JP2012017352A - 溶液組成物および高分子固体電解質膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶液組成物の粘度を低濃度でも高く保つことで加工性を確保しつつ、乾燥前の溶液組成物の厚みを厚くし、溶液組成物の厚みむらが乾燥後の膜の厚みむらに対する影響を小さくした溶液組成物およびその溶液組成物から製膜された厚みむらの小さい高分子固体電解質膜を提供する。
【解決手段】
高分子固体電解質膜用の溶液組成物であり、少なくともN−メチル−2−ピロリドンを溶媒とした0.5g/dLの溶液について30℃で測定される対数粘度が、0.5〜5.0dL/gである高分子電解質及び/又はその誘導体、及び2種以上の混合溶媒からなる溶液組成物であって、該高分子電解質及び/又はその誘導体を該混合溶媒中に1質量%含有する溶液についてE型粘度計を用いて20℃、せん断速度3.83s−1で測定した溶液粘度(A)がが0.5Pa・s以上300Pa・s以下であり、かつ、該高分子電解質及び/又はその誘導体をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶媒中に1質量%含有する溶液について前記条件で測定したときの溶液粘度(B)に対し(A)÷(B)が2以上であることを特徴とする溶液組成物およびその溶液組成物から作成されたことを特徴とする高分子固体電解質膜。
【選択図】なし

Description

本発明は高分子固体電解質膜に関するものであり、具体的には低濃度でもその溶液粘度を高くできる溶液組成物、およびその溶液組成物から作られる、塗工時の膜厚精度が高い高分子固体電解質膜である。
近年、エネルギー効率や環境性に優れた新しい発電技術が注目を集めている。中でも高分子固体電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池はエネルギー密度が高く、また、他の方式の燃料電池に比べて運転温度が低いため起動、停止が容易であるなどの特徴を有するため、電気自動車や分散発電などの電源装置としての開発が進んできている。
高分子膜をプロトン交換膜に用いた固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、可搬性があり、小型化が可能であることから、自動車、家庭用分散発電システム、携帯機器用電源への応用が進められている。現在、プロトン交換膜としては、米国デュポン社製ナフィオン(登録商標)に代表されるようなパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー膜が広く用いられている。
しかしながらこれらの膜は100℃以上で軟化するため、運転温度が80℃以下に制限されていた。運転温度をさらに上げると、エネルギー効率、装置の小型化、触媒活性の向上など、さまざまな利点があるため、より耐熱性の高いプロトン交換膜が求められている。
耐熱性プロトン交換膜として、ポリスルホンやポリエーテルケトンなどの耐熱性ポリマーを発煙硫酸などのスルホン化剤で処理して得られるスルホン化ポリマーはよく知られている(例えば非特許文献1を参照)。しかしながら、一般的にスルホン化剤によるスルホン化反応の制御は困難である。そのため、スルホン化度が多すぎたり少なかったりしたりすることや、ポリマーの分解、不均一なスルホン化などが起こりやすいという問題があった。
そのため、スルホン酸基などの酸性基を有するモノマーから重合したポリマーをプロトン交換膜として用いることが検討されている。例えば、特許文献1にはプロトン伝導性ポリマーとして、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ソーダ、及び4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと4,4’−ビフェノールの反応で得られる共重合ポリマーが示されている。このポリマーを構成成分とするプロトン交換膜は、前述のスルホン化剤を用いた場合のようなスルホン酸基の不均一性が少なく、スルホン酸基導入量及びポリマー分子量の制御が容易であった。しかしながら、燃料電池として実用化のためにはプロトン伝導性など様々な特性の改良が望まれており、試みとして、特許文献2、3に見られるようなスルホン酸基を有するセグメント化ブロック共重合ポリマーの検討が行われてきた。しかしながら、燃料電池に対する高プロトン伝導性の要望は強く、さらなるプロトン伝導性が求められている。
プロトン伝導性を支配する要因として電解質膜の厚みは非常に大きな比重を占め、一般に膜厚が厚くなると燃料透過抑止性や機械的強度が向上する代わりにプロトン伝導性が低下するため、従来より、高分子固体電解質膜の燃料透過抑止性や機械的強度を保持しながらの膜厚低減が図られ、徐々に薄い膜での検討が盛んになってきた。
この時、上記各種特性確保の問題の他に、薄膜化する方法として例えば高分子固体電解質膜の溶液組成物を支持体上に塗工し、乾燥させて製膜する場合、塗工する溶液組成物の厚みを薄くすることで膜厚みを薄くする方法がある。しかし、乾燥前の溶液組成物の厚みが薄くなることで、溶液組成物の厚みむらが乾燥後の膜の厚みむらに対して大きく影響する問題点があった。
本問題を回避する方法として、溶液組成物の濃度を薄くして溶液の厚みを増やす方法があるが、一般に濃度を薄くすると溶液組成物の粘度は急激に下がるため、例えばギャップコーター等の液だめに溶液組成物を満たして塗工するような方法では、液だめから溶液組成物がもれるような不具合や、乾燥前や乾燥中に基材上で溶液組成物が流動することで乾燥後の膜にハジキやユズ肌等、品位の低下が発生するため、さらなる改善が望まれていた。
米国特許出願公開第2002/0091225号公報 特開2001−278978号公報 特開2003−31232号公報
エフ ルフラノ(F. Lufrano)他3名著、「スルホネイテッド ポリスルホン アズ プロマイジング メンブランズ フォー ポリマー エレクトロライト フュエル セルズ」(Sulfonated Polysulfone as Promising Membranes for Polymer Electrolyte Fuel Cells)、ジャーナル オブ アプライド ポリマー サイエンス(Journal of AppLied Polymer Science)、(米国)、ジョン ワイリー アンド サンズ インク(John Wiley & Sons, Inc.)、2000年、77号、p.1250−1257
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、溶液組成物の粘度を低濃度でも高く保つことで加工性を確保しつつ、乾燥前の溶液組成物の厚みを厚くし、溶液組成物の厚みむらが乾燥後の膜の厚みむらに対する影響を小さくした溶液組成物およびその溶液組成物から製膜された品位が良く、厚みむらの小さい高分子固体電解質膜を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)少なくとも、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とした0.5g/dLの溶液について30℃で測定される対数粘度が、0.5〜5.0dL/gである高分子電解質及び/又はその誘導体、及び2種以上の混合溶媒からなる溶液組成物であって、該高分子電解質及び/又はその誘導体を該混合溶媒中に1質量%含有する溶液についてE型粘度計を用いて20℃、せん断速度3.83s−1で測定した溶液粘度(A)が0.5Pa・s以上300Pa・s以下であり、かつ、該高分子電解質及び/又はその誘導体をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶媒中に1質量%含有する溶液について前記条件で測定したときの溶液粘度(B)に対し(A)÷(B)が2以上であることを特徴とする溶液組成物。
(2)該溶液組成物の混合溶媒がNMP以外の2種以上の溶媒の混合溶媒であることを特徴とする、(1)に記載の溶液組成物。
(3)該溶液組成物の混合溶媒がNMPと、NMP以外の1種以上の溶媒との混合溶媒であることを特徴とする、(1)に記載の溶液組成物。
(4)(1)に記載の溶液組成物において、(A)が1.0Pa・s以上270Pa・s以下であり、(A)÷(B)が5以上であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の溶液組成物。
(5)(1)に記載の溶液組成物において、(A)が1.5Pa・s以上240Pa・s以下であり、(A)÷(B)が10以上であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の溶液組成物。
(6)高分子電解質及び/又はその誘導体がスルホン酸基を有するポリマーであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の溶液組成物。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の溶液組成物から作成されたことを特徴とする
高分子固体電解質膜。
本発明の溶液組成物は、低濃度でも溶液粘度が高く保たれていることから加工性に優れ、本溶液組成物から作成した高分子固体電解質膜は、乾燥後の膜の厚みむらも小さくなり、均一性に優れている。
以下、本発明の溶液組成物及び高分子固体電解質膜の実施の形態を説明する。
高分子固体電解質膜用の溶液組成物に対する溶媒選定は、本発明の溶液粘度を決め
る最も重要な要素である。具体的には、高分子電解質及びその誘導体、及び2種以上の
溶媒からなる溶液組成物であって、1質量%の溶液についてE型粘度計を用いて20℃、せん断速度3.83s−1で測定した溶液粘度(A)が0.5Pa・s以上300Pa・s以下であることが必要であり、1.0Pa・s以上270Pa・s以下であることが好ましく、1.5Pa・s以上240Pa・s以下であることがさらに好ましい。この溶液粘度(A)に関する要件に加え、該高分子電解質及びその誘導体とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)のみからなる1質量%の溶液について同じ条件で測定したときの溶液粘度(B)に対し(A)÷(B)が2以上であることが必要であり、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。さらに好ましくは20以上である。
粘度測定のせん断速度を3.83s−1と規定する理由は、せん断速度が速いことでチキソトロピック流体、ニュートン流体、ダイラタント流体等、溶液の粘性のちがいによる見かけ粘度のずれを抑制するためである。
溶液組成物の(A)÷(B)の値を前記範囲内とすることによって、低濃度でも溶液粘度を高く保つことができるため、液の加工性に優れ、乾燥後の高分子電解質もハジキやユズ肌等、品位の低下が発生せず、厚みむらも小さくなり、均一性に優れた品質の良い膜を得ることができる。
本発明の上記溶液組成物を用いて製膜すれば、15μm以下の薄膜においても、品位
が良く、膜厚みムラが5%以下の高分子電解質膜を得ることができる。
本発明に使用する溶媒種は、上記要件を満たすことを除いてはいかなるものでも使用可
能である。また、NMPと他溶媒の混合溶媒を用いることも可能である。
これら溶媒の例として、例えば、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、フェノール,m−クレゾール等のフェノール類、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、メチルエチルケトン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ―ブチロラクトン等のエステル、ラクトン類等の他、2−メトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、ジメチルジエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等、本発明の要件を満たすものであればいかなる溶媒及びその組み合わせが使用できる。この内、特に、後述の好ましい芳香族系炭化水素系ポリマーを使用し、かつ塗工後溶媒を水洗で抽出除去したり、スルホン酸基が塩型のポリマーを酸の水溶液で酸処理する場合は水溶性の溶媒あるいは2種以上の水溶性の溶媒の組み合わせが好ましく、中でもポリマーとの溶解性調整の観点より、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ―ブチロラクトン等の溶媒単独あるいはこれらから選択される2種以上の溶媒の混合溶媒、さらにはこれら溶媒のNMPとの混合溶媒が望ましい。このうち、混合溶媒を用いる場合は、ポリマーの溶解度を溶媒組成比で容易に制御できるため好ましい。
本発明で用いる高分子固体電解質膜は、目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、プロトン伝導性の面からはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には1〜50μmであることが好ましく、2〜30μmであることがさらに好ましく、特に好ましくは3〜15μmである。高分子固体電解質膜の厚みが1μmより薄いと高分子固体電解質膜の取扱が困難となり燃料電池を作製した場合に短絡等が起こる傾向にあり、50μmよりも厚いとプロトン伝導性が低下する傾向にある。
本発明における高分子固体電解質膜を形成するポリマーは任意の高分子固体電解質を用いることができる。一例として主として芳香族基から構成されている主鎖骨格を有する芳香族系高分子電解質の例を挙げるが、本特許は本例に限定されるものではない。
主として芳香族基から構成されている主鎖骨格を有する芳香族系高分子電解質としては、イオン性基を有する芳香族炭化水素系ポリマーを例として挙げることができる。そのようなポリマーとしては、ポリマー主鎖に芳香族あるいは芳香環とエーテル結合、スルホン結合、イミド結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、スルフィド結合、カーボネート結合及びケトン結合から選択される少なくとも1種以上の結合基を有する構造を持つ非フッ素系あるいは部分フッ素系のイオン伝導性ポリマーであり、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリフェニルキノキサリン、ポリアリールケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド等の構成成分の少なくとも1種を含むポリマーに、イオン性基が導入されているポリマーを挙げることができる。イオン性基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホンイミド基、及びそれらの誘導体の少なくとも1種を挙げることができるが、スルホン酸基、あるいはホスホン酸基が好ましい。また、ここでいうポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有しているポリマーの総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含むとともに、特定のポリマー構造に限定されるものではない。
上記のポリマーのうち、特に芳香環上にスルホン酸基を持つポリマーは、上記例のような骨格を持つポリマーに対して適当なスルホン化剤を反応させることにより得ることができる。このようなスルホン化剤としては、例えば、芳香族系炭化水素系ポリマーにスルホン酸基を導入する例として報告されている、濃硫酸や発煙硫酸を使用するもの(例えば、Solid State Ionics,106,P.219(1998))、クロル硫酸を使用するもの(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.295(1984))、無水硫酸錯体を使用するもの(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.721(1984)、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,23,P.1231(1985))等が有効である。本発明のイオン性基含有ポリマー、特にイオン伝導性がスルホン酸基であるポリマーを得るためには、これらの試薬を用い、それぞれのポリマーに応じた反応条件を選定することにより実施することができる。また、特許第2884189号に記載のスルホン化剤等を用いることも可能である。
また、上記芳香族炭化水素系イオン性基含有ポリマーは、重合に用いるモノマーの中の少なくとも1種に酸性基を含むモノマーを用いて合成することもできる。例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミドにおいては、芳香族ジアミンの少なくとも1種にスルホン酸基やホスホン酸基を含有するジアミンを用いて酸性基含有ポリイミドとすることが出来る。芳香族ジアミンジオールと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズオキサゾール、芳香族ジアミンジチオールと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズチアゾール、芳香族テトラミンと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズイミダゾールの場合は、芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種にスルホン酸基含有ジカルボン酸やホスホン酸基含有ジカルボン酸を使用することにより酸性基含有ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズイミダゾールとすることが出来る。芳香族ジハライドと芳香族ジオールから合成されるポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンなどは、モノマーの少なくとも1種にスルホン酸基含有芳香族ジハライドやスルホン酸基含有芳香族ジオールを用いることで合成することが出来る。この際、スルホン酸基含有ジオールを用いるよりも、スルホン酸基含有ジハライドを用いる方が、重合度が高くなりやすいとともに、得られた酸性基含有ポリマーの熱安定性が高くなるので好ましい。
芳香族炭化水素系イオン性基含有ポリマーは、ホモポリマー、ランダム共重合体、セグメント化ブロック共重合体、長鎖あるいは短鎖の分岐を有する重合体、櫛型重合体、星型重合体、側鎖にイオン性基を導入した重合体などの高次構造を有していてもよい。中でも、セグメント化ブロック共重合体や側鎖にイオン性基を導入した重合体など、親水性部と疎水性部の相分離によって共連続構造を形成する重合体を用いると、耐久性や、プロトン伝導性の面でより好ましい。そのようなセグメント化ブロック共重合体としては、イオン性基を有する親水性セグメントと、イオン性基を有さない疎水性セグメントからなるセグメント化ブロック共重合体を挙げることができ、そのようなポリマーを製造する手段としては、前記のセグメントを構成するオリゴマーを、直接あるいは他の化合物を用いて反応させることによって得ることを挙げることができる。
芳香族炭化水素系イオン性基含有ポリマーは、スルホン酸基含有ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリエーテルケトン系ポリマーなどのポリアリーレンエーテル系化合物、ポリアリーレン系化合物であることがより好ましい。
芳香族炭化水素系イオン性基含有ポリマーの中で特に好ましいのは、一般式1で表される繰り返し単位を有するものである。
Figure 2012017352
[一般式1において、Xは−S(=O)2−基又は−C(=O)−基を、YはH又は1価の陽イオンを、Z1はO又はS原子のいずれかを、Z2は、O原子、S原子、−C(CH3)2−基、−C(CF3)2−基、−CH2−基、シクロヘキシル基、直接結合のいずれかを、n1は1以上の整数を表す。]
一般式1において、Xは−S(=O)2−基であると溶媒への溶解性が向上するため好ましい。Xが−C(=O)−基であると、ポリマーの軟化温度を下げて電極との接合性をさらに高めたり、電解質膜に光架橋性を付与したりすることができるため好ましい。高分子固体電解質膜として用いる場合には、YはH原子であることが好ましい。ただし、YがH原子であると、熱などによって分解しやすくなるので、電解質膜の製造などの加工時にはYをNaやKなどのアルカリ金属塩としておき、加工後に酸処理によってYをH原子に変換して高分子固体電解質膜を得ることもできる。Z1はO原子であるとポリマーの着色が少なかったり、原料が入手しやすかったりするなどの利点があり好ましい。Z1がSであると耐酸化性が向上するため好ましい。n1は1〜30の範囲にあることが好ましく、n1が3以上の場合には、n1が異なる複数の単位が含まれていてもよい。Z2は、O原子、S原子、−C(CH3)2−基、−C(CF3)2−基、−CH2−基、シクロヘキシル基、直接結合を表し、O原子、S原子であるとより接合性がより改良されるため好ましい。Z2が直接結合である場合は、得られる高分子固体電解質膜の寸法安定性が改良されるために好ましい。n1が3以上の場合はZ2がO原子であると、高分子固体電解質膜にした場合の電極触媒層との接合性が特に向上するため好ましい。
一般式1で表される繰り返し単位を有するイオン性基含有ポリマーは、さらに一般式2で表される繰り返し単位をさらに含有していることが好ましい。
Figure 2012017352
[一般式2において、Ar1は二価の芳香族基を、Z3はO原子又はS原子のいずれかを、Z4は、O原子、S原子、−C(CH3)2−基、−C(CF3)2−基、−CH2−基、シクロヘキシル基、直接結合のいずれかを、n2は1以上の整数を表す。]
一般式2において、Z3はO原子であるとポリマーの着色が少なかったり、原料が入手しやすかったりするなどの利点があり好ましい。Z3がS原子であると耐酸化性が向上するため好ましい。n2は1〜30の範囲にあることが好ましく、n2が3以上の場合には、n2が異なる複数の単位が含まれていてもよい。Z4は、O原子、S原子、−C(CH3)2−基、−C(CF3)2−基、−CH2−基、シクロヘキシル基、直接結合を表し、O原子、S原子であるとより接合性がより改良されるため好ましい。Z4が直接結合である場合は、得られる高分子固体電解質膜の寸法安定性が改良されるために好ましい。n2が3以上の場合はZ4がO原子であると、高分子固体電解質膜にした場合の電極触媒層との接合性が特に向上するため好ましい。
本発明における高分子固体電解質膜を構成するイオン性基含有ポリマーが、主として、一般式1で表される繰り返し単位と、一般式2で表される繰り返し単位で構成される場合には、それぞれのモル比は、7:93〜70:30の範囲であることが好ましい。モル比が7:93とは、一般式1で表される繰り返し単位のモル数を7としたとき、一般式2で表される繰り返し単位のモル数が93であることを表す。70:30のモル比よりも一般式1で表される繰り返し単位が多くなると、高分子固体電解質膜としたときの燃料透過性が大きくなる場合があり好ましくない。7:93のモル比よりも一般式1で表される繰り返し単位が少なくなると、高分子固体電解質膜としたときのプロトン伝導性が低下して抵抗が増大するため好ましくない。10:90〜50:50の範囲であることがより好ましい。10:90〜40:60の範囲であることがさらに好ましい。本発明におけるイオン性基含有ポリマーは、一般式1及び一般式2で表される繰り返し単位を有することによって適切な軟化温度を有し、高分子固体電解質膜としたときに良好な電極との接合性を示す。
一般式2におけるAr1は、電子吸引性基を有する二価の芳香族基が好ましい。電子吸引性基とは、例えばスルホン基、スルホニル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸アミド基、スルホン酸イミド基、カルボキシル基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、シアノ基、ハロゲン基、トリフルオロメチル基、ニトロ基などを挙げることができるが、これらに限定されず、公知の任意の電子吸引性基であればよい。
Ar1の好ましい構造は、化学式3〜6で表される構造である。化学式3の構造はポリマーの溶解性を高めることができ好ましい。化学式4の構造はポリマーの軟化温度を下げて電極との接合性を高めたり、光架橋性を付与したりするので好ましい。化学式5又は6の構造はポリマーの膨潤を少なくできるので好ましく、化学式6の構造がより好ましい。化学式3〜6の中でも化学式6の構造が最も好ましい。
Figure 2012017352
本発明における高分子固体電解質膜を構成するイオン性基含有ポリマーのさらに好ましい態様の一つは、高分子固体電解質膜が主として、一般式1で表される構造と、一般式2で表される構造で構成され、かつ一般式1におけるZ1及びZ2がいずれもO原子であり、かつ、n1が3以上であるイオン性基含有ポリマーである。このようなイオン性基含有ポリマーを用いると、電極との接合性が特に向上するため好ましい。
前記のイオン性基含有ポリマーのさらに好ましい態様の一つは、一般式2における、Z3及びZ4がいずれもO原子であり、かつ、n2が3以上であるとより好ましい。このようなイオン性基含有ポリマーを用いると、電極との接合性がより一層向上するため好ましい。
本発明における高分子固体電解質膜を構成するイオン性基含有ポリマーのさらに好ましい態様の一つは、一般式1及び一般式2に加えて、一般式7で表される繰り返し単位を有するイオン性基含有ポリマーである。一般式1及び一般式2で表される繰り返し単位に加え、一般式7で表される繰り返し単位をさらに有していることが、高分子固体電解質膜としたときの膜の形態安定性を高めることができるため好ましい。
Figure 2012017352
[一般式7において、Xは−S(=O)2−基又は−C(=O)−基を、YはH又は1価の陽イオンを、Z5はO又はS原子のいずれかを表す。]
一般式7において、Xは−S(=O)2−基であると溶媒への溶解性が向上するため好ましい。Xが−C(=O)−基であると、ポリマーの軟化温度を下げて電極との接合性をさらに高めたり、電解質膜に光架橋性を付与したりすることができるため好ましい。高分子固体電解質膜として用いる場合には、YはH原子であることが好ましい。ただし、YがH原子であると、熱などによって分解しやすくなるので、電解質膜の製造などの加工時にはYをNaやKなどのアルカリ金属塩としておき、加工後に酸処理によってYをH原子に変換して高分子固体電解質膜を得ることもできる。Z5はO原子であるとポリマーの着色が少なかったり、原料が入手しやすかったりするなどの利点があり好ましい。Z5がSであると耐酸化性が向上するため好ましい。
本発明における高分子固体電解質膜を構成するイオン性基含有ポリマーが、一般式1、2、及び7で表される繰り返し単位を有している場合には、Z1及びZ2が、O原子又はS原子であり、かつ、n1が1であると、高分子固体電解質膜とした場合の電極触媒層との接合性と、膜の形態安定性がより良好になるので好ましい。また、Z3及びZ4が、O原子又はS原子であり、かつ、n2が1であると、高分子固体電解質膜とした場合の電極触媒層との接合性と、膜の形態安定性がさらに良好になるので好ましい。
本発明における高分子固体電解質膜を構成するイオン性基含有ポリマーは、一般式1、2、及び7で表される繰り返し単位に加え、一般式8で表される繰り返し単位をさらに有していると、高分子固体電解質膜としたときに、電極触媒層との接合性と、膜の形態安定性を大きく向上することができるためよりより好ましい。
Figure 2012017352
[一般式8において、Ar2は2価の芳香族基を、Z6はO原子又はS原子のいずれかを表す。]
一般式8におけるZ6はO原子であるとポリマーの着色が少なかったり、原料が入手しやすかったりするなどの利点があり好ましい。Z6がS原子であると耐酸化性が向上するため好ましい。化学式8におけるAr2は、電子吸引性基を有する二価の芳香族基が好ましい。電子吸引性基とは、例えばスルホン基、スルホニル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸アミド基、スルホン酸イミド基、カルボキシル基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、シアノ基、ハロゲン基、トリフルオロメチル基、ニトロ基などを挙げることができるが、これらに限定されず、公知の任意の電子吸引性基であればよい。
Ar2の好ましい構造は、化学式3〜6で表される構造である。化学式3の構造はイオン性基含有ポリマーの溶解性を高めることができ好ましい。化学式4の構造はイオン性基含有ポリマーの軟化温度を下げて電極との接合性をさらに高めたり、光架橋性を付与したりするので好ましい。化学式5又は6の構造はイオン性基含有ポリマーの膨潤を少なくできるので好ましく、化学式6の構造がより好ましい。化学式3〜6の中でも化学式6の構造が最も好ましい。
本発明における高分子固体電解質膜を構成するイオン性基含有ポリマーが、一般式1、2、7及び8でそれぞれ表される繰り返し単位を全て有している場合は、それぞれの繰り返し単位のモル%、及びその他の繰り返し単位のモル%が下記数式1〜3を満たすことが好ましい。
0.9≦(n3+n4+n5+n6)/(n3+n4+n5+n6+n7)≦1.0 (数式1)
0.05≦(n3+n4)/(n3+n4+n5+n6)≦0.7 (数式2)
0.01≦(n4+n6)/(n3+n4+n5+n6)≦0.95 (数式3)
(上記数式中、n3は一般式7で表される繰り返し単位のモル%を、n4は一般式1で表される繰り返し単位のモル%を、n5は一般式8で表される繰り返し単位のモル%を、n6は一般式2で表される繰り返し単位のモル%を、n7はその他の繰り返し単位のモル%を、それぞれ表す。)
(n3+n4+n5+n6)/(n3+n4+n5+n6+n7)が0.9よりも小さいと、高分子固体電解質膜としたときに良好な特性が得られないため好ましくない。より好ましいのは0.95〜1.0の範囲である。
(n3+n4)/(n3+n4+n5+n6)が0.05よりも小さくなると、高分子固体電解質膜としたときに十分なプロトン伝導性が得られないため好ましくない。また、0.9よりも大きいと高分子固体電解質膜としたときの膨潤性が著しく大きくなるため好ましくない。より好ましい範囲は0.1〜0.7の範囲である。
(n3+n4)/(n3+n4+n5+n6)は0.07〜0.5の範囲であることが好ましく、0.1〜0.4の範囲であることがより好ましい。0.5よりも大きいと、燃料透過性が大きくなる場合があり好ましくない。0.07よりも小さいと、プロトン伝導性が低下して抵抗が増大するため好ましくない。
(n4+n6)/(n3+n4+n5+n6)が0.01よりも少ないと、高分子固体電解質膜としたときに電極触媒層との接合性が低下するため好ましくない。0.95よりも大きいと、高分子固体電解質膜としたときの膨潤性が大きくなりすぎる場合があるため好ましくない。0.05〜0.8がより好ましい範囲である。0.4〜0.8の範囲であることがさらに好ましい。
なお、本発明におけるイオン性基含有ポリマーにおいて、上記各一般式で表される各繰り返し単位の結合様式は特に限定されるものではなく、ランダム結合、交互結合、連続したブロック構造での結合など、いずれでもよい。
本発明における上記イオン性基含有ポリマーの合成方法としては、公知の方法を採用でき、特に限定されないが、合成に用いる原料モノマーの好ましい例として、下記一般式9〜11で表される構造のモノマーを挙げることができる。さらに、一般式12で表される構造のモノマーをさらに用いると、膜の形態安定性など物理的な特性が向上するため好ましい。
Figure 2012017352
一般式9〜12において、Xは−S(=O)2−基又は−C(=O)−基を、YはH又は1価の陽イオンを、Z7及びZ10は、それぞれ独立してCl原子、F原子、I原子、Br原子、ニトロ基のいずれかを、Z8及びZ11は、それぞれ独立してOH基、SH基、−O−NH−C(=O)−R基、−S−NH−C(=O)−R基のいずれかを[Rは芳香族又は脂肪族の炭化水素基を表す。]、Z9は、O原子、S原子、−C(CH3)2−基、−C(CF3)2−基、−CH2−基、シクロヘキシル基のいずれかを、Ar4は分子中に、スルホン基、カルボニル基、スルホニル基、ホスフィン基、シアノ基、トリフルオロメチル基などのパーフルオロアルキル基、ニトロ基、ハロゲン基などの電子吸引性基を有する芳香族基を表す。
一般式9で表される化合物の具体例としては、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホブチル−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホブチル−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホブチル−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホブチル−4,4’−ジフルオロジフェニルケトン、及びそれらのスルホン酸基が1価陽イオン種との塩になったもの等が挙げられる。1価陽イオン種としては、ナトリウム、カリウムや他の金属種や各種アミン類等でも良く、これらに制限されるわけではない。
一般式9で表される化合物のうち、スルホン酸基が塩になっている化合物の例としては、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホン酸カリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホン酸カリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホン酸カリウム−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホン酸カリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルケトンなどを挙げることができる。
一般式10で表される化合物の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−チオビスベンゼンチオール、4,4’−オキシビスベンゼンチオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどを挙げることができ、4,4’−チオビスベンゼンチオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、末端ヒドロキシル基含有フェニレンエーテルオリゴマー(下記化学式13で表される構造のもの)が好ましい。化学式13においては、nは1以上の整数からなり、nの異なる成分が混合されたものでも良い。
Figure 2012017352
一般式10で表される構造のモノマーは、イオン性基含有ポリマーの柔軟性を高め、変形に対する破壊を抑制したり、ガラス転移温度を低下させ電極触媒層との接合性を向上させたりするなどの効果をもたらすことができる。
一般式11で表される化合物としては、同一芳香環にハロゲン、ニトロ基などの求核置換反応における脱離基と、それを活性化する電子吸引性基を有する化合物を挙げることができる。具体例としては、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、デカフルオロビフェニル等が挙げられるがこれらに制限されることなく、芳香族求核置換反応に活性のある他の芳香族ジハロゲン化合物、芳香族ジニトロ化合物、芳香族ジシアノ化合物なども使用することができる。
一般式12で表される化合物の例としては、4,4’−ビフェノール、4、4’−ジメルカプトビフェノールなどを挙げることができ、4,4’−ビフェノールが好ましい。
上述の芳香族求核置換反応において、一般式9〜12で表される化合物とともに他の各種活性化ジハロゲン芳香族化合物やジニトロ芳香族化合物、ビスフェノール化合物、ビスチオフェノール化合物をモノマーとして併用することもできる。
その他のビスフェノール化合物又はビスチオフェノール化合物の例としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ハイドロキノン、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、フェノールフタレイン、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド等が挙げられるが、この他にも芳香族求核置換反応によるポリアリーレンエーテル系化合物の重合に用いることができる各種芳香族ジオール又は各種芳香族ジチオールを使用することもでき、上記の化合物に限定されるものではない。
本発明で用いるイオン性基含有高分子固体電解質膜の製造方法においては、上記の活性化ジハロゲン芳香族化合物やジニトロ芳香族化合物や芳香族ジオール類又は芳香族ジチオール類を原料とし、塩基性化合物の存在下で、公知の芳香族求核置換反応により重合して得られるポリマーで、軟化温度が120℃以上のものが好ましく、さらに軟化温度が140〜300℃のものがより好ましい。
本例のスルホン酸基含有ブロック共重合ポリマー分子量を、0.5g/dLのN−メチル−2−ピロリドン溶液を30℃で測定したときの対数粘度で表すと、0.5以上であることが物理特性の面から好ましく、0.9以上であることがより好ましく、1.2以上であることがさらに好ましい。0.5未満であると物理特性が著しく低下するため好ましくない。対数粘度が5.0を超えると低濃度での粘度は高くできるが、重合時の溶液濃度が上げられないため1回の重合で得られるポリマー量が少なくなり、かつ重合時間が長くなることで製造コストが大幅に増大する不具合がある。
本発明の高分子固体電解質膜積層体の形状は特に限定されず、シート、ロールでも構わないが、好ましくはロール状態に巻き取られた状態で本発明の効果がより発揮される。高分子固体電解質膜の片面にのみ、非電解質フィルムを積層する場合には、高分子固体電解質膜を内側に巻いたほうが、輸送時や保管時の湿度変化による形状への影響を受けにくくより好ましい。
以下本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各種測定は次のように行った。
<溶液粘度>
溶液組成物 1.1mlを、20℃の恒温水で温度制御した東機産業株式会社製 E型粘度計RE−105Uを用いて測定し、せん断速度3.83s−1の際の値を測定値とした。
<膜厚>
端に1cm刻みの印をつけた5cm×5cmのサンプルを切り出した後、該サンプルを23℃、相対湿度50%の環境に5時間静置し、株式会社 セイコーem製フィルム厚み測定機 計太郎IIを用いて1サンプルにつき各1cm×1cmの刻みごとにn=1、総数
n=25の測定値を求めた。
<膜厚むら>
上記n=25の測定値に対し下記式により膜厚むらを求めた。
膜厚むら(%)=100×(膜厚の上限値−膜厚の下限値)/(膜厚のn=25の平均値)
(高分子固体電解質膜用ポリマーの作成)
<ポリマー製造例1>
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩778g、2,6−ジクロロベンゾニトリル553g、4,4’−ビフェノール893g、炭酸カリウム763g、N−メチル−2−ピロリドンを5631g入れて、窒素雰囲気下にて200℃で10時間反応させた。放冷の後、水中にストランド状に沈殿させ、得られたポリマーを10Lの水で5回洗浄した後、乾燥した。このポリマーのこのポリマーの対数粘度は1.25dL/gであった。
<ポリマー製造例2>
結合水を取り除いた3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(略号:S−DCDPS)800.0g、2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)356.5g、4,4’−ビフェノール(略号:BP) 600.5g、4,4’−チオビスフェノール(略号:BPS) 96.9g、炭酸カリウム 562.7g、N−メチル−2−ピロリドン(略号:NMP) 4624.3gを原料とする以外は、ポリマー製造例1と同様にして対数粘度1.35dl/gのポリマーを得た。
<ポリマー製造例3>
乾燥したS−DCDPS 310.1g、DCBN 253.3g、末端ヒドロキシル基含有フェニレンエーテルオリゴマー(大日本インキ化学工業社製SPECIANOL DPE−PL;化学式13においてnが1〜8の成分を含む混合物でnの平均値は5である構造であるもの)(略号:DPE) 1156.5g、炭酸カリウム319.0g、NMP 5165.3gを用い、反応時間を8時間にした他は、ポリマー製造例1と同様にして対数粘度0.83dl/gのポリマーを得た。
<ポリマー製造例4>
ポリマー製造例1において、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩778gのかわりに3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルケトン2ナトリウム塩721gを用いて同様にポリマーを合成した。得られたポリマーの対数粘度は1.29dL/gであった。
<ポリマー製造例5>
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1.20g、ビスフェノールS2.00g、ジフルオロジフェニルスルホン2.90g、炭酸カリウム1.82gを100ml四つ口フラスコに計り取り、窒素気流下で40mlのNMPを入れて、反応温度を175℃付近に設定して7時間反応させた。放冷の後、約300mlのメタノール中に再沈殿させ、ミキサーを用いて5回水洗処理をしてポリマーを得た。得られたポリマーの対数粘度は、0.62dL/gであった。ポリマー試料を濃硫酸(98%)とともに室温でマグネティックスターラーにより撹拌することで、スルホン化反応を行い、反応後、硫酸溶液を過剰の氷水中に投入して反応を止め、生じた沈殿を濾取、水洗して、スルホン酸基含有ポリマーを得た。
<ポリマー製造例6>
3,3’,4,4‘−テトラアミノジフェニルスルホン45g、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム42g、ポリリン酸(五酸化リン含量75%)615g、五酸化リン500gを重合容器に量り取り、窒素を流し、オイルバス中でゆっくり撹拌しながら120℃まで昇温し、1時間保持した後、200℃に昇温して6時間反応させた。その後、放冷し、水を加えて重合物を取り出し、家庭用ミキサーを用いて5回水洗を繰り返した後の水浸漬ポリマーに炭酸ナトリウムを加えて中和し、更に水洗を繰り返して洗液のpHが中性となり変化しないことを確認した。得られたポリマーは80℃で終夜減圧乾燥した。ポリマーの対数粘度は、1.73dL/gを示した。
<ポリマー製造例7>
3,3’,4,4‘−テトラアミノジフェニルスルホン18.3g、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム5.30g、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸11.3g、ポリリン酸(五酸化リン含量5%)250g、五酸化リン200gを重合容器に量り取り、ポリマー製造例6と同様にしてポリマーを得た。ポリマーの対数粘度は、1.53dL/gを示した。
<オリゴマー製造例1:疎水性オリゴマー>
2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)49.97g(290.5mmol)、4,4’−ビフェノール(略号:BP)56.44g(303.1mmol)、炭酸カリウム48.18g(348.6mmol)、NMP750mL、トルエン150mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた1000mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、15時間加熱した。窒素導入管、攪拌翼、冷却還流管、温度計を取り付けた別の1000mL枝付きフラスコに、NMP200mLとパーフルオロビフェニル12.62g(37.8mmol)を入れ、窒素気流下、攪拌しながら、オイルバス中で110℃に加熱した。そこに、DCBNとBPの反応溶液を、滴下漏斗を用いて2時間かけて攪拌しながら投入し、投入完了後、さらに2時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、3000mLの純水に注ぎオリゴマーを固化させ、さらに純水で3回洗浄して、NMP及び無機塩を除去した。水洗したオリゴマーは、濾別した後、100℃で2時間乾燥させた後、室温まで冷却し、3000mLのアセトンで2回洗浄し、過剰のパーフルオロビフェニルを除去した。再びオリゴマーを濾別し、120℃で16時間減圧乾燥して疎水性オリゴマーを得た。H−NMR測定による数平均分子量は6120だった。疎水性オリゴマーの化学構造を以下に示す。
Figure 2012017352
<オリゴマー合成例1:親水性オリゴマー>
4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ソーダ(略号:S−DCDPS)250.0g(508.9mmol)、BP105.72g(567.8mmol)、炭酸ナトリウム72.2g(681.4mmol)、NMP650mL、トルエン150mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた2000mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、16時間加熱した。続いて、NMP500mLを投入し、攪拌しながら室温まで冷却した。得られた溶液を、25G2ガラスフィルターで吸引濾過したところ、黄色の透明な溶液が得られた。得られた溶液を3Lのアセトンに滴下してオリゴマーを固化させた。オリゴマーはさらにアセトンで3回洗浄した後、濾別して減圧乾燥し親水性オリゴマーを得た。H−NMR測定による数平均分子量は5960であった。親水性オリゴマーの化学構造を以下に示す。
Figure 2012017352
<ポリマー製造例8:セグメント化ブロックポリマー>
親水性オリゴマー 45.00g、疎水性オリゴマーa 23.85g、炭酸ナトリウム1.18g、NMP500mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた1000mL枝付きフラスコに入れ、窒素気流下50℃のオイルバス中で攪拌し溶解させた。その後、110℃まで加熱し、10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、3Lの純水中に滴下してポリマーを固化させた。純水で3回洗浄した後、純水に浸漬したまま80℃で24時間処理し、その後で純水を除いて熱水洗浄を行った。その後、熱水洗浄をもう一度繰り返した。さらに水を除去したポリマーを、1500mLのイソプロパノールと750mLの水との混合溶媒に室温で16時間浸漬し、ポリマーを取り出し洗浄を行った。同じ操作をもう一度行った。その後、濾過でポリマーを濾別し、120℃で24時間減圧乾燥してスルホン酸基含有セグメント化ブロックポリマーを得た。ブロックポリマーの対数粘度は、2.9dL/gだった。ブロックポリマーの化学構造を以下に示す。
Figure 2012017352
<実施例1>
ポリマー製造例1で作成したポリマー10.0gを2000mlビーカーに取り、次に質量濃度20%の硫酸水溶液を1000ml入れて5時間待った後、硫酸を取り除くことを3回繰り返した後、1000mlの純水で10回洗うことでポリマー状態での酸変換を実施した。
次に酸変換後のポリマー 8.0gをγ−ブチロラクトン/1,3−ジオキソランの重量比50:50の混合溶媒に重量濃度3%となるように溶解し、溶液粘度42.0Pa.sの溶液組成物を得た。なお、この溶液組成物の上記混合溶媒中での質量濃度1%時の溶液粘度は19.5Pa.sであった。
この溶液組成物を350μmのクリアランスを持つ塗工幅200mmのアプリケーターで188μmのPETフィルム上に塗工し、120℃で20分間乾燥した。乾燥後の膜表面を確認した所、ハジキ、ユズ肌等は発生せず、品位が良好な膜が得られた。支持体からポリマー膜を剥がすことなく30℃の純水に25分間浸漬した後、純水を取り除くことを3回繰り返した後、さらに、支持体からポリマー膜を剥がすことなく25℃で30分間風乾させ、最後にポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離して高分子固体電解質膜を得た。この高分子固体電解質膜の厚さは5.0μm、厚さむらは3.9%であり、品位がよく厚さむらの小さい高分子固体電解質膜が得られた。これらの結果を表1、表2に示す。
<実施例2>
製造例1で作成したポリマー10.0gを質量濃度6%となるようNMPに溶解し、次に質量濃度3%となるようγ−ブチロラクトンを追加し、溶液粘度23.2Pa.sの溶液組成物を得た。この時のNMP/γ−ブチロラクトンの比は 48.5/51.5となる。なお、この溶液組成物の上記混合溶媒中での質量濃度1%時の溶液粘度は 10.4Pa.sであった。
この溶液組成物を350μmのクリアランスを持つ塗工幅200mmのアプリケーターで188μmのPETフィルム上に塗工し、120℃で20分間乾燥した。乾燥後の膜表面を確認した所、ハジキ、ユズ肌等は発生せず、品位が良好な膜が得られた。支持体からポリマー膜を剥がすことなく、30℃、20質量%硫酸水溶液に15分間浸漬し、引き続き30℃の純水に25分間浸漬した後、純水を取り除くことを3回繰り返した後、支持体からポリマー膜を剥がすことなく25℃で30分間風乾させ、最後にポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離して、高分子固体電解質膜を得た。この高分子固体電解質膜の厚さは5.0μm、厚さむらは4.8%であり、品位がよく厚さむらの小さい高分子固体電解質膜が得られた。これらの結果を表1、表2に示す。
<実施例3〜14>
ポリマー種、溶媒組成等種々の条件を変更して検討した結果を表1、表2に示す。いずれも品位がよく厚さむらの小さい高分子固体電解質膜が得られた。
<比較例1>
溶媒をNMP単独、濃度を25質量%とし、アプリケーターのクリアランスを40μmとした以外は実施例1と同様の操作を行い、溶液組成物及び高分子固体電解質膜を得た。得られた溶液組成物の溶液粘度は480Pa.s、上記混合溶媒中での質量濃度1%時の溶液粘度は24.3Pa.s、高分子固体電解質膜の厚さは5.8μm、厚さむらは34.2%であり、溶液粘度が高いため塗工時の液流れ等はなく、ハジキ、ユズ肌等はない高分子固体電解質膜が得られたが、膜厚むらが大きくなり精密な用途には不適な膜となった。これらの結果を表1に示す。
<比較例2>
溶媒をNMP単独、濃度を3質量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、溶液組成物及び高分子固体電解質膜を得た。得られた溶液組成物の溶液粘度は0.033Pa.s、前記混合溶媒中での質量濃度1%時の溶液粘度は0.015Pa.s、高分子固体電解質膜の厚さは3.2μm、厚さむらは100%を越え、溶液粘度が非常に低いため塗工、乾燥時にPET上の塗工液が流れ、PETとのハジキ及びユズ肌が起こったために、膜厚むらが非常に大きくなり精密な用途には不適な膜となった。これらの結果を表1、表2に示す。
<比較例3〜10>
ポリマー種、溶媒組成、アプリケーターのクリアランス等種々の条件を変更して検討した結果を表1に示す。いずれもPETとのハジキ及びユズ肌が発生し、かつ膜厚むらが大きくなり精密な用途には不適な膜となった。これらの結果を表1、表2に示す。
Figure 2012017352
Figure 2012017352

(欠点詳細)
PETハジキ:乾燥時にPET上の塗工液が流れ、一部PET上で塗工液がなくなって
しまうために発生する孔状の欠点
ユズ肌:乾燥時にPET上の塗工液が流れ、塗工液の厚みにむらが生じ、平滑性の失われた状態でそのまま乾燥固化することによるミカン肌状の欠点
本発明は、溶液組成物の粘度を低濃度でも高く保つことで加工性を確保しつつ、乾燥前の溶液の厚みを厚くし、溶液の厚みむらが乾燥後の膜の厚みむらに対する影響を小さくした溶液組成物およびその溶液組成物から製膜された厚みむらの小さい高分子固体電解質膜であり、高い膜厚精度が求められる用途に使用できることで固体高分子形燃料電池の発展に大いに寄与するものである。

Claims (7)

  1. 少なくとも、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とした0.5g/dLの溶液について30℃で測定される対数粘度が、0.5〜5.0dL/gである高分子電解質及び/又はその誘導体、及び2種以上の混合溶媒からなる溶液組成物であって、該高分子電解質及び/又はその誘導体を該混合溶媒中に1質量%含有する溶液についてE型粘度計を用いて20℃、せん断速度3.83s−1で測定した溶液粘度(A)がが0.5Pa・s以上300Pa・s以下であり、かつ、該高分子電解質及び/又はその誘導体をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶媒中に1質量%含有する溶液について前記条件で測定したときの溶液粘度(B)に対し(A)÷(B)が2以上であることを特徴とする溶液組成物。
  2. 該溶液組成物の混合溶媒がNMP以外の2種以上の溶媒の混合溶媒であることを特徴とする、請求項1に記載の溶液組成物。
  3. 該溶液組成物の混合溶媒がNMPと、NMP以外の1種以上の溶媒との混合溶媒であることを特徴とする、請求項1に記載の溶液組成物。
  4. 請求項1に記載の溶液組成物において、(A)が1.0Pa・s以上270Pa・s以下であり、(A)÷(B)が5以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の溶液組成物。
  5. 請求項1に記載の溶液組成物において、(A)が1.5Pa・s以上240Pa・s以下であり、(A)÷(B)が10以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の溶液組成物。
  6. 高分子電解質及び/又はその誘導体がスルホン酸基を有するポリマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶液組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の溶液組成物から作成されたことを特徴とする高分子
    固体電解質膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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