JP3718194B2 - 短繊維入りゴムシートの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

短繊維入りゴムシートの製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は短繊維入りゴムシートの製造方法及びその製造装置に係り、詳しくは短繊維混入ゴムを吐出口へ向かって徐々に大きくなる拡張ダイによって、短繊維を円周方向へ配向させた筒状成形体に押出し、更に押出された直後の筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、筒状成形体を一枚シートに巻き取ることよってシートの波打ちを防止した短繊維入りゴムシートの製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から未加硫ゴム中に短繊維を一定方向へ配向させる方法としては、圧延シート作製工程において回転速度を変えた一対のカレンダーロールに短繊維を含んだ未加硫ゴムを投入し、圧延されたゴムシート中の短繊維をシートの圧延方向へ配向させ、そして成形するベルト幅に応じて切断していた。その後、積層工程においてカットした圧延シートを数枚重ね合わせて所定厚みに積層し、続いて巻付け工程において短繊維が幅方向に配向した積層物を成形ドラムに巻き付けて伝動ベルトの製造に使用していた。
【0003】
即ち、VリブドベルトやローエッジVベルトの伝動ベルトの製造方法では、円筒状の成型ドラムの周面に1〜複数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、この上にコードからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に圧縮ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、これを加硫してベルトスリーブにしていた。ここで使用する圧縮ゴム層は、3〜4枚重ね合わせた厚みのもので、シート幅方向に短繊維が配向したものを成型ドラムに巻き付けていた。
【0004】
しかし、圧延シートは、厚みを薄くしなければ、短繊維をシート圧延方向に充分に配向させることができないために、やむを得ずシートを重ねていたためにベルト成形用シートを得るには多大の工数を要していた。
【0005】
これを改善する方法として、拡張ダイを取付けた押出機を用い、短繊維を押出円筒体の円周方向に配向させるもので、中間空間に、入口空間の所定の流路幅から出口空間の所定の流路幅まで流路幅が変化する拡大空間部を設け、拡張ダイの出口空間の断面積を入口空間の断面積より所定量大きく形成し、さらに入口部分の流路幅が中間部分の流路幅よりも狭く、出口部分の流路幅が中間部分の流路幅以下に設定したものが、提案された。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
そして、押出した短繊維を円周方向に配向させた筒状エラストマーを軸方向に切開する切断装置と、切開されたエラストマーを平板状に展開する展開装置を設け、更に押出装置と切断装置との間に案内装置を設けて、ここから空気を吹出すようにして、筒状エラストマーの円周方向への収縮を抑えながら冷却し、不均一な収縮に起因する短繊維を配向の乱れを阻止し、またシートの両端と中央との距離が等しくなるように展開機構の傾きを調節できるようにしてフレア(波打ち)の発生を阻止した製造装置が開示されている。(例えば、特許文献2参照)
【0007】
【特許文献1】
特公平6−9847号公報
【特許文献2】
特開平6−106602号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の拡張ダイを使用する方法では、入口空間/中間空間、中間空間/出口空間の流路幅比率、入口部分/出口部分の半径、断面積の制御により3次元的に配向率の調整を行うものであるが、ダイ形状に起因する流れの力で配向率を制御しているため、ダイを交換しなければ配向率を変えることができなかった。
【0009】
また、シリンダーの先端に接続したダイによってゴムの流れを水平方向から直角方向へ変換して押出したクロスヘッドにした場合には、ダイ部は垂直方向に配置されるために撓み等の内部歪みが小さいため円筒押出成形品の厚み等の寸法精度が向上する。しかし、円筒押出成形品の円周方向の厚み分布を均一化させるためのクロスヘッド内のゴム流路設計(フローガイド)によって、通常、ウェルドラインが押出機側とこれと180°対角側の2個所から、押出機側から180°対角側の1個所で発生する。しかし、ウェルドラインは塑性流動しているゴムの衝突領域となって、短繊維がランダム配向し、また厚みも薄く成形される部分である。
【0010】
そのため、ウェルドライン上で切断して一枚のシートに巻き取った場合、図5に示すようにカット面のサイドaは切開直後から角度を拡大して伸長しながらロールbに到達し、またそれ以外の領域は伸長せずロールbに達することになる。即ち、サイドaの切開点cとロール到達点dまでの長さであるHがある値を超えると、伸長し過ぎて永久歪みとして残り、これがシートになったときに波打ち現象として発生することがあった。
【0011】
本発明はかかる問題に着目し、鋭意研究した結果、押出された直後の筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、筒状成形体を一枚シートに巻き取ることよってシートの波打ちを防止し、更にシートの厚みと短繊維の配向性を均一にした短繊維入りゴムシートの製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成すべく本願請求項1記載の発明は、短繊維とゴムをシリンダーの押出スクリューで混練りした後、環状拡張ダイによって押出し、得られた短繊維入ゴムの筒状成形体を切開してシートに仕上げる短繊維入りゴムシートの製造方法において、
短繊維混入ゴムを、吐出口へ向かって徐々に径を拡張して円錐形にした内ダイを外ダイに収容した環状拡張ダイによって、短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出成形し、
筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、筒状成形体を一枚シートに巻き取る、
短繊維入りゴムシートの製造方法にある。
【0013】
この製造方法では、筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、筒状成形体を一枚シートに巻き取り、サイドの伸長を抑制してシートの波打ち現象を阻止し、またウェルドラインを含むスクラップ片を切断除去して、シート厚みや短繊維の配向性を均一にすることができ、更に未加硫ゴムのスクラップ片を再利用することができる。
【0014】
本願請求項2記載の発明は、ウェルドラインを中心にした左右の位置で押出方向に沿って切断し、発生したスクラップ片を除去する短繊維入りゴムシートの製造方法にある。
【0015】
本願請求項3記載の発明は、スクラップ片の円弧長は、押出し直後の筒状成形体の外周長を100とすると、5〜25である短繊維入りゴムシートの製造方法にある。
【0016】
本願請求項4記載の発明は、切断した筒状成形体のサイドの長さ方向への伸び率をE、サイド以外の同様な長さ方向への伸び率Eにしたとき、伸び率格差(E−E)が0〜5である短繊維入りゴムシートの製造方法にある。
【0017】
本願請求項5記載の発明は、ゴムの流れを水平方向から垂直方向へ変換し、筒状成形体を重力に抗する方向に押出すようにした短繊維入りゴムシートの製造方法にあり、筒状成形体が重力により変形せず、寸法変化の少ない状態で押出が可能になる。
【0018】
本願請求項6記載の発明は、筒状成形体を切開するとき、冷風または圧縮気体を筒状成形体内部に吹き付けながら円周方向へ張力を与える短繊維入りゴムシートの製造方法であり、切開を容易にしてシート化することができる。
【0019】
本願請求項7記載の発明は、短繊維とゴムをシリンダーの押出スクリューで混練りした後、環状拡張ダイによって押出し、得られた短繊維入ゴムの筒状成形体を切開してシートに仕上げる短繊維入りゴムシートの製造装置において、
押出スクリューの回転により短繊維を含むゴムを混練するシリンダーと、
該シリンダーに連結した内ダイを外ダイに収容し、該内ダイの径を吐出口に向かって徐々に拡張させるとともに、短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出する環状拡張ダイと、
押出された直後の筒状成形体を発生するウェルドラインを跨いだ2個所の位置に切断部材を配置し、2個所を同時に切開して一枚シートにする切断手段と
押出方向に切開したスクラップ片を回収するスクラップ回収手段と、
上記一枚のシートを個別に巻き取る巻き取り手段と、
を備えた短繊維入りゴムシートの製造装置にある。
【0020】
この装置では、請求項1と同様にサイドの伸長率を抑えることができてシートの波打ち現象を阻止し、またウェルドラインを含むスクラップ片を切断除去するために、シートの厚みや短繊維の配向性も均一にすることができる。そして、未加硫ゴムのスクラップ片を再利用することができる。
【0021】
本願請求項8記載の発明は、ゴムの流れを水平方向から垂直方向へ変換し、筒状成形体を重力に抗する方向に押出すように環状拡張ダイを配置した短繊維入りゴムシートの製造装置にあり、筒状成形体が重力により変形せず、寸法変化の少ない状態で押出が可能になる。
【0022】
本願請求項9記載の発明は、押出された直後の筒状成形体内部に冷風または圧縮気体を吹き付けながら円周方向へ張力を与える気体吹き付け装置を設けた短繊維入りゴムシートの製造装置にあり、切開を容易にしてシート化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1は本発明に係る短繊維入りゴム成形体の製造装置の要部概略図、図2は図1の部分断面図、そして図3は図1をA−A方向から見た図である。
本発明の短繊維入りゴム成形体の製造装置1では、図1、図2に示すように押出スクリュー3の回転により短繊維を含むゴムを混練するシリンダー2と、短繊維混入ゴム7を次の工程へ移動させる連結管4からなる押出機6を有し、この押出機6から押出された短繊維混入ゴム7を、内ダイ9と外ダイ10の間隙を通過させ、吐出口11へ向かって徐々に大きくなる円周方向への伸張を付与して、短繊維を円周方向へ配向させた筒状成形体13を押出する環状拡張ダイ15と、押出された直後の筒状成形体13の押出機側から180°対角側の1個所に発生するウェルドライン14を中心にして左右に設けた2個所の切断部材21を配置し、2個所切開しながらウェルドライン14を含むスクラップ片16を押出方向に沿って切断除去しながら、一枚のシート18にする切断手段20と、押出方向に切開したスクラップ片16を回収するスクラップ回収手段30と、そして上記一枚のシート18を巻き取る巻き取り手段40とを備えている。
【0024】
押出機6のシリンダー2は、図2に示すように、この中に回転可能に押出スクリュー3を収容し、短繊維を含むゴム配合物を原料投入口17から入れて押出スクリュー3の回転によって短繊維とゴムとを混練して短繊維混入ゴム7にする。この時にシリンダー2内の空気やゴム配合物から発生したガス等は排気口(図示せず)から排出される。シリンダー2の温度はゴム種に応じて変更するが、通常40〜100°Cに調節され、短繊維とゴムはミキシングされやすい温度に加熱して熱可塑化し、押出成形しやすい状態にする。また、この場合の混練時間はゴムの加硫が進行しない程度に調節する。連結管4は、短繊維混入ゴム7を環状拡張ダイ15までガイドするものである。
【0025】
環状拡張ダイ15は、図2に示すように、吐出口11へ向かって径を徐々に拡張させた円錐形とした内ダイ9を外ダイ10に収容し、これらのダイ9、10の間に所定厚みの間隙を設けている。短繊維混入ゴム7は吐出口11へ向かって徐々に大きくなる円周方向への引き伸ばしを受けながら短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体13に押出成形される。
【0026】
環状拡張ダイ15は水平に配置された押出機6に垂直に固定され、しかも吐出口11から押出される筒状成形体13が重力に抗するように置かれているため、筒状成形体13は重力により変形せず、寸法変化の少ない状態で押出される。また垂直方向に配置した環状拡張ダイ15は、内ダイ9の自重によって撓みにくく、内ダイ9と外ダイ10との間隙が一定に保持され、これによって厚み変形量の小さな筒状成形体13に仕上げることができる。
【0027】
内ダイ9と外ダイ10の流路幅(ニップル)は、内ダイ9が押出機6に連結した根元部19から吐出口11まで均一になり、筒状成形体13の押出にブレーキをかけることなく長手方向Dへスムーズに流し、内部歪みのない均一な厚みの筒状成形体13に仕上げる.
【0028】
内ダイ9の形状は、根元部19から吐出口11へ向かって徐々に径が拡張し、そのテーパー角度θが30°≦θ<90°である。ゴム流路入口径が20〜120mm、ゴム流路出口径が100〜440mm、そしてその比率である拡張比(ゴム流路出口径/ゴム流路入口径)が1.5〜12.5に設定される。この設定範囲未満であれば、内ダイ9の吐出口11付近での円周方向への引き伸ばしが小さくて、厚みの大きな筒状成形体13の内外層では短繊維が円周方向に配向しにくくなり、一方この設定範囲を越えると、円周方向への引き伸ばしが大きくなり過ぎて、押出圧力が劣る場合には、筒状成形体13が裂けやすい。
【0029】
内ダイ9と外ダイ10間の短繊維混入ゴム7の内部発熱を抑制するために、内ダイ9の内部に冷却水を循環させた冷却装置(図示せず)を設けることもできる。冷却装置では、冷却水を内ダイ9の外部から入れ、ポンプによって内ダイ9に設けた通路を通過させて内ダイ9から排出して循環させる。
【0030】
切断手段20では、一対の切断部材21が押出された直後の筒状成形体13を1個所のウェルドライン14を中心にして左右2個所に設けられ、押出し方向に沿ってスクラップ片16を連続して除去する。一対の切断部材21の間隔は調節可能になっている。
【0031】
上記ウェルドライン14は、水平方向に配置された押出機6とこれに直角方向に配置された環状拡張ダイ15との連結部であって、短繊維混入ゴム7が水平方向から垂直方向へ変換する環状拡張ダイ15への入口部と180°対角の位置であって押出方向に沿って線状に出現する。このラインは右回りと左回り方向へ塑性流動中の短繊維混入ゴムが衝突する領域あるいは流れ難い領域になり、短繊維がランダム配向し、また厚みも他の領域に比べて薄くなり、品質的に不具合のある領域となる。
【0032】
スクラップ片16は、押出方向に連続した所定幅の未加硫ゴムであり、スクラップ回収手段30の収容箱31に回収され、再利用することができる。
【0033】
上記スクラップ片16は塑性流動中のゴムの衝突領域になって、短繊維がランダム配向し、また厚みも他の領域に比べて薄く成形され、ウェルドラインの特長が残存する領域である。スクラップ片16の円弧長は、押出し直後の筒状成形体13の外周長を100とすると、5〜25、好ましくは10〜25であり、5未満ではシート18の両端部には上記ウェルドラインの特長が残存し、一方25を超えると、スクラップ片16の幅が大きくなって有効シート幅が狭くなり、必要以上にスクラップが発生する。
【0034】
また、図4に示すように、筒状成形体13のサイド25の長さ方向への伸び率(%)E、サイド25以外の長さ方向への伸び率(%)Eとしたとき、伸び率格差(E−E)は0〜5の範囲であり、この範囲であればシートの波打ちは発生しない。伸び率格差が5を超えると、サイド25の伸びが大きくなってサイド25以外との伸長格差が大きく、シートにしたときその両側部で波打ちが発生する。
【0035】
上記伸び率E、伸び率Eの測定では、筒状成形体13の切開した直後のサイド25の長さ方向とそれ以外のところの長さ方向に沿って間隔10cmのマーク(当初の間隔L)を付け、ガイドロール41の到達点における寸法安定したシート18のマーク間隔(サイド25の長さ方向の間隔X、それ以外のところの長さ方向の間隔Y)を測定し、サイド25の長さ方向の伸び率は(X−L)をLで除し、それ以外のところの長さ方向の伸び率は(Y−L)をLで除して求める。
【0036】
上記切断部材21は、カッター、ナイフといった刃物、あるいはレーザーナイフ、超音波振動付きカッターからなり、筒状成形体13を引裂くように切断し、1枚の所定幅を有するシート18に仕上げる。無論、刃物のような切断部材21を加熱保温すれば、筒状成形体13の切開を容易にすることもできる。
【0037】
また、図1及び図3に示すように、押出し直後の筒状成形体13に円周方向へ張力を与えて切開しやすくするように、冷風もしくは圧縮空気を排出する気体吹き付け装置35を設ける。具体的には、押出された直後の筒状成形体13を膨張させて円周方向へ引張り、また同時に筒状成形体13を早期に冷却する機能を備えている。この気体吹き付け装置35は、筒状成形体13の内部に配置され、圧縮空気を供給するコンプレッサー(図示せず)と、これに接続し筒状成形体13の内部に設置されたノズルからなり、圧縮空気をノズルから多方向へ排出して筒状成形体13を膨張させて円周方向へ張力を与え、これによって切開作業を容易にし、また早期に冷却して、ゴムのスコーチを阻止して品質を安定化させる。
【0038】
巻き取り手段40は、切断された1枚のシート18を個別にガイドロール41を経由し、ライナー42に重ねて巻取ロール43に巻付ける。
【0039】
ここで使用するゴムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からなるエチレン−α−オレフィンエラストマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用される。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
【0040】
上記ゴムには、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長さは繊維の種類によって異なるが、1〜10mm程度の短繊維が用いられ、例えばアラミド繊維であると3〜5mm程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿であると5〜10mm程度のものが用いられる。その添加量はゴム100重量部に対して10〜40重量部である。
【0041】
更に、本発明のゴムには、軟化剤、カーボンブラックからなる補強剤、充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤等が添加される。
【0042】
上記軟化剤としては、一般的なゴム用の可塑剤、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタレート系、ジオクチルアジペート(DOA)等のアジペート系、ジオクチルセバケート(DOS)等のセバケート系、トリクレジルホスフェート等のホスフェートなど、あるいは一般的な石油系の軟化剤が含まれる。
【0043】
本発明では、予めゴム少なくとも短繊維をオープンロール、混練機などによって荒練してマスターバッチを作製する。この方法では、オープンロールによってポリマー100重量部に10〜40重量部の短繊維を投入して混練した後、混練したマスターバッチをいったん放出し、これを20〜50°Cまで冷却する。これはゴムのスコーチを防止するためである。
【0044】
尚、短繊維とともに1〜10重量部の軟化剤を投入することができる。これによって短繊維とゴムのなじみが良くなり、ゴム中への分散が良くなるばかりか、短繊維自体が絡み合って綿状になるのを防ぐ効果がある。即ち、軟化剤が短繊維に浸透し、素繊維同士の絡み合いがほぐれるための潤滑剤としての役割をはたし、短繊維が綿状になるのを阻止し、かつ短繊維とゴムのなじみが良くなって短繊維の分散が良くなる
【0045】
続いて、短繊維を含んだゴムをシリンダー2の押出スクリュー3で混練りした後、シリンダー2の先端に垂直方向に接続した環状拡張ダイ15から押出して筒状成形体13を製造するが、内ダイ9を外ダイ10に収容して所定間隔(ニップル)を設け、短繊維混入ゴム7を吐出口11へ向かって徐々に大きくなる円周方向へ引き伸ばして、短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体13を押出成形する。
【0046】
その後、連続して押出成形された筒状成形体13は、短繊維が内層から外層にかけて円周方向に均一に配向した厚さ1〜10mmのものであり、筒状成形体を押出機側から180°対角側の1個所で発生したウェルドライン14を中心にして左右に設けた2個所の切断部材21を配置し、2個所切開しながらウェルドライン14を含むスクラップ片16を押出方向に沿って切断除去しながら、一枚のシート18にし、該シート18を個別に巻き取る。これを次工程の成型ドラムの周面に巻付け、その後伝動ベルトの成形に使用することができる。
【0047】
【実施例】
次に、短繊維入りゴム成形体の製造方法の具体的実施例を以下に示す。
実施例1〜3、比較例1
表1に示すEPDMゴム配合物を用い、予めオープンロールによってゴムに短繊維を投入して混練した後、混練したマスターバッチをいったん放出し、これを常温まで冷却する。このマスターバッチと他の配合剤を図1に示す短繊維入りゴム成形体の製造装置のシリンダーに投入し、押出スクリューの回転により短繊維を混入した。
【0048】
【表1】
Figure 0003718194
【0049】
そして、表2に示す環状拡張ダイの拡張比、シリンダーの温度条件によって短繊維混入ゴムを吐出口に向かって徐々に大きくなる円周方向へ引き伸ばして筒状成形体を押出成形した。更に、切断部材としてナイフを、押出された筒状成形体から180°対角側の1個所で発生したウェルドラインを中心にして左右に設けた2個所の切断部材を配置し、2個所切開しながらウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、一枚のシートにし、これを帆布製ライナーに重ねて個々の巻取ロールに巻付けた。
【0050】
得られたシートの伸び率格差(E−E)とシートの両端部(サイド)での波打ち、そしてシート厚みのバラツキを求めた。その結果を表2に示す。尚、上記伸び率E、伸び率Eの測定では、筒状成形体の切開した直後のサイドの長さ方向とそれ以外のところの長さ方向に沿って間隔10cmのマークを付け、巻き取る直前における寸法安定したシートのマーク間隔から算出した。
【0051】
【表2】
Figure 0003718194
【0052】
これによると、実施例1〜3では、サイドとそれ以外の伸び率格差を適量範囲にすることでシートの波打ち現象を阻止し、かつウェルドラインを含むスクラップ片を切断除去するために、シートの厚みのバラツキが小さいおことが判る。しかし、比較例1では、ウェルドラインを含むスクラップ片を切断除去しないために、サイドの伸び率格差が大きくなって、シートの波打ち現象が発生し、またシートの厚みのバラツキも大きくなっていることが判る。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本願請求項に係る発明では、吐出口へ向かって徐々に径を拡張して円錐形にした内ダイを外ダイに収容し、短繊維混入ゴムを、円周方向へ引き伸ばしながら短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出成形し、筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、筒状成形体を一枚シートに巻き取る短繊維入りゴムシートの製造方法と製造装置にあり、サイドの伸長を抑えることができてシートの波打ち現象を阻止し、またウェルドラインを含むスクラップ片を切断除去するために、シートの厚みや短繊維の配向性も均一にすることができ、そしてスクラップ片は未加硫ゴムであり再利用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る短繊維入りゴム成形体の製造装置の要部概略図である。
【図2】図1の部分断面図である。
【図3】図1をA−A方向から見た図である。
【図4】本発明において押出成形した筒状成形体を切開した状態を示す図である。
【図5】従来の方法において押出成形した筒状成形体を切開した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 短繊維入りゴム成形体の製造装置
2 シリンダー
3 押出スクリュー
6 押出機
7 短繊維混入ゴム
9 内ダイ
10 外ダイ
13 筒状成形体
14 ウェルドライン
15 環状拡張ダイ
16 スクラップ片
18 シート
20 切断手段
21 切断部材
30 スクラップ回収手段
31 収容箱
40 巻き取り手段

Claims (9)

  1. 短繊維とゴムをシリンダーの押出スクリューで混練りした後、環状拡張ダイによって押出し、得られた短繊維入ゴムの筒状成形体を切開してシートに仕上げる短繊維入りゴムシートの製造方法において、
    短繊維混入ゴムを、吐出口へ向かって徐々に径を拡張して円錐形にした内ダイを外ダイに収容した環状拡張ダイによって、短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出成形し、
    筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、筒状成形体を一枚シートに巻き取る、
    ことを特徴とする短繊維入りゴムシートの製造方法。
  2. ウェルドラインを中心にした左右の位置で押出方向に沿って切断し、発生したスクラップ片を除去する請求項1記載の短繊維入りゴムシートの製造方法。
  3. スクラップ片の円弧長は、押出し直後の筒状成形体の外周長を100とすると、5〜25である請求項1または2記載の短繊維入りゴムシートの製造方法。
  4. 切断した筒状成形体のサイドの長さ方向への伸び率をE、サイド以外の同様な長さ方向への伸び率Eにしたとき、伸び率格差(E−E)が0〜5である請求項1〜3の何れかに記載の短繊維入りゴムシートの製造方法。
  5. ゴムの流れを水平方向から垂直方向へ変換し、筒状成形体を重力に抗する方向に押出すようにした請求項1記載の短繊維入りゴムシートの製造方法。
  6. 筒状成形体を切開するとき、冷風または圧縮気体を筒状成形体内部に吹き付けながら円周方向へ張力を与える請求項1〜5の何れかに記載の短繊維入りゴムシートの製造方法。
  7. 短繊維とゴムをシリンダーの押出スクリューで混練りした後、環状拡張ダイによって押出し、得られた短繊維入ゴムの筒状成形体を切開してシートに仕上げる短繊維入りゴムシートの製造装置において、
    押出スクリューの回転により短繊維を含むゴムを混練するシリンダーと、
    該シリンダーに連結した内ダイを外ダイに収容し、該内ダイの径を吐出口に向かって徐々に拡張させるとともに、短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出する環状拡張ダイと、
    押出された直後の筒状成形体を発生するウェルドラインを跨いだ2個所の位置に切断部材を配置し、2個所を同時に切開して一枚シートにする切断手段と
    押出方向に切開したスクラップ片を回収するスクラップ回収手段と、
    上記一枚のシートを個別に巻き取る巻き取り手段と、
    を備えたことを特徴とする短繊維入りゴムシートの製造装置。
  8. ゴムの流れを水平方向から垂直方向へ変換し、筒状成形体を重力に抗する方向に押出すように環状拡張ダイを配置した請求項8記載の短繊維入りゴムシートの製造装置。
  9. 押出された直後の筒状成形体内部に冷風または圧縮気体を吹き付けながら円周方向へ張力を与える気体吹き付け装置を設けた請求項7または8記載の短繊維入りゴムシートの製造装置。
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