JPS6138867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、後部フレームを構成する左右一対の
側枠にシートの一端を該シートが起倒し得るよう
に枢着し、前記両側枠にサイドグリツプを備えた
左右一対のグリツプステーをそれぞれ固着した自
動二，三輪車において、前記シートの伏倒位置を
正しく保持するようにした、シート支承装置に関
する。

上記シートは、その使用時に伏倒し、後部フレ
ーム内に装備される各種機器の点検整備時、燃料
タンクへの給油時などに起立位置に回動するもの
であり、またサイドグリツプは、例えばメインス
タンドを立てるために車体を引上げるとき把持さ
れるものである。

従来の上記自動二，三輪車においては、シート
の枢着部には多少の遊びがあるので、伏倒時にシ
ートの特に左右方向の位置が正確には定まらな
い。このため、サイドグリツプをシートに隣接し
て配設する場合には、この両者間に、シートが左
右にずれてもサイドグリツプに当らないだけの比
較的広い間隔を設けなければならず、しかもその
間隔はシートの左右方向のいずれより一定しない
ので、車両の外観を多少とも損う不都合がある。

そこで、本考案は、シートの伏倒時、該シート
の底板を支承すると共に該底板にその左右方向の
動きを拘束するように嵌合するシート支承板を前
記一対のグリツプステーに架橋連結し、これによ
りシートの伏倒位置を正しく保持して上記のよう
な不都合を解消し、併せて後部フレーム及びグリ
ツプステーの剛性を強化するようにした、簡単有
効な前記シート支承装置を提供することを目的と
する。

以下、図面により本考案をスクータに適用した
一実施例について説明すると、第１図において車
体フレーム１は前部フレーム１ｆと後部フレーム
１ｒとにより、その前部フレーム１ｆはヘツドパ
イプ２と、このヘツドパイプ２より後方へＬ字状
に延出するダウンチユーブ３とより構成される。
後部フレーム１ｒは左右一対の側枠４，４と、こ
れら側枠４，４間を連結する数本のクロスメンバ
５とより構成され（第２図参照）、上記側枠４，
４の前端部の図示しないクロスメンバにダウンチ
ユーブ３の後端が結合される。

各側枠４，４は中間部で屈曲していて、ダウン
チユーブ３との結合部から立上る立上がり部４ａ
と、それの上端より後方へ水平に延出する水平部
４ｂとを有しており、両側枠４，４の水平部４ｂ
の前端部にヒンジブラケツト８が架橋連結され、
このヒンジブラケツト８にヒンジ９を介してシー
ト１０の前端部が枢着される。したがつて、シー
ト１０は水平な後方への伏倒位置と前方への起立
位置との間を回動することができる。

第２，３図に明示するように、両側枠４，４の
水平部４ｂの中間部外側には左右一対のグリツプ
ステー１１，１１がそれぞれ溶接して固着されて
おり、各グリツプステー１１，１１には鋼管をコ
字状に屈曲させて形成したサイドグリツプ１２が
その両端を溶接して設けられる。また、両グリツ
プステー１１，１１にはシート支承板１３の両端
がボルト１４または溶接により固着され、こうし
て支承板１３は両グリツプステー１１，１１間に
架橋連結される。シート支承板１３は両側枠４，
４間の上方を横切る水平部１３ａとその両端から
下方に屈曲してグリツプステー１１，１１にそれ
ぞれ固着される垂直部１３ｂ，１３ｂとを有し、
これら垂直部１３ｂ，１３ｂには外方へ突出する
ストツパ片１５，１５が切り起こして設けられ、
これらシート１０と次のような関係を持つ。

即ち、シート１０の伏倒時には、その底板１０
ｂに付設したストツパゴム１６，１６が上記水平
部１３ａ上面に当接してシート１０がシート支承
板１３に支承され、これと同時に、底板１０ａに
形成した上記水平部１３ａの長さと同幅の位置決
め溝１７の両側壁が上記垂直部１３ｂ，１３ｂの
外側面に係合してシート１０の左右方向の動きが
拘束される。また、底板１０ａは、位置決め溝１
７の開口縁より左右外方に延びる肩部１８，１８
を有し、これら頂部１８，１８が上記ストツパ片
１５，１５の上面に対向し、シート１０に乗員が
着座してストツパゴム１６，１６が圧縮されたと
き、第２図のように、肩部１８，１８がストツパ
片１５，１５に当接することにより底板１０ａの
下降限が規制される。

更に、底板１０ａは、肩部１８，１８外端から
斜め外方に垂下する庇部１９，１９を有し、これ
らがサイドグリツプ１２，１２を上方から覆うよ
うになつている。

第１図に示すように、前記ヘツドパイプ２には
前輪２０ｆを軸支するフロントフオーク２１の操
向軸２１ａが取付けられ、ダウンチユーブ３上に
はフロア２２が形成される。また後部フレーム１
ｒの水平部４ｂ下方には、エンジン２３及び、後
輪２０ｒを支持すると共に駆動する伝動装置２４
を一体的に構成したパワーユニツト２５が配設さ
れ、このパワーユニツト２５は、前端部をリンク
２６を介して後部フレーム１ｒの立上り部４ａに
吊架されると共に後端部を緩衝器２７を介して同
水平部４ｂに懸架される。

尚、本考案は、前部に１輪、後部に２輪を配設
した自動三輪車にも適用することができる。

以上のように本考案によれば、シート１０の伏
倒位置で該シート１０の底板１０ａを支承すると
共に、該底板１０ａにその左右方向の動きを拘束
するように嵌合するシート支承板１３を左右一対
のグリツプステー１１，１１に架橋連結したの
で、シート１０の伏倒位置を正しく保持してその
左右方向のいずれを防止でき、したがつてサイド
グリツプ１２，１２をシート１０に近接配置して
それらの間隔を最小限に狭ばめることができ、シ
ート１０のサイドグリツプ１２，１２との干渉を
起こすことなく外観を良好にすることができる。

またシート支承板１３は左右のグリツプステー
１１，１１間のクロスメンバとしても機能し得る
ので、各グリツプステー１１及び後部フレーム１
ｒの剛性強化に役立ち、しかも構造が従来のもの
に比して格別複雑になることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えたスクータの要部破
断側面図、第２図は第１図の−線拡大断面
図、第３図はその要部の斜視図である。 １ｒ……後部フレーム、１０……シート、１０
ａ……底板、１１……グリツプステー、１２……
サイドグリツプ、１３……シート支承板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後部フレーム１ｒを構成する左右一対の側枠
   ４，４にシート１０の一端を該シート１０が起倒
   し得るように枢着し、前記両側枠４，４にサイド
   グリツプ１２を備えた左右一対のグリツプステー
   １１，１１をそれぞれ固着した自動二，三輪車に
   おいて、前記シート１０の伏倒時、該シート１０
   の底板１０ａを支承すると共に該底板１０ａにそ
   の左右方向の動きを拘束するように嵌合するシー
   ト支承板１３を前記一対のグリツプステー１１，
   １１に架橋連結してなる、自動二，三輪車におけ
   るシート支承装置。