JP6097052B2 - 火災報知設備 - Google Patents
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Description
本発明は、警戒区域となる建物の階毎に感知器回線及び制御回線が引き出され、当該感知器回線から火災検知信号を受信した場合に火災警報を出力すると共に、当該火災検知信号を受信した階及びその直上階の制御回線に警報制御信号を送信する受信手段と、
警戒区画内に配置された感知区域となる部屋毎の所定箇所に設置され、感知器回線に接続された感知器ベースと、
感知器ベースに着脱自在に設けられると共に、当該感知器ベースを介して感知器回線に接続され、火災を検知した場合に火災検知信号を受信手段へ送信する火災感知手段と、
感知区域の所定局所に配置され、当該所定局所の火災に伴う変化を観測して当該観測結果を示す観測データを含む観測信号を無線送信する1又は複数の観測手段と、
感知器ベースと火災感知手段の間に一体に設けられ、制御回線に接続されると共に、当該感知器ベースを介して感知器回線に接続され、感知区域内に配置された観測手段から受信した観測信号の観測データが示す観測結果に基づき火災を検知した場合に、感知器回線を介して火災検知信号を受信手段へ送信し、制御回線を介して警報制御信号を受信した場合に火災警報を出力する警報手段と、
を設けたことを特徴とする。
感知器ベースは、感知区域の所定箇所に取り付け固定され、
警報手段は、感知器ベースに対し電気的且つ機械的に着脱自在に設けられ、
火災感知手段は、警報手段に対し電気的且つ機械的に着脱自在に設けられる。
火災感知手段、警報手段及び1又は複数の観測手段が配置された感知区域毎に所定の連動グループが構成され、警報手段は、自己の連動グループに属する観測手段が無線送信した観測信号を受信して火災を検知する。
警報手段は、感知器ベースを介して感知器回線及び制御回線に接続される。
観測手段は、所定局所の温度又は煙濃度を観測して観測結果が示す温度データ又は煙濃度データを含む観測信号を送信し、
警報手段は、観測手段から受信した観測信号の観測データが示す温度又は煙濃度に基づき火災を検知した場合に、火災検知信号を受信手段へ送信して火災警報を出力させる。
本発明の火災報知設備は、火災感知手段を配置した感知区域の所定局所に1又は複数の観測手段を配置し、当該観測手段により当該所定局所の火災に伴う変化を観測して当該観測結果を示す観測データを含む観測信号を、感知器ベースと火災感知手段の間に一体に設けた警報手段へ無線送信し、警報手段は、観測手段から受信した観測信号の観測データが示す観測結果に基づき火災を検知した場合に、火災検知信号を受信手段へ送信して火災警報を出力させるようにしたため、感知区域内の各種ストーブ、ガスコンロ等の火気を使用している機器やその設置場所、喫煙などで火気を使用する限られた場所、更にはくず入れ等、その他相対的に火源となる可能性の高い機器や場所或いはそれらの近傍等の所定局所に観測手段を配置することで、火災検知手段による感知区域全体の火災監視に加え、感知区域内の所定局所で発生した火災を迅速且つ確実に検知して警報し、管理者や担当者などに適切に対処させることができる。
また、所定局所に配置した観測手段から無線送信した観測信号を受信して火災を検知する警報手段を、感知器ベースと火災感知手段の間に一体に設けたため、警報手段を部屋の中心の天井という高い位置に簡単に設置して、所定局所に配置した観測手段の全てを見下ろすことのできる途中に障害物のない状態とすることができ、障害物などにより電波の届かないような観測手段の配置場所が大幅に減少し、警報手段の理想的な設置環境を簡単に確保することができる。
また、天井面に固定した感知器ベースに対し警報手段を電気的且つ機械的に着脱自在に設け、当該警報手段に対し感知器手段を電気的且つ機械的に着脱自在に設けたため、感知器ベースに対し受信手段からの感知器回線を接続するだけで、警報手段を受信機から見て警報機能付きの火災感知器として簡単に接続配置することができる。
また、火災感知手段、警報手段及び1又は複数の観測手段を配置した感知区域毎に所定の連動グループを構成し、警報手段は、自己の連動グループに属する観測手段が無線送信した観測信号を受信して火災を検知するため、自己の感知区域以外に配置している観測手段の観測信号との混信を確実に防止できる。
また、受信手段は、警報手段から火災検知信号を受信して火災警報を出力した場合に、制御回線を介して警報制御信号を警報手段へ送信して火災警報を出力させるため、受信手段での火災警報のみならず、警報手段を配置した火災感知器の感知区域の各々で火災警報を出力し、火災発生を確実に報知して初期消火や避難行動といった火災対処を迅速且つ適切に行うことを可能とする。
また、観測手段の観測信号に基づき火災を検知している警報手段は、受信手段から警報制御信号を受信した場合に連動元を示す火災警報を出力し、それ以外の警報手段は、警報制御信号を受信した場合に連動先を示す火災警報を出力するようにしたため、火災を検知した感知区域とそれ以外の感知区域で異なった警報内容とすることができ、火災の発生状況を適確に把握して、初期消火や避難行動といった火災対処を迅速且つ適切に行うことを可能とする。
またセンサ部として機能する観測手段は警報部を設けていないことに伴い小型化、低消費電力化が可能となり、例えば監視しようとする部屋などの感知区域に警報手段1台を設置し、これに対し複数の観測手段を準備して火災発生源となり得る機器や局所に配置してマルチスポット的に火災を検知して警報する火災報知設備を充分に低いコストで簡単且つ容易に実現できる。
(設備構成の概略)
図1は本発明による火災報知設備の概略構成を示している。本発明の火災報知設備は、防火対象物なる例えば建物1階の管理人室などに受信手段として機能する受信機10を設置し、受信機10から警戒区域となる各階に分けて感知器回線12及び地区音響制御回線(例えば地区ベル制御回線)14を引き出している。
図2は、感知器ベースと火災感知器の間に警報器を一体に設ける構造を、一部断面で示した組立分解図であり、図3に一体化した場合の外観を示している。
図4は観測チップの要部機能構成の概略を示したブロック図である。観測チップ22は、センサ部90、観測制御部92、アンテナ96を接続した通信部94を備え、図示しない電池電源による電源供給を受けて動作する。観測制御部92は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
図5は警報器20の要部概略構成を、感知器ベース及び火災感知器と共に示したブロック図である。
図5において、警報器20は、無極性化部74、定電圧回路部75、警報制御部76、アンテナ62を接続した通信部78、音響報知部80、発報回路部82、発報表示灯84、リレー接点88を備えたリレー駆動部86を備える。
警報制御部76は、通信部78に指示し、所定周期毎に通信部78から観測チップ22へ一括AD変換信号を送信させる制御を行い、これを受信した当該観測チップ22に観測動作を行わせる。続いて警報制御部76は、通信部78に指示し、観測チップ22のアドレス、例えば観測チップ22毎に割り当てられた識別子である送信元符号をそれぞれ指定したポーリング信号を通信部78から観測チップ22へ送信させる制御を行い、当該ポーリング信号を受信した観測チップ22から観測結果が示す温度データ又は煙濃度データを含んだ観測信号を順次送信させる。
警報制御部76は、観測チップ22から受信した観測信号の観測データが示す温度又は煙濃度が所定の閾値以上の場合に火災を検知し、発報回路部82に火災検知信号を出力する制御を行い、これにより発報回路部82がオンし、感知器回線12に発報電流を流すことで、受信機10へ火災検知信号を送信させる。警報制御部76における火災の検知は、複数回に亘り観測した温度又は煙濃度に基づき変化率を求め、この変化率(上昇率)が予め定めた変化率の閾値以上となった場合に検知するようにしても良い。その他、温度又は煙濃度に基づき各種演算等により火災を検知するようにしても良い。
警報制御部76は、受信機10へ火災検知信号を送信すると共に音響報知部80から連動元を示す火災警報を出力させた後に、観測チップ22から受信した観測信号の観測データが示す温度又は煙濃度が所定の閾値を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、火災の復旧(火災検知状態が解消したこと)を検知し、火災復旧制御を行う。
警報制御部76は、連動元又は連動先として火災警報音の出力中に、受信機10の地区音響停止操作に伴い、地区音響制御回線14に対する地区音響制御信号が停止し、リレー駆動部86が復旧してリレー接点を開き、これによる地区音響制御信号の停止を検知した場合、音響報知部80に指示し、火災警報音の出力を停止させる制御を行う。
図6は図1に設けた観測チップの実施形態となる温度観測チップの外観を示した説明図であり、図6(A)に平面を、図6(B)に内部構造の断面を、図6(C)に底面を示している。
図7は図1に設けた観測チップの他の実施形態となる煙観測チップの外観を示した説明図であり、図7(A)に平面を、図7(B)に内部構造の断面を、図7(C)に底面を示している。
(観測チップにおける火災検知)
上記の実施形態にあっては、警報器側で各観測チップの観測結果に基づいて火災を検知しているが、観測チップ側で観測結果から火災を検知し、火災検知信号を警報器へ送信して火災警報制御を行うようにしても良い。
また、上記の実施形態は、受信機から警戒区域に引き出した感知器回線単位に火災を検知して警報する所謂P型の火災報知設備を例にとるものであったが、受信機から引き出した伝送回線に、アドレスを割り当てた伝送機能付きの火災感知器を接続し、受信機から火災感知器のアドレスを順次指定したポーリングにより火災検知データを収集して火災を判断する所謂R型の火災報知設備、或いはP型のアドレッサプル火災報知設備についても、同様に、感知器ベースと火災感知器の間に警報器を一体化し、且つ火災感知器の感知区域内の所定局所に1又は複数の観測チップを配置するようにしても良い。
また、上記の実施形態は、受信手段として受信機を例にとるものであったが、受信手段には中継器も含まれる。この場合、集中監視用の受信機からの伝送路に複数のP型中継器を接続し、P型中継器から引き出された感知器回線に、感知器ベースと火災感知器の間に警報器を一体化して設け、警報器に対応して各感知区域内の所定局所に観測チップを配置する。
また、上記の実施形態にあっては、感知器ベースと火災感知器の間に一体化して設けた全ての警報器に観測チップを割当てているが、観測チップの割り当てのない警報器を設け、受信機からの地区音響制御信号を受信して、連動先を示す火災警報音の出力のみを行うようにしても良い。
また、上記の実施形態にあっては、警報器による火災警報音の出力を、受信機からの地区音響制御信号の受信に基づいて行っているが、ある警報器で火災を検知した場合に連動元を示す火災警報音を出力すると共に、他の警報器へ警報連動信号を無線送信する制御を行い、当該警報連動信号を受信した他の警報器で、連動先を示す火災警報音を出力するようにしても良い。この場合、警報器は警報連動信号を中継する機能を備え、火災を検知した警報器の通信可能範囲にない警報器であっても、その間に位置する警報器の中継送信により、警報連動信号を受信することができる。また、警報連動信号は、火災報知設備の全ての警報器で受信可能とするため、感知区域毎に設定したグループ符号に対し優先度の高い優先グループ符号を含む警報連動信号を送信し、受信側の警報器は、警報連動信号に含まれるグループ符号が自己のグループ符号に一致しなくとも、優先グループ符号により自己宛の信号と判断して連動警報制御を行う。
また、上記の実施形態に於いては警報器と観測チップと間の通信を無線とする場合を示したが、任意の一部又は全部を有線通信としても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
12:感知器回線
14:地区音響制御回線
16:感知器ベース
18:火災感知器
20:警報器
22:観測チップ
22−1:温度観測チップ
22−2:煙観測チップ
74:無極性化部
75:定電圧回路部
76:警報制御部
78,94:通信部
80:音響報知部
82:発報回路部
84:発報表示灯
90:センサ部
92:観測制御部
Claims (7)
- 警戒区域となる建物の階毎に感知器回線及び制御回線が引き出され、当該感知器回線から火災検知信号を受信した場合に火災警報を出力すると共に、当該火災検知信号を受信した階及びその直上階の前記制御回線に警報制御信号を送信する受信手段と、
前記警戒区画内に配置された感知区域となる部屋毎の所定箇所に設置され、前記感知器回線に接続された感知器ベースと、
前記感知器ベースに着脱自在に設けられると共に、当該感知器ベースを介して前記感知器回線に接続され、火災を検知した場合に前記火災検知信号を前記受信手段へ送信する火災感知手段と、
前記感知区域内の所定局所に配置され、当該所定局所の火災に伴う変化を観測して当該観測結果を示す観測データを含む観測信号を無線送信する1又は複数の観測手段と、
前記感知器ベースと火災感知手段の間に一体に設けられ、前記制御回線に接続されると共に、当該感知器ベースを介して前記感知器回線に接続され、前記感知区域内に配置された観測手段から受信した前記観測信号の観測データが示す観測結果に基づき火災を検知した場合に、前記感知器回線を介して前記火災検知信号を前記受信手段へ送信し、前記制御回線を介して前記警報制御信号を受信した場合に火災警報を出力する警報手段と、
を備えたことを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記感知器ベースは、前記感知区域の所定箇所に取り付け固定され、
前記警報手段は、前記感知器ベースに対し電気的且つ機械的に着脱自在に設けられ、
前記火災感知手段は、前記警報手段に対し電気的且つ機械的に着脱自在に設けられたことを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記火災感知手段、警報手段及び1又は複数の観測手段が配置された前記感知区域毎に所定の連動グループが構成され、
前記警報手段は、自己の連動グループに属する観測手段が無線送信した観測信号を受信して火災を検知することを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記感知器ベースは、前記感知器回線及び前記制御回線に接続され、
前記警報手段は、前記感知器ベースを介して前記感知器回線及び前記制御回線に接続されたことを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記観測手段の観測信号に基づき火災を検知している警報手段は、前記警報制御信号を受信した場合に連動元を示す火災警報を出力し、
それ以外の警報手段は、前記警報制御信号を受信した場合に連動先を示す火災警報を出力することを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記観測手段の観測信号に基づき火災を検知した警報手段は、火災を検知した場合に連動元を示す火災警報を出力し、
それ以外の警報手段は、前記警報制御信号を受信した場合に連動先を示す火災警報を出力することを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記観測手段は、前記所定局所の温度又は煙濃度を観測して観測結果が示す温度データ又は煙濃度データを含む観測信号を送信し、
前記警報手段は、前記観測手段から受信した前記観測信号の観測データが示す温度又は煙濃度に基づき火災を検知した場合に、火災検知信号を前記受信手段へ送信して火災警報を出力させることを特徴とする警報システム。
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