JP2023050645A - 火災報知設備 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、火災を検知して報知する火災報知設備に関するものである。
従来、煙感知器や炎感知器等の火災感知器で煙や赤外線等の火災現象を捉え、火災受信機で火災を報知する火災報知設備が用いられている。
一方、感染症の流行に対応するため、学校の教室や飲食店等において、常時窓を開けて空気を入れ換えるなどの対応を実施している。この手法は、冬季には室温や湿度の低下が感染リスクの増加につながる虞があり、必ずしも効果的であるとはいえない。そこで、一部の飲食店では呼吸により発生する二酸化炭素の濃度を測定し、一定値以上になった際に空気を入れ換えることが、行われている。しかし、二酸化炭素の濃度を測定する装置を設置しなければならなかった。なお、二酸化炭素濃度の上昇時における換気は、感染症が流行していなくても、室内の人間の健康を保つために有効である。また、他の有害なガスの濃度の上昇時における換気も有益である。
本発明による火災報知設備は、火災を検知する火災感知器と、火災感知器からの火災信号又は火災情報を感知線で受信して、火災警報を行う火災受信機を備えた火災報知設備であって、火災感知器に、ガスを検出するガス検出部と、ガス検出部によるガス検出情報を無線で送信する無線送信部と、を設け、無線送信部からのガス検出情報を無線で受信する無線中継器を設けたものである。
本発明では、火災感知器の内部で二酸化炭素等のガスを検出するため、二酸化炭素等のガスの検出器を設置する場所を室内に設ける必要がない。また、火災報知設備における通常の配線や火災受信機を基本的に変更することなく、二酸化炭素等のガスの検出を行うことができる。
図1に記載した、実施例1による火災報知設備は、複数の煙感知器1が渡り配線で接続した感知線2の端部が、火災警報を行う火災受信機3に接続する、通常の接続構造を有している。図1では、感知線2は1本で記載されているが、2本の導線である。また、図1には、煙感知器1からの無線を受信する無線中継器4、無線中継器4が繋がるインターネット5、インターネット5に繋がるサーバ6及び通信キャリア7、通信キャリア7に無線で繋がるスマートフォン8が記載されている。煙感知器1は火災感知器の一実施形態である。
実施例1に係る煙感知器1は、図2に示す構成を有している。煙感知器1には、制御部11、煙感知部12、ガス検出部13、記憶部14、感知線2を介して送受信する感知線送受信部15、無線により送受信する無線送受信部16、二次電池17、抵抗18が備えられている。無線送受信部16は、無線送信部の機能も有する。本発明の一実施形態として、ガス検出部13は、二酸化炭素濃度を検出する。また、二次電池17はコンデンサにより形成される。煙感知器1の各部は、感知線2から電力が供給されて作動する。制御部11には、煙感知部12、ガス検出部13、記憶部14、感知線送受信部15、無線送受信部16が接続している。制御部11、煙感知部12、記憶部14、感知線送受信部15、二次電池17は、感知線2から直接的に電力が供給される。ガス検出部13、無線送受信部16は二次電池17の電池電力が供給される。制御部11と記憶部14は、二次電池17からの電池電力も供給される。
感知線2に接続する複数の煙感知器1は、煙感知部12において感知線2から供給された電力により一定間隔でLEDを発光させ、煙の検知動作を行っている。そして、煙感知器1に設けられたコンデンサで形成される二次電池17は、抵抗18を介して感知線2に接続しており、充電が行われる。抵抗18は、感知線2に接続する全ての煙感知器1で二次電池17へ充電していても、感知線2の電圧低下がほとんど生じない大きな抵抗値を有している。
煙の検知は次のようにして行われる。煙感知部12では、LEDが間欠的に発光している。そして、煙があると、LEDによる光が煙により散乱して散乱光発生するため、散乱光を捉える。散乱光を捉えると、制御部11、感知線送受信部15から感知線2を介して火災受信機3に火災信号を送信する。このように、煙の検知は、従来と同様に行われる。
一方、二酸化炭素の検出は、以下のようにして行われる。図3に、ガス検出に関するフロー図を示す。ガス検出動作は、二次電池17の充電量がない状態から、抵抗18を介して十分に充電されるまでの時間間隔よりも長い間隔で周期的に行われる。制御部11が、ガス検出タイミングであると判定すると(ステップS1)、ガス検出部13によるガス検出で二酸化炭素濃度を検出して(ステップS2)、無線送受信部16から無線送信を行う。ガス検出動作を二次電池17の電池電力で行うことにより、他の煙感知器1を含めて、煙の検知動作や感知線2を介した検知情報の送信の際に、感知線2の電圧が下がらず、煙の検知等に影響を与えることがない。
ガス検出部13で検出された二酸化炭素濃度は、制御部11により無線送受信部16から送信される(ステップS3)。送信される無線信号であるガス検出情報には、二酸化炭素のガス濃度情報と共に送信する煙感知器1に固有なIDコードが含まれている。図1の室内Aにおける煙感知器1から送信された無線のガス検出情報は、室内Bの煙感知器1の無線送受信部16により受信され、室内Cの煙感知器1に転送される。室内Cの煙感知器1の無線送受信部16で無線転送されたガス検出情報は、無線中継器4で受信される(ステップS4)。このように、煙感知器1のガス検出情報は、他の煙感知器1で無線転送されて、小電力の近距離無線でも確実に無線中継器4へ送信される。無線中継器4で受信されたガス検出情報は、インターネット5を介してサーバ6へ送られる(ステップS5)。
サーバ6では、ガス検出情報におけるガス濃度情報の推移から、換気警告の判定を行う(ステップS6)。換気警告を行うと判定された場合には、換気警告情報をスマートフォン8へ送出する。サーバ6では、煙感知器1に固有なIDコードに対応する室内名が記憶されている。換気警告情報には換気警告を行う室内名(室内A)が含まれている。換気警告情報は、インターネット5を介して通信キャリア7へ送られる(ステップS7)。そして、無線でスマートフォン8に送られる(ステップS8)。スマートフォン8では、音声と表示により室内Aの換気警告を行う(ステップS9)。このスマートフォン8での換気警告が行えるのは、換気警告を行うスマートフォン8の識別情報がサーバ6に記憶されているからであり、ガス濃度情報が所定値以上の際に、複数のスマートフォン8で換気警告を行うことが可能である。
なお、室内の二酸化炭素濃度の上昇は、このようにスマートフォン8で確認できる仕様となっているが、二酸化炭素濃度の確認の仕方としては、以下の二通りの方法があり、どちらであってもよい。一つ目は、室内にいる人が、スマートフォン8を操作しサーバ6にアクセスして、二酸化炭素濃度を確認するという方法で、二つ目は、サーバ6側で二酸化炭素濃度がある一定値以上になったら、登録されているスマートフォン8に対して、二酸化炭素の上昇をお知らせするという方法である。
実施例1では、煙感知部12による火災検知の情報は、感知線2を介して火災受信機3へ送られる。また、ガス検出部13によるガス濃度情報は、無線で転送のうえ、無線中継器4からインターネット5を介してサーバ6に送られ、サーバ6で換気警告するかを判定する。そして、換気警告する場合には、インターネット5から通信キャリア7を介してスマートフォン8に換気警告情報を送り、スマートフォン8で換気警告を行う。
本実施例のように煙感知器等の火災感知器にガス検出部を設ける利点について言及しておく。火災感知器は、一般的には、室内の中央に設置されることが多い。そのため、室内全体を監視できる位置にある火災感知器にガス検出部を設けることで、別途、ガス検出部13を設ける場合に比べ、室内のガスのモニタリングという点では好ましい。なお、ガス検出部13の二酸化炭素情報をもとに、煙感知器が設置されている室内の有人・無人の監視を行うことで、防犯サービスに利用することもできる。また、有人の場合、つまり二酸化炭素情報が高いときには、火災受信機で火災判断を行う際、火災閾値を高めに変更して低感度にするようにしてもよい。この場合には、サーバ6のガス検知の濃度情報を、火災受信機3に送信するか、もしくは、火災受信機3が、火災信号を受信した際に、サーバ6にアクセスして、火災信号を送出した室内のガス検知情報を参照するように構成すればよい。
また、実施例のように火災情報については有線による通信を行い、ガス情報だけを無線送信で行うようにして、火災受信機3で二酸化炭素の検知情報の処理を行わないようにしているので、火災報知設備に何ら影響を与えることなく、既設の火災報知設備に後付けでガス検知機能を追加することが可能である。
一方、実施例2では、火災受信機3の出力もサーバ6へ送る。そして、二酸化炭素のガス濃度情報の推移から、誤報である可能性が高い場合をサーバ6で判定し、火災に関する情報が生成される。火災に関する情報である判定結果は、インターネット5と通信キャリア7を介してスマートフォン8に送り、火災に関する情報として報知させることができる。他の点は実施例1と同様である。
なお、小さい施設に設置された火災報知設備では、無線中継器4から直接的にスマートフォン8や報知装置(図示せず)に無線や有線で送信して、換気警告等を行ってもよい。この場合は、ガス検出情報をうけたスマートフォン8や報知装置で換気警告すべきか判断してもよい。また、煙感知器1で二酸化炭素が警告濃度以上になった場合にガス検出情報を発するようにして、スマートフォン8や報知装置で換気警告してもよい。
実施例1では、感知線2を大きな抵抗18を介して二次電池17に接続し、ガス検出等には二次電池17から供給される電池電力を用いて、感知線2の電圧低下が起きにくいようにした。実施例3では、二次電池17や抵抗18は用いない。実施例3では、個々の煙感知器1に設けた感知線計測部(図示せず)が感知線2の電圧を計測し、制御部11に送信する。そして、制御部11は、感知線2に接続する複数の煙感知器1の電力使用による周期的な電圧低下のタイミングを捉え、電圧が低下しないタイミングをガス検出と無線送信のタイミングとして実行する。他の点は実施例1と同様である。
<その他の実施形態>
上記の各実施例では、感知線2からの電力によりガス検出と無線送信をおこなう。しかしながら、ガス検出と無線送信用の電源配線を設けてもよい。また、個々の煙感知器に、ガス検出と無線送信用のバッテリーを設けてもよい。
上記の各実施例では、火災感知器である煙感知器1は、感知線2を介して火災受信機3に火災信号を送信する。しかし、R型の火災感知器のように、煙の濃度や捉えた熱量等の値のデータを火災情報として感知線を介して火災受信機に送り、火災受信機で火災の判定を行う火災報知設備に用いてもよい。
上記の各実施例では、ガス検出部13により二酸化炭素を検出するが、一酸化炭素等、他のガスを検出してもよい。また、ガスの濃度を検出して送信し、警告の判定をしても良いが、ガス検出部でガスが一定値以上の濃度であることを検出して送信し、警告を行っても良い。
上記の各実施例では、火災受信機3が煙感知器からの火災情報をもとに室内で火災が発生しているかを判断するようしているが、ガス検出部13の二酸化炭素情報を考慮した火災判断を行うようにしてもよい。
上記の各実施例では、感知線2からの電力によりガス検出と無線送信をおこなう。しかしながら、ガス検出と無線送信用の電源配線を設けてもよい。また、個々の煙感知器に、ガス検出と無線送信用のバッテリーを設けてもよい。
上記の各実施例では、火災感知器である煙感知器1は、感知線2を介して火災受信機3に火災信号を送信する。しかし、R型の火災感知器のように、煙の濃度や捉えた熱量等の値のデータを火災情報として感知線を介して火災受信機に送り、火災受信機で火災の判定を行う火災報知設備に用いてもよい。
上記の各実施例では、ガス検出部13により二酸化炭素を検出するが、一酸化炭素等、他のガスを検出してもよい。また、ガスの濃度を検出して送信し、警告の判定をしても良いが、ガス検出部でガスが一定値以上の濃度であることを検出して送信し、警告を行っても良い。
上記の各実施例では、火災受信機3が煙感知器からの火災情報をもとに室内で火災が発生しているかを判断するようしているが、ガス検出部13の二酸化炭素情報を考慮した火災判断を行うようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1 煙感知器、
11 制御部、
12 煙感知部、
13 ガス検出部、
14 記憶部、
15 感知線送受信部、
16 無線送受信部、
17 二次電池、
18 抵抗、
2 感知線、
3 火災受信機、
4 無線中継器、
5 インターネット、
6 サーバ、
7 通信キャリア、
8 スマートフォン
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7 通信キャリア、
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Claims (6)
- 火災を検知する火災感知器と、火災感知器からの火災信号又は火災情報を感知線で受信して、火災警報を行う火災受信機を備えた火災報知設備において、
前記火災感知器に、ガスを検出するガス検出部と、前記ガス検出部によるガス検出情報を無線で送信する無線送信部と、を設け、
前記無線送信部からのガス検出情報を無線で受信する無線中継器を設けたことを特徴とする火災報知設備。 - 前記感知線を介して送信された前記火災信号又は前記火災情報と、前記無線中継器を介して送信されたガス検出情報から、火災に関する情報を生成することを特徴とする請求項1に記載された火災報知設備。
- 前記ガスは、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1または2に記載された火災報知設備。
- 前記無線送信部は、前記火災感知器に固有なIDコードを送信する請求項1乃至3のいずれか一項に記載された火災報知設備。
- 前記ガス検出情報は、前記ガスの濃度を示すガス濃度情報であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載された火災報知設備。
- 前記感知線により前記火災感知器に電力を供給し、
前記電力から充電した二次電池の電池電力により、前記ガス検出部による前記ガスの検出と、前記無線送信部による前記ガス検出情報の無線送信が行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載された火災報知設備。
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- 2021-09-30 JP JP2021160855A patent/JP2023050645A/ja active Pending
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