JP5454015B2 - 高分子電解質膜とその製造方法、及び高分子電解質膜積層体とその製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は以下の構成からなる。
[1] イオン性基含有高分子電解質膜を連続的に水又は水を主成分とする溶液を入れた一つ以上の槽(湿式処理槽)を通過させる湿式処理をした後ロール状に巻き取る高分子電解質膜の製造方法において、該湿式処理を施した高分子電解質膜を、温度及び相対湿度を一定に制御した空間を通過させた後、巻き取ることを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
[2] 該温度及び相対湿度が一定に制御された空間が、2つ以上の空間からなり、各空間の温度又は相対湿度の少なくとも一方が異なることを特徴とする[1]に記載の高分子電解質膜の製造方法。
[3] 該空間において、湿式処理槽側を上流側、巻取り側を下流側とした際、最上流側に位置する空間の相対湿度が、最下流側に位置する空間の相対湿度よりも低いことを特徴とする[2]に記載の高分子電解質膜の製造方法。
[4] 最上流側の空間の相対湿度が、最下流側に位置する空間の相対湿度より5〜60%RH低いことを特徴とする[3]に記載の高分子電解質膜の製造方法。
[5] 最上流側に位置する空間の相対湿度が15〜30%RHの範囲であり、かつ最下流側に位置する空間の相対湿度が20〜50%RHの範囲であることを特徴とする[4]に記載の高分子電解質膜の製造方法。
[6] いずれの空間においても温度が15〜40℃の範囲であり、かつ相対湿度が10〜70%RHの範囲であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
[7] いずれの空間における滞留時間が10分以内であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
[8] 温度及び相対湿度の制御された空間が、3つ以上の空間からなり、湿式処理槽側を上流側、巻取り側を下流側、上流側と下流側の間に位置する空間を中流部とした際、最上流側に位置する空間の相対湿度が、中流部に位置する少なくとも一つの空間の相対湿度よりも高く、かつ、中流部に位置する少なくとも一つの空間の相対湿度が、最下流側に位置する空間よりも低いことを特徴とする[2]〜[7]のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
[9] 巻き取られる際の高分子電解質膜の含水率が、高分子電解質膜が使用される環境における温度及び相対湿度における平衡含水率に対して、80〜120%の範囲であるように、各空間の温度及び相対湿度を設定することを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
[10] [9]の方法で得られた高分子電解質膜に、支持体を付与して高分子電解質膜積層体を製造する方法において、高分子電解質膜の含水率が、高分子電解質膜が使用される環境における温度及び相対湿度における平衡含水率に対して、80〜120%の範囲であるように、工程の温度及び相対湿度を設定することを特徴とする高分子電解質膜積層体の製造方法。
[11] 請求項1〜9のいずれかに記載の方法で製造され、含水率が、23℃、50%RH雰囲気下における平衡含水率の80〜120%の範囲内であることを特徴とする高分子電解質膜。
[12] 請求項10に記載方法で製造され、高分子電解質膜の含水率が、23℃、50%RH雰囲気下における平衡含水率の80〜120%の範囲内であることを特徴とする高分子電解質膜積層体
本発明における高分子電解質膜の製造工程において、湿式処理を行うまでの高分子電解質膜(以後、高分子電解質膜1、とする)は、公知の任意の方法で得ることができる。例えば、支持体上にイオン性基含有高分子電解質を押出法、圧延法または流延(キャスティング)法によって膜状物として形成させることが挙げられる。このうち、イオン性基含有高分子電解質の溶媒溶液を支持体上に流延させるキャスティング法が好ましい。
溶液のキャスティング厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、ガラスシャーレなどを用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御したりすることができる。キャスティングした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温で行い、後に昇温させる方法がある。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくなどして化合物の凝固速度を調整することができる。また、連続する支持体上にキャストした後、温度を制御した乾燥プロセスや浸漬槽を連続的に通過させることにより製造することができる。
また、溶液の粘度が高い場合には、支持体や溶液を加熱して高温でキャスティングすると溶液の粘度が低下して容易にキャスティングすることができる。
イオン性基含有高分子電解質の溶媒と混和する液体とは、溶媒と混和し、脱溶媒できるものであれば特に限定されないが、水が好ましい。脱溶媒の槽は、必要に応じて複数設置することができる。下で述べる酸処理工程を必要としない場合は、引き続いて乾燥工程(D)で乾燥される。
酸処理工程(B)における無機酸とは、塩酸、硝酸、硫酸などの水溶液を使用することができる。酸性水溶液に接触させる際の温度は特に限定されない。
膜を支持体から剥離することなく酸性水溶液に接触させることにより、膜全面が支持体で固定され、膜平面方向の膨潤が抑制され、厚みムラやシワの発生を低減することができる。
酸処理膜中の過剰な酸を除去する工程は、水に接触させることが好ましい。水に接触させる方法としては、水又は水を主成分とする溶液を入れた一つ以上の槽(湿式処理槽)を通過させる湿式処理により実施される。また、水との接触前記湿式処理を繰り返し行っても構わない。除去工程は膜が支持体に保持された状態で行われることが、膜の品位の面で好ましい。
温度及び相対湿度を一定に制御した空間は、温度あるいは相対湿度の少なくとも一方が異なった2種以上の空間から構成されていると、膜の含水率の制御を短時間に容易にできるようになるため好ましい。その場合、該空間において、湿式処理槽側を上流側、巻取り側を下流側とした際、最上流側に位置する空間の相対湿度が、最下流側に位置する空間の相対湿度よりも低いと、高分子電解質膜の品位が向上するため好ましい。また、その差は、5〜60%RHの範囲であると、膜の含水率制御が容易になるため好ましい。
最上流側に位置する空間の相対湿度が15〜30%RHの範囲であり、かつ最下流側に位置する空間の相対湿度が20〜50%RHの範囲であると、含水率のばらつきが、より減少するだけでなく、高分子電解質膜の品位が向上し、カールや剥離が少なく取り扱い性に優れた高分子電解質膜積層体を得ることが容易になるため好ましい。
温度及び相対湿度が制御された空間は、いずれの空間においても温度が15〜40℃の範囲であり、かつ相対湿度が10〜70%RHの範囲であると、より含水率の制御が容易になり、高分子電解質膜の品位が向上することから好ましい。
温度及び相対湿度が制御された空間は、いずれの空間における滞留時間が10分以内であること高分子電解質膜の製造効率の面から好ましく、1〜10分の間であることが好ましく、3〜7分であることが好ましい。滞留時間が長くなりすぎると、生産効率の低下を招くため好ましくなく、滞留時間が短すぎると、含水率制御が困難になるため好ましくない。
また、前記の方法で得られた高分子電解質膜に、支持体を付与して高分子電解質膜積層体を製造する場合において、高分子電解質膜の含水率が、高分子電解質膜が使用される環境における温度及び相対湿度における平衡含水率に対して、80〜120%の範囲であるように、工程の温度及び相対湿度を設定すると、カールや剥離が少なく取り扱い性に優れた高分子電解質膜積層体を得ることが容易になるため好ましい。
上記の製造方法で製造され、高分子電解質膜の含水率が、23℃、50%RH雰囲気下における該高分子電解質膜の平衡含水率の80〜120%の範囲内であると、通常の使用環境において、変形が生じにくくなるため好ましく、さらに支持体を積層した場合でも、カールや剥離などの問題が生じにくくなるため好ましい。さらに好ましい範囲は、90〜110%の範囲である。
また、上記の方法で製造され、高分子電解質膜の含水率が、23℃、50%RH雰囲気下における該高分子電解質膜の平衡含水率の80〜120%の範囲内であると、通常の使用環境において、カールや剥離などの問題が生じにくくなるため好ましい。さらに好ましい範囲は、90〜110%の範囲である。
例えば、芳香族炭化水素系のイオン性基含有ポリマーとしては、ポリマー主鎖に芳香族あるいは芳香環とエーテル結合、スルホン結合、単結合、イミド結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、スルフィド結合、カーボネート結合及びケトン結合から選択される少なくとも1種以上の結合基を有する構造を持つ非フッ素系のイオン伝導性ポリマーであり、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリフェニルキノキサリン、ポリアリールケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド等の構成成分の少なくとも1種を含むポリマーに、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、及びそれらの誘導体の少なくとも1種が導入されているポリマーが挙げられる。
なお、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボシキル基などの官能基をポリマーに含むことで、ポリマーのイオン伝導性が発現される。この中で特に有効に作用する官能基は、スルホン酸基である。また、ここでいうポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有しているポリマーの総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含むとともに、これらのポリマーを使用することができる。これらのポリマーは、芳香族基あるいは脂肪族基からなる側鎖を有していてもよいし、その側鎖上にイオン性基を有していてもよい。
数式1
0.05≦(n3+n4)/(n3+n4+n5+n6)≦0.7 数式2
0.01≦(n4+n6)/(n3+n4+n5+n6)≦0.95 数式3(上記数式中、n3は一般式7で表される繰り返し単位のモル%を、n4は一般式1で表される繰り返し単位のモル%を、n5は一般式8で表される繰り返し単位のモル%を、n6は一般式2で表される繰り返し単位のモル%を、n7はその他の繰り返し単位のモル%を、それぞれ表す。)
上述の芳香族求核置換反応において、一般式9〜12で表される化合物とともに他の各種活性化ジハロゲン芳香族化合物やジニトロ芳香族化合物、ビスフェノール化合物、ビスチオフェノール化合物をモノマーとして併用することもできる。
測定対象試料を、0.5g/dLの濃度でN−メチルピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度ln[ta/tb]/cで評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶剤のみの落下秒数、cは試料溶液のポリマー濃度[単位:g/dL])。
高分子電解質膜から、1分以内に10cm×10cmの大きさのサンプルを切り出し、切り出し後1分以内に重量を測定した(Wwet)。その後、高分子電解質膜を120℃の熱風乾燥機中で2時間乾燥し、直ちに重量を測定した(Wdry)。以下の式で含水率を求めた。
含水率(質量%)=(Wwet−Wdry)÷(Wdry)×100
製造後の高分子電解質膜から、15cm四方のサンプルを5枚用意し、測定する雰囲気下に24時間放置した。その後、サンプルより10cm四方のサンプルを切り出し、含水率測定法により測定算出した。
各雰囲気下で、高分子電解質前駆体膜が通過する場所において、膜から5cm以内の場所に温湿度測定装置の測定プローブを配置して、温度及び相対湿度を測定した。
カールの評価方法としては、所定の温湿度に設定した恒温恒湿機に10cm×10cmの高分子電解質膜積層体サンプルを入れ30分以上経過した後、その形状を観察する方法を採用した。
カールの評価 ○:1回転未満のカール ×:1回転以上のカール
<膜品位>
高分子電解質膜(積層体の場合は支持体から剥離したもの)を10×10cmの正方形に切り出したものを10枚用意し、方眼紙上に置き、目視で外観を検査した。
○:いずれも正方形で、しわ、凹凸のないもの
△:正方形だが、しわや凹凸があるもの、あるいは正方形ではないが、しわや凹凸がないものの合計が5枚以下であるもの
×:正方形ではないもの、正方形だが、しわや凹凸があるもの、あるいは正方形ではないが、しわや凹凸がないものの合計が5枚以下であるものの合計が5〜10枚であるもの。
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩100.0g、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン23.3g、4,4’−ビフェノール25.2g、炭酸カリウム21.5g、N−メチル−2−ピロリドンを210g入れて、窒素雰囲気下にて155℃で1時間撹拌した後、反応温度を200℃に上昇させて系の粘性が十分上がるのを目安に反応を続けた。放冷の後、水中にストランド状に沈殿させ、得られたポリマーを水中で40時間洗浄した後、乾燥した。このポリマーのこのポリマーの対数粘度は1.16dL/gであった。
次いで、このポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として用い、ポリマー濃度が25質量%となるようにポリマー溶液を調整した。調整した溶液を、支持体のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ブレードコーターにて厚み200μmになるよう温度20℃で連続的に流延し、温度140℃で30分間乾燥して、流延膜が乾燥によって自己支持性を示すようになったポリマー膜を支持体上に密着した状態で得た。引き続き、支持体からポリマー膜を剥がすことなく30℃、20質量%硫酸水溶液に10分間浸漬し、次いで、支持体からポリマー膜を剥がすことなく30℃純水に40分間浸漬し、さらに、支持体からポリマー膜を剥がすことなく25℃30%RHの第1空間を滞留時間10分で通過させた後、ロール状に巻き取り、高分子電解質膜を得た。本高分子電解質膜の含水率は17%であった(本高分子電解質膜の23℃、50%RHにおける平衡含水率は15%)。本高分子電解質膜を膜使用条件である、25℃50%RH雰囲気の下で、支持体から剥がし、粘着層を有するポリエステル系高分子フィルムと積層させた後、10cm×10cmのサンプルの切り出しを実施したところ、該サンプルでのカールは約半回転であった。
実施例1において巻き取り側に第2空間を加え、温度、相対湿度、滞留時間を変えて評価した。
実施例2において巻き取り側に第3空間を追加し、各空間の温度、相対湿度、滞留時間を変えて評価した。
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩778g、2,6−ジクロロベンゾニトリル553g、4,4’−ビフェノール893g、炭酸カリウム762g、N−メチル−2−ピロリドンを5621g入れて、窒素雰囲気下にて155℃で1時間撹拌した後、反応温度を200℃に上昇させて系の粘性が十分上がるのを目安に反応を続けた。放冷の後、水中にストランド状に沈殿させ、得られたポリマーを水中で40時間洗浄した後、乾燥した。このポリマーのこのポリマーの対数粘度は1.09dL/g、軟化温度は245℃であった。
次いで、このポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として用い、ポリマー濃度が25質量%となるようにポリマー溶液を調整した。調整した溶液を、支持体のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ブレードコーターにて厚み200μmになるよう温度20℃で連続的に流延し、温度140℃で30分間乾燥して、流延膜が乾燥によって自己支持性を示すようになったポリマー膜を支持体上に密着した状態で得た。引き続き、支持体からポリマー膜を剥がすことなく30℃、20質量%硫酸水溶液に10分間浸漬し、次いで、支持体からポリマー膜を剥がすことなく30℃純水に40分間浸漬し、さらに、支持体からポリマー膜を剥がすことなく30℃20%RHの第1空間を滞留時間5分間で通過させた後、23℃50%RHの第2空間を滞留時間5分で通過させて巻き取り、支持体からポリマー膜を剥がして高分子電解質膜を得た。
得られた高分子電解質膜とポリエステル系高分子フィルムとが積層された高分子電解質膜積層体のロールサンプルを使用環境である20℃30%RHの環境に移した後、最外層より1mの部分で10cm×10cmのサンプルの切り出しを実施したところ、該サンプルでは全くカールが発生しなかった。
3,3’,4,4‘−テトラアミノジフェニルスルホン30g、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム29g、ポリリン酸(五酸化リン含量75%)400g、五酸化リン320gを重合容器に量り取る。窒素を流し、オイルバス上ゆっくり撹拌しながら100℃まで昇温 する。100℃で1時間保持した後、150℃に昇温 して1時間、200℃に昇温 して4時間重合した。重合終了後放冷し、水を加えて重合物を取り出し、家庭用ミキサーを用いてpH試験紙中性になるまで水洗を繰り返した。得られたポリマーは80℃で終夜減圧乾燥した。ポリマーの対数粘度は、1.63を示した。得られたポリマーとNMP500mlを撹拌しながら、オイルバス上で170℃に加熱してポリマー溶液を調整した。調整した溶液を、支持体のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ブレードコーターにて厚み200μmになるよう温度20℃で連続的に流延し、温度140℃で30分間乾燥して、流延膜が乾燥によって自己支持性を示すようになったポリマー膜を支持体上に密着した状態で得た。引き続き、支持体からポリマー膜を剥がすことなく30℃純水に40分間浸漬し、さらに、支持体からポリマー膜を剥がすことなく25℃30%RHの第1空間を滞留時間5分で通過させた後、23℃50%RHの第2空間を滞留時間5分で通過させて巻き取り、高分子電解質膜を得た。本高分子電解質膜の含水率は5%であった(本稿分子電解質膜の23℃、50%RHにおける平衡含水率は4%)本高分子電解質膜を使用環境である25℃50%RH雰囲気の下で支持体から剥がし、粘着層を有するポリエステル系高分子フィルムと積層させた後、10cm×10cmのサンプルの切り出しを実施したところ、該サンプルでのカールは約1/5回転であった。
〔実施例2〜7〕
実施例1において第2空間を加え、温度、相対湿度、滞留時間を変えた以外は実施例1と同様に評価した。
実施例1で得られた高分子電解質を、25℃50%RHの環境下で連続的に製膜時の支持体から剥離し、自己粘着性の結晶性ポリプロピレンシート(50μm)と連続的に積層した。得られた高分子電解質膜積層体は、使用環境である25℃50%RHにおいてカールが発生しなかった。
実施例2で得られた高分子電解質を、25℃40%RHの環境下で連続的に製膜時の支持体から剥離し、自己粘着性の結晶性ポリプロピレンシート(50μm)と連続的に積層した。得られた高分子電解質膜積層体は、使用環境である25℃40%RHにおいてカールが発生しなかった。
実施例1において、湿式処理が完了した高分子電解質膜をそのままロールに巻き取ったほかは同様にして評価した。
実施例1において、湿式処理が完了した高分子電解質膜を吸水ロールで表面の水分を除去したあとで巻き取ったほかは同様にして評価した。
実施例1において、湿式処理が完了した高分子電解質膜を、温度が20〜40℃の範囲で、相対湿度が30〜70%RHの範囲で変動する空間に滞留時間10分で通過させて巻き取ったほかは同様にして評価した。
実施例1において、湿式処理が完了した高分子電解質膜を、温度が20〜40℃の範囲で、相対湿度が30〜70%RHの範囲で変動する空間に滞留時間5分で通過させ、温度が30〜50℃の範囲で、相対湿度が35〜75RHの範囲で変動する空間に滞留時間5分で通過させて巻き取ったほかは同様にして評価した。
Claims (12)
- 支持体上にキャスティング法によって作製したイオン性基含有高分子電解質膜を該支持体から剥離することなく連続的に水又は水を主成分とする溶液を入れた一つ以上の槽(湿式処理槽)を通過させる湿式処理をした後ロール状に巻き取る高分子電解質膜の製造方法において、該湿式処理を施した高分子電解質膜を、温度及び相対湿度を一定に制御した空間を通過させた後、巻き取ることを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
- 該温度及び相対湿度が一定に制御された空間が、2つ以上の空間からなり、各空間の温度又は相対湿度の少なくとも一方が異なることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜の製造方法。
- 該空間において、湿式処理槽側を上流側、巻取り側を下流側とした際、最上流側に位置する空間の相対湿度が、最下流側に位置する空間の相対湿度よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜の製造方法。
- 最上流側の空間の相対湿度が、最下流側に位置する空間の相対湿度より5〜60%RH低いことを特徴とする請求項3に記載の高分子電解質膜の製造方法。
- 最上流側に位置する空間の相対湿度が15〜30%RHの範囲であり、かつ最下流側に位置する空間の相対湿度が20〜50%RHの範囲であることを特徴とする請求項4に記載の高分子電解質膜の製造方法。
- いずれの空間においても温度が15〜40℃の範囲であり、かつ相対湿度が10〜70%RHの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
- いずれの空間における滞留時間が10分以内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
- 温度及び相対湿度の制御された空間が、3つ以上の空間からなり、湿式処理槽側を上流側、巻取り側を下流側、上流側と下流側の間に位置する空間を中流部とした際、最上流側に位置する空間の相対湿度が、中流部に位置する少なくとも一つの空間の相対湿度よりも高く、かつ、中流部に位置する少なくとも一つの空間の相対湿度が、最下流側に位置する空間よりも低いことを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
- 巻き取られる際の高分子電解質膜の含水率が、高分子電解質膜が使用される環境における温度及び相対湿度における平衡含水率に対して、80〜120%の範囲であるように、各空間の温度及び相対湿度を設定することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
- 請求項9の方法で得られた高分子電解質膜に、支持体を付与して高分子電解質膜積層体を製造する方法において、高分子電解質膜の含水率が、高分子電解質膜が使用される環境における温度及び相対湿度における平衡含水率に対して、80〜120%の範囲であるように、工程の温度及び相対湿度を設定することを特徴とする高分子電解質膜積層体の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の方法で製造され、含水率が、23℃、50%RH雰囲気下における平衡含水率の80〜120%の範囲内であることを特徴とする高分子電解質膜。
- 請求項10に記載方法で製造され、高分子電解質膜の含水率が、23℃、50%RH雰囲気下における平衡含水率の80〜120%の範囲内であることを特徴とする高分子電解質膜積層体。
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JP2004123971A (ja) * | 2002-10-04 | 2004-04-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | スルホン化高分子膜の製造方法 |
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