JP5168900B2 - 高分子電解質膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、炭化水素系の高分子電解質膜も開発されており、イオン性官能基を導入したスチレン−ジビニルベンゼン系ポリマーやアクリル系ポリマーが使用されてきている。しかしながら、膜の膨潤変形が大きくハンドリング性が問題であるとともに、本質的に化学的安定性に劣るため改善が望まれている。
そのような状況下、近年芳香族炭化水素ポリマーにスルホン酸基等のイオン性官能基を導入する検討が盛んである。これら芳香族炭化水素系の高分子電解質膜は、従来型の炭化水素系高分子電解質膜に比べて化学的安定性が高い特徴があり、イオン伝導性に優れ、かつ低ガス透過性や隔離性にも優れるため有望視されている。
芳香族炭化水素系のポリマー骨格としては、芳香族ポリアリーレンエーテルケトン類や芳香族ポリアリーレンエーテルスルホン類などの、芳香族構造を含むポリマーが有望視でき、ポリアリールエーテルスルホンをスルホン化したもの、ポリエーテルエーテルケトンをスルホン化したもの、スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリアリーレンエーテルなどが有望な構造として報告されている(例えば、非特許文献1、特許文献1など)。
(2)線膨張係数が、−50〜10μm・m−1・℃−1の範囲である(1)に記載の高分子電解質膜である。
(3)高分子電解質が、ポリアリーレンエーテル構造を含む高分子電解質である(1)又は(2)に記載の高分子電解質膜である。
(5)前記(A)工程が、高分子電解質を溶媒に溶解した溶液を基材上にキャスティングする工程と、キャスティングされた高分子電解質の膜に残留する溶媒を除去する工程とを含む(4)に記載の高分子電解質膜の製造方法である。
本発明者らは、有機物において線膨張係数は、主として原子間の結合の強さや分子間力に起因して決まる値であるが、物質の温度上昇に伴って発生する分子運動の活発化の程度を示す尺度にもなることに鑑みて、膜の線膨張係数に着目して検討した結果、膜の温度上昇に伴う分子運動の活発化のみならず、電解槽における場合のように、水分、溶媒、その他外的要因による分子運動の活発化により発生する膜の応力緩和の程度を示すことができ、ひいては、高分子電解質膜の分子配列状態、潜在ひずみを有する状態を示す指標として捉えることができることを見出したのである。
すなわち、線膨張係数の値によって、高分子電解質膜の分子配列状態、潜在ひずみを有する状態など、膜の加工状態を把握でき、どのような状態にある時、最も変形を小さく抑えることが可能かを検討し、膜の線膨張係数の値を特定の範囲に制御することで、膜の変形を抑制できることを見出したのである。
本発明においては、高分子電解質膜が、−55〜50μm・m−1・℃−1の範囲であることが必要である。この範囲の線膨張係数を有する高分子電解質膜は、膜に液体成分の吸脱着が起こって変形が発生する環境下においても、膜面積の変化が小さく、皺等の歪みが発生しにくい。このため、膜の電解槽等への装着時や電解槽の運転時に、膜の破損や変形を抑制できることになる。
タテ(MD)方向とヨコ(TD)方向との、線膨張係数の差は、0〜25μm・m−1・℃−1の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0〜15μm・m−1・℃−1である。線膨張係数の差が大きくなると、面積方向における高分子電解質膜の変形挙動に差があるため、好ましくない傾向がある。
線膨張係数の値は、高分子電解質膜を製造するプロセスの組み合わせの結果として表れる配列状態の指標であり、特定のプロセスに限定されるものではない。結果として、線膨張係数が−55〜50μm・m−1・℃−1の範囲の高分子電解質膜とすることが重要である。
すなわち、(A)基材上に高分子電解質の膜を形成する工程、(B)基材上に形成された膜を、基材から剥離することなく酸性水溶液に接触させる工程、(C)酸処理された膜中の過剰の酸を、膜を基材から剥離することなく水洗除去する工程、(D)水洗された膜を基材から剥離することなく水分を除去する工程、の4つの工程を含む製造方法である。この製造方法により、膜の異方性が少なく均一な物性を有する膜を製造でき、線膨張係数を最適化することができる。
次いで、(B)基材上に形成された膜を、基材から剥離することなく酸性水溶液に接触させる工程により、膜が基材に付着した状態で酸処理されるので、処理される際の膨潤などによる膜の形態変化は、膜厚方向のみに限定されることになるため、液体に接触される工程であっても、膜の変形を抑えて処理することができる。
さらに、(C)酸処理された膜中の過剰の酸を、膜を基材から剥離することなく除去することで、同様に基材に接着された状態で処理されるため、環境変化による膜の変形が少ない。
さらに(D)水洗された膜を基材から剥離することなく水分を除去する工程により、水分除去により膜が収縮により変形が発生しやすい工程においても、変形を抑制できるので、均一性に優れる膜を提供できる。基材から剥離した状態で(A)、(B),(C),(D)いずれかの工程を行うと、高分子電解質膜に面内で異方性が発生するため、線膨張係数を一定の範囲に保つことが難しくなる傾向にある。
一般式(1)のZは、O原子であることが靭性に優れるためより好ましい。
一般式(1)のZは、O原子であることが靭性に優れるために好ましい。
一般式(3)の具体的な化合物としては、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、等を挙げることができる。本発明において、上記2,6−ジクロロベンゾニトリル及び2,4−ジクロロベンゾニトリルは、異性体の関係にあり、いずれを用いたとしても良好な高分子電解質膜とすることができる。その理由としては両モノマーとも反応性に優れるとともに、小さな繰り返し単位を構成することで分子全体の構造をより硬いものとしていると考えられている
反応は、無溶媒下で行うこともできるが、溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、スルホランなどを挙げることができるが、これらに限定されることはなく、芳香族求核置換反応において安定な溶媒として使用できるものであればよい。これらの有機溶媒は、単独でも2種以上の混合物として使用されても良い。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等があげられるが、芳香族ジオール類を活性なフェノキシド構造にし得るものであれば、これらに限定されず使用することができる。芳香族求核置換反応においては、副生物として水が生成する場合がある。この際は、重合溶媒とは関係なく、トルエンなどを反応系に共存させて共沸物として水を系外に除去することもできる。水を系外に除去する方法としては、モレキュラーシーブなどの吸水材を使用することもできる。
基材の厚みとしては25μmから250μmの範囲にあることが好ましい。基材の厚みが25μmよりも薄いと高分子電解質膜をサポートするのに不十分であり基材ごと変形する、一方250μmを越えると基材が厚すぎてハンドリング性が困難となる。
これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。溶液中の化合物濃度は0.1〜50質量%の範囲であることが好ましい。溶液中の化合物濃度が0.1質量%未満であると良好な成形物を得るのが困難となる傾向にあり、50質量%を超えると加工性が悪化する傾向にある。
乾燥温度として好ましくは、40〜200℃の範囲であり、特に好ましくは60〜180℃の範囲である。乾燥温度が40℃未満の場合、溶媒の除去速度が遅く生産に適さない傾向にあり、200℃を越える場合、乾燥速度が速いことにより、高分子電解質溶液は一様に乾燥されず、変形が起こりやすくなる傾向にある。
乾燥はポリマーや溶媒の分解や変質を避けるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することもできる。また、溶媒の乾燥除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。
高分子電解質膜の形成工程において、高分子電解質膜は基材上に形成されており、かつ大部分の溶媒が除去されているため、変形等が発生しにくく、残留溶媒を効率よく除去することができる。また、工程中に膜は基材に密着されて処理されるので、水洗時に膨潤が起こったり、変形する等の問題がなくなり、本発明の高分子電解質膜を得るために優れた手法である。
この工程においても膜の処理は基材上で行うことが特に好ましい。その理由としては膜の膨潤収縮等の変形を防ぎ、高分子電解質膜の均質性を保つためである。洗浄に用いる水を主成分とする溶媒の温度は特に限定されるものではないが、1〜110℃の範囲が適正である。特に好ましくは20〜90℃の範囲である。1℃未満の場合、洗浄効率が悪く、110℃を越える場合高分子電解質膜が基材から剥離しやすい傾向がある。乾燥温度は1〜200℃の範囲で行うことができるが、特に好ましくは20〜150℃である。1℃未満の場合、乾燥速度が遅く、200℃を越える場合、高分子電解質膜と基材の密着性が強くなりすぎる傾向にあるため好ましくない。
<膜厚測定>
高分子電解質膜の厚みは、PEACOCK DIGITAL GAUGE MODELD−10SとDIGITAL COUNTERを組み合わせて測定することにより求めた。室温が20℃で湿度が40±5RH%にコントロールされた測定室内で24時間以上静置した高分子電解質膜を5×5cmの大きさに切断したサンプルに対して、20箇所の厚みを測定し、その平均値を膜厚とした。
イオン交換容量(IEC)としては、イオン交換膜に存在する酸型の官能基量を測定した。まずサンプル調整として、サンプル片(5×5cm)を80℃のオーブンで窒素気流下2時間乾燥し、さらに乾燥窒素ガスで満たしたグローブボックスで30分間放置冷却した後、乾燥質量を測定した(Ws)。次いで、200mlの密閉型のガラス瓶に、200mlの1mol/Lの濃度の塩化ナトリウム−超純水溶液と秤量済みの前記サンプルを入れ、密閉したまま、室温で24時間攪拌した。次いで、溶液30mlを取り出し、10mMの水酸化ナトリウム水溶液(市販の標準溶液)で中和滴定し、滴定量(T)より下記式を用いて、IECを求めた。
IEC(meq/g)=10T/(30Ws)×0.2
(Tの単位:ml Wsの単位:g)
平坦なテフロン(登録商標)板上に、幅10mmで長さ5cmの短冊状に切った高分子電解質膜サンプルを置いた。次いでサンプル表面に、4本の白金線(直径:0.2mm)を、サンプルの幅方向と平行となるように10mm間隔で押し当て、さらに上からテフロン(登録商標)板を重ねた。その後、サンプルと白金線が動かないよう治具を用いてテフロン(登録商標)板を外側から固定した。次いで80℃95%RHに設定した恒温・恒湿オーブン内で(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)同セットアップを24時間静置した。
同環境下において、外側に配置した白金線の1本を基準とし、極間距離を変えて白金線間のインピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。測定し、電極間距離とコールコールプロットから見積もられる抵抗測定値をプロットした勾配(最小二乗法近似)から、以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルしたイオン導電率を算出した。なお最小二乗法近似により勾配を求める際の決定係数として、0.99以上であることを確認した。0.99未満である場合は再試験を行った。
イオン導電率[S/cm]=1/(膜幅[cm]×膜厚[cm]×抵抗極間勾配[Ω/cm])
高分子電解質膜について、充分に乾燥したシリカゲルを充填したデシケータ中に3時間放置した後、下記条件にて、150〜200℃の間の伸縮率/温度を測定し、線膨張係数を算出した。測定は、MD、TD方向で実施し、その平均値を求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 250℃
昇温速度 ; 5℃/min
(25℃で30分間窒素気流下放置後、昇温開始)
雰囲気 ; 乾燥窒素
40%Pt/Ir触媒担持カーボンとナフィオン(登録商標)(EW1100)とポリテトラフルオロエチレンを、質量比で10:4:1となるように、40%Pt/Ir触媒担持カーボン(Pt:Ir=1:1)にデュポン社製20%ナフィオン溶液及びポリテトラフルオロエチレン(Aldrich Chemical Company,Inc製 )60質量%溶液を加えることで調整した。次いで、均一となるまで撹拌混合することでアノード用触媒ペーストを調製した。また、Pt/Ir触媒担持カーボンの代わりに40%Pt触媒担持カーボンを用いて、同様の手法により、カソード用触媒ペーストを調整した。次いで電極作製工程として、前記触媒ペーストを、スクリーン印刷により、カーボンペーパー(東レ社製 TGPH−060)に塗布乾燥して、アノード及びカソード電極をそれぞれ作製した。
上記2種類の電極間にイオン交換膜を、電極触媒層が膜試料の中心に来るよう挟み、180℃にて3分間、加圧・加熱することにより、電極とイオン交換膜を接合した。この際、高分子電解質膜としては、25×25cmのサイズとし、電極としては、22×22cmとした。
作製した膜電極接合体を20℃、湿度40±5%に調湿した環境に24時間放置後、膜電極接合体の様子を観察した。さらにこの接合体を、ガスケットと共に、水あるいはガス流路を有する2枚の集電体で挟み込んだ構造の水電解用セルに組み込んだ。アノード側より超純水を流しながら両電極間に電圧を徐々に印加し、水の電気分解を行った。セルの組み立て圧としては、0.5MPaとなるよう設定した。
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩(略号:S−DCDPS)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)、4,4’−ビフェノール(略号:BP)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド(略号:BPS)、1,6−ヘキサンジチオール(略号:HDT)をモル比で、38:62:56:42:2となるように配合した混合物30gと、炭酸カリウム2.4モル、乾燥したモレキュラーシーブ3−A41gを1000ml四つ口フラスコに計り取り、窒素を流した。500mlのN−メチル−2−ピロリドン(略号:NMP)を入れて、150℃で1時間撹拌した後、反応温度を195−200℃に上昇させて系の粘性が十分上がるのを目安に反応を続けた(約9時間)。放冷の後、沈降しているモレキュラーシーブを除いて水中にストランド状に沈殿させた。得られたポリマーは、沸騰水中で1時間洗浄した後、乾燥した。
次いで、乾燥ポリマーを濃度20質量%となるようにNMPに溶解し、濾過した。その後、流延法によって、(1)平滑なポリイミドフィルムの上に、ポリマー溶液をキャスティングし、次いで、80℃で30分間、150℃で1時間乾燥させることでフィルム上にポリマー薄膜を形成させた。(2)ポリマー薄膜をフィルムから剥がすことなく30℃イオン交換水に4時間浸積した後、28℃で乾燥処理を行い、さらに室温の2mol/Lの濃度の硫酸水溶液へ2.5時間浸積処理を行った。(3)そのままさらに31℃水洗処理、(4)27℃乾燥処理を連続的に行うことによって、実施例1の高分子電解質膜を得た。
実施例1において、膜作製方法として、(1)平滑なポリイミドフィルムの上に、ポリマー溶液をキャスティングし、次いで80℃で40分間、180℃で1時間乾燥させることでフィルム上にポリマー薄膜を形成させた。(2)ポリマー薄膜をフィルムから剥がすことなく45℃イオン交換水に3時間浸積した後、40℃で乾燥処理を行い、さらに室温の2mol/Lの濃度の硫酸水溶液へ2.5時間浸積処理を行った。(3)そのままさらに41℃水洗処理、(4)39℃で乾燥処理を連続的に行うことによって実施例2の高分子電解質膜を得た。
実施例1において、膜作製方法として、(1)平滑なポリイミドフィルムの上に、ポリマー溶液をキャスティングし、次いで80℃で30分、150℃で1時間乾燥させることでフィルム上にポリマー薄膜を形成させた。(2)ポリマー薄膜をフィルムから剥がした後、28℃イオン交換水に4時間浸積した後、27℃で乾燥処理を行い、さらに室温の2mol/Lの濃度の硫酸水溶液へ2.5時間浸積処理を行った。(3)さらに30℃水洗処理、(4)ろ紙に挟んだ状態で28℃で乾燥して比較例1の高分子電解質膜を得た。
実施例1において、膜作製方法として、(1)平滑なポリイミドフィルムの上に、ポリマー溶液をキャスティングし、次いで80℃で30分間、150℃で1時間乾燥させることでフィルム上にポリマー薄膜を形成させた。(2)ポリマー薄膜をフィルムから剥がした後、60℃イオン交換水に4時間浸積した後、28℃で乾燥処理を行い、さらに室温の2mol/Lの濃度の硫酸水溶液へ2.5時間浸積処理を行った。(3)さらに80℃水洗処理を行った後(4)膨潤した膜を金属製の金枠に固定し、次いで28℃乾燥処理を行うことによって、比較例2の高分子電解質膜を得た。
実施例1、2及び比較例1、2の高分子電解質膜の物性評価結果を表1に示す。
比較例1、2の高分子電解質膜を使用した接合体において、歪みが顕著であった。比較例1においては電極の一部が剥がれていた。
次いで、水電解用セルに組み込み水を流したが、比較例1、2においてはセルから水漏れが発生し、上手く組み込むことが難しかった。
以上のことから、膜のイオン交換容量やイオン導電性は類似であっても、高分子電解質膜の線膨張係数は異なっており、ハンドリング性に影響することを確認でき、本発明の線膨張係数を−55〜50μm・m−1・℃−1の範囲に規定した高分子電解質膜においては、ハンドリング性が良好であることが確認できた。
原料モノマーの組み合わせがS−DCDPS、DCBN、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(組成1)で、実施例1と同様にして組成1ポリマーを得た。次いで、組成1ポリマーを用いて実施例1と同様にして実施例3の高分子電解質膜を得た。また、組成1ポリマーを用いて実施例2と同様にして実施例4の高分子電解質膜を得た。
得られた実施例3、4の膜の評価結果を表2に示す。
原料モノマーの組み合わせがS−DCDPS、DCBN、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(組成2)で、実施例1と同様にして、組成2ポリマーを得た。次いで、組成2ポリマーを用いて実施例1と同様にして実施例5の高分子電解質膜を得た。
得られた実施例5の膜の評価結果を表2に示す。
上記の組成1ポリマーを用いて比較例1と同様にして比較例3の高分子電解質膜を得た。また、組成2ポリマーを用いて比較例と同様にして比較例4の高分子電解質膜を得た。
得られた比較例3、4の膜の評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表されるポリアリーレンエーテル構造及び/又はポリアリーレンスルフィド構造を含む芳香族炭化水素系の高分子電解質膜であって、熱機械分析装置を用い窒素気流下25℃で30分間乾燥した後、5℃/分の速度で350℃まで加熱したときの寸法変化率曲線において、150〜200℃における傾きで表される線膨張係数が−55〜50μm・m−1・℃−1の範囲であることを特徴とする高分子電解質膜。
(ただし、Arは2価の芳香族基、ZはO原子又はS原子である。) - 線膨張係数が、−50〜10μm・m−1・℃−1の範囲である請求項1に記載の高分子電解質膜。
- (A)基材上に高分子電解質の膜を形成する工程、(B)基材上に形成された膜を、基材から剥離することなく酸性水溶液で処理する工程、(C)酸処理された膜中の過剰の酸を、膜を基材から剥離することなく水洗除去する工程、(D)水洗された膜を基材から剥離することなく水分を除去する工程、の4つの工程を含む請求項1に記載の高分子電解質膜の製造方法。
- 前記(A)工程が、高分子電解質を溶媒に溶解した溶液を基材上にキャスティングする工程と、キャスティングされた高分子電解質の膜に残留する溶媒を除去する工程とを含む請求項3に記載の高分子電解質膜の製造方法。
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