JP5613444B2 - 自動二輪車の車体フレーム - Google Patents
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Description
車両のコストダウンが要求される中、部品点数を減らし、車両のコストを抑えつつ所定位置に防振部材を固定する技術が望まれる。
請求項4に係る発明では、前面部と左右側面部とが交わる部位に現れる折り曲げ線は、略直線であり、左右側面部に、折り曲げ線にほぼ沿って延びる補強突条部が形成されていることを特徴とする。
加えて、中空フレームに、パイプの両端が接触する部位にて、パイプ位置決め部が設けられている。
また、パイプ位置決め部は、車幅中心側へ突出する凹部である。中空フレームに穴を開け、この穴にパイプ部材を挿入し、ミグ溶接等によりパイプ部材の両端を中空フレームに固定する場合に較べて、ミグ溶接等は不要になるため、表面に溶接痕が残ることがない。表面に溶接痕が残らないので、中空フレームの外観性を高めることができる。
さらに、ダウンフレームは、断面略矩形断面の中空フレームであり、この中空フレームの中空部に渡したパイプの長手方向と左右のフランジ部同士を接合するときの加圧方向とを一致させたので、溶接ガンの向きを変える動作が不要となり、その分、溶接時間を短縮することができる。
図1に示されているように、自動二輪車10に、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前端部に取付けられているヘッドパイプ12に操舵自在に取付けたフロントフォーク13及びこのフロントフォーク13の下端に取付けた前輪14と、フロントフォーク13の上部に取付けたハンドル15と、車体フレーム11の前部上部に取付けた燃料タンク16と、この燃料タンク16の下方に配置したエンジン17及び変速機18を有するパワーユニット21と、が備えられている。
図2に示されているように、自動二輪車の車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から車両後方へ延びた後に下へ延びるメインフレーム41と、このメインフレーム41の下端部に設けられピボット軸42を有し断面視略コ字状のピボットプレート43と、ヘッドパイプ12から車両後方且つ下方へ斜めに延びるダウンフレーム44と、からなる。
クロスメンバ50は、車両前から後へ、各々、車幅方向に延ばされている第1〜第4クロスメンバ51〜54を構成要素とする。
パイプ位置決め部61は、メインフレーム前半部55及びダウンフレーム44に設けられている。詳細な構造については後述する。
図4に示されているように、ダウンフレーム44は、一端に左フランジ部63を有し他端に右フランジ部64を有する金属板を筒形に折り曲げ、左右フランジ部63、64同士が溶接された中空フレームであり、左右フランジ部63、64が車両後方を向くように配置されている。
図5(a)に示すように、ブランク材と呼ばれる金属板66を準備する。
図5(b)〜図5(c)に、塑性加工工程が示されている。
図5(b)に示すように、金属板66を所定の形状に板取りして、小凸部67が形成されるように成形し、次に縁を切断する(第1フォーム工程、トリム工程)。
図5(d)示すように、図5(c)で加工された金属板66の左右フランジ部63、64同士を溶接する(溶接工程)。溶接工程での溶接は、スポット溶接が好適である。
図6に示されているように、メインフレーム41は、左半体71と右半体81とを合わせてなる中空フレームであり、左半体71は、車体中心側が開放される左コ字断面部72と、この左コ字断面部72から上下に延びる左上フランジ部73及び左下フランジ部74とを有する金属板のプレス成形品である。同様に、右半体81は、車体中心側が開放される右コ字断面部82と、この右コ字断面部82から上下に延びる右上フランジ部83及び右下フランジ部84とを有する金属板のプレス成形品である。そして、左右上フランジ部73、83同士が溶接され、前記左右下フランジ部74、84同士が溶接されている。
図中、Gは溶接ガンの先端、Eはアースである。
図7(a)に示すように、シートレール46の右側を構成する右レール部材46Rは、車体中心側に開く右コ字断面レール部101と、この右コ字断面レール部101に車体中心側から当てて溶接した右蓋部材102とからなる中空断面部材である。右蓋部材102を右コ字断面レール部101に図矢印aの如く合わせスポット溶接し、図7(b)に示されている右レール部材46Rを得る。
図8(b)は図8(a)の8(b)−8(b)線断面図であり、メインフレーム41の断面が示されている。
図14に示されているように、左右のレール部材46L、46Rの間に、クロスメンバの構成要素としての第2クロスメンバ52が渡され、この第2クロスメンバ52は、左右レール部材46L、46Rから車幅方向左右に突出した突出部151、151を有し、これらの突出部151、151はリヤクッションユニット(図1、符号25)(リヤクッション25)を連結することができるリヤクッションステー152を兼ねている。
左右レール部材46L、46Rに各々リブ部159L、159Rが形成されており、リブ部159L、159Rが形成されていない場合に較べて、左右レール部材46L、46Rの剛性が上がり、左右レール部材46L、46Rの変形が抑えられる。
図15に示されているように、シートレール46の右側を構成する右レール部材46Rは、車体中心側に開く右コ字断面レール部101と、この右コ字断面レール部101に車体中心側から当てて溶接した右蓋部材102とからなる中空断面部材である。右蓋部材102を右コ字断面レール部101に図矢印aの如く合わせ抵抗溶接(スポット溶接)を施し、図15(b)に示されている右レール部材46Rを得る。
図15(c)に示されているように、右レール部材46Rの前部に左レール部材46Lの前部を図矢印cの如く合わせる。
図17(a)に示されているように、右レール部材46Rは、車体中心側に開く右コ字断面レール部101と、右蓋部材102とからなる中空断面部材である。
図17(c)に示されているように、右レール部材46Rの前部に左レール部材46Lの前部を図矢印cの如く合わせる。
図19に示されているように、左右側面部132、142に、図3の符号155に折り曲げ線155で示されている補強突条部156、156が形成されている。
図20に示されているように、ダウンフレーム44は、断面視で、車幅方向に延びる前面部131と、この前面部131の一端から車両後方へ延びる左側面部132と、この左側面部132の後端から車幅中心へ延びる左後面部133と、この左後面部133から車両後方へ延びる前記左フランジ部63と、前記前面部131の他端から車両後方へ延びる右側面部142と、この右側面部142の後端から車幅中心へ延びる右後面部143と、この右後面部143から車両後方へ延びる前記右フランジ部64とからなる、略矩形断面の中空フレームである。
図21に示されているように、ダウンフレームは、車幅方向長さの小さな前面部131の一端と左側面部132とは前左斜面部135(左前斜面部135)を介して繋がり、前面部の他端と右側面部とは前右斜面部145(右前斜面部145)を介して繋がっており、ダウンフレーム44は、略六角形断面の中空フレームである。
なお、ダウンフレーム44の断面形状は、任意の形状で良いものとする。例えば、五角形、7角形、9角形などでも差し支えないものとする。
第1に、図4に示すとおりに、ダウンフレーム44は、左右フランジ部63、64同士が溶接された中空フレームであり、左右フランジ部63、64が車両後方を向くように配置されている。
したがって、本発明によれば、車両の外観性を高め、部品点数を減らし、且つ溶接コストを低減することができる自動二輪車の車体フレーム11が提供される。
ダウンフレームを断面視で矩形以外の、例えば、8角形状断面とすると、矩形断面に較べて金型成形面の形状が複雑になり金型費用が嵩む可能性がある。
この点、本発明では、ダウンフレーム44は、断面視で略矩形断面の中空フレームとしたので、成形面の形状が簡単になり、金型費用を低く抑えることができる。
したがって、本発明によれば、車体フレーム11の軽量化を図ることが可能になる。
メインフレーム41の開口部111に左右のレール部材46L、46Rを挿入したときに、左右のコ字断面レール部91、101の先端はメインフレーム41内に位置し、左右の上サブフランジ部93、103の前端が開口部の縁111f又は左右上下フランジ部73、83、74、84の後端に当てたので、メインフレーム41にシートレール46を挿入するときに、位置決め作業を容易に行うことができる。
加えて、中空フレームに、パイプ114の両端が接触する部位にて、パイプ位置決め部61、61が設けられている。
従来の中空フレームに穴を開け、この穴にパイプ部材を挿入し、ミグ溶接等によりパイプ部材の両端を中空フレームに固定する場合に較べて、ミグ溶接等は不要になるため、表面に溶接痕が残ることがない。表面に溶接痕が残らないので、中空フレームの外観性を高めることができる。
Claims (4)
- プレス成形された金属板材からなり、中空フレームからなる自動二輪車の車体フレーム(11)において、
前記中空フレームの内部に、パイプ(114)が渡され、このパイプ(114)の両端が接触する部位で、前記中空フレームに前記パイプ(114)の軸直角方向の位置決めをなすパイプ位置決め部(61)が設けられ、
前記パイプ位置決め部(61)は、前記パイプ(114)の内径に対応する径で且つ車幅中心側へ突出する凹部(124)であり、
前記中空フレームは、ヘッドパイプ(12)から斜め下へ延びるダウンフレーム(44)であり、
このダウンフレーム(44)は、断面視で、車幅方向に延びる前面部(131)と、この前面部(131)の一端から車両後方へ延びる左側面部(132)と、この左側面部(132)の後端から車幅中心へ延びる左後面部(133)と、この左後面部(133)から車両後方へ延びる左フランジ部(63)と、前面部(131)の他端から車両後方へ延びる右側面部(142)と、この右側面部(142)の後端から車幅中心へ延びる右後面部(143)と、この右後面部(143)から車両後方へ延びる右フランジ部(64)とからなる、略矩形断面の中空フレームであり、
前記パイプ(114)の長手方向と前記左右のフランジ部(63、64)同士を接合するときの加圧方向とが一致するようにしたことを特徴とする自動二輪車の車体フレーム。 - 前記ダウンフレーム(44)は、上端部が前記ヘッドパイプ(12)及びメインフレーム(41)に接続され、このメインフレーム(41)に向かって幅広になる幅広部(166)を、前記ダウンフレーム(44)の上部に備えており、
前記パイプ位置決め部(61)は前記幅広部(166)に設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車の車体フレーム。 - 前記パイプ(114)は、抵抗溶接により前記中空フレームに接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車の車体フレーム。
- 前記前面部(131)と前記左右側面部(132、142)とが交わる部位に現れる折り曲げ線(155、155)は、略直線であり、前記左右側面部(132、142)に、前記折り曲げ線(155、155)にほぼ沿って延びる補強突条部(156、156)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の自動二輪車の車体フレーム。
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