JP5975513B2 - 警報システム - Google Patents
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本発明は、警報システムに於いて、
所定の監視領域に分散配置され、温度に応じた状態を観測して、観測結果に基づく観測温度情報を送信する複数の温度観測手段と、
複数の温度観測手段から送信された観測温度情報を受信し、当該観測温度情報の内の少なくともいずれか1つから火災を検知した場合に火災警報を出力すると共に、他の警報システムに火災連動信号を送信し、更に、当該受信した複数の観測温度情報にもとづく火災履歴データを記憶手段に記憶する警報手段と、
を備え、
警報手段は、受信した観測温度情報から火災を検知していなくとも、他の警報システムから火災連動信号を受信した場合に、受信した複数の観測温度情報に基づく火災履歴データをを記憶手段に記憶することを特徴とする。
ここで、警報手段は、複数の温度観測手段から受信した観測温度情報の、少なくともいずれか1つに基づき火災を検知した場合に、火災履歴データの記憶を開始する。
警報手段は、火災復旧又は警報停止操作を検知した場合又は当該検知から所定時間を経過した場合に、火災履歴データの記憶を終了する。
警報手段の記憶手段は、警報器本体に対し着脱自在な外部メモリであり、当該外部メモリに履歴データが記憶される。
(バックアップ)
警報手段は、火災履歴データを他の警報システムの警報手段へ送信して、その記憶手段にバックアップデータとして記憶させる。
また、警報手段は、温度検出手段を備え、当該温度検出手段による観測温度が所定温度へ到達した場合に、火災履歴データの送信を開始するようにしても良い。
本発明によれば、複数の温度測定手段を分散配置した監視領域で火災が発生し、警報手段により複数の温度測定手段から受信した観測温度情報の少なくともいずれか1つから火災を検知した場合、火災警報を出力すると共に、複数の温度測定手段から受信した観測温度情報を火災履歴データとして記憶する記憶制御を開始するようにしたため、実火災に伴う温度測定手段を配置した複数点の火災に伴う温度の時間的変化を警報手段に記憶して火災履歴データとして取得することができ、警報手段に記憶した当該火災履歴データを解析することで、火源の位置の推定、火源の位置からの熱気流の拡大状況、火災の延焼拡大の状況などの解析結果を実火災について得ることが可能となる。
また、警報手段は、複数の温度観測手段から受信した観測温度情報の、少なくともいずれか1つに基づき火災を検知した場合に、火災履歴データの記憶を開始するため、火災を検知した段階からの火災履歴データを収集することができ、より適確な火災解析を可能とする。
また、警報手段は、火災履歴データを、他の警報システムの警報手段へ送信してバックアップデータ記憶させ、これにより火災の拡大に伴い火災履歴データの記憶を開始している警報手段が焼失しても、火災履歴データが失われてしまうことを確実に防止できる。
(非火災報などの解析)
また本発明により収集する火災履歴データは、非火災報が出た場合の原因を究明するための解析に活用することもできる。
(警報システムの概要)
図1は本発明による警報システムの設置例を、例えばレストランを監視対象として建物の平面で示した説明図であり、図2に警報システムを取り出して示している。
(温度測定チップの外観・構造)
図3は図1に設けた温度測定チップの外観を示した説明図であり、図3(A)に平面を、図3(B)に内部構造の断面を、図3(C)に底面を示している。
カバー18の表面には温度測定チップを特定する登録番号を示したシール45を必要に応じて貼る。
図4は本発明における温度測定チップの他の実施形態を示した説明図である。本実施形態にあっては、温度測定チップ10のカバー18の上部に突出してかご型の保護枠64を形成し、筐体内の回路基板22にリード端子で実装した温度検知素子36を保護枠64の内部に配置し、温度検知素子36を直接外気に晒し、天井面や壁面に設置した場合、火災に伴う熱気流を受けて設置空間の温度を効率的に観測できるようにしている。
図5は温度測定チップの機能構成の概略を示したブロック図である。また図5では、温度測定チップ10−11について示しているが、他の温度測定チップ10−12〜10−31の構成も同様となる。
図6は警報器100−1の概略構成を示したブロック図である。また図6では、警報システムA1の警報器100−1について示しているが、他の警報システムA2、A3の警報器100−2、100−3についても同様の構成となる。
図6において、警報器100−1は、警報制御部102、アンテナ106を接続した第1通信部104、アンテナ110を接続した第2通信部108、報知部112、操作部114、アダプタ116に対し着脱な自在なメモリカード118を備え、図示しない電池電源により動作する。
警報制御部102は、所定周期毎に、第1通信プロトコルに従った一括AD変換信号を第1通信部104から温度測定チップ10−11〜10−16へ送信させ、温度観測動作を行わせる制御を行う。続いて警報制御部102は温度測定チップ10−11〜10−16のアドレス、例えば送信元符号を指定したポーリング信号を順次送信し、それぞれから温度観測信号を送信させて観測温度情報を取得する制御を行う。
警報制御部102は、観測温度から火災を検知するための閾値温度Tthを、例えばTth=75℃に設定しており、温度測定チップ10から受信した温度観測信号の観測温度情報が示す観測温度が閾値温度Tth=75℃以上の場合に火災を検知し、報知部112から連動元を示す火災警報を出力させる制御を行う。
警報制御部102は、連動元を示す火災警報を出力させた後に、温度測定チップ10による観測温度が閾値温度Tth=75℃を下回り、これが所定時間継続した場合に火災復旧を検知し、連動元を示す火災警報出力を停止すると共に、第2通信プロトコルに従った火災復旧連動信号を生成し、第2通信部108から他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、当該火災復旧連動信号を受信した他の警報システムの警報器100−2,100−3で連動先を示す火災警報を停止させる。
警報制御部102は、連動元として火災警報の出力中に操作部114の警報停止スイッチによる警報停止操作を検知した場合、連動元を示す火災警報出力を停止すると共に、第2通信プロトコルに従った警報停止連動信号を第2通信部108から他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、当該警報停止連動信号を受信した他の警報システムの警報器100−2,100−3で連動先を示す火災警報を停止させる。
警報制御部102は、前述した火災警報制御において例えば温度測定チップ10−11の観測温度から火災を検知した場合(第2条件が充足されたことを覚知した場合)、自己の警報システムA1に属する全ての温度測定チップ10−11〜10−16からの観測温度を火災履歴データとしてメモリカード118に記憶する制御を開始する。この場合、メモリカード118には、温度測定チップ10−11〜10−16のアドレス、例えば送信元符号に対応して順次受信した観測温度を時刻情報と共に記憶する。
次に本発明による警報システムの他の実施形態として、2段階閾値を用いた火災検知を説明する。
本実施形態における2段階閾値による火災検知は、観測温度から火災を検知する閾値温度として、高低2段階に第1閾値温度Tth1と第2閾値温度Tth2を設定し(Tth1<Tth2)、観測温度が低い方の第1閾値温度Tth1以上となった場合に過熱等の火災の兆候(前兆)として火災予報を検知した場合(火災予報を検知する第1条件が充足されたことを覚知した場合)に、火災予報警報を出力し、観測温度が第2閾値温度Tth2以上となった場合(火災を検知する第2条件が充足されたことを覚知した場合)に、火災を検知して火災を警報する。
温度測定チップ10−11は図5の構成と同様である。それ以外の温度測定チップ10−12〜10−43の構成も同様となる。
図1の警報器100−1は、図6の構成と同様であるが、警報制御部102により火災を検知して警報する制御及び火災履歴データの記憶を開始するタイミングが相違する。他の警報器100−2、100−3も同様となる。
警報制御部102は、観測温度から火災を検知する閾値温度を、例えば第1閾値温度Tth1=65℃と第2閾値温度Tth2=75℃の2段階に設定している。
警報制御部102は、前述した火災警報制御において例えば温度測定チップ10−11の観測温度から火災予報を検知した場合(第1条件の充足を覚知した場合)、自己の警報システムA1に属する全ての温度測定チップ10−11〜10−16からの観測温度を火災履歴データとしてメモリカード118に記憶する制御を開始する。
(記憶開始)
上記の実施形態では、観測温度が火災を検知する所定の閾値温度(第1条件)、火災予報を検知する所定の閾値温度(第2条件)、火災を検知する閾値温度より低い所定の記憶開始温度(第3条件)に達した場合に、火災履歴データの記憶を開始しているが、警報器における所定の操作を検知した場合に、火災履歴データの記憶を開始するようにしても良い。これにより監視領域の日常的な温度分布とその変化の状況を分析などに利用できる。
上記の実施形態にあっては、観測温度から火災予報または火災を検知した場合に、火災履歴データの記憶制御と火災履歴データを他の警報器に送信するバックアップ制御を行っているが、火災履歴データのバックアップ制御については、警報器に温度検出素子を設け、自己の観測温度が火災により焼失する可能性の高い所定の危険温度への到達を検知した場合に、バックアップ制御を開始するようにしても良い。
上記の実施形態にあっては、連動グループを構成する複数の警報器の内、火災を検知して火災警報を出力した警報器で火災履歴データの記憶制御を開始しているが、連動関係にある火災を検知していない他の警報器においても火災履歴データの記憶制御を開始するようにしても良い。これにより火災の拡大により延焼の可能性のある火災発生領域に隣接した監視領域における温度の時間変化を火災履歴データとして取得し、火災の拡大解析に活用できる。
上記の実施形態は、監視領域に警報器と複数の温度測定チップを配置して1つの警報システムを構成しているが、警報器は監視領域に配置している複数の温度測定チップに対し通信可能な距離範囲に設けていれば良く、警報器は監視領域から外れた離れた場所に設置しても良い。これにより監視領域の火災による警報器の焼失を抑制して火災履歴データを確実に保存することができる。
上記の実施形態は、着脱自在なメモリカードに火災履歴データを記憶しているが、警報制御部を構成するコンピュータ回路のメモリに火災履歴データを記憶し、所定のインタフェースまたは第1又は第2通信部による通信接続により、メモリに記憶した火災履歴データを外部装置に読み出すようにしても良い。
上記の実施形態にあっては、警報器と温度測定チップの間は第1通信プロトコルに従った通信、警報器の間は第2通信プロトコルに従った通信としているが、それぞれ同じ通信プロトコルとし、別チャンネルとすれば良い。このようにすれば警報器に第1通信部と第2通信部を設ける必要がなく、1つの通信部として構成を簡単できる。
上記の実施形態にあっては、図2に示すように、全ての警報器に温度測定チップを割当てて警報システムを構成しているが、温度測定チップの割り当てのない警報器のみの警報システムを設け、他の警報器からの連動信号を受信して連動警報及び火災履歴データのバックアップ記憶を行うようにしても良い。
警報器及び温度測定チップの間の通信は無線によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
36:温度検出素子
48:温度観測制御部
50:通信部
100−1〜100−4:警報器
102:警報制御部
104:第1通信部
108:第2通信部
112:報知部
114:操作部
116:アダプタ
118:メモリカード
Claims (9)
- 所定の監視領域に分散配置され、温度に応じた状態を観測して、観測結果に基づく観測温度情報を送信する複数の温度測定手段と、
前記複数の温度測定手段から送信された観測温度情報を受信し、当該観測温度情報の内の少なくともいずれか1つから火災を検知した場合に火災警報を出力すると共に、他の警報システムに火災連動信号を送信し、更に、当該受信した複数の観測温度情報にもとづく火災履歴データを記憶手段に記憶する警報手段と、
を備え、
前記警報手段は、前記受信した観測温度情報から火災を検知していなくとも、他の警報システムから火災連動信号を受信した場合に、前記受信した複数の観測温度情報にもとづく火災履歴データを記憶手段に記憶することを特徴とする警報システム。
- 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、前記複数の温度測定手段から受信した観測温度情報の、少なくともいずれか1つに基づき火災を検知した場合に、前記火災履歴データの記憶を開始することを特徴とする警報システム。
- 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、過熱などの火災予報を検知する第1条件と火災を検知する第2条件を設定し、前記複数の温度測定手段から受信した観測温度情報の、少なくともいずれか1つに基づき、前記第1条件が充足されたことを覚知した場合に、前記火災履歴データの記憶を開始することを特徴とする警報システム。
- 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、前記複数の温度測定手段から受信した観測温度情報の、少なくともいずれか1つに基づき、火災予報の検知に至る前の、所定の第3条件が充足されたことを覚知した場合に、前記火災履歴データの記憶を開始することを特徴とする警報システム。
- 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、火災復旧又は警報停止操作を検知した場合に、前記火災履歴データの記憶を終了することを特徴とする警報システム。
- 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、火災復旧又は警報停止から所定時間を経過した場合に、前記火災履歴データの記憶を終了することを特徴とする警報システム。
- 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段の記憶手段は、着脱自在なメモリカードを備え、当該メモリカードに前記火災履歴データを記憶することを特徴とする警報システム。
- 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、前記火災履歴データを前記他の警報システムの警報手段へ送信して、その記憶手段にバックアップデータとして記憶させることを特徴とする警報システム。
- 請求項8記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、温度検出手段を備え、当該温度検出手段による観測温度が所定温度へ到達した場合に、前記火災履歴データの送信を開始することを特徴とする警報システム。
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