JP5971934B2 - 高周波基板用銅張り積層板及びそれに用いる表面処理銅箔 - Google Patents

高周波基板用銅張り積層板及びそれに用いる表面処理銅箔 Download PDF

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Description

本発明は、特にフレキシブルプリント配線板等に用いる銅張り積層板に関し、高周波域における伝送特性に優れ、かつ基材であるポリフェニレンエーテル含有樹脂との密着性に優れる高周波基板用銅張り積層板及びそれに用いる表面処理銅箔に関するものである。
近年、電子機器の小型化、薄肉化が進行しており、特に携帯電話に代表される携帯機器に用いられる各種電子部品は高度に集積化され、小型でかつ高密度のプリント配線板を内蔵するICやLSIなどが使用されている。
これに対応して、これらに使用される高密度実装用の多層プリント配線板やフレキシブルプリント配線板等(以下、単にプリント配線板ということもある)における回路配線パターンにも高密度化が要求され、回路配線の幅と間隔が微細な回路配線パターン、いわゆるファインパターンのプリント配線板が要求されている。
従来、プリント配線板に用いる銅箔は、樹脂基材に熱圧着する側の表面を粗化面とし、この粗化面で樹脂基材に対するアンカー効果を発揮させ、樹脂基材と銅箔との接合強度を高めてプリント配線板としての信頼性を確保している(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、電子機器の情報処理速度アップや無線通信への対応のため、電子部品には電気信号の高速伝送が求められており、高周波対応基板の適用も進行している。高周波対応基板では電気信号の高速伝送のための伝送損失の低減を図る必要があり、樹脂基材の低誘電率化に加えて導体である回路配線の伝送損失を低減することが要求されている。
数GHzを超える高周波帯域では、表皮効果により回路配線を流れる電流が銅箔表面に集中するため、高周波対応基板用の銅箔として従来の粗化処理を施した銅箔を用いた場合、化処理部における伝送損失が大きくなり伝送特性が悪化する不具合があった。
上述の問題を解消するため、ファインパターン対応や高周波対応のプリント配線板等に用いる銅箔として、粗化処理を施さずに平滑な銅箔を樹脂基材に張り付けて使用する方法がこれまで検討されてきた(例えば、特許文献2、3、4参照)。
しかしながら、これらの平滑な銅箔はファインパターンの回路形成法や高周波域における伝送特性が優れるものの、銅箔と樹脂基材との密着性を安定的に、かつ十分に高めることが困難であった。また回路配線のエッチング工程もしくは回路配線の端部へのSnめっき工程では、銅箔と樹脂基材との界面で薬品の染み込みが発生することや、プリント配線板の製造工程及び製品使用中の熱負荷により密着性が低下すること等の課題を有している。特に、ファインパターン対応のプリント配線板では回路配線(銅箔)と樹脂基材との接合面積が極めて小さく構成されているため、薬品の染み込みや熱負荷後の密着性低下が発生すると樹脂基材から回路配線が剥離する危険性がある。このため、樹脂基材と回路配線との密着性が良好な銅箔が望まれている。
しかし、銅箔の表面粗さが小さすぎる場合には銅箔と絶縁層である樹脂基材との密着性が低くなり、プリント配線板上に各種電子部品を実装する際のリフローはんだ工程において、銅箔の剥がれや膨れを引き起こすという問題があった。
前記問題を解決するために、例えば、以下の特許文献5には、不飽和二重結合を有する成分を含有するとともに硬化物の誘電率が3.5以下となるポリフェニレンエーテル樹脂組成物から形成される樹脂層と銅箔とを積層して構成される樹脂付銅箔を用いたプリント配線板製造用積層材料が開示されている。このプリント配線板製造用積層材料は、銅箔の樹脂層が形成される側の表面が、亜鉛又は亜鉛合金にて処理された後、ビニル基含有シランカップリング剤によるカップリング剤処理がされているものである。
前記プリント配線板製造用積層材料を用いた場合、表面粗さが小さい銅箔を用いても熱硬化性樹脂組成物中の不飽和二重結合がビニル基含有シランカップリング剤と結合し、この結合において亜鉛又は亜鉛合金が触媒的に働いて銅箔と熱硬化性樹脂組成物との接着力が向上する。このため、高周波の伝送損失が低く、かつ導体層と絶縁層との接着性が高いプリント配線板又は多層プリント配線板を容易に得ることができるとされている。
しかしながら、前記技術においては、不飽和二重結合を有する成分としてポリフェニレンエーテルのその末端のフェノール基の水素原子をエテニルベンジル基に置換することによりようやく実現可能になるものの、工程の簡略化のためには一般市販ポリフェニレンエーテル向けの接着力改善の技術が望まれる。
また、銅箔と樹脂との密着強度を高めるため、樹脂表面を化処理した場合、樹脂の粗面によって高周波伝送時に伝送損失が大きくなる。このため、樹脂表面をでき得るかぎり滑らかな表面にする必要があった。さらに、樹脂材料の低誘電率化に伴い極性のない樹脂を用いるようになっている。このような極性のない樹脂は、銅箔との密着性が非常に悪くなっている。この点からも銅箔と樹脂との密着強度を高めることが求められていた。
特開平05−029740号公報 特開2003−023046号公報 特開2007−165674号公報 特開2008−007803号公報 特開2007―030326号公報
本発明では上記問題点を解決し、プリント配線板の導体層を構成する銅箔の高周波伝送時における伝送損失を少なくして伝送特性を向上するとともに、銅箔層と樹脂層との密着性を改良した高周波基板用銅張り積層板及びそれに用いる表面処理銅箔を提供することを目的とする。
(1)粗化処理を施していない銅箔表面にニッケルめっき層、亜鉛めっき層およびクロメート処理層からなる積層の金属処理層の表面にシランカップリング剤が塗布されている銅箔とポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物と熱加圧成形積層板である高周波基板用銅張り積層板であって、前記銅箔と前記ポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物との密着強度は0.7kN/m以上を有し、前記金属処理層における亜鉛量が0.01〜0.10mg/dmであり、前記金属の表面粗さRaが0.05〜0.5μm、又はRzが0.3〜2.5μmであることを特徴とする高周波基板用銅張り積層板。
(2)前記ポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物の樹脂成分全量中にポリフェニレンエーテル樹脂30〜90質量%を含有したことを特徴とする前記(1)項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
(3)前記ポリフェニレンエーテルを有した樹脂組成物の樹脂成分全量中にスチレン系樹脂が10〜70質量%を含有したことを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
(4)前記ポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする(1)項ないし(3)項のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
(5)前記シランカップリング剤が、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基の何れか一種の官能基を有するシラン系化合物であることを特徴とする(1)項ないし(4)項のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
(6)前記シランカップリング剤が、アミノトリメトキシシランと、アミノトリエトキシシランのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする前記(1)項ないし(4)項のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
(7)前記シランカップリング剤が、イソシアネートトリメトキシシランと、イソシアネートトリエトキシシランのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする前記(1)項ないし(4)項のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
(8)前記シランカップリング剤が、メルカプトトリメトキシシランと、メルカプトトリエトキシシランのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする前記(1)項ないし(4)項のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
(9)粗化処理を施していない銅箔表面にニッケルめっき層、亜鉛めっき層およびクロメート処理層からなる積層の金属処理層の表面にシランカップリング剤が塗布されている銅箔とポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物との熱加圧成形積層銅箔であって、前記銅箔と前記ポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物との密着強度は0.7kN/m以上を有し、前記金属処理層における亜鉛量が0.01〜0.10mg/dmであり、前記金属の表面粗さRaが0.05〜0.5μm、又はRzが0.3〜2.5μmであることを特徴とする表面処理銅箔。
10)前記金属処理層におけるニッケル量が0.05〜1mg/dm及びクロム付着量が0.005〜0.06mg/dmであることを特徴とする前記(9)項に記載の表面処理銅箔。
本発明は、高周波伝送時における高周波基板用銅張り積層板の導体層を構成する銅箔の伝送損失が少なくなり、伝送特性が向上するとともに、銅箔と樹脂組成物との密着性を高めることができる。
本発明の高周波基板用銅張り積層板は、銅箔表面に金属処理層が形成された後シランカップリング剤が塗布されている銅箔と、ポリフェニレンエーテルを有する樹脂組成物とを熱加圧成形法で積層した高周波基板用銅張り積層板であり、銅箔とポリフェニレンエーテルを有する樹脂組成物との密着強度が0.6kN/m以上を有するものである。上記密着強度は、好ましくは0.6kN/m以上、より好ましくは0.8kN/m以上を有する。密着強度が0.6kN/m以上必要とする理由は、可動部品に使われるフレキシブルプリント基板として応用を考えた場合、金属・樹脂間で剥離はなく、十分な屈曲性を持たせるためである。
上記ポリフェニレンエーテルを有する樹脂組成物の樹脂成分全量中にポリフェニレンエーテル樹脂を30〜90質量%含有する。好ましくは30質量%〜90質量%含有し、より好ましくは50質量%〜90質量%含有する。ポリフェニレンエーテル樹脂が少なすぎる場合には耐熱性低下の原因となり、多すぎる場合には加工性が低くなる。
上記ポリフェニレンエーテルを有する樹脂組成物の樹脂成分全量中にスチレン系樹脂を10〜70質量%含有する。好ましくは10質量%〜50質量%含有する。このようにポリフェニレンエーテルを有する樹脂組成物にスチレン系樹脂を含有させることで、ポリフェニレンエーテル単体では加工性がないものに加工性を与えることができる。したがって、スチレン系樹脂含量が少なすぎる場合に加工性が不十分となり、加工性改善の効果はなく、多すぎる場合には樹脂組成物の耐熱性が低下し好ましくない。このスチレン系樹脂としては特に限定するものではないが、例えば、スチレン‐エチレン‐ブタジエンのブロック共重合(SEBS)が好ましい。
上記シランカップリング剤には、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基の何れか一種の官能基を有するシラン系化合物が挙げられる。
アミノ基を含むシラン系化合物には、アミノトリメトキシシランおよびアミノトリエトキシシランが挙げられ、上記シランカップリング剤はいずれか一方もしくは両方を含む。
イソシアネート基を含むシラン系化合物には、イソシアネートトリメトキシシランおよびイソシアネートトリエトキシシランが挙げられ、上記シランカップリング剤はいずれか一方もしくは両方を含む。
メルカプト基を含むシラン系化合物には、メルカプトトリメトキシシランおよびメルカプトトリエトキシシランが挙げられ、上記シランカップリング剤はいずれか一方もしくは両方を含む。
上記シランカップリング剤の液濃度は、0.01〜15vol.%のものが好ましく、より好ましくは0.1〜10vol.%のものが好ましい。0.01vol.%未満では、シラン付着量が少ないため、十分な密着特性が期待できず、15vol.%以上では、高温高湿環境下において密着力の低下が起こりやすくなるため、シランカップリング剤の液濃度は上記範囲に設定する。
金属表面にシランカップリング剤処理を行うことによって樹脂との密着が向上する原因は、シランカップリング剤と金属表面と間で形成される化学結合と、また、シランカップリング剤中のアミノ基、イソシアネート基、メルカプト基の何れか一種の官能基と樹脂との高い相互作用であると考えられる。
上記表面処理を行った銅箔(母材銅箔)の表面粗さRaが0.05〜0.7μm、又はRzが0.3〜2.5μmであり、好ましくはRaが0.05〜0.5μmであり、Rzが0.3〜2.5μmであり、より好ましくはRaが0.1〜0.4μmであり、Rzが0.5〜1.5μmである。母材銅箔の表面粗さをRaが上記範囲に規定されるのは、高周波伝送特性を要求される使途やCOF(チップ・オン・フィルム)としての使途を満足する視認性を発現するためである。
さらに、銅箔の金属処理層における亜鉛量は、好ましくは0.01〜0.10mg/dmであり、より好ましくは0.01〜0.08mg/dmである。ニッケル量は、好ましくは0.05〜1mg/dmであり、より好ましくは0.05〜0.8mg/dmである。及びクロム付着量は、好ましくは0.005〜0.06mg/dmであり、より好ましくは0.005〜0.05mg/dmである。
ニッケルの付着量を規定するのは耐熱性と回路直進性に影響があるためで、ニッケル付着量が少なすぎると耐熱性の改善がそれほど期待できず、多すぎると回路形成のためのエッチングに悪影響を及ぼすことが懸念されるためである。
クロメート処理層は、銅箔表面が酸化するのを防ぎ、銅箔と樹脂基材との初期密着性の向上及び高温高湿雰囲気に曝された後の密着力低下を防ぐ効果がある。クロメート処理層のCr付着量により、樹脂と金属を結合するためのシランカップリング効果が決定される。つまり、少なすぎると高温高湿雰囲気に曝された後の樹脂と金属との密着力が低下する。多すぎると、クロメート処理層の水酸基が減少され、初期の樹脂と金属との密着性が低くなる結果となる。
シランカップリング剤の付着量は、銅箔の表面粗さまたは溶液の粘度に依存する。実施例に示される溶液にて、上記表面処理された銅箔を浸漬した場合、その銅箔の表面状態により、付着量が決定される。
本発明の表面処理銅箔は、銅箔表面に金属処理層が形成された後シランカップリング剤が塗布されている銅箔とポリフェニレンエーテルを有する樹脂組成物を熱加圧成形法で積層したものであり、銅箔とポリフェニレンエーテルを有する樹脂組成物との密着強度は、好ましくは0.6kN/m以上を有するものであり、より好ましくは0.8kN/m以上を有するものである。
上記表面処理を行った銅箔(母材銅箔)の表面粗さRa、Rzは上述した通りに規定される。さらに銅箔の金属処理における亜鉛量、ニッケル量、クロム量は、上述した通りに規定される。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明銅箔の表面処理工程を製箔工程から順に説明する。
実施例1
<製箔工程>
下記のめっき浴及びめっき条件で簿い母材銅箔(未処理銅箔)を作成した。
めっき浴及びめっき条件は以下の通りである。
[銅めっき]
硫酸銅:銅濃度として50〜80g/L
硫酸濃度:30〜70g/L
塩素濃度:0.01〜30ppm
液温:35〜45℃
電流密度:20〜50A/dm
[表面処理−1(ニッケルめっき)]
下記のめっき浴及びめっき条件で一次処理層を施した。ニッケルの付着量は0.05〜1mg/dmであった。
硫酸ニッケル6水和物:240g/L
過硫酸アンモニア:40g/L
ホウ酸:30g/L
液温:50℃
電流密度:0.5A/dm
[表面処理−2(亜鉛めっき)]
下記のめっき浴及びめっき条件で二次処理層を施した。亜鉛量の付着量は0.01〜0.10mg/dmであった。
硫酸亜鉛7水和物:24g/L
水酸化ナトリウム:85g/L
液温:25℃
電流密度:0.4A/dm
[クロメート処理(クロム酸めっき)]
金属めっき層処理後に、下記条件でクロメート処理を施した。クロム付着量は0.005〜0.06mg/dmであった。
無水クロム酸:0.1g/L 〜 100g/L
液温:20 〜 50℃
電流密度:1 〜 2A/dm
一方、上記の条件下で作製された銅箔の表面粗さはRa=0.2μm〜0.4μm、Rz=1.0μm〜1.5μmであった。
[シランカップリング剤処理]
3‐アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−1100、)の1vol.%水溶液を用い、室温で上記銅箔の表面処理を行った。銅箔を斜めにした状態でシランカップリング剤水溶液を1分間均一に流し、その後、ロールによる液切りを行った。
[ポリフェニレンエーテル樹脂材(Thermoplastic)と銅箔とのラミネート処理]
樹脂基材としては、市販のポリフェニレンエーテル樹脂(Sabic Innovative Plastic,Noryl WCD861A、ガラス転移温度=152℃(動的粘弾性測定による))を使用し、熱プレス加工機(東洋精機製作所社製、ミニテストプレス(商品名))を用い、金属・樹脂ラミネートフィルムを作製(プレス温度=250℃、プレス圧力=1kN)し、試験片とした。
実施例2
シランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A―1100)の0.1vol.%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
実施例3
シランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−1100)の10.0vol.%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
実施例4
シランカップリング剤として3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−189)の1vol.%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
実施例5
シランカップリング剤として3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−1310)の1vol.%の水・エタノール(50:50vol%)混合溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
比較例1
シランカップリング剤による処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
比較例2
シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−174)の1vol.%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
比較例3
シランカップリング剤としてビニルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−171)の1vol.%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
比較例4
シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)の1vol.%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
比較例5
樹脂としてポリスチレン(PSジャパン社製、G9305)を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
比較例6
シランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−1100)の1vol.%水溶液を用い、表面処理した銅箔上に、バーコーターを用いて、樹脂としてポリアミドイミド(日立化成工業社製、HPC−5000)をコートした後、大気熱風高温槽中で熱処理乾燥(320℃、10秒)させた以外、実施例1と同様にして試験片を作製した。
なお、表1に示すシランの付着量は、クロメート付着量を調整することで表面の親水性を変化させて、調整することができる。
<試験片の特性評価>
上記各試験片について各種測定、評価を行い、その結果を表1に示した。
(1)金属付着量測定
走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製ZSX Primus、分析径:35mmφ)にて分析した。
(2)表面粗さの測定
接触式表面粗さ測定機(株式会社小阪研究所製サーフコーダーSE1700)用いて中心線平均粗さRaまたは10点平均粗さRzを測定した。
(3)初期ピール強度(初期密着強度測定)
密着強度は、テンシロンテスター(株式会社島津製作所製AG−10kNI(商品名))を使用して、カッターで5mm幅の切り込みを行った後、銅箔側をピール速度10mm/minで90度方向に引っ張りその際の応力を測ることで求めた。
(4)高周波特性の測定
420mm×500mmの多層プリント配線版の片面にエッチングにより幅100μm、長さ100mmであり、縦方向40mm間隔で10本の直線回路を形成した。そして回路を形成した後、回路形成面にプリプレグ1枚と両面板に使用したものと同じ銅箔を重ね合わせ、前記プリント配線板の製造と同様の条件で加熱加圧成形し、スプリットラインを持つ多層プリント配線板を得た。この多層プリント配線板の内層回路に10GHzと30GHzの信号を印し、その伝送損失を計測した。
Figure 0005971934
表1から明らかなように、実施例1〜5は、ピール強度が0.7kN/m以上であり、十分な密着性が得られた。また、伝送特性は、10GHzで−3.4〜−4.0、30GHzで−6.7〜−6.8dB/mが確認でき、密着性と高周波特性において良好な特性が確認できた。一方、比較例1はシランカップリング処理をしていないため、比較例2はシランカップリング剤が3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランであるため、比較例3はシランカップリング剤がビニルトリメトキシシランであるため、比較例4はシランカップリング剤が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであるため、比較例5は樹脂組成物がポリスチレンであるため、ピール強度が0.1〜0.5kN/mとなり、密着性が不十分であった。比較例6は、樹脂組成物がポリアミドイミドであるため、ピール強度が1.5kN/mとなり、密着性が十分であった。また、伝送特性は、比較例1〜4は、10GHzで−3.6〜−4.2、30GHzで−6.7〜−6.8dB/mが確認でき、比較例5では、10GHzで−3.5、30GHzで−6.6dB/mが確認できた。しかし比較例6では、伝送特性が10GHzで−6.5、30GHzで−11.5dB/mであり、劣っていた。

Claims (10)

  1. 粗化処理を施していない銅箔表面に形成されたニッケルめっき層、亜鉛めっき層およびクロメート処理層からなる積層の金属処理層の表面にシランカップリング剤が塗布されている銅箔とポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物との熱加圧成形積層板である高周波基板用銅張り積層板であって、前記銅箔と前記ポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物との密着強度は0.7kN/m以上を有し、前記金属処理層における亜鉛量が0.01〜0.10mg/dmであり、
    前記金属の表面粗さRaが0.05〜0.5μm、又はRzが0.3〜2.5μmであることを特徴とする高周波基板用銅張り積層板。
  2. 前記ポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物の樹脂成分全量中にポリフェニレンエーテル樹脂30〜90質量%を含有したことを特徴とする請求項1に記載の高周波基板用銅張り積層板。
  3. 前記ポリフェニレンエーテルを有した樹脂組成物の樹脂成分全量中にスチレン系樹脂が10〜70質量%を含有したことを特徴とする請求項1または2に記載の高周波基板用銅張り積層板。
  4. 前記ポリフェニレンエーテルを有した樹脂組成物は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
  5. 前記シランカップリング剤が、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基から何れ一種の官能基を有するシラン系化合物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
  6. 前記シランカップリング剤が、アミノトリメトキシシランと、アミノトリエトキシシランのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
  7. 前記シランカップリング剤が、イソシアネートトリメトキシシランと、イソシアネートトリエトキシシランのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
  8. 前記シランカップリング剤が、メルカプトトリメトキシシランと、メルカプトトリエトキシシランのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高周波基板用銅張り積層板。
  9. 粗化処理を施していない銅箔表面にニッケルめっき層、亜鉛めっき層およびクロメート処理層からなる積層の金属処理層の表面にシランカップリング剤が塗布されている銅箔とポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物との熱加圧成形積層銅箔であって、前記銅箔と前記ポリフェニレンエーテルを含有した樹脂組成物との密着強度は0.7kN/m以上を有し、前記金属処理層における亜鉛量が0.01〜0.10mg/dmであり、
    前記金属の表面粗さRaが0.05〜0.5μm、又はRzが0.3〜2.5μmであることを特徴とする表面処理銅箔。
  10. 前記金属処理層におけるニッケル量が0.05〜1mg/dm及びクロム付着量が0.005〜0.06mg/dmであることを特徴とする請求項9に記載の表面処理銅箔。
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