JP4923818B2 - 剥離防止部を備える易剥離積層体 - Google Patents

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Description

本願発明は、平滑化された紙基材にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングにより積層した、剥離防止部を備える易剥離積層体に関する。
近年、環境問題に対する関心が高くなっている。産業界においても、この環境問題が重要な検討課題となっており、技術の改良が日々行われている。
包装業界において、紙に熱可塑性樹脂がコーティングされている積層体は、広く包装材料として使用されている(例えば、特許文献1)。例えば、液体紙容器、冷凍食品カートン等のカートン、紙トレー、紙コップ等で耐水性が求められる用途には広く使用されている。
この紙に熱可塑性樹脂を積層する方法として、熱可塑性樹脂を熱溶融させて紙上にコーティングする押出コーティングが一般的である。
しかしながら、熱可塑性樹脂を従来の押出コーティング法により製造した積層体を用いた包装材料は加工性や機能性において利点を有し、紙と熱可塑性樹脂が強力に接着している。このような包装材料を分別して廃棄しようとしても、紙と熱可塑性樹脂が強力に接着しているため、熱可塑性樹脂から紙が十分に剥離しないという問題がある。さらに、紙基材に熱可塑性樹脂が全面に渡って一様に接着していると、熱可塑性樹脂を剥がすときに剥がす切っ掛けが得られず、剥がしづらいという問題があった。
そこで平滑化された紙基材に非接着印刷部を設け、その上に弱接着条件下で押出コーティング法によりオレフィン系熱可塑性樹脂を積層した場合、非接着印刷部ではオレフィン系熱可塑性樹脂が接着しないこと、さらに、直接紙基材に同じ条件化で直接押出コーティングすると弱接着することを見出した。この知見に基づき、本願発明者らは非接着印刷部を部分的に設けて、オレフィン系熱可塑性樹脂を積層したところ、紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂が再利用可能な程度に容易に剥離して、また、この積層体を用いた紙製容器はその縁の一部に非接着印刷部が存在するため、剥離させる切っ掛けを設けることができることを見出した。
特開平8−244831号公報
上記のような積層体は工業的に製造された場合、巻き取られてロール状の形態で保管され、以後の加工に付される。また、このロール状積層体は2次加工により、シート状に裁断されて使用される場合も多い。
部分的に非接着印刷部が存在する積層体では、非接着印刷部が端部に存在した場合、その製造時もしくは加工時に意図せずに剥離が起きてしまう場合があるという問題が生じた。
そこで、本願発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、前記積層体の端部近傍に剥離防止部を設けることで、つまり十分接着させることによって、前記積層体の製造時および加工時におけるオレフィン系熱可塑性樹脂と紙基材との剥離が防ぐことができることを見出した。
そして、オレフィン系熱可塑性樹脂が直接紙基材と接着する弱接着部分を剥離防止部とすることができ、アンカーコート剤(AC剤)およびヒートシール剤(HS剤)を使用しなくても、剥離防止部は印刷パターンを調節するだけで設けられる。
具体的に本願発明は、平滑化加工が施された表面を有する紙基材と、紙基材の平滑化加工が施された表面上に部分的に形成された非接着印刷部と、非接着印刷部および紙基材の上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層し、非接着印刷部とオレフィン系熱可塑性樹脂とは非接着であり、かつ紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂とは弱接着であるシート状積層体であって、該シート状積層体の少なくとも一辺の端部近傍に剥離防止部が設けられ、該剥離防止部は紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂が弱接着して形成される、シート状積層体を提供する。
また別の形態では、平滑化加工が施された表面を有する紙基材と、紙基材の平滑化加工が施された表面上に部分的に形成された非接着印刷部と、非接着印刷部および紙基材の上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層し、非接着印刷部とオレフィン系熱可塑性樹脂とは非接着であり、かつ紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂とは弱接着であるロール状積層体であって、該ロール状積層体の幅方向端部近傍の少なくとも一方に剥離防止部が設けられ、該剥離防止部は紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂が弱接着して形成される、ロール状積層体を提供する。
本願発明の積層体は、紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂層が容易に剥離するにもかかわらず、この積層体の製造時もしくは加工時に生じる紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂の剥離を防止できる。さらに、剥離用印刷層を設ける際に印刷パターンを調節するだけでよいため、製造工程を増やすことなく本発明の目的が達成される。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は、本発明に係るロール状およびシート状積層体の模式断面図である。図1(b)は、本発明に係るロール状積層体、図1(c)はシート状積層体の模式平面図である。
図1(a)に示すように、本発明に係る積層体は、平滑化加工が施された表面1を有する紙基材2と、平滑化加工が施された表面1上に部分的に形成された非接着印刷部3と、紙基材2の平滑化加工が施された表面1および非接着印刷部3上に積層されたオレフィン系熱可塑性樹脂4と、積層体の両端部近傍(ロール状積層体については幅方向)に剥離防止部5を備えている。そして、非接着印刷部3が形成されていない部分である紙基材2の平滑化加工が施された表面1と、オレフィン系熱可塑性樹脂4とは弱接着されており、かつ、剥離防止部もまたオレフィン系熱可塑性樹脂と弱接着されている。非接着印刷部3とオレフィン系熱可塑性樹脂4とは接着されていない。
一方、図1(b)および(c)に示すように、剥離防止部5以外の紙基材2とオレフィン系熱可塑性樹脂4とが弱接着されている部分は、島状に存在するように構成されている。
本発明に係るロール状およびシート状積層体における紙基材2としては、コートボール、カード紙、アイボリー紙、マニラボール等の板紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、クラフト紙、上質紙等の公知の紙の少なくとも片面に平滑化加工が施されたものであればよいが、紙基材の平滑性は、平滑化加工が施された表面1とオレフィン系熱可塑性樹脂4との剥離強度に影響を与えるため、その表面のベック式平滑度が好ましくは25秒以上、更に好ましくは、80〜400秒である紙基材が好ましい。平滑化加工が施された表面1のベック式平滑度が上記範囲内であれば、本発明の積層体が実用上の構造的な一体性を損なうことなく、使用後の易剥離性をより向上させることができる。ここでのベック式平滑度は、JIS P 8119に基づき、ベック式平滑度試験機を用いて、紙基材2の表面と光学的平面仕上げのガラス製標準面との間を通って、密閉減圧された器内に一定量の空気が浸入するのに掛かる時間(秒)を測定したものである。測定は5回行い、その算術平均を紙基材2のベック式平滑度とする。
紙基材2の坪量は特に限定されるものではなく、本発明の積層体を用いた製品の形態に応じて適宜決定すればよい。
このような平滑化加工としては、紙加工の分野で広く行なわれているクレー、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、沈降性炭酸カルシウム等を含む表面コート剤を紙基材2に塗布(コート)する方法が挙げられる。これらの中でも所望の平滑度を得つつ加工コストを低減する観点から、クレーを含む表面コート剤を塗布することが好ましい。紙基材2に対する表面コート剤の塗布量は特に限定されるものではないが、5〜20g/mの範囲が好ましい。塗布量が5g/m未満であると平滑化加工が施された表面1とオレフィン系熱可塑性樹脂4との剥離強度が必要以上に高くなることがあり、また塗布量が20g/mを超えると剥離強度にばらつきが生じ易くなるため好ましくない。
本発明に係るロール状およびシート状積層体における非接着印刷部3は、平滑化加工が施された表面1に非接着印刷インキを部分的に印刷して形成することができる。ここでいう「部分的」とは、紙基材2の平滑化加工が施された表面1すべてが非接着印刷層3により覆われておらず、非接着印刷部3と、平滑化加工が施された表面1が露出した部分とが混在することを意味する。そして、紙基材2の平滑化が施された表面1上に形成された非接着印刷部3は、その上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングにより積層させても接着せず、非接着部分となる。一方、非接着印刷層を形成しない部分(紙基材2の平滑化加工が施された表面1)は、その上に積層されるオレフィン系熱可塑性樹脂層4と弱接着し、弱接着部分となる。非接着部分と弱接着部分との割合は、目的の製品の形態に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは、剥離防止部を除く紙基材2の面積に対して、非接着印刷部3が50%〜99%の割合になるように形成する。さらに好ましい割合は50%〜95%である。剥離防止部を除く紙基材2の面積に対する非接着印刷部3の面積が50%未満になると、製品へと加工したときのオレフィン系熱可塑性樹脂4を紙基材2から剥離させ難くなることがあり、99%を超えると原反を製品に加工する際および加工された製品を使用する際にオレフィン系熱可塑性樹脂4が意図せず剥離してしまうことがある。
本発明の非接着印刷部は、非接着印刷インキで紙基材に印刷を施すことで形成される。
本発明で使用する非接着印刷インキとしては、ポリアミド系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、アクリル系、塩素化ポリプロピレン、ブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の樹脂を主成分とするものが挙げられる。このような非接着印刷インキの中でも、耐熱性およびポリオレフィン系樹脂との非接着性に優れているアクリル系樹脂、硝化綿を主成分とするものが好ましい。また、必要に応じて、上記樹脂の他にシリコーン、顔料等を非接着印刷インキに添加してもよい。特に非接着印刷インキに顔料を添加することで、製品の審美性を向上させることができるとともに、製品の使用者が非接着部分と弱接着部分とを明確に見分けることができる。
印刷方法としては、特に限定されない。具体的には、グラビア印刷、平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等を用いることができる。これらの中でも塗布量が安定していること、生産性が高いこと、および製品加工時の押出加工適性が良好なことから、グラビア印刷を採用することが好ましい。また、平滑化加工が施された表面1に対する非接着印刷インキの塗布量は特に限定されるものではないが、0.5〜10g/mであることが好ましく、1〜5g/mであることが更に好ましい。塗布量が0.5g/m未満であると非接着印刷部3とオレフィン系熱可塑性樹脂4とが接着してしまうことがあり、また10g/mを超える量を塗布することはコストの無駄が多くなるため好ましくない。また、グラビア印刷により10g/mを超える量を塗布することは難しい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の積層体を用いた製品の審美性を向上させるため、非接着印刷部3を形成する前に紙基材2の平滑化加工が施された表面1または背面に絵柄・表示等の印刷を行ってもよい。
剥離防止部5は、本発明のロール状積層体の幅方向端部近傍に位置する。本発明の効果を奏する限りロール状積層体の幅方向端部の左右いずれか一方に位置すればよいが、両端に存在することが望ましい。また、シート状積層体の剥離防止部5は、シート状積層体の少なくともいずれか一辺の端部近傍に位置する。本発明の効果を奏する限りシート状積層体のいずれか一辺に剥離防止部5が存在すればよいが、両端部に存在することが望ましい。
また、ロール状およびシート状積層体の剥離防止部5は、繰り出し方向に対して連続的に形成されてもよく、断続的に形成されてもよい。断続的に形成される剥離防止部の一例として、本発明のロール状およびシート状積層体を幅方向に裁断しても得られた積層体の左右いずれかには必ず剥離防止部が存在するという利点を有するため、千鳥状に形成されてもよい(図2)。
剥離防止部5は、印刷版の印刷パターンを調節することで形成することができる。例えば図1のような場合、印刷版の幅方向両端部を連続的に抜くように印刷パターンを調整する。その結果、図1に示すような剥離防止部を形成することができる。このように剥離防止部5は、非接着印刷部3を形成するときに、印刷版のパターンを調整することで、同時に形成でき作業工程の効率がよい。剥離防止部5の幅は効果を奏する限り特に限定されないが、5〜50mm、好ましくは10〜30mmである。
ここで、本発明の「端部近傍」とは積層体の端部付近を意味し、剥離防止部が必ずしも積層体の末端部に存在する必要はない。通常本発明のような押出コーティングが施される積層体は、オレフィン系熱可塑性樹脂がコーティングされると、紙基材の幅よりも樹脂の方が広い。このため、コーティング後は、積層体の末端部を整えるためスリットすることがある。従って、本発明の剥離防止部の位置は、かかるスリット部を考慮して積層体の末端から内側に設定してもよい。
なお、必要な場合は剥離防止部5に、AC剤もしくはHS剤等の接着剤を用いてもよい。
また、非接着印刷部を形成しない部分(紙基材2の平滑化加工が施された表面1)にはコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理を施すことで平滑化加工が施された表面1とオレフィン系熱可塑性樹脂4との間の剥離強度を調整することができる。コロナ放電処理は、公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気中に剥離用印刷部3が形成された紙基材2を通過させることにより行うことができる。このときのコロナ放電出力は、1〜10kWが好ましく、更に好ましくは4〜6kWである。
本発明のロール状積層体を必要に応じ、後加工にて幅狭の複数のロール状積層体にスリットして使用することができる。この場合、スリット加工後の端部、つまり加工前の切断部に剥離防止部を設けることによって、スリット後のロール状積層体においても本願発明の効果を奏することができる。
この場合、上記同様、印刷版の印刷パターンを調節して、スリット加工の切断部となる部分に非接着印刷部が形成されないように印刷する。
本発明のロール状およびシート状積層体で使用するオレフィン系熱可塑性樹脂4は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、チーグラー系低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン等が挙げられる。これらの中でもコスト、加工適性、弱接着性および紙製容器としての耐熱性を考慮するとポリプロピレンが好ましい。
本発明のロール状及びシート状積層体において、剥離防止層5以外の弱接着部分、つまり製品へと具体的に使用される部分内の弱接着部分の形状は特に限定されないが、例えば、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、星型等の図形、植物や動物の図形、あるいはこれらの組み合わせであることができる。このような弱接着部分は、規則的に配置してもよいし不規則的に配置してもよい。本発明の積層体を紙製製品に加工した場合に、紙製製品の縁のいずれか一部に、非接着印刷部の一部が形成され剥離させる切っ掛けを設けることができるため、弱接着部分は島状に存在することが好ましい。また、弱接着部分の剥離強度は、0.049N/15mm幅以上であることが好ましい。この値未満であると、本発明の積層体の製造時もしくは加工時にオレフィン系熱可塑性樹脂4が簡単に剥がれてしまうことがあるためである。
なお、剥離強度の測定は、まず本発明の積層体の弱接着部分のみを15mm幅にて100mm切り出して試験片とし、切り出した試験片の一方から紙と樹脂フィルムとを60mmまで剥がし、引張り試験機の両チャックにそれぞれチャッキングする。チャック間距離は100mmとする。そして25℃雰囲気下、50mm/minの引張り速度で180度方向に剥がし、最大荷重を測定する。測定は10回行い、その算術平均を剥離強度とする。また、本発明の積層体が非接着印刷部と弱接着部分の具体的な態様によって、15mm幅にての試験片が得られない場合がある。この場合、15mm幅以下の試験片を採取して剥離強度を測定し、これを15mm幅の試験片を試験した値に換算して、弱接着部分の剥離強度の値とする。
このように規定される剥離強度は、紙基材2の平滑度、オレフィン系熱可塑性樹脂4に用いる樹脂の種類、押出コーティング加工条件等を変化させることによって、適宜増大ないし減少させることが可能である。例えば、紙基材2の平滑化加工が施された表面1に施すコロナ放電出力を増大させることにより、剥離強度を増大させることができる。他方、例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂の押出温度を低下させることにより、剥離強度を減少させることができる。
なお、上記実施の形態に係るロール状およびシート状積層体において、本発明の効果を損なわない範囲で、オレフィン系熱可塑性樹脂の上に、アルミニウム箔、PET等からなる層を適宜積層してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、平滑化加工が施されていない紙基材の面に熱可塑性樹脂等からなる層を積層してもよい。また、上記実施の形態では、片面に平滑化加工が施された紙基材を用いたロール状積層体について説明したが、両面に平滑化加工が施された紙基材を用い、それぞれの面に、非接着印刷部を部分的に形成させ、その上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層させることも可能である。
次に、本発明に係るロール状積層体の製造方法について説明する。この製造方法では、まず紙基材2の平滑化加工が施された表面1上に所望の非接着印刷部およびロール状積層体の幅方向端部近傍に剥離防止部を形成するような印刷版を調製する。そしてその印刷版を用いて非接着印刷インキで紙基材に印刷して、非接着印刷部3を部分的に且つ剥離防止部5を形成する。
ついで、紙基材2の平滑化加工が施された表面1、剥離防止部5および非接着印刷部3上にオレフィン系熱可塑性樹脂を押出コーティングすることによりオレフィン系熱可塑性樹脂4を積層させてロール状積層体が得られる。押出コーティングの加工条件としては、例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用した場合、押出温度を270℃〜300℃に設定し、ラインスピード(繰り出し速度)を60〜200m/minの範囲に設定すればよい。
このように製造されたロール状積層体は端部近傍に剥離防止部を備えているため、非接着部が存在していても、製造時または加工時にオレフィン系熱可塑性樹脂が剥がれてしまうことはない。
上記したオレフィン系熱可塑性樹脂4の厚さは特に限定されるものではないが、15〜150μmの範囲で形成することが好ましく、30〜120μmの範囲で形成することが更に好ましい。
また、上記ではオレフィン系熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用した場合の押出コーティング加工条件について説明したが、他のオレフィン系熱可塑性樹脂においても樹脂の性状に応じて加工条件を適宜設定することができる。
本発明のシート状積層体は、前記ロール状積層体を適切な大きさに裁断することにより得られる。シート状積層体の大きさはその後の加工される製品により異なり、適宜調製される。
上記の製造方法により得られた積層体を加工して、トレー、カートン、ウェッブコーナー型容器等の製品を製造することができる。具体的には、トレーのような容器は、まず本発明の積層体を所定の容器ブランクシートに打ち抜き、必要箇所に罫線を設けた後、雄型と雌型よりなるプレス型に容器ブランクシートを挟み、加熱加圧して成形する絞り成形という公知の製造方法により製造することができる。また、カートン、ウェッブコーナー型容器のような容器は、まず本発明の積層体を所定の容器ブランクシートに打ち抜き、必要箇所に罫線を設けた後、罫線に沿って折り曲げ、必要箇所を貼り合せ・接着して組み立てるという公知の製造方法により製造することができる。加工する際には、剥離可能に積層されたオレフィン系熱可塑性樹脂4が容器の少なくとも内面(容器に収容される内容物と接触する側)になるように加工することが好ましい。
このようにして製造される容器等の製品は、使用後に、紙基材2からオレフィン系熱可塑性樹脂4を容易に剥離することができるので、紙およびプラスチックを分別回収・再利用することができる。そのため、本発明の積層体から得られる容器等の製品は、資源の有効利用および地球環境保護という面からみて極めて優れたものであるといえる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、それらは例示であって本発明を限定するものではない。
<実施例1>
図1(b)に示すようなパターンを形成するように印刷版を調製した。片面がクレーコートされた紙基材である坪量320g/mの板紙(895mm巾×2000m、NEWウルトラH;日本大昭和板紙株式会社製)のクレーコート面(ベック式平滑度 265秒)に、印刷版および硝化綿を主成分とする非接着印刷インキ(CP−2K;大日精化工業株式会社製)を用いてグラビア印刷で印刷した。その結果、クレーコート面上に非接着印刷部および剥離防止部を形成した。このときの剥離防止部の幅は30mmであった。次に、紙基材をポリプロピレン樹脂(PHA03A(ホモPP);サンアロマー(株)製、融点164℃)を押出し機のダイより押出し、紙基材のクレーコート面および非接着印刷層上に厚さ60μmのポリプロピレン樹脂を積層した。このときの加工条件は、押出温度290℃およびラインスピード(繰り出し速度)80m/minに設定した。このようにして得られた実施例1のロール状積層体は、製造時のポリプロピレン樹脂層の剥離が起きていなかった。
次に、実施例1のロール状積層体の両端を2.5mm幅でスリットし、その後シート状に裁断した(890mm巾×610mm)。そのシート状積層体をオフセット印刷機へ剥離防止部から投入して模様をつけた。さらに、シートの一辺に剥離防止部が残るように445mm幅×610mmのシートに裁断した。このシートでは剥離防止部が一辺しか設けられていなかったが、この作業中にシートからポリプロピレン樹脂の剥離は認められなかった。その後、ブランクシートに打ち抜くための機械に、剥離防止部が形成されている方向からこのシートを投入して、直径185mmの円形ブランクシートに打ち抜き、そのブランクシートの必要箇所に罫線を設けた後、雄型および雌型よりなるプレス型にそのブランクシートを挟み、加熱成形して紙トレーを作製した。この時、積層体を裁断する時やブランクシートに打ち抜く機械に投入する時など、本発明のシート状積層体を取り扱っているときに、ポリプロピレン樹脂の剥がれは見られなかった。
<実施例2>
図2に示すような剥離防止部が千鳥状に形成するように印刷版を調製した。この印刷版を用いて、実施例1と同様にロール状積層体およびシート状積層体を製造した。これらの積層体の製造時および加工時においても、ポリプロピレン樹脂の剥離は起きていなかった。
<実施例3>
図3に示すような剥離防止部6を形成するように印刷版を調製した。この印刷版を用いてロール状積層体を積層した。この時、剥離防止部6の幅は60mmである。この剥離防止部6の中心をスリットして、幅狭のロール状積層体を得た。この時得られた幅狭のロール状積層体は、両端部に剥離防止部が設けられており、製造時におけるポリプロピレン樹脂の剥離は起きていなかった。
(a)は、本発明のロール状およびシート状積層体の模式断面図である。(b)は、ロール状積層体の模式平面図である。(c)はシート状積層体の模式平面図である。 図2は、剥離防止部が千鳥状に設けられているロール状積層体の模式平面図である。 図3は、スリット加工用ロール状積層体の模式平面図である。
符号の説明
1 平滑化加工が施された表面、2 紙基材、3 非接着印刷部、4 オレフィン系熱可塑性樹脂、5 剥離防止部、6 剥離防止部。

Claims (11)

  1. 平滑化加工が施された表面を有する紙基材と、紙基材の平滑化加工が施された表面上に部分的に形成された非接着印刷部と、非接着印刷部および紙基材の上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層し、非接着印刷部とオレフィン系熱可塑性樹脂とは非接着であり、かつ紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂とは弱接着であるシート状積層体であって、該シート状積層体の少なくともいずれか一辺の端部近傍に剥離防止部が設けられていることを特徴とし、該剥離防止部は紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂が弱接着して形成される、シート状積層体。
  2. 前記剥離防止部が連続的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート状積層体。
  3. 前記剥離防止部が断続的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート状積層体。
  4. 前記剥離防止部が、シート状積層体の両端部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート状積層体。
  5. 前記剥離防止部が、千鳥状に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のシート状積層体。
  6. 平滑化加工が施された表面を有する紙基材と、紙基材の平滑化加工が施された表面上に部分的に形成された非接着印刷部と、非接着印刷部および紙基材の上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層し、非接着印刷部とオレフィン系熱可塑性樹脂とは非接着であり、かつ紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂とは弱接着であるロール状積層体であって、該ロール状積層体の幅方向端部近傍の少なくとも一方に剥離防止部が設けられていることを特徴とし、該剥離防止部は紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂が弱接着して形成される、ロール状積層体。
  7. 前記剥離防止部が、ロール状積層体の繰り出し方向に対して連続的に設けられていることを特徴とする請求項に記載のロール状積層体。
  8. 前記剥離防止部が、ロール状積層体の繰り出し方向に対して断続的に設けられていることを特徴とする請求項に記載のロール状積層体。
  9. 前記剥離防止部が、ロール状積層体の幅方向両端部に設けられていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載のロール状積層体。
  10. 前記剥離防止部が、ロール状積層体の両端部に千鳥状に設けられていることを特徴とする請求項に記載のロール状積層体。
  11. 平滑化加工が施された表面を有する紙基材と、紙基材の平滑化加工が施された表面上に部分的に形成された非接着印刷部と、非接着印刷部および紙基材の上にオレフィン系熱可塑性樹脂を積層し、非接着印刷部とオレフィン系熱可塑性樹脂とは非接着であり、かつ紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂とは弱接着であるスリット加工用ロール状積層体であって、切断部および端部近傍に剥離防止部を備え、該剥離防止部は紙基材とオレフィン系熱可塑性樹脂が弱接着して形成される、スリット加工用ロール状積層体。
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