JP5565943B2 - 自動二輪車の車体フレーム及び自動二輪車の車体フレームの製造方法 - Google Patents
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請求項4に係る発明は、ダウンフレームは、左右フランジ部同士が溶接された中空フレームであり、左右フランジ部が車両後方を向くように配置されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、ダウンフレームは、断面視で、車幅方向に延びる前面部と、この前面部の一端から車両後方へ延びる左側面部と、この左側面部の後端から車幅中心へ延びる左後面部と、この左後面部から車両後方へ延びる左フランジ部と、前面部の他端から車両後方へ延びる右側面部と、この右側面部の後端から車幅中心へ延びる右後面部と、この右後面部から車両後方へ延びる右フランジ部とからなる、略矩形断面の筒型フレームであることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前面部と左右側面部とが交わる部位に現れる折り曲げ線は、略直線であることを特徴とする。
溶接部となるダウンフレームの左右のフランジ部同士が車両前方を向けて配置されていると、溶接部が目立つため、車両の外観性を損なう場合があったが、本発明では、車両正面視で溶接部が見えなくなるので、車両の外観性を高めることができる。
したがって、本発明によれば、車両の外観性を高め、部品点数を減らし、且つ溶接コストを低減することができる自動二輪車の車体フレームが提供される。
請求項4では、ダウンフレームは、左右フランジ部同士が溶接された中空フレームであり、左右フランジ部が車両後方を向くように配置されている。
溶接部となるダウンフレームの左右のフランジ部同士が車両前方を向けて配置されていると、溶接部が目立つため、車両の外観性を損なう場合があったが、本発明では、車両正面視で溶接部が見えなくなるので、車両の外観性を高めることができる。
請求項5では、ダウンフレームは、断面視で略矩形断面の中空フレームである。ダウンフレームを断面視で矩形以外の、例えば、8角形状断面とすると、矩形断面に較べて金型成形面の形状が複雑になり金型費用が嵩む可能性がある。
この点、本発明では、ダウンフレームは、断面視で略矩形断面の中空フレームとしたので、成形面の形状が簡単になり、金型費用を低く抑えることができる。
請求項6では、折り曲げ線は、車両側面視で略直線となるように形成されているので、金型成形面の形状が簡単になり金型費用の低減が図れる。
図1に示されているように、自動二輪車10に、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前端部に取付けられているヘッドパイプ12に操舵自在に取付けたフロントフォーク13及びこのフロントフォーク13の下端に取付けた前輪14と、フロントフォーク13の上部に取付けたハンドル15と、車体フレーム11の前部上部に取付けた燃料タンク16と、この燃料タンク16の下方に配置したエンジン17及び変速機18を有するパワーユニット21と、が備えられている。
図2に示されているように、自動二輪車の車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から車両後方へ延びた後に下へ延びるメインフレーム41と、このメインフレーム41の下端部に設けられピボット軸42を有し断面視略コ字状のピボットプレート43と、ヘッドパイプ12から車両後方且つ下方へ斜めに延びるダウンフレーム44と、からなる。
クロスメンバ50は、車両前から後へ、各々、車幅方向に延ばされている第1〜第4クロスメンバ51〜54を構成要素とする。
パイプ位置決め部61は、メインフレーム前半部55及びダウンフレーム44に設けられている。詳細な構造については後述する。
図4に示されているように、ダウンフレーム44は、一端に左フランジ部63を有し他端に右フランジ部64を有する金属板を筒形に折り曲げ、左右フランジ部63、64同士が溶接された中空フレームであり、左右フランジ部63、64が車両後方を向くように配置されている。
図5(a)に示すように、ブランク材と呼ばれる金属板66を準備する。
図5(b)〜図5(c)に、塑性加工工程が示されている。
図5(b)に示すように、金属板66を所定の形状に板取りして、小凸部67が形成されるように成形し、次に縁を切断する(第1フォーム工程、トリム工程)。
図5(d)示すように、図5(c)で加工された金属板66の左右フランジ部63、64同士を溶接する(溶接工程)。溶接工程での溶接は、スポット溶接が好適である。
図6に示されているように、メインフレーム41は、左半体71と右半体81とを合わせてなる中空フレームであり、左半体71は、車体中心側が開放される左コ字断面部72と、この左コ字断面部72から上下に延びる左上フランジ部73及び左下フランジ部74とを有する金属板のプレス成形品である。同様に、右半体81は、車体中心側が開放される右コ字断面部82と、この右コ字断面部82から上下に延びる右上フランジ部83及び右下フランジ部84とを有する金属板のプレス成形品である。そして、左右上フランジ部73、83同士が溶接され、前記左右下フランジ部74、84同士が溶接されている。
図中、Gは溶接ガンの先端、Eはアースである。
図7(a)に示すように、シートレール46の右側を構成する右レール部材46Rは、車体中心側に開く右コ字断面レール部101と、この右コ字断面レール部101に車体中心側から当てて溶接した右蓋部材102とからなる中空断面部材である。右蓋部材102を右コ字断面レール部101に図矢印aの如く合わせスポット溶接し、図7(b)に示されている右レール部材46Rを得る。
図8(b)は図8(a)の8(b)−8(b)線断面図であり、メインフレーム41の断面が示されている。
図14に示されているように、左右のレール部材46L、46Rの間に、クロスメンバの構成要素としての第2クロスメンバ52が渡され、この第2クロスメンバ52は、左右レール部材46L、46Rから車幅方向左右に突出した突出部151、151を有し、これらの突出部151、151はリヤクッションユニット(図1、符号25)(リヤクッション25)を連結することができるリヤクッションステー152を兼ねている。
左右レール部材46L、46Rに各々リブ部159L、159Rが形成されており、リブ部159L、159Rが形成されていない場合に較べて、左右レール部材46L、46Rの剛性が上がり、左右レール部材46L、46Rの変形が抑えられる。
図15に示されているように、シートレール46の右側を構成する右レール部材46Rは、車体中心側に開く右コ字断面レール部101と、この右コ字断面レール部101に車体中心側から当てて溶接した右蓋部材102とからなる中空断面部材である。右蓋部材102を右コ字断面レール部101に図矢印aの如く合わせ抵抗溶接(スポット溶接)を施し、図15(b)に示されている右レール部材46Rを得る。
図15(c)に示されているように、右レール部材46Rの前部に左レール部材46Lの前部を図矢印cの如く合わせる。
図17(a)に示されているように、右レール部材46Rは、車体中心側に開く右コ字断面レール部101と、右蓋部材102とからなる中空断面部材である。
図17(c)に示されているように、右レール部材46Rの前部に左レール部材46Lの前部を図矢印cの如く合わせる。
図19に示されているように、左右側面部132、142に、図3の符号155に折り曲げ線155で示されている補強突条部156、156が形成されている。
図20に示されているように、ダウンフレーム44は、断面視で、車幅方向に延びる前面部131と、この前面部131の一端から車両後方へ延びる左側面部132と、この左側面部132の後端から車幅中心へ延びる左後面部133と、この左後面部133から車両後方へ延びる前記左フランジ部63と、前記前面部131の他端から車両後方へ延びる右側面部142と、この右側面部142の後端から車幅中心へ延びる右後面部143と、この右後面部143から車両後方へ延びる前記右フランジ部64とからなる、略矩形断面の中空フレームである。
図21に示されているように、ダウンフレームは、車幅方向長さの小さな前面部131の一端と左側面部132とは前左斜面部135(左前斜面部135)を介して繋がり、前面部の他端と右側面部とは前右斜面部145(右前斜面部145)を介して繋がっており、ダウンフレーム44は、略六角形断面の中空フレームである。
なお、ダウンフレーム44の断面形状は、任意の形状で良いものとする。例えば、五角形、7角形、9角形などでも差し支えないものとする。
第1に、図4に示すとおりに、ダウンフレーム44は、左右フランジ部63、64同士が溶接された中空フレームであり、左右フランジ部63、64が車両後方を向くように配置されている。
したがって、本発明によれば、車両の外観性を高め、部品点数を減らし、且つ溶接コストを低減することができる自動二輪車の車体フレーム11が提供される。
ダウンフレームを断面視で矩形以外の、例えば、8角形状断面とすると、矩形断面に較べて金型成形面の形状が複雑になり金型費用が嵩む可能性がある。
この点、本発明では、ダウンフレーム44は、断面視で略矩形断面の中空フレームとしたので、成形面の形状が簡単になり、金型費用を低く抑えることができる。
したがって、本発明によれば、車体フレーム11の軽量化を図ることが可能になる。
メインフレーム41の開口部111に左右のレール部材46L、46Rを挿入したときに、左右のコ字断面レール部91、101の先端はメインフレーム41内に位置し、左右の上サブフランジ部93、103の前端が開口部の縁111f又は左右上下フランジ部73、83、74、84の後端に当てたので、メインフレーム41にシートレール46を挿入するときに、位置決め作業を容易に行うことができる。
加えて、中空フレームに、パイプ114の両端が接触する部位にて、パイプ位置決め部61、61が設けられている。
従来の中空フレームに穴を開け、この穴にパイプ部材を挿入し、ミグ溶接等によりパイプ部材の両端を中空フレームに固定する場合に較べて、ミグ溶接等は不要になるため、表面に溶接痕が残ることがない。表面に溶接痕が残らないので、中空フレームの外観性を高めることができる。
Claims (12)
- ヘッドパイプ(12)と、このヘッドパイプ(12)から車両後方へ延びるメインフレーム(41)と、前記ヘッドパイプ(12)から後方へ延びるダウンフレーム(44)とからなる自動二輪車の車体フレーム(11)の製造方法であって、
前記ダウンフレーム(44)は、金属板の板取りと、前記金属板に小凸部(67)を成形してから、一端に左フランジ部(63)を有し他端に右フランジ部(64)を有する前記金属板を筒形に折り曲げる塑性加工工程と、
前記左右フランジ部(63、64)同士を溶接する溶接工程と、からなることを特徴とする自動二輪車の車体フレームの製造方法。 - 前記溶接工程での溶接は、スポット溶接であることを特徴とする請求項1項記載の自動二輪車の車体フレームの製造方法。
- ヘッドパイプ(12)と、このヘッドパイプ(12)から車両後方へ延びるメインフレーム(41)と、前記ヘッドパイプ(12)から後方へ延びるダウンフレーム(44)とからなる自動二輪車の車体フレーム(11)であって、
前記ダウンフレーム(44)は、金属板の板取りと、前記金属板に小凸部(67)を成形してから、一端に左フランジ部(63)を有し他端に右フランジ部(64)を有する前記金属板を筒形に折り曲げる塑性加工工程と、
前記左右フランジ部(63、64)同士を溶接する溶接工程とにより製造されたことを特徴とする自動二輪車の車体フレーム。 - 前記ダウンフレーム(44)は、前記左右フランジ部(63、64)同士が溶接された中空フレームであり、前記左右フランジ部(63、64)が車両後方を向くように配置されることを特徴とする請求項3記載の自動二輪車の車体フレーム。
- 前記ダウンフレーム(44)は、断面視で、車幅方向に延びる前面部(131)と、この前面部(131)の一端から車両後方へ延びる左側面部(132)と、この左側面部(132)の後端から車幅中心へ延びる左後面部(133)と、この左後面部(133)から車両後方へ延びる前記左フランジ部(63)と、前記前面部(131)の他端から車両後方へ延びる右側面部(142)と、この右側面部(142)の後端から車幅中心へ延びる右後面部(143)と、この右後面部(143)から車両後方へ延びる前記右フランジ部(64)とからなる、略矩形断面の中空フレームであることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の自動二輪車の車体フレーム。
- 前記前面部(131)と前記左右側面部(132、142)とが交わる部位に現れる折り曲げ線(155、155)は、略直線であることを特徴とする請求項5記載の自動二輪車の車体フレーム。
- 前記メインフレーム(41)は、左半体(71)と右半体(81)とを合わせてなる中空フレームであり、
前記左半体(71)は、左コ字断面部(72)と、この左コ字断面部(72)から上下に延びる左上フランジ部(73)及び左下フランジ部(74)とを有する金属板のプレス成形品であり、
前記右半体(81)は、右コ字断面部(82)と、この右コ字断面部(82)から上下に延びる右上フランジ部(83)及び右下フランジ部(84)とを有する金属板のプレス成形品であり、
前記左右上フランジ部(73、83)同士が溶接され、前記左右下フランジ部(74、84)同士が溶接されており、
前記ダウンフレーム(44)は、上に開放され、上端に左上端部(139)と右上端部(149)とを有しており、
前記左上端部(139)が前記左コ字断面部(72)の外面に当てられ、前記右上端部(149)が前記右コ字断面部(82)の外面に当てられ、前記左上端部(139)が前記左コ字断面部(72)に溶接され、前記右上端部(149)が前記右コ字断面部(82)に溶接されることで、
前記メインフレーム(41)に前記ダウンフレーム(44)が接続されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載の自動二輪車の車体フレーム。 - 前記左右上端部(139、149)は、前記左右コ字断面部(82)の下部コーナ部近傍に溶接されていることを特徴とする請求項7記載の自動二輪車の車体フレーム。
- 前記左右コ字断面部(72、82)には、車幅方向外側へ張り出す凸部(57、57)が膨出形成されており、前記左右上端部(139、149)には、前記凸部(57、57)との干渉を回避する逃げ部(164、164)が形成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の自動二輪車の車体フレーム。
- 前記前面部(131)の一端と前記左側面部(132)とは前左斜面部(135)を介して繋がり、前記前面部(131)の他端と前記右側面部(142)とは前右斜面部(145)を介して繋がっており、
前記ダウンフレーム(44)は、略六角形断面の中空フレームであることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の自動二輪車の車体フレーム。 - 前記左側面部(132)と前記左後面部(133)とは後左斜面部(136)を介して繋がり、前記右側面部(142)と前記右後面部(143)とは後右斜面部(146)を介して繋がっており、
前記ダウンフレーム(44)は、略八角形断面の中空フレームであることを特徴とする請求項10記載の自動二輪車の車体フレーム。 - 前記左右側面部(132、142)に、前記折り曲げ線(155、155)にほぼ沿って延びる補強突条部(156、156)が形成されていることを特徴とする請求項6記載の自動二輪車の車体フレーム。
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