JP2014127080A - 警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】観測結果が示す温度に基づき監視領域の局所的な火災等の異状と全体的な火災等の異状を迅速且つ確実に判断して警報可能とする。
【解決手段】センサ付きの警報器100−1を所定の監視領域Aに配置すると共に、同じ監視領域A内に観測チップ10−11、10−12を設置する。警報器100−1は監視領域A全体の観測結果が示す自己の観測値から異状を検知した場合は火災警報を出力する。また警報器100−1は、観測チップ10−11、10−12による監視領域Aの所定局所A1,A2の観測値を示すデータを含んだ観測信号を受信して、その観測値から異状を検知した場合は、自己の観測値については感度をアップして火災を検知し、観測チップ10−11,10−12から受信した観測値については感度をダウンして火災を検知する。
【選択図】図2

Description

本発明は、監視領域全体を監視する警報器と監視領域を局所的に監視する温度観測チップとの組み合わせにより火災等の異状を判断して警報する警報システムに関する。
従来、住宅等における火災等の異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
例えばこのような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検知するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の火災現象検出信号に基づき火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる連動型の住警器も実用化され、普及している。
特開2007−094719号公報 実用新案登録第3143139号公報 特開2009−140236号公報
火災が発生する場所の多くは各種ストーブ、ガスコンロ等の熱源や火気を使用している場所、喫煙などで火気を使用する場所、くず入れ等であり、放火の場合にはゴミの集積場所や物置等である。このような場所で発生する火災を早期に発見するためには、これらの場所又はその近傍に住警器を設置すればよいが、現在の住警器やその他の火災警報器は、例えば所定の監視領域全体を見渡せる天井面や壁面上部に設置しており、この監視領域の中の更に局所に場所を絞りスポット的に火災を監視するようにはなっていない。
これを解決するために住警器を局所毎に配置することは、住警器の設置台数が増加することになり合理的でない。
局所についてスポット的に火災を監視する別の方法としては、例えば監視対象機器や監視対象場所或いはその近傍に温度センサを設置し、火災に伴う温度上昇を検出し、これに基づき火災を検知して火災検知信号を出力するようにすれば良い。しかし、火災を検知して警報するためには、温度センサを用いたセンサ部以外に音響警報や表示を行う警報部が必要であり、そうすると従来の住警器と同等のものを各種ストーブや、くず入れといった場所に直接(近接)配置して火災を監視することになり、コストも高くなり、実用上望ましくない。
また、住警器は煙や熱気流の対流を考慮して火災を検知し易い場所、例えば天井面や壁面上部に取り付けるようにしている一方でセンサ部と警報部、更には各種操作部が一体となっていることから、例えば高所に設置されている場合は操作部に手が届かず操作し難い等、センサ部の設置に適した場所が必ずしも警報部や操作部の設置に適した場所と一致しないという問題点もあった。
この問題を解決するため、本願出願人にあっては、温度又は煙濃度を観測して火災を検知して警報するセンサ付きの警報器と、これに割り当てた1又は複数の温度又は煙濃度を観測する観測チップを備え、警報器を所定の監視領域に配置して監視領域全体の観測結果が示す温度又は煙濃度に基づいて火災を検知した場合に火災警報を出力し、一方、監視領域内の所定局所に観測チップを配置し、観測チップによる観測点の観測結果である温度又は煙濃度を示すデータを含んだ観測信号を警報器へ送信し、警報器は観測チップから受信した観測信号の観測値となる温度又は煙濃度に基づき火災を検知した場合に火災警報を出力する警報システムを提案している。
このような警報システムによれば、所定局所に配置した観測チップから離れた場所で火災が発生しても、監視領域を全体的に監視している警報器により火災を迅速且つ確実に検知し、観測チップによる火災監視では逃してしまうような火災であっても、早期に火災またはその兆候を検知して警報することができる。
また監視領域全体の異状を監視している警報器は、警報器自身でカバーしている監視領域を、警報領域内の所定局所に配置した1又は複数の観測チップのスポット的な火災監視によりカバーすることで詳細に監視でき、早期に火災発生またはその兆候を検知して、火災の監視性能を向上することができる。
しかしながら、観測チップとセンサ付き警報器で構成された警報システムにあっては、観測チップを配置する監視領域の所定局所としては、例えば各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器、その設置場所、或いはそれらの近傍等に設置することで、スポット的に観測した観測結果である例えば温度を示すデータを含んだ観測信号を警報器に送って火災を検知しているが、熱源使用機器にあっては、日常的な使用におおける一時的な温度上昇で火災が検知され、非火災報を出す恐れがある。
この問題を解決するためには、観測チップから受信した観測値に基づき火災を検知するための感度を下げることで、非火災報を抑制することができる。しかし、非火災報を抑制するために火災の検知感度を下げると、観測チップで監視している所定局所の火災を迅速に検知して警報することができないという課題が残る。
本発明は、警報器により監視領域全体の異状を監視すると共に観測チップにより監視領域内の所定局所の異状を監視する場合に、観測チップによる所定局所の火災監視における異状を、警報器による全体監視との連携により、迅速且つ確実に検知して警報可能とする警報システムを提供することを目的とする。
(警報システム)
本発明は、警報システムに於いて、
所定の監視領域に配置し、当該監視領域全体の所定の観測値を観測した観測結果が示す自己の観測値、及び又は、外部から受信した観測信号の観測結果を示すデータに基づいて異状を検知した場合に、異状警報を出力する警報手段と、
所定の監視領域内の所定局所に設置し、当該所定局所の観測値を観測した観測値を示すデータを含んだ観測信号を送信する観測手段と、
を備え、
警報手段は、
自己の観測値の異状を検知する所定の第1初期感度および観測手段から受信した観測値の異状を検知する所定の第2初期感度を設定し、
第1初期感度に基づき自己の観測値の異状を検知した場合は、異状警報を出力し、
第2初期感度に基づき観測手段から受信した観測値の異状を検知した場合は、第1初期感度をそれより高い感度である所定の高感度に変更すると共に、第2初期感度をそれより低い感度である所定の低感度に変更し、
前記所定の高感度に変更された状態で自己の観測値の異状を検知した場合、または前記所定の低感度に変更された状態で前記観測手段から受信した前記観測値の異状を検知した場合に、異状警報を出力する、
ことを特徴とする。
(閾値の復旧)
警報手段は、第1初期感度を前記所定の高感度に変更すると共に第2初期感度を前記所定の低感度に変更してから、自己の観測値及び前記観測手段から受信した観測値の何れからも異状を検知せずに所定時間を経過した場合は、前記所定の高感度を前記第1初期感度に戻すと共に前記所定の低感度を前記第2初期感度に戻す。
(温度と煙濃度)
観測手段は、所定局所の温度又は煙濃度を観測して生成した観測値である温度又は煙濃度を示すデータ含んだ観測信号を送信し、
警報手段は、監視領域全体の所定の温度又は煙濃度を観測して観測結果が示す自己の温度又は煙濃度、及び又は、観測手段から受信した観測信号の観測値である温度又は煙濃度を示すデータに基づいて異状を検知した場合に、異状警報を出力する。
(警報システムの連動)
警報手段は、異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に他の警報システムの警報手段へ異状連動信号を送信して連動先を示す異状警報を出力させ、一方、他の警報システムの警報手段から異状連動信号を受信した場合に、連動先を示す異状警報を出力する。
(基本的な効果)
本発明によれば、所定の監視領域全体の異状例えば火災を監視する警報手段は、所定の第1初期感度で自己の観測値に基づき火災を検知した場合は、火災警報を出力し、一方、所定の第2初期感度で監視領域内の所定局所の火災をスポット的に監視している観測手段から受信した観測値に基づき火災を検知した場合は、この段階では火災警報は行わず、自己の観測値に基づき火災を検知する第1初期感度を、所定の高感度に変更し、真の局所火災であれば、変更した高感度により警報手段においても局所火災による観測値の変化から火災を検知することが可能となり、迅速且つ確実に局所火災を検知して警報することができる。これは、観測手段の観測値が上がって火災判断閾値を超えてもそれだけでは火災とせず、しかし火災の可能性はあるので警報手段の感度を上げ(火災判断閾値を下げ)、それで警報手段の観測値が火災判断閾値を超えたら、火災とする。
一方、警報手段は、観測手段から受信した観測値に基づき火災を検知する第2初期感度を、所定の低感度に変更し、火災以外の原因による所定局所での観測値の変化、例えば温度又は煙濃度の一時的な変化であれば、低感度では火災が検知されず、非火災報(誤報)を確実に防止することができる。また、真の火災であれば、低感度に変更したとしても、いれず火災は検知されるので、確実に局所火災を検知して警報することができる。これは、観測手段の観測値が上がって火災判断閾値を越えてもそれだけでは火災とせず、しかし火災の可能性はあるので、観測手段の感度を下げ(火災判断閾値を上げ)、それで観測手段の観測値が火災判断閾値を超えたら、火災とする。
(警報システムの連動による効果)
また1台の警報手段とこれに割当てられた1又は複数の観測手段により1つの警報システムを形成し、この警報システムを複数設けて例えば各部屋に配置することを可能としたため、ある部屋の警報システムで異状を検知して警報した場合に、異状連動信号を他の部屋の警報システムへ送信して警報報知させることができ、複数の警報システムの間のマルチ通信ネットワークを柔軟且つ適切に構築し、戸建住宅、集合住宅、学校、病院、オフィスビルなどの監視領域に対応してマルチスポット的にきめ細かく異状を検知して、早期に警報することができる。
本発明による警報システムの概略構成を示した説明図 本発明による警報システムの設置例を示した説明図 観測チップの概略構成を示したブロック図 警報器の概略構成を示したブロック図 監視領域の全体監視の対象となる火災が発生した場合を示した説明図 局所的な火災が発生した場合を示した説明図 局所的な火災が発生した場合の警報器と観測チップの観測温度と火災検知を示したタイムチャート 局所的な温度上昇が発生した場合の警報器と観測チップの観測温度と火災検知を示したタイムチャート 警報器の警報制御部による制御を示したフローチャート 温度観測チップの外観及び構造を示した説明図 煙観測チップの外観及び構造を示した説明図
[警報システムの構成]
(システム構成の概略)
図1は本発明による警報システムの概略構成を示した説明図である。本発明の警報システムは、少なくとも1台のセンサ付きの警報器と複数の観測チップで構成する。
警報器100(100−1〜100−4)はセンサ部18を備え、センサ部18により所定の監視領域全体の観測値として例えば温度又は煙濃度を観測して、観測結果が示す温度又は煙濃度に応じた観測値に基づいて異状を検知した場合に異状警報を出力すると共に、観測チップ10(10−11〜10−44)の何れかから受信した観測信号の観測値を示すデータに基づき異状を検知した場合に異状警報を出力する警報手段であり、観測チップ10は、警報手段の監視領域内の所定局所に少なくとも1台を設置し、当該所定局所の観測値を観測して観測値を示すデータを含んだ観測信号を送信する観測手段である。
更に、警報手段として機能する警報器100は、センサ部18で観測した自己の観測値の異状を検知する所定の第1初期感度(「感度1A」とする)および観測チップ10から受信した観測値の異状を検知する所定の第2初期感度(「感度2A」とする)を設定しており、次の感度変更制御を行う。
(1) 第1初期感度に基づき自己の観測値の異状を検知した場合は、異状警報を出力し、
(2) 第2初期感度に基づき観測チップ10から受信した観測値の異状を検知した場合は、自己観測値の異状を検知する第1初期感度を、これより感度の高い所定の高感度(「感度1B」とする)に変更すると共に、観測チップ10から受信した観測値の異状を検知する第2初期感度を、これより感度の低い所定の低感度(「感度2B」とする)に変更し、
(3) 高感度(感度1B)で自己の観測値に基づき異状を検知した場合、または低感度(感度2B)で観測チップ10から受信した観測値に基づき異状を検知した場合に、異状警報を出力する。
観測値が大きいほど温度又は煙濃度が高くなる場合に、この(1)〜(3)に示した感度変更制御を観測値の異状を検知する閾値thで表すと、次の(1a)〜(3a)のようになる。ここで、第1初期感度(感度1A)に対応した閾値をth(1A)、第2初期感度(感度2A)に対応した閾値をth(2A)とし、第1初期感度から変更した高感度(感度1B)に対応した閾値をth(1B)とし、第2初期感度から変更した低感度(感度2B)に対応した閾値をth(2B)とすると、これらの間には、
th(1A)>th(1B)
th(2B)>th(2A)
の関係がある。
即ち、警報手段として機能する警報器100は、センサ部18で観測した自己の観測値の異状を検知するための閾値th(1A)および観測チップ10から受信した観測値の異状を検知するための閾値th(2A)を設定しており、
(1a) 閾値th(1A)に基づき自己の観測値の異状を検知した場合は、異状警報を出力し、
(2a) 閾値th(2A)に基づき観測チップ10から受信した観測値の異状を検知した場合は、自己観測値の異状を検知するための閾値th(1A)を、それより低い閾値th(1B)に変更して感度アップして所定の高感度状態とすると共に、観測チップ10から受信した観測値の異状を検知するための閾値th(2A)を、それより高い所定の閾値th(2B)に変更して感度ダウンし、所定の低感度状態とする。
(3a) 閾値th(1B)に基づき自己の観測値の異状を検知した場合、または閾値th(2B)に基づき観測チップ10から受信した観測値の異状を検知した場合に、異状警報を出力する。
ここで、感度アップとは前よりも高感度に変更することを意味し、感度ダウンとは前よりも低感度に変更することを意味する。
なお、以下の説明は、警報器100が異状警報として火災警報を出力し、また、警報器100及び観測チップ10が観測値として温度又は煙濃度を観測する場合を例にとって説明する。
(警報器と観測チップの配置)
図1において、住戸における台所、居間、子供部屋、主寝室などの各部屋に分けて、センサ付きの警報器100−1〜100−4を設置し、警報器100−1〜100−4のそれぞれに対応して、観測チップ10−11〜10−44を配置し、警報システム1a〜1dを構成する。
即ち、警報システム1aは警報器100−1と観測チップ10−11〜10−14で構成し、警報システム1bは警報器100−2と観測チップ10−21〜10−24で構成し、警報システム1cは警報器100−3と観測チップ10−31〜10−34で構成し、更に警報システム1dは警報器100−4と観測チップ10−41〜10−44で構成する。
警報システム1aを例にとると、観測チップ10−11〜10−14はそれぞれ所定局所の観測値として温度又は煙濃度を観測し、当該観測結果である観測値を示すデータを含んだ観測信号を警報器100−1へ送信する。
警報器100−1は、センサ部18により監視領域全体の観測値として温度又は煙濃度を観測し、当該観測結果が示す観測値に基づき異状を検知した場合に火災警報を出力すると共に、観測チップ10−11〜10−14の何れかから受信した観測信号の温度に基づき異状を検知した場合にも火災警報を出力する。
警報装置100−1と観測チップ10−11〜10−14の間は所定の第1通信プロトコルに従った通信経路11となり、観測チップ10−11〜10−14はこの経路を介して警報器100−1へ、警報システム1aに固有な警報グループ符号を含めた信号を送信する。他の警報システム1b〜1dについても同様である。
また図1の例にあっては、警報システム1a〜1dに設けた警報器100−1〜100−4の間で相互通信可能として連動グループを形成し、全体として連動システムとなっている。警報装置100−1〜100−4の間は所定の第2通信プロトコルに従った通信経路12となり、所定の連動グループ符号を含めた信号を送受信することで、複数の警報システムで構成される連動グループ内での通信を可能とする。
例えば警報装置100−1が自己の警報システム1aに属する観測チップ10−11〜10−14の何れかが送信した観測信号の観測値に基づいて異状を検知して連動元を示す火災警報を出力した場合、他の警報システム1b〜1dの警報器100−2〜100−4へ火災連動信号を送信して、これを受信した警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報を出力させる。このように本発明は、1台の警報器100で1又は複数の観測チップ10を管理する警報システムを少なくとも1つ含む、複数の警報システムを連動させる。
なお、以下、警報器100−1〜100−4及び観測チップ10−11〜10−44をそれぞれ区別しない場合は警報器100及び観測チップ10という。
ここで、警報器100で複数の観測チップ10を管理するとは、警報システムに設けた1台の警報器100に複数の観測チップ10を割り当て、この割り当てた複数の観測チップ10の何れかが送信した観測信号を警報器100で受信し、当該観測信号の観測値に基づき火災を検知した場合に火災警報を出力することをいう。
また複数の警報システムを連動させるとは、1の警報システムの警報器100が、当該警報器100の管理する複数の観測チップ10の何れかが送信した観測信号を受信し、当該観測信号の観測値に基づいて異状を検知し、連動元を示す火災警報を出力した場合に、火災警報を出力すると共に火災連動信号を生成し、当該火災連動信号を他の警報システムの警報器へ送信して連動先を示す火災警報を出力させ、一方、他の警報システムの警報器の何れかが送信した火災連動信号を受信した場合に、連動先を示す火災警報を出力することをいう。
また以下の説明は警報器100−1〜100−4が連動グループを形成した場合の連動システムを例にとるが、連動グループはこのうち一部の警報システムで形成しても良いし、連動グループを形成せず警報システム1a〜1dをそれぞれ独立したシステムとして使用するようにしても良い。
またセンサ付きの警報器100−1〜100−4及び観測チップ10−11〜10−44が観測する観測点の観測値は、温度検出素子(後述)又は検煙部(後述)の検出信号に基づいて観測した温度又は煙濃度を示す指標である温度情報又は煙濃度情報であり、これを「温度」または「観測結果が示す温度」或いは、「煙濃度」または「観測結果が示す煙濃度」という。
図1に示すシステムは、このような警報器100とこれに割当てて管理している観測チップ10を組み合わせた警報システムを4つ設けている。
(警報器の配置)
警報システムに設けたセンサ付きの警報器100は、所定の監視領域に配置し、監視領域全体の温度又は煙濃度などの観測値を観測して観測結果が示す観測値から火災を検知した場合に火災警報を出力する。
このため警報器100は、監視領域で火災が発生した場合に想定される熱気流を効率良く受けることのできる位置に配置する。例えば住戸の1つの部屋を監視領域として警報器100を設置する場合、監視領域となる部屋の天井面の略中央または天井面から所定距離、例えば50cm以内となる天井面に近い壁面に配置する。
本説明では、このようにして設置した警報器100が監視する領域を、その警報器100の監視領域といい、図2は住戸14内の或る部屋全体を監視領域とした場合を示している。
(観測チップの配置)
本実施形態の各警報システムにあっては、それぞれの監視領域内に観測チップ10を1又は複数配置し、これを1台のセンサ付きの警報器100に割当てて管理している。このため警報器100に割当てた1又は複数の観測チップ10は、これらを管理する警報器100の監視領域内で且つ警報器100の通信範囲に入る所定局所に配置し、所定の検知エリア内の温度を観測する。警報装置100の通信範囲とは、警報装置100に割当てて管理している観測チップ10から送信した信号が、警報装置100で有効受信できる通信距離に入る範囲をいう。1台の観測チップ10の検知エリアは、これが割当てられている(これと通信する)1台の警報器100の監視領域よりも狭い。
観測チップ10は住戸における例えば火気使用機器の内部や外表面、発熱源となる機器内部や外表面、容器の中や外表面、それらの近傍、といった所定局所に配置する。住戸における所定局所としては、例えば台所のガスコンロの周辺、台所、居間及び子供部屋に設置しているストーブやくず入れ、寝タバコをする主寝室のベッド、居間に設置しているテレビ等がある。
(全体監視と局所監視)
図2は本発明による警報システムの住戸の部屋に対する設置例を示した説明図である。図2において、住戸14の部屋には、例えば図1の警報システム1aに対応したセンサ付きの警報器100−1と、そのうちの2台の観測チップ10−11,10−12を設置した場合を示している。
なお、他の部屋には警報システム1b〜1dに対応して警報器100−2〜100−4及び観測チップ10−21〜10−44を設置するが、図示を省略している。また、各警報システム1a〜1dに設置する観測チップ10の数は任意である。
警報器100−1は、天井面から所定距離、例えば50cm以内となる天井面に近い壁面上部に設置する。警報器100−1は部屋全体を監視領域Aとしており、監視領域Aで発生した火災による熱気流を効率良く受ける位置、例えば部屋の略中央の天井近くに設置することで、監視領域A全体を監視する。
観測チップ10−11は監視領域A内の所定局所として例えばごみ入れ15の中に配置し、ごみ入れ15及びその周辺を含む点線で示す局所領域A1の異状を監視している。また観測チップ10−12は所定局所として例えば暖房機器16の裏側などに配置し、暖房機器16及びその周辺を含む点線で示す局所領域A2の異状を監視している。
[観測チップの機能構成]
図3は観測チップ10−11の機能構成の概略を示したブロック図である。また図3では、警報システム1aの観測チップ10−11について示しているが、他の観測チップ10−12〜10−44の構成も同様となる。
図3において、観測チップ10−11は、センサ部20、観測制御部22、アンテナ26を接続した通信部24を備え、図示しない電池による電源供給を受けて動作する。
センサ部20は温度検出部または検煙部である。センサ部20として温度検出部を設けた場合、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を観測制御部22へ出力する。またセンサ部20として検煙部を設けた場合、公知の散乱光式検煙構造をもち、観測制御部22の指示により、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を観測制御部22へ出力する。
観測制御部22は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしては、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
通信部24は警報器100−1との間で所定の第1通信プロトコルに従って信号を送受信する。第1通信プロトコルとしては、例えばRFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)に割当てられた900MHzの周波数、即ち915〜930MHzを使用したセンサネットワーク用の近距離通信プロトコル等を使用する。この信号は、送信元を示す識別子である送信元符号、警報グループ符号(警報システム識別符号)、制御コマンドや温度データ等を含んだ形式とする。また送信元符号としては、例えばシリアル番号を利用する。
観測制御部22は、警報器100−1からの指示に基づいて観測点の温度又は煙濃度を観測し、この観測結果である観測値を示すデータを含む観測信号を警報器100−1へ送信する。即ち、観測制御部22は、通信部24を介し警報器100−1から所定周期毎に送信される一括AD変換信号の有効受信を検知した場合に、センサ部20からの検出信号に基づき温度又は煙濃度を観測し、続いて送信されてくる自分のアドレス(例えば自分の送信元符号)を指定したポーリング信号を有効受信した場合に、観測結果である観測値を示すデータを含んだ観測信号を通信部24から警報器100−1へ送信させる制御を行う。
このように警報器100−1からの指示で温度又は煙濃度の観測値を観測して送信することで、複数の観測チップ10から送信する観測信号の衝突(伝送障害)を回避できる。また複数の観測チップ10における観測のタイミングを一致させることもできる。
なお、観測制御部22は、警報器100−1からの指示によらず、自発的に所定周期毎に温度又は煙濃度の観測値を観測して観測結果が示す観測値を含んだ観測信号を送信するようにしても良い。この場合には、他の観測チップからの観測信号の送信と重複しないように、キャリアセンスを行い、キャリアのないタイミングで送信する。
[警報器の機能構成]
図4はセンサ付きの警報器100の概略構成を示したブロック図である。また図4では、警報システム1aの警報器100−1について示しているが、他の警報システム1b〜1dの警報器100−2〜100−4の構成も同様となる。
(警報器の機能構成)
図4において、警報器100−1は、警報制御部102、アンテナ106を接続した第1通信部104、アンテナ110を接続した第2通信部108、センサ部112、報知部114、操作部116を備え、図示しない電源、例えば電池電源により動作する。
警報制御部102は、例えばプログラムの実行により実現する機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
第1通信部104は、警報制御部102の指示を受け、観測チップ10−11〜10−14との間で第1通信プロトコルに従って信号を送受信する。この信号は、観測チップ10の通信部22の場合と同様に、送信元を示す送信元符号、警報グループ符号、温度データ等の観測結果を含む形式とする。前述の観測信号はこの信号に該当する。警報グループ符号は警報システム(この場合1a)に固有な符号であり、このような警報グループ符号を使用することで、隣接する他の警報システム1b〜1dとの間で観測信号等の通信電文が混信することを避けることができる。
第2通信部108は、警報制御部102の指示を受け、他の警報システムの警報器100−2〜100−4との間で所定の第2通信プロトコルに従って連動信号を送受信する。連動信号は、各警報器10に固有な識別子として割り当てられ、信号を送信する際に送信元を示す符号としても使用される送信元符号、自己が属する連動グループを示す連動グループ符号(連動グループ識別符号)、異状などの事象を示す事象符号を含む形式とする。
警報器100−1は警報器100−2〜100−4との間で第2無線通信プロトコルに従って連動信号を送受信する連動グループを形成し、連動グループ符号はこのグループ固有の符号とする。このような連動グループ符号を使用することで、隣接する他のグループとの間で連動信号が混信することを避けることができる。
第2通信プロトコルによる送受信は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。
センサ部112は、温度検出部または検煙部である。センサ部112として温度検出部を設けた場合、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を警報制御部102へ出力する。またセンサ部112として検煙部を設けた場合、公知の散乱光式検煙構造をもち、警報制御部102の指示により、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を警報制御部102へ出力する。
報知部114は、例えばスピーカ、LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じ警報制御部102の指示によりスピーカから警報音を出力すると共にLEDにより警報表示を行う。操作部116は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチなどの各種スイッチを備える。
警報制御部102は、CPUのプログラム実行などにより実現する機能であり、火災警報制御を行う。警報制御部102の火災警報制御は、自己の観測結果が示す観測値から火災を検知して警報する制御と、観測チップ10から送信した観測信号の観測値に基づいて火災を検知して警報する制御があり、次のようになる。
以下の説明は、警報器10のセンサ部112及び観測チップ10により観測する観測値として温度を観測する場合を例にとる。
(初期感度閾値の設定)
警報器100は、センサ部18で観測した自己の観測値の異状を検知する所定の第1閾値Tth(1A)と、観測チップ10から受信した観測値の異状を検知する所定の第2閾値Tth(2A)を予め設定登録することで、それぞれの検知につき初期感度(第1初期感度,第2初期感度)を設定している。観測値(或いは観測データ)が温度を示す電圧値等の指標である場合には、各閾値もこの指標に準じた値とする。即ち、以下に例示する50℃、65℃、70℃、90℃といった各温度に対応する電圧値(観測値)を各閾値とすることができる。以下では観測値、閾値共に温度そのものとして説明する。
センサ部18で観測した自己の観測温度の異常を検知する第1閾値Tth(1A)としては例えば例えばTth(1A)=70℃を設定し、また観測チップ10から受信した観測値の異状を検知する所定の第2閾値Tth(2A)としては例えばTth(2A)=70℃を設定する。なお、本実施形態では第1閾値Tth(1A)と第2閾値Tth(2A)を同じ値に設定しているが、例えば観測チップ10で観測した観測温度の異状を検知する第2閾値Tth(2A)をTth(2A)=65℃というように、第1閾値Tth(1A)とは異なる値に設定することができる。
(自己の温度観測による警報制御)
警報制御部102は、自己のセンサ部112からの検出信号に基づき所定周期毎に観測した温度観測結果が示す温度が所定の第1閾値Tth(1A)、例えばTth(1A)=70℃以上の場合に火災を検知し、報知部114に指示し、連動元を示す火災警報を出力する制御を行う。この場合の火災警報として例えば「ピーピー 火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
また、警報制御部102は、センサ部112からの検出信号に基づき所定周期毎に観測した温度観測結果が示す温度から火災を検知して報知部114から災警報を出力させる場合、これにあわせて第2通信プロトコルに従った火災連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ火災連動信号を送信させる制御を行い、これを受信した警報器100−2〜100−4連動先を示す火災警報を出力させる。
また、警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報器100−2〜100−4のいずれが送信した火災連動信号の有効受信を検知した場合、報知部114に指示し、センサ部112からの検出信号に基づき所定周期毎に観測した温度観測結果が示す温度から火災を検知して報知部114から災警報を出力させる場合、報知部114に指示し、連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の連動先を示す火災警報としては例えば「ピーピー 別の場所で火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点滅して行う。
(異状復旧制御)
警報制御部102は、報知部114から連動元を示す火災警報を出力させた後に、火災警報の元となる観測信号を送信した観測チップ10、ここでは上記警報器100−1が火災警報を出力する元となった観測チップ10−11から受信した観測信号の温度が第1閾値温度Tth1=70℃を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、異状の復旧(異状検知状態が解消したこと)を検知し、報知部114からの、当該異状検知に起因する連動元を示す火災警報出力を停止すると共に、第2通信プロトコルに従った異状復旧連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該異状復旧連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、これを受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4に、同じ火災検知に起因する連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる。
また警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した火災復旧連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部114からの連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる制御を行う。
(警報停止制御)
警報制御部102は、連動元として火災警報の出力中に操作部116の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検知した場合、報知部114に指示して連動元を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させると共に、第2通信プロトコルに従った警報停止連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該警報停止連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、これを受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる。
また警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した警報停止連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部114に指示して連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる制御を行う。
[観測チップの温度観測による警報制御]
(温度観測制御)
警報制御部102は、第1通信部104に指示し、所定周期毎に第1通信部104から警報システム1aの観測チップ10−11〜10−14へ第1通信プロトコルに従った一括AD変換信号を送信させる制御を行い、これを受信した当観測チップ10−11〜10−14に観測動作を行わせる。
続いて警報制御部102は、第1通信部104に指示し、観測チップ10のアドレス、例えば観測チップ10毎に割り当てられた識別子である送信元符号をそれぞれ指定したポーリング信号を第1通信部104から観測チップ10−11〜10−14へ送信させる制御を行い、当該ポーリング信号を受信した観測チップ10−11〜10−14から観測結果である温度を示すデータを含んだ温度観測信号を順次送信させる。
なお、警報器100−1からの指示によらず、観測チップ10から自発的に、所定周期毎に温度を観測して温度観測結果が示す温度を含んだ温度観測信号を送信してくるようにした場合は、前述した一括AD変換信号とポーリング信号の送信により温度を観測する制御は不要となる。
(火災警報制御)
警報制御部102は、観測チップ10から受信した温度観測信号の観測値である温度を示すデータが予め定めた所定の第2閾値Tth(2A)以上、例えばTth(2A)=70℃以上となって火災を検知した場合、この段階で火災警報は行わず、自己の観測温度及び観測チップの観測温度から火災を検知するための感度を変更し、変更した感度に基づき火災を検知した場合に火災警報を出力する制御を行う。
(警報器観測値の感度変更による火災警報制御)
警報制御部102は、第2閾値Tth(2A)に基づき観測チップ10から受信した観測温度から火災を検知した場合、センサ部112からの検出信号に基づく自己の観測温度の異状を検知する第1閾値Tth(1A)=70℃を、それより低い所定の閾値Tth(1B)(第3閾値)、例えばTth(1B)=50℃に変更して感度アップし、自己の観測温度が、変更後の第3閾値Tth(1B)=50℃以上の場合に火災を検知し、報知部114に指示して火災警報を出力させる制御を行う。
このように警報制御部102は、自己の観測温度から火災を検知する閾値を、それまでの第1閾値Tth(1A)から第3閾値Tth(1B)に低下して感度アップすることで、観測チップ10を配置した所定局所で真の火災が発生していた場合であれば、感度アップしたことで監視領域全体を監視している警報器100の観測温度から、場所的に離れた規模が小さい段階の局所火災を速やかに検知して火災警報を出力することを可能とする。
一方、観測チップ10を配置した所定局所で火災以外の原因による一時的な温度上昇が起きていたのであれば、警報器10で自己の観測温度に対する感度を感度アップしても、局所的な温度上昇が監視領域全体を監視している警報器100の観測温度を上昇させるまでには至らず、警報器100の観測温度から火災を検知することはなく、火災以外の原因による局所的で且つ一時的な温度上昇を火災と誤検知して火災警報を出力することを確実に防止可能とする。
(観測チップ観測値の感度変更による火災警報制御)
警報制御部102は、第2閾値Tth(2A)に基づき観測チップ10から受信した観測温度から火災を検知した場合、第2閾値Tth(2A)=70℃を、それより大きい所定の閾値Tth(2B)(第4閾値)、例えばTth(2B)=90℃に変更して感度ダウンし、観測チップ10から受信した観測温度が変更した第4閾値Tth(2B)=90℃以上の場合に火災を検知し、報知部114に指示して火災警報を出力させる制御を行う。
このように観測チップ10の観測温度から火災を検知する第2閾値Tth(2A)を第4閾値Tth(2B)に変更することで、観測チップ10を配置した所定局所のスポット的な火災が真の火災であれば、感度ダウンしても、真の火災であることから観測温度は速やかに第4閾値Tth(2B)以上となり、局所火災を確実に検知して火災警報を出力することを可能とする。
一方、観測チップ10を配置した所定局所で火災以外の原因による一時的な温度上昇が発生していた場合であれば、観測チップ10の観測温度に対する感度を感度ダウンすることで、火災以外の原因による一時的な温度上昇を火災と誤って検知する度合いは低下し、非火災報を確実に防止可能とする。
(変更した閾値の復旧)
警報制御部102は、第1閾値Tth(1A)に基づき観測チップ10から受信した観測温度から火災を検知した場合に第1閾値Tth(1A)から変更した第3閾値Tth(1B)及び第2閾値Tth(2A)から変更した第4閾値Tth(2B)については、感度変更から所定時間を経過しても火災を検知しない場合は、元の第1閾値Tth(1A)及び第2閾値Tth(2A)に戻す閾値復旧制御を行う。
この場合、第3閾値Tth(1B)と第4値Tth(2B)を一緒に戻しても良いし、段階的に戻してもよい。段階的に戻す場合は、最初に第3閾値Tth(1B)を元の第1閾値Tth(1A)に戻して所定時間火災を監視し、次に第4値Tth(2B)を元の第2閾値Tth(2A)に戻しても良いし、最初に第4閾値Tth(B2)を元の第2閾値Tth(2A)に戻して所定時間火災を監視し、次に第3閾値Tth(1B)を元の第1閾値Tth(1A)に戻しても良い。
(煙濃度を観測する場合の感度変更による火災警報制御)
観測チップ10及び警報器100で煙濃度を観測する場合、警報器100のセンサ部で観測した自己の煙濃度の異状を検知する所定の第1閾値Sth(1A)として例えばSth1=10%/mを設定し、また、観測チップ10から受信した煙濃度の異状を検知する所定の第2閾値Sth(2A)として例えばSth(2A)=10%/mを設定し、第1閾値Sth(1A)から変更する第3閾値Sth(1B)として例えばSth(1B)=5%/mを設定し、第2閾値Sth(2A)から変更する第4閾値Sth(2B)として例えばSth(2B)=15%/mを設定する。
ここでは観測値、各閾値共に煙濃度として説明したが、観測値(或いは観測データ)が煙濃度を示す電圧値等の指標である場合、各閾値もこの指標に準じた値となる。即ち、5%/m、10%/m、15%/mといった各煙濃度に対応する電圧値(観測値)を各閾値とすることができる。
また、第1閾値Sth(1A)と第2閾値Sth(2A)を同じ値に設定しているが、例えば観測チップ10で観測した観測煙濃度の異状を検知する第2閾値Sth(2A)を例えばSth(2A)=8%/mというように、高感度とする異なった値を設定しても良い。
それ以外の点は、温度を観測する場合と同様であることから、説明を省略する。
[警報システムの動作]
(監視領域Aの火災)
図5は図2に示した警報システム1aにおいて、観測チップ10−11,10−12の局所領域A1,A2から外れた警報器100−1の警戒領域Aで異状が発生した場合の説明図である。
警報器100−1の警戒領域Aで火災Fが発生すると、熱気流28が上昇して天井面に当たり、天井面に沿って横方向に拡散する。この熱気流28は警報器100−1を通過して拡散するため、温度センサ付きの警報器100−1は熱気流を効率良く受けて温度観測結果が示す温度が上昇し、第1閾値Tth(1A)=70℃以上となった場合に火災を検知して火災警報を出力する。
これに対し観測チップ10−11,10−12は局所領域A1,A2の温度観測結果が示す温度を含む観測信号を警報器100−1へ送信し、警報器100−1で有効受信した観測信号の温度を示すデータに基づき火災を監視しており、火災Fによる熱気流26を直接受けないため、局所領域A1,A2の観測結果が示す温度が第2閾値Tth(2A)以上となるまでには時間がかかり、火災を検知するまでの時間遅れが大きくなる。このように観測チップ10−11,10−14だけでは逃してしまう火災Fに対し、監視領域A全体を監視している警報器100−1は、火災Fに伴う温度上昇を早い段階で確実に検知して火災警報を出力することができる。
(局所領域の火災)
図6は観測チップ10−11を設置している局所領域A1のごみ入れ15で火災Fが発生した場合の説明図である。ごみ入れ15で火災Fが発生すると、熱気流28は火災Fの初期段階では弱く、センサ付きの警報器100−1の観測温度が第2閾値Tth(2A)以上に上昇して火災を検知するのは更に火災が拡大した後となり、火災を検知して警報するまでに時間がかかる。
図7は、図6に示した観測チップ10−11を設置しているごみ入れ15で火災Fが発生した場合のタイムチャートであり、図7(A)は警報器観測温度、図7(B)は警報器火災検知、図7(C)は観測チップ観測温度、図7(D)は観測チップ火災検知を示す。
図7において、図6の観測チップ10−11を設置しているごみ入れ15で火災Fが発生した場合、図7(C)に示すように、観測チップ10−11の観測温度は上昇を始め、時刻t1で第2閾値Tth(2A)に達し、図7(D)に示すように、火災が検知される。
この時刻t1における観測チップ10−11からの観測温度による火災検知に基づき、その観測温度から火災を検知する閾値を、それまでの第2閾値Tth(2A)=70℃からそれより高い第4閾値Tth(2B)=90℃へ変更し、感度ダウンする。この感度ダウンに伴い火災を検知するまでの時間遅れが大きくなるが、真の火災であることから、時刻t3で観測温度は第4閾値Tth(2B)に達して火災を検知し、これに基づき火災警報を出力させる。
一方、図7(A)に示す警報器100の観測温度は、図7(C)の観測チップ10の観測温度に対し時間遅れをもって上昇しており、時刻t1で観測チップ10の観測温度から火災を検知した場合、警報器100の観測温度から火災を検知する閾値を、それまでの第1閾値Tth(1A)=70℃からそれより低い第3閾値Tth(1B)=50℃へ変更し、感度アップする。このように感度アップのために高感度の第3閾値Tth(1B)に閾値を下げることで、第1閾値Tth(1A)のままとした場合は時刻t4で火災を検知することになるが、感度アップによりそれより前の時刻t2で速やかに火災を検知して火災警報を出力することを可能とする。
(局所領域の非火災要因による観測値変化)
図8は、図6に示した観測チップ10−12を設置している局所領域A2の暖房機器16で一時的に温度異状が発生した場合のタイムチャートであり、図8(A)は警報器観測温度、図8(B)は警報器火災検知、図8(C)は観測チップ観測温度、図8(D)は観測チップ火災検知を示す。
図8において、図6の観測チップ10−12を設置している暖房器具16で、例えば利用者が暖房器具16の運転維持温度を高い温度に変更してしまった場合を例にとっており、図8(C)に示すように、観測チップ10−11の観測温度は上昇を始め、時刻t1で第2閾値Tth(2A)に達し、図8(D)に示すように、火災が検知される。
しかし、この火災検知では火災警報の出力は行わず、観測チップ10−12からの観測温度から火災を検知する閾値を、それまでの第2閾値Tth(2A)=70℃からそれより高い第4閾値Tth(2B)=90℃へ変更し、感度ダウンする。この感度ダウンに伴い、観測温度が更に上昇しても、第4閾値Tth(2B)に達しない限り、火災警報が出力されることはない。
一方、図8(A)に示す警報器100の観測温度は、図8(C)の観測チップ10の観測温度に対応して緩やかに変化しており、時刻t1で観測チップ10の観測温度から火災を検知した場合、警報器100の観測温度から火災を検知する閾値を、それまでの第1閾値Tth(1A)=70℃からそれより低い第3閾値Tth(1B)=50℃へ変更して感度を上げている。このため、警報器100の観測温度が第3閾値Tth(1B)に達しない限り、局所的で且つ一時的な温度上昇があっても、火災警報が出力されることはない。
また、時刻t1で変更した第3閾値Tth(1B)及び第4閾値Tth(2B)は、所定時間Tを経過した場合に、元の第1閾値Tth(1A)及び第2閾値Tth(2A)に戻す復旧制御を行って火災を検知する。
[警報制御のフローチャート]
図9は、図4に示した警報器100−1の警報制御部102による警報制御を示したフローチャートであり、他の警報器100−2〜100−4も同様となる。
図9において、警報器100−1の警報制御部102は、ステップS1(以下「ステップ」は省略)で、初期感度設定として、警報器自身で観測した観測温度から火災を検知する第1閾値Tth(1A)及び観測チップから受信した観測温度から火災を検知する第2閾値Tth(2A)を設定する。
続いてS2に進み、警報器100−1のセンサ部112からの検出信号から観測した自己の観測温度と第1閾値Tth(1A)とを比較し、第1閾値Tth(1A)以上であれば火災を検知してS9へ進み、報知部114に指示して火災警報を出力すると共に、第2通信部108に指示して火災連動信号を他の警報器100−2〜100−4へ送信させる。
警報制御部102は、S2で自己の観測温度が第1閾値Tth(1A)未満で火災を検知しない場合はS3に進み、第1通信部104を介して観測チップ10から受信した観測信号から得た観測温度と第2閾値Tth(2A)とを比較し、第2閾値Tth(2A)以上であれば火災を検知してS4へ進む。
警報制御部102は、S4では、警報器100−1で観測している観測温度から火災を検知するための第1閾値Tth(1A)を、それより小さい所定の第3閾値Tth(1B)に変更することで、検出感度をアップする。
続いてS5に進み、警報制御部102は、観測チップ10から受信した観測信号の観測温度から火災を検知するための第2閾値Tth(2A)を、それより大きい所定の第4閾値Tth(2B)に変更することで、検出感度をダウンする。
続いて、警報制御部102は、S6で警報器自身の観測温度と感度アップのために低い値に変更した第3閾値Tth(1B)を比較し、それ以上であれば火災を検知してS9へ進み、報知部114に指示して火災警報を出力すると共に、第2通信部108に指示して火災連動信号を他の警報器100−2〜100−4へ送信させる。
また、S6で火災を検知しない場合はS7に進み、警報制御部102は、第1通信部104を介して観測チップ10から受信した観測信号から得た観測温度と、S5で感度ダウンのために高い値に変更した閾値Tth(2B)とを比較し、それ以上であれば火災を検知してS9へ進み、報知部114に指示して火災警報を出力すると共に、第2通信部108に指示して火災連動信号を他の警報器100−2〜100−4へ送信させる。
S9で火災警報を出力させた警報制御部102は、続いてS10に進んで火災復旧の有無を検知しており、火災復旧を検知するとS12に進み、報知部114に指示して火災警報を停止させると共に、第2通信部108に指示して火災復旧連動信号を他の警報器100−2〜100−4へ送信させる。
S10で火災復旧を検知しない場合、警報制御部102はS11へ進み、操作部116に設けた警報停止スイッチによる警報停止操作の受付けを検知するとS12に進み、報知部114に指示して火災警報を停止させると共に、第2通信部108に指示して警報停止連動信号を他の警報器100−2〜100−4へ送信させる。
なお、警報制御部102は、第2無線通信部102を介して他の警報器100−2〜100−4のいずれかから、火災、火災復旧又は警報停止の各連動信号の有効受信を検知した場合、それぞれに対応した連動制御を行うが、図9のフローチャートでは、これを省略している。
また、警報器100及び観測チップ10で煙濃度を観測する場合には、S1で第1閾値Sth(1A)と第2閾値Sth(2A)を設定し、S4で感度アップのために第1閾値Sth(1A)をそれより低い第3閾値Sth(1B)に変更し、S5で感度ダウンのために第2閾値Sth(2A)をそれより大きい閾値Sth(2B)に変更する点が相違することになる。
[温度観測チップの構成]
図10は本発明で使用する観測チッブの実施形態として温度観測チップの外観を示した説明図であり、図10(A)に平面を、図10(B)に内部構造の断面を、図10(C)に底面を示している。
図10において、温度観測チップ10Aは例えば合成樹脂で成型した一端(図10(B)の図示下方)に開口した円盤状のカバー118と、カバー118の開口側に装着したベース120で筐体を構成し、筐体の内部に回路基板122を収納している。カバー118の表面には温度観測チップ10AのIDを特定する番号を示したシール145を必要に応じて貼る。
回路基板122とベース120の間には釦電池124を収納し、釦電池124の正極には正極端子金具132を接触し、釦電池124の回路基板122側に位置する端面の負極には、負極端子金具130を接触している。
釦電池124はベース120の開口穴に対する電池蓋126の装着で固定している。電池蓋126は外周内側の相対した2箇所にL字形の嵌合突起を形成し、ベース120の開口に形成した嵌合切欠にL字形の嵌合突起を嵌め入れて回すことでロックできる。電池蓋126には釦電池124を着脱する際の回動操作のため硬貨等を嵌合する嵌合溝128を形成している。
回路基板122の図示上側面には制御チップ138と通信チップ140を実装し、更にカバー118に形成したスリット(開口)142の内側には、外気が通流する位置に温度検出素子136を実装している。温度検出素子136としては観測点(感熱部)の温度に応じて例えば抵抗値が変化するサーミスタなどの適宜の温度検出素子を使用する。
また回路基板122にはLED146を実装し、これに相対してカバー118側に透明樹脂などを用いた表示窓144を配置している。
ベース120の表面外周には取付シート134を設ける。取付シート134はマグネットシート又は粘着シートなどであり、監視対象とする機器や場所の取付面に簡単に取り付け配置することができる。なお、取付手段および方法は任意であり、取付シート34以外に、フックやクリップ、紐などの適宜の手段を必要に応じて設けることができる。
[煙観測チップの構成]
図11は本発明で使用する観測チッブの実施形態として煙観測チップの外観を示した説明図であり、図11(A)に平面を、図11(B)に内部構造の断面を、図11(C)に底面を示している。
図11において、煙測定チップ10Bは例えば合成樹脂で成型されたカバー218と、カバー218の内部に配置した本体220で構成する。カバー218は裏面(図11(B)の図示上方)に開口した略筒形状をもち、先端側(図11(B)の図示下方)の外周に煙流入口238を開口し、内部に検煙室240を形成している。カバー218の先端表面には監視グループの登録番号を示すシール245を必要に応じて貼る。ここで、監視グループの登録番号とは、監視グループに属する複数の煙測定チップを区別するために便宜上つけた番号であり、利用者は、複数の煙測定チップに異なる登録番号のシール245を貼り、例えば登録番号と設置場所のリストなどを作成して管理すれば便利である。
本体220の検煙室240を臨む内部には例えば赤外LEDを用いた発光部234と例えばフォトトランジスタを用いた受光部236を、両者の光軸が検煙室240内の検煙空間の検煙点Pで交差するように斜めに配置し、また発光部234と受光部236は水平周りでも光軸が斜めに交差するように配置し、これにより公知の散乱光式検煙構造を実現している。
散乱光式検煙構造は、発光部234の間欠駆動で発生したパルス光を検煙点P周辺の検煙空間に照射し、この光が外部から検煙室240に流入した煙の粒子で散乱されて発生する散乱光を受光部236で受光して電気信号に変換し、受光散乱光量に応じた煙濃度検出信号として出力する。
本体220の裏側(図11(B)の図示上方)には回路基板222を配置し、カバー218の裏面開口側は蓋部材237を装着して閉鎖している。回路基板222と蓋部材237の間には釦電池224を収納し、釦電池224の正極には正極端子金具232を接触し、釦電池224の回路基板222側に位置する端面の負極には負極端子金具230を接触している。
釦電池224は蓋部材237の開口穴に対する電池蓋226の装着で固定する。電池蓋226は外周内側の相対した2箇所にL字形の嵌合突起を形成し、蓋部材237の開口に形成した嵌合切欠にL字形の嵌合突起を嵌め入れて回すことでロックできる。電池蓋226には釦電池224を着脱する際の回動操作のため硬貨等を嵌合する嵌合溝228を形成している。なお、本実施形態の釦電池の装着構造は一例であり、必要に応じて釦電池224を着脱自在な適宜の構造とすることができる。
回路基板222の図示下面側には発光部234、受光部236、制御チップ241及び通信チップ242を実装している。また回路基板222には図示しない表示用LEDを実装し、表示用LEDに相対してカバー218側に透明樹脂などを用いた表示窓244を配置している。
蓋部材237の図示上面側となる裏面外周には取付シート233を設ける。取付シート233はマグネットシート又は粘着シートなどであり、監視対象とする機器や場所に簡単に取り付け配置することができる。なお、取付手段および方法は任意であり、取付シート233以外に、フックやクリップ、紐などの適宜の手段を必要に応じて設けることができる。
[本発明の変形例]
(感度変更)
上記の実施形態にあっては、警報器の管理下にある複数の観測チップの内のいずれか1つの観測チップの観測値から火災(火災の予兆)を検知した場合、警報器の感度をアップすると共に、火災を検知した観測チップの感度をダウンし、警報器の観測値による火災検知または感度をダウンした観測チップの観測値の火災検知で火災警報を出力するようにしているが、これ以外の感度変更として、警報器の管理下にある複数の観測チップの内のいずれかの観測チップの観測値から火災(火災の予兆)を検知した場合、警報器の感度をアップすると共に、警報器の管理下にある全ての観測チップの感度をダウンし、警報器の観測値による火災検知または感度をダウンした観測チップのいずれかの観測値の火災検知で火災警報を出力するようにしても良い。
また、警報器の管理下にある全ての観測チップの感度をダウンした場合、警報器の観測値による火災検知または感度をダウンした観測チップの内の複数の観測値の火災検知で火災警報を出力するようにしても良い。
(観測チップにおける異状検知)
上記の実施形態にあっては、警報器側で各観測チップから受信した観測値に基づいて異状を検知しているが、観測チップ側で観測値から異状を検知し、異状検知信号を警報器へ送信するようにしても良い。
この場合、警報器及び観測チップは、それぞれ所定の第1閾値th(1A)と第2閾値th(2A)を設定して観測値の異状を検知しており、観測チップで第1閾値th(1A)に基づき観測値の異状検知した場合、観測チップ自身で第2閾値th(2A)をそれより大きい第4閾値th(2B)に変更して感度ダウンし、また、観測チップから警報器へ感度変更要求信号を送信し、これを受信した警報器は、第1閾値th(1A)をそれより小さい第3閾値th(1B)に変更して感度アップすれば良い。
(観測値の時間変化率)
上記の実施形態にあっては、観測値と所定の閾値を比較して火災を検知しているが、観測値の時間変化率を求め、これと所定の閾値を比較して火災を検知しても良い。この場合、警報器は、観測チップで観測した観測値の時間変化率が第2閾値th(2A)以上となって異状を検知した場合、警報器自身の観測値時間変化率の異状を検知する第1閾値th(1A)をそれより小さい第3閾値th(1B)に変更して感度アップし、また、観測チップの観測値時間変化率の異状検知する第2閾値th(2A)をそれより大きい第4閾値th(2B)に変更して感度ダウンすれば良い。
(異状検知)
上記の実施形態における警報システムは、異状として火災を検知して警報する場合を例にとるものであったが、火災以外にガス漏れ、CO、各種の防犯、地震、その他任意の異状を検知して警報する警報システムにも適用できる。
(通信プロトコル)
また、上記の実施形態にあっては、警報器と観測チップの間は第1通信プロトコルに従った通信、警報器の間は第2通信プロトコルに従った通信としているが、それぞれ同じ通信プロトコルとし、別チャンネルとすれば良い。このようにすれば警報器に第1通信部と第2通信部を設ける必要がなく、1つの通信部として構成を簡単できる。
(警報システムの形態)
上記の実施形態は、警報器と観測チップを備えた複数の警報システムを連携させているが、必ずしも警報システムを連携させるものでなくて良いし、警報システムは1つであっても良い。また、連携する複数の警報システムの一部は、本発明の感度制御を行わないものでも良いし、観測チップを使用しない警報器で構成したものでも良い。
また、警報器や観測チップは温度、煙濃度を観測するものを混在することができる。また、温度や煙濃度以外にも、例えば温度変化、煙濃度変化、炎、各種ガス等を観測し、これらに基づいて火災を検知するものであって良く、警報システムはこれらを適宜に組み合わせたものであって良い。また、警報連携システムはこれらの警報システムを適宜組み合わせて連携するものであって良い。また、本発明は火災に限らずガス漏れ等を観測し検知する警報システムやこれを用いた警報連携システムにも適用でき、更に、例えば火災を検知して警報する警報システムとガス漏れを検知して警報する警報システムを連携させるといったように、異種の異状警報システムを連携させても良い。
(警報器と観測チップの対応)
上記の実施形態にあっては、図1のように、全ての警報器に観測チップを割当てて複数の警報システムを形成しているが、観測チップの割り当てのない警報器のみの警報システムを設け、他の警報器からの連動信号を受信して連動警報のみを行うようにしても良い。
(通信形態)
警報器及び観測チップの間の通信は無線によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
(住戸以外の用途)
上記の実施形態は住戸用に限らずビルやオフィス用など各種用途の温度異状の監視にも適用できる。
(その他)
本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10−11〜10−44:観測チップ
20,112:センサ部
22:観測制御部
24:通信部
100−1〜100−4:警報器
102:警報制御部
104:第1通信部
108:第2通信部
114:報知部
116:操作部

Claims (4)

  1. 所定の監視領域に配置し、当該監視領域全体の所定の観測値を観測した観測結果が示す自己の観測値、及び又は、外部から受信した観測信号の観測値を示すデータに基づいて異状を検知した場合に、異状警報を出力する警報手段と、
    前記所定の監視領域内の所定局所に設置し、当該所定局所の前記観測値を観測した観測値を示すデータを含んだ観測信号を送信する観測手段と、
    を備え、
    前記警報手段は、
    自己の観測値の異状を検知する所定の第1初期感度および前記観測手段から受信した観測値の異状を検知する所定の第2初期感度を設定し、
    前記第1初期感度に基づき自己の観測値の異状を検知した場合は、異状警報を出力し、
    前記第2初期感度に基づき前記観測手段から受信した観測値の異状を検知した場合は、前記第1初期感度をそれより高い感度である所定の高感度に変更すると共に、前記第2初期感度をそれより低い感度である所定の低感度に変更し、
    前記所定の高感度に変更された状態で自己の観測値の異状を検知した場合、または前記所定の低感度に変更された状態で前記観測手段から受信した前記観測値の異状を検知した場合に、異状警報を出力する、
    ことを特徴とする警報システム。
  2. 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、前記第1初期感度を前記所定の高感度に変更すると共に前記第2初期感度を前記所定の低感度に変更してから、自己の観測値及び前記観測手段から受信した観測値の何れからも異状を検知せずに所定時間を経過した場合は、前記所定の高感度を前記第1初期感度に戻すと共に前記所定の低感度を前記第2初期感度に戻すことを特徴とする警報システム。
  3. 請求項1記載の警報システムに於いて、
    前記観測手段は、前記所定局所の温度又は煙濃度を観測して観測値である温度又は煙濃度を示すデータ含んだ観測信号を送信し、
    前記警報手段は、前記監視領域全体の所定の温度又は煙濃度を観測して観測結果を示す自己の温度又は煙濃度、及び又は、前記観測手段から受信した観測信号の観測値である温度又は煙濃度を示すデータに基づいて異状を検知した場合に、異状警報を出力することを特徴とする警報システム。
  4. 請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に他の警報システムの警報手段へ異状連動信号を送信して連動先を示す異状警報を出力させ、一方、他の警報システムの警報手段から異状連動信号を受信した場合に、連動先を示す異状警報を出力することを特徴とする警報システム。
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