JP7424050B2 - ゴム部材の製造方法及びゴム部材の製造システム - Google Patents

ゴム部材の製造方法及びゴム部材の製造システム Download PDF

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Description

本発明は、ゴム部材の製造方法及びゴム部材の製造システムに関する。
従来、ゴム押出機から押し出されたゴム部材を冷却しつつ搬送する搬送装置が知られている。例えば、下記特許文献1は、ゴム押出成型品を搬送するためのコンベアやドライブローラ等の長手方向搬送部と、ゴム押出成型品を水で濡らすための散水手段とを備えた搬送装置を提案している。
特開2005-305792号公報
しかしながら、特許文献1の搬送装置は、最も冷却が困難なゴム部材に合わせて冷却するため、押し出されるゴム部材によっては、ゴム部材を過剰に冷却してしまうことがあった。このため、特許文献1の搬送装置では、例えば、後工程でゴム部材にインシュレーションシートを貼り合わせて複合部材を形成する場合に、ゴム部材とインシュレーションシートとが剥がれることがあった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、押し出されるゴム部材の過剰冷却を抑制し得るゴム部材の製造方法及びゴム部材の製造システムを提供することを主たる目的としている。
本発明は、ゴム部材の製造方法であって、ゴム部材を押出手段から押し出す押出工程と、押し出された前記ゴム部材を搬送しながら、冷却手段により冷却する搬送・冷却工程と、前記冷却手段の冷却能力を、少なくとも前記ゴム部材の厚さ情報に基づいて制御する制御工程とを含むことを特徴とする。
本発明のゴム部材の製造方法において、前記制御工程は、さらに、前記ゴム部材の押出速度に基づいて、前記冷却能力を制御するのが望ましい。
本発明のゴム部材の製造方法において、前記制御工程は、さらに、前記ゴム部材のゴム配合に基づいて、前記冷却能力を制御するのが望ましい。
本発明のゴム部材の製造方法において、前記搬送・冷却工程の後、前記ゴム部材にインシュレーションシートを貼り合わせて複合部材を形成する複合工程と、前記複合部材を巻き取る巻取工程とをさらに含むのが望ましい。
本発明のゴム部材の製造方法において、前記制御工程は、前記ゴム部材の温度が、前記ゴム部材と前記インシュレーションシートとの貼り合わせ状態が向上する第1温度範囲となるように、前記冷却能力を制御するのが望ましい。
本発明のゴム部材の製造方法において、前記搬送・冷却工程は、前記冷却手段が設けられた冷却区間を前記ゴム部材が通過することで前記ゴム部材を冷却し、前記冷却能力は、前記冷却区間の長さを調整することで制御されるのが望ましい。
本発明のゴム部材の製造方法において、前記冷却手段は、前記ゴム部材に冷却水を噴射する噴射部が、前記ゴム部材の搬送方向に並ぶものであり、前記冷却能力は、前記噴射部の開閉度により制御されるのが望ましい。
本発明のゴム部材の製造方法において、前記搬送・冷却工程では、前記ゴム部材の搬送速度を、前記押出工程における前記ゴム部材の押出速度に基づいて制御するのが望ましい。
本発明は、ゴム部材の製造システムであって、ゴム部材を押し出す押出手段と、押し出された前記ゴム部材を搬送する搬送手段と、搬送される前記ゴム部材を冷却する冷却手段と、前記冷却手段の冷却能力を、少なくとも前記ゴム部材の厚さ情報に基づいて制御する制御手段とを含むことを特徴とする。
本発明のゴム部材の製造システムにおいて、冷却された前記ゴム部材にインシュレーションシートを貼り合わせて複合部材を形成する複合手段と、前記複合部材を巻き取る巻取手段とをさらに含むのが望ましい。
本発明のゴム部材の製造方法は、冷却手段の冷却能力を、少なくともゴム部材の厚さ情報に基づいて制御する制御工程を含んでいる。このようなゴム部材の製造方法は、ゴム部材の厚さが大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材の厚さが小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本発明のゴム部材の製造方法は、押し出されるゴム部材に合わせて冷却することができ、ゴム部材の過剰冷却を抑制することができる。
本発明のゴム部材の製造システムは、冷却手段の冷却能力を、少なくともゴム部材の厚さ情報に基づいて制御する制御手段を含んでいる。このようなゴム部材の製造システムは、ゴム部材の厚さが大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材の厚さが小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本発明のゴム部材の製造システムは、押し出されるゴム部材に合わせて冷却することができ、ゴム部材の過剰冷却を抑制することができる。
本発明のゴム部材の製造システムの一実施形態を示す概念図である。 押出手段の概念図である。 冷却手段の概念図である。 冷却手段が制御された製造システムの概念図である。 本発明のゴム部材の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態のゴム部材Gの製造システム1を示す概念図である。図1に示されるように、本実施形態のゴム部材Gの製造システム1は、ゴム部材Gを押し出す押出手段2と、押し出されたゴム部材Gを搬送する搬送手段3と、搬送されるゴム部材Gを冷却する冷却手段4とを少なくとも含んでいる。
製造システム1は、冷却手段4の冷却能力を制御する制御手段5をさらに含むのが望ましい。本実施形態の制御手段5は、少なくともゴム部材Gの厚さ情報に基づいて、冷却手段4の冷却能力を制御している。ここで、ゴム部材Gの厚さ情報は、ゴム部材Gの最大厚さの基づく数値である。
このようなゴム部材Gの製造システム1は、ゴム部材Gの厚さが大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材Gの厚さが小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本実施形態のゴム部材Gの製造システム1は、押し出されるゴム部材Gに合わせて冷却することができ、ゴム部材Gの過剰冷却を抑制することができる。
より好ましい態様として、製造システム1は、冷却されたゴム部材GにインシュレーションシートSを貼り合わせて複合部材Cを形成する複合手段6と、複合部材Cを巻き取る巻取手段7とをさらに含んでいる。本実施形態の製造システム1は、ゴム部材Gが適切な温度に冷却されているので、ゴム部材GとインシュレーションシートSとの密着性が良好であり、ゴム部材GとインシュレーションシートSとが剥がれることなく巻き取ることができる。
図2は、押出手段2の概念図である。図2に示されるように、押出手段2は、例えば、ゴム押出機10と、ゴム押出機10が連結された押出ヘッド11とを含んでいる。押出手段2は、ゴム部材Gの押出速度Evを調整自在に構成されるのが望ましい。本実施形態のゴム押出機10は、略円筒状のバレル12と、バレル12内に配されたスクリュー13とを含んでいる。このようなゴム押出機10は、バレル12内に投入されたゴム部材Gをスクリュー13で混練しながら押し出すことができる。
本実施形態のゴム押出機10は、第1押出機10A、第2押出機10B、第3押出機10C及び第4押出機10Dを含んでいる。このような押出手段2は、4層のゴム部材Gを押し出すことができる。なお、ゴム押出機10の数は、4つに限定されるものではなく、例えば、1つであってもよく、2つ以上の任意の数であってもよい。
押出ヘッド11は、例えば、ゴム押出機10が連結されたヘッド本体14と、ヘッド本体14に配されたプリフォーマ15と、プリフォーマ15に取り付けられた押出ダイ16とを含んでいる。押出ヘッド11は、ヘッド本体14からプリフォーマ15を経て押出ダイ16に至るゴム流路(図示省略)が形成されるのが望ましい。このような押出ヘッド11は、ゴム押出機10で混練されたゴム部材Gをまとめて、スムーズに押し出すことができる。
プリフォーマ15は、例えば、用いられるゴム押出機10の数に合わせたゴム流路が形成されている。押出ダイ16は、押し出されるゴム部材Gの断面形状を確定する吐出口(図示省略)が形成されているのが望ましい。プリフォーマ15及び押出ダイ16は、製造されるゴム部材Gに応じて変更可能であるのが望ましい。このようなプリフォーマ15及び押出ダイ16は、製造されるゴム部材Gが変更されたときにも、調整に要する時間を短縮することができる。
図1に示されるように、搬送手段3は、例えば、ベルトコンベア、ローラコンベア等の周知のコンベアを組み合わせて構成されている。搬送手段3は、ゴム部材Gの搬送速度Tvが調整自在に構成されるのが望ましい。このような搬送手段3は、押出手段2におけるゴム部材Gの押出速度Evに合わせて、搬送速度Tvを調整することができ、搬送手段3におけるゴム部材Gの過不足を抑制することができる。
本実施形態の冷却手段4は、ゴム部材Gに冷却水を噴射する噴射部18が、ゴム部材Gの搬送方向に複数並ぶものである。複数の噴射部18は、例えば、第1噴射部18A、第2噴射部18B、第3噴射部18C、第4噴射部18D及び第5噴射部18Eを含んでいる。このような冷却手段4は、噴射する噴射部18の数を変更することで、冷却能力を調整することができる。なお、噴射部18の数は、5つに限定されるものではなく、例えば、1つであってもよく、2つ以上の任意の数であってもよい。
図3は、第1噴射部18Aの概念図である。図3に示されるように、第1噴射部18Aは、例えば、複数のノズル20と、ノズル20に冷却水を供給するためのバルブ21とを含んでいる。複数のノズル20は、例えば、第1ノズル20A、第2ノズル20B及び第3ノズル20Cを含んでいる。このような第1噴射部18Aは、バルブ21を制御することで、ノズル20からの冷却水の噴射の有無及び噴射量を容易に制御することができる。
なお、ノズル20の数は、3つに限定されるものではなく、例えば、1つであってもよく、2つ以上の任意の数であってもよい。また、ノズル20の形状は、図示のものに限定されるものではなく、例えば、第1噴射部18Aの全体から冷却水を噴射するような形状であってもよい。
図1に示されるように、第2噴射部18B~第5噴射部18Eは、第1噴射部18Aと同一又は類似の構造を有するのが望ましい。本実施形態では、第4噴射部18D及び第5噴射部18Eとして、4つのノズル20を含むものが例示されている。なお、第2噴射部18B~第5噴射部18Eのノズル20の数も、第1噴射部18Aと同様に、1つであってもよく、2つ以上の任意の数であってもよい。
冷却手段4は、例えば、押出手段2と噴射部18との間に配されたプレ冷却部19を含んでいてもよい。プレ冷却部19は、例えば、冷却水が貯められた貯水槽22と、貯水槽22に冷却水を供給する供給ノズル23とを含んでいる。プレ冷却部19は、押し出されるゴム部材Gに対する最小限の冷却能力を有するのが望ましい。
このようなプレ冷却部19は、貯水槽22に押し出されたゴム部材Gを浸水させることで、ゴム部材Gを冷却することができる。また、プレ冷却部19は、貯水槽22に供給ノズル23から冷却水を供給することで、貯水槽22内の冷却水の温度を略一定に維持することができる。
本実施形態の制御手段5は、冷却手段4の冷却能力を、冷却区間の長さを調整することで制御している。制御手段5は、例えば、少なくともゴム部材Gの厚さ情報に基づいて、冷却手段4のバルブ21を制御することで、冷却区間の長さを調整している。
図4は、冷却手段4が制御された一例を示す製造システム1の概念図である。図4に示されるように、この場合の制御手段5は、第1噴射部18A~第3噴射部18Cのバルブ21を閉じることで、冷却区間が短くなるように制御している。このように、制御手段5は、第1噴射部18A~第5噴射部18Eのバルブ21を制御することで、冷却区間の長さを調整することができる。
制御手段5は、例えば、冷却手段4の冷却能力を、噴射部18の開閉度により制御してもよい。この場合の制御手段5は、噴射部18のバルブ21の開閉度を0%~100%の間で変更している。このような制御手段5は、冷却手段4の冷却能力を、冷却区間の長さと共に、冷却水の噴射量を調整することで制御することができる。
制御手段5は、例えば、ゴム部材Gの厚さ情報に加え、ゴム部材Gの押出速度Evに基づいて、冷却手段4の冷却能力を制御してもよい。このような制御手段5は、ゴム部材Gの押出速度Evが大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材Gの押出速度Evが小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本実施形態のゴム部材Gの製造システム1は、押し出されるゴム部材Gに合わせて冷却することができ、ゴム部材Gの過剰冷却をより確実に抑制することができる。
制御手段5は、さらに、ゴム部材Gのゴム配合に基づいて、冷却手段4の冷却能力を制御してもよい。このような制御手段5は、ゴム部材Gのゴム配合の粘着性が大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材Gのゴム配合の粘着性が小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本実施形態のゴム部材Gの製造システム1は、押し出されるゴム部材Gに合わせて冷却することができ、ゴム部材Gの過剰冷却をより確実に抑制することができる。
本実施形態の複合手段6は、インシュレーションシートSが巻き付けられた少なくとも1つのシートドラム24と、ゴム部材GとインシュレーションシートSとを密着させる密着ロール25とを含んでいる。このような複合手段6は、ゴム部材GとインシュレーションシートSとを確実に密着させることができる。
本実施形態の巻取手段7は、複合部材Cの搬送速度Tvと巻取速度Wvとの速度差を吸収するフェスツーン26と、複合部材Cを巻き取る巻取ドラム27とを含んでいる。このような巻取手段7は、予め定められた巻取速度Wvで複合部材Cを巻き取ることができる。また、この巻取手段7は、フェスツーン26により、巻取ドラム27を交換するときにも、製造システム1の全体を停止させる必要がない。
また、本実施形態の複合部材Cは、ゴム部材Gが適度な温度で貼り合わされているので、フェスツーン26の通過時や巻取ドラム27の巻き取り時に、ゴム部材GとインシュレーションシートSとの剥がれを抑制することができる。
次に、図1ないし図4を参酌しつつ、本実施形態のゴム部材Gの製造方法が説明される。
図5は、本実施形態のゴム部材Gの製造方法を示すフローチャートである。図5に示されるように、本実施形態のゴム部材Gの製造方法は、ゴム部材Gを押出手段2から押し出す押出工程S1を含んでいる。押出工程S1は、例えば、予め定められた押出温度T0で混練されたゴム部材Gが押し出される。
ゴム部材Gの製造方法は、押し出されたゴム部材Gを搬送しながら、冷却手段4により冷却する搬送・冷却工程S2を含むのが望ましい。搬送・冷却工程S2は、例えば、ゴム部材Gの温度が押出温度T0よりも低い第1温度T1範囲になるように冷却している。
本実施形態のゴム部材Gの製造方法は、冷却手段4の冷却能力を、少なくともゴム部材Gの厚さ情報に基づいて制御する制御工程S3を含んでいる。ゴム部材Gの厚さ情報は、例えば、押出ダイ16の吐出口の形状に基づき予め取得されたものでもよいし、搬送途中で測定されたものでもよい。制御工程S3は、搬送・冷却工程S2と同時に行われるのが望ましい。
このようなゴム部材Gの製造方法は、ゴム部材Gの厚さが大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材Gの厚さが小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本実施形態のゴム部材Gの製造方法は、押し出されるゴム部材Gに合わせて冷却することができ、ゴム部材Gの過剰冷却を抑制することができる。
より好ましい態様として、ゴム部材Gの製造方法は、搬送・冷却工程S2の後、ゴム部材GにインシュレーションシートSを貼り合わせて複合部材Cを形成する複合工程S4と、複合部材Cを巻き取る巻取工程S5とをさらに含んでいる。本実施形態の製造システム1は、ゴム部材Gが適切な温度に冷却されているので、ゴム部材GとインシュレーションシートSとの密着性が良好であり、ゴム部材GとインシュレーションシートSとが剥がれることなく巻き取ることができる。
押出工程S1は、例えば、押出手段2で混練されたゴム部材Gを、予め定められた押出速度Evで押し出している。押出工程S1は、押出手段2に設けられたヒータ等により押出温度T0を維持しつつゴム部材Gを押し出すのが望ましい。このような押出工程S1は、ゴム部材Gを押出温度T0で混練しつつ連続して押し出すことができる。
本実施形態の搬送・冷却工程S2は、冷却手段4が設けられた冷却区間をゴム部材Gが通過することでゴム部材Gを冷却している。このような搬送・冷却工程S2は、冷却工程を別途設けることなく搬送途中で冷却することができ、ゴム部材Gの生産性を向上させることができる。
搬送・冷却工程S2は、ゴム部材Gの搬送速度Tvを、押出工程S1におけるゴム部材Gの押出速度Evに基づいて制御するのが望ましい。このような搬送・冷却工程S2は、押出工程S1におけるゴム部材Gの押出速度Evに合わせて、搬送速度Tvを調整することができ、搬送途中におけるゴム部材Gの過不足を抑制することができる。
本実施形態の制御工程S3は、ゴム部材Gの温度が、ゴム部材GとインシュレーションシートSとの貼り合わせ状態が向上する第1温度T1範囲となるように、冷却手段4の冷却能力を制御している。制御工程S3は、例えば、押出工程S1におけるゴム部材Gの押出温度T0に基づいて、冷却手段4の冷却能力を制御してもよい。このような制御工程S3は、ゴム部材GとインシュレーションシートSとが剥がれることを抑制することができる。
冷却能力は、冷却区間の長さを調整することで制御されるのが望ましい。制御工程S3は、例えば、第1噴射部18A~第5噴射部18Eのバルブ21を制御することで、冷却区間の長さを調整している。このような制御工程S3は、冷却手段4の冷却能力をより容易に制御することができる。
冷却能力は、噴射部18の開閉度により制御されるのが望ましい。制御工程S3は、例えば、噴射部18のバルブ21の開閉度を0%~100%の間で変更することで、冷却区間の長さと共に、冷却水の噴射量を調整している。このような制御工程S3は、冷却手段4の冷却能力をより精密に制御することができる。
制御工程S3は、ゴム部材Gの厚さ情報に加え、ゴム部材Gの押出速度Evに基づいて、冷却手段4の冷却能力を制御するのが望ましい。このような制御工程S3は、ゴム部材Gの押出速度Evが大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材Gの押出速度Evが小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本実施形態のゴム部材Gの製造方法は、押し出されるゴム部材Gに合わせて冷却することができ、ゴム部材Gの過剰冷却をより確実に抑制することができる。
本実施形態の制御工程S3は、ゴム部材Gの厚さと押出速度Evとの積として求められる係数αに基づき、冷却手段4の冷却能力を制御している。制御工程S3は、例えば、係数αに対するバルブ21の開閉度が設定されたテーブルに基づき、冷却手段4の冷却能力を制御している。このような制御工程S3は、ゴム部材Gの厚さ情報とゴム部材Gの押出速度Evとの2つのパラメータを1つのパラメータとして管理することができる。このため、本実施形態のゴム部材Gの製造方法はゴム部材Gの過剰冷却をより容易に抑制することができる。
制御工程S3は、さらに、ゴム部材Gのゴム配合に基づいて、冷却手段4の冷却能力を制御してもよい。制御工程S3は、ゴム配合毎に係数αに対するバルブ21の開閉度が設定されたテーブルを有するのが望ましい。このような制御工程S3は、ゴム部材Gのゴム配合の粘着性が大きいときに冷却能力を向上させ、ゴム部材Gのゴム配合の粘着性が小さいときに冷却能力を低下させることができる。このため、本実施形態のゴム部材Gの製造方法は、押し出されるゴム部材Gに合わせて冷却することができ、ゴム部材Gの過剰冷却をより確実に抑制することができる。
複合工程S4は、第1温度T1範囲のゴム部材GとインシュレーションシートSとを貼り合わせるのが望ましい。このような複合工程S4は、ゴム部材GとインシュレーションシートSとの貼り合わせ状態が良好であり、複合部材Cのゴム部材GとインシュレーションシートSとの剥がれを抑制することができる。
巻取工程S5は、予め定められた巻取速度で複合部材Cを巻き取るのが望ましい。本実施形態の複合部材Cは、ゴム部材GとインシュレーションシートSとが確実に貼り合されているので、巻取工程S5においてもゴム部材GとインシュレーションシートSとの剥がれを抑制することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
図1ないし図4の製造システムを用いて、図5の製造方法で、4層のゴム部材にインシュレーションシートが貼り合わされた複合部材を製造する実施例が行われた。実施例では、以下の表1に基づき、第1噴射部~第5噴射部のバルブが制御された。比較例として、第1噴射部~第5噴射部のバルブを全て開いた状態で、複合部材の製造が行われた。
Figure 0007424050000001
実施例及び比較例において、それぞれ、18000個の巻取ドラムに相当する複合部材が製造されたときの、ゴム部材とインシュレーションシートとの剥がれの発生率が計測された。
テストの結果が表2に示される。
Figure 0007424050000002
テストの結果、実施例は、比較例に対して、ゴム部材とインシュレーションシートとの剥がれが抑制されており、押し出されるゴム部材の過剰冷却が抑制されていることが確認された。
1 製造システム
2 押出手段
3 搬送手段
4 冷却手段
5 制御手段

Claims (7)

  1. ゴム部材の製造方法であって、
    ゴム部材を押出手段から押し出す押出工程と、
    押し出された前記ゴム部材を搬送しながら、冷却手段により冷却する搬送・冷却工程と、
    前記冷却手段の冷却能力を、少なくとも前記ゴム部材の厚さ情報に基づいて制御する制御工程と
    前記搬送・冷却工程の後、前記ゴム部材にインシュレーションシートを貼り合わせて複合部材を形成する複合工程と、
    前記複合部材を巻き取る巻取工程とを含み、
    前記制御工程は、前記ゴム部材の温度が、前記ゴム部材と前記インシュレーションシートとの貼り合わせ状態が向上する第1温度範囲となるように、前記冷却能力を制御する
    ゴム部材の製造方法。
  2. 前記制御工程は、さらに、前記ゴム部材の押出速度に基づいて、前記冷却能力を制御する、請求項1に記載のゴム部材の製造方法。
  3. 前記制御工程は、さらに、前記ゴム部材のゴム配合に基づいて、前記冷却能力を制御する、請求項1又は2に記載のゴム部材の製造方法。
  4. 前記搬送・冷却工程は、前記冷却手段が設けられた冷却区間を前記ゴム部材が通過することで前記ゴム部材を冷却し、
    前記冷却能力は、前記冷却区間の長さを調整することで制御される、請求項1ないしのいずれか1項に記載のゴム部材の製造方法。
  5. 前記冷却手段は、前記ゴム部材に冷却水を噴射する噴射部が、前記ゴム部材の搬送方向に並ぶものであり、
    前記冷却能力は、前記噴射部の開閉度により制御される、請求項1ないしのいずれか1項に記載のゴム部材の製造方法。
  6. 前記搬送・冷却工程では、前記ゴム部材の搬送速度を、前記押出工程における前記ゴム部材の押出速度に基づいて制御する、請求項1ないしのいずれか1項に記載のゴム部材の製造方法。
  7. ゴム部材の製造システムであって、
    ゴム部材を押し出す押出手段と、
    押し出された前記ゴム部材を搬送する搬送手段と、
    搬送される前記ゴム部材を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段の冷却能力を、少なくとも前記ゴム部材の厚さ情報に基づいて制御する制御手段と
    冷却された前記ゴム部材にインシュレーションシートを貼り合わせて複合部材を形成する複合手段と、
    前記複合部材を巻き取る巻取手段とを含み、
    前記制御手段は、前記ゴム部材の温度が、前記ゴム部材と前記インシュレーションシートとの貼り合わせ状態が向上する第1温度範囲となるように、前記冷却能力を制御する
    ゴム部材の製造システム。
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