JP4448293B2 - カラー・フレーム結合体及びその組立方法 - Google Patents

カラー・フレーム結合体及びその組立方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対向する一対の扁平壁部を有する中空閉断面構造の金属フレームと、その両扁平壁部に各々形成したボルト孔に対応する所定の取付位置に配設されて該フレームの中空部を横切るカラーとから成り、そのカラー及び両ボルト孔を貫通するボルトと、該ボルトに螺合されるナットとを少なくとも用いて支持部材に締結可能であるカラー・フレーム結合体、およびその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記支持部材としての自動車のメインフレームに、上記金属フレームとしてのサブフレームを、上記カラーに挿通したボルトおよび該ボルトに螺合したナットを用いて締結するようにしたボルト締結構造は従来より知られており、このような構造では、カラーによりボルトの締結軸力を十分に確保し得て、ボルト結合強度を高め、その緩み防止に有効である等の利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の上記ボルト締結構造では、図10に例示したように基端に外向きフランジ部fを有するカラーC′を、サブフレーム(例えば縦フレーム1)の一方の扁平壁部Wdのボルト孔hより該フレーム1内に差し入れ、カラーC′先端を他方の扁平壁部Wuの内面に突き合わせて、該フランジ部fを該フレーム1(即ち扁平壁部Wd)に溶接するようにしていた。そのため、フランジ部fの特設によりカラー自体の構造が複雑且つ大型化し重量増となるばかりか、サブフレームの溶接部周辺が焼きなましされて強度が低下してクラックを生じ易くなるなど、サブフレームを高張力材料で形成する特性効果が期待できない問題があり、更にカラーに対する溶接工程を必須とすることから、それだけ生産効率が低下し、コストが嵩む等の問題もあった。
【0004】
尚、上記溶接に伴う強度低下の問題を回避するために、サブフレームの板厚を特別に厚くするか補強材を特設した場合には、それだけコスト・重量増となるといった別の問題が生じる。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、溶接手段を用いずともカラーを閉断面金属フレームに強固に、且つ効率よく低コストで固着できるようにした、構造簡単なカラー・フレーム結合体及びその組立方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、相対向する一対の扁平壁部を有する中空閉断面構造の金属フレームと、前記一対の扁平壁部に各々形成したボルト孔に対応する所定の取付位置に配設されて前記金属フレームの中空部を横切るカラーとから成り、前記カラー及び前記ボルト孔を貫通するボルトと、前記ボルトに螺合されるナットとを少なくとも用いて支持部材に締結可能であるカラー・フレーム結合体において、前記カラーは、前記取付位置で、前記一対の扁平壁部の相対向する面間に挟持され、前記カラーの上下両端の外周縁に形成された面取りとともに、前記金属フレームは、前記金属フレームの開口端の内周縁において前記一対の扁平壁部の端縁部分に形成された面取りを有して、前記金属フレームの前記開口端より前記カラーを前記取付位置まで進入し得る形態に形成され、前記一対の両扁平壁部の少なくとも一方の扁平壁部の前記ボルト孔開口縁部には、前記取付位置にある前記カラーの開口縁に係合して前記カラーを前記金属フレームに固定する係合爪部が、前記少なくとも一方の扁平壁部に対するバーリング加工により一体に形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1の上記特徴によれば、カラーは、その取付位置では両扁平壁部の相対向面間に挟持され(即ちカラーの軸方向両端面が両扁平壁部の相対向する内面にそれぞれ密接状態におかれ)ていて、その挟持作用により該カラーの軸方向の動きが規制されており、その上、バーリング成形された上記係合爪部が該カラーの開口縁に係合することで、カラーの横方向の動きが規制されるため、カラーは、その取付位置において全方向の妄動が確実に規制される。従って、溶接手段を用いずともカラーを閉断面金属フレームに強固に且つ効率よく低コストで固着できるようになり、また該フレームに溶接による入熱がないため、その入熱に因る問題(溶接部周辺の焼きなましによる強度低下)が回避される。またカラー自体の構造もフランジ部無しの単純円筒形状のものが使用できるため、カラーの軽量化やコスト節減も図られる。
【0008】
また請求項2の発明は、前記請求項1の発明の特徴に加えて、前記カラーの前記開口縁には、前記カラーの端面より凹んだ環状段部が形成され、前記環状段部内に前記係合爪部の少なくとも一部が収納されることを特徴とする。
【0009】
請求項2の上記特徴によれば、その係合爪部がカラー内周面から張出すことが回避されるので、該係合爪部の特設によるもカラーとボルト間の嵌合ガタを極力小さくできる。
【0010】
また請求項3の発明は、前記請求項1又は2の発明の特徴に加えて、前記カラーの前記開口縁には、前記カラーの端面より凹んだ環状段部が形成され、前記環状段部内に前記係合爪部の少なくとも一部が収納されることを特徴とする。
【0011】
請求項3の上記特徴によれば、サブフレームの縦フレームを高張力鋼板としたことと、前述のようにカラーを溶接無しで該縦フレームに固着可能として溶接の入熱に因る強度低下を回避し得ることとが相俟って、サブフレームの剛性強度およびサブフレームのメインフレームへの結合強度が効果的に高められる。
【0012】
また請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の前記カラー・フレーム結合体の組立方法において、カラー載置面と、前記カラー載置面から一段下がったフレーム載置面とを並設したワーク支持台を使用し、
前記ワーク支持台の前記フレーム載置面上に、前記一対の扁平壁部を上下に配した前記金属フレームを、前記金属フレーム前記開口端が前記カラー載置面側に開口し且つ前記金属フレームの下側の扁平壁部内面が前記カラー載置面と面一に連続するように載置させるとともに、前記カラー載置面上に前記カラーを起立姿勢で載置させ、
前記ワーク支持台に設けられ、進退駆動自在なカラー押し込み手段により起立姿勢の前記カラーの外周部を抱持して、前記面取りが形成された前記カラーを前記カラー載置面上で摺接させつつ前記金属フレーム内に前記金属フレームの前記面取りが形成された前記開口端より押し込むとともに、前記取付位置で停止させ、次いで前記ワーク支持台に設けられ、昇降駆動自在な位置決めピンを、前記フレーム載置面の下方より前記カラー内に前記下側の扁平壁部のボルト孔を通して突入させて、前記カラーを前記取付位置に正規の位置決め状態とし、前記位置決め状態で、昇降駆動自在な昇降支持体と、前記昇降支持体に固設されて前記カラー内に進入可能な成形パンチと、前記昇降支持体に弾性体を介して支持されて前記成形パンチを摺動可能に囲繞するホルダと、を備えた可動型を下降させて、前記可動型の前記弾性体を圧縮変形させつつその反力でホルダを前記金属フレームの上側の扁平壁部に圧着させてクランプ状態とし、前記クランプ状態のまま前記カラー内に突入する前記可動型の前記成形パンチにより、前記上側の扁平壁部Wuのボルト孔の周縁部を、前記カラー内に押し込むようにして曲げ変形させて、前記上側の扁平壁部に対するバーリング加工を行って、前記上側の扁平壁部のボルト孔の開口縁部に、前記カラーの前記開口縁に係合する係合爪部を一体に形成することを特徴とする。
【0013】
請求項4の上記特徴によれば、ワーク支持台のフレーム載置面上に金属フレームを載置させると共にカラー載置面上にカラーを起立姿勢で載置させた後、カラー押し込み手段により起立姿勢のカラーの外周部を抱持して、同カラーをカラー載置面上で摺接させつつ金属フレーム内にその開口端より押し込んで前記取付位置で停止させ、次いでワーク支持台の先細り状位置決めピンによりカラーを前記取付位置に正しく位置決めしてから、上側の扁平壁部に対するバーリング加工をフレーム上方より行って、上側の扁平壁部のボルト孔開口縁部に、カラーの開口縁に係合する係合爪部を一体に形成するだけで、カラーを金属フレームに簡単且つ迅速に組付、固定することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0015】
添付図面において、図1〜図8は、本発明の第1実施例を示すものであって、図1は、自動車のサブフレームを示す平面図、図2は、図1の2−2線拡大断面図、図3は、図1の3−3線拡大断面図とその一部拡大図、図4は、組立装置の一例を示す全体縦断面図、図5は、図4の5−5線断面図、図6は、図4の6−6線断面図、図7は、カラーの組付工程前半を説明するための、図4に対応した工程説明図、図8は、カラーの組付工程後半を説明するための、図4に対応した工程説明図である。また図9は、第2実施例を示す図2対応断面図である。
【0016】
先ず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施例を説明する。自動車の車体フレームは、その主要骨格部分を構成するメインフレームMFと、このメインフレームMFにエンジン(図示せず)等の重量部品を搭載するために用いられるサブフレームSFとを備える。
【0017】
そのサブフレームSFは、左右一対の高張力鋼板製の縦フレーム1と、その左,右縦フレーム1間を一体的に結合する前後一対の高張力鋼板製の横フレーム2とを井桁状に枠組みして構成され、各縦フレーム1の前後端寄りの中間部には、該縦フレーム1をメインフレームMFにボルト結合する際に用いられるカラーCが一体的に結合される。而してメインフレームMFが本発明の支持部材を、また縦フレーム1が本発明の金属フレームを、更にカラーCと縦フレーム1との結合体Jが本発明のカラー・フレーム結合体をそれぞれ構成する。
【0018】
次に、上記結合体Jの構造を説明する。
【0019】
左右の各縦フレーム1は、中空閉断面構造(図示例では横断面が概ね矩形をなすパイプ状)に形成されていて前後端が開口しており、その前後の開口端Oから少なくともカラー取付位置Xcまでの間の所定区間(図示例では略全区間)において、互いに平行な上下一対の扁平壁部Wu,Wdを有している。その上下の扁平壁部Wu,Wdには、前記取付位置Xcに在って縦フレーム1の中空部を上下方向に横切るカラーCに対応してこれと同一軸線上に並ぶ上下一対のボルト孔h,hがそれぞれ形成される。
【0020】
而してメインフレームMFにサブフレームSFを結合するに際しては、そのサブフレームSFの縦フレーム1のボルト孔h及びカラーCにボルトBを挿通させ、該ボルトBを、これに螺合させるナットNに締め付けるようにする。尚、図2,3において、wはワッシャである。
【0021】
次に、主として図2,図3を参照して、カラーCの縦フレーム1への結合構造を具体的に説明する。
【0022】
カラーCは、前記取付位置Xcで起立姿勢にあり、縦フレーム1の上下一対の扁平壁部Wu,Wdの相対向する内面に上下両端面がそれぞれ密接していて、その扁平壁部Wu,Wdの相対向面間に挟持されている。
【0023】
その縦フレーム1は、その前後の開口端OよりカラーCを起立姿勢のまま(即ちカラーCの上下両端面を上下一対の扁平壁部Wu,Wdの相対向する内面に摺接させながら)前記取付位置Xcまで進入し得る形態に形成される。例えば、図示例では、縦フレーム1が前後の開口端Oから比較的近い位置にカラーCの取付位置Xcが設定され、しかもその開口端Oと取付位置Xcとの間の区間は略直線状に形成されている。
【0024】
上下少なくとも一方(図示例では上方)の扁平壁部Wuのボルト孔h開口縁部には、前記取付位置XcにあるカラーCの上部開口縁に係合して同カラーCを縦フレーム1に固定する係合爪部3が一体に形成される。この係合爪部3は、図示例では扁平壁部Wuのボルト孔h周縁部に対するバーリング加工により、環状の下向きフランジ状に成形される。
【0025】
カラーCの上部開口縁には、該カラーCの上端面より一段凹んだ環状段部Csが形成され、その環状段部Cs内に前記係合爪部3の少なくとも一部(図示例では全部)が収納される。このような環状段部Csの特設によれば、係合爪部3がカラーCの内周面から張出すことが回避され、該係合爪部3の存在によってもカラーCとボルトB間の嵌合ガタを極力小さくできる利点がある。
【0026】
尚、カラーCの上下両端の外周縁には、図3に拡大して例示したように面取りCrが形成され、また縦フレーム1の前後の開口端Oの内周縁にも、少なくとも上下扁平壁部Wu、Wdの端縁部分において面取り1rが形成されている。
【0027】
次に、図4〜図6を参照して、カラー・フレーム結合体Jの組立装置の一例を説明する。
【0028】
この装置は、図示しない固定ベース上に設置されたワーク支持台Sを有しており、このワーク支持台Sの上面には、水平なカラー載置面Scと、そのカラー載置面Scから一段下がった同じくフレーム載置面Sfとが並設され、その両載置面Sc,Sf間の段差Stは、縦フレーム1の下部扁平壁部Wdの板厚と略同一に設定される。
【0029】
そのワーク支持台Sには、フレーム載置面Sfの左右両側に立設されて縦フレーム1を相互間に嵌合させる左右一対の支持壁Ssが立設され、さらにフレーム載置面Sfより突出する作動位置と同面Sfより没入する待機位置との間を昇降可能な上向きに先細り状の位置決めピンPdと、それの昇降駆動手段4とが設けられる。
【0030】
またワーク支持台Sの、カラー載置面Sc側の一側には、そのカラー載置面Sc上に起立姿勢で載置したカラーCを抱持してフレーム載置面Sf上の縦フレーム1内にその開口端Oより押し込むためのカラー押し込み手段Dが設けられる。この押し込み手段Dは、カラーCの外周面を抱持し得る平断面半円弧状の係合凹部5aを有する保持部材5と、これをフレーム載置面Sf上の縦フレーム1に対して進退駆動し得る進退駆動手段6とより構成される。
【0031】
更にワーク支持台Sの上方には、バーリング加工用の可動型Aが、前記位置決めピンPdに対応して配設される。この可動型Aは、図示しない固定ベースにより支持されて昇降駆動可能な昇降支持体7と、この昇降支持体7に固設されてカラーC内に進入可能な、下向きの段付きピン状の成形パンチ8と、昇降支持体7に円筒状の弾性体9を介して支持されて成形パンチ8を摺動可能に囲繞するリング状のホルダ10とを備え、このホルダ10の下面は、フレーム載置面Sf上の縦フレーム1(上部扁平壁部Wu)上面に接離可能である。
【0032】
次に図7,図8を参照して、前記組立装置を用いてカラーCを縦フレーム1に組み付ける手順を説明する。
【0033】
先ず、図7(A)に示すように、縦フレーム1の下部扁平壁部Wdをワーク支持台Sのフレーム載置面Sf上に載置させる一方、カラー載置面Sc上に起立姿勢のカラーCを、手動で又は図示しないセット装置により自動で載置させて、カラー押し込み手段Dの保持部材5に抱持させる。この場合、セット後の縦フレーム1は、その開口端Oの下端縁が、カラー載置面Sc及びフレーム載置面Sf間の段差Stに衝合し、またその下部扁平壁部Wdの内面がカラー載置面Scと面一に連続している。
【0034】
尚、上記のようにしてセットされるカラーCの上,下扁平壁部Wu,Wdには、前記取付位置Xcに対応する位置にボルト孔h,hが予め穿設されているが、特に上部扁平壁部Wuのボルト孔hは、後述する係合爪部3のバーリング成形分を見越して、ボルト孔hの正規の内径(即ち下部扁平壁部Wdのボルト孔hの内径)よりも小径に形成される。またそのカラーCの上部開口縁には、該カラーCの上端面より一段凹んだ環状段部Csが予め機械加工等により形成される。
【0035】
次に図7(B)に示すように、カラー押し込み手段Dの保持部材5を前進させて、これに抱持される起立姿勢のカラーCをカラー載置面Sc上で摺接させつつ縦フレーム1内にその開口端Oより押し込むようにし、その押し込み動作は、カラーCが前記取付位置Xcに達するのに応じて停止される。尚、この押し込みに際しては、カラーCの上下両端の外周縁に形成される面取りCrと、縦フレーム1の開口端Oの開口縁に形成される面取り1rとにより、カラーCの上下扁平壁部Wu、Wd間への進入が無理なくスムーズになされ、またその進入後は、カラーCが、その起立姿勢を維持し且つその上下両端を上下扁平壁部Wu、Wdの内面にそれぞれ摺接させながら、取付位置Xcまで移動する。
【0036】
次いで図7(C)に示すように、ワーク支持台Sに設けた位置決めピンPdを、フレーム載置面Sfの下方よりカラーC内に下側の扁平壁部Wdのボルト孔hを通して突入させて、該カラーCを前記取付位置Xcに正しく位置決めする。
【0037】
しかる後、図(D)に示すように、カラーCの前記位置決め状態で、可動型Aを下降させて、該可動型Aの弾性体9を圧縮変形させつつその反力でホルダ10を縦フレーム1の上部扁平壁部Wuに圧着させてクランプし、このクランプ状態のままカラーC内に突入する可動型Aの段付き成形パンチ7により、該扁平壁部Wuのボルト孔h周縁部を、その直下のカラーC内に押し込むようにして全周に亘り曲げ変形させる。このような扁平壁部Wuのボルト孔h周縁部に対するバーリング成形(カシメ加工)によれば、該扁平壁部Wuのボルト孔h開口縁部には、カラーCの開口縁に係合する環状の下向きフランジ状係合爪部3が一体に形成され、カラーCの縦フレーム1への結合作業が完了する。
【0038】
而して、縦フレーム1への結合作業が完了したカラーCは、その取付位置Xcでは上下両扁平壁部Wu,Wdの相対向面間に挟持され(即ちカラーCの軸方向両端面が両扁平壁部Wu,Wdの相対向する内面にそれぞれ密接状態におかれ)ていて、その挟持作用により該カラーCの軸方向の動きが規制されており、その上、バーリング成形された上記係合爪部3が該カラーCの開口縁に係合することで、カラーCの横方向の動きが規制されるため、カラーCは、その取付位置Xcにおいて全方向の動きが確実に規制されて縦フレーム1に強固に固着される。
【0039】
従って、従来のように溶接手段を用いずともカラーCを縦フレーム1に強固に且つ効率よく低コストで固着できるようになり、また該フレーム1に溶接による入熱がないため、その入熱に因る問題(溶接部周辺の焼きなましによる強度低下)が回避される。またカラーC自体の構造もフランジ部無しの単純円筒形状のものが使用できるため、カラーCの軽量化やコスト節減を図る上で有利である。
【0040】
図9には、本発明の第2実施例が示される。この実施例では、カラーCの上部開口縁に、先の実施例のような係合爪部収容用の環状段部Csが形成されず、カラーCは、その内径が全長に亘り等径である。従って、この実施例では、カラーCの構造が一層単純化され、コスト節減が図られる。
【0041】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例えば前記実施例では、支持部材として自動車のメインフレームMFを、中空閉断面構造の金属フレームとしてサブフレームSFの縦フレーム1を示したが、本発明は、実施例以外の種々の中空閉断面構造の、カラー付き金属パイプフレームと、これをボルト結合する支持部材との間の結合構造に適用可能である。
【0042】
また前記実施例では、カラーCを固定するための係合爪部3を、上部扁平壁部Wuのボルト孔h周縁部において環状の下向きフランジ状にバーリング成形したものを示したが、本発明では、この係合爪部3に加えて、或いは代えて、下部扁平壁部Wdのボルト孔h周縁部において環状の上向きフランジ状係合爪部をバーリング成形してもよい。更にそれら係合爪部を環状ではなく、ボルト孔の周方向に間隔をおいて並ぶ複数の係合爪片より構成するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、中空閉断面構造をなす金属フレームの一対の扁平壁部の相対向面間にカラーをその軸方向に挟持し、更にその少なくとも一方の扁平壁部をバーリング加工して成形した係合爪部をカラー開口縁に係合させるようにしたので、カラーは、その取付位置において全方向の妄動が確実に規制でき、従って、溶接手段を用いずともカラーを金属フレームに強固に且つ効率よく低コストで固着できるようになり、また該フレームに溶接による入熱がないことから、入熱に因る問題(溶接部周辺の焼きなましによる強度低下)が回避される。またカラー自体も単純円筒形状のものが使用できるため、カラーの軽量化やコスト節減にも寄与することができる。
【0044】
また特に請求項2の発明によれば、カラーの前記開口縁には、該カラーの端面より凹んだ環状段部が形成され、その環状段部内に前記係合爪部の少なくとも一部が収納されるので、その係合爪部がカラー内周面から張出すことが回避され、該係合爪部の特設によるもカラーとボルト間の嵌合ガタを極力小さくできる。
【0045】
また特に請求項3の発明によれば、前記金属フレームとしてのサブフレームの縦フレームを高張力鋼板としたことと、カラーを溶接無しで該縦フレームに固着可能として溶接の入熱に因る強度低下を回避し得ることとが相俟って、サブフレームの剛性強度およびサブフレームのメインフレームへの結合強度を効果的に高めることができる。
【0046】
また特に請求項4の発明によれば、ワーク支持台のフレーム載置面上に金属フレームを載置させると共にカラー載置面上にカラーを起立姿勢で載置させた後、カラー押し込み手段により起立姿勢のカラーの外周部を抱持して、同カラーをカラー載置面上で摺接させつつ金属フレーム内にその開口端より押し込んで前記取付位置で停止させ、次いでワーク支持台の先細り状位置決めピンによりカラーを前記取付位置に正しく位置決めしてから、上側の扁平壁部に対するバーリング加工をフレーム上方より行って、上側の扁平壁部のボルト孔開口縁部に、カラーの開口縁に係合する係合爪部を一体に形成するだけで、カラーを金属フレームに簡単且つ迅速に組付、固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る自動車のサブフレームを示す平面図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図1の3−3線拡大断面図とその一部拡大図
【図4】組立装置の一例を示す全体縦断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】カラーの組付工程前半を説明するための、図4に対応した工程説明図
【図8】カラーの組付工程後半を説明するための、図4に対応した工程説明図
【図9】第2実施例を示す図2対応断面図
【図10】従来例を示す図2対応断面図
【符号の説明】
B・・・・ボルト
C・・・・カラー
Cs・・・環状段部
D・・・・カラー押し込み手段
h・・・・ボルト孔
J・・・・カラー・フレーム結合体
MF・・・メインフレーム(支持部材)
N・・・・ナット
O・・・・開口端
Pd・・・位置決めピン
SF・・・サブフレーム
S・・・・ワーク支持台
Sc・・・カラー載置面
Sf・・・フレーム載置面
Wd・・・扁平壁部
Wu・・・扁平壁部
Xc・・・取付位置
1・・・・サブフレームの縦フレーム(金属フレーム)
3・・・・係合爪部

Claims (4)

  1. 相対向する一対の扁平壁部(Wu,Wd)を有する中空閉断面構造の金属フレーム(1)と、前記一対の扁平壁部(Wu,Wd)に各々形成したボルト孔(h,h)に対応する所定の取付位置(Xc)に配設されて前記金属フレーム(1)の中空部を横切るカラー(C)とから成り、
    前記カラー(C)及び前記ボルト孔(h,h)を貫通するボルト(B)と、前記ボルト(B)に螺合されるナット(N)とを少なくとも用いて支持部材(MF)に締結可能であるカラー・フレーム結合体において、
    前記カラー(C)は、前記取付位置(Xc)で、前記一対の扁平壁部(Wu,Wd)の相対向する面間に挟持され、
    前記カラー(C)の上下両端の外周縁に形成された面取り(Cr)とともに、前記金属フレーム(1)は、前記金属フレーム(1)の開口端(O)の内周縁において前記一対の扁平壁部(Wu、Wd)の端縁部分に形成された面取り(1r)を有して、前記金属フレーム(1)の前記開口端(O)より前記カラー(C)を前記取付位置(Xc)まで進入し得る形態に形成され、
    前記一対の両扁平壁部(Wu,Wd)の少なくとも一方の扁平壁部(Wu)の前記ボルト孔(h)開口縁部には、前記取付位置(Xc)にある前記カラー(C)の開口縁に係合して前記カラー(C)を前記金属フレーム(1)に固定する係合爪部(3)が、前記少なくとも一方の扁平壁部(Wu)に対するバーリング加工により一体に形成されていることを特徴とする、カラー・フレーム結合体。
  2. 前記カラー(C)の前記開口縁には、前記カラー(C)の端面より凹んだ環状段部(Cs)が形成され、前記環状段部(Cs)内に前記係合爪部(3)の少なくとも一部が収納されることを特徴とする、請求項1に記載のカラー・フレーム結合体。
  3. 前記支持部材(MF)は自動車のメインフレームであり、前記金属フレーム(1)は、前記自動車のサブフレーム(SF)の、高張力鋼板よりなる縦フレームであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカラー・フレーム結合体。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の前記カラー・フレーム結合体の組立方法において、
    カラー載置面(Sc)と、前記カラー載置面(Sc)から一段下がったフレーム載置面(Sf)とを並設したワーク支持台(S)を使用し、
    前記ワーク支持台(S)の前記フレーム載置面(Sf)上に、前記一対の扁平壁部(Wu,Wd)を上下に配した前記金属フレーム(1)を、前記金属フレーム(1)前記開口端(O)が前記カラー載置面(Sc)側に開口し且つ前記金属フレーム(1)の下側の扁平壁部(Wd)内面が前記カラー載置面(Sc)と面一に連続するように載置させるとともに、前記カラー載置面(Sc)上に前記カラー(C)を起立姿勢で載置させ、
    前記ワーク支持台(S)に設けられ、進退駆動自在なカラー押し込み手段(D)により起立姿勢の前記カラー(C)の外周部を抱持して、前記面取り(Cr)が形成された前記カラー(C)を前記カラー載置面(Sc)上で摺接させつつ前記金属フレーム(1)内に前記金属フレーム(1)の前記面取り(1r)が形成された前記開口端(O)より押し込むとともに、前記取付位置(Xc)で停止させ、
    次いで前記ワーク支持台(S)に設けられ、昇降駆動自在な位置決めピン(Pd)を、前記フレーム載置面(Sf)の下方より前記カラー(C)内に前記下側の扁平壁部(Wd)のボルト孔(h)を通して突入させて、前記カラー(C)を前記取付位置(Xc)に正規の位置決め状態とし、
    前記位置決め状態で、昇降駆動自在な昇降支持体(7)と、前記昇降支持体(7)に固設されて前記カラー(C)内に進入可能な成形パンチ(8)と、前記昇降支持体(7)に弾性体(9)を介して支持されて前記成形パンチ(8)を摺動可能に囲繞するホルダ(10)と、を備えた可動型(A)を下降させて、前記可動型(A)の前記弾性体(9)を圧縮変形させつつその反力でホルダ(10)を前記金属フレーム(1)の上側の扁平壁部(Wu)に圧着させてクランプ状態とし、前記クランプ状態のまま前記カラー(C)内に突入する前記可動型(A)の前記成形パンチ(7)により、前記上側の扁平壁部Wuのボルト孔(h)の周縁部を、前記カラー(C)内に押し込むようにして曲げ変形させて、前記上側の扁平壁部(Wu)に対するバーリング加工を行って、前記上側の扁平壁部(Wu)のボルト孔(h)の開口縁部に、前記カラー(C)の前記開口縁に係合する係合爪部(3)を一体に形成することを特徴とする、カラー・フレーム結合体の組立方法。
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