JP6121762B2 - 警報システム - Google Patents

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Description

本発明は、監視領域内の複数点の温度を観測して火災等の異状を判断する警報システムに関する。
従来、住宅等における火災などの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
例えばこのような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検知するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の火災現象検出信号に基づき火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して異状警報音を出力させる連動型の住警器も実用化され、普及している。
また、本願出願人にあっては、家庭用の火災等の異状監視のため、警報器とこれに割り当てた複数の温度測定チップを所定局所に設置して温度をスポット的に観測し、温度観測チップの観測結果から火災等の異状を検知して、警報器から火災警報を報知する警報システムを提案している。
このような警報システムは、温度観測チップを例えば各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器、その設置場所、喫煙などで火気を使用する場所、特に寝タバコをするベッドや寝室の所定場所、更にはくず入れ等、その他相対的に火源となる可能性の高い機器や場所或いはそれらの近傍等、所定局所に設置することで、スポット的に観測した観測結果に基づき異状を検知して警報器から異状警報として火災警報を出力し、所定局所で発生した火災等の異状を迅速且つ確実に警報することで、利用者に適切に対処させるができるようにしている。
また、従来、分布型の火災監視システムとして、空気管式の差動分布型感知器を使用した火災報知設備が知られており、倉庫や体育館といった大空間の火災監視に使用されている。空気管式の差動分布型火災感知器は、感知器本体から外径2ミリメートル程度の銅管を使用した空気管を監視領域に張り巡らし、火災が発生した場合には、火災による熱を受けた空気管内の空気の膨張により感知器本体のダイヤフラムを変位し、これにより接点を閉じることで発報信号を受信機に送信して火災警報を出力する。
そこで本願出願人にあっては、住宅用の警報システムで使用している温度測定チップを、例えば従来の空気管式の差動分布型感知器を用いた火災報知設備を設ける大空間の監視領域に分散配置し、分散配置した温度測定チップで観測した観測温度の温度異状を検知して火災等の異状を判断して警報する分布型火災報知システムを提案している。
このような分布型火災報知システムによれば、監視領域全域に複数の温度測定チップを分布配置して温度を簡単に取得することができ、監視領域に分布した複数の観測点からスポット的に得た温度により監視領域全体の火災を早期に且つ確実に判断して火災を警報することが可能となる。また、温度測定チップは電池を内蔵し、無線により通信することから、警報器の通信可能範囲であれば、それ以外の制約を受けることなく、監視領域の適宜の場所に自由に設置することができ、従来の空気管式の差動分布方感知器を用いた場合に比べ、設置が極めて簡単であり、観測チップは小型軽量で量産に適しており、設備コストも低減できる。
特開2007−094719号公報 実用新案登録第3143139号公報 特開2009−140236号公報 特開2001−281068号公報
家庭用の警報システムや分布型火災報知システムおいて、監視領域に複数の温度測定チップを配置して温度を観測し、温度観測結果が示す観測温度の温度異状を検知して火災等の異状を判断しているが、温度測定チップの観測温度にはばらつきがある。
温度測定チップは、温度検出素子として例えばサーミスタを使用した温度検出回路を設け、サーミスタの温度に依存した抵抗変化を、電圧の変化に変換した検出信号を出力するようにしている。温度検出回路からの検出信号は、CPUなどによりAD変換して読み込み、所定の変換式に基づいて温度情報に変換し、予め設定した閾値温度以上の場合に温度異状を検知し、温度異状に基づき火災等の異状を判断する。
しかし、サーミスタ等の温度検出素子や温度検出回路の回路素子などに起因し、温度測定チップが異なると、同じ温度環境であっても、温度検出回路の検出信号がばらつき、検出信号から変換した観測温度もばらつき、所定の閾値温度を設定して温度異状を検知する場合、火災等の異状判断の時間遅れが大きくなったり、非火災報などの非異状警報が出易くなるという問題がある。
この問題を解決するためには、製造段階で温度測定チップの部品精度を高めたり、温度検出回路の検出特性を調整する等の対策で対応可能であるが、いずれも温度測定チップのコスト上昇を招くことから限界があり、温度測定チップの観測温度のばらつきを完全になくすことは困難であり、また設置してから時間が経過すると、様々な要因により温度測定チップによる観測温度のばらつきが大きくなることも想定される。
本発明は、複数の温度測定チップの観測温度のばらつきを抑制して、観測温度に基づく異状を適切に判断可能とする警報システムを提供することを目的とする。
(警報システムA)
本発明は、
所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて監視領域の異状を判断する警報手段と、
を備えた警報システムに於いて、
警報手段は、複数の温度観測手段の内の予め定めた1の温度観測手段を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、複数の観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境にマスタ温度観測手段を配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行
警報手段による温度同期制御は、
マスタ温度観測手段を含む複数の温度観測手段を、監視領域に配置する前に一箇所に集めて置いた状態で観測したマスタ観測温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として予め検知して登録し、
複数の温度観測手段で監視領域の観測温度を観測する毎に、当該観測結果が示す観測温度を、当該観測温度に対応する温度補正値を加算して補正する、
ことを特徴とする。
(警報システムB)
本発明は、
所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて監視領域の異状を判断する警報手段と、
を備えた警報システムに於いて、
警報手段は、複数の温度観測手段で観測した観測温度の平均温度に対し誤差が最小となる1の温度観測手段を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、複数の温度観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境にマスタ温度観測手段を配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行う、ことを特徴とする。
(警報システムC)
本発明は、
所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測して温度観測結果が示す温度に基づき異状を判断すると共に、複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて監視領域の異状を判断する警報手段と、
を備えた警報システムに於いて、
警報手段は、自己を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、複数の温度観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境にマスタ温度観測手段を配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行う、ことを特徴とする。
(警報システムD)
本発明は、
所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
監視領域に配置し、監視領域の温度を観測して温度観測結果が示す温度に基づき異状を判断すると共に、複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて監視領域の異状を判断する警報手段と、
を備えた警報システムに於いて、
警報手段は、自己及び複数の温度観測手段の各々で観測した観測温度の平均温度に対し誤差が最小となる1の温度観測手段又は警報手段を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、複数の温度観測手段及び警報手段により観測した各観測温度を、同じ温度環境にマスタ温度観測手段を配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行う、ことを特徴とする。
(マスタ温度観測手段の設定条件)
マスタ温度観測手段の設定は、監視領域の発熱体又はその近傍に配置した温度観測手段を除く。
(温度補正値の初期登録)
警報システム〜Dに於いて、警報手段による温度同期制御は、
マスタ温度観測手段を含む複数の温度観測手段を、同じ温度環境に配置して観測したマスタ観測温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として予め検知して初期登録し、
複数の温度観測手段で監視領域の観測温度を観測する毎に、当該観測結果が示す観測温度に、対応する温度補正値を加算して補正する。
(温度補正値を初期登録する温度環境)
警報手段による温度同期制御は、警報手段及び複数の温度観測手段を監視領域に配置する前に一箇所に集めて置いた状態で、温度補正値を検知して初期登録する。
(温度補正値の更新登録)
警報手段による温度同期制御は、温度補正値を所定周期毎に検知して更新登録する。この場合、警報手段による温度同期制御は、監視領域の発熱体又はその近傍に配置した温度観測手段を除く温度観測手段の温度補正値を、所定周期毎に検知して更新登録する。
(警報手段の警報機能)
警報手段は異状を判断した場合に異状警報を出力する。
(受信機による警報)
警報手段は、受信機から引き出された伝送路に接続し、異状を判断した場合に異状検知信号を受信機へ送信して異常警報を出力させる。
本発明によれば、警報手段により、複数の温度観測手段で観測した観測温度に対し温度同期制御を行うことで、複数の温度観測手段で観測した同じ温度環境における観測温度のばらつきを抑制し、所定の閾値温度を設定して火災等の異状を判断する場合、異状判断の時間遅れが大きくなったり、非火災報などの非異状警報が出易くなることを防止可能とする。
即ち、複数の温度観測手段を同じ温度環境に配置した場合、それぞれの観測温度は温度検出素子を備えた温度検出回路の検出特性の相違などにより、観測温度が必ずしも一致せず、観測温度の間に相対的な誤差をもつようになる。このように同じ温度環境でありながら各観測温度が相違していると、例えば所定の温度閾値を設定し、観測温度が閾値温度以上の場合に火災などの異状を判断する場合、各温度観測手段の観測温度に基づく異状判断がばらつく問題がある。
そこで警報手段は、温度同期制御として、複数の温度観測手段の内の予め定めた1の温度観測手段を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、他の温度観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境にマスタ温度観測手段を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する。具体的には、警報手段は、マスタ温度観測手段及び他の温度観測手段を監視領域に配置する前に同じ温度環境に配置し、この状態で観測したマスタ観測温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として予め検知して初期登録しておき、マスタ温度観測手段以外の温度観測手段で監視領域の観測温度を観測する毎に、各観測温度に、対応する温度補正値を加算して補正し、同じ温度環境にマスタ温度観測手段を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する。
この温度同期制御により、複数の温度観測手段の観測温度に、温度検出素子を備えた温度検出回路の検出特性の相違などに起因して相対的なばらつきがあっても、このばらつきが補正され、同じ温度環境であれば、各観測温度の相対的な誤差を抑制して略一致した観測温度とし、観測温度に基づく異状判断のばらつきを抑制することができる。
本発明による警報システムの設置例を示した説明図 本発明による警報システムの概略構成を示した説明図 温度測定チップの外観及び構造を示した説明図 温度測定チップの機能構成の概略を示したブロック図 警報器の機能構成の概略を示したブロック図 温度測定チップの温度補正値を登録した補正テーブルを示した説明図 温度検出素子による温度と検出電圧の関係を示した特性グラフ図 本発明による警報システムの他の実施形態を示した説明図 図9に設けた警報器の機能構成の概略を示したブロック図 本発明による警報システムの他の実施形態を示した説明図 図10の監視領域における温度観測チップの配置を示した平面図 図10の警報装置の機能構成の概略を示したブロック図
[警報システムの構成]
(システム構成の概略)
図1は本発明による警報システムの住宅に対する設置例であり、図2に警報器と温度測定チップを取り出して警報システムの概略構成を示している。本発明の警報システムは、1台の警報器と複数の温度測定チップで構成する。
温度測定チップ10(10−11〜10−44)は、所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段であり、警報器100(100−1〜100−4)は、それぞれに割当てられて管理している複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて監視領域の異状を判断する警報手段であり、警報手段は、複数の温度観測手段の内の予め定めた1の温度観測手段を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、複数の温度観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境にマスタ温度観測手段を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行う。なお、以下の説明は、警報器100が異状警報として火災警報を出力する場合を例にとって説明する。
(警報器と温度測定チップの配置)
図1及び図2において、住宅14の台所、居間、子供部屋、居間など各部屋に分けて、警報器100−1〜100−4を設置し、警報器100−1〜100−4のそれぞれに対応して、温度測定チップ10−11〜10−14,10−21〜10−24,10−31〜10−34,10−41〜10−44を割当配置し、警報システムA1〜A4を構成する。
即ち、警報システムA1は警報器100−1と温度測定チップ10−11〜10−14で構成し、警報システムA2は警報器100−2と温度測定チップ10−21〜10−24で構成し、警報システムA3は警報器100−3と温度測定チップ10−31〜10−34で構成し、更に、警報システムA4は警報器100−4と温度測定チップ10−41〜10−44で構成する。
台所の警報システムA1を例にとると、温度測定チップ10−11〜10−14はそれぞれ観測点の温度を観測して温度観測結果が示す観測温度を含んだ温度観測信号を警報器100−1に送信する。警報器100−1は温度測定チップ10−11〜10−14から受信した温度観測信号の観測温度に基づき異状を検知して火災警報を出力する。
また警報器100−1は、複数の温度測定チップ10−11〜10−14で観測した同じ温度環境における観測温度のばらつきを抑制するため、温度同期制御を行う。即ち、温度測定チップ10−11〜10−14を同じ温度環境に配置した場合、それぞれの観測温度は温度検出素子を備えた温度検出回路の検出特性の相違などにより、観測温度が必ずしも一致せず、観測温度の間に相対的な誤差をもつようになる。このように同じ温度環境でありながら各観測温度が相違していると、例えば所定の温度閾値を設定し、観測温度が閾値温度以上の場合に火災などの異状を判断する場合、各温度測定チップの観測温度に基づく異状判断がばらつく問題がある。
そこで警報器100−1は、温度同期制御として、複数の温度測定チップ10−11〜10−14の内の予め定めた1の温度測定チップ、例えば温度測定チップ10−11を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度測定チップに設定し、他の温度測定チップ10−12〜10−14で観測した各観測温度を、同じ温度環境にマスタ温度測定チップ10−11を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する。
更に詳細に説明すると、警報器100−1は、マスタ温度測定チップ10−11及び温度測定チップ10−12〜10−14を、監視領域に配置する前に、同じ温度環境に配置し、この状態で観測したマスタ温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として検知してメモリ等に初期登録する。
続いて警報器100−1及び温度測定チップ10−11〜10−14を監視領域に配置して監視動作を開始した場合、警報器100−1は、マスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11以外の温度測定チップ10−12〜10−14で監視領域の観測温度を観測する毎に、各観測温度に、対応する温度補正値を加算し、同じ温度環境にマスタ温度測定チップ(温度測定チッブ10−11)を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する。
この温度同期制御により、温度測定チップ10−11〜10−14の観測温度に、温度検出素子を備えた温度検出回路の検出特性の相違などに起因して相対的なばらつきがあっても、このばらつきが補正され、同じ温度環境であれば、温度測定チップ10−11〜10−14の観測温度の相対的な誤差を抑制して略一致した観測温度とし、観測温度に基づく異状判断のばらつきを抑制することができる。
警報器100−1と温度測定チップ10−11〜10−13の間は所定の第1通信プロトコルに従った通信経路11となり、温度測定チップ10−11〜10−13はこの経路を介して警報器100へ、警報システムA1に固有な警報グループ符号を含めた信号を送信する。他の警報システムA2〜A4についても同様である。
また図1の例にあっては、警報システムA1〜A4に設けた警報器100−1〜100−4の間で連動グループを形成し、全体として連動システムとなっている。警報器100−1〜100−4の間は所定の第2通信プロトコルに従った通信経路12となり、所定の連動グループ符号を含めた信号を送信することで、複数の警報システムで構成される連動グループ内での通信を可能とする。
例えば警報器100−1は温度測定チップ10−11〜10−13から受信した温度観測信号の何れかに基づいて異状を検知し、これに伴い連動元を示す火災警報を出力した場合、他の警報システムA2〜A4の警報器100−2〜100−4へ異状連動信号を送信して、これを受信した警報器100−2〜100−4に、連度先を示す火災警報を出力させる。
このように本発明は、1台の警報器100で1又は複数の温度測定チップ10を管理する警報システムを少なくとも1つ含む、複数の警報システムを連動させる。
ここで、警報器100で複数の温度測定チップ10を管理するとは、警報器100に複数の温度測定チップ10を割り当て、この割り当てた複数の温度測定チップ10の何れかから受信した温度観測信号の観測温度に基づき異状を検知した場合に火災警報を出力することをいう。
また複数の警報システムを連動させるとは、1の警報システムの警報器が、当該警報器の管理する複数の温度測定チップの何れかから受信した温度観測信号の観測温度に基づき異状を検知した場合に、連動元を示す火災警報を出力すると共に異状連動信号を生成し、当該異状連動信号を他の警報システムの警報器へ送信して連動先を示す異状警報を出力させ、一方、他の警報システムの警報器の何れが送信した異状連動信号を受信した場合に、連動先を示す異状警報を出力することをいう。
なお、以下の説明は警報器100−1〜100−4の連動グループを形成した場合の連動システムを例にとるが、連動グループはこのうち一部の警報システムで形成しても良いし、連動グループを形成せず警報システムA1〜A4をそれぞれ独立したシステムとして使用するようにしても良い。また、以下、警報器100−1〜100−4及び温度測定チップ10−11〜10−43をそれぞれ区別しない場合は警報器100及び温度測定チップ10という。
ここで温度測定チップ10−11〜10−43が取得する観測点の温度観測結果は、温度検出回路の検出信号に基づいて観測した温度を示す指標となる温度情報であり、これを「温度」或いは「観測温度」という。
温度測定チップ10は監視領域となる住宅14の所定局所に配置する。例えば温度測定チップ10は、住宅14における例えば火気使用機器の内部や外表面、発熱源となる機器内部や外表面、くず入れの中や外表面、それらの近傍、といった所定局所に配置することができる。
また、温度測定チップ10は、監視領域の所定局所以外に、監視領域全体の温度を観測するため、監視領域となる部屋で火災等の異状が発生した場合に想定される熱気流を効率良く受けることのできる天井面の略中央または天井面から所定距離、例えば50cm以内となる天井面に近い壁面に配置しても良い。
本実施形態の警報システムにあっては、温度測定チップ10を複数配置し、これを1台の警報器100に割当てて管理している。このため警報器100に割り当てた複数の温度測定チップ10は、これらを管理する警報器100の通信範囲に入る所定局所に配置する。警報器100の通信範囲とは、警報器100に割当てて管理している温度測定チップ10から送信した信号が、警報器100で有効受信できる通信距離に入る範囲をいう。
図1ないし図2に示すシステムは、このような警報器100とこれに割当てて管理している温度測定チップ10の組み合わせを4つ設けている。
[温度測定チップの構成]
(温度測定チップの外観・構造)
図3は図1に設けた温度測定チップの外観を示した説明図であり、図3(A)に平面を、図3(B)に内部構造の断面を、図3(C)に底面を示している。
図3において、温度測定チップ10は例えば合成樹脂で成型した一端(図3(B)の図示下方)に開口した円盤状のカバー18と、カバー18の開口側に装着したベース20で筐体を構成し、筐体の内部に回路基板22を収納している。カバー18の表面には温度測定チップを特定する登録番号を示したシール45を必要に応じて貼る。
回路基板22とベース20の間には釦電池24を収納し、釦電池24の正極には正極端子金具32を接触し、釦電池24の回路基板22側に位置する端面の負極には、負極端子金具30を接触している。
釦電池24はベース20の開口穴に対する電池蓋26の装着で固定している。電池蓋26は外周内側の相対した2箇所にL字形の嵌合突起を形成し、ベース20の開口に形成した嵌合切欠にL字形の嵌合突起を嵌め入れて回すことでロックできる。電池蓋26には釦電池24を着脱する際の回動操作のため硬貨等を嵌合する嵌合溝28を形成している。
回路基板22の図示上側面には制御チップ38と通信チップ40を実装し、更にカバー18に形成したスリット(開口)42の内側には、外気が通流する位置に温度検出素子36を実装している。温度検出素子36としては観測点(感熱部)の温度に応じて例えば抵抗値が変化するサーミスタなどの適宜の温度検出素子を使用する。
また回路基板22にはLED46を実装し、これに相対してカバー18側に透明樹脂などを用いた表示窓44を配置している。
ベース20の表面外周には取付シート34を設ける。取付シート34はマグネットシート又は粘着シートなどであり、監視対象とする機器や場所の取付面に簡単に取り付け配置することができる。なお、取付手段および方法は任意であり、取付シート34以外に、フックやクリップ、紐などの適宜の手段を必要に応じて設けることができる。
(温度測定チップの機能構成)
図4は温度測定チップの機能構成の概略を示したブロック図である。温度測定チップ1
0は、温度検出回路35、温度観測制御部48、アンテナ52を接続した通信部50を備え、図3に示した釦電池24による電源供給を受けて動作する。温度観測制御部48は、図3の制御チップ38に対応し、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路又はワイヤードロジック回路等を使用する。
通信部50は図3の無線通信チップ40に対応し、警報器100−1との間で所定の第1通信プロトコルに従って信号を送受信する。第1通信プロトコルとしては、例えばRFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)に割当てられた900MHzの周波数、即ち950〜957MHzを使用したセンサネットワーク用の近距離通信プロトコル等を使用する。この信号は、送信元を示す送信元符号、警報グループ符号、制御コマンドや温度等のデータを含む形式とする。
温度検出回路35は、図4に示した温度検出素子36として例えばサーミスタを使用し、例えば固定抵抗にサーミスタを直列接続して所定の電源電圧を印加し、サーミスタの両端電圧を温度検出信号として出力する。この場合、温度検出回路35の出力は、温度上昇に伴うサーミスタの抵抗値の変化に対応して略直線的に低下する温度検出信号(電圧信号)となる。
温度観測制御部48は、警報器100からの指示に基づいて観測点の温度を観測し、この温度観測結果が示す観測温度を含む温度観測信号を送信する。即ち、温度観測制御部48は、通信部50を介して住警器100から所定周期毎に送信される一括AD変換信号の有効受信を検知した場合に、温度検出回路35からの検出信号に基づき温度を観測し、続いて送信されてくる自分のアドレス(例えば自分の送信元符号)を指定したポーリング信号を有効受信した場合に、温度観測結果が示す観測温度を含んだ温度観測信号を通信部50から住警器100へ送信させる制御を行う。
ここで温度観測制御部48による温度の観測は、温度検出回路35からの温度検出信号(電圧信号)をAD変換により読み込み、読み込んだ検出データを予め設定した温度検出特性に従った変換式に基づき温度情報に変換しており、この温度情報を観測温度として含んだ温度観測信号を警報器100へ送信する。
このように住警器100からの指示で温度を観測して送信することで、複数の温度測定チップ10から送信する温度観測信号の衝突(伝送障害)を回避できる。また複数の温度測定チップ10における温度観測のタイミングを一致させることもできる。
なお、温度観測制御部48は、警報器100からの指示によらず、自発的に所定周期毎に温度を観測して温度観測結果が示す観測温度を含んだ温度観測信号を送信するようにしても良い。この場合には、他の温度測定チップからの温度観測信号の送信と重複しないように、キャリアセンスを行い、キャリアのないタイミングで送信する。
[警報器の構成]
図5は警報器100−1の概略構成を示したブロック図である。また図5では、警報システムA1の警報器100−1の概略構成を示しているが、他の警報システムA2〜A4の警報器100−2〜100−4も同様となる。
(警報器の機能構成)
図5において、警報器100−1は、警報制御部102、アンテナ106を接続した第1通信部104、アンテナ110を接続した第2通信部108、報知部112、操作部114を備え、図示しない電池電源により動作する。
警報制御部102は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路又はワイヤードロジック回路等を使用する。
第1通信部104は、警報制御部102の指示を受け、温度測定チップ10−11〜10−13との間で、第1通信プロトコルに従って信号を送受信する。この信号は、送信元を示す送信元符号、警報グループ符号、異状等の事象符号を適宜含んだ形式とする。前述の温度観測信号はこの信号に該当する。警報グループ符号は警報システムA1に固有な符号であり、このような警報グループ符号を使用することで、隣接する他の警報システムA2〜A4との間で温度観測信号が混信することを避けることができる。
第2通信部108は他の警報システムの警報器100−2〜100−4との間で所定の第2通信プロトコルに従って連動信号を送受信する。連動信号は、各警報器100に固有の識別子として割り当てられ、信号を送信する際に送信元を示す符号としても使用される送信元符号、自己が属する連動グループを示す連動グループ符号、異状などの事象を示す事象符号を含んだ形式とする。警報器100−1は警報器100−2〜100−4との間で第2無線通信プロトコルに従って連動信号を送受信する連動グループを形成し、連動グループ符号はこのグループ固有の符号とする。このような連動グループ符号を使用することで、隣接する他のグループとの間で連動信号が混信することを避けることができる。
第2通信プロトコルによる通信は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)又はSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。
報知部112は、スピーカ、LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じ警報制御部102の指示によりスピーカから警報音を出力すると共にLEDにより警報表示を行う。操作部114は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチなどの各種スイッチを備える。操作部114はまた、警報器100−1で行う温度同期制御でマスタ観測温度チップを設定するためのマスタ設定操作を行う操作部を有している。警報器100−1には、このマスタ設定操作に伴い必要となる情報を表示する表示部を設けても良い。
警報制御部102は、CPUのプログラム実行などにより実現する機能であり、次の制御を行う。
(温度測定制御)
警報制御部102は、第1通信部104に指示し、所定周期毎に第1通信部104から温度測定チップ10−11〜10−13へ第1通信プロトコルに従った一括AD変換信号を送信させる制御を行い、これを受信した当温度測定チップ10−11〜10−13に温度観測動作を行わせる。
続いて警報制御部102は、第1通信部104に指示し、温度測定チップ10のアドレス、例えば温度測定チップ10毎に割り当てられた識別子である送信元符号をそれぞれ指定したポーリング信号を第1通信部104から温度測定チップ10−11〜10−13へ送信させる制御を行い、当該ポーリング信号を受信した温度測定チップ10−11〜10−13から温度観測結果が示す観測温度を含んだ温度観測信号を順次送信させる。
なお、警報器100−1からの指示によらず、温度測定チップ10から自発的に、所定周期毎に温度を観測して温度観測結果が示す観測温度を含んだ温度観測信号を送信してくるようにした場合は、前述した一括AD変換信号とポーリング信号の送信により温度を観測する制御は不要となる。
(温度同期制御)
警報制御部102は、警報器100−1及び温度測定チップ10−11〜10−14を監視領域となる住宅14に配置する前に、例えば設置現場のテーブルや机の上に並べた状態で行う操作部114によるマスタ設定操作の受付けを検知した場合、温度測定チップ10−11〜10−14の中の任意の一つ、例えば温度測定チップ10−11をマスタ温度測定チップに設定すると共に、マスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11以外の温度測定チップ10−12〜10−14の温度補正値を検知して初期登録する制御を行う。
ここで、操作部114のマスタ設定操作により設定するマスタ測定チップとしては、監視領域の各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器等の発熱体や発熱場所またはその近傍の所定局所に配置する温度測定チップはマスタ温度測定チップの設定対象から除外し、それ以外の温度測定チップついてマスタ温度測定チップを選択して設定する。
また別のマスタ温度測定チップの設定として、警報制御部102は、温度測定チップ10−11〜10−14で観測した観測温度の平均温度に対し誤差が最小となる温度測定チップをマスタ温度測定チップに設定する制御を行うようにしても良い。
続いて警報制御部102は、マスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11以外の温度測定チップ10−12〜10−14の温度補正値を検知して初期登録する制御を行う。この制御は、例えば温度測定チップ10−11をマスタ温度測定チップに設定した場合、マスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11及びそれ以外の温度測定チップ10−12〜10−14で観測した同じ温度環境におけるマスタ観測温度T1及び他の観測温度T2〜T4を取得し、マスタ観測温度T1と他の観測温度T2〜T4との温度誤差を、
ΔT2=T1−T2
ΔT3=T1−T3
ΔT4=T1−T4
として検知し、これを温度補正値ΔT2〜ΔT4とし、例えば図6に示す補正テーブルを生成してメモリ等に記憶する。
図6の補正テーブルは、温度測定チップ10−11〜10−14を識別する送信元符号などを用いた温度測定チップIDに対応して、検知した温度補正値ΔT2〜ΔT4を登録し、またマスタフラグを1にセットすることで、マスタ温度観測チップとして温度測定チップ10−11を設定したことを示している。
図7は、温度測定チップ10−11〜10−14の温度検出回路35から出力する温度検出信号(電圧信号)Eを観測温度Tに変換する変換特性Aを示したグラフ図であり、温度検出信号Eの増加に対し、火災等の異状監視に必要な0〜100℃の温度範囲で、観測温度Tが略直線的に低下する変換特性Aとしている。
ここで、警報器100−1及び温度測定チップ10−11〜10−14を、例えば環境温度25℃の場所に並べて置き、このとき温度測定チップ10−11〜10−14の各温度検出回路35が温度検出信号E1〜E4を出力し、温度検出素子及び温度検出回路の特性に起因して図示のように温度検出信号E1〜E4がばらついていたとする。
ここでマスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11の温度検出信号E1は、変換特性Aに従って変換した場合、マスタ観測温度T1は例えば環境温度と同じT1=25℃となっている。これに対し温度測定チップ10−12〜10−14の温度検出信号E2〜E4は変換特性Aに従って変換した場合、マスタ観測温度T1とは異なった観測温度T2〜T4となってばらつく。なお、検出電圧E2〜E4のばらつきは、説明の都合上大きくして示している。
そこで本発明の温度同期制御では、マスタ観測温度T1と他の観測温度T2〜T4との温度誤差を、温度補正値ΔT2〜ΔT4として検知し、温度測定チップ10−12〜10−14に対応して温度補正値ΔT2〜ΔT4を初期登録した図6の補正テーブルを生成してメモリ等に記憶する。
再び図5を参照するに、警報制御部102は、図1に示したように、住宅14の例えば台所に警報システムA1として配置して監視動作を開始した場合、温度測定チップ10−12〜10−14から有効受信した温度観測信号の各観測温度T2〜T4を、図6の補正テーブルに初期登録した温度補正値ΔT2〜ΔT4に基づいて補正する制御を行う。
即ち、警報制御部102は、マスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11から有効受信した温度観測信号の温度はそのまま観測温度T1として取得するが、それ以外の温度測定チップ10−12〜10−14から有効受信した温度観測信号の温度T2〜T4は、図6の補正テーブルから温度補正値ΔT2〜ΔT4を読み出し、
T2=T2+ΔT2
T3=T3+ΔT3
T4=T4+ΔT4
として補正する。
この補正は、温度観測チップ10−12〜10−14で観測した各観測温度T2〜T4を、同じ温度環境にマスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正することを意味し、温度測定チップ10−11〜10−14に設けた各温度検出回路35の相違に起因した観測温度の相対的なばらつきを抑制する。
また、警報制御部102は、警報システムA1の監視動作中に、温度補正値ΔT2〜ΔT4を検知して更新登録する制御を、例えば1日1回というように所定周期毎に行う。警報制御部102の温度補正値を更新登録する制御は、温度補正値を初期登録する制御の場合と同様、マスタ温度測定チップに設定した温度測定チップ10−11のマスタ観測温度T1とそれ以外の温度測定チップ10−12〜10−14の観測温度T2〜T4を取得し、マスタ観測温度T1と他の観測温度T2〜T4との温度誤差を温度補正値ΔT2〜ΔT4として検出し、図6に示した補正テーブルの温度測定チップ10−12〜10−14に対応した温度補正値ΔT2〜ΔT4を更新登録する。
ただし、監視領域の各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器等の発熱体や発熱場所またはその近傍の所定局所に配置した温度測定チップは、温度補正値の更新対象から除外し、それ以外の温度測定チップついて温度補正値を更新する。発熱体や発熱場所またはその近傍の所定局所に配置した温度測定チップは、マスタ温度観測チップとは異なった温度環境に置かれており、温度検出回路に起因した温度誤差ではなく、温度環境の相違による温度誤差を検知して温度補正値を更新することになるため、更新対象から除外する。このため更新対象から除外した温度測定チップは、初期登録した温度補正値を維持する。
(火災警報制御)
警報制御部102は、温度測定チップ10から受信した温度観測信号の観測温度が閾値温度Tth以上、例えばTth=75℃以上の場合に異状を検知し、報知部112から連動元を示す火災警報を出力させる制御を行う。異状の検知は、複数回に亘り観測した観測温度に基づき温度変化率を求め、この温度変化率(上昇率)が予め定めた変化率の閾値以上となった場合に検知するようにしても良い。その他、観測温度に基づき各種演算等により異状を検知するようにして良い。
警報制御部102が報知部112から出力させる連動元を示す火災警報としては、温度測定チップ10−11の観測温度に基づき異状を検知した場合を例にとると、「ピーピー 1番で火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。ここで「1番」は火災を検知した温度測定チップ10−11を特定する情報である。
即ち、温度測定チップ10から警報器100へ送信する温度観測信号には、送信元の温度測定チップ10を特定するための符号(送信元符号)が含まれている。そして、各温度測定チップを特定する符号と火災警報の音声メッセージ内容とは、初期設定等によって警報器100のメモリ内で関連付けられている。このため、上記のように異状を検知した温度を含む温度観測信号を送信した温度測定チップを認識し、これに対応して、火災警報の音声メッセージは例えばその設置場所を示す情報を含めた内容とすることができる。
また、警報制御部102は、報知部112から災警報を出力させた場合、第2通信プロトコルに従った異状連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ異状連動信号を送信させる制御を行い、当該異状連動信号を受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4で連動先を示す異状警報を出力させる。この場合の連動先を示す火災警報としては例えば「ピーピー 別の場所の1番で火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
また、警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した異状連動信号の有効受信を検知した場合、報知部112からの連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。
なお、「信号の有効受信を検知」とは、受信した信号に含まれる警報グループ符号又は連動グループ符号が、受信装置である自己のメモリに予め登録した警報グループ符号又は連動グループ符号に一致して自己に宛てた信号と認識し、更に、信号内容としても異状が無いことを認識したことを意味する。以下、このような有効受信を含め、単に受信ということがある。
(異状復旧制御)
警報制御部102は、報知部112から連動元を示す火災警報を出力させた後に、温度測定チップ10から受信した温度観測信号の観測温度が閾値温度Tth=75℃を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、異状の復旧(異状検知状態が解消したこと)を検知し、報知部112からの連動元を示す火災警報出力を停止すると共に、第2通信プロトコルに従った異状復旧連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該異状復旧連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、これを受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報を停止させる。
また警報制御部102は、第2連動通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した異状復旧連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部112からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
(警報停止制御)
警報制御部102は、連動元として火災警報の出力中に操作部114の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検知した場合、報知部112からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、第2通信プロトコルに従った警報停止連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該警報停止連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、これを受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
また警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した警報停止連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部112からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
[温度センサ付きの警報器を備えた警報システム]
図8は、本発明による警報システムの他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態は、警報システムに温度センサ付きの警報器を設けたことを特徴とする。
(システム構成の概略)
図8において、警報システムA1〜A4は、基本的に図1及び図2の実施形態とおなじであり、警報システムA1〜A4に、温度センサ付きの警報器200−1〜200−4を配置したことを特徴とする。
警報システムA1を例にとると、温度測定チップ10−11〜10−14はそれぞれ所定局所の温度を観測し、当該温度観測結果が示す観測温度から異状を検知した場合に異状検知信号を警報器100−1へ送信する。温度センサ付きの警報器200−1は異状検知信号を受信して火災警報を出力する。
温度センサ付きの警報器200−1は、監視領域全体の温度を観測し、当該温度観測結果が示す観測温度の異状を検知した場合に異状警報として火災警報を出力すると共に、温度測定チップから受信した温度観測信号の観測温度から異状を検知した場合にも異状警報として火災警報を出力する。このため警報器200−1は、監視領域で火災等の異状が発生した場合に想定される熱気流を効率良く受けることのできる位置に配置する。例えば住宅の1つの部屋を監視領域として警報器100を設置する場合、監視領域となる部屋の天井面の略中央または天井面から所定距離、例えば50cm以内となる天井面に近い壁面に配置する。
(温度センサ付きの警報器の構成)
図9は図8の警報システムA1に設けた温度センサ付きの警報器200−1の機能構成の概略を示したブロック図であり、温度センサとして機能する温度検出素子を備えた温度検出回路202を設けると共に、警報制御部102に温度検出回路202の検出信号に基づく警報制御機能を設けた点で相違し、この相違点を説明すると次のようになる。それ以外は、図5の警報器100−1の場合と同じになることから、同一符号を付して説明を省略する。
(自己の温度検出回路に基づく火災警報制御)
温度検出回路202は、温度測定チップ10の温度検出回路35の場合と同様、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、例えば固定抵抗にサーミスタを直列接続して所定の電源電圧を印加し、サーミスタの両端電圧を温度検出信号として出力し、この場合、温度検出回路202の出力は、温度上昇に伴うサーミスタの抵抗値の変化に対応して略直線的に低下する温度検出信号(電圧信号)となる。
警報制御部102は、自己の温度検出回路202からの検出信号に基づき所定周期毎に観測した温度観測結果が示す観測温度が所定の閾値温度Tth、例えばTth=75℃以上の場合に異状を検知し、報知部112から連動元を示す火災警報を出力する制御を行う。この場合の火災警報として例えば「ピーピー 火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
また、温度検出回路202からの検出信号に基づき所定周期毎に観測した温度観測結果が示す観測温度から異状を検知して報知部112から災警報を出力させる場合、これにあわせて第2通信プロトコルに従った異状連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ異状連動信号を送信させる制御を行い、当該異状連動信号を有効受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4で連動先を示す火災警報を出力させる。この場合の連動先を示す火災警報としては例えば「ピーピー 別の場所で火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点滅して行う。
警報制御部102は、自己の温度検出回路202からの検出信号に基づき所定周期毎に観測した温度観測結果が示す観測温度から異状を検知して連動元を示す火災警報を出力した後に、温度観測結果が示す観測温度が閾値温度Tth=75℃を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、異状の復旧(異状検知状態が解消したこと)を検知し、連動元を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させると共に、第2通信プロトコルに従った異状復旧連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該異状復旧連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、これを受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる。
(温度同期制御)
また警報制御部102は、同じ温度環境において、自己の温度検出回路202及び複数の温度測定チップ10−11〜10−14で観測した各観測温度のばらつきを抑制するように、温度同期制御を行う。
警報制御部102は、温度同期制御に用いるマスタ温度観測チップとして、警報器200−1が温度検出回路202を備えたことで温度測定チップとしての機能を持つことから、自分自身をマスタ温度測定チップに設定する。また別のマスタ温度測定チップの設定として、警報制御部102は、警報器200−1及び温度測定チップ10−11〜10−14で観測した観測温度の平均温度に対し誤差が最小となる警報器200−1又は温度測定チップをマスタ温度測定チップに設定する制御を行うようにしても良い。

また警報制御部102は、警報器100−1及び温度測定チップ10−11〜10−14を、監視領域に配置する前に、同じ温度環境に配置し、この状態で観測したマスタ温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として検知してメモリ等に初期登録する。
また警報制御部102は、警報器100−1及び温度測定チップ10−11〜10−14を監視領域に配置して監視動作を開始した場合、マスタ温度測定チップ以外の温度測定チップ10−11〜10−14で監視領域の観測温度を観測する毎に、各観測温度に、対応する温度補正値を加算し、同じ温度環境にマスタ温度測定チップ(警報器100−1)を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する。
それ以外の警報制御部102による温度同期制御は、図5の実施形態の場合と同様になることから、その説明を省略する。
[分布型火災監視システム]
(システム構成の概略)
図10は本発明による温度同期制御を行う分布型火災監視システムの概略構成を示した説明図である。図10は、n階立ての建物に設置した火災報知設備を例示しており、仕切りのない領域となる最上階のn階を監視領域Aとして本発明の分布型火災監視システムを配置し、それ以外の階は、通常の火災監視システムを配置している。1階に設置した受信機314からは各階に感知器回線(電源兼用信号線)316が引き出され、例えば1階及び2階に示すように、感知器回線316には公知の火災感知器318、例えばスポット型煙感知器を接続している。
最上階に設置した分布型火災監視システムは、監視領域Aの天井面又は天井面に近い位置に、複数の温度測定チップ10を分散配置し、また監視領域の所定位置に警報装置300を設置し、警報装置300は受信機314からの感知器回線316に接続している。なお、警報装置300は請求項の警報手段に対応する。
温度測定チップ10は、監視領域を仮想的に分割した複数の監視区画毎に配置し、監視区画の所定の観測値、例えば温度を観測する観測手段であり、また警報装置300は、複数の観測手段で観測した複数の監視区画の観測値に基づいて監視領域の火災を判断する監視手段である。
図11は監視領域Aにおける温度測定チップの配置を示した平面図である。図11において、監視領域Aは、点線で示すように、仮想的に例えば9区画の監視区画a11〜a33に分割し、監視区画a11〜a33の各々に温度測定チップ10−11〜10−33を配置している。
監視区画a11〜a33の大きさは、温度測定チップ10の感知面積の範囲内とする。温度測定チップ10の感知面積は、例えば、法的な設置基準により定めた定温スポット型火災感知器の特殊感度の感知面積の35m2に相当し、感知面積35m2以内となる適宜の大きさに監視区画a11〜a33を決めれば良い。温度測定チップ10の構造及び機能構成は、図3及び図4の場合と同様であることから、その説明を省略する。
温度測定チップ10−11〜10−33は警戒区画a11〜a33の観測点の温度を観測して温度観測結果が示す観測温度を含んだ温度観測信号を警報装置300へ送信する。警報装置300は温度測定チップ10−11〜10−33から受信した温度観測信号の観測温度に基づき火災を判断し、火災検知信号を受信機14へ送信して火災警報を出力させる。
警報装置300と温度測定チップ10−11〜10−33の間は所定の通信プロトコルに従った通信経路315となり、温度測定チップ10−11〜10−13はこの経路を介して警報装置300との間で、分布型火災監視システムに固有な警報グループ符号を含めた信号を送受信する。
本実施形態の分布型火災監視システムにあっては、温度測定チップ10を複数配置し、これを1台の警報装置300に割当てて管理している。このため警報装置300に割当てた複数の温度測定チップ10は、これらを管理する警報装置300の通信範囲に配置する。
(警報装置の機能構成)
図12は警報装置300の機能構成の概略を示したブロック図である。図12において、警報装置300は、警報制御部302、アンテナ306を接続した通信部304、伝送部308及び操作表示部310を備え、図示しない電源、例えば電池電源又は受信機314から感知器回線316を介して供給された電源により動作する。
警報制御部302は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路又はワイヤードロジック回路等を使用する。
通信部304は、警報制御部302の指示を受け、温度測定チップ10−11〜10−33との間で、図4に示した温度測定チップ10の通信部50の場合と同じ通信プロトコルに従って信号を送受信する。この信号は、送信元を示す送信元符号、グループ符号、観測温度などのデータを適宜含んだ形式とする。前述の温度観測信号はこの信号に該当する。グループ符号は分布型火災監視システムに固有な符号であり、このようなグループ符号を使用することで、通信可能範囲にある他の分布型火災監視システムとの間で温度観測信号が混信することを避けることができる。
伝送部308は図10に示す受信機314からの感知器回線316を接続し、警報制御部302の指示を受け、スイッチング動作により感知器回線316に発報電流を流すことで、火災検知信号を受信機314へ送信する。また警報制御部302で障害を検知して指示を受けた場合、感知器回線316を断線状態に開放する動作により、障害検知信号を受信機314へ送信する。このため警報装置300は受信機314から見ると中継器として機能する。
操作表示部310は、警報制御部302の指示に基づき、警報装置300に割当てた複数の温度測定チップ10を管理するために必要な各種の設定操作、例えばアドレス、通信チャネル、グループ符号等の設定操作や、設定操作に伴う表示等を行う。
警報制御部302は、CPUのプログラム実行などにより実現する機能であり、次の制御を行う。
(温度観測制御)
警報制御部302は、通信部304に指示し、所定周期毎に通信部304から温度測定チップ10−11〜10−33へ一括AD変換信号を送信させる制御を行い、これを受信した当温度測定チップ10−11〜10−33に温度観測動作を行わせる。続いて警報制御部302は、通信部304に指示し、温度測定チップ10−11〜10−33のアドレス、例えばそれぞれに割り当てられた識別子である送信元符号を指定したポーリング信号を通信部304から温度測定チップ10−11〜10−33へ送信させる制御を行い、当該ポーリング信号を受信した温度測定チップ10−11〜10−33から観測温度を含んだ温度観測信号を順次送信させる。
なお、警報装置300からの指示によらず、温度測定チップ10から自発的に、所定周期毎に温度を観測して温度観測結果が示す観測温度を含んだ温度観測信号を送信してくるようにした場合は、前述した一括AD変換信号とポーリング信号の送信により温度を観測する制御は不要となる。
(温度同期制御)
また警報制御部302は、同じ温度環境において、複数の温度測定チップ10−11〜10−33で観測した観測温度のばらつきを抑制するように、温度同期制御を行う。
警報制御部302は、温度測定チップ10−11〜10−33の中の何れか1つ、例えば監視領域Aの中央に配置した温度測定チップ10−22をマスタ温度測定チップに設定するか、或いは、温度測定チップ10−11〜10−33で観測した観測温度の平均温度に対し誤差が最小となる温度測定チップ10をマスタ温度測定チップに設定する制御を行う。
また警報制御部302は、温度測定チップ10−11〜10−33を、監視領域に配置する前に、同じ温度環境に配置し、この状態で観測したマスタ温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として検知してメモリ等に初期登録する。
また警報制御部302は、警報装置300及び温度測定チップ10−11〜10−33を監視領域Aに配置して監視動作を開始した場合、マスタ温度測定チップ以外の温度測定チップで監視領域の観測温度を観測する毎に、各観測温度に、対応する温度補正値を加算し、同じ温度環境にマスタ温度測定チップ(例えば温度測定チップ10−22)を仮想的に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する。
それ以外の警報制御部302による温度同期制御は、図5の実施形態の場合と同様になることから、その説明を省略する。
(火災監視制御)
警報制御部302は、温度測定チップ10−11〜10−33から受信した温度観測信号の観測温度が閾値温度Tth以上、例えばTth=75℃以上の場合に異状を検知し、伝送部308に指示し、火災検知信号を受信機314へ送信して火災警報を出力させる。異状の検知は、複数回に亘り観測した観測温度に基づき温度変化率を求め、この温度変化率(上昇率)が予め定めた変化率の閾値以上となった場合に検知するようにしても良い。その他、観測温度に基づき各種演算等により異状を検知するようにして良い。
[本発明の変形例]
(温度測定チップにおける観測温度の補正)
上記の実施形態にあっては、温度同期制御において、警報器又は警報装置側で各温度測定チップの観測温度を、対応する温度補正値を加算して補正しているが、警報器又は警報装置で検知して初期登録した温度補正値を、対応する温度測定チップへ送信して登録し、温度測定チップ側で観測温度に温度補正値を加算して補正し、補正した観測温度を含む温度観測信号を警報器又は警報装置へ送信するようにしても良い。
このように温度測定チップ側で温度同期制御における観測温度の補正を行う場合、補正した観測温度を所定の温度閾値と比較し、温度閾値以上の場合に温度異状を検知し、当該異状検知に基づき異状検知信号を警報器又は警報装置へ送信し、警報器又は警報装置は温度測定チップから異状検知信号を受信した場合に、火災等の異状を判断し、必要に応じて異状警報を出力するようにしても良い。
(マスタ温度測定チップの温度校正)
上記の実施形態において温度同期制御のためにマスタ温度測定チップとなる温度測定チップを設定した場合、マスタ温度測定チップに設定した温度測定チップについて温度校正を行うことで、他の温度測定チップを校正したと同じ効果が得られる。
即ち、温度測定チップに設定した温度測定チップについて、温度検出回路の検出信号と観測温度との関係が正確に対応するように校正を行っていると、校正したマスタ温度測定チップのマスタ観測温度に補正するための温度補正値が他の温度測定チップ毎に登録され、その後に、温度測定チップで観測した観測温度を、対応する温度補正値により補正することで、各観測温度は、校正したマスタ温度測定チップを同じ温度環境に配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正され、校正が済んだマスタ温度測定チップにより観測したと同じ校正済みの観測温度を観測することができる。
このため温度測定チップの温度校正は、複数の温度測定チップの中のマスタ温度測定チップについてのみ行うことで、実質的に、全ての温度測定チップを校正したと同じ観測温度が得られ、校正作業を簡略化できる。このようなマスタ温度測定チップの温度校正は、監視領域に設置する場合のみならず、警報システムの運用中における定期点検でも行うことで、定期点検における温度校正の作業を簡単且つ容易に行うことができる。
(通信プロトコル)
上記の実施形態にあっては、警報器と温度測定チップの間は第1通信プロトコルに従った無線通信、警報器の間は第2通信プロトコルに従った無線通信としているが、それぞれ同じ通信プロトコルとし、無線通信の周波数を別チャンネルとしても良い。このようにすれば警報器に第1通信部と第2通信部を設ける必要がなく、1つの通信部として構成を簡単にすることができる。
(警報器と温度測定チップの対応)
上記の実施形態にあっては、全ての警報器に温度測定チップを割当てて複数の警報システムを形成しているが、温度測定チップの割り当てのない警報器のみの警報システムを設け、他の警報器からの火災予報連動信号及び/又は火災連動信号を受信して、対応する警報の出力及び出力停止連動のみを行うようにしても良い。
(通信形態)
また、上記の実施形態に於いては各通信を無線とする場合を示したが、任意の一部又は全部を有線通信としても良い。
(住宅以外の用途)
上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の温度異状の監視にも適用できる。
(その他)
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10−11〜10−43:温度測定チップ
35,202:温度検出回路
36:温度検出素子
48:温度観測制御部
50,304:通信部
100−1〜100−4,200−1〜200−2:警報器
102,302:警報制御部
104:第1通信部
108:第2通信部
112:報知部
114:操作部
300:警報装置
308:伝送部
310:操作表示部

Claims (11)

  1. 所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
    前記複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて前記監視領域の異状を判断する警報手段と、
    を備えた警報システムに於いて、
    前記警報手段は、前記複数の温度観測手段の内の予め定めた1の温度観測手段を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、前記複数の温度観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境に前記マスタ温度観測手段を配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行
    前記警報手段による温度同期制御は、
    前記マスタ温度観測手段を含む複数の温度観測手段を、前記監視領域に配置する前に一箇所に集めて置いた状態で観測したマスタ観測温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として予め検知して登録し、
    前記複数の温度観測手段で監視領域の観測温度を観測する毎に、当該観測結果が示す観測温度を、当該観測温度に対応する前記温度補正値を加算して補正する、
    ことを特徴とする警報システム。
  2. 所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
    前記複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて前記監視領域の異状を判断する警報手段と、
    を備えた警報システムに於いて、
    前記警報手段は、前記複数の温度観測手段で観測した観測温度の平均温度に対し誤差が最小となる1の温度観測手段を、マスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、前記複数の温度観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境に前記マスタ温度観測手段を配置した場合観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行う、ことを特徴とする警報システム。
  3. 所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
    前記監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測して温度観測結果が示す温度に基づき異状を判断すると共に、前記複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて前記監視領域の異状を判断する警報手段と、
    を備えた警報システムに於いて、
    前記警報手段は、自己をマスタ観測温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、前記複数の温度観測手段で観測した各観測温度を、同じ温度環境に前記マスタ温度観測手段を配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行う、ことを特徴とする警報システム。
  4. 所定の監視領域に配置し、当該監視領域の温度を観測する複数の温度観測手段と、
    前記監視領域に配置し、前記監視領域の温度を観測して温度観測結果が示す温度に基づき異状を判断すると共に、前記複数の温度観測手段で観測した観測温度に基づいて前記監視領域の異状を判断する警報手段と、
    を備えた警報システムに於いて、
    前記警報手段は、前記複数の温度観測手段及び前記警報手段の各々で観測した観測温度の平均温度に対し誤差が最小となる1の温度観測手段又は前記警報手段を、マスタ温度を観測するマスタ温度観測手段に設定し、前記複数の温度観測手段及び前記警報手段により観測した各観測温度を、同じ温度環境に前記マスタ温度観測手段を配置した場合に観測できるマスタ観測温度と同じ観測温度に補正する温度同期制御を行う、ことを特徴とする警報システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の警報システムに於いて、前記マスタ温度観測手段の設定は、前記監視領域の発熱体又はその近傍に配置した温度観測手段を除くことを特徴とする警報システム。
  6. 請求項乃至4のいずれかに記載の警報システムに於いて、
    前記警報手段による温度同期制御は、
    前記マスタ温度観測手段を含む複数の温度観測手段を、同じ温度環境に配置して観測したマスタ観測温度に対する各観測温度の誤差を温度補正値として予め検知して登録し、
    前記複数の温度観測手段で監視領域の観測温度を観測する毎に、当該観測結果が示す観測温度を、当該観測温度に対応する前記温度補正値を加算して補正する、
    ことを特徴とする警報システム。
  7. 請求項6に記載の警報システムに於いて、前記警報手段による温度同期制御は、前記警報手段及び前記複数の温度観測手段を前記監視領域に配置する前に一箇所に集めて置いた状態で、前記温度補正値を検知して初期登録することを特徴とする警報システム。
  8. 請求項1又は6に記載の警報システムに於いて、前記警報手段による温度同期制御は、前記温度補正値を所定周期毎に検知して更新登録することを特徴とする警報システム。
  9. 請求項1又は7に記載の警報システムに於いて、前記警報手段による温度同期制御は、前記監視領域の発熱体又はその近傍に配置した温度観測手段を除く温度観測手段の温度補正値を、所定周期毎に検知して更新登録することを特徴とする警報システム。
  10. 請求項1乃至4のいずれかに記載の警報システムに於いて、前記警報手段は異状を判断した場合に異状警報を出力することを特徴とする警報システム。
  11. 請求項1乃至4のいずれかに記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、受信機から引き出された伝送路に接続し、異状を判断した場合に異状検知信号を前記受信機へ送信して異状警報を出力させることを特徴とする警報システム。
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