JP7303942B2 - スイングアーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、スイングアーム構造に関する。
自動二輪車等の鞍乗り型車両において、後輪を支持するスイングアームが、断面矩形の角パイプをU字状に曲げて形成されたアーム本体と、上下2分割の中空のクロスメンバと、を備えて構成されるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
日本国特許第5478481号公報
ところで、サスペンションのバネ下要素であるスイングアームは、剛性を保ちつつ重量を軽減することが求められる。軽量化のためには、スイングアームに成形自由度の高い鋳造部品を採用し、薄肉化することも考えられるが、コストが高くなるという課題がある。他方、コストの増加を抑えるために、パイプ材を複数組み合わせてスイングアームを構成した場合、重量が増加するという課題がある。
本発明は、コストの増加を抑えつつ軽量化を図ることが可能なスイングアーム構造を提供する。
本発明の第一の態様は、一端側を車体側に上下揺動可能に枢支されるとともに他端側に車輪(12)を軸支するスイングアーム(11)の構造において、前記スイングアーム(11)は、前記一端側に位置して揺動軸に支持されるピボット部(31)と、前記ピボット部(31)から車輪軸支位置まで前記他端側へ延びる左右一対のアーム部(32L,32R)と、前記ピボット部(31)よりも前記他端側に位置して前記左右一対のアーム部(32L,32R)同士を連結するクロスメンバ部(33)と、を備え、前記左右一対のアーム部(32L,32R)は、それぞれ一端側アーム部(41)と他端側アーム部(51)とに分割され、前記一端側アーム部(41)は、互いに組み合わされる上アーム部(42)と下アーム部(43)とに分割され、前記他端側アーム部(51)は、前記一端側アーム部(41)に連なるように設けられたパイプ材で構成され、前記クロスメンバ部(33)は、互いに組み合わされる上クロスメンバ部(37)と下クロスメンバ部(38)とに分割され、前記上クロスメンバ部(37)と前記上アーム部(42)とは、互いに一体形成されて上分割体(47)を構成し、前記下クロスメンバ部(38)と前記下アーム部(43)とは、互いに一体形成されて下分割体(48)を構成している。
この構成によれば、スイングアームの一端側アーム部とクロスメンバ部とを、他端側アーム部とは別体の上下分割体で構成することが可能となる。上下分割体は、それぞれ鋼板等の板部材(金属板)をプレス加工したプレス成形品とすることが可能であり、かつこれらの開放端を互いに接合したモナカ構造とすることが可能である。これにより、上下分割体に相当する部位を鋳造部品とする場合に比べて、コストの増加を抑えることができる。また、左右一対のアーム部の全長に渡るパイプ材を用いる場合に比べて、パイプ材の長さを抑え、かつ強度剛性を保ちながら、上下分割体を形成する板部材の肉厚を低減し、軽量化およびコストダウンを図ることができる。
本発明の第二の態様は、前記他端側アーム部(51)の前記一端側の端部(51f)は、前記クロスメンバ部(33)の前記一端側の端部(P3)よりも前記他端側に配置されている。
この構成によれば、パイプ材で構成される他端側アーム部の一端側の端部の位置を、クロスメンバ部の一端側の端部よりも他端側に制限することで、パイプ材の長さを抑えて軽量化を図ることができる。また、他端側アーム部の長さを抑えることで、他端側アーム部に必要な強度剛性を抑え、肉厚低減による軽量化およびコストダウンを図ることができる。
本発明の第三の態様は、左右一対の前記他端側アーム部(51)の車幅方向内側に、前記スイングアーム(11)の平面視で前記他端側ほど相互に離間するように形成された内側縁部(51c1)を備え、前記クロスメンバ部(33)の前記他端側に設けられる他端側縁部(36)は、前記スイングアーム(11)の平面視で車幅方向外側ほど前記他端側に位置するように形成された左右一対の他端外側部(36a)を備え、前記左右一対の他端外側部(36a)は、前記左右一対の他端側アーム部(51)の各内側縁部(51c1)にそれぞれ接合されている。
この構成によれば、左右の他端側アーム部とクロスメンバ部の左右端部との接合部において、他端側アーム部の内側縁部とクロスメンバ部の他端外側部とが、スイングアームの平面視で可及的に滑らかに連なるように接合される。これにより、前記接合部における応力集中を緩和することができる。このため、前記接合部周辺の強度剛性を最適化し、クロスメンバ部を形成する板部材および他端側アーム部を形成するパイプ材の肉厚低減を図ることができる。したがって、スイングアームの軽量化およびコストダウンを図ることができる。
本発明の第四の態様は、前記上下分割体(47,48)が形成する断面形状の内側に配置されて前記上下分割体(47,48)同士を繋ぐ補強部材(61)を備え、前記補強部材(61)は、前記クロスメンバ部(33)の前後幅(H2)の中央(CL2)よりも前記一端側に配置されている。
この構成によれば、上下分割体同士を繋ぐ補強部材を、クロスメンバ部の前後幅の中央よりも一端側に配置する。これにより、補強部材によって一端側アーム部を補強しやすくなり、かつ一端側アーム部とクロスメンバ部とが互いに連なる部位を補強しやすくなる。これにより、上下分割体を形成する板部材の肉厚低減を図ることができ、スイングアームの軽量化およびコストダウンを図ることができる。また、ドライブチェーンが振れてスイングアームの上面を叩くことによる共鳴防止効果を得ることができる。
本発明の第五の態様は、前記補強部材(61)は、左右一対に設けられるとともに、前記上下分割体(47,48)の左右両側の各々において、前記クロスメンバ部(33)と前記一端側アーム部(41)とに跨る位置に配置されている。
この構成によれば、左右一対の補強部材により、上下分割体の左右両側でクロスメンバ部と一端側アーム部とが互いに連なる部位を補強しやすくなる。これにより、上下分割体を形成する板部材の肉厚低減を図ることができ、スイングアームの軽量化およびコストダウンを図ることができる。
本発明の第六の態様は、前記クロスメンバ部(33)の前記一端側に設けられる一端側縁部(35)は、前記スイングアーム(11)の平面視で車幅方向外側ほど前記一端側に位置するように形成された左右一対の一端外側部(35a)を備え、前記左右一対の補強部材(61)は、前記スイングアーム(11)の平面視で前記他端側ほど相互に離間するように配置され、前記左右一対の補強部材(61)の車幅方向内側の内側端部(65)は、前記左右一対の一端外側部(35a)にそれぞれ接合されている。
この構成によれば、補強部材がスイングアームの平面視で斜めに配置されるので、補強部材を上下分割体の内面に接合する場合にも接合長さを確保しやすい。クロスメンバ部の一端側縁部における車幅方向外側ほど一端側に位置するように傾斜した一端外側部に対し、他端側ほど相互に離間するように(すなわち他端側ほど車幅方向外側に位置するように)傾斜した補強部材の内側端部を接合する。これにより、クロスメンバ部の一端側外側部と補強部材との接合部において、これらの間に形成される挟角が可及的に大きくなる(直角に近くなる)。これにより、前記接合部における応力集中を緩和することができる。このため、前記接合部周辺の強度剛性を最適化し、上下分割体および補強部材を形成する板部材の肉厚低減を図ることができる。したがって、スイングアームの軽量化およびコストダウンを図ることができる。
本発明の第七の態様は、前記補強部材(61)には、肉抜き孔(66)が設けられ、前記補強部材(61)における前記肉抜き孔(66)の周囲の外周縁部と前記上下分割体(47,48)の内面とが互いに接合されている。
この構成によれば、補強部材が上下分割体の内面に接合される箇所(すなわち強度剛性を確保しやすい個所)に近接して肉抜き孔が設けられる。このため、補強部材周辺の強度剛性を保ちながら、補強部材ひいてはスイングアームの軽量化を図ることができる。
本発明の第八の態様は、前記上下分割体(47,48)は、それぞれの開放端を互いに接合され、前記上下分割体(47,48)の一方(47)の開放端縁部(47c)には、前記上下分割体(47,48)の他方(48)の開放端縁部(48c)に外周側から被さるように装着される被覆部(47d)を備え、前記上下分割体(47,48)は、前記被覆部(47d)を除き、上下対称に形成されている。
前アーム部とクロスメンバ部とを形成する上下分割体を、開放端縁部を除いて上下対称に形成するので、上下分割体を成形する金型を共用することが可能となる。このため、スイングアームのコストダウンを図ることができる。
本発明の第九の態様は、前記上下分割体(47,48)の一方(47)に設けられる前記被覆部(47d)は、前記開放端縁部(47c)の端縁と直交する断面で外面側へ屈曲する屈曲部(47e)を備え、前記上下分割体(47,48)の他方(48)には、クッションユニット(13)側の構成(18)に連結されるクッション連結部(39)を備えている。
この構成によれば、クッション連結部に入力されるクッション荷重が、被覆部の屈曲部に直接的に(上下分割体の一方のみを介して)伝達されることが抑えられる。これにより、被覆部の屈曲部への応力集中を緩和することができる。このため、上下分割体を形成する板部材の肉厚低減を図ることができる。したがって、スイングアームの軽量化およびコストダウンを図ることができる。
本発明によれば、コストを抑えつつ軽量化を図ることが可能なスイングアーム構造を提供することができる。
実施形態の自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のスイングアームを左前上方から見た斜視図である。 上記スイングアームを上方から見た平面図である。 上記スイングアームの左側面図である。 図4のV-V断面図である。 図4のVI-VI断面図である。 上記スイングアームの後面図である。 上記スイングアームの前部の左側面図である。 上記スイングアームの前部を上方から見た平面図である。 図9のX-X断面図である。 上記スイングアームの前部を左後上方から見た斜視図である。 上記スイングアームの補強部材の三面図である。 上記スイングアームの前部を下方から見た平面図である。 図10のXIV部拡大図であり、実施形態の第一変形例を示す。 図10のXIV部拡大図であり、実施形態の第二変形例を示す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、が示されている。
<車両全体>
図1に示すように、本実施形態は、鞍乗り型車両としての自動二輪車1に適用されている。自動二輪車1の前輪(操舵輪)2は、例えばテレスコピック式のフロントフォークを含む前輪懸架装置3に懸架されている。前輪懸架装置3の上部には、前輪転舵用のバーハンドル4が設けられている。前輪懸架装置3は、車体フレーム5の前端部に支持されている。
車体フレーム5の前端部には、前輪懸架装置3を操向可能に支持するヘッドパイプ6が設けられている。ヘッドパイプ6の上部後側には、左右一対のメインフレーム7が斜め後下方に向けて延びている。ヘッドパイプ6の下部後側には、左右一対のダウンフレーム7aが、車幅方向(左右方向)から見た側面視(以下、単に側面視という。)でメインフレーム7よりも急傾斜をなして斜め後下方に延びている。左右メインフレーム7の後端部は、それぞれ左右一対のピボットフレーム8の上端部に接続されている。
車体フレーム5の内側(左右メインフレーム7の下方、左右ダウンフレーム7aの後方および左右ピボットフレーム8の前方)には、例えばエンジン(内燃機関)Eを原動機とするパワーユニットUが搭載されている。パワーユニットUと後輪(駆動輪)12とは、例えば車体後部左側に配置されたドライブチェーンDを介して連結されている。
左右ピボットフレーム8には、スイングアーム11の前端部(基端部)が支持されている。スイングアーム11の後端部(先端部)には、自動二輪車1の後輪12が支持されている。スイングアーム11の前部と車体フレーム5との間には、リヤクッションユニット13が介設されている。リヤクッションユニット13は、クッションバネおよびダンパーを一体に備えたユニットである。左右ピボットフレーム8の後部には、リヤフレーム9の前端部が接続されている。
リヤフレーム9の上方には、乗員着座用のシート14が配置されている。シート14の前方には燃料タンク15が配置されている。車体前部はフロントカウル16に覆われ、リヤフレーム9の周囲はリヤカウル17に覆われている。
自動二輪車1の後輪12は、後輪懸架装置10に懸架されている。後輪懸架装置10は、スイングアーム11と、リヤクッションユニット13と、リンク機構18と、を備えている。
スイングアーム11は、前端部が車体フレーム5の左右ピボットフレーム8に支持されている。スイングアーム11の前端部は、左右方向に沿うピボット軸(揺動軸)8aを介して、左右ピボットフレーム8に上下揺動可能に支持されている。スイングアーム11の後端部には、左右方向に沿う後輪車軸12aを介して後輪12が支持されている。図中符号C1はピボット軸8aの軸心(中心軸線)、符号C2は後輪車軸12aの軸心(中心軸線)をそれぞれ示している。スイングアーム11の構造については後に詳述する。
リヤクッションユニット13は、例えば下端部がリンク機構18を介してスイングアーム11に連結されている。リヤクッションユニット13の上端部は、車体側に連結されている。実施形態の「車体側」とは、車体フレーム5(別体フレーム含む)およびパワーユニットUの少なくとも一方を含む。リヤクッションユニット13の上端部を連結する「車体側」とは、実施形態では左右ピボットフレーム8の上部間に渡る不図示のクロスフレームである。
リヤクッションユニット13は、例えば車体左右中央に単一に設けられている。リヤクッションユニット13は、スイングアーム11の前部と側面視で交差するように、上下方向に延びて配置されている。リヤクッションユニット13は、上端部が下端部よりも前側に位置するように、側面視で傾斜(前傾)して配置されている。リヤクッションユニット13は、例えばリヤフレーム9とスイングアーム11の左右アーム部32との間で左右一対に設けられてもよい。
リンク機構18は、スイングアーム11の前部下側、リヤクッションユニット13の下端部、および車体側に連結されている。リンク機構18を連結する「車体側」とは、例えば左右ピボットフレーム8の下部同士を連結する不図示のクロスフレームである。このリンク機構18の作動により、スイングアーム11の上下揺動に伴いリヤクッションユニット13の下端部を伸長方向にストロークさせる。
後輪懸架装置10は、後輪12の上方移動に伴いスイングアーム11を上方へ揺動させ、リヤクッションユニット13の下端部を上方移動させて、リヤクッションユニット13を圧縮方向にストロークさせる。後輪懸架装置10は、後輪12の下方移動に伴いスイングアーム11を下方へ揺動させ、リヤクッションユニット13の下端部を下方移動させて、リヤクッションユニット13を伸長方向にストロークさせる。後輪懸架装置10は、後輪12の上下動に伴い、スイングアーム11を上下揺動させるとともにリヤクッションユニット13を伸縮させて、路面からの反力を吸収、減衰する。
<スイングアーム構造>
図2~図4を参照し、スイングアーム11は、例えば鉄鋼製の各種部品を溶接等により一体に結合してなる。スイングアーム11は、その前端部において左右方向に延びるピボットパイプ31と、ピボットパイプ31の後方において前後方向に延びる左右一対のアーム部32L,32Rと、ピボットパイプ31と後輪12の前端部との間において左右アーム部32L,32Rの前部同士を連結するクロスメンバ部33と、を備えている。以下、アーム部32L,32Rのように左右一対の構成には、左側の符号に「L」、右側の構成に「R」を付して区別する場合と、番号のみで総称する場合とがある。
ピボットパイプ31は、断面円形の中空状とされ、その内部にピボット軸8aを同軸に挿通可能とする。ピボットパイプ31は、クロスメンバ部33の前方に離間して設けられている。これらピボットパイプ31およびクロスメンバ部33、ならびに左右アーム部32L,32Rの前部に囲まれた空間が、クッション配置空間K1となる。クッション配置空間K1には、リヤクッションユニット13が上下方向で貫通するように配置される。
ピボットパイプ31の車幅方向内側の範囲H1は、この範囲H1よりも車幅方向外側の部位よりも小径とされる。これにより、ピボットパイプ31の後方に配置されるリヤクッションユニット13とのクリアランスを確保しやすい。ピボットパイプ31は、車幅方向外側の部位の内周側に左右一対のベアリング(不図示)を圧入し、これら左右ベアリング介してピボット軸8aに回転可能に支持される。ピボットパイプ31は、車体左右中心CLに関して左右対称をなしている。車体左右中心CLはスイングアーム11の左右中心でもある。
ピボットパイプ31の車幅方向外側の部位の後方側には、左右アーム部32の前端部32fが溶接結合されている。左右アーム部32の前端部32fは、ピボットパイプ31の車幅方向外側の部位の外周面に整合するべく側面視円弧状に切り欠かれている。左右アーム部32の上下幅はピボットパイプ31の直径よりも大きい。左右アーム部32の前部の規定範囲(側面視でピボットフレーム8と重なる程度の範囲)において、左右アーム部32は、ピボットパイプ31に向けて上下幅を狭めるように、側面視で先細りに形成されている。スイングアーム11のピボット部は、左右アーム部32に渡る一体のピボットパイプ31に限らず、左右に分割された構成でもよい。
左右アーム部32は、それぞれ前アーム部41と後アーム部51とに分割されている。
図5~図7を併せて参照し、前アーム部41は、後述する上下分割体47,48のモナカ構造によって中空状に形成されている。後アーム部51は、例えば角パイプによって形成されている。後アーム部51ひいてはアーム部32の後端部には、例えば鋳造製のエンドピース55が結合されている。
ここで、図1の側面視における後輪懸架装置10は、1G状態(リヤクッションユニット13が車重分だけ沈んだ状態)にあるときを示している。図1に示すスイングアーム11(特にアーム部32)は、側面視で後ろ下がりに傾斜して直線状に延びている。図中直線T1は、側面視でピボット軸8aの軸心と後輪車軸12aの軸心とを結ぶ直線を示す。直線T1は、側面視におけるスイングアーム11(特にアーム部32)の延在方向に沿う基準線である。
前アーム部41は、側面視で直線T1に沿う平面を分割面S1として、上アーム部42と下アーム部43とに分割されている。前アーム部41は、側面視で直線T1に沿って直線状に延びている。前アーム部41は、スイングアーム11の平面視で、前後方向と平行をなすように直線状に延びている。前アーム部41の前端部はアーム部32の前端部32fである。前アーム部41は、側面視で直線T1と直交する断面(前アーム部41の延在方向と直交する断面に相当、図5参照)において、上下方向に長い長方形状かつ中空状の断面形状を有している。図5に示す前アーム部41の断面形状において、符号41aは上面部、符号41bは下面部41b、符号41cは車幅方向内側の内側面部、符号41dは車幅方向外側の外側面部をそれぞれ示す。前アーム部41は、分割面S1を対称面として上下対称に設けられている。左右の前アーム部41は、車体左右中心CLに関して左右対称をなしている。
前アーム部41の後部の車幅方向外側には、外側面部41dと、上面部41aおよび下面部41bの車幅方向外側の部位と、をそれぞれ切り欠いた切り欠き部44が形成されている。前アーム部41の後部の車幅方向内側には、中空のクロスメンバ部33の車幅方向外側が一体化されている。前アーム部41の後部では、内側面部41cが無くされている。前アーム部41の後部には、上面部41aおよび下面部41bの車幅方向内側の部位のみが残存している。図中符号P1は前アーム部41の後端を示している。なお、前アーム部41の後部に残る上面部41aおよび下面部41bをクロスメンバ部33の一部と捉えてもよい。このとき、切り欠き部44の前端P2を前アーム部41の後端として捉えてもよい。
クロスメンバ部33は、側面視で前アーム部41と重なるように設けられている。クロスメンバ部33は、例えば全体が側面視で前アーム部41と重なるように設けられてもよい。クロスメンバ部33は、前アーム部41と同一の上下幅に設けられている。クロスメンバ部33は、平面状の上面部34aおよび下面部34bを有している。クロスメンバ部33の上面部34aおよび下面部34bは、前アーム部41の上面部41aおよび下面部41bとそれぞれ面一となるように設けられている。クロスメンバ部33は、車幅方向と直交する断面において、車幅方向中央の断面形状が最小となる。クロスメンバ部33の車幅方向中央の断面形状(中空矩形状)を基準断面としたとき、クロスメンバ部33は、基準断面から車幅方向外側に位置するほど断面形状が拡大するように(断面形状の前後幅を増大させるように)形成されている。
図3は、前記分割面S1と直交する上下方向(実施形態ではスイングアーム上下方向という。)から見た平面図(実施形態ではスイングアーム11の平面視という。)である。
スイングアーム11の平面視において、クロスメンバ部33は、車幅方向外側ほど前後幅を広げるように末広がりに形成されている。スイングアーム11の平面視において、クロスメンバ部33の前縁部35は、前方に開放する円弧状(後方に凸の円弧状)に形成されている。以下、前縁部35の車幅方向外側の規定範囲を前縁外側部35aという。前縁外側部35aは、例えば前縁部35を車幅方向で3等分した場合の外側部程度の範囲とする。前縁部35の車幅方向内側には、前縁部35の上下角部を切り欠く面取り部35bが形成されている。これにより、スイングアーム11の揺動時にリヤクッションユニット13とのクリアランスを確保しやすい。
スイングアーム11の平面視において、クロスメンバ部33の後縁部36は、後方に開放する台形状の凹部を形成する(前方に凸の台形状の凹部を形成する)ように形成されている。換言すれば、後縁部36は、平坦形状を組み合わせて構成されている。以下、後縁部36の車幅方向外側の規定範囲を後縁外側部36aという。後縁外側部36aは、例えば後縁部36を車幅方向で3等分した場合の外側部程度の範囲とする(後縁部36が台形状の場合はその傾斜辺程度の範囲とする。)。
クロスメンバ部33は、側面視で直線T1に沿う平面を分割面S1として、上クロスメンバ部37と下クロスメンバ部38とに分割されている。上クロスメンバ部37は、左右一対の上アーム部42と一体に形成されている。上クロスメンバ部37および左右の上アーム部42が一体化されることで、一体の上分割体47が構成されている。下クロスメンバ部38は、左右一対の下アーム部43と一体に形成されている。下クロスメンバ部38および左右の下アーム部43が一体化されることで、一体の下分割体48が構成されている。
上分割体47は、分割面S1と平行な上面部47aと、上面部47aの適宜の外縁から下方に屈曲して延びる側面部47bと、を有している。上分割体47は、全体的に下方に向けて開放する中空状をなしている。
下分割体48は、分割面S1と平行な下面部48aと、下面部48aの適宜の外縁から上方に屈曲して延びる側面部48bと、を有している。下分割体48は、全体的に上方に向けて開放する中空状をなしている。
上下分割体47,48は、それぞれ一体のプレス成型品とされ、各々の開放端を互いに組み合わされて、互いに一体に溶接結合されている。上下分割体47,48により、前アーム部41とクロスメンバ部33とを一体化したスイングアーム前部49が構成されている。
上分割体47の開放端縁部47c(側面部47bの先端縁部)には、下分割体48の開放端縁部48cに外面側から被さるように装着(外篏)されるジョッグル部47dを備えている。ジョッグル部47dは、その上端側(基端側)に、開放端縁部47cの端縁と直交する断面で外面側へ屈曲する屈曲部47eを備えている。
一方、下分割体48の下面部48aには、クッション連結部39が取り付けられている。クッション連結部39には、リヤクッションユニット13の下端部から受ける下向きの荷重が入力される。この場合、下分割体48にジョッグル部47dを備えていると、ジョッグル部47dの屈曲部47eに下向きの引っ張り荷重が直接的に作用し、屈曲部47eへの応力集中が懸念される。これに対し、上分割体47にジョッグル部47dを備えることで、屈曲部47eへの応力集中を緩和しやすい。
上下分割体47,48は、ジョッグル部47dを除き、相手側に開放する中空の基本形状が、分割面S1を対称面として上下対称となるように形成されている。上下分割体47,48は、車体左右中心CLに関して左右対称に設けられている。ジョッグル部47dは、分割面S1よりも下方(側面部47bの先端側)に設けられている。ジョッグル部47dを上分割体47の基本形状よりも外側にずらして設けることで、上下分割体47,48の基本形状を形成する金型を共用することが可能となり、スイングアーム11のコストダウンが図られる。
後アーム部51は、切り欠き部44の前端P2近傍から後方へ、側面視で直線T1に沿って直線状に延びている。後アーム部51の前部は、切り欠き部44から前アーム部41内に差し込まれる。後アーム部51の前端部51fは、切り欠き部44の前端P2よりも前方まで差し込まれる。後アーム部51の前端部51fは、クロスメンバ部33の車幅方向中央の前端P3よりも後方に位置している(前端P3よりも後方で終端している)。これにより、後アーム部51を構成する角パイプをピボットパイプ31まで伸ばす場合に比べて、パイプ材の長さが抑えられる。
後アーム部51は、側面視で直線T1と直交する断面(概ね後アーム部51の延在方向と直交する断面に相当、図6参照)において、上下方向に長い長方形状かつ中空状の断面形状を有している。図6に示す後アーム部51の断面形状において、符号51aは上面部、符号51bは下面部、符号51cは内側面部、符号51dは外側面部をそれぞれ示す。後アーム部51の断面形状は、前アーム部41の断面形状に対し、前アーム部41の肉厚分だけ小さい長方形状をなしている。後アーム部51は、外面を前アーム部41の内面に整合させるように差し込まれる。後アーム部51は、分割面S1を対称面として上下対称に設けられている。
左右の後アーム部51L,51Rの前部は、スイングアーム11の平面視で、後方側ほど相互に離間するように傾斜した前傾斜部52L,52Rを有している。左右の後アーム部51L,51Rの後部は、スイングアーム11の平面視で、前後方向と平行かつ互いに平行となるように形成された後平行部53を有している。
左右の後アーム部51L,51Rは、互いに左右非対称とされている。左側の後アーム部51Lの前傾斜部52Lは、右側の後アーム部51Rの前傾斜部52Rよりも長く形成されている。これにより、左側の後アーム部51Lの後平行部53Lは、右側の後アーム部51Rの後平行部53Rよりも車体左右中央からのオフセット量を増加させている。左側の後アーム部51Lの後平行部53Lは、右側の後アーム部51Rの後平行部53Rよりも短く形成されている。右側の後アーム部51Rが車幅方向外側への変位量を増すことで、右側の後アーム部51Rと後輪12との間にドライブチェーンD(図1参照)の配置を可能としている。
スイングアーム11の平面視において、左右の後アーム部51L,51Rの各内側縁部51c1(内側面部51cに相当)は、クロスメンバ部33の後縁部36の各後縁外側部36aにそれぞれ溶接結合されている。スイングアーム11の平面視において、左右の後アーム部51L,51Rの内側縁部51c1は、前後方向に対して後側ほど車幅方向外側に位置するように傾斜している。スイングアーム11の平面視において、クロスメンバ部33の左右の後縁外側部36aは、左右方向に対して車幅方向外側ほど後側に位置するように傾斜している。
スイングアーム11の平面視において、後アーム部51の内側縁部51c1とクロスメンバ部33の後縁外側部36aとの交差部(前アーム部41の後端P1が位置する部位)では、以下の構成となる。すなわち、後アーム部51の内側縁部51c1とクロスメンバ部33の後縁外側部36aとが、可及的に滑らかに連なるように(スイングアーム11の平面視で鈍角をなすように)接合される。
後アーム部51の後端部には、エンドピース55が一体に溶接結合されている。エンドピース55は、例えば鋳造成型品であり、後アーム部51の後端部と連続的に連なるように設けられている。エンドピース55の前端部は、後アーム部51の後端部内に規定量差し込まれ、この状態でエンドピース55が後アーム部51の後端部に溶接結合されている。エンドピース55は、後輪車軸12aを挿通支持する挿通孔55aを有している。挿通孔55aは、後輪車軸12aを前後方向に規定量移動可能とするべく、前後方向に長い楕円状に形成されている。後輪車軸12aの位置を前後方向に移動させることで、ドライブチェーンDの張り(遊び)の調整が可能となる。
クロスメンバ部33の下方側には、クッション連結部39が設けられている。クッション連結部39は、クロスメンバ部33の下面から下方に向けて突出している。クッション連結部39は、ベースブラケット39aの先端側に左右方向に沿う円筒状のホルダ部39bを保持する。ホルダ部39bの内側には、同じく円筒状のカラー部39cがベアリングを介して回転可能に保持されている。このカラー部39cにリンク機構18の入力端が連結され、もってリンク機構18を介してリヤクッションユニット13の下端部がクロスメンバ部33に連結される。クッション連結部39ひいてはクロスメンバ部33には、リンク機構18を介してリヤクッションユニット13から受ける下向きの荷重が入力される。
図8~図13を参照し、上下分割体47,48が形成する断面形状の内側には、上下分割体47,48同士を繋ぐ左右一対の補強部材61L,61Rが設けられている。各補強部材61L,61Rは、スイングアーム前部49の左右両側において、クロスメンバ部33の左右端部34L,34Rの各々と左右前アーム部41L,41Rの各々とに跨る位置に設けられている。各補強部材61L,61Rは、スイングアーム前部49の内部で補強壁となる。各補強部材61L,61Rは、スイングアーム前部49の左右両側において、クロスメンバ部33と前アーム部41とが連なる部位を補強している。
補強部材61は、スイングアーム上下方向に沿う平板状をなし、矩形状の上部62および下部63を有している。上部62は、上分割体47の断面視U字状の内面に整合する矩形状に形成されている。下部63は、上部62に対して横幅を狭めた矩形状に形成されている。下部63の両側部は、下分割体48の両側面部48bから離間している。下部63の下端には、下分割体48の下面部48aの内面に沿う下端フランジ64が形成されている。
補強部材61は、上部62の周縁(上縁および両側縁)が上分割体47の内面に整合した状態で、上部62の周縁が上分割体47の内面に溶接結合されている。補強部材61は、上下分割体47,48を一体結合する前に、まず上分割体47の内面に上部62の三辺を溶接結合する。その後、上下分割体47,48を互いに組み合わせてこれらの開放端縁部47c,48c同士を溶接結合するとともに、補強部材61の下端フランジ64を下分割体48に溶接結合する。
図13を参照し、下分割体48の下面部48aにおける補強部材61の下端フランジ64が重なる部位には、下端フランジ64よりも一回り小さいプラグ孔64aが形成されている。上下分割体47,48を互いに組み合わせてプラグ孔64aを利用して下分割体48に下端フランジ64をプラグ溶接する。これにより、上下分割体47,48の断面内側に補強部材61が溶接固定される。
上下分割体47,48を繋ぐ補強部材61は、上分割体47に対してのみ内部溶接とし、下分割体48に対しては下端フランジ64のみを外部からプラグ溶接とすることで、工程成立性を確保している。プラグ溶接部はスイングアーム11の下面に配置し、スイングアーム11の上面にプラグ溶接部を露出させないので、外観性を向上させるとともに、プラグ溶接部に泥水や異物等が溜まることを抑制する。
図9を参照し、補強部材61は、クロスメンバ部33の車幅方向中央の前後幅(前端P3および後端P4の間の幅)H2の中央CL2よりも前方に配置されている。好ましくは、補強部材61は、クロスメンバ部33の車幅方向中央の前端P3よりも前方に配置されている。これにより、補強部材61によって前アーム部41を補強しやすくなり、かつ前アーム部41とクロスメンバ部33とが互いに連なる部位を補強しやすくなる。
左右一対の補強部材61は、スイングアーム11の平面視で後方側ほど相互に離間するように前方側を凸としたV字状に配置されている。補強部材61がスイングアーム11の平面視で斜めに配置されることで、補強部材61を上分割体47の内面に接合するための接合長さ(溶接長)を確保しやすい。
補強部材61の車幅方向内側の内側端部65は、クロスメンバ部33の前縁外側部35aの内面に接合されている。すなわち、後方側ほど相互に離間するように傾斜した補強部材61の内側端部65が、クロスメンバ部33の前縁部35における車幅方向外側ほど前方側に位置するように傾斜した前縁外側部35aに接合される。その結果、クロスメンバ部33の前縁外側部35aと補強部材61の内側端部65との接合部において、これらが直交する配置に近付き(これらの間の挟角θ1が直角に近付き)、隅肉溶接を行いやすい。
補強部材61の上部62の中央には、正面視円形の肉抜き孔66が設けられている。補強部材61の上部62は三辺が上分割体47の内面に溶接結合されるので(図10参照)、肉抜き孔66は三辺の接合部に囲まれることとなる。これにより、上部62に肉抜き孔66を設けることによる補強部材61の強度剛性への影響が抑えるともに、軽量化が図られる。
以上説明したように、実施形態のスイングアーム構造は、前端側を車体側に上下揺動可能に枢支されるとともに後端側に後輪12を軸支するスイングアーム11の構造において、スイングアーム11は、前端側に位置して揺動軸に支持されるピボットパイプ31と、ピボットパイプ31から後輪軸支位置まで後端側へ延びる左右一対のアーム部32L,32Rと、ピボットパイプ31よりも後端側に位置して左右一対のアーム部32L,32R同士を連結するクロスメンバ部33と、を備え、左右一対のアーム部32L,32Rは、それぞれ前アーム部41と後アーム部51とに分割され、前アーム部41は、互いに組み合わされる上アーム部42と下アーム部43とに分割され、後アーム部51は、前アーム部41に連なるように設けられパイプ材で構成され、クロスメンバ部33は、互いに組み合わされる上クロスメンバ部37と下クロスメンバ部38とに分割され、上クロスメンバ部37と上アーム部42とは、互いに一体形成されて上分割体47を構成し、下クロスメンバ部38と下アーム部43とは、互いに一体形成されて下分割体48を構成している。
この構成によれば、スイングアーム11の前アーム部41とクロスメンバ部33とを、後アーム部51とは別体の上下分割体47,48で構成することが可能となる。上下分割体47,48は、それぞれ鋼板等の板部材(金属板)をプレス加工したプレス成形品とすることが可能であり、かつこれらの開放端を互いに接合したモナカ構造とすることが可能である。これにより、上下分割体47,48に相当する部位を鋳造部品とする場合に比べて、コストの増加を抑えることができる。また、左右一対のアーム部32L,32Rの全長に渡るパイプ材を用いる場合に比べて、パイプ材の長さを抑え、かつ強度剛性を保ちながら、上下分割体47,48を形成する板部材の肉厚を低減し、軽量化およびコストダウンを図ることができる。
実施形態のスイングアーム構造において、後アーム部51の前端部51fは、クロスメンバ部33の中間部の前端P3よりも後方に配置されている。
この構成によれば、パイプ材で構成される後アーム部51の前端部51fの位置を、クロスメンバ部33の基準断面を形成する中間部の前端P3よりも後方に制限することで、パイプ材の長さを抑えて軽量化を図ることができる。また、後アーム部51の長さを抑えることで、後アーム部51に必要な強度剛性を保ちながら、肉厚低減による軽量化およびコストダウンを図ることができる。
実施形態のスイングアーム構造において、左右一対の後アーム部51の車幅方向内側に、スイングアーム11の平面視で後方側ほど相互に離間するように形成された内側縁部51c1を備え、クロスメンバ部33の後縁部36は、スイングアーム11の平面視で車幅方向外側ほど後方側に位置するように形成された左右一対の後縁外側部36aを備え、左右一対の後縁外側部36aは、左右一対の後アーム部51の各内側縁部51c1にそれぞれ接合されている。
この構成によれば、左右の後アーム部51とクロスメンバ部33の左右端部34L,34Rとの接合部において、後アーム部51の内側縁部51c1とクロスメンバ部33の後縁外側部36aとが、スイングアーム11の平面視で可及的に滑らかに連なるように接合される。これにより、前記接合部における応力集中を緩和することができる。このため、前記接合部周辺の強度剛性を最適化し、クロスメンバ部33を形成する板部材および後アーム部51を形成するパイプ材の肉厚低減を図ることができる。したがって、スイングアーム11の軽量化およびコストダウンを図ることができる。後縁部36の左右両端は後アーム部51の内側縁部51c1に接合されるので、後縁部36と内側縁部51c1とが交差する配置であると溶接がしやすくなる。後縁部36が平坦形状を組み合わせた構成とすることで、曲面形状を有する場合に比べてプレス成形が容易になる。
実施形態のスイングアーム構造において、上下分割体47,48が形成する断面形状の内側に配置されて上下分割体47,48同士を繋ぐ補強部材61を備え、補強部材61は、クロスメンバ部33の中間部の前後幅H2の中央CL2よりも前方に配置されている。
この構成によれば、上下分割体47,48同士を繋ぐ補強部材61を、クロスメンバ部33の基準断面を形成する中間部の前後幅H2の中央CL2よりも前方に配置する。これにより、補強部材61によって前アーム部41を補強しやすくなり、かつ前アーム部41とクロスメンバ部33とが互いに連なる部位を補強しやすくなる。これにより、上下分割体47,48を形成する板部材の肉厚低減を図ることができ、スイングアーム11の軽量化およびコストダウンを図ることができる。また、ドライブチェーンDが振れてスイングアーム11の上面を叩くことによる共鳴防止効果を得ることができる。
実施形態のスイングアーム構造において、補強部材61は、左右一対に設けられるとともに、上下分割体47,48の左右両側の各々において、クロスメンバ部33と前アーム部41とに跨る位置に配置されている。
この構成によれば、左右一対の補強部材61により、上下分割体47,48の左右両側でクロスメンバ部33と前アーム部41とが互いに連なる部位を補強しやすくなる。これにより、上下分割体47,48を形成する板部材の肉厚低減を図ることができ、スイングアーム11の軽量化およびコストダウンを図ることができる。
実施形態のスイングアーム構造において、クロスメンバ部33の前縁部35は、スイングアーム11の平面視で車幅方向外側ほど前方側に位置するように形成された左右一対の前縁外側部35aを備え、左右一対の補強部材61は、スイングアーム11の平面視で後方側ほど相互に離間するように配置され、左右一対の補強部材61の車幅方向内側の内側端部65は、左右一対の前縁外側部35aにそれぞれ接合されている。
この構成によれば、補強部材61がスイングアーム11の平面視で斜めに配置されるので、補強部材61を上下分割体47,48の内面に接合する場合にも接合長さを確保しやすい。クロスメンバ部33の前縁部35における車幅方向外側ほど前方側に位置するように傾斜した前縁外側部35aに対し、後方側ほど相互に離間するように(すなわち後方側ほど車幅方向外側に位置するように)傾斜した補強部材61の内側端部65を接合する。これにより、クロスメンバ部33の前縁外側部35aと補強部材61との接合部において、これらの間に形成される挟角θ1が可及的に大きくなる(直角に近くなる)。これにより、前記接合部における溶接がしやすくなる。このため、前記接合部周辺の強度剛性を最適化し、上下分割体47,48および補強部材61を形成する板部材の肉厚低減を図ることができる。したがって、スイングアーム11の軽量化およびコストダウンを図ることができる。前縁部35が円弧形状をなすことで、応力集中を避けやすく、この点でも強度剛性を最適化してコストダウンおよび軽量化を図ることができる。
実施形態のスイングアーム構造において、補強部材61には、肉抜き孔66が設けられ、補強部材61における肉抜き孔66の周囲の外周縁部と上下分割体47,48の内面とが互いに接合されている。
この構成によれば、補強部材61が上下分割体47,48の内面に接合される箇所(すなわち強度剛性を確保しやすい個所)に近接して肉抜き孔66が設けられる。このため、補強部材61周辺の強度剛性を保ちながら、補強部材61ひいてはスイングアーム11の軽量化を図ることができる。
実施形態のスイングアーム構造において、上下分割体47,48は、それぞれの開放端を互いに接合され、上分割体47の開放端縁部47cには、下分割体48の開放端縁部48cに外周側から被さるように装着されるジョッグル部47dを備え、上下分割体47,48は、ジョッグル部47dを除き、上下対称に形成されている。
前アーム部41とクロスメンバ部33とを形成する上下分割体47,48を、開放端縁部47c,48cを除いて上下対称に形成するので、上下分割体47,48を成形する金型を共用することが可能となる。このため、スイングアーム11のコストダウンを図ることができる。
ここで、上下分割体47,48の金型を共用する場合の変形例について、図14A、図14Bを参照して説明する。
図14Aの例では、上下分割体47,48の各開放端縁部47c,48cの端面同士を分割面S1上で互いに突き合わせ、これら開放端縁部47c,48c同士を上下分割体47,48の外面側から溶接している(端面合わせ)。図中符号Bは溶接ビードを示す。
図14Bの例では、上下分割体47,48の各開放端縁部47c,48cに外面側へ起立する端縁フランジ47f,48fをそれぞれ形成し、これら端縁フランジ47f,48f同士を分割面S1上で互いに突き合わせ、これら端縁フランジ47f,48f同士を上下分割体47,48の外面側から溶接している(拝み合わせ)。
図14A、図14Bの構成でも上下分割体47,48の金型は可能であるが、溶接品質を安定化しやすいという観点から、実施形態ではジョッグル部47dを設けて溶接している(ジョッグル合わせ)。
実施形態のスイングアーム構造において、上分割体47に設けられるジョッグル部47dは、開放端縁部47cの端縁と直交する断面で外面側へ屈曲する屈曲部47eを備え、下分割体48には、リヤクッションユニット13側のリンク機構18に連結されるクッション連結部39を備えている。
この構成によれば、クッション連結部39に入力されるクッション荷重は、ジョッグル部47dの屈曲部47eに直接的に(上分割体47のみを介して)伝達されることが抑えられる。これにより、ジョッグル部47dの屈曲部47eへの応力集中を緩和することができる。このため、上下分割体47,48を形成する板部材の肉厚低減を図ることができる。したがって、スイングアーム11の軽量化およびコストダウンを図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、スイングアーム11は鋼材を組み合わせて構成されるが、これに限らない。例えば、スイングアームは、アルミ材を組み合わせて構成されてもよい。このとき、後アーム部は、アルミ押し出し材を用いてもよい。
本発明を適用する車両には、車輪を支持するスイングアームを備える車両全般が含まれる。すなわち、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれ、かつ原動機に電気モータを含む車両も含まれる。前輪懸架装置にスイングアーム(リーディングアーム含む)を備える車両に適用してもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車
11 スイングアーム
12 後輪(車輪)
13 リヤクッションユニット(クッションユニット)
18 リンク機構(クッションユニット側の構成)
31 ピボットパイプ(ピボット部)
32,32L,32R アーム部
33 クロスメンバ部
35 前縁部(一端側縁部)
35a 前縁外側部(一端外側部)
36 後縁部(他端側縁部)
36a 後縁外側部(他端外側部)
37 上クロスメンバ部
38 下クロスメンバ部
39 クッション連結部
41 前アーム部(一端側アーム部)
42 上アーム部
43 下アーム部
47 上分割体
47c,48c 開放端縁部
47d ジョッグル部(被覆部)
47e 屈曲部
48 下分割体
51 後アーム部(他端側アーム部)
51c1 内側縁部
51f 前端部(端部)
61 補強部材
65 内側端部
66 肉抜き孔
CL2 中央
H2 前後幅
P3 前端(端部)

Claims (9)

  1. 一端側を車体側に上下揺動可能に枢支されるとともに他端側に車輪(12)を軸支するスイングアーム(11)の構造において、
    前記スイングアーム(11)は、前記一端側に位置して揺動軸に支持されるピボット部(31)と、前記ピボット部(31)から車輪軸支位置まで前記他端側へ延びる左右一対のアーム部(32L,32R)と、前記ピボット部(31)よりも前記他端側に位置して前記左右一対のアーム部(32L,32R)同士を連結するクロスメンバ部(33)と、を備え、
    前記左右一対のアーム部(32L,32R)は、それぞれ一端側アーム部(41)と他端側アーム部(51)とに分割され、
    前記一端側アーム部(41)は、互いに組み合わされる上アーム部(42)と下アーム部(43)とに分割され、
    前記他端側アーム部(51)は、前記一端側アーム部(41)に連なるように設けられたパイプ材で構成され、
    前記クロスメンバ部(33)は、互いに組み合わされる上クロスメンバ部(37)と下クロスメンバ部(38)とに分割され、
    前記上クロスメンバ部(37)と前記上アーム部(42)とは、互いに一体形成されて上分割体(47)を構成し、
    前記下クロスメンバ部(38)と前記下アーム部(43)とは、互いに一体形成されて下分割体(48)を構成し、
    前記上下分割体(47,48)が形成する断面形状の内側に配置されて前記上下分割体(47,48)同士を繋ぐ補強部材(61)を備え、
    前記補強部材(61)は、前記クロスメンバ部(33)の前後幅(H2)の中央(CL2)よりも前記一端側に配置され、
    前記補強部材(61)は、左右一対に設けられるとともに、前記上下分割体(47,48)の左右両側の各々において、前記クロスメンバ部(33)と前記一端側アーム部(41)とに跨る位置に配置されることを特徴とするスイングアーム構造。
  2. 前記他端側アーム部(51)の前記一端側の端部(51f)は、前記クロスメンバ部(33)の前記一端側の端部(P3)よりも前記他端側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のスイングアーム構造。
  3. 左右一対の前記他端側アーム部(51)の車幅方向内側に、前記スイングアーム(11)の平面視で前記他端側ほど相互に離間するように形成された内側縁部(51c1)を備え、
    前記クロスメンバ部(33)の前記他端側に設けられる他端側縁部(36)は、前記スイングアーム(11)の平面視で車幅方向外側ほど前記他端側に位置するように形成された左右一対の他端外側部(36a)を備え、
    前記左右一対の他端外側部(36a)は、前記左右一対の他端側アーム部(51)の各内側縁部(51c1)にそれぞれ接合されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイングアーム構造。
  4. (削除)
  5. (削除)
  6. 前記クロスメンバ部(33)の前記一端側に設けられる一端側縁部(35)は、前記スイングアーム(11)の平面視で車幅方向外側ほど前記一端側に位置するように形成された左右一対の一端外側部(35a)を備え、
    前記左右一対の補強部材(61)は、前記スイングアーム(11)の平面視で前記他端側ほど相互に離間するように配置され、
    前記左右一対の補強部材(61)の車幅方向内側の内側端部(65)は、前記左右一対の一端外側部(35a)にそれぞれ接合されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のスイングアーム構造。
  7. 前記補強部材(61)には、肉抜き孔(66)が設けられ、
    前記補強部材(61)における前記肉抜き孔(66)の周囲の外周縁部と前記上下分割体(47,48)の内面とが互いに接合されることを特徴とする請求項1から3および6の何れか一項に記載のスイングアーム構造。
  8. 前記上下分割体(47,48)は、それぞれの開放端を互いに接合され、
    前記上下分割体(47,48)の一方(47)の開放端縁部(47c)には、前記上下分割体(47,48)の他方(48)の開放端縁部(48c)に外周側から被さるように装着される被覆部(47d)を備え、
    前記上下分割体(47,48)は、前記被覆部(47d)を除き、上下対称に形成されることを特徴とする請求項1から3および6,7の何れか一項に記載のスイングアーム構造。
  9. 前記上下分割体(47,48)の一方(47)に設けられる前記被覆部(47d)は、前記開放端縁部(47c)の端縁と直交する断面で外面側へ屈曲する屈曲部(47e)を備え、
    前記上下分割体(47,48)の他方(48)には、クッションユニット(13)側の構成(18)に連結されるクッション連結部(39)を備えることを特徴とする請求項8に記載のスイングアーム構造。
JP2022518556A 2020-04-30 2020-04-30 スイングアーム構造 Active JP7303942B2 (ja)

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