JP5871426B2 - 高周波伝送用表面処理銅箔、高周波伝送用積層板及び高周波伝送用プリント配線板 - Google Patents
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Description
特に該表面処理銅箔を比誘電率が低く、吸水率が低い絶縁樹脂と積層した高周波対応の積層板に関するものであり、また、該積層板を加工してなる高周波伝送用プリント配線板に関するものである。
そのような情報通信機器には、プリント配線板が使用されている。プリント配線板は通常、樹脂等の絶縁性材料の基板と導電性部分としての銅箔を加熱、加圧して銅張積層板を作製した後、エッチングして回路を形成する。さらに、この回路上に半導体素子等を搭載することによって完成する。
このような銅箔と高周波対応の絶縁樹脂との接着性を改善させる手段として従来は、樹脂との相性が良いシランカップリング剤を銅箔表面に設け、または、絶縁樹脂へシランカップリング剤を添加する等の方法が採られている。
前記表面処理銅箔の表面処理側面の算術平均表面粗さRaが0.35μm以下、前記表面処理側面の最大高さRyが1.0μm以上、前記表面処理銅箔の断面の前記表面処理側の丸い形状の頂部の曲率半径(R)が0.1μm以上であり、
前記カップリング層がメタクリロ系、アクリル系またはアミン系のカップリング剤で形成されており、
前記算術平均表面粗さRaおよび最大高さRyは、非接触式表面粗計で測定した結果を接触式表面粗計で測定した数値に一致させる校正を行ってJISB001−1994の定義に当てはめた値である、
1〜40GHzの高周波伝送用表面処理銅箔が提供される。
本発明の高周波伝送用プリント配線板は、周波数5GHzにおいて、伝送損失-3dB/m以下で、ピール強度0.3kN/m以上であることが望ましい。
本発明は、高周波伝送用プリント配線板として30GHz帯域で、伝送損失−8dB/m以下に抑えることを目的とし、その表面粗さを高周波対応プリント配線板に適用する大きさとし、かつ積層する比誘電率や誘電正接が低い高周波対応基板との接着強度を強固に維持した表面処理銅箔及び高周波対応積層板(プリント配線板)である。
高周波伝送に最も適した理想的な銅箔は図1に示すように、Ry=0、Ra=0(JIS B0601に規定されている測定法で測定する値)の高周波用銅箔であるが、現実にはこのような銅箔を製造することは不可能に近い。しかし、図1のような状態に近づける開発努力はなされている。その結果として、銅箔の表面粗さRz=1.0〜2.5μmの銅箔を製造する技術はすでに開発されているが、このような低プロファイル銅箔の表面は図4に示すように先端が尖った粗化形状をしているため高周波対応としては、電流が銅箔表面の先端の尖った部分に集中しやすく、即ち、電流のエッジ効果のために、高周波伝送用としてはインピーダンスが増加し採用できないものである。
銅箔の場合、30GHzの高周波を伝送する場合、表皮効果による表皮深さは理論上の計算では、0.4μmとなる。そこで、銅箔表面のRaを0.4μm以下とすれば高周波の伝送経路が確保され、伝送損失は小さくなると予測できる。しかし伝送損失は小さくなるが、絶縁樹脂との接着強度(ピール強度)0.3kN/m以上を満足する銅箔を製造することは極めて困難である。
耐熱層を形成する材料としては導電率の高い材料を選択し、高周波に対応するため、耐熱層の厚さは薄めに制御する。
本発明において使用される銅箔は、未処理電解銅箔あるいは圧延銅箔いずれでもよく、これら銅箔の表面に表面処理を施す。特に電解銅箔を採用する場合、近年表面粗さがRz=2.5μm以下の低プロファイル銅箔の製造技術が確立され、製箔工程のドラム面側であるS面、又は非ドラム面側であるM面の表面粗さの差が殆どない銅箔が供給されているので、該銅箔においてはいずれかの面に表面処理を施す。
高周波伝送を実現するには表皮効果を充分に考慮する必要がある。そのためには表面粗さRaを0.35μm以下とする。Raが0.35μm以上であると特に30GHz以上の高周波伝送に支障を来たす。
また、表面粗さRyは1.0μm以上とする。Ry=1.0μm以上とすることでピール強度0.3kN/m以上を満足し、かつ高周波伝送に支障を来たすことがない銅箔表面となる。Ryが1.0μm以下では30GHz以上の高周波伝送に寄与するが、ピール強度0.3kN/m以上を満足することができない。
なお、平滑めっきの電流密度、またはめっき時間によっては、銅箔表面はさらに滑らかになり、Rが大きくなるため、ピール強度0.3kN/mを満足できなくなる恐れがあるため、注意が必要である。
このような粗化処理で表面粗さRyが1.0μm以上の表面処理がなされ、Ry=1.0μm以上とすることでピール強度0.3kN/m以上を満足する銅箔表面が得られる。
耐熱処理層はニッケル、亜鉛、亜鉛−ニッケル、ニッケル−銀、銅−亜鉛、銅−ニッケル−コバルト及びニッケル−コバルトのうち少なくとも1種類以上の薄膜で構成することが好ましい。
なお、上記表面処理銅箔の表面粗さは、微細粗化処理後の耐熱処理、防錆処理またはシランカップリング処理を施しても、その表面粗さまた粗化形状をほとんど変化しない。
銅箔表面の粗化処理は微細銅粒等を析出させ、平滑めっき処理を施して、耐熱処理層を形成する前に行う微細粗化処理工程を有する。高周波対応としては、上述のように銅箔の表面粗さがなるべく小さい方が好ましく、本発明の微細化粗化処理は、従来の粗化処理と比較して、粗化粒子を制御して、表面の形状を高周波信号の伝送に適した表面形状とする。
アクリル系シランカップリング剤としては、3−アクリロキシプロビルトリメトキシシランなどが好ましい。
またアミン系シランカップリング剤としては、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが好ましい。
吸水率0.5%以下の絶縁樹脂としては、例えば日立製MCL-FX-2、パナソニック製MEGTRON6若しくは三菱ガス化学製CCL-HL832-MG等が市販されている。このような絶縁樹脂(以下高周波対応の絶縁樹脂という)と本発明表面処理銅箔とを熱プレスで積層して、高周波伝送用プリント積層板を作製し、この積層板を使用して、フォトグラフィック技術等を用いて、微細回路パターンを形成し、高周波対応プリント配線板とする。
特開2008−13847号公報に開示された方法にて、厚さ18μmの未処理銅箔(Rz=0.8μm)を製造した。さらに、その未処理銅箔のM面の上に銅の微粒子で粗化面を形成した。
微細銅粗化粒子処理条件
硫酸銅を用いて金属銅として・・・・・・・・・・・・・23.5g/l
硫酸として・・・・・100g/l
モリブデン酸ナトリュウムを用いてモリブデンとして・・・0.25g/l
塩酸の塩素イオンとして・・・・・・・・・・・・・・・0・002g/l
硫酸第二鉄の金属鉄として・・・・・・・・・・・・・・・0.20g/l
硫酸クロムの三価クロムとして・・・・・・・・・・・・・0.20g/l
浴温度・・25.5℃
陰極電解メッキ電流密度・・28.5A/dm2
平滑銅メッキ処理条件
硫酸銅を用いて金属銅として・・・・・・・・・・・・・55.0g/l
硫酸として・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110g/l
塩酸の塩素イオンとして・・・・・・・・・・・・・・0.002g/l
浴温度・・・45.5℃
陰極電解メッキ電流密度・・・18.5A/dm2
このときのNiの付着量は、予め検量線を作成してある蛍光X線分析装置での測定値で20.15 mg/dm2となる下記の処理条件で施した。
Niめっき浴組成および処理条件
硫酸ニッケルを用いて金属ニッケルとして・・5.0g/1
過硫酸アンモニウムとして・・・・・・・・40.0g/1
ほう酸として・・・・・・・・・・・・・・28.5g/1
浴pH値として・・・・・・・・・・・・・3.8
浴温設定として・・・・・・・・・・・・・28.5℃
めっき電流密度・・・・・・・・・・・・・1.5A/dm2
Crめっき浴
酸化クロムとして・・・・・・・・・2.5g/l
浴温設定として・・・・・・・・・・28.5℃
めっき電流密度・・・・・・・・・・1.5A/dm2
クロメート浴のpH値として・・・・2.8
シランカップリング剤層は、酢酸を添加しpHを5に調製した純水にメタクリロ系シランカップリング溶液(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を0.1%となるように添加し、12時間撹拌した溶液(0.1%3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を少量銅箔上に滴下し、SUS製ロールを転がして均等に塗布し、塗布後100℃で5分間乾燥した。
この表面処理銅箔に変性ポリフェニレンエーテルを官有する樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
特開平9−143785号公報に開示の方法にて、厚さ18μmの未処理銅箔(Rz=1.5μm)を実施例1に示す平滑銅メッキ処理の電流密度10.5A/dm2で製造し、耐熱層をZnで形成した以外は実施例1と同様の表面処理を施した。
Znめっき浴
Zn・・・・・・・・・1〜30g/l
NaOH・・・・・10〜300g/l
浴温・・・・・・・・5〜60℃
電流密度・・・・・・0.1〜10A/dm2
処理時間・・・・・・1秒〜2分
この時のZn付着量は0.43mg/dm2であった。
この表面処理銅箔に変性ポリフェニレンエーテルを官有する樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
特開平9−143785号公報に開示の方法にて、厚さ18μmの未処理銅箔(Rz=2.5μm)を実施例1に示す平滑銅メッキ処理の電流密度25.5A/dm2で製造し、耐熱層をNi−Moで形成した以外は実施例1と同様の表面処理を施した。
Ni−Moめっき浴
Ni・・・・・・・・・・・・・・・・・10〜100g/l
Mo・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1〜30g/l
クエン酸3ナトリウム2水和物・・・・・30〜200g/l
浴温・・・・・・・10〜70℃
電流密度・・・・・20A/dm2
処理時間・・・・・10秒
pH・・・・・・・1.0〜4.0
このときのNi−Moの付着量は、1.5mg/dm2であった。
この表面処理銅箔に変性ポリフェニレンエーテルを官有する樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
特開2008−13847号公報に開示の方法にて、厚さ18μmの未処理銅箔(Rz=1.5μm)を製造し、シランカップリング剤としてアクリル系シランカップリング剤を用いた以外は実施例1と同様の表面処理を施した。
アクリル系シランカップリング(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を酢酸を添加しpHを5に調製した純水に0.4%となるように添加したのち12時間撹拌した溶液(0.4%アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を少量銅箔上に滴下し、SUS製ロールを転がして均等に塗布し、塗布後100℃で5分間乾燥した。
この表面処理銅箔にポリフェニレンエーテルとブタジエンポリマーが相容化した樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
実施例4で用いたアクリル系シランカップリング剤を用いた以外は実施例2と同様の表面処理を施した。
この表面処理銅箔にビシマレイミド化合物とトリアジン樹脂とを重合した樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
実施例4で作成した未処理銅箔を使用し、耐熱層処理をニッケル−銀とした以外は、実施例1と同様の表面処理を施した。
無電解ニッケルめっき浴
次亜リン酸・・・・・・・・110〜130g/L
硫酸ニッケル・・・・・・・・98〜120g/L
酢酸ナトリウム・・・・・・・・45〜60g/L
硝酸鉛・・・・・・0.005〜0.025g/L
チオ尿素・・・・・0.003〜0.023g/L
リンゴ酸・・・・・・・・・・・70〜95g/L
pH緩衝剤として苛性ソーダ・・30〜50g/L
pH・・・・・・・・・・・・・4.8〜5.3
A液
塩化銀・・・・・・・・2.0g
亜硫酸ナトリウム・・・・40g
水・・・・・・・・・・250g
B液
硫酸ヒドラジン・・・・5.0g
水・・・・・・・・・・250g
A液とB液を混合
PH・・・・7.6
液温度・・・20℃
この表面処理銅箔に変性ポリフェニレンエーテルを官有する樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
実施例3で作成した未処理銅箔(Rz=2.5μm)のS面を公知の方法で研磨し、Rz=0.8μmに仕上げ、該S面にシランカップリング剤を下記のアミン系とした以外は実施例1と同様の表面処理を施した。
アミン系シランカップリング剤は、3−アミノプロピルトリメトキシシランを、酢酸を添加しpHを5に調製した純水に0.4%となるように添加したのち12時間撹拌した0.4%アミノプロピルトリメトキシシラン溶液を銅箔に塗布した。
この表面処理銅箔に変性ポリフェニレンエーテルを官有する樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
厚さ18μmでRz=1.1μmの圧延銅箔の片面に、実施例1と同じ微細粗化処理を施し、次いで耐熱処理層として、微細粗化された銅箔表面上にNi−Znめっき層を形成した。
Niめっき浴組成および処理条件
硫酸ニッケルを用いて金属ニッケルとして・・5.0g/l
過硫酸アンモニウムとして・・・・・・・・40.0g/l
ほう酸として・・・・・・・・・・・・・・28.5g/l
浴pH値として・・・・・・・・・・・・・・3.8
浴温設定として・・・・・・・・・・・・・28.5℃
めっき電流密度・・・・・・・・・・・・・1.5A/dm2
Zn・・・・・・・・・1〜30g/l
NaOH・・・・・10〜300g/l
浴温・・・・・・・・5〜60℃
電流密度・・・・・・0.1〜10A/dm2
処理時間・・・・・・1秒〜2分
次いで実施例1と同様に防錆処理、シランカップリング剤処理を施した。
この表面処理銅箔に変性ポリフェニレンエーテルを官有する樹脂フィルムを張付け測定試料とした。
特開2008−226800号公報に開示されている方法にて製箔した未処理銅箔(Rz=3.1)のM面に実施例1と同様の表面処理を施した。
特開2008−226800号公報に開示された方法で製箔した未処理銅箔(Rz=1.5μm)のM面に下記シランカップリング剤層を設けた以外は、実施例2と同様の表面処理を施した。
エポキシ系シランカップリング溶液
3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを、酢酸を添加しpHを5に調製した純水に0.4%となるように添加したのち、12時間撹拌した溶液(0.4%エポキシキシシラン)。
特開2008−226800号公報に開示された方法にて製箔した未処理銅箔M面(Rz=1.5)に実施例1と同様の表面処理を施した。
この表面処理銅箔に、ポリアミドイミドフィルム(吸水率0.5%以上)を張付け測定試料とした。
特開2008−226800号公報に開示された粗化処理方法にて、未処理銅箔のM面にRy=2.6μmの表面粗化処理を施した。それ以外は実施例1と同様の処理を施した。
特開2008−226800号公報に開示された粗化処理方法にて、未処理銅箔のM面にRy=3.5μmの表面粗化処理を施した。それ以外は実施例1と同様の処理を施した。
耐熱層を施さない以外は、比較例1と同様の未処理銅箔を用いて比較例1と同様の表面処理を施した。
微細粗化処理を施さない以外は実施例7と同じ表面処理を施した。
実施例1の未処理銅箔を用いて、下記エッチング溶液にて粗化処理を施した以外は、実施例1と同様の表面処理を施した。
メックエッチボンドCZ-8100シリーズ(メック株式会社)により表面を粗化した。
各実施例及び各比較例で製造した表面処理銅箔の表面粗さRz、Ry、Raは、従来の接触式表面粗計では、微細な粗化形状を正確に測定できないことから、非接触式測定器(レーザ光学式表面粗さ測定装置)を用いて測定した。
JIS B0601−1994「表面粗さの定義と表示」で制定された接触式表面粗計での測定値と非接触式測定器で測定した測定値は一致せず、わずかに相違する。
そのため、粗さ比較標準片を使用して、非接触式測定器で測定したデータを従来の接触式表面粗計で測定した数値に一致させる校正を行った。その校正値は、
非接触式測定器:接触式表面粗計=1:0.46
であり、本発明は、接触式表面粗さに校正した「十点平均粗さ」Rz、「最大高さ」Ry、「算術平均粗さ」Raに換算した。測定結果の換算値を表1に示す。なお、基準長さは0.08mmで行った。
実施例、比較例で作成した表面処理銅箔を、高周波対応の絶縁樹脂と加熱プレスし、銅張積層板を作製した。この銅張積層板をJIS C6481に規定する方法により常態ピール強度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例、比較例で作成した表面処理銅箔の断面を走査型電子顕微鏡にて5000倍の断面画像として記録し、次に、画像処理ソフトウェアを使用し、粒径、表面形状を測定した。その結果を表1に示す。
実施例、比較例で作成した表面処理銅箔にプリプレグ(高周波対応の絶縁樹脂)を積層した420mm×500mmのプリント積層板にエッチングにより幅100μm、長さ100mm、縦方向40mm間隔で10本の直線回路を形成した。回路形成後、回路形成面にプリプレグ1枚と表面処理銅箔を重ね合わせ、前記プリント配線板の製造と同様の条件で成形し、スプリットラインを持つプリント配線板を作成した。このプリント配線板の回路に1〜40GHzの信号を印可し、特開平成10−197577に開示された測定方法にて、伝送損失を計測した。
その結果を表1に示す。
一方比較例1は未処理銅箔の表面粗さが粗かったために粗化処理後のRaが大きく、熱処理後のピール強度は満足するものの高周波特性、特に30GHz以上の伝送損失が満足できないものとなっている。
また、比較例2はシランカップリング剤をエポキシ系としたために加熱処理後のピール強度が満足できないものとなっている。
比較例4は粗化処理の粒径の大きな表面処理となり、Ryが大きいために熱処理後のピール強度は満足するものの高周波特性、特に30GHz以上の伝送損失が満足できないものとなっている。
比較例5は比較例1と同様、粗化処理後のRaが大きく、熱処理後のピール強度は満足するものの高周波特性、特に30GHz以上の伝送損失が満足できないものとなっている。
比較例7は粗化処理を施さなかったためにピール強度が低く、積層した樹脂フィルムが剥がれる不具合が生じた。
比較例8は粗化処理をエッチングで施したために粗化面の頂部形状が尖ったものとなり、高周波特性が劣る結果となっている。
Claims (5)
- 未処理銅箔の少なくとも片面に銅の微粒子の粗化処理層、平滑銅メッキ層、耐熱処理層、防錆処理層及びシランカップリング剤層を順に設けてなる表面処理銅箔であって、
前記表面処理銅箔の表面処理側面の算術平均表面粗さRaが0.35μm以下、前記表面処理側面の最大高さRyが1.0μm以上、前記表面処理銅箔の断面の前記表面処理側の丸い形状の頂部の曲率半径(R)が0.1μm以上であり、
前記カップリング層がメタクリロ系、アクリル系またはアミン系のカップリング剤で形成されており、
前記算術平均表面粗さRaおよび最大高さRyは、非接触式表面粗計で測定した結果を接触式表面粗計で測定した数値に一致させる校正を行ってJISB001−1994の定義に当てはめた値である、
1〜40GHzの高周波伝送用表面処理銅箔。 - 前記耐熱処理層がニッケル、亜鉛、亜鉛−ニッケル、ニッケル−銀、銅−亜鉛、銅−ニッケル−コバルト及びニッケル−コバルトのうちの少なくとも1種類以上の層で形成されている請求項1に記載の高周波伝送用表面処理銅箔。
- 吸水率0.5%以下の高周波対応の絶縁樹脂と、請求項1または2に記載の高周波伝送用表面処理銅箔とを積層してなる高周波伝送用積層板。
- 吸水率0.5%以下の高周波対応の絶縁樹脂と、請求項1または2に記載の高周波伝送用表面処理銅箔とを積層してなる高周波伝送用プリント配線板。
- 周波数5GHzにおいて、伝送損失が3dB/m以下で、ピール強度0.3kN/m以上である、請求項4に記載の高周波伝送用プリント配線板。
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