JP4973102B2 - 積層体および紙製容器 - Google Patents

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本願発明は、積層体およびそれを加工してなる紙製容器に関する。
紙基材の表面に熱可塑性樹脂が積層された積層体は、包装材料として広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。特に、このような積層体は、冷凍食品カートン等のカートン、液体紙容器、紙トレー、紙コップ等の耐水性が求められる紙製容器のためのブランクシートとして好適に使用されている。近年の環境問題に対する関心の高まりから、使用後に人間の力程度で紙と熱可塑性樹脂とに分別可能な紙製容器が求められている。
このような紙製容器のためのブランクシートとして、熱可塑性樹脂を熱溶融させて紙基材の全面にコーティングしたものや、紙基材と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤等で部分的に接着させたものがある。
特開平8−244831号公報
しかしながら、紙基材と熱可塑性樹脂とが全面に渡って一様に接着(コーティング)されていると、紙基材から熱可塑性樹脂を剥離させようとしたときに、人間の指が入る程度の剥がす切っ掛け部分(非接着部分)が存在しないため剥がし難いという問題があった。一方、紙基材と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤で部分的に接着する場合、紙製容器を使用する際に熱可塑性樹脂フィルムが意図せず剥離するのを防止するために、ブランクシートの縁部に接着部分が存在するように接着する必要がある。そのため、紙製容器の形状、即ちブランクシートの形状が変わる毎に接着部分の位置を変更しなければならないという問題があった。
したがって、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、紙製容器に加工した際に容器の縁に人間の指が入る程度の熱可塑性樹脂層を剥がす切っ掛け部分が存在し、紙製容器の使用後に人間の力程度で熱可塑性樹脂層を容易に剥離させることができ、且つブランクシートの形状に依って接着部分の位置を変更する必要がない積層体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための第一の発明は、紙基材上に少なくとも熱可塑性樹脂層が積層された長方形の積層体であって、紙基材と熱可塑性樹脂層とを剥離可能に接着する接着領域が積層体の全面にわたって点在し、それぞれの接着領域は、最も近い他の接着領域との間に12mm〜40mmの非接着領域が存在するように、長方形の一辺に対して3°〜45°傾斜し且つ最も近い接着領域同士を結ぶ直線状の平行直線群上に配置されており、接着領域は、紙基材の平滑化加工表面上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることにより形成され、且つ非接着領域は、紙基材の平滑化加工表面上に形成された非接着印刷層上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることにより形成されることを特徴とする積層体である。
上記接着領域は、上記平行直線群に直交する平行直線群上に更に配置されていることが好ましい。
上記接着領域は、主接着領域と主接着領域よりも面積の小さい補助接着領域とから構成され、主接着領域と補助接着領域との面積比が2:1〜4:1であることが好ましい。
第二の発明は、上記積層体を加工してなることを特徴とする紙製容器である。この紙製容器は、熱可塑性樹脂層が容器の少なくとも内面になるように加工されていることが好ましい。
本発明によれば、紙製容器に加工した際に容器の縁に人間の指が入る程度の熱可塑性樹脂層を剥がす切っ掛け部分が存在し、紙製容器の使用後に人間の力程度で熱可塑性樹脂層を容易に剥離させることができ、且つブランクシートの形状に依って接着部分の位置を変更する必要がない積層体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る積層体の模式平面図である。
図1に示すように、本発明に係る積層体は、紙基材1上に熱可塑性樹脂層2が積層された長方形の積層体である。そして、この紙基材1と熱可塑性樹脂層2とを剥離可能に接着する接着領域3が積層体の全面にわたって点在し、それぞれの接着領域3は、最も近い他の接着領域3との間に所定の長さLの非接着領域4が存在するように、長方形の一辺5に対してα傾斜した仮想的な平行直線群6上に配置されている。ここで、それぞれの接着領域3と最も近い他の接着領域3との間に存在する非接着領域4の長さLは12mm〜40mmであることが必要である。また、長方形の一辺5に対する仮想的な平行直線群6の傾斜角度αは少なくとも3°(45°以下)であることが必要であり、紙製容器の大きさや形状に応じて3°〜45°の範囲で適宜決定すればよい。このように、長方形の一辺5に対してα傾斜した平行直線群6上に接着領域3を配置することで、積層体をブランクシートに加工した際にブランクシートの端辺(特に、長方形の一辺5に平行または垂直なブランクシートの端辺)の近傍に接着領域3を残すことができる。これに対し、図2に示すような傾斜しない平行直線群6’(長方形の一辺5と平行な直線群)上に接着領域3を配置した積層体では、積層体をブランクシートに加工した際に傾斜しない平行直線群6’のピッチ程度の非接着領域4がブランクシートの端辺(特に、長方形の一辺5に平行または垂直なブランクシートの端辺)の近傍に存在することがあり、この部分から熱可塑性樹脂フィルムが意図せず剥離し易くなる。これら長さLおよび傾斜角度αのいずれか一方でも上記範囲外であると本発明の効果を奏さない。非接着領域4の長さLは、好ましくは15mm〜30mmである。
図1に示す積層体では、平行直線群6のピッチを一定とし且つ接着領域3を平行直線群6上に等間隔で配置しているが、それぞれの接着領域3と最も近い他の接着領域3との間に存在する非接着領域4の長さLが12mm〜40mmであれば、平行直線群6のピッチを一定にしなくてもよいし、平行直線群6上で等間隔に配置しなくてもよい。また、図1に示す積層体では、平行直線群6の傾斜角度αの基準となる一辺5を長方形の長辺としたが、長方形の短辺としても同様の効果を得ることができる。なお、積層体がロール状に巻回されたものである場合も、ロール状積層体の両側辺のいずれか一方を平行直線群6の傾斜角度αの基準となる一辺とすれば同様の効果を得ることができる。なお、積層体がロール状に巻回されたものである場合も、ロール状積層体の両側辺のいずれか一方を平行直線群6の傾斜角度αの基準となる一辺とすれば同様の効果を得ることができる。
また、図3に示すように、上述した平行直線群6に直交する仮想的な平行直線群7上に接着領域3を更に配置して、接着領域3が格子状に存在するように構成してもよい。このような構成とすることにより、積層体の設計を容易にすることができる。更に、図4に示すように、接着領域3を主接着領域8と、その主接着領域8よりも面積の小さい補助接着領域9とから構成してもよい。具体的には、主接着領域8を直径6mm程度の円形とし補助接着領域9を直径4mm程度の円形とする場合や、あるいは主接着領域8を直径14mm程度の円形とし補助接着領域9を直径8mm程度の円形とする場合などが挙げられる。このように面積の異なる接着領域を隣接して設けることにより、容器への加工時および容器使用中の熱可塑性樹脂層の意図しない剥離防止効果と、容器使用後の熱可塑性樹脂層の易剥離効果とを高度にバランスさせることができる。このとき、主接着領域8と補助接着領域9との面積比は2:1〜4:1であることが好ましい。主接着領域8と補助接着領域9との面積比が上記範囲外であると補助接着領域を設けることによる効果が低くなる。なお、図1に示す積層体と同様に、図3および4に示す積層体においても、接着領域3(主接着領域8および補助接着領域9)と非接着領域4との関係(非接着領域4の長さLおよび平行直線群6の傾斜角度α)が満たされる限り、平行直線群6あるいはそれに直交する平行直線群7のピッチを一定にしなくてもよいし、平行直線群6あるいはそれに直交する平行直線群7上に接着領域3を等間隔に配置しなくてもよい。
上記のように構成された本実施の形態に係る積層体は、紙製容器用ブランクシートに打ち抜いた際に容器の縁となる部分に接着領域が適度に存在するので、紙製容器用ブランクシートの形状に合わせて接着領域の位置を変更する必要がない。すなわち、本実施の形態に係る積層体は、特別な設計変更を要さずに、どのような形状の紙製容器用ブランクシートにも対応することが可能である。
本発明の積層体における接着領域3は、紙基材1と熱可塑性樹脂層2とを剥離可能に接着できれば特に限定されず、例えば、エマルジョン接着剤等のような公知の接着剤を紙基材1または熱可塑性樹脂層2に部分的に塗布して形成してもよいし、あるいは平滑化加工が施された表面を有する紙基材1の平滑化加工表面上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることにより形成してもよい。接着領域3と非接着領域4との割合は、積層体を用いた製品の形態に応じて適宜設定すればよいが、接着領域3と非接着領域4との合計面積に対して、接着領域3が1%〜50%になるように形成することが好ましく、4%〜20%であることが更に好ましい。接着領域3と非接着領域4との合計面積に対する接着領域3の面積が1%未満になると積層体を紙製容器に加工する際および加工された紙製容器を使用する際に熱可塑性樹脂層2が意図せず剥離してしまうことがあり、50%を超えると熱可塑性樹脂層2を紙基材1から剥離させ難くなることがある。
オレフィン系熱可塑性樹脂の押出コーティングにより接着領域3を形成する場合、非接着領域4は、紙基材の平滑化加工表面上に非接着印刷層を予め形成しておくことで接着領域3と共に形成することができる。つまり、押出コーティングによる形成方法では、非接着印刷層が形成されていない部分である紙基材1の平滑化加工が施された表面と、オレフィン系熱可塑性樹脂層とは剥離可能に接着されており、非接着印刷層とオレフィン系熱可塑性樹脂層とは接着されていない状態となっている。
本発明において、接着領域3の形状は、接着領域3と非接着領域4との関係(非接着領域4の長さLおよび平行直線群6の傾斜角度α)が満たされる限り特に限定されないが、例えば、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、星型等の図形、植物や動物の図形、あるいはこれらの組み合わせであることができる。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、上記接着領域3を構成する図形内部に非接着領域4が僅かに存在してもよい。
また、接着領域3の剥離強度は、0.049N/15mm幅以上であることが好ましい。剥離強度がこの値未満であると、積層体の製造時および加工時に、紙基材と熱可塑性樹脂との接着が不十分な場合がある。適切な剥離強度は、接着領域3と非接着領域4により形成される模様および加工される容器の種類によって異なるため適宜決定する。剥離強度は、接着剤の塗布により接着領域3を形成する場合には、接着剤の種類を変えることによって適宜増減することができ、オレフィン系熱可塑性樹脂の押出コーティングにより接着領域3を形成する場合には、オレフィン系熱可塑性樹脂の種類、押出コーティングの加工条件等を変化させることによって適宜増減することができる。
なお、剥離強度の測定は、まず積層体の接着領域3のみを15mm幅にて100mm切り出して試験片とし、切り出した試験片の一方から紙と樹脂フィルムとを60mmまで剥がし、引張り試験機の両チャックにそれぞれチャッキングする。チャック間距離は100mmとする。そして25℃雰囲気下、50mm/minの引張り速度で180度方向に剥がし、最大荷重を測定する。測定は10回行い、その算術平均を剥離強度とする。また、本発明の積層体における接着領域3と非接着領域4との具体的な態様によって、15mm幅にての試験片が得られない場合がある。この場合、15mm幅以下の試験片を採取して剥離強度を測定し、これを15mm幅の試験片を試験した値に換算して、接着領域3の剥離強度の値とする。
本発明に係る積層体における紙基材1としては、コートボール、カード紙、アイボリー紙、マニラボール等の板紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、クラフト紙、上質紙等の公知の紙が挙げられる。また、平滑化加工が施された表面を有する紙基材1としては、上記公知の紙の少なくとも片面に平滑化加工が施されたものであればよいが、紙基材1の平滑性は、平滑化加工が施された表面とオレフィン系熱可塑性樹脂層との剥離強度に影響を与えるため、その表面のベック式平滑度が好ましくは25秒以上、更に好ましくは80〜400秒である紙基材が好ましい。平滑化加工が施された表面のベック式平滑度が上記範囲内であれば、積層体が実用上の構造的な一体性を損なうことなく、使用後の易剥離性をより向上させることができる。ここでのベック式平滑度は、JIS P 8119に基づき、ベック式平滑度試験機を用いて、紙基材1の表面と光学的平面仕上げのガラス製標準面との間を通って、密閉減圧された器内に一定量の空気が浸入するのに掛かる時間(秒)を測定したものである。測定は5回行い、その算術平均を紙基材1のベック式平滑度とする。上述したような平滑化加工としては、紙加工の分野で広く行なわれているクレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、沈降性炭酸カルシウム等を含む表面コート剤を紙基材1に塗布(コート)する方法が挙げられる。これらの中でも所望の平滑度を得つつ加工コストを低減する観点から、クレーを含む表面コート剤を塗布することが好ましい。紙基材1に対する表面コート剤の塗布量は特に限定されるものではないが、5〜20g/mの範囲が好ましい。塗布量が5g/m未満であると平滑化加工が施された表面とオレフィン系熱可塑性樹脂層との剥離強度が必要以上に高くなることがあり、また塗布量が20g/mを超えると剥離強度にばらつきが生じ易くなるため好ましくない。
また、紙基材1の坪量は特に限定されるものではなく、積層体を用いた製品の形態に応じて適宜決定すればよい。
本発明に係る積層体における熱可塑性樹脂層2は、ポリプロピレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、チーグラー系低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂、メタセロン触媒を用いて重合したエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂から構成される。オレフィン系熱可塑性樹脂の押出コーティングにより接着領域3を形成する場合、コスト、加工適性、紙基材との接着性および容器としての耐熱性の観点から、オレフィン系熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用いることが好ましい。
オレフィン系熱可塑性樹脂の押出コーティングにより接着領域3を形成する場合の非接着印刷層は、紙基材1の平滑化加工が施された表面に非接着印刷インキを部分的に印刷することにより形成される。ここでいう「部分的」とは、上述した接着領域3と非接着領域4との関係(非接着領域4の長さLおよび平行直線群6の傾斜角度α)が満たされるように、平滑化加工が施された表面が露出した部分と非接着印刷層とが混在することを意味する。紙基材1の平滑化が施された表面上に形成された非接着印刷層は、その上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングにより積層させても接着せず、非接着領域4となる。一方、非接着印刷層を形成しない部分(紙基材の平滑化加工が施された表面が露出した部分)は、その上に積層されるオレフィン系熱可塑性樹脂層と弱接着し、剥離可能な接着領域3となる。ここで使用する非接着印刷インキとしては、ポリアミド系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、アクリル系、塩素化ポリプロピレン、ブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の樹脂を主成分とするものが挙げられる。このような非接着印刷インキの中でも、耐熱性およびポリオレフィン系樹脂との非接着性に優れているアクリル系樹脂、硝化綿を主成分とするものが好ましい。また、必要に応じて、上記樹脂の他にシリコーン、顔料等を非接着印刷インキに添加してもよい。特に非接着印刷インキに顔料を添加することで、製品の審美性を向上させることができるとともに、製品の使用者が接着領域3と非接着領域4とを明確に見分けることができる。
非接着印刷インキの印刷方法としては特に限定されないが、塗布量が安定していることおよび生産性が高いことから、版の継ぎ目のない円筒印刷版を用いたグラビア印刷を採用することが好ましい。また、平滑化加工が施された表面に対する非接着印刷インキの塗布量は特に限定されるものではないが、0.5〜10g/mであることが好ましく、1〜5g/mであることが更に好ましい。塗布量が0.5g/m未満であると非接着印刷層とオレフィン系熱可塑性樹脂層とが接着してしまうことがあり、また10g/mを超える量を塗布することはコストの無駄が多くなるため好ましくない。また、グラビア印刷により10g/mを超える量を塗布することは難しい。
また、非接着印刷層を形成しない部分(平滑化加工が施された表面が露出した部分)にはコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理を施すことで紙基材1とオレフィン系熱可塑性樹脂層との間の剥離強度を調整することができる。コロナ放電処理は、公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気中に非接着印刷層が形成された紙基材1を通過させることにより行うことができる。このときのコロナ放電出力は、1〜10kWが好ましく、更に好ましくは4〜6kWである。
なお、上記実施の形態に係る積層体において、本発明の効果を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂層の上に、アルミニウム箔、PET等からなる層を適宜積層してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、平滑化加工が施されていない紙基材の面に熱可塑性樹脂等からなる層を積層してもよい。また、上記実施の形態では、オレフィン系熱可塑性樹脂の押出コーティングにより接着領域3を形成する場合、片面に平滑化加工が施された紙基材を用いた積層体について説明したが、両面に平滑化加工が施された紙基材を用い、それぞれの面に、非接着印刷層を部分的に形成させ、その上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層させることも可能である。
以下に、本発明に係る積層体の製造方法について説明する。
まず、接着領域3の形成方法として接着剤の塗布を採用する場合の積層体の製造方法について説明する。まず紙基材1または熱可塑性樹脂層2となる熱可塑性樹脂フィルムの表面上に、グラビア印刷、スクリーン印刷等で、弱接着剤、粘着剤、ホットメルト等を部分的に塗布し、紙基材1と熱可塑性樹脂フィルムとを重ね合わせてロール間で圧着もしくは熱ラミネートすることにより積層体が得られる。
次に、接着領域3の形成方法としてオレフィン系熱可塑性樹脂の押出コーティングを採用する場合の積層体の製造方法について説明する。まず紙基材1の平滑化加工が施された表面上に非接着印刷インキを印刷して、非接着印刷層が部分的に存在するように形成する。印刷方法としては、公知のグラビア印刷、平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等を用いることができる。これらの中でも塗布量が安定していること、生産性が高いこと、および製品加工時の押出加工適性が良好なことから、版の継ぎ目のない円筒印刷版を用いたグラビア印刷を採用することが好ましく、版の継ぎ目がなく、且つ弱接着部分の形状(模様・図柄)がエンドレスパターンとなる円筒印刷版を用いたグラビア印刷を採用することが更に好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、積層体を用いた製品の審美性を向上させるため、非接着印刷層を形成する前に紙基材1の平滑化加工が施された表面または背面に絵柄・表示等の印刷を行ってもよい。
ついで、紙基材1の平滑化加工が施された表面および非接着印刷層上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることによりオレフィン系熱可塑性樹脂層を積層させて積層体が得られる。押出コーティングの加工条件としては、例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用した場合、押出温度を270℃〜300℃に設定し、ラインスピード(繰り出し速度)を60〜200m/minの範囲に設定すればよい。
上記したオレフィン系熱可塑性樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、15〜150μmの範囲で形成することが好ましく、30〜120μmの範囲で形成することが更に好ましい。
また、上記ではオレフィン系熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用した場合の押出コーティング加工条件について説明したが、他のオレフィン系熱可塑性樹脂においても樹脂の性状に応じて加工条件を適宜設定することができる。
上記の製造方法により得られた長方形の積層体を加工して、トレー、カートン、ウェッブコーナー型容器等の紙製容器を製造することができる。具体的には、トレーのような紙製容器は、まず積層体を所定の紙製容器用ブランクシートに打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けた後、雄型と雌型よりなるプレス型に容器ブランクシートを挟み、加熱加圧して成形する絞り成形という公知の製造方法により製造することができる。また、カートン、ウェッブコーナー型容器のような容器は、まず積層体を所定の容器ブランクシートに打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けた後、罫線に沿って折り曲げ、必要箇所を貼り合せ・接着して組み立てるという公知の製造方法により製造することができる。積層体を加工する際には、剥離可能に積層された熱可塑性樹脂層が容器の少なくとも内面(容器に収容される内容物と接触する側)になるように加工することが好ましい。
このようにして製造される紙製容器は、接着領域が容器の縁に適度に存在し、且つ人間の指が入る程度の熱可塑性樹脂層を剥がす切っ掛け部分、即ち非接着領域が存在するので、熱可塑性樹脂層が意図せず剥離するのを防止することができると共に、使用後に人間の力程度で熱可塑性樹脂層を紙基材から容易に剥離させることができる。この紙製容器は、紙およびプラスチックを分別回収・再利用することができるので、資源の有効利用および地球環境保護という面からみて極めて優れたものであるといえる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、それらは例示であって本発明を限定するものではない。
<実施例1>
まず、片面がクレーで平滑化加工された紙基材である坪量320g/mの板紙(NEWウルトラH;日本大昭和板紙(株))の表面、すなわちクレーがコートされた面(ベック式平滑度265秒)に硝化綿を主成分とする剥離用印刷インキ(CP−2K:大日精化工業(株)製)を、版深が30μmのパターン版を用いてグラビア印刷を行い、図4に示すような主接着領域、補助接着領域および非接着領域の配置となるように非接着印刷層を形成した。
次に、紙基材上に、ポリプロピレン樹脂(F109V;株式会社プライムポリマー製、融点162℃)を押出機のダイより押出し、厚さ60μmのポリプロピレン樹脂層を積層させた。このときの加工条件として、押出し温度280℃、ラインスピード80m/minに設定した。紙基材には予めコロナ処理を4.5kwに設定して施した。このようにして、図4に示されるような、直径6mmの円形の主接着領域と、直径4mmの円形の補助接着領域とが積層体の全面にわたって点在し、主接着領域と補助接着領域との間に16mmの非接着領域が存在するように、長方形の一辺に対して5°傾斜した仮想的な平行直線群上に配置された積層体を作製した。このようにして得られた打ち抜き加工前の積層体の剥離強度を測定した結果、非接着領域で0N/15mm幅、主接着領域および補助接着領域で1.0N/15mm幅であった。
次に、特に位置合わせをせずに、得られた積層体を図5に示されるような形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線(図5の点線)を設けて、ウェッブコーナー型紙製容器用ブランクシートを得た。次に、このブランクシートの罫線に沿って折り曲げ、四隅を貼り合わせて、寸法が85mm×130mm×60mm(深さ)のウェッブコーナー型容器を作製した。このウェッブコーナー型容器の縁近傍には、接着領域が適度に存在したので、容器の作製過程および使用中に、熱可塑性樹脂層が意図せず剥離することはなかった。また、このウェッブコーナー型容器の縁には、人間の指が入る程度の熱可塑性樹脂層を剥がす切っ掛け部分が存在したので、使用後に、紙基材から熱可塑性樹脂層を容易に剥がすことができ、紙とプラスチックとを分別回収することができた。
さらに、上記積層体と同じものを用いて、特に位置合わせをせずに角丸四角形トレー形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けて、角丸四角形トレー用ブランクシートを得、これを深絞り成形機で絞り成形して縦120mm×横120mm×深さ25mmの角丸四角形トレー形状の絞り成形紙製容器を作製した。この角丸四角形トレー形状の絞り成形紙製容器でも、ウェッブコーナー型容器と同様に、容器の作製過程および使用中に熱可塑性樹脂層が意図せず剥離することはなく、また、使用後に紙基材から熱可塑性樹脂層を容易に剥がすことができた。
本発明に係る積層体の模式平面図である。 傾斜しない平行直線群上に接着領域を配置した積層体の模式平面図である。 本発明に係る積層体の模式平面図である。 本発明に係る積層体の模式平面図である。 実施例1で作製したウェッブコーナー型紙製容器用ブランクシートの模式平面図である。
符号の説明
1 紙基材、2 熱可塑性樹脂層、3 接着領域、4 非接着領域、5 長方形の一辺、6 平行直線群、6’ 傾斜しない平行直線群、7 平行直線群に直交する平行直線群、8 主接着領域、9 補助接着領域。

Claims (6)

  1. 紙基材上に少なくとも熱可塑性樹脂層が積層された長方形の積層体であって、
    紙基材と熱可塑性樹脂層とを剥離可能に接着する接着領域が積層体の全面にわたって点在し、それぞれの接着領域は、最も近い他の接着領域との間に12mm〜40mmの非接着領域が存在するように、長方形の一辺に対して3°〜45°傾斜し且つ最も近い接着領域同士を結ぶ直線状の平行直線群上に配置されており、接着領域は、紙基材の平滑化加工表面上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることにより形成され、且つ非接着領域は、紙基材の平滑化加工表面上に形成された非接着印刷層上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることにより形成されることを特徴とする積層体。
  2. 前記接着領域が、前記平行直線群に直交する平行直線群上に更に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記接着領域が、主接着領域と主接着領域よりも面積の小さい補助接着領域とから構成され、主接着領域と補助接着領域との面積比が2:1〜4:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記平滑化加工表面は、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは沈降性炭酸カルシウムを含む表面コート剤を前記紙基材に塗布することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の積層体。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の積層体を加工してなることを特徴とする紙製容器。
  6. 熱可塑性樹脂層が前記容器の少なくとも内面になるように加工されていることを特徴とする請求項5に記載の紙製容器。
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