JP2003136610A - 伝動ベルトの製造方法 - Google Patents

伝動ベルトの製造方法

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JP2003136610A
JP2003136610A JP2001346723A JP2001346723A JP2003136610A JP 2003136610 A JP2003136610 A JP 2003136610A JP 2001346723 A JP2001346723 A JP 2001346723A JP 2001346723 A JP2001346723 A JP 2001346723A JP 2003136610 A JP2003136610 A JP 2003136610A
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JP
Japan
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belt
short fiber
rubber
rubber sheet
rib
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JP2001346723A
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English (en)
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Takayuki Tagawa
孝之 田川
Tomohiro Miwa
朋広 三輪
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削抵抗を小さくして精度よくV溝に仕上
げ、そして耐側圧性に優れたVリブドベルト、ダブルリ
ブドベルト等の伝動ベルトの製造方法を提供する。 【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
接着ゴム層と、接着ゴム層に隣接してベルトの長手方向
に延びるリブ部を有する伝動ベルトの製造方法であり、
短繊維22を幅方向に配向させた短繊維配向ゴムシート
18を成形する工程、円筒状成形型上にベルト構成部材
57、そして所定長さに切断した上記短繊維配向ゴムシ
ート18を巻き付けてベルト成形体58を成形し、加硫
したベルトスリーブ59に仕上げる工程と、一対の超音
波カッター30により加硫したベルトスリーブ59に周
方向に延びる少なくとも1つ以上のリブ溝27を切り込
む工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝動ベルトの製造方
法に係り、詳しくは切削抵抗を小さくして精度よくV溝
に仕上げ、また耐側圧性に優れ、走行時の騒音を低減し
たVリブドベルト、ダブルリブドベルト等の伝動ベルト
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vリブドベルトは接着ゴム層中に心線を
埋設し、該接着ゴム層の上部にはカバー帆布を積層し、
そして該接着ゴム層の下部に複数のリブ部を設けてい
る。このVリブドベルトはVベルトに代わって自動車の
エアーコンプレッサーやオルタネータ等の補機駆動の動
力伝動用として広く使用されている。
【0003】このベルトは帆布、接着ゴム層、コードか
らなる心線、そして圧縮ゴム層を加硫により積層一体化
したベルトスリーブを作製し、圧縮ゴム層にグラインダ
ーホイールによってリブ溝を研削して得られたもので、
圧縮ゴム層のリブ溝表面からアラミド短繊維が突出して
いる。これを自動車のエアーコンプレッサーやオルタネ
ータ等の補機駆動用のプーリに懸架して走行させると、
突出したアラミド短繊維がベルトとプーリ間の介在する
ことによってベルト走行時の騒音や異音を防止してい
た。
【0004】また、最近では、材料の廃棄量をできるか
ぎり少なくするベルトの製造方法として、特開平10−
86236号公報に、緩衝層と圧縮層を有するベルトス
リーブを作製し、該ベルトスリーブを金型に設置してリ
ブ部を刻印した後に加硫し、繊維を露出させるようにリ
ブ部の薄い表面層を除去する方法が開示されている。
【0005】更に、特開平5−345370号公報に
は、加硫したベルトスリーブを一対の支持ローラに懸架
して回転させながら、同じ方向に傾斜した複数の刃をも
つ刃物で切り込みを入れた後、他の複数の刃をもつ刃物
で切り込みを入れてV溝に仕上げる方法が記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グライ
ンダーホイールを使用する場合には、ホイールの新しい
段階では、切れ味もよくてリブ溝表面から突出する短繊
維の長さも短いが、使用回数が増すにつれて切れ味が悪
くなってくると、短繊維の突出長さが大きくなって目立
ってくる。ホイールの使用回数によってリブ溝面の形態
変化が起こり、ベルト走行時の騒音に影響を及ぼしてい
た。
【0007】ベルトスリーブを内面に刻印を設けた金型
内に設置し、加熱加圧してリブ部を刻印した後に加硫す
る方法では、ゴム中に短繊維が含有しているために、通
常の温度、圧力条件では、リブ部を充分に刻印できない
こともあり、これらの諸条件の水準を高くしてゴムに大
きな熱履歴を与えていた。また、ベルトスリーブを金型
内側に設置し、内圧を与えて型内壁へ押圧するため、成
形後のベルトスリーブの脱型が困難であった。しかも、
得られたベルトのリブ部では短繊維が湾曲状態で配向し
ているために、ベルトの耐側圧性に欠けていた。
【0008】また、刃物を使用してV溝に切り込む方法
では、加硫したベルトスリーブを切削するために、V溝
表面で短繊維が根元付近で切断されやすく、ベルトとプ
ーリ間に短繊維が介在しにくくなるために、ベルト走行
時の騒音や異音が発生することがあった。
【0009】本発明は叙上の如き実状に鑑み、これに対
処するもので、切削抵抗を小さくして精度よくV溝に仕
上げ、そして耐側圧性に優れたVリブドベルト、ダブル
リブドベルト等の伝動ベルトの製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着
ゴム層と、接着ゴム層に隣接してベルトの長手方向に延
びるリブ部を有する伝動ベルトの製造方法において、短
繊維を幅方向に配向させた短繊維配向ゴムシートを成形
する工程、円筒状成形型上にベルト構成部材、そして所
定長さに切断した上記短繊維配向ゴムシートを巻き付け
てベルト成形体を成形し、加硫したベルトスリーブに仕
上げる工程、そして一対の超音波カッターにより加硫し
たベルトスリーブに周方向に延びる少なくとも1つ以上
のリブ溝を切り込む工程、からなる伝動ベルトの製造方
法にある。
【0011】本発明では、特に超音波カッターによって
切削抵抗を小さくして精度よくV溝に仕上げ、そして耐
側圧性に優れた伝動ベルトを製造することができる。
【0012】本願請求項2記載の発明は、ベルト長手方
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、接着ゴム層に
隣接してベルトの長手方向に延びるリブ部を有する伝動
ベルトの製造方法において、短繊維を幅方向に配向させ
た短繊維配向ゴムシートを成形する工程、カッターによ
り短繊維配向ゴムシートに長手方向に延びる少なくとも
1つ以上の溝部を切り込む工程、円筒状成形型上にベル
ト構成部材、そして所定長さに切断した上記短繊維配向
ゴムシートを巻き付けてベルト成形体を成形し、加硫し
たベルトスリーブに仕上げる工程、そして一対の超音波
カッターにより加硫したベルトスリーブに周方向に延び
る溝部に係合ロールの突起部を嵌合させながら、リブ溝
を切り込み加工する工程と、からなる伝動ベルトの製造
方法にある。
【0013】本発明では、超音波カッターによって切削
抵抗を小さくして精度よくV溝に仕上げ、そして短繊維
配向ゴムシートに長手方向に延びるリブ溝を切り込む工
程で出現したスクラップを再利用でき、更には係合ロー
ルを使用することによりリブ溝表面を精度よく切り込み
加工することができる。
【0014】本願請求項3記載の発明は、一対の超音波
カッターによって切り込んだリブ溝表面から短繊維を毛
羽ちさせる伝動ベルトの製造方法にあり、リブ溝表面で
は超音波振動により短繊維が解れて毛羽立ちを発生さ
せ、ベルト走行時の騒音を低減する。
【0015】本願請求項4記載の発明は、リブ溝の切削
速度が5〜50mm/秒である伝動ベルトの製造方法に
あり、この範囲内であれば超音波カッターは負担を受け
ることなく精度よくかつ表面状態の良好なV溝を切削す
る。
【0016】本願請求項5記載の発明は、短繊維配向ゴ
ムシートのゴムがエチレン−α−オレフィンエラストマ
ーを用いたゴム組成物であり、高温雰囲気下や低温雰囲
気下でベルトを走行させるとベルト寿命が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照し、本発明
の実施例を説明する。以下、図1は押出成形された円筒
状成形体を直線状に切開した短繊維配向ゴムシートに成
形する工程の概略図である。
【0018】最初の工程では、押出し装置1を使用す
る。この装置1では、押出スクリュー3の回転により短
繊維を含むゴムを混練するシリンダー2と、短繊維混入
ゴム7を次の工程へ移動させる連結管4からなる押出機
6を有し、この押出機6から押出された短繊維混入ゴム
7を内ダイ9と外ダイ10の間隙を通過させ、吐出口1
1へ向って徐々に大きくなる円周方向へ伸張して、短繊
維を円周方向に配向させた円筒状成形体13を押出する
環状拡張ダイ15と、押出された直後の円筒状成形体を
切開しながら短繊維配向ゴムシート18に切断手段20
と、そして短繊維配向ゴムシート18の巻取り手段40
を備えている。
【0019】押出機6のシリンダー2は、この中に回転
可能に押出スクリュー3を収容し、短繊維を含むゴム配
合物を原料投入口17から入れて押出スクリュー3の回
転によって短繊維とゴムとを混練して短繊維混入ゴム7
にする。この時にシリンダー2内の空気やゴム配合物か
ら発生したガス等は排気口(図示せず)から排出され
る。シリンダー2の温度はゴム種に応じて変更するが、
通常40〜100°Cに調節され、短繊維とゴムはミキ
シングしやすい温度に加熱して熱可塑化し、押出成形し
やすい状態にする。また、この場合の混練時間はゴムの
加硫が進行しない程度に調節する。上記連結管4は、短
繊維混入ゴム7を環状拡張ダイ15までガイドする。
【0020】環状拡張ダイ15は内ダイ9を吐出口11
に向って径を徐々に拡張させて円錐形とし、これを外ダ
イ10に収容し、内ダイ9と外ダイ10の間に所定厚み
の間隙を設けている。短繊維混入ゴム7は吐出口11へ
向って徐々に大きな円周方向へ引き伸ばされながら短繊
維を円周方向へ配向させた円筒状成形体13に押出成形
される。
【0021】環状拡張ダイ15は水平に配置された押出
機6に垂直に固定され、しかも吐出口11から押出され
る円筒状成形体13が重力に抗するように置かれている
ため、円筒状成形体13が重力により変形せず、寸法変
化の少ない状態で押出できる。また、垂直方向に配置し
た環状拡張ダイ15は内ダイ9の自重によって撓みにく
く、内ダイ9と外ダイ10との間隙が一定に保持され、
これによって厚み変形量の小さな円筒状成形体13に仕
上げることができる。
【0022】また、内ダイ9と外ダイ10の流路幅は、
内ダイ9が押出機6に連結した根元部23から吐出口1
1まで均一になり、円筒状成形体13の押出にブレーキ
をかけることなく長手方向Dへスムーズに流し、また内
部歪みのない均一な厚みの円筒状成形体13に仕上げ
る。
【0023】内ダイ9の形状はせん断力の大きさに影響
を与える要因になり、根元部23から吐出口11に向っ
て徐々に径が拡張するテーパー角度θは30°≦θ<9
0°、ゴム流路入口は20〜60mm、ゴム流路入出口
は100〜440mm、そしてその比率である拡張比
(ゴム流路入出口/ゴム流路入口)は1.5〜12.5
に設定される。この設定範囲未満であれば、内ダイ9の
吐出口11付近での円周方向への引き伸ばしが小さく
て、厚みの大きな円筒状成形体13の内外層では短繊維
が円周方向に配向しにくくなり、一方この設定範囲を越
えると、円周方向への引き伸ばしが大きくなり過ぎて、
押出力が劣る場合には、円筒状成形体13が裂けやす
い。
【0024】内ダイ9と外ダイ10間の短繊維混入ゴム
7の内部発熱を抑制するために、内ダイ9の内部に冷却
水を循環させる冷却装置(図示せず)を設けることもで
きる。冷却装置では、内ダイ9の外部から冷却水を入れ
ポンプによって内ダイ9に設けた通路を通過させて内ダ
イ9から排出し、循環させる。
【0025】切断手段20では、切断部材21によって
押出された直後の円筒状成形体13を押出し方向に沿っ
て切開しながら短繊維配向ゴムシート18にする。上記
切断部材21はカッター、ナイフといった刃物、あるい
はレーザーナイフ、超音波カッターからなる。
【0026】短繊維配向ゴムシート18は係合ロール2
4、24を経由して駆動ロール25によって一定速度で
移動し、巻き取りロール41に帆布のようなライナー4
2を積層して巻き取られる。
【0027】無論、短繊維配向ゴムシート18は上記の
ような押出し装置1によって作製する必要はなく、バン
バリーミキサーで混練した短繊維入りゴムをカレンダー
ロールでシーティングして作製することもできる。
【0028】次工程は、図2に示すように、円筒状成形
型50上にポリエステル、ナイロン、アラミド、ビニロ
ンなどの合成繊維あるいは綿などの天然繊維、これらの
混妨糸からなる平織り帆布、編物などをミシンジョイン
トによって筒状にしたカバー布51、接着ゴムシート5
2、ポリエステル繊維、アラミド繊維等のコードからな
る心線53、そして接着ゴムシート52からなるベルト
構成部材57に、所定長さに切断した短繊維配向ゴムシ
ート18を巻き付けてVリブドベルト用のベルト成形体
58にする。
【0029】そして、ジャケットを嵌挿してこれを加硫
缶に入れ、通常の加硫条件によって加硫し、ベルトスリ
ーブ59を円筒状成形型50から抜き取る。
【0030】図3、図4、そして図6に示すように、ベ
ルトスリーブ59を研削加工機のドラム60に嵌挿して
回転させ、そして刃部31に超音波振動子32を装着し
た一組の超音波カッター30を傾斜させて固定し、スリ
ーブ59の円周方向に沿って一条のリブ溝27を研削す
る。刃部31の傾斜角度はリブ溝27の角度に相当す
る。この時、平坦な係合ロールをベルトスリーブ59に
当接させてその横ずれを防止することもできる。この場
合、一方の刃部31に先端がアーチのものを使用して、
リブ溝27の溝底を丸くする。ベルトとして走行させて
もリブ溝27の溝底から亀裂が入りにくくなる。
【0031】一条のリブ溝27を研削すると、超音波カ
ッター30を軸方向へ所定ピッチだけ移動させて同様の
研削を継続する。
【0032】多条のリブ溝19を同時に研削するために
は、一対の超音波カッター30がそれぞれ長手方向に位
置をずらして配置する。超音波カッター30は加工抵抗
が大きい困難なカットでも、超音波振動を付与すること
により加工抵抗が減少しスムーズにカットでき、このた
め図5に示すように短繊維22がリブ溝27表面で解れ
て毛羽立ちが起り突出している。ここで使用する超音波
振動子32は、例えばPZT電歪振動子であり、速度2
0,000〜40,000回/秒、振幅20〜100μ
mである。
【0033】リブ溝の切削速度の範囲は5〜50mm/
秒に設定され、この範囲内であれば超音波カッター30
は負担を受けることなく精度よくかつ表面状態の良好な
V溝を研削する。また、短繊維がリブ溝27表面で解れ
て毛羽立ちが起こりやすくなる。即ち、5mm/秒未満
の場合には、生産性が悪く、摩擦熱が大きくなり過ぎて
ゴムが焼け、一方50mm/秒を超えると、超音波カッ
ター30に負担がかかってリブ溝27表面が発熱して切
削精度が悪く、また寿命も短くなる。更に、リブ溝27
表面の短繊維22が根元で切断されて切り株状になり、
解れずに毛羽立ちが起こりにくくなる。
【0034】無論、本発明の場合には、所定長さに切断
した短繊維配向ゴムシート18を設置固定した後、超音
波カッター30を短繊維配向ゴムシート18の長手方
向、即ち短繊維と直角方向へ5〜50mm/秒の範囲で
移動させて1つもしくは複数のリブ溝27を切り込むこ
とができる。
【0035】短繊維含有ゴムは、天然ゴム、ブチルゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エ
チレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン
化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリル
ゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー、エチ
レン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレ
ン−ジエンモノマー(EPDM)からなるエチレン−α
−オレフィンエラストマー等のゴム材の単独、またはこ
れらの混合物が使用される。ジエンモノマーの例として
は、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エ
チリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロ
オクタジエンなどがあげられる。
【0036】上記ゴムには、アラミド繊維、ポリアミド
繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長
さは繊維の種類によって異なるが1〜10mm程度の短
繊維が用いられ、例えばアラミド繊維であると3〜7m
m程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿である
と5〜10mm程度のものが用いられる。その添加量は
ゴム100質量部に対して10〜40質量部である。更
に、本発明のゴムには、軟化剤、カーボンブラックから
なる補強剤、充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤
等が添加される。
【0037】上記軟化剤としては、一般的なゴム用の可
塑剤、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチ
ルフタレート(DOP)等のフタレート系、ジオクチル
アジペート(DOA)等のアジペート系、ジオクチルセ
バケート(DOS)等のセバケート系、トリクレジルホ
スフェート等のホスフェートなど、あるいは一般的な石
油系の軟化剤が含まれる。
【0038】更に、以下に示す他の製造方法がある。直
線状に切開した短繊維配向ゴムシート18は、図7、図
8に示すようにカッター65によって多条の溝部19を
切削する。この溝部19は後工程でその表面を研削加工
するために粗削り程度でよく、このために超音波カッタ
ーをあえて使用しなくてもよい。切削屑である未加硫の
ゴムスクラップは再利用できる。
【0039】次工程は、図9に示すように、円筒状成形
型50上にポリエステル、ナイロン、アラミド、ビニロ
ンなどの合成繊維あるいは綿などの天然繊維、これらの
混妨糸からなる平織り帆布、編物などをミシンジョイン
トによって筒状にしたカバー布51、接着ゴムシート5
2、ポリエステル繊維、アラミド繊維等のコードからな
る心線53、そして接着ゴムシート52からなるベルト
構成部材57に、所定長さに切断した上記リブ溝19付
きの短繊維配向ゴムシート18を巻き付けてVリブドベ
ルト用のベルト成形体58にする。そして、ジャケット
を嵌挿してこれを加硫缶に入れ、通常の加硫条件によっ
て加硫し、ベルトスリーブ59を円筒状成形型50から
抜き取る。
【0040】図10、図4に示すように、ベルトスリー
ブ59を研削加工機のドラム60に嵌挿して回転させ、
そして一組の超音波カッター30によってスリーブ59
の円周方向に沿って一条のリブ溝27を研削する。この
時、1つもしくは複数の突起部63を有する係合ロール
62をベルトスリーブ59の溝部19に嵌合しながら、
リブ溝27の表面層を研削加工し、リブ溝27表面から
短繊維を毛羽立ちさせる。
【0041】得られたVリブドベルト70は、図11に
示すように、高強度で低伸度のコードよりなる心線71
を接着ゴム層72中に埋設し、その下側に弾性体層であ
る圧縮ゴム層74を有している。この圧縮ゴム層74に
はベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリブ部
75が設けられ、またベルト表面には付着したゴム付帆
布76が設けられている。
【0042】
【実施例】次に、伝動ベルトの製造方法の具体的実施例
を以下に示す。 実施例1 表1に示すEPDMゴム配合物を用い、予めオープンロ
ールによってゴムに短繊維を投入して混練した後、混練
したマスターバッチをいったん放出し、これを常温まで
冷却する。このマスターバッチと他の配合剤を図1に示
す短繊維入りゴム成形体の製造装置のシリンダーに投入
し、押出スクリューの回転により短繊維を混入した。
【0043】
【表1】
【0044】そして、表2に示す環状拡張ダイの寸法条
件、押出機の温度条件によって短繊維混入ゴムを吐出口
に向って徐々に大きくなる円周方向の引き伸ばしとせん
断力を付与して、円筒状成形体を押出成形し、切開して
短繊維配向ゴムシートにして巻き取った。
【0045】
【表2】
【0046】続いて、ベルトスリーブを作製した。この
方法では、まず円筒状成形型上にゴム付綿帆布を2プラ
イ積層し、接着ゴムシート、ポリエステル繊維のロープ
からなる心線、接着ゴムシート、短繊維配向ゴムシート
を巻き付けてベルト成形体にした。尚、接着ゴム層は表
1に示すゴム組成物からカット糸を除去したゴム配合で
ある。
【0047】そして、ジャケットを嵌挿した後、通常の
方法で加硫した。加硫後、ジャケットを抜き取り、ベル
トスリーブを成形型から脱型した。
【0048】ベルトスリーブを研削加工機のドラムに嵌
挿して回転速度15mm/秒で回転させ、そして超音波
カッター(超音波振動速度22,000回/秒、振幅7
0μm、振動子としてPZT電歪振動子、刃部として矢
型の材質SKH、厚み0.6mm)を用いて一条のリブ
溝を切込み、この作業を繰り返し行って複数のリブ溝を
成形した。得られたVリブドベルトはRMA規格による
長さ975mmのK型3リブドベルトであり、リブピッ
チ3.56mm、リブ高さ2.0mm、ベルト厚さ4.
30mm、リブ角度40°である。ベルトスリーブのリ
ブ溝表面の短繊維は解れて毛羽立ちが起っていた。
【0049】比較例1 実施例1と同様に環状拡張ダイを用いて円筒状成形体を
押出成形し、切開して短繊維配向ゴムシートにした。続
いて、実施例1と同様にしてベルトスリーブを作製した
後、ベルトスリーブを回転速度15mm/秒で回転させ
ながら、超音波を与えない刃部(矢型、材質SKH、厚
み0.6mm)によって一状のリブ溝を切込み、リブ溝
付きの短繊維配向ゴムシートに仕上げた。該スリーブの
リブ溝表面には、短繊維が根元から切断され、解れて毛
羽立ちが起っていなかった。
【0050】実施例2 実施例1と同様にして切開して短繊維配向ゴムシートを
成形し、続いてこのシートを所定長さに切断し、これを
移動台に設置して速度5〜50mm/秒の範囲で移動さ
せながら、固定した一組の超音波を与えない刃部(矢
型、材質SKH、厚み0.6mm)によって一条のリブ
溝を切込み、この作業を繰り返し行って複数のリブ溝付
き短繊維配向ゴムシートに仕上げた。
【0051】続いて、実施例1と同様に円筒状成形型上
にゴム付綿帆布を2プライ積層し、接着ゴムシート、ポ
リエステル繊維のロープからなる心線、接着ゴムシー
ト、短繊維配向ゴムシートを巻き付けてベルト成形体に
した。そして、ジャケットを嵌挿した後、通常の方法で
加硫した。加硫後、ジャケットを抜き取り、ベルトスリ
ーブを成形型から脱型した。
【0052】ベルトスリーブを研削加工機のドラムに嵌
挿し、係合ロールの突起部をリブ溝の嵌合しながら、回
転速度15mm/秒で回転させた。そして、超音波カッ
ター(超音波振動速度22,000回/秒、振幅70μ
m、振動子としてPZT電歪振動子、刃部として矢型の
材質SKH、厚み0.6mm)を用いて一条のリブ溝を
切込み、この作業を繰り返し行って複数のリブ溝を成形
した。得られたVリブドベルトは実施例1と同じRMA
規格による長さ975mmのK型3リブドベルトであ
り、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.0mm、ベ
ルト厚さ4.30mm、リブ角度40°であり、リブ溝
表面には短繊維が解れて毛羽立ちが起っていた。
【0053】
【発明の効果】以上のように本願請求項1記載の発明で
は、短繊維を幅方向に配向させた短繊維配向ゴムシート
を成形する工程、円筒状成形型上にベルト構成部材、そ
して所定長さに切断した上記短繊維配向ゴムシートを巻
き付けてベルト成形体を成形し、加硫したベルトスリー
ブに仕上げる工程、そして一対の超音波カッターにより
加硫したベルトスリーブに周方向に延びるリブ溝を切り
込む工程からなり、超音波カッターによって切削抵抗を
小さくして精度よくV溝に仕上げ、そして耐側圧性に優
れた伝動ベルトを製造することができる。
【0054】また、本願請求項2記載の発明では、短繊
維を幅方向に配向させた短繊維配向ゴムシートを成形す
る工程、カッターにより短繊維配向ゴムシートに長手方
向に延びるリブ溝を切り込む工程、円筒状成形型上にベ
ルト構成部材、そして所定長さに切断した上記短繊維配
向ゴムシートを巻き付けてベルト成形体を成形し、加硫
したベルトスリーブに仕上げる工程、そして一対の超音
波カッターにより加硫したベルトスリーブに周方向に延
びるリブ溝に係合ロールの突起部を嵌合させながら、該
リブ溝表面を切り込み加工する工程からなり、超音波カ
ッターによって切削抵抗を小さくして精度よくV溝に仕
上げ、そして短繊維配向ゴムシートに長手方向に延びる
リブ溝を切り込む工程で出現したスクラップを再利用で
き、更には係合ロールを使用することによりリブ溝表面
を精度よく切り込み加工することができる効果がある。
【0055】本願請求項3記載の発明では、一対の超音
波カッターによって切り込んだリブ溝表面から短繊維を
毛羽ちさせることで、ベルト走行時の騒音を低減できる
効果がある。
【0056】本願請求項4記載の発明は、リブ溝の切削
速度を設定することで、超音波カッターは負担を受ける
ことなく精度よくかつ表面状態の良好なV溝を切削する
ことができる効果がある。
【0057】本願請求項5記載の発明は、短繊維配向ゴ
ムシートのゴムがエチレン−α−オレフィンエラストマ
ーを用いたゴム組成物することで、高温雰囲気下や低温
雰囲気下でベルトを走行させるとベルト寿命が向上する
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出成形された円筒状成形体を直線状に切開し
た短繊維配向ゴムシートに成形する工程の概略図であ
る。
【図2】円筒状成形型上にVリブドベルト用のベルト成
形体を作製した状態の断面図である。
【図3】ベルトスリーブを回転させながら、超音波カッ
ターによってリブ溝を切削加工している状態の断面図で
ある。
【図4】図3をX方向から見た断面図である。
【図5】切削加工後のベルトスリーブのリブ溝断面図で
ある。
【図6】超音波カッターの正面図である。
【図7】押出成形された円筒状成形体を直線状に切開し
た短繊維配向ゴムシートに成形する工程と短繊維配向ゴ
ムシートに長手方向に延びるリブ溝を切り込む工程の亜
路の概略図である。
【図8】図7をA−A方向から見た平面図である。
【図9】円筒状成形型上にVリブドベルト用のベルト成
形体を作製した状態の断面図である。
【図10】ベルトスリーブを係合ロールに当接しなが
ら、超音波カッターによってリブ溝を切削加工している
状態の断面図である。
【図11】本発明方法によって得られたVリブドベルト
の断面図である。
【符号の説明】
6 押出機 13 円筒状成形体 15 環状拡張ダイ 18 短繊維配向ゴムシート 19 溝部 22 短繊維 27 リブ溝 30 超音波カッター 31 刃部 32 超音波振動子 57 ベルト構成部材 58 ベルト成形体 59 ベルトスリーブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、接着ゴム層に隣接してベルトの長手方向
    に延びるリブ部を有する伝動ベルトの製造方法におい
    て、 短繊維を幅方向に配向させた短繊維配向ゴムシートを成
    形する工程、 円筒状成形型上にベルト構成部材、そして所定長さに切
    断した上記短繊維配向ゴムシートを巻き付けてベルト成
    形体を成形し、加硫したベルトスリーブに仕上げる工
    程、そして一対の超音波カッターにより加硫したベルト
    スリーブに周方向に延びる少なくとも1つ以上のリブ溝
    を切り込む工程、からなることを特徴とする伝動ベルト
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、接着ゴム層に隣接してベルトの長手方向
    に延びるリブ部を有する伝動ベルトの製造方法におい
    て、 短繊維を幅方向に配向させた短繊維配向ゴムシートを成
    形する工程、 カッターにより短繊維配向ゴムシートに長手方向に延び
    る少なくとも1つ以上の溝部を切り込む工程、 円筒状成形型上にベルト構成部材、そして所定長さに切
    断した上記短繊維配向ゴムシートを巻き付けてベルト成
    形体を成形し、加硫したベルトスリーブに仕上げる工
    程、そして一対の超音波カッターにより加硫したベルト
    スリーブに周方向に延びる溝部に係合ロールの突起部を
    嵌合させながら、リブ溝を切り込み加工する工程と、か
    らなることを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 一対の超音波カッターによって切り込ん
    だリブ溝表面から短繊維を毛羽ちさせる請求項1または
    2記載の伝動ベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 超音波カッターの切削速度は5〜50m
    m/秒である請求項1〜3のいずれかに記載の伝動ベル
    トの製造方法。
  5. 【請求項5】 短繊維配向ゴムシートのゴムがエチレン
    −α−オレフィンエラストマーを用いたゴム組成物であ
    る請求項1〜4の何れかに記載の伝動ベルトの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226544A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Mitsuboshi Belting Ltd ベルトスリーブの溝形成方法、及び、ベルトスリーブの溝形成装置
JP2011026091A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Showa Gomu Kizai Kk 特定の結合構造を有するコンベヤベルトおよびコンベヤベルトの接合方法
JP2011214663A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsuboshi Belting Ltd 動力伝動用ベルト

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