JPH0123912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、鞍乗型自動車、とくに、２つの前輪
を有する鞍乗型前二輪自動車のステアリングシヤ
フト支持構造の改良に関する。

ｂ 従来の技術 第１図に示されている鞍乗型前四輪自動車は一
般的にパイプフレーム構造に設計されていて、対
をなす上部フレームと、対をなす下部フレーム
と、対をなす前部フレームとから構成されてい
る。前部フレームは、通常、上部フレームの延長
部として上部フレームを曲げ加工することにより
形成されていて、その下端でたとえば、サスペン
シヨン機構を介して２つの前輪を担持している。
第２図は、従来の前二輪型自動車の前部フレーム
まわりをフロントカバーを取りはずした状態で図
示したものである。

従来の前二輪型自動車のステアリングシヤフト
支持構造１は下記のように構成されている。

対をなす前記フレーム２，２′はほぼ平行に上
部フレーム（図示せず）から前方下向きに延設さ
れている。前部フレーム２と２′の間にブリツジ
された横部材３の中央にクランプ４を介してステ
アリングシヤフト５が回転可能に支承されてお
り、その下端はリンク機構６を介して２つの前輪
に作動的に連係されている。７はステアリングシ
ヤフト５の上端に設けられたハンドルである。

ｃ 考案が解決しようとする課題 このような従来のステアリングシヤフト支持構
造によれば、ステアリングシヤフト５に曲げ変形
が生じないようにするため、横部材３を前部フレ
ーム２，２′の上方に取付ける必要がある。この
ため、横部材３の剛性を上げる必要があることか
ら、横部材３が大きくなり重量が嵩む欠点があ
る。また、前部フレーム２，２′に取付ける燃料
タンクの位置決めが困難となる。

本考案は、上記課題を解決し、ステアリングシ
ヤフトを安定よく支持することができると共に燃
料タンクの位置決めを行なうことができる鞍乗型
前二輪自動車のステアリングシヤフト支持構造を
提供することを目的とする。

ｄ 課題を解決するための手段 本考案は、上記課題を解決するため、対をなす
上部フレームが対をなす下部フレームに移行する
折り曲げ部に、支持部材を前上がりに突設し、該
支持部材の上端部にステアリングシヤフトを回転
可能の支承した鞍乗型前二輪自動車のステアリン
グシヤフト支持構造において、上記支持部材を上
部フレームより上方に突設させ、かつ支持部材の
外側面にボスを突設し、上記上部フレームに組付
けられる燃料タンクの前部を上記支持部材を股い
で組付けると共に燃料タンクの二股部に内側面に
上記ボスに係合する凹部を設けたことにある。

ｅ 作用 上部フレームの先端部に設けられた支持部材に
ステアリングシヤフトの上端部を支承する。燃料
タンクは前部二股部を支持部材に股がせて位置決
めし、支持部材に設けられたボスを燃料タンクの
二股部内側面に設けた凹部に係合させる。これに
よつて、燃料タンクは所定位置に位置決めされ、
安定的に固定される。

ｆ 実施例 以下、本考案の一実施例を第３図ないし第５図
を参照しながら、詳細に説明する。なお、第２図
のステアリングシヤフト支持構造と同一部分には
同符号を付してその説明を省略する。

図示のように、上部フレーム８と８′は、ほぼ
隣接した状態で平行に延在し、折り曲げ部９から
前部フレーム２と２′が互に離れ勝手に前下がり
延在している。すなわち、前部フレーム２と２′
は上部フレーム８と８′の前方延在部を形成して
いる。前記折り曲げ部９の後方で、この近傍に溶
接等適当な方法により前上がりに延在した支持部
材１０が上部フレーム８，８′上に固定されてお
り、該支持部材１０の上端面にクランプ４を介し
てステアリングシヤフト５が回転可能に支承され
ている。

支持部材１０は、第５図に示されているよう
に、断面Ｕ字形に成形された支持部材ハーフ１
０′と１０′を互に向かい合わせに溶接等により接
合することにより成形されている。１１は支持部
材１０のほぼ中央で横方向に貫設、固定されたピ
ンであつて、該ピン１１のうち支持部材１０の両
側壁より外側へ突出した部分は燃料タンク（図示
せず）を支持するボスとして機能するようにされ
ている。このピン１１は支持部材１０を股いで組
付けられる燃料タンク１２の二股部１２ａの内側
凹部１３に係合している。

１２は前部フエンダー等を取り付けるためのス
トラツプである。

ｇ 考案の効果 上述のように本考案に係る鞍乗型前二輪自動車
のステアリングシヤフト支持構造によれば、支持
部材を上方に延設してステアリングシヤフトを支
持するので、ハンドルとステアリングシヤフト支
持部の間隔を短縮できることからステアリングシ
ヤフトを安定的に支持することができる。また、
燃料タンクの前部二股部を支持部材に股がせて取
付けるので、燃料タンクの位置決めを容易に行な
うことができると共に燃料タンクにボスを係合さ
せるので、燃料タンクを安定良く据え付けること
ができる。されに、支持部材の適所に取り付けら
れたストラツプを利用して前部フエンダー等を安
定よく支持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案が適用された鞍乗型四輪車の
斜視図、第２図は、従来のステアリングシヤフト
支持構造を前部カバーを取り除いた状態で示す斜
視図、第３図は、本考案の一実施例による鞍乗型
前二輪自動車のステアリングシヤフト支持構造を
示す斜視図、第４図は、第３図のＡ矢印の方向に
本ステアリングシヤフト支持構造を目視した側面
図、第５図は、第４図のＢ−Ｂ線である。 １……ステアリング支持構造、２，２′……前
部フレーム、３……横部材、４……クランプ、５
……ステアリングシヤフト、６……リンク機構、
７……ハンドル、８，８′……上部フレーム、９
……折り曲げ部、１０……支持部材、１０′……
支持部材ハーフ、１１……ピン、１２……ストラ
ツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 対をなす上部フレームが対をなす下部フレー
   ムに移行する折り曲げ部に、支持部材を前上が
   りに突設し、該支持部材の上端部にステアリン
   グシヤフトを回転可能にした支承した鞍乗型前
   二輪自動車のステアリングシヤフト支持構造に
   おいて、上記支持部材を上部フレームより上方
   に突設させ、かつ支持部材の外側面にボスを突
   設し、上記上部フレームに組付けられる燃料タ
   ンクの前部を上部支持部材を股いで組付けると
   共に燃料タンクの二股部に内側面に上記ボスに
   係合する凹部を設けたことを特徴とする鞍乗型
   前二輪自動車のステアリングシヤフト支持構
   造。 (2) 上記支持部材の両側面の下部にストラツプを
   取り付け、該ストラツプを前部フエンダーを取
   り付ける手段として使用することを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の鞍乗型前
   二輪自動車のステアリングシヤフト支持構造。