JP2005125499A - インフレーションフィルム成形方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】最外層に接着剤等の粘接着層を有する円筒状フィルム製品を成形する際、円筒状フィルム同士の密着や、円筒状フィルムに皺の発生を防止し、製品不良を起こすことなく効率良く円筒状フィルムを製造することが出来るインフレーションフィルム成形方法及びその装置を提供する。
【解決手段】インフレーションフィルム押出し成形装置は、予め二軸混練押出し機等で所定の配合で混練した熱可塑性エラストマー材料を投入口からホッパー1に投入し、単軸押出し機2によりゴムと樹脂とを混合し、この混合溶融材料をサーキュラダイ3で円筒状に成形する。この発明ではフロストラインSxより上方、好ましくはフロストラインSxから1m〜2m上方で、かつガイド手段7の下方において円筒状フィルムWの外表面、即ち、粘接着層に空気、または不活性ガス等の送風冷却媒体Xを連続的に、しかも均一に吹き付けて送風冷却処理する送風冷却手段6Xが設けてある。
【選択図】 図1

Description

この発明は、インフレーションフィルム成形方法及びその装置にかかわり、更に詳しくは熱可塑性エラストマーを連続層とし、ゴム組成物を分散層とした熱可塑性エラストマー組成物と粘接着組成物との複層フィルムを連続的にインフレーション成形する際に、円筒状フィルムの密着や皺を発生させることなく、効率良く生産することが出来るインフレーションフィルム成形方法及びその装置に関するものである。
一般にインフレーションフィルム成形設備としては、例えば、図3に示すように予め二軸混練押出し機等で所定の配合で混練した熱可塑性エラストマー材料を投入口からホッパー1に投入し、単軸押出し機2により樹脂材料を混合し、この混合溶融材料をサーキュラダイ3で円筒状に成形する。
そしてダイリップ口4の中心部から圧縮空気を送って一定の径dまで筒状に膨張させ、更に外部からはダクト5に接続されたエアーリング6で冷却空気SをフロストラインSx(円筒状フィルムWの冷却固化線)に沿って吹き付けて冷却しながら成形する。
なお、円筒状フィルムWの径D及び厚さの調整は、ダイリップ口4のリップ径dの調整、及びエアーリング6の冷却空気Sによる風量調整等を行って精度の高い円筒状フィルムWを成形する。前記円筒状フィルムWは、熱可塑性エラストマー材料のみで成形した後に、他の部材と接着させるための接着剤を塗布しても良く、前記インフレーションフィルム押出し成形装置に接着剤用の押出し機を付加し、接着剤が外側になるように熱可塑性エラストマー材料と2層同時に押出しても良い。
前記円筒状に膨張して成形された円筒状フィルムWは、その上部に設けた傘状のガイド手段7及びニップロール8a,8bを介して折り畳まれ、この折り畳まれた円筒状フィルムWは、複数本のガイドロール9を介して巻取り機10のボビン11にロール状の円筒状巻物12に巻取られる(例えば、特許文献1参照)。
然しながら、上記のような最外層に接着剤等の粘接着層を有する円筒状フィルム製品を成形する際、その粘接着層の接着により円筒状フィルム同士の密着や、円筒状フィルムに皺が生じ易く、製品不良を起こすと言う問題があった。
特開2002−225132公報(第2〜3頁、図1)
この発明は、かかる従来の問題点に着目して案出されたもので、最外層に接着剤等の粘接着層を有する円筒状フィルム製品を成形する際、円筒状フィルム同士の密着や、円筒状フィルムに皺の発生を防止し、製品不良を起こすことなく効率良く円筒状フィルムを製造することが出来るインフレーションフィルム成形方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記目的を達成するため、この発明のインフレーションフィルム成形方法は、押出し成形されたフィルムが円筒状フィルムにインフレーション成形された後、フロストラインとガイド手段との間の少なくとも一箇所以上で前記円筒状フィルムの表面を送風冷却処理することを要旨とするものである。
ここで、前記送風冷却媒体として、予め室温以下で、かつ熱可塑性エラストマー組成物もしくは粘接着組成物を構成する熱可塑性樹脂の少なくとも一方の高い方の脆化温度以上の空気、または不活性ガスを使用する。
このように、インフレーション成形された後の円筒状フィルムに対して、フロストラインとガイド手段との間の少なくとも一箇所以上で前記円筒状フィルムの表面を送風冷却処理することで、円筒状フィルム同士の密着や、円筒状フィルムに皺の発生を防止出来る。
また、この発明のインフレーションフィルム成形装置は、押出し成形された円筒状フィルムのフロストラインとガイド手段との間に、円筒状フィルムの表面を送風冷却処理する少なくとも一台以上の送風冷却手段を設置したことを要旨とするものである。
ここで、前記送風冷却手段は、円筒状フィルムの外周面を覆う中空環状体により構成され、前記中空環状体は、外表面に少なくとも一箇所以上の送風冷却媒体の導入口を設けると共に、内周面に円筒状フィルムの外周面に送風冷却媒体を均等に噴出させる複数の噴出口を設けた構成となっている。
このように、押出し成形された円筒状フィルムのフロストラインとガイド手段との間に、円筒状フィルムの表面を送風冷却処理する少なくとも一台以上の送風冷却手段を設置したことにより、インフレーション成形された後の円筒状フィルムを効率良く冷却でき、円筒状フィルム同士の密着や、円筒状フィルムに皺の発生を防止出来、製品不良を起こすことなく効率良く円筒状フィルムを製造することが出来るものである。
この発明は、上記のように構成したので、最外層に接着剤等の粘接着層を有する円筒状フィルム製品を成形する際、円筒状フィルム同士の密着や、円筒状フィルムに皺の発生を防止でき、製品不良を起こすことなく効率良く円筒状フィルムを製造することが出来る効果がある。
以下、添付図面に基づきこの発明の実施の形態を説明する。
なお、従来例と同一構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。
図1は、この発明のインフレーションフィルム成形方法を実施するためのインフレーションフィルム成形装置の概略構成図、図2は送風冷却手段の拡大斜視図を示し、この発明の実施形態では、熱可塑性樹脂を連続層とし、ゴム組成物を分散層とした熱可塑性エラストマー組成物と粘接着組成物との複層フィルムを円筒状フィルムWにインフレーション押出し成形し、この円筒状フィルムWの用途としては、例えば、タイヤ構成材料としてのインナーライナー部材として使用するものである。
前記インフレーションフィルム押出し成形装置は、予め二軸混練押出し機等で所定の配合で混練した熱可塑性エラストマー材料を投入口からホッパー1に投入し、単軸押出し機2によりゴムと樹脂とを混合し、この混合溶融材料をサーキュラダイ3で円筒状に成形する。
そしてダイリップ口4の中心部から圧縮空気を送って一定の径dまで筒状に膨張させ、更に外部からはダクト5に接続されたエアーリング6で冷却空気SをフロストラインSx(円筒状部材Wの冷却固化線)に沿って吹き付けて冷却しながら成形する。
なお、円筒状部材Wの径D及び厚さの調整は、ダイリップ口4のリップ径dの調整、及びエアーリング6の冷却空気Sによる風量調整等を行って精度の高い円筒状フィルムWを成形する。
前記円筒状フィルムWは、熱可塑性エラストマー材料のみで成形した後に、タイヤ構成材料と接着させるための粘接着組成物から成る粘接着層を塗布して形成する。この場合、前記インフレーションフィルム押出し成形装置に粘接着組成物用の押出し機を付加し、粘接着層が外側になるように熱可塑性エラストマー材料と2層同時に押出しても良い。工程の面では後者が好ましい。
更に、この発明ではフロストラインSxより上方、好ましくはフロストラインSxから1m〜2m上方で、かつガイド手段7の下方において円筒状フィルムWの外表面、即ち、粘接着層に空気、または不活性ガス等の送風冷却媒体Xを連続的に、しかも均一に吹き付けて送風冷却処理する送風冷却手段6Xが設けてある。
この送風冷却媒体Xとしては、室温以下で、かつ熱可塑性エラストマー組成物もしくは粘接着組成物を構成する熱可塑性樹脂の少なくとも一方の高い方の脆化温度以上の空気、または不活性ガスを使用し、冷却機等を用いて温度を下げておくことが好ましい。
この送風冷却媒体Xを吹き付けない従来装置の場合には、成形時の熱により粘接着層の粘接着性が高く、円筒状フィルムW同士が密着したり、皺が発生し易いと言う問題があり、また送風冷却手段6XをフロストラインSxよりも下方に設置した場合には、成形される材料のインフレーション成形に影響を与え、成形不良を招くと言う問題があった。
前記送風冷却手段6Xは、図2に示すように、円筒状フィルムWの外周面を覆う中空環状体13により構成され、前記中空環状体13は、外表面に少なくとも一箇所以上に、送風冷却媒体Xの導入口14を設けると共に、内周面には円筒状フィルムWの外周面に送風冷却媒体Xを均等に噴出させる多数の噴出口15が設けてある。なお、前記送風冷却媒体Xの導入口14は、装置外部に設置された送風冷却媒体Xの供給手段に接続されている。
前記円筒状に膨張して成形された円筒状フィルムWは、その上部に設けた傘状のガイド手段7及びニップロール8a,8bを介して折り畳まれ、この折り畳まれた円筒状フィルムWは、複数本のガイドロール9を介して巻取り機10のボビン11にロール状に巻取られ、各種サイズ別のロール状円筒状巻物12は、一ケ所に保管されるか、またはタイヤの成形機の近傍に配設される。
この発明のインフレーションフィルム成形方法は、上記のように押出し成形されたフィルムが円筒状フィルムWにインフレーション成形され、粘接着層を塗布した後、フロストラインSxとガイド手段7との間の少なくとも一箇所以上で前記円筒状フィルムWの粘接着層の表面を送風冷却手段6Xにより送風冷却処理することで、円筒状フィルムW同士の密着や、円筒状フィルムWに皺の発生を防止出来るものである。
この発明のインフレーションフィルム成形方法を実施するためのインフレーションフィルム成形装置の概略構成図である。 送風冷却手段の拡大斜視図である。 従来のインフレーションフィルム成形方法を実施するためのインフレーションフィルム成形装置の概略構成図である。
符号の説明
1 ホッパー 2 単軸押出し機
3 サーキュラダイ 4 ダイリップ口
5 ダクト 6 エアーリング
6X 送風冷却手段 7 ガイド手段
8a,8b ニップロール 9 ガイドロール
10 巻取り機 11 ボビン
12 ロール状円筒状巻物 13 中空環状体
14 送風冷却媒体の導入口 15 噴出口
W 円筒状フィルム S 冷却空気
X 送風冷却媒体 Sx フロストライン
d リップ径

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂を連続層とし、ゴム組成物を分散層とした熱可塑性エラストマー組成物と粘接着組成物との複層フィルムを円筒フィルム状にインフレーション押出し成形するインフレーションフィルム成形方法において、
    前記押出し成形されたフィルムが円筒状フィルムにインフレーション成形された後、フロストラインとガイド手段との間の少なくとも一箇所以上で前記円筒状フィルムの表面を送風冷却処理することを特徴とするインフレーションフィルム成形方法。
  2. 前記送風冷却媒体として、予め室温以下で、かつ熱可塑性エラストマー組成物もしくは粘接着組成物を構成する熱可塑性樹脂の少なくとも一方の高い方の脆化温度以上の空気、または不活性ガスを使用する請求項1に記載のインフレーションフィルム成形方法。
  3. 押出し機から押出しされた熱可塑性樹脂を連続層とし、ゴム組成物を分散層とした熱可塑性エラストマー組成物と粘接着組成物との複層フィルムをインフレーション押出し成形して円筒状フィルムに形成するインフレーションフィルム成形装置において、
    前記押出し成形された円筒状フィルムのフロストラインとガイド手段との間に、円筒状フィルムの表面を送風冷却処理する少なくとも一台以上の送風冷却手段を設置したことを特徴とするインフレーションフィルム成形装置。
  4. 前記送風冷却手段は、円筒状フィルムの外周面を覆う中空環状体により構成され、前記中空環状体は、外表面に少なくとも一箇所以上の送風冷却媒体の導入口を設けると共に、内周面に円筒状フィルムの外周面に送風冷却媒体を均等に噴出させる多数の噴出口を設けた請求項3に記載のインフレーションフィルム成形装置。

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