JPS6246633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動二輪車、自動三輪車等の車両に
おいて前輪を支持するフロントフオークに関する
ものである。

従来の自動二輪車等におけるフロントフオーク
は、一般に丸パイプが使用され、断面が円形であ
ることにより、車体前後方向および車体幅方向に
ついての曲げに対する強度が均一である。しか
し、一般に自動二輪車等では、フロントフオーク
の車体前後方向の負荷に対する必要強度は車体幅
方向に対する必要強度より充分大きいため、前記
丸パイプを用いたフロントフオークでは断面形状
として効率的でなく、車体重量の軽減にとつて優
利でない。また、断面コ字状の鋼板を２枚合わせ
て溶接したものを２組使用してフロントフオーク
としたものもあるが、この場合は製作に手間がか
かる。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
重量が軽減され、かつ、製作が簡単でありなが
ら、特に前後方向についての充分高い必要強度を
満たすフロントフオークを得ることを目的とする
ものである。

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は自動三輪車の側面図で、この三輪車
は、操向輪である１個の前輪１を備えた前車体２
と、２個の後輪３を備えこの後輪３の間に駆動ユ
ニツト４を備えた後車体５とを左右揺動自在に連
結したものである。

前車体２と後車体５との連結部６を説明する
と、７は前車体２に上下揺動自在に枢着されたケ
ース、８はケース７内に挿入されて回動自在に支
持されたスイング軸、８ａはスイング軸８の後車
体取付部、９は前車体２とケース７との間に配さ
れて上下方向の緩衝を行う緩衝器である。

また、１０はハンドル、１１はハンドルカバ
ー、１２はレツグシールド、１３はフロントキヤ
リア、１４，１５は車体フレームを覆うカバー、
１６はステツプフロア、１７はシート、１８はリ
ヤキヤリヤである。

１９は本考案のフロントフオークで、第２図に
示すように１本の長方形断面の角パイプを逆Ｕ字
状に曲げてフロントフオーク部材２０を形成し、
このフロントフオーク部材２０をその長方形断面
の長辺２０ａが車体前後方向（第２図では矢印Ａ
方向）に、短辺２０ｂが車体幅方向（同図で矢印
Ｂ方向）に向くように車体前部に配置するととも
に、第３図〜第５図に詳細を示すように、前記フ
ロントフオーク部材２０の中央のわん曲部２０ｃ
の上側にハンドル１０が固定されるステアリング
ステム２１を突設し、またフロントフオーク部材
２０の両下端にそれぞれリンク２２の一端を回動
可能に連結し、このリンク２２の他端に前輪１を
枢着し、リンク２２の他端側とフロントフオーク
部材２０の上位部分（この実施例ではわん曲部２
０ｃの若干下側位置）とを緩衝器２３を介して連
結して構成している。

さらに詳しく説明すると、フロントフオーク部
材２０のわん曲部２０ｃにはフランジ２４が溶接
されており、このフランジ２４にステアリングス
テム２１を固定することにより、ステアリングス
テム２１をフロントフオーク部材２０に突設して
いる。また、前記リンク２２は、フロントフオー
ク部材２０の下端部に先端にねじを切つたピン２
５でブツシユ２６を介して連結している。２７は
Ｏリング、２８はナツトである。

また、緩衝器２３の上端部は、フロントフオー
ク部材２０に溶接したブラケツト２９に先端にね
じを切つたピン３０で同じくブツシユ３１を介し
て連結している。緩衝器２３の下端部は、リンク
２２の他端部とともに前輪アクスル３２にブツシ
ユ３３を介して連結されている。

以上の如き構成のフロントフオーク１９におい
ては、フロントフオーク部材２０が長方形断面の
角パイプであり、その長辺２０ａが車体前後方向
をなし短辺２０ｂが車体幅方向をなしているの
で、このフロントフオーク部材２０の断面の車体
前後方向についての断面係数は車体幅方向につい
ての断面係数より大きい。したがつて、このフロ
ントフオーク部材２０は路上の突起乗り越し等の
際に発生する前後方向の大きな負荷に対しては大
きな断面係数が対応し、幅方向の小さな負荷に対
しては小さな断面係数が対応するので、必要な強
度を得る断面として効率がよく、したがつて丸パ
イプのものと比べて重量が軽減されている。

また、角パイプのフロントフオークであるた
め、ステアリングステムやリンク、緩衝器の取付
の構造が容易になる。

以上説明したように本考案のフロントフオーク
は、１本の長方形断面の角パイプをその長方形断
面の長辺が車体前後方向に、短辺が車体幅方向に
向くように逆Ｕ字状に曲げ前記角パイプ中央のわ
ん曲部にステアリングステムを突設し、角パイプ
端部にリンクを介して車輪を枢着し、該リンクと
角パイプの間に緩衝器を配設して構成したので、
車体前後方向の負荷に対する必要強度と車体幅方
向に対する必要強度とに対して、それぞれを満た
す効率のよい断面形状とすることができ、したが
つて従来の丸パイプのものと比べて重量の軽減が
図られ、また、同じく従来の断面コ字状の鋼板を
用いたものと比べて製作に手間がかからない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動三輪車の側面図、第２図はフロントフオー
ク部材の斜視図、第３図はフロントフオークの正
面図、第４図は同側面図、第５図は第４図におけ
る−線断面図である。 １……前輪、１９……フロントフオーク、２０
……フロントフオーク部材（角パイプ）、２０ａ
……長辺、２０ｂ……短辺、２０ｃ……わん曲
部、２１……ステアリングステム、２２……リン
ク、２３……緩衝器、３２……前輪アクスル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １本の長方形断面の角パイプをその長方形断面
   の長辺が車体前後方向に、短辺が車体幅方向に向
   くように逆Ｕ字状に曲げ前記角パイプ中央のわん
   曲部にステアリングステムを突設し、角パイプの
   端部にリンクを介して車輪を枢着し、該リンクと
   角パイプの間に緩衝器を配設したことを特徴とす
   る自動二輪車等の車両におけるフロントフオー
   ク。