JPS635313B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動二輪車のスタンドに関するもので
ある。

従来自動二輪車のスタンド、例えばメインスタ
ンドは、丸棒を屈曲せしめる等してスタンド本体
とし、該スタンド本体に種々の剛板製ブラケツト
等を溶接結合することにより形成している。しか
しながら、この様なメインスタンドでは別体のブ
ラケツトを種々溶接結合するため重量が重く、ま
た製造工程、特に前記溶接がアーク溶接となるこ
とから溶接工程が複雑であり、さらにコストも嵩
む等の不具合があつた。

本発明は上述の実情を背景としてなされたもの
で、下部に二又状の脚部を有し、両側縁と両脚部
間周縁とにフランジ部を備えた断面ハツト形のプ
レス板を突合せて、対向するフランジ部同士を結
合して略門形中空状のスタンド本体を形成し、該
スタンド本体上部にスタンド本体取付用の孔を設
けるとともに、前記脚部下端を夫々外方に拡開し
て形成した受部に接地部材を固設した自動二輪車
のスタンドであり、その目的とするところは、重
量が軽く、また製造時に接地部の加工が容易で、
しかも安価である自動二輪車のスタンドを提供す
ることにある。

以下本発明を図面に示す一実施例に基いて詳細
に説明する。

図は本発明を用いたスクータタイプの自動二輪
車のメインスタンドであり、略門形中空状のスタ
ンド本体１の脚部下端に丸棒状の接地部材２を固
設して成つている。スタンド本体１は第１図乃至
第３図に示すように下部に二又状の脚部を有し、
両側縁と両脚部間周縁とにフランジ部３ａ，３
a′を有し断面ハツト形で、平面が略門形の一対の
プレス板３，３′を突き合せてそのフランジ部３
ａ，３′ａをスポツト溶接などにより溶接結合し、
中空状に形成されている。そして前記プレス板
３，３′の少くとも一方のプレス板の左側端フラ
ンジ部にはスタンドを車体側に付勢するコイルば
ね４の係止突部３ｂがプレス成形により一体に延
設されている。またスタンド本体１の上端には車
体幅方向に貫通する孔１ａが設けられており、こ
れはプレス板３，３′をプレス成形する際夫々の
上端を円弧状に外方に膨出せしめておくことによ
り形成する。さらにスタンド本体１の両側の脚部
下端においてプレス板３，３′は夫々外方に拡開
され円弧状の受部１ｂが形成されており、該受部
１ｂに丸棒状の接地部材２が嵌合され溶接結合さ
れている。この接地部材２は本実施例においては
両脚部に、車体幅方向外方に延びるように設けら
れ、特に左側はスタンドのかけ外しのため長く延
びるように形成されているが、必ずしもこれに限
らず、片側にのみ設ける等しても良いし、スタン
ドのかけ外しの際スムーズに地面を滑るよう丸棒
状としたが他の形状であつても良い。

スタンド本体１の車体前後方向後面にはラバー
５が付設され、これはスタンドを外した時、コイ
ルばね４の付勢力によりスタンドが、ユニツトケ
ースに一体形成された段部より成るスタンドスト
ツパー６に衝突する際や運転中の振動の際の緩衝
の役割を果すものである。またスタンド本体１の
上部１ｃ内には第１図及び第２図に示す如く補強
部材７が介装され、さらにスタンド本体１の中央
部には凹部１ｄが形成されスタンド本体１の剛性
を高めている。

尚この補強部材７は、スタンド本体１の剛性を
高めるのに有効ではあるが、必ずしも必要ではな
い。即ち本発明のスタンド本体１は断面ハツト形
のプレス板を突合せ、かつ略門形の両側縁と両脚
部間周縁のフランジ部同士を結合しているから、
これだけでも充分の剛性が得られている。

上述のごとき構成を有するメインスタンドを第
５図に示す如くスクータタイプの自動二輪車に取
付けるには第４図及び第５図に示す如くエンジン
ハンガーブラケツト８に穿設された孔及びスタン
ド本体に形成された孔１ａに軸９を貫通せしめて
行ない、またコイルばね４をエンジンハンガーブ
ラケツト８に形成されたコイルばね係止部８ａと
スタンド本体１に形成された係止突部３ｂとの間
に配設する。

尚、本実施例おいては自動二輪車のメインスタ
ンドとしたが、サイドスタンドにおいても実施可
能であることは勿論であるし、プレス板を２枚用
いることとしたが、１枚のものを折曲する等種々
可能である。

本発明は上述の如くスタンド本体をプレス板に
より略門形中空状に形成したため従来の丸棒を主
体とするものより大幅な軽量化がはかれるし、ま
た、従来溶接により種々取付けられていたブラケ
ツトを配し、プレス板加工時に一体成形により形
成することとしたため一層の軽量化が可能となつ
た。しかも上述の如くプレス板を中空を有する様
に突合せてスタンドを形成した場合は、接地部分
をフラツトに形成するためにはプレス板の形状を
複雑にする必要があるし、汚水等の侵入防止のた
め突合せ部の溶接に注意を要し作業能率が低下す
るが、本発明の如く、プレス板の脚部下端を拡開
して受部を形成し、該受部に別部材たる接地部材
を溶接結合することとすれば、プレス板の形状も
簡単であるし、溶接加工も容易である。さらにス
タンド本体と接地部材との溶接部がスタンドをか
けた時に接地しないため長年の使用によつて削ら
れ溶接結合が弱化することも無い。さらにまたス
タンド全体の溶接がスポツト結合を主体となし得
るため加工が容易で、アーク溶接を主体としてい
た従来と比較し、労力及びコストの大幅削減が可
能である等種々の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本発明の一実施例を示すも
ので、第１図はスタンドの正面図、第２図は第１
図の−断面図、第３図は側面図、第４図はス
タンドを取付けたスクータタイプの自動二輪車の
スタンド取付け部近傍の側面図、第５図はスタン
ドを取付けたスクータタイプの自動二輪車の全体
側面図である。 １はスタンド本体、２は接地部材、３，３′は
プレス板、４はコイルばね、５はラバーである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下部に二又状の脚部を有し、両側縁と両脚部
   間周縁とにフランジ部を備えた断面ハツト形のプ
   レス板を突合せて、対向するフランジ部同士を結
   合して略門形中空状のスタンド本体を形成し、該
   スタンド本体上部にスタンド本体取付用の孔を設
   けるとともに、前記脚部下端を夫々外方に拡開し
   て形成した受部に接地部材を固設したことを特徴
   とする自動二輪車のスタンド。