JP5960998B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
車両コストの低減が求められる中、部品点数を減らすことができる技術が望まれる。
鞍状のブラケット等の他の部材を介することなく、メインフレームにシートレールを直接接合するため、部品点数を減らすことができる。また、左右2本のシートレールをメインフレームに接合すると、接合箇所が2箇所になり、接合工数が嵩むが、本発明によれば、接合箇所は1箇所で済むため、接合工数を半減させることができる。
また本発明では、断面形状が左右に幅広い長円を呈するメインフレーム後端の長円部とシートレールの前端部とが溶接にて接合される。長円部の断面は直線部と曲線部とからなり、直線部への溶接を含むものとなる。直線部への溶接を施すことにより、曲率をもつ円形部への溶接に較べて溶接作業が容易に行えるようになる。また、長円部の上下方向での高さがおさえられるため、周囲のスペースが大きくでき、他の部品のレイアウトの自由度が上がる。
さらに本発明では、メインフレーム後端の長円部の下方にエアクリーナを接近して配置した。横長の長円部にすることで、高さ寸法を小さくすることができ、下方にスペースができる。このスペースを利用してエアクリーナボックスの容積をかせぐことができる。結果、エアクリーナボックスの容量を大きく確保することが可能になる。
図1に示すように、自動二輪車10に、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に設けられ前輪13を操向可能に支持する前輪操向支持部15と、車体フレーム11の後部に設けられ後輪14を揺動可能に支持する後輪懸架部16と、前輪13と後輪14の間にて車体フレーム11に懸架され後輪14の駆動源となるエンジン17と、このエンジンの上方位置にて車体フレーム11に支持される燃料タンク18と、この燃料タンク18に連続して車両後方へ延びて車体フレーム11に支持され乗員が座るシート19とが備えられ、このシート19に乗員が跨って乗車する鞍乗型車両である。
図2に示すように、車体フレーム11は、ヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から車両後方へ延びているメインフレーム25と、このメインフレームの後端26に接合され車両後方へ延びているシートレール27と、ヘッドパイプ21の下部に溶接される板状の補強部材31L、31R(図手前側の符号31Lのみ示す。)及びガセット32と、これらの補強部材31L、31R及びガセット32から斜め下後方へ延びているダウンフレーム33と、メインフレーム25に接合されリヤアーム(図1、符号30)を揺動可能に支持するピボットフレーム35と、シートレール27の左右に下方に延びるように溶接され車両側面視で略三角形の板状を呈するリヤクッションボルトブラケット42L、42R(図手前側の符号42Lのみ示す。)と、リヤクッションボルトブラケット42L、42Rとピボットフレーム35の間に掛け渡されるサブフレーム36L、36R(図手前側の符号36Lのみ示す。)とを主要素とする。メインフレームの後端26には、シートレールの前端部28が接合されている。リヤクッションボルトブラケット42L、42Rは、リヤクッションの上端が取付けられるリヤクッションボルト41L、41R(図手前側の符号41Lのみ示す。)を有する。
図4に示すように、ヘッドパイプ21の斜め後下方に、ダウンフレーム33をその長手軸がヘッドパイプ21の斜め後下方へ延びるように配置し、このダウンフレーム33とメインフレーム25とヘッドパイプ21とに渡されるようにコ字断面状の補強部材31を車両後方から当てヘッドパイプ21及びメインフレーム25に溶接し、ダウンフレーム33の軸直角方向下方からコ字断面状のガセット32を、ダウンフレーム33及び補強部材31へ当て、ガセット32をヘッドパイプ21、ダウンフレーム33及び補強部材31に溶接する。
ダウンフレーム33は、ヘッドパイプ21やメインフレーム25と離間している。次図にて、ダウンフレーム33周りの溶接構造について説明する。
図5に示すように、ダウンフレーム33は、補強部材31とガセット32とで囲われるように保持される。補強部材31の外方からガセット32が被せられ、このガセット32の車幅方向左右端部に沿って、補強部材31との間の境界部に溶接が施されている。
図6に示すように、車両前後に延びている断面円形パイプ状のメインフレーム25は、このメインフレーム25の後部にて車幅方向に徐々に潰れていき、後述する図9に示すように、後端部26が断面長円形状を呈するものとなる。メインフレーム25は、その長手軸方向の中間部25mが最下端となるように湾曲している。断面円形状の領域にてメインフレーム25の長手軸方向に沿ってピボットフレーム35が溶接されている。ピボットフレーム35は、メインフレーム25の最下端25bの部分に溶接されている。
図7及び図8に示すように、上端が断面L字状に成形された左のピボット板の一端38Lに、同じく、上部が断面L字状に成形された右のピボット板の一端38Rを重ね、重ねた部分に沿って溶接を施した。ピボットフレーム35の左右上端部を構成する左右のピボット板の上端39L、39Rは、メインフレーム25の長手軸方向に沿って延びており、これらの左右上端39L、39Rとメインフレーム25との境界部に溶接が施される。
図11に示すように、ピボットフレーム35の下部は前述のように水平断面上で略コ字状を呈し、ピボットフレームの左右壁95L、95Rは、一部を車幅方向中心側に凹ませ左右のサブフレームの前端が係合可能な左右凹部96L、96Rを有する。
図12に示すように、シートレール27は、第1のパイプ部材101を車両平面視で略U字状に曲げ、図13に示すように、第1のパイプ部材101の車両後方に延びる左右の直線部103L、103Rに、車両後方から、第1のパイプ部材101の内径に嵌る外径をもつ第2のパイプ部材102、102を挿入し、図14に示すように、左右の直線部103L、103Rの後部は、車幅方向から潰すように形成することで、空間のない縦長の部材に成形される。第1のパイプ部材101の車両後方に延びる左右の直線部103L、103Rに、車両後方から第2のパイプ部材102を挿入することで、左右の直線部103L、103Rの剛性を高めるようにした。
図15に示すように、燃料タンク18は、その前部が左右の補強部材31L、31Rに溶接され車幅方向水平に延びている軸状のタンク支持ピン78によって支持され、燃料タンク18の後部に後方へ突設される突設ステー105がステー部材83へ延ばされ、突設ステー105の上方から締結部材106で突設ステー105がメインフレーム25へ締結される。
図16に示すように、シートレール27の長手軸方向中間部に車幅方向にシートクロスパイプ44が延び、このシートクロスパイプ44の上に、弾性部材で形成されシート19の荷重を受ける第1荷重受け部111が設けられる。第1荷重受け部111の車両前方にてシートレール27の直線部103L、103R上の前端に、弾性部材で形成されシート19の荷重を受ける左右の第2荷重受け部112L、112Rが設けられる。図15を併せて参照し、シート19は、車幅方向に延びるリヤクロスメンバ(シートクロスパイプ44)に取付けた第1荷重受け部111とシートレール27の直線部103L、103Rの上に取付けた左右の第2荷重受け部112L、112Rとに載置される。
図16にて、エンジンに入る空気を清浄にするエアクリーナボックス(エアクリーナ71)は、ステー部材83に固着した小ステー114に、車幅方向左側から水平に小締結部材116をねじこむことで、ステー部材83を介してメインフレーム25へ取付けられている。図15にて、エアクリーナ71の上下左右は、メインフレーム25とサブクロスパイプ121とピボットフレーム35とリヤフェンダ53とによって囲われるように配置されるので、これらの部材によってエアクリーナ71を保護することができる。
図17に示すように、左右のサブフレーム36L、36Rの間に、サブクロスパイプ121が渡される。ピボットフレーム35の下端部近傍にて左右壁95L、95Rの間に、ロアクロス部材122が渡され、このロアクロス部材122の上方にて左右壁95L、95Rの間に、ピボット軸(図1、符号46)が通るピボットカラー123が渡されている。この他、ピボットフレーム35の下部にて左右壁95L、95Rの間に、エンジン(図1、符号17)を懸架するハンガボルト125、126が渡されている。
シートレール27は、パイプフレームを曲げた部材であり、このシートレールの前端部28をメインフレームの後端26に接合させた。
従来、円形パイプフレーム同士の溶接は、双方の部材の端部が曲率をもっているため、量産工程で、所定公差内をもって均一に突き合わせることは難しい。そのため、均一に突き合わせることを容易にするため、例えば、平面をもつ鞍状部材を介在させていた。
Claims (7)
- ステアリングシャフト(22)を回動可能に支持するヘッドパイプ(21)と、このヘッドパイプ(21)から車両後方へ延びるメインフレーム(25)と、このメインフレーム(25)から車両後方へ延びるシートレール(27)とが備えられている自動二輪車において、
前記メインフレーム(25)は、モノフレームであって断面円形状を呈し、
前記シートレール(27)は、U字状又はV字状を呈し、車両後方に向かって開放され、
前記メインフレーム(25)の後端に、前記シートレールの前端部(28)が当接し、接合され、
前記メインフレーム(25)は、長手軸方向中間部の断面形状が円形を呈する円形部(87)であり、
後端(26)の断面形状が車幅方向に幅広い長円を呈する長円部(88)であり、
この長円部(88)に前記シートレールの前端部(28)との溶接部が配置され、その溶接部は、高さ方向の幅より左右方向の幅が長くなるようにし、
前記長円部(88)の下面に接近させるようにして、この長円部(88)の下方にエアクリーナボックス(71)が配置される、
ことを特徴とする自動二輪車。 - 前記メインフレーム(25)の下方に、リヤアーム(30)を揺動可能に支持するピボットフレーム(35)が配置され、このピボットフレーム(35)の後方にて前記メインフレーム(25)に、前記シートレール(27)の前端部(28)が接合されていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
- 前記シートレール(27)と前記ピボットフレーム(35)との間に、サブフレーム(36L、36R)が掛け渡され、
前記シートレール(27)と前記サブフレーム(36L、36R)との連結部(42L、42R)に、前記リヤアーム(30)にかかるショックを緩和するリヤクッション(40)の上端が取付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車。 - 前記シートレールにはリヤフェンダが取付けられ、
前記エアクリーナの下方には前記リヤフェンダが配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の自動二輪車。 - 前記シートレール(27)の上方に、乗員が座るシート(19)が備えられ、
前記シートレール(27)の前端部(28)よりも前方に、前記シート(19)の前端が配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の自動二輪車。 - 前記シートレール(27)の長手軸方向中間部にて前記シートレール(27)に、リヤクロスメンバ(44)が車幅方向に延びており、
このリヤクロスメンバ(44)の上に、前記シート(19)の荷重を受ける第1荷重受け部(111)が設けられることを特徴とする請求項5記載の自動二輪車。 - 前記第1荷重受け部(111)の車両前方にて前記シートレール(27)の上に、前記シート(19)の荷重を受ける第2荷重受け部(112L、112R)が設けられることを特徴とする請求項6記載の自動二輪車。
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