JP5446616B2 - 高分子電解質膜積層体 - Google Patents
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Description
高分子電解質膜とプラスチックフィルムとの剥離強度は、0.005N/20mm以下でなければならない。剥離強度が0.005N/20mmを超えると、環境温湿度が変化しても、プラスチックフィルムと高分子電解質膜が容易に剥離できずに、筒状のカールが発生してしまう。両者の剥離強度は小さいほど好ましく、0N/20mmが最も好ましい。なおこの剥離強度は、23℃、50±5%RHの雰囲気下で測定する。
本発明における高分子電解質膜を形成するポリマーとしては、任意の高分子電解質を用いることができる。一般に、主として芳香族基から構成されている主鎖骨格を有する芳香族系高分子電解質を用いる場合、輸送、保管、加工時における膜の変形や損壊の問題が起こりやすいが、本発明の高分子電解質膜積層体とすることでそれらの問題を解消することができる。よって、本発明では芳香族系高分子電解質を用いることが好ましい。
≦1.0 (数式1)
0.05≦(n3+n4)/(n3+n4+n5+n6)
≦0.7 (数式2)
0.01≦(n4+n6)/(n3+n4+n5+n6)
≦0.95 (数式3)
(上記数式中、n3は一般式7で表される繰り返し単位のモル%を、n4は一般式1で表される繰り返し単位のモル%を、n5は一般式8で表される繰り返し単位のモル%を、n6は一般式2で表される繰り返し単位のモル%を、n7はその他の繰り返し単位のモル%を、それぞれ表す。)
上記一般式1等で表される繰り返し単位を有する芳香族系ポリマーは、下記一般式9〜11で表されるモノマー(例えば、(活性化)ジハロゲン芳香族化合物、芳香族ジオール類、芳香族ジチオール類、ジニトロ芳香族化合物など)を用いて、公知の方法(例えば、塩基性化合物の存在下、公知の芳香族求核置換反応による重合反応)で製造することができる。また、一般式12で表されるモノマーをさらに用いると、膜の形態安定性など物理的な特性が向上するため好ましい。
高分子電解質膜を成形する手法として好ましいのは、高分子電解質溶液を用いたキャスト法である。キャストした溶液を加熱または減圧下で乾燥し、高分子電解質を溶解する溶媒(良溶媒)と混和することができるが、高分子電解質およびビフェニル誘導体は溶解しない溶媒(貧溶媒)への浸漬等によって、高分子電解質膜から良溶媒をさらに抽出除去して高分子電解質膜を得ることができる。貧溶媒の除去は、乾燥によることが高分子電解質膜の均一性からは好ましい。また、高分子電解質や溶媒の分解や変質を避けるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することもできる。高分子電解質溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると、溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。
本発明の高分子電解質膜積層体は、上記高分子電解質膜と、上記プラスチックフィルムが積層されて構成される。プラスチックフィルムは高分子電解質膜の片面のみに積層されていても、両面に積層されていても構わない。
JIS−K7127に準拠し、室温が23℃で湿度が50±5RH%にコントロールされた測定室内で、試料幅10mm、試料長40mm(MD方向)のサンプルを、引張試験機(東洋測器社製)にて、引張速度20mm/minで引っ張ったときの引張応力−ひずみ曲線の傾きから求めた。
JIS−C5016に準拠し、室温が23℃で湿度が50±5RH%にコントロールされた測定室内で、90度剥離法で測定した。すなわち、高分子電解質膜積層体を、幅20mm、長さ100mm(MD方向)にカットし、プラスチックフィルム側に両面テープを貼り、自由に回転できる回転ドラムに貼りつけた後、高分子電解質膜の端部を少し引き剥がし、引張試験機のつかみ具に挟んでMD方向に引き剥がしたときの荷重(強度)を測定し、荷重が安定している部分の平均荷重を剥離強度(N/20mm)とし、サンプル数5個の平均値を求めた。
高分子電解質膜積層体における高分子電解質膜のシワ、凹凸などを肉眼で観察し、下記3段階で評価した。
○:シワ、凹凸などが全く認められない。
△:シワ、凹凸などがわずかに認められる。
×:シワ、凹凸などが著しく認められる。
高分子電解質膜積層体を10cm角の正方形にカットし、23℃、50±5RH%での5分後のカール状態と、23℃、30±5RH%での5分後のカール状態を肉眼で観察し、下記3段階で評価した。
○:平板状であり、カールが全く認められないため、次工程で良好な作業性が確保できる。
△:半円状のカールが認められ、次工程でカールを伸ばしながら使用しなければならないため、作業性が低下する。
×:筒状のカールが認められ、次工程でカールを常に伸ばしながら使用しなければならないため、著しく作業性が低下する。
反応器に、乾燥した3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(S−DCDPS)778部(質量部の意味;以下同様)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(DCBN)553部、4,4’−ビフェノール(BP)893部、炭酸カリウム763部、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)5631部を入れて、窒素雰囲気下、200℃で10時間反応させた。放冷の後、水中にストランド状に沈殿させ、得られたポリマーを10Lの水で5回洗浄した後、乾燥し、ポリマーを得た。このポリマーの対数粘度は1.23dL/gであった。
23℃、50±5%RHでの環境下で、製造例1で得られた支持体付きの高分子電解質膜から支持体を剥離し、その高分子電解質膜の片面に、幅28cm、厚さ25μmのPETフィルムを接触させて、両者を一緒にロール状に巻き取り、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体はシワや凸凹のない良好なものであった。この高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。この実施例で用いたPETフィルムの引張弾性率は4.0GPaである。また、この高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とPETフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るプラスチックフィルムを、引張弾性率4.1GPa、厚さ12μmのPETフィルム(実施例2)、引張弾性率4.2GPa、厚さ5μmのPETフィルム(実施例3)、引張弾性率4.0GPa、厚さ50μmのPETフィルム(実施例4)、引張弾性率4.0GPa、厚さ100μmのPETフィルム(実施例5)、引張弾性率4.0GPa、厚さ188μmのPETフィルム(実施例6)、引張弾性率4.0GPa、厚さ250μmのPETフィルム(実施例7)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、いずれもシワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいても、全ての実施例でカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。各実施例における高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とPETフィルムとの剥離強度はいずれも0N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るプラスチックフィルムを、厚さ50μmのリニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)フィルムとした以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体はシワや凸凹のない良好なものであった。この高分子電解質膜積層体のカール状態を評価した所、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。この実施例で用いたLLDPEフィルムの引張弾性率は0.18GPaである。また、この高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とLLDPEフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るプラスチックフィルムを、引張弾性率0.20GPa、厚さ30μmのLLDPEフィルム(実施例9)、引張弾性率0.17GPa、厚さ100μmのLLDPEフィルム(実施例10)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、いずれもシワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいても、全ての実施例でカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。各実施例における高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とLLDPEフィルムとの剥離強度はいずれも0N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るプラスチックフィルムを、引張弾性率2.1GPa、厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(実施例11)、引張弾性率2.3GPa、厚さ15μmのOPPフィルム(実施例12)、引張弾性率2.0GPa、厚さ60μmのOPPフィルム(実施例13)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、いずれもシワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいても、全ての実施例でカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。各実施例における高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とOPPフィルムとの剥離強度はいずれも0N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るプラスチックフィルムを、引張弾性率0.59GPa、厚さ50μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(実施例14)、引張弾性率0.70GPa、厚さ20μmのCPPフィルム(実施例15)、引張弾性率0.53GPa、厚さ100μmのCPPフィルム(実施例16)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、いずれもシワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいても、全ての実施例でカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。各実施例における高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とCPPフィルムとの剥離強度はいずれも0N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るプラスチックフィルムを、引張弾性率1.5GPa、厚さ15μmのナイロン6(ONY)フィルム(実施例17)、引張弾性率1.4GPa、厚さ25μmのONYフィルム(実施例18)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、いずれもシワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいても、全ての実施例でカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。各実施例における高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とONYフィルムとの剥離強度はいずれも0N/20mmであった。
ポリマーの原料として、乾燥したS−DCDPSを800部、DCBNを356.5部、BPを600.5部、4,4’−チオビスフェノール(BPS)を96.9部、炭酸カリウム562.7部、NMPを4624.3部を用いた以外は、製造例1と同様にして、対数粘度1.35dL/gのポリマーを得た。このポリマーを用いて、製造例1と同様にして高分子電解質膜を得た。この電解質膜の引張弾性率は1.6GPaであった。
ポリマーの原料として、乾燥したS−DCDPSを310.1部、DCBNを253.3部、末端ヒドロキシル基含有フェニレンエーテルオリゴマー(DIC社製SPECIANOL DPE−PL;一般式13においてnが1〜8の成分を含む混合物でnの平均値は5である構造であるもの)(DPE)を1156.5部、炭酸カリウム319.0部、NMPを5165.3部を用い、反応時間を8時間にした以外は製造例1と同様にして、対数粘度0.83dL/gのポリマーを得た。このポリマーを用いて製造例1と同様にして、高分子電解質膜を得た。この電解質膜の引張弾性率は1.6GPaであった。
S−DCDPS778部に代えて、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルケトン2ナトリウム塩721部を用いて製造例1と同様にしてポリマーを合成した。得られたポリマーの対数粘度は1.29dL/gであった。このポリマーを用いて、製造例1と同様にして、高分子電解質膜を得た。この電解質膜の引張弾性率は2.1GPaであった。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1.20g、ビスフェノールS2.00g、ジフルオロジフェニルスルホン2.90g、炭酸カリウム1.82gを100ml四つ口フラスコに計り取り、窒素気流下で40mlのNMPを加え、反応温度を175℃付近に設定して7時間反応させた。放冷の後、約300mlのメタノール中に再沈殿させ、ミキサーを用いて5回水洗処理をして、ポリマーを得た。得られたポリマーの対数粘度は、0.57dL/gであった。ポリマー試料を濃硫酸(98%)とともにマグネティックスターラーにより室温で撹拌することで、スルホン化反応を行った。反応終了後、硫酸溶液を過剰の氷水中に投入して反応を止め、生じた沈殿を濾取し、水洗して、ポリマーを得た。このポリマーを用いて、製造例1と同様にして、高分子電解質膜を得た。この電解質膜の引張弾性率は1.2GPaであった。
3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン45部、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム42部、ポリリン酸(五酸化リン含量75%)615部、五酸化リン500部を重合容器に計り取り、窒素を流し、オイルバス中でゆっくり撹拌しながら120℃まで昇温し、1時間保持した後、200℃に昇温して6時間反応させた。その後、放冷し、水を加えてポリマーを取り出し、ミキサーを用いて5回水洗を繰り返した後、この水浸漬ポリマーに炭酸ナトリウムを加えて中和し、さらに水洗を繰り返して洗液のpHが中性となり変化しないことを確認した。得られたポリマーを80℃で終夜減圧乾燥した。ポリマーの対数粘度は、1.73dL/gであった。ポリマー濃度がNMP中25質量%になるように秤量し、オイルバス上で170℃に加熱してポリマーを溶解させた。得られた溶液を用いた以外は製造例1と同様にして、高分子電解質膜を得た。この電解質膜の引張弾性率は2.0GPaであった。
3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン18.3部、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム5.3部、ポリリン酸(五酸化リン含量5%)250部、五酸化リン200部を重合容器に計り取り、実施例23と同様にしてポリマーを得た。ポリマーの対数粘度は、1.53dL/gであった。ポリマー濃度がNMP中25質量%になるように秤量し、オイルバス上で170℃に加熱してポリマーを溶解させた。得られた溶液を用いた以外は製造例1と同様にして、高分子電解質膜を得た。この電解質膜の引張弾性率は1.7GPaであった。
引張弾性率4.0GPa、厚さ25μmのPETフィルム(2枚)を高分子電解質膜の両面に接触させて、これらを一緒にロール状に巻き取った以外は実施例1と同様にして、ロール状の高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とPETフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
引張弾性率0.18GPa、厚さ50μmのLLDPEフィルム(2枚)を高分子電解質膜の両面に接触させて、これらを一緒にロール状に巻き取った以外は実施例1と同様にして、ロール状の高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とLLDPEフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
引張弾性率2.1GPa、厚さ30μmのOPPフィルム(2枚)を高分子電解質膜の両面に接触させて、これらを一緒にロール状に巻き取った以外は実施例1と同様にして、ロール状の高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とOPPフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
引張弾性率0.59GPa、厚さ50μmのCPPフィルム(2枚)を高分子電解質膜の両面に接触させて、これらを一緒にロール状に巻き取った以外は実施例1と同様にして、ロール状の高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とCPPフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
引張弾性率1.5GPa、厚さ15μmのONYフィルム(2枚)を高分子電解質膜の両面に接触させて、これらを一緒にロール状に巻き取った以外は実施例1と同様にして、ロール状の高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とONYフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
DCBNを49.97g(290.5mmol)、BPを54.99g(295.3mmol)、炭酸カリウムを46.94g(339.6mmol)、NMPを750mL、トルエンを150mL、窒素導入管、撹拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた1000mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で撹拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、15時間加熱した。
S−DCDPSを250.0g(508.9mmol)、BPを97.04g(520.7mmol)、炭酸ナトリウムを66.23g(624.9mmol)、NMPを650mL、トルエンを150mL、窒素導入管、撹拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた2000mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で撹拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、16時間加熱した。続いて、NMP500mLを投入し、撹拌しながら室温まで冷却した。得られた溶液を、25G−2ガラスフィルターで吸引濾過したところ、黄色の透明な溶液が得られた。得られた溶液を3Lのアセトンに滴下してオリゴマーを固化させた。オリゴマーをさらにアセトンで3回洗浄した後、濾別して減圧乾燥し親水性オリゴマーを得た。1H−NMR測定による数平均分子量は25560であった。親水性オリゴマーの化学構造を以下に示す。
親水性オリゴマー45.00g、疎水性オリゴマー24.61g、炭酸ナトリウム0.28g、NMP400mLを、窒素導入管、撹拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた1000mL枝付きフラスコに入れ、窒素気流下50℃のオイルバス中で撹拌し溶解させた。その後、110℃まで加熱し、10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、3Lの純水中に滴下してポリマーを固化させた。純水で3回洗浄した後、純水に浸漬したまま80℃で16時間処理し、その後純水を除いて熱水洗浄を行った。その後、熱水洗浄をもう一度繰り返した。さらに水を除去したポリマーを、1000mLのイソプロパノールと500mLの水との混合溶剤に室温で16時間浸漬し、ポリマーを取り出し洗浄を行った。同じ操作をもう一度行った。その後、濾過でポリマーを濾別し、120℃で12時間減圧乾燥して、スルホン酸塩基含有セグメント化ブロックポリマーを得た。このポリマーの対数粘度は2.1dL/gであった。得られたポリマーを用い、製造例1と同様にして、高分子電解質膜を得た。この高分子電解質膜の引張弾性率は1.8GPaであった。また、得られた高分子電解質膜を透過型電子顕微鏡で観察したところ、親水性ドメインと疎水性ドメインがそれぞれラメラ状に共連続している相分離構造が観察された。得られた高分子電解質前駆体の化学構造を以下に示す。
製造例4で得られた高分子電解質膜を用いた以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とPETフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
製造例4で得られた高分子電解質膜を用いた以外は実施例25と同様にして、高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RH、23℃、30±5%RHのいずれにおいてもカールが全く認められず、次工程も含めた作業性は非常に良好であった。高分子電解質膜積層体の高分子電解質膜とPETフィルムとの剥離強度は0N/20mmであった。
非粘着のPETフィルムに変えて、幅28cmで、10μm厚のアクリル樹脂系粘着層を有する厚さ50μmのPETフィルムを用い、このPETフィルムの粘着層面を高分子電解質膜に接触させて貼り合わせながら、0.1MPaの荷重をかけたニップロールを通し、ロール状に巻き取った。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RHではカールが全く認められず、作業性は良好であったが、23℃、30±5%RHでは、高分子電解質膜を内側とした筒状のカールが発生し、作業性は大きく低下した。PETフィルムの引張弾性率は4.0GPaであり、積層体の高分子電解質膜からの粘着層付与PETフィルムの剥離強度は0.10N/20mmであった。
10μm厚のアクリル樹脂系粘着層を有する厚さ50μmのPETフィルムに変えて、幅28cmで、10μm厚のアクリル樹脂系粘着層を有する厚さ188μmのPETフィルムを用いた以外は、比較例1と同様にして、ロール状の高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RHではカールが全く認められず、作業性は良好であったが、23℃、30±5%RHでは、高分子電解質膜を内側とした半円状のカールが発生し、作業性が低下した。PETフィルムの引張弾性率は3.9GPaであり、積層体の高分子電解質膜からの粘着層付与PETフィルムの剥離強度は0.10N/20mmであった。
10μm厚のアクリル樹脂系粘着層を有する厚さ50μmのPETフィルムに変えて、幅28cmで、5μm厚の変性ポリオレフィン樹脂系粘着層を有する厚さ30μmのPETフィルムを用いた以外は、比較例1と同様にして、ロール状の高分子電解質膜積層体を得た。得られた高分子電解質膜積層体は、シワや凸凹のない良好なものであった。また、高分子電解質膜積層体のカール状態を評価したところ、23℃、50±5%RHではカールが全く認められず、作業性は良好であったが、23℃、30±5%RHでは、高分子電解質膜を内側とした筒状のカールが発生し、作業性は大きく低下した。PETフィルムの引張弾性率は3.9GPaであり、積層体の高分子電解質膜からの粘着層付与PETフィルムの剥離強度は0.08N/20mmであった。
PETフィルムの厚みを3μmとした以外は実施例1と全く同じ条件で高分子電解質膜積層体を作製した。使用したPETフィルムの厚みが薄すぎたため、得られた高分子電解質膜積層体にはシワが多数入り、その後の作業及びカールの評価に供することができなかった。用いたPETフィルムの引張弾性率は4.2GPaであり、得られた高分子電解質膜積層体のPETフィルムの剥離強度は0N/20mmであった。
PETフィルムの厚みを500μmとした以外は実施例1と全く同じ条件で高分子電解質膜積層体を作製した。使用したPETフィルムの厚みが厚すぎたため、高分子電解質膜積層体をうまく巻き取ることができずシワが多数入り、その後の作業及びカールの評価に供することができなかった。用いたPETフィルムの引張弾性率は3.8GPaであり、得られた高分子電解質膜積層体のPETフィルムの剥離強度は0N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るプラスチックフィルムを、厚さ15μmのエチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)フィルムとした以外は実施例1と全く同じ条件で高分子電解質膜積層体を作製した。使用したEVAフィルムの弾性率が0.05GPaと小さすぎて巻取時に伸び縮みしてしまい、シワ及び凸凹が多数発生し、その後の作業及びカールの評価に供することができなかった。得られた高分子電解質膜積層体のEVAフィルムの剥離強度は0.04N/20mmであった。
高分子電解質膜と共に巻き取るフィルムを、厚さ15μmのエチレン−エチルアクリレートコポリマー(EEA)フィルムとした以外は実施例1と全く同じ条件で高分子電解質膜積層体を作製した。使用したEEAの弾性率が0.04GPaと小さすぎて巻取時に伸び縮みしてしまい、シワ及び凸凹が多数発生し、その後の作業及びカールの評価に供することができなかった。得られた高分子電解質膜積層体のEEAフィルムの剥離強度は0.05N/20mmであった。
Claims (7)
- 高分子電解質膜と、高分子電解質膜の少なくとも一方の面に粘着層を有しないプラスチックフィルムが積層された高分子電解質膜積層体において、高分子電解質膜とプラスチックフィルムとの剥離強度が0.005N/20mm以下であり、かつプラスチックフィルムの引張弾性率が0.1GPa以上で、厚みが5μm以上400μm以下であることを特徴とする高分子電解質膜積層体。
- 上記プラスチックフィルムが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、液晶ポリエステルフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルムおよびポリテトラフルオロエチレンフィルムよりなる群から選択されるフィルムである請求項1に記載の高分子電解質膜積層体。
- 上記プラスチックフィルムが高分子電解質膜の一方の面のみに積層されている請求項1または2に記載の高分子電解質膜積層体。
- 上記プラスチックフィルムが高分子電解質膜の両面に積層されている請求項1または2に記載の高分子電解質膜積層体。
- 上記高分子電解質膜が芳香族系高分子電解質からなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質膜積層体。
- 上記高分子電解質膜が、1GPa以上の引張弾性率を有する非フッ素系高分子電解質膜である請求項1〜5のいずれかに記載の高分子電解質膜積層体。
- ロール状に巻き取られている請求項1〜6のいずれかに記載の高分子電解質膜積層体。
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