JP5963580B2 - ウエーハの加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外周に面取り部を有するウエーハの該面取り部を切削ブレードで除去するウエーハの加工装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、シリコンや化合物半導体からなるウエーハの表面にストリートと呼ばれる格子状の分割予定ラインが形成される。そして、分割予定ラインによって区画された各領域にICやLSI等のデバイスが形成される。
これらのウエーハは裏面が研削及び/又は研磨されて所定の厚みへと薄化された後、切削装置でストリートに沿って切削され、個々のチップへと分割されることで半導体デバイスが製造される。このようにして製造された半導体デバイスは、携帯電話、パソコン等の各種電気機器に広く利用されている。
ウエーハの外周には表面から裏面に至る円弧面を呈した面取り部が形成されている。従って、ウエーハの裏面を研削してウエーハを薄化すると、面取り部に円弧面と研削面とによって形成されたナイフエッジが残存して危険であるとともに、外周に欠けが生じてデバイスの品質を低下させてしまう。
そこで、特開2000−173961号公報では、ウエーハの裏面を研削する前に切削ブレードでウエーハの面取り部を除去する外周加工方法、所謂エッジトリミング方法が開示されている。
面取り部は、例えば0.5mm〜1mmの厚みを有する切削ブレードで円形加工を施すことにより除去される。そして、面取り部が除去されたウエーハは、研削装置で裏面が研削された後、例えば約30μmの厚みを有する切削ブレードでストリートに沿って切削され個々のチップに分割される。
特開2000−173961号公報 特開平8−107092号公報
エッジトリミング時に過度に早い周速度でチャックテーブルを回転させると、切削ブレードやウエーハに過度な加工負荷がかかり、ウエーハにチッピングやクラックを発生させたり切削ブレードを破損させてしまう恐れがある。一方、過度に遅い周速度でチャックテーブルを回転させると、加工時間が非常に長く掛かってしまう。
切削装置のチャックテーブルを回転させる駆動源であるモータは所定の角速度で回転するが、例えば直径の異なるウエーハを同一の加工条件で切削する場合、作業者が誤って同一の角速度でチャックテーブルを回転させて加工を施してしまうことがある。
直径が異なるウエーハでは同一の角速度でも周速度が異なるため、ウエーハにチッピングやクラックを発生させたり切削ブレードを破損させてしまったり、加工時間が長く掛かってしまう等の問題が生じる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直径の異なるウエーハを同一の角速度で加工することに起因するウエーハや切削ブレードの破損を防止するとともに、加工時間が過度に長くなる恐れを低減可能なウエーハの加工装置を提供することである。
本発明によると、ウエーハの外周縁に切削ブレードを切り込ませた状態でウエーハを回転させることでウエーハの外周縁に円形加工を施すウエーハの加工装置であって、ウエーハを保持する保持面を有するチャックテーブルと該チャックテーブルを回転させる駆動源とを含む保持手段と、該チャックテーブルに保持されたウエーハを切削する切削ブレードを含む切削手段と、該切削手段を該保持面に対して接近離反可能に相対移動させる移動手段と、ウエーハの外径サイズ及び該チャックテーブルに保持されたウエーハ加工時のウエーハ外周の周速度を入力する入力手段と、該移動手段と該駆動源とを制御する制御部を含む制御手段と、を備え、該制御手段は、該入力手段で入力されたウエーハの外径サイズを記憶する外径サイズ記憶部と、該入力手段で入力された該ウエーハ外周の周速度を記憶する周速度記憶部と、該外径サイズ記憶部で記憶されたウエーハの外径サイズと該周速度記憶部で記憶された該周速度に基づいて、該チャックテーブルを回転させる角速度を算出する角速度算出部と、を有し、該制御部は該角速度算出部で算出された角速度に基づいて該チャックテーブルを回転させることを特徴とするウエーハの加工装置が提供される。
本発明のウエーハの加工装置は、入力された周速度とウエーハの外径サイズとからチャックテーブルを回転させる角速度を算出する。従って、直径の異なるウエーハを同一の角速度で加工することに起因するウエーハや切削ブレードの破損を防止するとともに、加工時間が過度に長くなる恐れを低減できる。
加工装置(切削装置)の外観斜視図である。 加工装置(切削装置)の機構部の斜視図である。 半導体ウエーハの表面側斜視図である。 保持ステップを示す一部断面側面図である。 切削ブレード切り込みステップを示す一部断面側面図である。 円形加工ステップ(エッジトリミングステップ)を示す平面図である。 円形加工ステップを示す一部断面側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係る切削装置(加工装置)2の外観斜視図が示されている。符号4,6,8は切削装置2の図示しない骨組みに取り外し可能に装着される外装カバーであり、これらの外装カバー4,6,8及び骨組みに固定された多数のパネル10によりハウジング12が構成される。
オペレータ(作業者)が切削装置2を操作する操作側には、オペレーション表示モニタ14が配設されている。このオペレーション表示モニタ14は入力手段を兼用するタッチパネル式であり、オペレータはモニタ14に表示された情報にタッチすることにより、切削装置2にコマンドを入力することができるとともに、切削装置2の稼働状況がモニタ14上に表示される。
16は切削装置2の稼働状況を表示する表示ランプであり、切削装置2が正常作動時には例えば緑色で点灯し、何らかの故障が生じた場合には赤色が点滅する。18は非常停止ボタンであり、オペレータがこの非常停止ボタンを押すと切削装置2の作動を直ちに停止することができる。
切削装置2の操作側には扉20,22が設けられている。ハウジング12の内部に収容されたチャックテーブルにウエーハを装着したり、またはスピンドルに装着された切削ブレードを交換したい等の場合には、これらの扉20,22を開閉して作業を実施する。
図2を参照すると、ハウジング12を取り外した状態の切削装置2の機構部の斜視図が示されている。切削装置2は静止基台24上に搭載されたX軸方向に伸長する一対のガイドレール26を含んでいる。
X軸移動ブロック28は、ボールねじ30及びパルスモーター32とから構成されるX軸送り機構34により加工送り方向、即ちX軸方向に移動される。X軸移動ブロック28上には円筒状支持部材42を介してチャックテーブル40が搭載されている。
チャックテーブル40は多孔質セラミックス等から形成された吸引保持部44を有している。チャックテーブル40には複数の(本実施形態では4本)のクランプ46が配設されている。
X軸送り機構34は、ガイドレール26に沿って静止基台24上に配設されたスケール36と、スケール36のX座標値を読み取るX軸移動ブロック28の下面に配設された読み取りヘッド38とを含んでいる。読み取りヘッド38は切削装置2のコントローラ76に接続されている。
静止基台24上には更に、Y軸方向に伸長する一対のガイドレール48が固定されている。Y軸移動ブロック50は、ボールねじ52及びパルスモーター54とから構成されるY軸送り機構56によりY軸方向に移動される。
Y軸移動ブロック50にはZ軸方向に伸長する一対の(一本のみ図示)ガイドレール58が形成されている。Z軸移動ブロック60は、図示しないボールねじ及びパルスモーター62とから構成されるZ軸送り機構64によりZ軸方向に移動される。
66は切削ユニットであり、切削ユニット66のスピンドルハウジング67がZ軸移動ブロック60中に挿入されて支持されている。スピンドルハウジング67中にはスピンドル68(図5参照)が収容されて、エアベアリングにより回転可能に支持されている。スピンドル68はスピンドルハウジング67中に収容された図示しないモータにより回転駆動され、スピンドル68の先端部には切削ブレード70が着脱可能に装着されている。
スピンドルハウジング67にはアライメントユニット72が搭載されている。アライメントユニット72はチャックテーブル40に保持されたウエーハ11を撮像する顕微鏡及びCCDカメラを有する撮像ユニット74を有している。切削ブレード70と撮像ユニット74はX軸方向に整列して配置されている。
図3を参照すると、半導体ウエーハ(以下単にウエーハと略称することがある)11の表面側斜視図が示されている。ウエーハ11は例えば厚さが700μmのシリコンウエーハからなっており、表面11aに複数の分割予定ライン(ストリート)13が格子状に形成されているとともに、複数の分割予定ライン13によって区画された各領域にIC,LSI等のデバイス15が形成されている。
このように構成されたウエーハ11は、デバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19をその表面の平端部に備えている。ウエーハ11の外周部には円弧状の面取り部11eが形成されている。21はシリコンウエーハの結晶方位を示すマークとしてのノッチである。
再び図2を参照すると、切削装置2のコントローラ(制御手段)76は、タッチパネル式のオペレーション表示モニタ14から入力されたウエーハ11の外径サイズを記憶する外径サイズ記憶部78と、同じくオペレーション表示モニタ14から入力されたウエーハ外周の周速度を記憶する周速度記憶部80と、外径サイズ記憶部78で記憶されたウエーハ11の外径サイズと周速度記憶部で記憶されたウエーハ11の外周の周速度に基づいて、円筒状支持部材42中に収容された図示しないチャックテーブル回転用のモータを作動させる角速度算出部82を有している。
コントローラ76の制御部84は、角速度算出部82で算出された角速度に基づいてチャックテーブル回転用のモータを作動させ、チャックテーブル40を算出された角速度で回転させる。
以下、このように構成された切削装置2でウエーハ11のエッジトリミングを実施する加工方法について説明する。まず、オペレータがタッチパネル式のオペレーション表示パネル14からエッジトリミングすべきウエーハ11の外径サイズ(例えば8インチ、10インチ、30センチメートル等)及びウエーハ11のエッジトリミング時に好ましいウエーハ11の外周の周速度を入力する。入力されたウエーハ11の外径サイズはコントローラ76の外径サイズ記憶部78で記憶され、ウエーハ11の外周の周速度は周速度記憶部80で記憶される。
外径サイズ記憶部78で記憶されているウエーハ11の外径サイズ及び周速度記憶部80で記憶されているエッジトリミング時のウエーハ11の外周の周速度に基づいて、コントローラ76の角速度算出部82がチャックテーブル40を回転させる角速度を算出する。
上述した角速度の算出は、オペレーション表示パネル14からウエーハ11の外径サイズ及びエッジトリミング時のウエーハ11の外周の周速度が入力されると、コントローラ76の角速度算出部82で自動的に算出される。
ウエーハ11のエッジトリミングを実施するには、まず図4に示すように、切削装置2のチャックテーブル40でウエーハ11を吸引保持し、表面11aを露出させる。次いで、図5に示すように、切削ブレード70をウエーハ11の外周部(外周縁)に所定深さt1切り込ませる切削ブレード切り込みステップを実施する。ここで、所定深さt1は後の工程で実施する研削仕上げ厚みに至る深さである。
切削ブレード切り込みステップは、ウエーハ11の上方に位置づけた切削ブレード70を下降することで、ウエーハ11に切削ブレード70を所定深さt1切り込ませる実施形態の他、ウエーハ11の外周側で所定高さに位置づけた切削ブレード70をウエーハ11に対して接近方向に相対移動させることで、切削ブレード70をウエーハ11に所定深さt1切り込ませるようにしてもよい。
切削ブレード切り込みステップを実施した後、図6及び図7に示すように、角速度算出部82で算出した角速度に基づいてチャックテーブル回転用モータを駆動して、ウエーハ11を保持したチャックテーブル16を矢印R1方向に算出した角速度で一回転させるとともに、矢印A方向に高速回転(30000rpm)する切削ブレード70でウエーハ11の外周部を切削し、環状切削溝23を形成する。これにより、ウエーハ11の面取り部11eが部分的に除去される。
本実施形態の切削装置2では、オペレーション表示パネル14から入力されたウエーハ11の外径サイズとウエーハ11の外周の周速度からチャックテーブル40を角速度算出部82で算出された角速度で回転させる。
従って、ウエーハ11の直径が異なっても、ウエーハ11の外周の周速度が常に望ましい周速度でウエーハ11のエッジトリミング加工を実施できるため、ウエーハ11及び切削ブレード70の破損を防止できるとともに、エッジトリミング加工に係る時間が過度に長くなる恐れを低減できる。
2 切削装置(加工装置)
14 オペレーション表示モニタ
40 チャックテーブル
70 切削ブレード
76 コントローラ
78 外径サイズ記憶部
80 周速度記憶部
82 角速度算出部
84 制御部

Claims (1)

  1. ウエーハの外周縁に切削ブレードを切り込ませた状態でウエーハを回転させることでウエーハの外周縁に円形加工を施すウエーハの加工装置であって、
    ウエーハを保持する保持面を有するチャックテーブルと該チャックテーブルを回転させる駆動源とを含む保持手段と、
    該チャックテーブルに保持されたウエーハを切削する切削ブレードを含む切削手段と、
    該切削手段を該保持面に対して接近離反可能に相対移動させる移動手段と、
    ウエーハの外径サイズ及び該チャックテーブルに保持されたウエーハ加工時のウエーハ外周の周速度を入力する入力手段と、
    該移動手段と該駆動源とを制御する制御部を含む制御手段と、を備え、
    該制御手段は、
    該入力手段で入力されたウエーハの外径サイズを記憶する外径サイズ記憶部と、
    該入力手段で入力された該ウエーハ外周の周速度を記憶する周速度記憶部と、
    該外径サイズ記憶部で記憶されたウエーハの外径サイズと該周速度記憶部で記憶された該周速度に基づいて、該チャックテーブルを回転させる角速度を算出する角速度算出部と、を有し、
    該制御部は該角速度算出部で算出された角速度に基づいて該チャックテーブルを回転させることを特徴とするウエーハの加工装置。
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