JP5972286B2 - レドックスフロー二次電池及びレドックスフロー二次電池用電解質膜 - Google Patents

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Description

本発明は、レドックスフロー二次電池及びレドックスフロー二次電池用電解質膜に関する。
レドックスフロー二次電池とは、電気を備蓄及び放電するものであり、電気使用量の平準化のために使用される大型の据え置き型電池に属する。レドックスフロー二次電池は、正極と正極活物質を含む電解液(正極セル)と、負極と負極活物質を含む負極電解液(負極セル)とを、隔膜で隔離して、両活物質の酸化還元反応を利用して充放電し、該両活物質を含む電解液を、備蓄タンクから電解槽に流通させて電流を取り出し利用される。
電解液に含まれる活物質としては、例えば、鉄−クロム系、クロム−臭素系、亜鉛−臭素系や、電荷の違いを利用するバナジウム系などが用いられている。
特に、バナジウム系二次電池は起電力が高く、バナジウムイオンの電極反応が速く、副反応である水素発生量が少なく、出力が高い等の利点を有するため、開発が本格的にすすめられている。
また、隔膜については、両極の活物質を含む電解液が混ざらないように工夫されている。しかしながら、従来の隔膜は、酸化されやすく、電気抵抗を充分低くしなければいけない等の問題点がある。電流効率を上げるためには、それぞれのセル電解液に含まれるそれぞれの活物質イオンの透過(両極電解液中の電解質のコンタミ)をお互いにできるだけ防ぎ、かつ電荷を運ぶプロトン(H)は充分透過しやすい、イオン選択透過性に優れたイオン交換膜が要求される。
このバナジウム系二次電池では、負極セルにおけるバナジウムの2価(V2+)/3価(V3+)の酸化還元反応と、正極セルにおけるバナジウムの4価(V4+)/5価(V5+)の酸化還元反応を利用している。従って、正極セルと負極セルの電解液が同種の金属イオン種を有するため、隔膜を透して電解液が混合されても、充電により正常に再生されるので、他種の金属種に比べて大きな問題にはなり難い。とはいえ、無駄になる活物質が増え、電流効率が低下するので、できるだけ活物質イオンは自由に透過しないほうがよい。
従来、様々なタイプの隔膜(以下、「電解質膜」又は単に「膜」ともいう。)を利用した電池があり、例えば、電解液のイオン差圧及び浸透圧をドライビングフォースとして自由に通過させる多孔膜を用いた電池が報告されている。例えば、特許文献1には、そのような多孔膜としてポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」ともいう。)多孔膜、ポリオレフィン(以下、「PO」ともいう。)系多孔膜、PO系不織布などが開示されている。
特許文献2には、セル間の圧力差で両電解液が移動しないように、多孔膜と含水性ポリマーを組み合わせた複合膜が開示されている。
特許文献3には、親水性の水酸基を有する無孔の親水性ポリマー膜として、セルロース又はエチレンービニルアルコール共重合体の膜を利用することが開示されている。
特許文献4には、炭化水素系イオン交換樹脂としてポリスルホン系膜(陰イオン交換膜)を利用することにより、その電流効率が80%〜88.5%となり、耐ラジカル酸化性にも優れることが記載されている。
特許文献5には、フッ素系又はポリスルホン系イオン交換膜を隔膜として使用し、電流効率を上げるために正極の多孔性炭素に高価な白金を担持させて反応効率を上げる方法が開示されている。
特許文献6には、ポリプロピレン(以下、「PP」ともいう。)などの多孔膜の孔に親水性樹脂を塗布した、鉄−クロム系レドックスフロー電池が開示されている。当該文献の実施例には100μmの厚さのPP製多孔膜の両表面に、数μmの厚さでフッ素系イオン交換樹脂(デュポン社製、登録商標「ナフィオン」)を被覆した膜の例がある。ここで、ナフィオンとは、−(CF−CF)−で表される繰り返し単位と、−(CF−CF(−O−(CFCFXO)−(CF−SOH))−で表される繰り返し単位と、を含む共重合体において、X=CF、n=1、m=2のときの共重合体である。
特許文献7には、特定の面格子を有する2層の液透過性多孔質炭素電極を用いて、電極側の工夫で、セル電気抵抗をできるだけ下げ、効率を上げたバナジウム型電池の例が開示されている。
特許文献8には、抵抗が低く、プロトン透過性に優れ、ピリジニウム基(陽イオンのNを利用)を有する陰イオン交換型であり、スチレン系単量体及びジビニルベンゼンと共重合した架橋型重合体を含む、隔膜を用いたバナジウム系レドックスフロー電池の例が開示されている。
特許文献9には、カチオン交換膜(フッ素系高分子又は他の炭化水素系高分子)とアニオン交換膜(ポリスルホン系高分子)膜とを交互に積層した構造を有する膜を利用し、正極電解液側にカチオン交換膜を配することにより、イオン選択透過性を改良した例が開示されている。
特許文献10には、耐薬品性に優れ、低抵抗でイオン選択透過性に優れた膜として、多孔質PTFE系樹脂からなる多孔質基材に、2個以上の親水基を有するビニル複素環化合物(アミノ基を有するビニルピロリドン等)の繰り返し単位を有する架橋重合体を複合してなるアニオン交換膜の使用例が開示されている。その原理については、イオン径及び電荷量の多い金属カチオンが電位差をかけられた時は、各隔膜表面のカチオンにより電気的反発を受けて金属カチオンの膜透過が阻害されるが、イオン径も小さく、1価であるプロトン(H+)は陽イオンを有する隔膜を容易に拡散透過できるので電気抵抗が小さくなると記載されている。
特開2005−158383号公報 特公平6−105615号公報 特開昭62−226580号公報 特開平6−188005号公報 特開平5−242905号公報 特開平6−260183号公報 特開平9−92321号公報 特開平10−208767号公報 特開平11−260390号公報 特開2000−235849号公報
しかしながら、特許文献1のように、単に隔膜を薄くするのみでは、イオン選択透過性の向上、隔膜に由来する電気抵抗の低下、電流効率の向上には不十分である。
特許文献2に開示された複合膜は、電気抵抗が高く、また、各イオンは多孔膜ほどではないが、自由に拡散してしまうという問題がある。特許文献3に開示された膜についても、上記と同様の問題があり、耐酸化耐久性にも劣る。
特許文献4に開示された電池は、電流効率が未だ不十分であり、長期にわたる硫酸電解液中での耐酸化劣化性にも劣る。また、同文献の比較例に、テフロン(登録商標)系イオン交換膜としての電流効率が64.8〜78.6%であることが記載されており、性能的にも問題を有する。
特許文献5についても、上記と同様の問題点を解決できておらず、また、大型設備では、価格的にも高価となってしまうという問題がある。
特許文献6に開示された膜は、塗布膜の厚みを極薄(数μm)にしないと、内部抵抗が増加すると記載されている。また、イオン選択透過性を向上させる工夫については一切記載されていない。
特許文献7のように、電極の工夫では、イオン選択透過性の向上、隔膜に由来する電気抵抗の増加、電流効率の低下を解決することはできない。
特許文献8に開示された電池は、電流効率が不十分であり、また、酸化劣化するため長期使用に関しても問題点を有している。
特許文献9に開示された膜は、電気抵抗が高くなるという問題点を有している。
特許文献10の実施例に示された結果では、膜の内部抵抗(電気抵抗)が十分低いとは言えず、また、長期使用では耐酸化劣化が問題となる。
従来のバナジウム系レドックスフロー電池用の電解質(隔)膜は、両電極の電解液の活物質であるバナジウムイオンの低電価グループのイオンを大多数とするセル(負極側)と、高電価のイオングループを大多数とするセル(正極側)それぞれにおいて、対極(セル)への、活物質の拡散移動透過を抑えて、尚且つ、目的の充放電の操作に伴い、プロトン(H)を選択的に透過させることを目的として使用されている。しかしながら、現在、その性能は十分であると言えない。
炭化水素系樹脂を主とした膜基材としては、両セルの主役の電解質を含む電解液を単に隔離しただけのイオン選択透過性のない単なる多孔膜や、イオン選択透過性のない(無孔の)親水性膜基材、多孔膜に親水性膜基材を埋め込むか又は被覆したもの等が用いられている。また、膜自身が各種アニオン基を有する所謂カチオン交換膜、又は多孔質膜基材の孔に、カチオン交換性樹脂を被覆又は埋め込んだ複合膜、同様に膜自身がカチオン基を有するアニオン交換膜、同様に多孔膜基材に、アニオン交換性樹脂を被覆又は埋め込んだ複合膜、両者の積層型等が隔膜として用いられており、それぞれの特徴を生かした研究が行われている。
隔膜としての、電気抵抗(プロトン透過性に主に依存)と、主役の活物質である、金属イオン(多価カチオン)透過性阻止という、相反する2つの性能を十分に満足するイオン交換樹脂隔膜は、これまで開発されていない。フッ素系イオン交換樹脂に関しても、プロトン(H)透過性に優れ、且つ、活物質イオンの透過を抑制するという相矛盾する性質に対する工夫が十分に検討されておらず、低電気抵抗、長期にわたる耐酸化劣化性(耐ヒドロキシラジカル性)などを充分に満足するレドックスフロー電池用電解質膜は開発されていない。
上記事情に鑑み、本発明は、プロトン(H)透過性を悪化させることなく活物質のイオン選択透過性を抑制することのできる優れたイオン選択透過性を有し、且つ電気抵抗も低く、電流効率にも優れたレドックスフロー二次電池用電解質膜及びそれを用いたレドックスフロー二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、特定の構造及び当量質量EWを有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(以下、「PFSA樹脂」ともいう。)を含み、さらに、膜のイオン伝導度を特定の範囲に調整することにより、優れたイオン選択透過性を有し、且つ電気抵抗も低く、電流効率にも優れた、レドックスフロー二次電池用電解質膜及びそれを用いたレドックスフロー二次電池を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
炭素電極からなる正極を含む正極セル室と、
炭素電極からなる負極を含む負極セル室と、
前記正極セル室と、前記負極セル室とを隔離分離させる、隔膜としての電解質膜と、
を含む電解槽を有し、
前記正極セル室は正極活物質を含む正極電解液を含み、前記負極セル室は負極活物質を含む負極電解液を含み、
前記電解液中の前記正極活物質及び前記負極活物質の価数変化に基づき充放電するレドックスフロー二次電池であって、
前記電解質膜が、下記式(1)で表される構造を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を含む、イオン交換樹脂組成物を含み、
前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜1500g/eqであり、
前記電解質膜の110℃、相対湿度50%RHにおけるイオン伝導度が、0.05S/cm以上である、
レドックスフロー二次電池。
−[CF2−CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2m−SO3H)]g− (1)
(式(1)中、a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1を満たす数を示し、mは1〜6の整数を示す。)
〔2〕
前記mが2である、〔1〕に記載のレドックスフロー二次電池。
〔3〕
前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、527〜1500g/eqである、〔1〕又は〔2〕に記載のレドックスフロー二次電池。
〔4〕
前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜700g/eqである、〔1〕又は〔2〕に記載のレドックスフロー二次電池。
〔5〕
前記正極電解液及び前記負極電解液が、バナジウムを含む硫酸電解液である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池。
〔6〕
前記電解質膜の平衡含水率が、5〜80質量%である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池。
〔7〕
前記イオン交換樹脂組成物が、前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部のポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を含む、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池。
〔8〕
下記式(1)で表される構造を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を含む、イオン交換樹脂組成物を含み、
前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜1500g/eqであり、
110℃、相対湿度50%RHにおけるイオン伝導度が、0.05S/cm以上である、
レドックスフロー二次電池用電解質膜。
−[CF2−CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2m−SO3H)]g− (1)
(式(1)中、a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1を満たす数を示し、mは1〜6の整数を示す。)
〔9〕
前記mが2である、〔8〕に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
〔10〕
前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、527〜1500g/eqである、〔8〕又は〔9〕に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
〔11〕
前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜700g/eqである、〔8〕又は〔9〕に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
〔12〕
平衡含水率が5〜80質量%である、〔8〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
〔13〕
前記イオン交換樹脂組成物が、前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部のポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を含む、〔8〕〜〔12〕のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
〔14〕
〔8〕〜〔13〕のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜の製造方法であって、
前記イオン交換樹脂組成物を成膜して電解質膜を得る工程と、
前記電解質膜を、130〜200℃にて1〜60分間加熱処理する工程と、
を有する、レドックスフロー二次電池用電解質膜の製造方法。
本発明のレドックスフロー二次電池用電解質膜は、優れたイオン選択透過性を有している。従って、高いプロトン(水素イオン)透過性を有し、低電気抵抗であり、また電解液中の活物質イオンの透過を抑制でき、さらには、高い電流効率を発揮する。
本実施形態におけるレドックスフロー二次電池の概要図の一例を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではない。
〔レドックスフロー二次電池〕
本実施形態におけるレドックスフロー二次電池は、
炭素電極からなる正極を含む正極セル室と、
炭素電極からなる負極を含む負極セル室と、
前記正極セル室と、前記負極セル室とを隔離分離させる、隔膜としての電解質膜と、
を含む電解槽を有し、
前記正極セル室は正極活物質を含む正極電解液を含み、前記負極セル室は負極活物質を含む負極電解液を含み、
前記電解液中の前記正極活物質及び前記負極活物質の価数変化に基づき充放電するレドックスフロー二次電池であって、
前記電解質膜が、下記式(1)で表される構造を有するPFSA樹脂を含む、イオン交換樹脂組成物を含み、
前記PFSA樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜1500g/eqであり、
前記電解質膜の110℃、相対湿度50%RHにおけるイオン伝導度が、0.05S/cm以上である。
−[CF−CF−[CF−CF(−O−(CF−SOH)]− (1)
(式(1)中、a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1を満たす数を示し、mは1〜6の整数を示す。)
図1は、本実施形態におけるレドックスフロー二次電池の概要図の一例を示す。本実施形態におけるレドックスフロー二次電池10は、炭素電極からなる正極1を含む正極セル室2と、炭素電極からなる負極3を含む負極セル室4と、前記正極セル室2と、前記負極セル室4とを隔離分離させる、隔膜としての電解質膜5と、を含む電解槽6を有し、前記正極セル室2は活物質を含む正極電解液を、前記負極セル室4は活物質を含む負極電解液を含む。活物質を含む正極電解液及び負極電解液は、例えば、正極電解液タンク7及び負極電解液タンク8によって貯蔵され、ポンプ等によって各セル室に供給される(矢印A,B)。また、レッドクスフロー二次電池によって生じた電流は、交直変換装置9を介して、直流から交流に変換されてもよい。
本実施形態におけるレドックスフロー二次電池は、液透過性で多孔質の集電体電極(負極用、正極用)を隔膜の両側にそれぞれ配置し、押圧でそれらを挟み、隔膜で仕切られた一方を正極セル室、他方を負極セル室とし、スペーサーで両セル室の厚みを確保した構造を有する。
バナジウム系レドックスフロー二次電池の場合、正極セル室には、バナジウム4価(V4+)及び同5価(V5+)を含む硫酸電解液からなる正極電解液を、負極セル室には、バナジウム3価(V3+)及び同2価(V2+)を含む負極電解液を流通させることにより、電池の充電及び放電が行われる。このとき、充電時には、正極セル室においては、バナジウムイオンが電子を放出するためV4+がV5+に酸化され、負極セル室では外路を通じて戻って来た電子によりV3+がV2+に還元される。この酸化還元反応では、正極セル室ではプロトン(H)が過剰になり、一方負極セル室では、プロトン(H)が不足する。隔膜は正極セル室の過剰なプロトンを選択的に負極室に移動させ電気的中性が保たれる。放電時には、この逆の反応が進む。この時の電池効率(%)は、放電電力量を充電電力量で除した比率(%)で表され、両電力量は、電池セルの内部抵抗と隔膜のイオン選択透過性及びその他電流損失に依存する。内部抵抗の減少は電圧効率を向上させ、イオン選択透過性の向上及びその他電流損失の低減は、電流効率を向上させるので、レドックスフロー二次電池においては、重要な指標となる。
〔レドックスフロー二次電池用電解質膜〕
本実施形態におけるレドックスフロー二次電池用電解質膜は、特定の構造及び当量質量EWを有するPFSA樹脂を含む、イオン交換樹脂組成物を含み、且つ、特定のイオン伝導度を有するものである。
〔イオン交換樹脂組成物〕
(PFSA樹脂)
本実施形態におけるイオン交換樹脂組成物は、下記式(1)で表される構造を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(PFSA樹脂)を含む。本実施形態で用いるPFSA樹脂は、下記式(1)で表される構造を有するものであれば特に制限されず、他の繰り返し単位を含むものであってもよい。
−[CF−CF−[CF−CF(−O−(CF−SOH)]− (1)
(式(1)中、a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1を満たす数を示し、mは1〜6の整数を示す。)
本実施形態におけるPFSA樹脂は、一般的なフッ素系高分子ポリマー、例えば、−(CF−CF)−で表される繰り返し単位と、−(CF−CF(−O−(CFCFXO)−(CF−SOH))−で表される繰り返し単位(式中、Xは、F又はCFを示し、nは1〜5の整数を示し、mは0〜12の整数を示す。ただし、nとmは同時に0にならない。)とを含む共重合体において、繰り返し単位中のnが1以上の場合に比べて、電流効率が高い傾向にある。この理由は明らかではないが、本実施形態におけるPFSA樹脂は、電子吸引性の強い−(CFCFXO)−基が少なく、SO 基上の電子吸引性が弱くなることで、SO 基と電解液中のバナジウムイオンとの結合が弱くなるため、充放電に寄与するバナジウムイオンの濃度が減少しないからではないかと考えられる。
本実施形態におけるPFSA樹脂は、例えば、高分子電解質ポリマー前駆体(以下、「PFSA樹脂前駆体」ともいう。)を製造した後、それを加水分解処理することにより得ることができる。
例えば、下記式(2)、(3)又は(4)で表されるフッ化ビニルエーテル化合物と、下記式(5)で表されるフッ化オレフィンモノマーとの共重合体からなるPFSA樹脂前駆体を加水分解することにより得られる。下記式(2)で表されるフッ化ビニルエーテル化合物は、n=0のものを含むものであれば特に制限されず、nが1〜5のものを含んでもよい。下記式(2)、(3)又は(4)で表されるフッ化ビニルエーテル化合物は1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
CF=CF−O−(CFCFXO)−[A] (2)
(式(2)中、Xは、F又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を示し、nは0〜5の整数を示し、Aは、(CF−Wを示し、mは0〜6の整数を示し、nとmは同時に0にならない。)
CF=CF−O−(CF−CFX(−O−(CF−W) (3)
CF=CF−O−(CF−CFX(−(CF−O−(CF−W) (4)
(式(3)、(4)中、Xは、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を示し、pは0〜12の整数を示し、mは0〜6の整数を示し、kは1〜5の整数を示し、Lは1〜5の整数を示し、Wは加水分解によりSOHに転換し得る官能基を示す。)
CF=CFZ (5)
(式中、Zは、H、Cl、F、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又は酸素を含んでいてもよい環状パーフルオロアルキル基を示す。)
上記式(2)、(3)及び(4)中の加水分解によりSOHに転換しうる官能基を示すWとしては、特に限定されないが、SOF、SOCl、SOBrが好ましい。また、上記式において、X=CF、W=SOF、Z=Fであることがより好ましい。中でも、n=0、m=0〜6の整数(ただし、nとmは同時に0にならない。)であり、X=CF、W=SOF、Z=Fであることが、高い親水性及び高い樹脂濃度の溶液が得られる傾向にあるため、さらに好ましい。
本実施形態におけるPFSA樹脂前駆体は、公知の手段により合成することができる。例えば、ラジカル発生剤の過酸化物を利用した重合法等にて、含フッ素炭化水素等の重合溶剤を使用し、上記イオン交換基前駆体(W)を有するフッ化ビニル化合物と、テトラフルオロエチレン(TFE)などのフッ化オレフィンのガスと、を充填溶解して反応させることにより重合する方法(溶液重合)、含フッ素炭化水素等の溶媒を使用せずフッ化ビニル化合物そのものを重合溶剤として重合する方法(塊状重合)、界面活性剤の水溶液を媒体として、フッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを充填して反応させることにより重合する方法(乳化重合)、界面活性剤及びアルコール等の助乳化剤の水溶液に、フッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスを充填、乳化して反応させることにより重合する方法(エマルジョン重合)、及び懸濁安定剤の水溶液にフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスを充填懸濁して反応させることにより重合する方法(懸濁重合)等が知られている。
本実施形態においては上述したいずれの重合方法で作製されたPFSA樹脂前駆体でも使用することができる。また、PFSA樹脂前駆体は、TFEガスの供給量等の重合条件を調整することにより得られる、ブロック状やテーパー状の重合体でもよい。
また、PFSA樹脂前駆体は、重合反応中に樹脂分子構造中に生成した不純末端や、構造上酸化されやすい部分(CO基、H結合部分等)を、公知の方法によりフッ素ガス下で処理し、該部分をフッ化してもよい。
また、PFSA樹脂前駆体の分子量は、該前駆体を、ASTM:D1238に準拠して(測定条件:温度270℃、荷重2160g)測定されたメルトフローインデックス(MFI)の値で0.05〜50(g/10分)であることが好ましい。前駆体樹脂のMFIのより好ましい範囲は0.1〜30(g/10分)であり、さらに好ましい範囲は0.5〜20(g/10分)である。
PFSA樹脂前駆体は、押し出し機を用いてノズル又はダイ等で押し出し成型した後、加水分解処理を行うか、重合した時の産出物のまま、即ち分散液状、又は沈殿、ろ過させた粉末状の物とした後、加水分解処理を行う。PFSA樹脂前駆体の形状は特に限定されるものではないが、後述の加水分解処理及び酸処理における処理速度を速める観点から、0.5cm以下のペレット状であるか、分散液状、粉末粒子状であることが好ましく、中でも、重合後の粉末状体のものを用いることが好ましい。コストの観点からは、押し出し成型したフィルム状の樹脂前駆体を用いてもよい。
上記のようにして得られ、必要に応じて成型された樹脂前駆体は、引き続き塩基性反応液体中に浸漬し、加水分解処理される。加水分解処理に使用する塩基性反応液としては、特に限定されるものではないが、ジメチルアミン、ジエチルアミン、モノメチルアミン及びモノエチルアミン等のアミン化合物の水溶液や、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液が好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの水溶液がより好ましい。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を用いる場合、その含有量は特に限定されないが、反応液全体に対して10〜30質量%であることが好ましい。上記反応液は、さらにメチルアルコール、エチルアルコール、アセトン及びジメチルスルホキシド(DMSO)等の膨潤性有機化合物を含有することがより好ましい。膨潤性の有機化合物の含有量は、反応液全体に対して1〜30質量%であることが好ましい。
PFSA樹脂前駆体は、前記塩基性反応液体中で加水分解処理された後、温水等で十分に水洗し、その後、酸処理が行なわれる。酸処理に使用する酸としては、特に限定されないが、塩酸、硫酸及び硝酸等の鉱酸類や、シュウ酸、酢酸、ギ酸及びトリフルオロ酢酸等の有機酸類が好ましく、これらの酸と水との混合物がより好ましい。また、上記酸類は単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、加水分解処理で用いた塩基性反応液は、カチオン交換樹脂で処理すること等により、酸処理の前に予め除去してもよい。
酸処理によってPFSA樹脂前駆体はプロトン化されてイオン交換基が生成する。例えば、PFSA樹脂前駆体のWは酸処理によってプロトン化され、SOHとなる。加水分解及び酸処理することによって得られたPFSA樹脂は、プロトン性有機溶媒、水、又は両者の混合溶媒に分散又は溶解することが可能となる。
(当量質量EW)
本実施形態におけるPFSA樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりのPFSA樹脂の乾燥質量グラム数)は、250〜1500(g/eq)である。EWの上限は、好ましくは700(g/eq)であり、より好ましくは600(g/eq)であり、さらに好ましくは550(g/eq)である。EWの下限は、好ましくは300(g/eq)であり、より好ましくは350(g/eq)であり、さらに好ましくは400(g/eq)である。EWが小さい方が、イオン伝導度が高くなる反面、熱水への溶解性が大きくなる場合があるため、上記のような適切な範囲内に調整されていることが好ましい。
PFSA樹脂の当量質量EWを上記範囲に調整することによって、それを含むイオン交換樹脂組成物に優れた親水性を付与することができ、その樹脂組成物を用いて得られた電解質膜は低い電気抵抗及び高い親水性、より小さなクラスター(イオン交換基が水分子を配位及び/又は吸着した微小部分)を数多く有するようになり、高い耐酸化性(耐ヒドロキシラジカル)、低い電気抵抗、及び良好なイオン選択透過性を発揮する傾向にある。
PFSA樹脂の当量質量EWは、親水性、膜の耐水性の観点から250(g/eq)以上であることが好ましく、親水性、膜の電気抵抗の観点から700(g/eq)以下であることが好ましい。また、PFSA樹脂のEWが下限値近くである場合には、樹脂の側鎖のイオン交換基の一部を、分子間で直接的に又は間接的に部分架橋反応させることにより樹脂を変性し、溶解性や過剰膨潤性を制御してもよい。
上記部分架橋反応としては、例えば、イオン交換基と他分子の官能基又は主鎖との反応、又はイオン交換基同士の反応、耐酸化性の低分子化合物、オリゴマー又は高分子物質等を介しての架橋反応(共有結合)等が挙げられ、場合により、塩(SOH基とのイオン結合を含む)形成物質との反応であってもよい。耐酸化性の低分子化合物、オリゴマー又は高分子物質としては、例えば、多価アルコール類や有機ジアミン類等が挙げられる。
部分架橋反応を行う場合は、PFSA樹脂のEWが低くてもよい場合がある。即ち、イオン交換基(言い換えればEW)をあまり犠牲にせずとも、水溶性が低下(耐水性が向上)すればよい。また、PFSA樹脂が低メルトフロー領域(高分子領域)であり、分子間絡みが多い場合なども同様である。
また、PFSA樹脂の加水分解前の官能基(例えば、SOF基)は、その一部が、部分的(分子間を含む)にイミド化(アルキルイミド化など)されていてよい。
PFSA樹脂の当量質量EWは、PFSA樹脂を塩置換し、その溶液をアルカリ溶液で逆滴定することにより測定することができる。
PFSA樹脂の当量質量EWは、フッ素系モノマーの共重合比、モノマー種の選定等により調整することができる。
上述した特許文献に記載されたフッ素系樹脂であるナフィオン(Nafion:デュポン社の登録商標)は、−(CF−CF)−で表される繰り返し単位と、−(CF−CF(−O−(CFCFXO)−(CF−SOH))−で表される繰り返し単位と、を含む共重合体において、X=CF、n=1、m=2であり、EWが893〜1030である化合物であることが知られている。しかしながらナフィオンをレドックスフロー二次電池の電解質膜の材料として用いた場合は、親水性が不足し、電気抵抗も高く、イオン選択透過性、電流効率も悪化する傾向にある。
(イオン伝導度)
本実施形態における電解質膜の110℃、相対湿度50%RHにおけるイオン伝導度は0.05S/cm以上であり、好ましくは0.10S/cm以上である。本実施形態における電解質膜は、好ましくは40%RHにおけるイオン伝導度が0.05S/cm以上であり、より好ましくは30%RHにおけるイオン伝導度が0.05S/cm以上であり、さらに好ましくは20%RHにおけるイオン伝導度が0.05S/cm以上である。また、本実施形態における電解質膜は、好ましくは40%RHにおけるイオン伝導度が0.10S/cm以上、より好ましくは30%RHにおけるイオン伝導度が0.10S/cm以上、さらに好ましくは20%RHにおけるイオン伝導度が0.10S/cm以上である。電解質膜のイオン伝導度は高いほどよいが、例えば、110℃、相対湿度50%RHにおけるイオン伝導度が1.0S/cm以下であっても、通常は、十分な性能を発揮する。電解質膜のイオン伝導度が上記範囲であると、電気抵抗が低くなり、優れた電流効率を発揮する。
本実施形態における電解質膜を形成するイオン交換樹脂組成物中に含まれるPFSA樹脂の含有量としては、好ましくは約33.3〜100質量%、より好ましくは40〜100質量%、さらに好ましくは50〜99.5質量%である。
本実施形態におけるイオン交換性樹脂組成物は、上述したPFSA樹脂の他に、塩基性重合体(オリゴマーなどの低分子量物質を含む)を含有することにより、樹脂組成物としての化学的安定性(主に耐酸化性等)が増加する傾向にある。これらの化合物は、樹脂組成物中で微細粒子状又は分子分散に近い形でイオンコンプレックスを部分的に作りイオン架橋構造を形成する。特に、PFSA樹脂のEWが低い場合(300〜500)の場合には、耐水性と電気抵抗等のバランス面の観点から好ましい。
また、PFSA樹脂は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、その他、ラジカル分解性の遷移金属(Ce化合物、Mn化合物等)との、部分塩(全イオン交換基当量の0.01〜5当量%程度)を単独で又は塩基性重合体と併用してもよい。
(ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂)
イオン交換樹脂組成物は、本実施形態で用いるPFSA樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部のポリフェニレンエーテル樹脂(以下、「PPE樹脂」ともいう。)及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、「PPS樹脂」ともいう。)を含むことが好ましく、0.5〜10質量部含むことがより好ましく、1〜5質量部含むことがさらに好ましい。PPE及び/又はPPSが上記範囲内であることにより、膜強度により優れる傾向にある。
PPE樹脂及び/又はPPS樹脂の添加法としては、押し出し法により混合するか、又はPPE樹脂及び/又はPPS樹脂の水性溶媒分散体を、PFSA樹脂を主体とする樹脂組成物の原液分散体に混合すればよい。
本実施形態におけるPPS樹脂は、パラフェニレンスルフィド骨格を70モル%以上含むことが好ましく、90モル%以上含むことがより好ましい。PPS樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではなく、通常、ハロゲン置換芳香族化合物、例えば、p−ジクロルベンゼンを、硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは硫化水素ナトリウムと水酸化ナトリウムまたは硫化水素と水酸化ナトリウムあるいはナトリウムアミノアルカノエートの存在下で重合させる方法、p−クロルチオフェノールの自己縮合等が挙げられる。このなかでも、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当である。具体的には、例えば、米国特許第2513188号明細書、特公昭44−27671号公報、特公昭45−3368号公報、特公昭52−12240号公報、特開昭61−225217号公報および米国特許第3274165号明細書、英国特許第1160660号明細書、さらに特公昭46−27255号公報、ベルギー特許第29437号明細書、特開平5−222196号公報等に記載された方法やこれら特許等に例示された先行技術の方法で得ることができる。
PPS樹脂は、320℃における溶融粘度(フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D(L:オリフィス長、D:オリフィス内径)=10/1で6分間保持した値)は、好ましくは1〜10,000ポイズであり、より好ましくは100〜10,000ポイズである。
さらに、PPS樹脂に酸性官能基を導入したものも好適に用いることができる。導入する酸性官能基としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、マレイン酸基、無水マレイン酸基、フマル酸基、イタコン酸基、アクリル酸基、メタクリル酸基が好ましく、スルホン酸基がより好ましい。
酸性官能基の導入方法は特に限定されず、一般的な方法を用いて実施される。例えばスルホン酸基の導入については、無水硫酸、発煙硫酸などのスルホン化剤を用いて公知の条件で実施することができ、例えば、K.Hu, T.Xu, W.Yang, Y.Fu, Journal of Applied Polymer Science, Vol.91,や、 E.Montoneri, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.27, 3043−3051(1989)に記載の条件で実施できる。
また、導入した酸性官能基を金属塩またはアミン塩に置換したものも好適に用いられる。金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましい。
PPE樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)がより好ましい。
PPEの製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書記載の第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875号明細書、同第3257357号明細書、同第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報及び特開昭63−152628号公報等に記載された方法で容易に製造できる。
PPE樹脂は、上記したPPE単独のほかに、アタクチック、シンジオタクチックの立体規則性を有するポリスチレン(アタクチック型のハイインパクトポリスチレンも含む)を、上記したPPE成分100質量部に対して、1〜400質量部の範囲で配合したものも好適に用いることができる。
さらにPPE樹脂は、上記に挙げた各種ポリフェニレンエーテルに反応性の官能基を導入したものも好適に用いることができる。反応性の官能基としては、エポキシ基、オキサゾニル基、アミノ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、その他酸性官能基が挙げられる。このなかでも、酸性官能基はより好適に用いられる。導入する酸性官能基としては、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、マレイン酸基、無水マレイン酸基、フマル酸基、イタコン酸基、アクリル酸基、メタクリル酸基が好ましく、スルホン酸基がより好ましい。
PPE樹脂の重量平均分子量は、1,000以上5,000,000以下であることが好ましく、より好ましくは1,500以上1,000,000以下である。
(本実施形態で用いるPFSA樹脂以外のフッ素系樹脂)
本実施形態におけるイオン交換樹脂組成物としては、本実施形態で用いるPFSA樹脂だけでなく、本実施形態で用いるPFSA樹脂以外のフッ素系樹脂(カルボン酸、リン酸等を含む樹脂やその他公知のフッ素系樹脂)を用いることができる。これらの樹脂を2種以上用いる場合は、溶媒に溶解又は媒体に分散させて混合してもよく、樹脂前駆体同士を押し出し混合してもよい。上記フッ素系樹脂としては、本実施形態で用いるPFSA樹脂100質量部に対して0〜50質量部含むことが好ましく、0〜30質量部含むことがより好ましく、0〜10質量部含むことがさらに好ましい。
(平衡含水率)
電解質膜の平衡含水率は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。また、上限としては、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。電解質膜の平衡含水率が5質量%以上であると、膜の電気抵抗や電流効率、耐酸化性、イオン選択透過性が良好となる傾向にある。一方、平衡含水率が80質量%以下であると、膜の寸法安定性や強度が良好となり、また水溶解性成分の増加を抑制できる傾向にある。電解質膜の平衡含水率は、樹脂組成物を水とアルコール系溶媒での分散液から成膜し、160℃以下で乾燥した膜を基準とし、23℃、50%関係湿度(RH)での平衡(24Hr放置)飽和吸水率(Wc)で表す。
電解質膜の平衡含水率は、上述したEWと同様の方法により調整することができる。
(補強材)
本実施形態における電解質膜は、膜強度の観点から、補強材を有してもよい。補強材としては、特に限定されず、一般的な不織布や織布、各種素材からなる多孔膜が挙げられる。
前記多孔膜としては、特に限定されないが、フッ素系高分子電解質ポリマーとの親和性が良好なものが好ましい。この中でも、延伸されて多孔化したPTFE系膜に、本実施形態におけるフッ素系高分子電解質ポリマーを含有するイオン交換樹脂組成物を実質的に隙間無く埋め込んだ補強電解質膜が好ましい。このような電解質膜であれば、薄膜の強度により優れる傾向にあり、及び面(縦横)方向の寸法変化をより抑えることができる傾向にある。
前記補強電解質膜は、有機溶媒又はアルコール及び水を溶媒とした、適度な濃度のイオン交換樹脂組成物の分散液を、適量多孔膜に含浸漬させて、乾燥させることにより得ることができる。
前記補強電解質膜を作製する際に用いられる溶媒としては、特に限定されないが、沸点が250℃以下の溶媒が好ましく、より好ましくは沸点が200℃以下の溶媒であり、さらに好ましくは沸点が120℃以下の溶媒である。中でも、水と脂肪族アルコール類が好ましく、具体的には、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール及びtert−ブチルアルコール等が挙げられる。上記溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔電解質膜の製造方法〕
本実施形態における電解質膜の製造方法(成膜法)としては、特に限定されず、公知の、押し出し方法、キャスト成膜方法を用いることができる。電解質膜は単層でも多層(2〜5層)でもよく、多層の場合は性質の異なる膜(例えば、EWや官能基の異なる樹脂)を積層することにより、電解質膜の性能を改善することができる。多層の場合は、押し出し製膜時、キャスト時に積層させるか、又は得られたそれぞれの膜を積層させればよい。
また、上記方法で成膜された電解質膜は、充分水洗浄し(又は必要に応じて、水洗前に、希薄な、塩酸、硝酸、硫酸等の水性酸性液で処理し)不純物を除去して、膜を空気中(好ましくは不活性ガス中)で、好ましくは130〜200℃、より好ましくは140〜180℃、さらに好ましくは150〜170℃で、1〜60分間熱処理することが好ましい。熱処理の時間は、より好ましくは1〜30分であり、さらに好ましくは2〜20分であり、よりさらに好ましくは3〜15分、さらにより好ましくは5〜10分程度である。
上記熱処理を行う理由の一つは、成膜時のままの状態では、原料由来の粒子間(一次粒子及び二次粒子間)及び分子間で樹脂が充分に絡み合っていないため、その粒子間及び分子間で樹脂を絡み合わせる目的で、特に耐水性(特に熱水溶解成分比率を下げ)、水の飽和吸水率を安定させ、安定なクラスターを生成させるために有用だからである。また、膜強度向上の観点からも有用である。特にキャスト成膜法を用いた場合には有用である。
また、他の理由としては、PFSA樹脂の分子間で、微小な分子間架橋を生成させることにより、耐水性に優れ且つ安定なクラスター生成に寄与し、さらに、クラスター径を均一に且つ小さくする効果があると推測されるからである。
さらには、イオン交換樹脂組成物中のPFSA樹脂のイオン交換基の少なくとも一部分が、その他の添加物(樹脂を含む)成分の活性反応部位(芳香環など)と、反応し、それを介して、(特に分散している添加物であるその他樹脂成分の近くに存在するイオン交換基の反応により)微小な架橋が生成して安定化するものと推測される。この架橋の程度は、EW(熱処理前後のEW低下の程度)に換算して、0.001〜5%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.2〜2%程度である。
また、上記処理条件(時間、温度)の上限以下であることにより、脱フッ素、脱フッ酸、脱スルホン酸、熱酸化部位などの発生が抑制され、それに由来する分子構造の欠陥が抑制されるため、電解膜の耐酸化劣化性が向上する傾向にある。一方、処理条件の下限以上であることにより、上述した本処理の効果が十分となる傾向にある。
本実施形態における電解質膜は、イオン選択透過性に優れ、電気抵抗も低く、耐久性(主に、ヒドロキシラジカル耐酸化性)にも優れており、レドックスフロー二次電池用の隔膜として優れた性能を発揮する。なお、本明細書中の各物性は、特に明記しない限り、以下の実施例に記載された方法に準じて測定することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
(1) PFSA樹脂前駆体のメルトフローインデックス
ASTM:D1238に準拠して、測定条件:温度270℃、荷重2160gで測定を行った。
(2) PFSA樹脂の当量質量EWの測定
PFSA樹脂0.3gを、25℃、飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置した。次いで、飽和NaCl水溶液中の遊離プロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定した。中和滴定の終点をpH7とし、中和滴定後に得られた、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっているPFSA樹脂分を純水ですすぎ、さらに上皿乾燥機により160℃で乾燥し、秤量した。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっているPFSA樹脂の質量をW(mg)とし、下記式より当量質量EW(g/eq)を求めた。
EW=(W/M)−22
以上の操作を5回繰り返した後、算出された5つのEW値の最大値および最小値を除き、3つの値を相加平均して測定結果とした。
(3) イオン伝導度の測定
日本ベル株式会社製高分子膜水分量試験装置MSB−AD−V−FCを用いて以下のとおり測定した。
50μmの厚みで製膜した高分子電解質膜を幅1cm、長さ3cmに切り出し、伝導度測定用セルにセットした。次いで、伝導度測定用セルを上記試験装置のチャンバー内にセットし、チャンバー内を110℃、1%RH未満に調整した。次いで、チャンバー内にイオン交換水を用いて生成した水蒸気を導入し、50%RHでチャンバー内を加湿しながら上記各湿度でのイオン伝導度を測定した。
(4) 平衡含水率の測定
PFSA樹脂の分散液を清澄なガラス板上に塗布し、150℃で約10分間乾燥し、剥離して約30μmの膜を形成させ、これを23℃の水中に約3時間放置し、その後23℃、関係湿度(RH)50%の部屋に24時間放置した時の平衡含水率を測定した。基準の乾燥膜としては、80℃真空乾燥膜を用いた。平衡含水率は、膜の質量変化から算出した。
(5) 充放電試験
レドックスフロー二次電池は、隔膜の両側にて、液透過性で多孔質の集電体電極(負極用、正極用)を隔膜の両側にそれぞれ配置し、押圧でそれらを挟み、隔膜で仕切られた一方を正極セル室、他方を負極セル室とし、スペーサーで両セル室の厚みを確保した。正極セル室には、バナジウム4価(V4+)及び同5価(V5+)を含む硫酸電解液からなる正極電解液を、負極セル室にはバナジウム3価(V3+)及び同2価(V2+)を含む負極電解液を流通させ、電池の充電及び放電を行った。このとき、充電時には、正極セル室においては、バナジウムイオンが電子を放出するためV4+がV5+に酸化され、負極セル室では外路を通じて戻って来た電子によりV3+がV2+に還元された。この酸化還元反応では、正極セル室ではプロトン(H)が過剰になり、一方負極セル室では、プロトン(H)が不足するが、隔膜は正極セル室の過剰なプロトンを選択的に負極室に移動させ電気的中性が保たれた。放電時には、この逆の反応が進んだ。
この時の電池効率(エネルギー効率)は、放電電力量を充電電力量で除した比率(%)で表され、両電力量は、電池セルの内部抵抗と隔膜のイオン選択透過性及びその他電流損失に依存する。
また、電流効率(%)は、放電電気量を充電電気量で除した比率(%)で表され、両電気量は、隔膜のイオン選択透過性及びその他電流損失に依存する。電池効率は、電流効率と電圧効率の積で表される。内部抵抗すなわちセル電気抵抗率の減少は電圧効率を向上させ、イオン選択透過性の向上及びその他電流損失の低減は、電流効率を向上させるので、レドックスフロー二次電池において、重要な指標となる。
充放電実験は、上述のようにして得られた電池を用いて行った。全バナジウム濃度が2M/Lで、全硫酸濃度が4M/Lでの水系電解液を使用し、また、設置した正極及び負極セル室の厚みがそれぞれ5mmで、両多孔質電極と隔膜の間には炭素繊維からなる厚み5mmで嵩密度が約0.1g/cmの多孔質状のフエルトを挟んで用いた。充放電実験は電流密度80mA/cmで実施した。
セル電気抵抗率は、ACインピーダンス法を用いて、放電開始時においてAC電圧10mV,周波数20kHzでの直流抵抗値を測定し、それに電極面積を掛けることによって求めた。
(実施例1〜6)
(1)PFSA樹脂前駆体の作製
ステンレス製攪拌式オートクレーブに、C15COONHの10%水溶液と純水とを仕込み、十分に真空、窒素置換を行った後、テトラフルオロエチレン(CF=CF)ガスを導入してケージ圧力で0.7MPaまで昇圧した。引き続いて、過硫酸アンモニウム水溶液を注入して重合を開始した。重合により消費されたTFEを補給するため、連続的にTFEガスを供給してオートクレーブの圧力を0.7MPaに保つようにして、供給したTFEに対して、質量比で0.70倍に相当する量のCF=CFO(CF−SOFを連続的に供給して重合を行い、それぞれ重合条件を最適な範囲に調整して、各種のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂前駆体粉末を得た。得られたPFSA樹脂前駆体粉末のMFIは、それぞれ、A1が1.0(g/10分)、A2が0.5(g/10分)、A3が1.5(g/10分)、A4が1.5(g/10分)、A5が1.8(g/10分)、A6が2.0(g/10分)であった。
(2)パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、及びその分散溶液の作製
得られたPFSA樹脂前駆体粉末を、水酸化カリウム(15質量%)とメチルアルコール(50質量%)を溶解した水溶液中に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、60℃水中に5時間浸漬した。次に、60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回塩酸水溶液を更新して5回繰り返した後、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、スルホン酸基(SOH)を有し、式(1)で表される構造を有するPFSA樹脂を得た。得られたPFSA樹脂のEWは、それぞれ、A1が527(g/eq)、A2が578(g/eq)、A3が650(g/eq)、A4が910(g/eq)、A5が1100(g/eq)、A6が1500(g/eq)であった。
得られたPFSA樹脂を、エタノール水溶液(水:エタノール=50:50(質量比))と共に5Lオートクレーブ中に入れて密閉し、翼で攪拌しながら160℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、5質量%の均一なPFSA樹脂分散液を作製した。次に、これらの100gのPFSA樹脂分散液に純水100gを添加、攪拌した後、この液を80℃に加熱、攪拌しながら、固形分濃度が20質量%になるまで濃縮した。
得られたPFSA樹脂分散液を、上記同様の順に、分散液(ASF1)、分散液(ASF2)、分散液(ASF3)、分散液(ASF4)、分散液(ASF5)、分散液(ASF6)とした。
(3)電解質膜の作製
得られた分散液(ASF1〜ASF6)を、公知の通常の方法にて、担体シートであるポリイミド製フィルム上にキャストし、120℃(20分)の熱風を当てて、溶媒をほぼ完全に飛ばし、乾燥させることにより膜を得た。これをさらに、160℃10分の条件下における熱風空気雰囲気下で、熱処理することにより膜厚50μmの電解質膜を得た。得られた電解質膜の上記熱処理前後のEWは、その変化率が0.2〜0.3%程度であった。
得られた電解質膜の平衡含水率は、ASF1(23質量%)、ASF2(19質量%)、ASF3(12質量%)、ASF4(12質量%)、ASF5(11質量%)、ASF6(9質量%)であった。
25℃水中3時間におけるそれぞれの電解質膜の最大含水率は、それぞれ、ASF1(50質量%)、ASF2(27質量%)、ASF3(23質量%)、ASF4(23質量%)、ASF5(20質量%)、ASF6(18質量%)であった。ここで、最大含水率は、平衡含水率測定時に観測される最大値を示す。
電解質膜のイオン伝導度は、それぞれ、ASF1(0.14S/cm)、ASF2(0.12S/cm)、ASF3(0.1S/cm)、ASF4(0.06S/cm)、ASF5(0.06S/cm)、ASF6(0.05S/cm)であった。
次に各電解質膜を、バナジウムレドックスフロー二次電池の隔膜として用いて充放電試験を行った。ASF1〜6を、電解液中で充分平衡にしてから充放電実験を行い、その後安定な状態にしてから、セル電気抵抗率及び電流効率を測定した、各膜の電流効率(%)/セル電気抵抗率(Ω・cm 2 は、それぞれ、ASF1(98.5/0.65)、ASF2(98.0/0.70)、ASF3(97.5/0.90)、ASF4(96.5/0.90)、ASF5(96.0/0.95)、ASF6(95.5/1.05)であり、実施例1〜3においては、特に優れた傾向が見られた。
(実施例7)
実施例1で用いた20%PFSA樹脂分散液(ASF1)の代わりに、PFSA樹脂分散液(ASF3)とナフィオンDE2021(デュポン社製、20%溶液、EW1050)を50:50(質量比)で混合した混合分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にして電解質膜を得た。この膜の平衡含水率は12質量%であった。
得られた電解質膜を用いて、実施例と同様の方法によりイオン伝導度を測定したところ0.06S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により充放電試験を行った結果、電流効率(%)/セル電気抵抗率(Ω・cm)は96.0/0.95であった。
(実施例8)
実施例1で用いた20%PFSA樹脂分散液(ASF1)の代わりに、PFSA樹脂分散液(ASF3)とナフィオンDE2021(デュポン社製、20%溶液、EW1050)を10:90(質量比)で混合した混合分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にして電解質膜を得た。この膜の平衡含水率は10質量%であった。
得られた電解質膜を用いて、実施例と同様の方法によりイオン伝導度を測定したところ0.05S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により充放電試験を行った結果、電流効率(%)/セル電気抵抗率(Ω・cm)は95.5/1.00であった。
(実施例9)
上記PFSA樹脂分散液(ASF3)に、アルカリ水溶液(KOH10%水溶液)に分散させたポリフェニレンスルフィド粉末(シェブロン・フィリップス社製、型番P−4)を、均一に混合分散しながら攪拌し、最終的に、固形成分で、PFSA樹脂成分100質量部に対して5質量部となるように均一に混合した。次にこれらを、粒子状カチオン交換樹脂粒子を充填したカラムに通して、アルカリイオン成分をほぼ完全に除去し、PFSA樹脂分散液(ASF7)とした。
得られたPFSA樹脂分散液(ASF7)を、公知の通常の方法にて、担体シートであるポリイミド製フィルム上にキャストし、120℃(20分)の熱風を当てて、溶媒をほぼ完全に飛ばし、乾燥させることにより膜を得た。これを更に、160℃10分の条件下における熱風空気雰囲気下で、熱処理することにより膜厚50μmの電解質膜を得た。得られた電解質膜の上記熱処理前後のEWは、その変化率が0.2〜0.3%程度であった。得られた電解質膜の平衡含水率は12質量%であった。25℃水中3時間における電解質膜の最大含水率は18質量%であった。また、実施例1と同様の方法により充放電試験を行った結果、電流効率(%)/セル電気抵抗率(Ω・cm2)は、98.5/0.97であった。
(比較例1)
実施例1で用いた20%PFSA樹脂分散液(ASF1)の代わりにナフィオンDE2021(デュポン社製、20%溶液、EW1050)を用いたこと以外は実施例1と同様にして電解質膜を得た。この膜の平衡含水率は6質量%であった。
得られた電解質膜を用いて、実施例と同様の方法によりイオン伝導度を測定したところ0.04S/cmであり、イオン伝導度が小さく、実施例の膜よりも劣っていた。また、実施例と同様の方法により充放電試験を行った結果、電流効率(%)/セル電気抵抗率(Ω・cm)は94.5/1.20であり、電流効率についても、実施例よりもかなり低いレベルであった。
(比較例2)
ナフィオン112(膜厚50μm)を用いて実施例1と同様の方法により充放電試験を行った結果、電流効率(%)/セル電気抵抗率(Ω・cm)は94.0/1.20であった。
表1に、上記実施例1〜9及び比較例1〜2の結果を示す。
Figure 0005972286
本出願は、2011年12月28日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2011−290033)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の電解質膜は、イオンの選択透過性に優れ、電気抵抗も低く、耐久性(主に、ヒドロキシラジカル耐酸化性)にも優れており、レドックスフロー二次電池用の隔膜としての産業上利用可能性を有する。
1 正極
2 正極セル室
3 負極
4 負極セル室
5 電解質膜
6 電解槽
7 正極電解液タンク
8 負極電解液タンク
9 交直変換装置
10 レドックスフロー二次電池

Claims (14)

  1. 炭素電極からなる正極を含む正極セル室と、
    炭素電極からなる負極を含む負極セル室と、
    前記正極セル室と、前記負極セル室とを隔離分離させる、隔膜としての電解質膜と、
    を含む電解槽を有し、
    前記正極セル室は正極活物質を含む正極電解液を含み、前記負極セル室は負極活物質を含む負極電解液を含み、
    前記電解液中の前記正極活物質及び前記負極活物質の価数変化に基づき充放電するレドックスフロー二次電池であって、
    前記電解質膜が、下記式(1)で表される構造を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を含む、イオン交換樹脂組成物を含み、
    前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜1500g/eqであり、
    前記電解質膜の110℃、相対湿度50%RHにおけるイオン伝導度が、0.05S/cm以上である、
    レドックスフロー二次電池。
    −[CF2−CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2m−SO3H)]g− (1)
    (式(1)中、a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1を満たす数を示し、mは1〜6の整数を示す。)
  2. 前記mが2である、請求項1に記載のレドックスフロー二次電池。
  3. 前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、527〜1500g/eqである、請求項1又は2に記載のレドックスフロー二次電池。
  4. 前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜700g/eqである、請求項1又は2に記載のレドックスフロー二次電池。
  5. 前記正極電解液及び前記負極電解液が、バナジウムを含む硫酸電解液である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池。
  6. 前記電解質膜の平衡含水率が、5〜80質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池。
  7. 前記イオン交換樹脂組成物が、前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部のポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池。
  8. 下記式(1)で表される構造を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を含む、イオン交換樹脂組成物を含み、
    前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜1500g/eqであり、
    110℃、相対湿度50%RHにおけるイオン伝導度が、0.05S/cm以上である、
    レドックスフロー二次電池用電解質膜。
    −[CF2−CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2m−SO3H)]g− (1)
    (式(1)中、a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1を満たす数を示し、mは1〜6の整数を示す。)
  9. 前記mが2である、請求項8に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
  10. 前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、527〜1500g/eqである、請求項8又は9に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
  11. 前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の当量質量EW(イオン交換基1当量あたりの乾燥質量グラム数)が、250〜700g/eqである、請求項8又は9に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
  12. 平衡含水率が5〜80質量%である、請求項8〜11のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
  13. 前記イオン交換樹脂組成物が、前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部のポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を含む、請求項8〜12のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜。
  14. 請求項8〜13のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解質膜の製造方法であって、
    前記イオン交換樹脂組成物を成膜して電解質膜を得る工程と、
    前記電解質膜を、130〜200℃にて1〜60分間加熱処理する工程と、
    を有する、レドックスフロー二次電池用電解質膜の製造方法。
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