばらつきを生じさせるばかりか、製造機械にダメージを与えることもある。
したがって、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、製品に加工する際および加工された製品を使用する際に熱可塑性樹脂層が簡単に剥がれることなく、使用後に人間の力程度で熱可塑性樹脂層を容易に剥離させることができ、且つ品質の安定したロール状積層体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための第一の発明は、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは沈降性炭酸カルシウムを含む表面コート剤の塗布による平滑化加工が施された表面を有する紙基材の平滑化加工表面に非接着印刷インキを部分的に印刷して非接着印刷層を部分的に形成し、平滑化加工表面および非接着印刷層上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることによりオレフィン系熱可塑性樹脂層を積層して、平滑化加工表面とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを接着させ且つ非接着印刷層とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを非接着させた積層体を巻回してなるロール状積層体であって、非接着させた部分が、ロール状積層体の巻回方向と同一方向に連続して存在することを特徴とするロール状積層体である。
第二の発明は、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは沈降性炭酸カルシウムを含む表面コート剤の塗布による平滑化加工が施された表面を有する紙基材の平滑化加工表面に非接着印刷インキを部分的に印刷して非接着印刷層を部分的に形成し、平滑化加工表面および非接着印刷層上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることによりオレフィン系熱可塑性樹脂層を積層して、平滑化加工表面とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを接着させ且つ非接着印刷層とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを非接着させた積層体を巻回してなるロール状積層体であって、非接着させた部分が、ロール状積層体の両側端の一方から他方に向かって帯状に存在すると共に、その非接着させた帯状部分巻回方向の上流側に位置する上流端と巻回方向の下流側に位置する下流端とを有し、その上流端の形状が、ロール状積層体の両側端の一方から他方に向かって単調に傾斜する形状であるか、または巻回方向に対して一つの頂部を有し且つこの頂部からロール状積層体の両側端に向かってそれぞれ単調に傾斜する形状であることを特徴とするロール状積層体である。
上記ロール状積層体の非接着印刷層は、紙基材の面積に対して50%〜99%形成されていることが好ましい
本発明によれば、製品に加工する際および加工された製品を使用する際に熱可塑性樹脂層が簡単に剥がれることなく、使用後に人間の力程度で熱可塑性樹脂層を容易に剥離させることができ、且つ品質の安定したロール状積層体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るロール状積層体を切断して得られるシート状積層体の模式断面図であり、図2は、実施の形態1に係るロール状積層体の模式斜視図である。図1および2に示すように、本実施の形態に係るロール状積層体は、平滑化加工が施された表面1を有する紙基材2と、平滑化加工が施された表面1上に部分的に形成された非接着印刷層3と、紙基材2の平滑化加工が施された表面1および非接着印刷層3上に積層されたオレフィン系熱可塑性樹脂層4とを備える積層体をロール状に巻回してなるものである。そして、非接着印刷層3が形成されていない部分である紙基材2の平滑化加工が施された表面1と、オレフィン系熱可塑性樹脂層4とは弱接着されており(弱接着させた部分)、非接着印刷層3とオレフィン系熱可塑性樹脂層4とは接着されておらず(非接着させた部分)、オレフィン系熱可塑性樹脂層4は紙基材2から剥離可能なように構成されている。さらに、図2に示すように、本実施の形態に係るロール状積層体の非接着印刷層3(非接着させた部分)は、ロール状積層体の巻回方向と同一方向に連続して存在するように形成されている。本実施の形態において、「非接着印刷層がロール状積層体の巻回方向と同一方向に連続して存在する」とは、非接着させた部分(非接着印刷層3)が、ロール状積層体の幅方向に分断されていないことを意味する。一方、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを弱接着させた部分(平滑化加工が施された表面1)も、ロール状積層体の巻回方向と同一方向に連続して存在するように構成されている。なお、図2において、オレフィン系熱可塑性樹脂層4は省略されている。
このように、本実施の形態に係るロール状積層体では、非接着させた部分と弱接着させた部分とをストライプ状に設けることで、押出コーティングの際にエアは非接着させた部分を通ってロール状積層体の巻回方向(紙基材2の繰り出し方向)と反対の方向に抜かれるため、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層4との間にエア溜まりが発生することがない。
本実施の形態に係るロール状積層体における紙基材2としては、コートボール、カード紙、アイボリー紙、マニラボール等の板紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、クラフト紙、上質紙等の公知の紙の少なくとも片面に平滑化加工が施されたものであればよいが、紙基材の平滑性は、平滑化加工が施された表面1とオレフィン系熱可塑性樹脂層4との剥離強度に影響を与えるため、その表面のベック式平滑度が好ましくは25秒以上、更に好ましくは80〜400秒である紙基材が好ましい。平滑化加工が施された表面1のベック式平滑度が上記範囲内であれば、ロール状積層体あるいはシート状積層体が実用上の構造的な一体性を損なうことなく、使用後の易剥離性をより向上させることができる。ここでのベック式平滑度は、JIS P 8119に基づき、ベック式平滑度試験機を用いて、紙基材2の表面と光学的平面仕上げのガラス製標準面との間を通って、密閉減圧された器内に一定量の空気が浸入するのに掛かる時間(秒)を測定したものである。測定は5回行い、その算術平均を紙基材2のベック式平滑度とする。
紙基材2の坪量は特に限定されるものではなく、ロール状積層体あるいはシート状積層体を用いる製品の形態に応じて適宜決定すればよい。
上述したような平滑化加工としては、紙加工の分野で広く行なわれているクレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、沈降性炭酸カルシウム等を含む表面コート剤を紙基材2に塗布(コート)する方法が挙げられる。これらの中でも所望の平滑度を得つつ加工コストを低減する観点から、クレーを含む表面コート剤を塗布することが好ましい。紙基材2に対する表面コート剤の塗布量は特に限定されるものではないが、5〜20g/mの範囲が好ましい。塗布量が5g/m未満であると平滑化加工が施された表面1とオレフィン系熱可塑性樹脂層4との剥離強度が必要以上に高くなることがあり、また塗布量が20g/mを超えると剥離強度にばらつきが生じ易くなるため好ましくない。
本実施の形態に係るロール状積層体における非接着印刷層3は、平滑化加工が施された表面1に非接着印刷インキを部分的に印刷することにより形成される。ここでいう「部分的」とは、紙基材2の平滑化加工が施された表面1すべてが非接着印刷層3により覆われておらず、非接着印刷層3と、平滑化加工が施された表面1が露出した部分とが混在することを意味する。そして、紙基材2の平滑化が施された表面1上に形成された非接着印刷層3は、その上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングにより積層させても接着せず、非接着部分となる。一方、非接着印刷層3を形成しない部分(紙基材2の平滑化加工が施された表面1)は、その上に積層されるオレフィン系熱可塑性樹脂層4と弱接着し、弱接着部分となる。非接着部分と弱接着部分との割合は、積層体を用いた製品の形態に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは、紙基材2の面積に対して、非接着印刷層3が50%〜99%になるように形成する。さらに好ましくは50%〜95%である。紙基材2の面積に対する非接着印刷層3の面積が50%未満になるとオレフィン系熱可塑性樹脂層4を紙基材2から剥離させ難くなることがあり、99%を超えるとロール状積層体あるいはシート状積層体を製品に加工する際および加工された製品を使用する際にオレフィン系熱可塑性樹脂層4が意図せず剥離してしまうことがある。
本実施の形態で使用する非接着印刷インキとしては、ポリアミド系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、アクリル系、塩素化ポリプロピレン、ブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の樹脂を主成分とするものが挙げられる。このような非接着印刷インキの中でも、耐熱性およびポリオレフィン系樹脂との非接着性に優れているアクリル系樹脂、硝化綿を主成分とするものが好ましい。また、必要に応じて、上記樹脂の他にシリコーン、顔料等を非接着印刷インキに添加してもよい。特に非接着印刷インキに顔料を添加することで、製品の審美性を向上させることができるとともに、製品の使用者が非接着部分と弱接着部分とを明確に見分けることができる。
印刷方法としては、ロール状積層体の巻回方向と同一の方向に非接着印刷層3が連続して存在するように形成可能な印刷方法であれば特に限定されないが、塗布量が安定していることおよび生産性が高いことから、版の継ぎ目のない円筒印刷版を用いたグラビア印刷を採用することが好ましい。また、平滑化加工が施された表面1に対する非接着印刷インキの塗布量は特に限定されるものではないが、0.5〜10g/mであることが好ましく、1〜5g/mであることが更に好ましい。塗布量が0.5g/m未満であると非接着印刷層3とオレフィン系熱可塑性樹脂層4とが接着してしまうことがあり、また10g/mを超える量を塗布することはコストの無駄が多くなるため好ましくない。また、グラビア印刷により10g/mを超える量を塗布することは難しい。
また、非接着印刷層3を形成しない部分(平滑化加工が施された表面1が露出した部分)にはコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理を施すことで紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層4との間の剥離強度を調整することができる。コロナ放電処理は、公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気中に剥離用印刷層3が形成された紙基材2を通過させることにより行うことができる。このときのコロナ放電出力は、1〜10kWが好ましく、更に好ましくは4〜6kWである。
本実施の形態で使用するオレフィン系熱可塑性樹脂は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、チーグラー系低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン等が挙げられる。これらの中でもコスト、加工適性、紙基材との弱接着性および容器としての耐熱性を考慮するとポリプロピレンが好ましい。
本実施の形態では、弱接着させた部分および非接着させた部分を巻回方向と平行に設けたが、本発明の効果を損なわない範囲で、弱接着部分および非接着部分を巻回方向に対して傾斜するように設けてもよい。さらに、本実施の形態では、弱接着部分を直線帯状に4本、非接着部分を直線帯状に3本設けたが、これらの本数は特に限定されるものではなく必要に応じて適宜設ければよく、また、直線帯状以外にジグザグ帯状あるいは波線帯状に設けてもよい。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、上記弱接着部分の内側に非接着部分が存在してもよい。
また、弱接着部分の剥離強度は、0.049N/15mm幅以上であることが好ましい。剥離強度がこの値未満であると、ロール状積層体の製造時および加工時に、オレフィン系熱可塑性樹脂と紙基材の接着が不十分な場合がある。適切な剥離強度は、弱接着部分と非接着部分とで形成される模様および加工される容器の種類によって異なるため適宜決定する。剥離強度は、オレフィン系熱可塑性樹脂の種類、押出コーティングの加工条件等を変化させることによって適宜増減することができる。
なお、剥離強度の測定は、まずロール状積層体の弱接着部分のみを15mm幅にて100mm切り出して試験片とし、切り出した試験片の一方から紙と樹脂フィルムとを60mmまで剥がし、引張り試験機の両チャックにそれぞれチャッキングする。チャック間距離は100mmとする。そして25℃雰囲気下、50mm/minの引張り速度で180度方向に剥がし、最大荷重を測定する。測定は10回行い、その算術平均を剥離強度とする。また、ロール状積層体における弱接着部分と非接着部分との具体的な態様によって、15mm幅にての試験片が得られない場合がある。この場合、15mm幅以下の試験片を採取して剥離強度を測定し、これを15mm幅の試験片を試験した値に換算して、弱接着部分の剥離強度の値とする。
なお、上記実施の形態に係るロール状積層体において、本発明の効果を損なわない範囲で、オレフィン系熱可塑性樹脂層4の上に、アルミニウム箔、PET等からなる層を適宜積層してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、平滑化加工が施されていない紙基材の面に熱可塑性樹脂等からなる層を積層してもよい。また、上記実施の形態では、片面に平滑化加工が施された紙基材を用いたロール状積層体について説明したが、両面に平滑化加工が施された紙基材を用い、それぞれの面に、非接着印刷層を部分的に形成させ、その上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層させることも可能である。
次に、本実施の形態に係るロール状積層体の製造方法について説明する。この製造方法では、まず紙基材2の平滑化加工が施された表面1上に非接着印刷インキを部分的に印刷して、非接着印刷層3を部分的に形成する。印刷方法としては、平滑化加工が施された表面1上に非接着印刷層3がロール状積層体の巻回方向と同一の方向に連続して存在するように形成可能な印刷方法であれば特に限定されず、グラビア印刷、平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等を用いることができる。これらの中でも塗布量が安定していること、生産性が高いこと、および製品加工時の押出加工適性が良好なことから、版の継ぎ目のない円筒印刷版を用いたグラビア印刷を採用することが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ロール状積層体を用いた製品の審美性を向上させるために、非接着印刷層3を形成する前に紙基材2の平滑化加工が施された表面1または背面に絵柄・表示等の印刷を行ってもよい。
ついで、紙基材2の平滑化加工が施された表面1および非接着印刷層3上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることによりオレフィン系熱可塑性樹脂層4を積層させて積層体とし、これをロール状に巻回することによりロール状積層体が得られる。押出コーティングの加工条件としては、例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用した場合、押出温度を270℃〜300℃に設定し、ラインスピード(紙基材2の繰り出し速度)を60〜200m/minの範囲に設定すればよい。本実施の形態に係るロール状積層体の製造においては、ロール状積層体の巻回方向と同一の方向に連続して存在するように非接着印刷層3が形成された紙基材2を用いているので、押出コーティングの際にエアは非接着部分を通って紙基材2の繰り出し方向(巻回方向)と反対の方向に抜かれるため、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層4との間にエア溜まりが発生することがない。これに対して、例えば、図3に示すように、平滑化加工が施された表面1上において非接着印刷層3が分断部5(非接着印刷インキが幅方向に連続して塗布されていない部分)により分断されることにより巻回方向と同一の方向に不連続に存在する紙基材2を用いると、押出コーティングの際に紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層4とが分断部5において弱接着される。これによりエアは非接着部分を通って抜かれないため、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層4との間の分断部5の近傍にエア溜まりを発生させる。このようなエア溜まりはロール状積層体の意匠性を低下させたり品質にばらつきを生じさせるばかりか、製造機械にダメージを与えることもある。
上記したオレフィン系熱可塑性樹脂層4の厚さは特に限定されるものではないが、15〜150μmの範囲で形成することが好ましく、30〜120μmの範囲で形成することが更に好ましい。
また、上記ではオレフィン系熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用した場合の押出コーティング加工条件について説明したが、他のオレフィン系熱可塑性樹脂においても樹脂の性状に応じて加工条件を適宜設定することができる。
実施の形態2.
図4は、本実施の形態2に係るロール状積層体の模式斜視図である。図4に示すように、本実施の形態に係るロール状積層体は、平滑化加工が施された表面1を有する紙基材2と、平滑化加工が施された表面1上に部分的に形成された非接着印刷層3と、紙基材2の平滑化加工が施された表面1および非接着印刷層3上に積層されたオレフィン系熱可塑性樹脂層(図示せず)とを備える積層体をロール状に巻回してなるものである。そして、非接着印刷層3が形成されていない部分である紙基材2の平滑化加工が施された表面1と、オレフィン系熱可塑性樹脂層とは弱接着されており(弱接着させた部分)、非接着印刷層3とオレフィン系熱可塑性樹脂層とは接着されておらず(非接着させた部分)、オレフィン系熱可塑性樹脂層は紙基材2から剥離可能なように構成されている。さらに、本実施の形態に係るロール状積層体の非接着印刷層3(非接着させた部分)の巻回方向に対する上流端6は、ロール状積層体の両側端の一方から他方に向かって単調に傾斜する形状を有するように形成されている。本実施の形態において、「単調に傾斜する」とは、谷部(凹部)を形成することなく傾斜していることを意味する。一方、非接着印刷層3(非接着させた部分)の巻回方向に対する下流端7も、上流端6と同様の形状を有するように形成され、非接着させた部分が帯状となっている。また、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを弱接着させた部分(平滑化加工が施された表面1)も、非接着させた部分と同じように構成されている。
このように、本実施の形態に係るロール状積層体では、非接着させた部分と弱接着させた部分とをロール状積層体の両側端の一方から他方に向かって単調に傾斜するように交互に設けることで、押出コーティングの際にエアは非接着させた部分を通ってロール状積層体の巻回方向(紙基材2の繰り出し方向)と反対の方向に抜かれるため、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層との間にエア溜まりが発生することがない。
なお、実施の形態2では、非接着させた部分の巻回方向に対する下流端7の形状は、上流端6と同様の形状としたが、下流端7の形状は、エア溜まりの発生に影響を与えないので、この形状に限定されるものではない。
実施の形態2に係るロール状積層体は、弱接着させた部分と非接着させた部分とが上記のように設けられている以外は実施の形態1に係るロール状積層体と同じ構成であるので、各層の構成、製造方法等の詳細な説明を省略する。
実施の形態3.
図5は、本実施の形態3に係るロール状積層体の模式斜視図である。図に示すように、本実施の形態に係るロール状積層体では、非接着印刷層3(非接着させた部分)の巻回方向に対する上流端6が、巻回方向に対する一つの頂部8を有し且つこの頂部8から両側端に向かってそれぞれ単調に傾斜する形状(V字状)、換言すれば、両側端間で巻回方向に対して一つの山部(凸部)を有するように形成されている。一方、非接着印刷層3(非接着させた部分)の巻回方向に対する下流端7も、上流端6と同様の形状を有するように形成され、非接着させた部分が帯状となっている。また、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを弱接着させた部分(平滑化加工が施された表面1)も、非接着させた部分と同じように構成されている。
図6は、上記ロール状積層体の変形例の模式斜視図である。このロール状積層体は、非接着印刷層3(非接着させた部分)の巻回方向に対する上流端6および下流端7が円弧状を有するように形成されている以外は、上記ロール状積層体と同様の構成である。
本実施の形態に係るロール状積層体では、非接着させた部分の巻回方向に対する上流端6の形状を、巻回方向に対する一つの頂部8を有し且つこの頂部8から両側端に向かってそれぞれ単調に傾斜する形状とすることで、押出コーティングの際にエアは非接着させた部分を通ってロール状積層体の巻回方向(紙基材2の繰り出し方向)と反対の方向に抜かれるため、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層との間にエア溜まりが発生することがない。
これに対して、例えば、図7に示すように、非接着印刷層3の巻回方向に対する上流端6が、巻回方向と反対の方向に対して一つの頂部9を有し且つこの頂部9から両側端に向かってそれぞれ単調に傾斜する形状を有する場合、エアは紙基材2の巻回方向と反対の方向に抜かれずに、紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂層との間の頂部9近傍にエア溜まりを発生させる。このようなエア溜まりはロール状積層体の意匠性を低下させたり品質にばらつきを生じさせるばかりか、製造機械にダメージを与えることもある。
なお、実施の形態3では、非接着させた部分の巻回方向に対する下流端7の形状は、上流端6と同様の形状としたが、下流端7の形状は、エア溜まりの発生に影響を与えないので、この形状に限定されるものではない。
実施の形態3に係るロール状積層体は、弱接着させた部分と非接着させた部分とが上記のように設けられている以外は実施の形態1に係るロール状積層体と同じ構成であるので、各層の構成、製造方法等の詳細な説明を省略する。
次に、本発明に係るロール状積層体の容器への加工方法について説明する。上述したロール状積層体を所定の長さに切断してシート状積層体とし、これを加工して、トレー、カートン、ウェッブコーナー型容器等の製品を製造することができる。具体的には、トレーのような容器は、まずシート状積層体を所定の容器ブランクシートに打ち抜き、必要箇所に罫線を設けた後、雄型と雌型よりなるプレス型に容器ブランクシートを挟み、加熱加圧して成形する絞り成形という公知の製造方法により製造することができる。また、カートン、ウェッブコーナー型容器のような容器は、まずシート状積層体を所定の容器ブランクシートに打ち抜き、必要箇所に罫線を設けた後、罫線に沿って折り曲げ、必要箇所を貼り合せ・接着して組み立てるという公知の製造方法により製造することができる。積層体を加工する際には、剥離可能に積層されたオレフィン系熱可塑性樹脂層4が容器の少なくとも内面(容器に収容される内容物と接触する側)になるように加工することが好ましい。
このようにして製造される容器等の製品は、使用後に、紙基材2からオレフィン系熱可塑性樹脂層4を容易に剥離させることができるので、紙およびプラスチックを分別回収・再利用することができる。そのため、本発明のロール状積層体から得られる容器等の製品は、資源の有効利用および地球環境保護という面からみて極めて優れたものであるといえる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、それらは例示であって本発明を限定するものではない。
<実施例1>
片面がクレーコートされた紙基材である坪量320g/mの板紙(幅895mm×長さ2000m、NEWウルトラH;日本大昭和板紙株式会社製)のクレーコート面(ベック式平滑度265秒)に、硝化綿を主成分とする剥離用印刷インキ(CP−2K;大日精化工業株式会社製)を版の継ぎ目のない円筒印刷版を用いたグラビア印刷で部分的に印刷し、図2に示されるようにクレーコート面上に非接着印刷層を部分的に形成した。次に、紙基材を繰り出しロールから繰り出すとともに、ポリプロピレン樹脂(F109V;(株)プライムポリマー製、融点162℃)を押出し機のダイより押出し、紙基材のクレーコート面および非接着印刷層上に厚さ60μmのポリプロピレン樹脂層を積層し、これをロール状に巻回してロール状積層体を得た。ロール状積層体の製造中、ポリプロピレン樹脂層の剥離は起こらず、また、製造機械に不都合はなかった。このときの加工条件は、押出温度280℃およびラインスピード(巻回速度)70m/minに設定した。得られた実施例1のロール状積層体にエア溜まりは一切見られなかった。
次に、実施例1のロール状積層体を445mm×610mmのシート状に切断した後、直径185mmの円形ブランクシートに打ち抜き、そのブランクシートの必要箇所に罫線を設けた後、雄型および雌型よりなるプレス型にそのブランクシートを挟み、加熱成形して紙皿を作製した。成形加工中にポリプロピレン樹脂層の剥離は見られなかった。また、この紙皿を実際に使用した後、紙基材からポリプロピレン樹脂層を簡単に剥がすことができ、紙とプラスチックとを分別することができた。
実施の形態1に係るロール状積層体を切断して得られるシート状積層体の模式断面図である。 実施の形態1に係るロール状積層体の模式斜視図である。 非接着印刷層が巻回方向と同一の方向に不連続に存在するロール状積層体の模式斜視図である。 本実施の形態2に係るロール状積層体の模式斜視図である。 本実施の形態3に係るロール状積層体の模式斜視図である。 本実施の形態3に係るロール状積層体の変形例の模式斜視図である。 非接着させた部分の巻回方向に対する上流端が巻回方向と反対の方向に対して一つの頂部を有し且つこの頂部から両側端に向かってそれぞれ単調に傾斜する形状を有する、ロール状積層体の模式斜視図である。
符号の説明
1 平滑化加工が施された表面、2 紙基材、3 非接着印刷層、4 オレフィン系熱可塑性樹脂層、5 分断部、6 非接着印刷層の巻回方向に対する上流端、7 非接着印刷層の巻回方向に対する下流端、8 巻回方向に対する頂部、9 巻回方向と反対の方向に対する頂部。

Claims (4)

  1. クレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは沈降性炭酸カルシウムを含む表面コート剤の塗布による平滑化加工が施された表面を有する紙基材の平滑化加工表面に非接着印刷インキを部分的に印刷して非接着印刷層を部分的に形成し、平滑化加工表面および非接着印刷層上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることによりオレフィン系熱可塑性樹脂層を積層して、平滑化加工表面とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを接着させ且つ非接着印刷層とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを非接着させた積層体を巻回してなるロール状積層体であって、
    非接着させた部分が、ロール状積層体の巻回方向と同一方向に連続して存在することを特徴とするロール状積層体。
  2. クレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは沈降性炭酸カルシウムを含む表面コート剤の塗布による平滑化加工が施された表面を有する紙基材の平滑化加工表面に非接着印刷インキを部分的に印刷して非接着印刷層を部分的に形成し、平滑化加工表面および非接着印刷層上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることによりオレフィン系熱可塑性樹脂層を積層して、平滑化加工表面とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを接着させ且つ非接着印刷層とオレフィン系熱可塑性樹脂層とを非接着させた積層体を巻回してなるロール状積層体であって、
    非接着させた部分が、ロール状積層体の両側端の一方から他方に向かって帯状に存在すると共に、その非接着させた帯状部分巻回方向の上流側に位置する上流端と巻回方向の下流側に位置する下流端とを有し、その上流端の形状が、ロール状積層体の両側端の一方から他方に向かって単調に傾斜する形状であるか、または巻回方向に対して一つの頂部を有し且つこの頂部からロール状積層体の両側端に向かってそれぞれ単調に傾斜する形状であることを特徴とするロール状積層体。
  3. 前記非接着印刷層が、前記紙基材の面積に対して50%〜99%形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のロール状積層体。
  4. 包装材料用であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のロール状積層体。
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