JP2006069220A - 伝動ベルトの製造方法と伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 内外表面層における短繊維の配向(押出方向と直角方向)が内層より劣る短繊維入りゴムシートを裁断して複数の薄片ゴムシートに仕上げて、伝動ベルトの圧縮ゴム層に適用できるようにした伝動ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】心線60を埋設した接着ゴム層56と、接着ゴム層56の一方に圧縮ゴム層57からなる伝動ベルト55において、短繊維を押出方向と直角方向に配向させた内層48を圧縮ゴム層57の最外層側に、これより短繊維の配向が劣っている内外表面層46を接着ゴム層56側に配した構成からなる。
【選択図】 図9

Description

本発明は伝動ベルトの製造方法と伝動ベルトに係り、詳しくは短繊維混入ゴムを円周方向へ引き伸ばしながら短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体を切開しながら一枚シートにし、この短繊維入りゴムシートを複数の薄片ゴムシートに裁断して、この薄片ゴムシートをVリブドベルト、ダブルリブドベルト、ローエッジVベルト等の伝動ベルトの圧縮ゴム層に充分適用可能にした伝動ベルトの製造方法と伝動ベルトに関する。
従来、未加硫ゴム中に短繊維を一定方向へ配向させる方法としては、圧延シート作製工程のように、回転速度を変えた一対のカレンダーロールに短繊維入り未加硫ゴムを投入し、比較的薄く圧延されたゴムシート中の短繊維をシートの圧延方向に配向させ、そして成形するベルト幅に応じて切断していた。その後、カットした圧延シートを数枚重ね合わせて所定厚みに積層し、続いて巻付け工程のように短繊維が幅方向に配向した積層物を成形ドラムに巻き付けて伝動ベルトの作製に使用していた。
即ち、VリブドベルトやローエッジVベルトのような伝動ベルトの製造方法では、円筒状の成型ドラムの周面に1〜複数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、この上にコードからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に圧縮ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、これを加硫してベルトスリーブにしていた。ここで使用する圧縮ゴム層は、上記の比較的薄い圧延シートを3〜4枚重ね合わせた厚みのもので、シート幅方向に短繊維が配向したものを成型ドラムに巻き付けていた。
しかし、圧延シートは、厚みを薄くしなければ、短繊維をシート圧延方向に充分に配向させることができないために、やむを得ずシートを重ねていたためにベルト成形用シートを得るには多大の工数を要していた。
これを改善する方法として、特許文献1には、拡張ダイを取付けた押出機を用い、短繊維を押出円筒体の円周方向に配向させるもので、中間空間に、入口空間の所定の流路幅から出口空間の所定の流路幅まで流路幅が変化する拡大空間部を設け、拡張ダイの出口空間の断面積を入口空間の断面積より所定量大きく形成し、さらに入口部分の流路幅が中間部分の流路幅よりも狭く、出口部分の流路幅が中間部分の流路幅以下に設定したものが、提案された。
そして、更には、特許文献2には、押出した短繊維を円周方向に配向させた円筒状エラストマーを軸方向に切開する切断装置と、切開されたエラストマーを平板状に展開する装置を設け、更に押出装置と切断装置との間に案内装置を設けて、ここから空気を吹出すようにして、円筒状エラストマーの円周方向への収縮を抑えながら冷却し、不均一な収縮に起因する短繊維を配向の乱れを阻止し、またシートの両端と中央との距離が等しくなるように展開機構の傾きを調節できるようにしてフレアの発生を阻止した製造装置が示されている。
特公平6−9847号公報 特開平6−106602号公報
しかしながら、従来の拡張ダイを使用する方法でも、例えばクロロプレンのような粘着性が強く、せん断応力が大なる材料を用いる場合には、表面層、特に外周層はダイ内周面との間に大きな摩擦力を発生してスムーズにゴムが流れないために、ゴム表面に肌荒れが発生し、このためマトリクスであるゴムと繊維との密着性が悪く、配向性も悪く、現実には伝動ベルトの圧縮ゴム層に使用することはできなかった。
本発明は叙上の如き実状に鑑み、これに対処するもので、表面層における短繊維の配向(押出方向と直角方向)が内層より劣る短繊維入りゴムシートを裁断して複数の薄片ゴムシートに仕上げて、伝動ベルトの圧縮ゴム層に適用できるようにした伝動ベルトの製造方法および伝動ベルトを提供することを目的とする。
即ち、本願の請求項1記載の発明では、心線を埋設した接着ゴム層と、該接着ゴム層の一方に圧縮ゴム層から構成される伝動ベルトの製造方法であり、
短繊維混入ゴムを、吐出口へ向って徐々に径を拡張して円錐形にした環状拡張ダイによって円周方向へ引き伸ばしながら短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出成形し、この筒状成形体を押出方向に沿って切開して一枚シートにし、
切開した短繊維入りゴムシートを裁断して、短繊維を押出方向と直角方向に配向させた内層とこれより短繊維の配向が劣っている表面層からなる薄片ゴムシートに仕上げ、
該内層のゴムシートを圧縮ゴム層の最外層側に、該表面層のゴムシートを接着ゴム層側に配するように成形した、伝動ベルトの製造方法にある。
即ち、短繊維の配向(押出方向と直角方向)がシート厚みにより表面層と内層で変化を受けやすくても、短繊維入りゴムシートを複数枚の薄片ゴムシートに裁断することにより、薄片ゴムシートには押出方向に対して平行方向と直角方向に機械的物性値の異方性が生じることから、このシートを伝動ベルトの圧縮ゴム層に適用できる。
本願請求項2記載の発明は、表面層における短繊維の配向(押出方向と直角方向)が内層よりも劣っている1枚の短繊維入りゴムシートを2枚に裁断し、表面層と内層の薄片ゴムシートに裁断することにより、短繊維の配向が劣る内外表面層を伝動ベルトの接着ゴム層側に配置し、短繊維の配向が良好なゴム層を圧縮ゴム層の最外層へ配置することが可能になる。
本願請求項3記載の発明は、短繊維入りゴムシートのゴムがクロロプレンゴムである伝動ベルトの製造方法にあり、粘着性が強く、せん断応力の大なる材料であって内外表面層と内層での短繊維の配向が大きく相違しても、複数の薄片ゴムシートに裁断したシートの内層を伝動ベルトの圧縮ゴム層に使用することができる。
本願請求項4記載の発明は、ウェルドラインを中心にした左右の位置で押出方向に沿って切断し、発生したスクラップ片を除去する伝動ベルトの製造方法にあり、筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、一枚シートに巻き取り、サイドの伸長を抑制してシートの波打ち現象を阻止し、またウェルドラインを含むスクラップ片を切断除去して、シート厚みや短繊維の配向性を均一にすることができる。そして、未加硫ゴムのスクラップ片を再利用することができる。
本願請求項5記載の発明は、心線を埋設した接着ゴム層と、該接着ゴム層の一方に圧縮ゴム層から構成される伝動ベルトにおいて、短繊維を押出方向と直角方向に配向させたゴム層を圧縮ゴム層の最外層側に、これより短繊維の配向が劣っているゴム層を接着ゴム層側に配した伝動ベルトにあり、伝動ベルトの性能においては不具合がなく、低コストで製造することができる。
本願請求項6記載の発明は、圧縮ゴム層にリブ部を有しているVリブドベルトである伝動ベルトである。
以上のように本願の各請求項記載の発明では、短繊維の配向(押出方向と直角方向)がシート厚みにより内外表面層と内層で変化を受けやすくても、短繊維入りゴムシートを複数枚の薄片ゴムシートに裁断することにより、薄片ゴムシートには押出方向に対して平行方向と直角方向に機械的物性値の異方性が生じることから、このシートを伝動ベルトの圧縮ゴム層に適用できる効果がある。
内外表面層における短繊維の配向(押出方向と直角方向)が内層より劣っていても、2枚の薄片ゴムシートに裁断することにより、短繊維の配向が劣る内外表面層を伝動ベルトの接着ゴム層側に配置し、短繊維の配向が良好なゴム層を圧縮ゴム層の最外層へ配置することが可能になる。
短繊維入りゴムシートのゴムとしてクロロプレンゴムのような粘着性が強く、せん断応力の大なる材料であって内外表面層と内層での短繊維の配向が大きく相違しても、複数の薄片ゴムシートに裁断したシートの内層を伝動ベルトの圧縮ゴム層に使用することができる。
更に、筒状成形体に発生したウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、一枚シートに巻き取り、サイドの伸長を抑制してシートの波打ち現象を阻止し、またウェルドラインを含むスクラップ片を切断除去して、シート厚みや短繊維の配向性を均一にすることができ、そして未加硫ゴムのスクラップ片を再利用することができる効果がある。
圧縮ゴム層の最外層側に短繊維を押出方向と直角方向に配向させたゴム層を、これより短繊維の配向が劣っているゴム層を接着ゴム層側に配した伝動ベルトも性能上、特に問題なく、低コストのベルトになる。
以下、図1は本発明で使用する短繊維入りゴムシートの製造装置の要部概略図、図2は図1の部分断面図、そして図3は図1をA−A方向から見た図である。
この短繊維入りゴムシートの製造装置1では、押出スクリュー3の回転により短繊維を含むゴムを混練するシリンダー2と、短繊維混入ゴム7を次の工程へ移動させる連結管4からなる押出機6を有し、この押出機6から押出された短繊維混入ゴム7を内ダイ9と外ダイ10の間隙を通過させ、押出スクリュー3の回転軸に対して直角に立ち上がった吐出口11へ向って徐々に大きくなる円周方向への伸張を付与して、短繊維を円周方向へ配向させた筒状成形体13を押出する環状拡張ダイ15と、押出された直後の筒状成形体13の押出機側から180°対角側の1個所に発生するウェルドライン14を中心にして左右に設けた2個所の切断部材21を配置し、2個所切開しながらウェルドライン14を含むスクラップ片16を押出方向に沿って切断除去しながら、一枚のシート18にする切断手段20と、押出方向に切開したスクラップ片16を回収するスクラップ回収手段30と、そして上記一枚のシート18を巻き取る巻き取り手段40とを備えている。
押出機6のシリンダー2は、図2に示すように、この中に回転可能な押出スクリュー3を収容し、短繊維を含むゴム配合物を原料投入口17から入れて押出スクリュー3の回転によって短繊維とゴムとを混練して短繊維混入ゴム7にする。この時にシリンダー2内の空気やゴム配合物から発生したガス等は排気口(図示せず)から排出される。シリンダー2の温度はゴム種に応じて変更するが、通常40〜100°Cに調節され、短繊維とゴムはミキシングされやすい温度に加熱して熱可塑化し、押出成形しやすい状態にする。また、この場合の混練時間はゴムの加硫が進行しない程度に調節する。連結管4は、短繊維混入ゴム7を環状拡張ダイ15までガイドするものである。
環状拡張ダイ15は、図2に示すように、内ダイ9を吐出口11に向って径を徐々に拡張させた円錐形とし、これを外ダイ10に収容し、内ダイ9と外ダイ10の間に所定厚みの間隙を設けている。短繊維混入ゴム7は吐出口11に向って徐々に大きな円周方向への引き伸ばしを受けながら短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体13に押出成形する。
環状拡張ダイ15は水平に配置された押出機6に垂直に固定され、しかも吐出口11から押出される筒状成形体13が重力に抗するように置かれているため、筒状成形体13が重力により変形せず、寸法変化の少ない状態で押出できる。また垂直方向に配置した環状拡張ダイ15は、内ダイ9の自重によって撓みにくく、内ダイ9と外ダイ10との間隙が一定に保持され、これによって厚み変形量の小さな筒状成形体13に仕上げることができる。
内ダイ9と外ダイ10の流路幅(ニップル)は、内ダイ9が押出機6に連結した根元部19から吐出口11まで均一になり、筒状成形体13の押出にブレーキをかけることなく長手方向Dへスムーズに流し、内部歪みのない均一な厚みの筒状成形体13に仕上げる。
内ダイ9の形状は、根元部19から吐出口11に向って徐々に径が拡張し、そのテーパー角度θが30°≦θ<90°である。ゴム流路入口径が20〜60mm、ゴム流路出口径が100〜440mm、そしてその比率である拡張比(ゴム流路出口径/ゴム流路入口径)が1.5〜12.5に設定される。この設定範囲未満であれば、内ダイ9の吐出口11付近での円周方向への引き伸ばしが小さくて、厚みの大きな筒状成形体13の内外層では短繊維が円周方向に配向しにくくなり、一方この設定範囲を越えると、円周方向への引き伸ばしが大きくなり過ぎて、押出圧力が劣る場合には、筒状成形体13が裂けやすい。
内ダイ9と外ダイ10間の短繊維混入ゴム7の内部発熱を抑制するために、内ダイ9の内部に冷却水を循環させた冷却装置(図示せず)を設けることもできる。冷却装置では、冷却水を内ダイ9の外部から入れ、ポンプによって内ダイ9に設けた通路を通過させて内ダイ9から排出して循環させる。
切断手段20では、一対の切断部材21が押出された直後の筒状成形体13を1個所のウェルドライン14を中心にして左右2個所に設けられ、押出し方向に沿ってスクラップ片16を連続して除去する。一対の切断部材21の間隔は調節可能になっている。
上記ウェルドライン14は、水平方向に配置された押出機6とこれに直角方向に配置された環状拡張ダイ15との連結部であって、短繊維混入ゴム7が水平方向から垂直方向へ変換する環状拡張ダイ15への入口部と180°対角の位置であって押出方向に沿って線状に出現する。このラインは右回りと左回り方向へ塑性流動中の短繊維混入ゴムが衝突する領域あるいは流れ難い領域になり、短繊維がランダムに配向し、また厚みも他の領域に比べて薄くなり、品質的に不具合のある領域となる。
スクラップ片16は、押出方向に連続した所定幅の未加硫ゴムであり、スクラップ回収手段30の収容箱31に回収され、再利用することができる。
上記スクラップ片16は塑性流動中のゴムの衝突領域になって、短繊維がランダムに配向し、また厚みも他の領域に比べて薄く成形され、ウェルドラインの特長が残存する領域である。スクラップ片16の円弧長は、押出し直後の筒状成形体13の外周長を100とすると、5〜25、好ましくは10〜25であり、5未満ではゴムシート18の両端部には上記ウェルドラインの特長が残存し、一方25を超えると、スクラップ片16の幅が大きくなって有効シート幅が狭くなり、必要以上にスクラップが発生する。
また、図4に示すように、筒状成形体13のサイド25の切開点26とロール到達点27までの長さをL、サイド25以外の切開点26とロール到達点27までの長さをLにしたとき、(L−L)/L(%)が3〜7%の範囲であれば、サイド25とサイド25以外の伸長格差が適量範囲でシートの波打ちを解消することができる。サイド25の伸長量が7%を超えると、サイド25の伸びが大きくなってサイド25以外との伸長格差が大きく、シートにしたときその両側部で波打ちが発生する。一方、3%未満の場合には、シートの波打ちは発生しないが、スクラップ片16の幅が大きくなって、必要以上にスクラップが発生する。
また、筒状成形体13のサイド25の長さ方向への伸び率E、サイド25以外の長さ方法への伸び率Eとしたとき、伸び率格差(E−E)は0〜5の範囲であり、この範囲であればシートの波打ちは発生しない。上記伸び率E、伸び率Eの測定では、筒状成形体13の切開した直後のサイドの長さ方向とそれ以外のところの長さ方向に沿って間隔10cmのマークを付け、巻き取る直前における寸法安定したゴムシート18のマーク間隔を測定し、伸び率を求める。
上記切断部材21は、カッター、ナイフといった刃物、レーザーナイフ、超音波振動付きカッターからなり、筒状成形体13を引裂くように切断し、1枚の所定幅を有するゴムシート18に仕上げる。無論、刃物のような切断部材21を加熱保温すれば、筒状成形体13の切開を容易にすることもできる。
また、図1及び図3に示すように、押出し直後の筒状成形体13に円周方向へ張力を与えて切開しやすくするように、冷風もしくは圧縮空気を排出する気体吹き付け装置35を設ける。具体的には、押出された直後の筒状成形体13を膨張させて円周方向へ引張り、また同時に筒状成形体13を早期に冷却する機能を備えている。この気体吹き付け装置35は、筒状成形体13の内部に配置され、圧縮空気を供給するコンプレッサー(図示せず)と、これに接続し筒状成形体13の内部に設置されたノズルからなり、圧縮空気をノズルから多方向へ排出して筒状成形体13を膨張させて円周方向へ張力を与え、これによって切開作業を容易にし、また早期に冷却して、ゴムのスコーチを阻止して品質を安定化させる。
巻き取り手段40は、切断された1枚のゴムシート18を個別にガイドロール41を経由し、ライナー42に重ねて巻取ロール43に巻付ける。
ここで使用するゴムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からなるエチレン−α−オレフィンエラストマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用される。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
しかし、本発明で最も効果を発揮する材料としては、粘着性が強く、せん断応力が大であった内ダイ9と外ダイ10表面へ付着しやすく、押出されたゴムシート18も内外表面層と内層において短繊維の配向が大きく異なるクロロプレンゴムである。
上記ゴムには、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長さは繊維の種類によって異なるが、1〜10mm程度の短繊維が用いられ、例えばアラミド繊維であると3〜5mm程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿であると5〜10mm程度のものが用いられる。その添加量はゴム100質量部に対して10〜40質量部である。
更に、本発明のゴムには、軟化剤、カーボンブラックからなる補強剤、充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤等が添加される。
上記軟化剤としては、一般的なゴム用の可塑剤、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタレート系、ジオクチルアジペート(DOA)等のアジペート系、ジオクチルセバケート(DOS)等のセバケート系、トリクレジルホスフェート等のホスフェートなど、あるいは一般的な石油系の軟化剤が含まれる。
本発明では、予めゴムと少なくとも短繊維をオープンロール、混練機などによって荒練してマスターバッチを作製する。この方法では、オープンロールによってポリマー100質量部に10〜40質量部の短繊維を投入して混練した後、混練したマスターバッチをいったん放出し、これを20〜50°Cまで冷却する。これはゴムのスコーチを防止するためである。
尚、短繊維とともに1〜10質量部の軟化剤を投入することができる。これによって短繊維とゴムのなじみが良くなり、ゴム中への分散が良くなるばかりか、短繊維自体が絡み合って綿状になるのを防ぐ効果がある。即ち、軟化剤が短繊維に浸透し、素繊維同士の絡み合いがほぐれるための潤滑剤としての役割をはたし、短繊維が綿状になるのを阻止し、かつ短繊維とゴムのなじみが良くなって短繊維の分散が良くなる
続いて、短繊維を含んだゴムをシリンダー2の押出スクリュー3で混練りした後、シリンダー2の先端に垂直方向に接続した環状拡張ダイ15から押出して筒状成形体13を製造するが、内ダイ9を外ダイ10に収容して所定間隔(ニップル)を設け、短繊維混入ゴム7を吐出口11へ向って徐々に大きくなる円周方向へ引き伸ばして、短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体13を押出成形する。
その後、連続して押出成形された筒状成形体13は、2個所の切断部材21が押出機側から180°対角側の1個所で発生したウェルドライン14を中心にして左右に設けられ、ウェルドライン14を含むスクラップ片16を押出方向に沿って2個所切断除去しながら、一枚のゴムシート18にして該シート18を個別に巻き取る。
得られたゴムシート18は、図5に示すように、内表面層46と外表面層47での短繊維45の配向(押出方向と直角方向)が内層48に比べて劣っている。該ゴムシート18その厚さは3〜10mm、好ましくは4〜10mmである。尚、この場合の内外表面層の厚みは最大1.5mm程度である。
そして、図6(a)に示すように、所定厚みのゴムシート18を、一対の送り込みロール50とゲージローラ51間を送り込み速度0〜20m/分(可変速)で図中矢印方向へ移動させながら、図6(b)に示すように先端が鋭角であってゴムシート18の移動方向と直角方向(図中矢印)へ回転するバンドナイフ52に当接してゴムシート18を漉割しつつ略均一な厚みをもった2つの薄片ゴムシート53a、53bに裁断する。バンドナイフは材質としてSKSやスウェーデン鋼を使用する。ゴムシートの最大裁断幅は1,500mm程度である。
図7は2枚に裁断した薄片ゴムシートで、(a)が裁断した上側の薄片ゴムシート53aで、(b)が裁断した下側の薄片ゴムシート53bであり、これは内外表面層46,47での短繊維45の配向が内層48に比べて劣っているゴムシート18を2つの薄片ゴムシート53a,53bに裁断した場合である。
無論、本発明では、図8に示すように裁断ゴムシート53a,53bのそれぞれを更に図6の方法によって2枚にスライスして4枚の裁断ゴムシート53c,53d,53e,53fに仕上ることもできる。4枚の裁断ゴムシートにすると、内層の53d,53eは短繊維の配向(押出方向と直角方向)は良好で、機械特性において異方性をもった裁断ゴムシートになり、伝動ベルトの圧縮ゴム層の最外層に使用することができる。また表面層の裁断ゴムシート53cと53fは、内層に比べて短繊維の配向(押出方向と直角方向)が劣っているけれども、圧縮ゴム層でも接着ゴム層に近接する位置に使用することができる。
そして、Vリブドベルト55の断面図を図9に示すように、短繊維45の配向が劣る内外表面層46,47が接着ゴム層56側に配置され、短繊維の配向が良好なカット面49がリブ部58を有する圧縮ゴム層57の最外層へ配置されている。これによる伝動ベルトの性能上の不具合はない。尚、ベルト背面には基布59が1プライ積層している。
短繊維45が内層48から内外表面層46,47にかけてほぼ均一に配向したゴムシート18を2つの薄片ゴムシートに裁断した場合には、薄片ゴムシートの伝動ベルトへの配置については特に制限がない。
次に、伝動ベルトの製造方法に関する具体的実施例を以下に示す。
実施例1〜2、比較例1
表1に示すCRゴム配合物を用い、予めオープンロールによってゴムに短繊維を投入して混練した後、マスターバッチをいったん放出し、これを常温まで冷却する。このマスターバッチと他の配合剤を図1に示す短繊維入りゴムシートの製造装置のシリンダーに投入し、押出スクリューの回転により短繊維を混入した。
Figure 2006069220
そして、表2に示す環状拡張ダイの拡張比、シリンダーの温度条件によって短繊維混入ゴムを吐出口に向って徐々に大きくなる円周方向へ引き伸ばして筒状成形体を押出成形した。更に、切断部材としてナイフを、押出された筒状成形体から180°対角側の1個所で発生したウェルドラインを中心にして左右に設けた2個所の切断部材を配置し、2個所切開しながらウェルドラインを含むスクラップ片を押出方向に沿って切断除去しながら、一枚のシートにし、これを帆布製ライナーに重ねて個々の巻取ロールに巻付けた。
得られたシートのサイドの伸長(L−L)/L(%)、伸び率格差(E−E)とシートの両端部(サイド)での波打ち、そしてシート厚みのバラツキを求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2006069220
かくして得られたシートでは、ウェルドラインが連続してトラブルなく切断された。
そして、上記実施例2(厚さ6mm)の短繊維入りゴムシートを、一対の送り込みロール(直径100mm)とゲージローラ(直径100mm)間を送り込み速度2〜3m/分で移動させながら、回転するバンドナイフ(幅86mm)の鋭角な先端に当接させながらゴムシートを漉割しながら650mm幅で上下半分厚の2枚の薄片ゴムシートに裁断し、更に各薄片ゴムシートを上下半分厚に裁断して4枚の薄片ゴムシートを作製した。4枚の薄片ゴムシート(上から1層目、2層目、3層目、4層目)をプレス加硫(153℃×20分)し、押出方向と平行方向と直角方向の引張強さ(TB)、切断伸び(EB)をJIS K6251に準じて測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2006069220
この結果、4枚切りの薄片ゴムシートの2層目と3層目では、引張強さ(TB)、切断伸び(EB)において明確な異方性が出現し、伝動ベルトの圧縮ゴム層に適用できることが判る。また、2枚切りの薄片ゴムシートの場合には、明確な異方性を示す下半分を伝動ベルトの圧縮ゴム層の最外層に、上半分を接着ゴム層側に配置するようにVリブドベルトを作製した。
Vリブドベルトの作製では、1プライの基布に背面ゴムシート、心線、接着ゴムシート、
短繊維の配向が劣るゴムシートを接着ゴムシート側に配置し、短繊維の配向が良好なゴムシートを最外層に巻き付けてベルトスリーブを作製した後、通常の方法で加硫した後、取り出したベルトスリーブを研磨ホイールによってリブ溝を形成し、所定幅のVリブドベルトを作製した。
本発明で使用する短繊維入りゴム成形体の製造装置の要部概略図である。 図1の部分断面図である。 図1をA−A方向から見た図である。 本発明において押出成形した筒状成形体を切開した状態を示す図である。 得られたゴムシートの断面斜視図を示す。 薄片ゴムシートを裁断しているところを示し、(a)はゴムシートをバンドナイフによって漉割しながら2つの薄片ゴムシートに裁断する状態を示す図であり、(b)は(a)におけるバンドナイフの部分斜視図である。 2つに裁断した薄片ゴムシートで、(a)が裁断した一方の薄片ゴムシートで、(b)が裁断した他方の薄片ゴムシートである。 2枚に裁断した薄片ゴムシートを更に2枚に裁断した状態を示す図である。 本発明に係る裁断した薄片ゴムシートを圧縮ゴム層に使用したVリブドベルトの断面図を示す。
符号の説明
1 短繊維入りゴム成形体の製造装置
2 シリンダー
3 押出スクリュー
6 押出機
7 短繊維混入ゴム
9 内ダイ
10 外ダイ
13 筒状成形体
14 ウェルドライン
15 環状拡張ダイ
16 スクラップ片
18 ゴムシート
20 切断手段
21 切断部材
30 スクラップ回収手段
31 収容箱
40 巻き取り手段
50 送り込みロール
51 ゲージローラ
52 バンドナイフ
53a、53b 薄片ゴムシート


Claims (6)

  1. 心線を埋設した接着ゴム層と、該接着ゴム層の一方に圧縮ゴム層から構成される伝動ベルトの製造方法であり、
    短繊維混入ゴムを、吐出口へ向って徐々に径を拡張して円錐形にした環状拡張ダイによって円周方向へ引き伸ばしながら短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出成形し、この筒状成形体を押出方向に沿って切開して一枚シートにし、
    切開した短繊維入りゴムシートを裁断して、短繊維を押出方向と直角方向に配向させた内層とこれより短繊維の配向が劣っている表面層からなる薄片ゴムシートに仕上げ、
    該内層のゴムシートを圧縮ゴム層の最外層側に、該表面層のゴムシートを接着ゴム層側に配するように成形した、
    ことを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
  2. 表面層における短繊維の配向(押出方向と直角方向)が内層よりも劣っている1枚の短繊維入りゴムシートを2枚に裁断し、表面層と内層の薄片ゴムシートに裁断した請求項1記載の伝動ベルトの製造方法。
  3. 短繊維入りゴムシートのゴムがクロロプレンゴムである請求項1又は2記載の伝動ベルトの製造方法。
  4. ウェルドラインを中心にした左右の位置で押出方向に沿って切断し、発生したスクラップ片を除去する請求項1乃至3の何れかに記載の伝動ベルトの製造方法。
  5. 心線を埋設した接着ゴム層と、該接着ゴム層の一方に圧縮ゴム層から構成される伝動ベルトにおいて、短繊維を押出方向と直角方向に配向させたゴム層を圧縮ゴム層の最外層側に、これより短繊維の配向が劣っているゴム層を接着ゴム層側に配したことを特徴とする伝動ベルト。
  6. 圧縮ゴム層にリブ部を有しているVリブドベルトである請求項5記載の伝動ベルト。
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