JP3795199B2 - 低床式自動二輪車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクータの如き低床式の自動二輪車にかかる。特に本発明は、シャフトドライブ式の駆動機構を備え、スイングアーム支持形式の後輪懸架装置を備え、ミッションケースを可及的に車体の高い位置に配置し、フロアスペースを広く採りつつ車体の傾斜角、所謂バンク角を大きく採ることを可能とした低床式自動二輪車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車体下部の両側部にステップバーを備え、フロアを備えないオートバイ形式の自動二輪車において、後輪駆動機構としてシャフトドライブ機構を用いたものは、従来から特開昭53−26043号公報、特開昭60−53484号で開示されている。前者の技術は、後輪懸架、支持を行う片持ち式のスイングアーム内にドライブシャフトを収納したものであり、後者はスイングアームを左右に備える両持ち式のスイングアーム形式で、片側をドライブシャフトで構成したものである。
【0003】
ところで、スクータ式の自動二輪車は、両足を揃えてフロア上に載せた状態で運転を行い、オートバイ形式の自動二輪車と異なり、低床式の足載せフロアを備える。
この種の低床式の足載せフロアを備える自動二輪車としては、従来(1)特公昭37−16106号、(2)特開昭59−134070号が開示されている。
【0004】
上記(1)のスクータは、低床式の足載せフロアのフロア中間部間の膨出部間に、エンジンに繋がるクランクケースやミッションケースを半没状態で収納し、クランクケースやミッションケースは下半部が床下に突出する。そして、チエンケースが後方に延び、チエン(ベルト)ケース後端部に緩衝器で車体側に支持された後輪が配置され、後輪はチエン(ベルト)伝達機構で駆動される。
【0005】
上記(2)の自動二輪車(スクータ)は、ベルトドライブ機構で後輪を駆動し、低床式の足載せフロアの中間部間の膨出部にエンジン、クランクケース、ミッションケースを上半部の一部が臨むように配置し、エンジン、ミッションケースの下半部を含む大半は床下に露出し、後方にベルトケースを構成するスイングアーム相当部材を延出し、ベルトケース後部で後輪を緩衝器を介して支持する。
又従来の低床式の足載せフロアを有するスクータタイプの自動二輪車は、後輪懸架方式として、エンジン、ミッションケース、伝動ケースを一体化し、車体に対して揺動可能に軸支したユニットスイング形式の方式が多用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の低床式の足載せフロアを備えるスクータ形式の自動二輪車においては、上記(1),(2)のように、足載せフロア下方にミッションケース等の大半が突出すること、チエン駆動、或いはベルト駆動方式で後輪を駆動しているので、車体下部の片側に、スイングアームを構成する大きなチエンケース、ベルトケース等の伝動ケースが突出すること、左右に足載せフロアが張出すこと等から、転舵等において走行中に行われる車体の左右への傾動大きく採ることが困難である。
即ち、所謂車体のバンク角を大きく採ることが困難である。
この結果、低床式の足載せフロアを有するスクータタイプの自動二輪車においては、オートバイ形式の自動二輪車のような、軽快な運転、走行を望むことには困難性を伴う。
【0007】
又スイングアームのミッションケース、或いは車体側への軸支部が、車幅方向の外側寄りに位置せざるを得ないこと、伝動ケースが車幅方向の外側方に位置することから、これ等の影響で、足載せフロアの幅が制約を受け、足載せフロアの幅が大きく設定することが困難である。
【0008】
又ミッションケースの一側方に出力軸、ギヤ、或いはプーリが突出し、これにチエン、或いはベルトが、後方に、チエンケース、ベルトケースを介して後方に延出されるので、後輪で伝動機構が側方に張出し、この結果、車幅が大きくなる。 特に、ミッションケースの出力部分は、足載せフロアの中間部、或いは後部に配置され、この部分の一側部に外側方に出力軸が突出し、該出力軸にギヤやプーリが配置されるので、この部分の幅が必然的に大きくなる。
又ミッションケースの大半部が床下に露出し、後輪支持用のスイングアームが出力軸部分とは全然別個の後方部分で支持されるので、この部分も車幅方向の一側部に突出することとなり、上記した構成と併せ、車幅が大きくならざるを得ない。
【0009】
本発明は、以上の従来の自動二輪車、特に低床式のフロアを備えるスクータタイプの自動二輪車の以上の課題を解決すべくなされたものである。
本発明者等は、低床式の足載せフロアを有する自動二輪車において、シャフトドライブ形式を採用すれば、ミッションケース側方に出力部が突出しないこと、後方に出力部を配置できること、従って、ミッションケースの幅が抑制できることから、足載せフロア間の上方に膨出するトンネル部分にミッションケースの殆どを収納することが可能であること、ドライブシャフトは、ミッションケース出力部に対して可及的に者幅方向中心位置に寄せることが可能であること、この結果、足載せフロア下方へのミッションケース等の突出を無くし、又スイングアームを構成するドライブシャフトの軸支部分を車体中心側に寄せることが可能であること、シャフトドライブ機構なので、ドライブシャフトの下方、且つ側方への突出量を押えることが可能であること、足載せフロアはこれ等に制約されることが少ないので、幅や前後の大きさ等、配置、大きさ等の自由度が多きくすることができること、等の知見を得て、本発明をなしたものである。
【0010】
従って、本発明の目的とする処は、低床式の足載せフロアを有するスクータ形式の自動二輪車において、後輪駆動機構としてシャフトドライブ機構を採用し、ミッションケースの殆どを左右のフロア部間のトンネル部分に収納し、これ等のフロア下方への突出を抑え、且つスイングアームを構成するドライブシャフトを可及的に車体中心に寄せて配置し、フロアを大きく設定しつつ、車幅を可及的に抑え、バンク角を大きく採ることを可能とし、オートバイ形式の自動二輪車と同様に、軽快な運転、走行を得ることが可能である低床式自動二輪車を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1は、左右に低床式の足載せフロア部を備え、該左右の足載せフロア部間に上方に膨出し、前後方向に延びるフロアトンネル部を備える自動二輪車において、エンジン後方に配置するミッションケースを前記フロアトンネル部内に配置し、ミッションケースから後方に延出したドライブシャフトを後輪に連結して該後輪を駆動し、ドライブシャフトと前記ミッションケース出力部との結合部は、足載せフロア部の内側に配置され、該足載せフロア部により覆われることを特徴とする。
【0012】
請求項1においては、エンジン後方に設けるミッションケースを、左右の足載せフロア部間にフロアトンネル部内に配置するので、足載せフロア部下方へのミッションケースの突出を抑制することができる。
又後輪駆動形式をシャフトドライブ形式とし、ドライブシャフトとミッションケースとの結合部を、足載せフロア部の内側に配置したので、該結合部の車幅方向の外側方への突出量を抑えることができる。
【0013】
請求項2は、ドライブシャフトを、平面視においてその前部が車幅方向の中心に寄せるように傾斜して配置したので、シャフトドライブ機構を構成するドライブシャフトは、前部が車体中心線に寄って配置でき、ドライブシャフトの前部の幅が足載せフロア内に収容、配置することができる。
【0014】
請求項3は、後輪を支持するスイングアームの前端部を、ミッションケースの後端部に軸支したので、スイングアームを車体側に支持する必要がなく、スイングアーム間の幅を小さく設定することができる。
【0015】
請求項4は、スイングアーム前端部のミッションケースへの軸支部を、一側の足載せフロア部の足載せフロア面の下方に位置させるようにしたので、スイングアーム軸支部を外部から隠すことができる。
【0016】
請求項5は、足載せフロア面は、少なくともドライブシャフト側の足載せフロア面で、前記ミッションケースの出力部との結合部が位置する部分が、該足載せフロア面の前部に対して高さ方向に段差をもって高い位置としたので、スイングアームの先端部を構成するドライブシャフトの先端部の間隔を後輪支持部と同様の間隔に設定しても、足載せフロア面の段差部で干渉することが無く、ドライブシャフトを含むスイングアームの先端部を後端部と略々同幅としても、足載せフロア面と干渉することが無く、足載せフロア面の幅を大きく採ることができ、又バンク角を大きく採ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1〜図13は、本発明の第1の実施の形態を示し、図1は本発明にかかる低床式自動二輪車の外観側面図、図2は同平面図、図3は自動二輪車の外観を構成するカバーを取外し、車体の構造を表した全体側面図、図4は図3の4−4線断面図で、カバーを取り付けた状態の断面図、図5は図4の同様の5−5線断面図、図6は図3の同様の6−6線断面図、図7は図3の状態の平面図、図8はエンジンを一部とした車体前部の拡大側面図、図9は図8の正面図、図10はミッションケースを一部とした車体後部の拡大側面図、図11は図10の平面図、図12は後輪を支持する両持ち式スイングアームの要部を破断した平面図、図13は自動二輪車後部の車体レイアウト、及び収納ボックスの配置、構造を示す拡大破断側面図である。
【0018】
図1は本発明にかかる自動二輪車1の左側面図で、自動二輪車1は、足載せフロアが低床式で、スクータタイプを示す。
自動二輪車1の車体構造は、図3、及び図7〜図11に示す如くで、その概略を説明すると、図3は車体構造の全体を示す左側面図であり、2は車体前部下位に配置されたエンジンである。
エンジン2は、図3、図7、図8、図9に示すように、車幅方向の中間部にクランクケース2aを備え、クランクケース2aの左右両側に、車幅方向の外側に突出するようにシリンダ部2b,2bを備える。各シリンダ部2b,2bのシリンダ軸線は略々水平で、シリンダ部2b,2bは相互に対向し、所謂、多気筒水平対向式で、水冷式のエンジンを構成する。
【0019】
以上のエンジン2のクランクケース2aの後方に、ミッションケース3を結合して一体的に連結して後方に延出し、ミッションケース3は、外形が略々直方体形状をなす。
かかるエンジン2とミッションケース3とで、前後方向に長さのある一体化されたパワーユニット4を構成し、パワーユニット4は車体の一部を構成するように固定形式である。
ミッションケース3内には、図示しないが、例えば、静油圧式無段変速装置等の自動変速機を内蔵したものを用い、これに代えて電気式変速装置を用いても良く、この場合、操作部をハンドルグリップに設ける。
【0020】
車体フレームの前部の構造を説明する。図8、及び図9は、前部構造を拡大して示す。
前輪11支持用のフロントフォーク12を回転自在に支持するヘッドパイプ5の下半後面の両側には、短い左右のメインパイプ6,6の前端部の溶接等して結合する。
左右のメインパイプ6,6は前端部間が狭く、後方がこれより広く、前後方向中間部が、図7、図9に示すように対称形状に外側に弯曲、膨出する。
【0021】
以上の左右のメインパイプ6,6は、斜後下傾するように延出され、各後端部には、エンジンハンガー部6a,6aを設け、各エンジンハンガー部6aは、メインパイプ後端部に連結された上半部6b、下方に垂下延出された下半部6cを備える。
これ等エンジンハンガー部6a,6aをクランクケース2aの後部上半部に跨がせ、各上半部6bをクランクケース2aの上部両側部にボルト6dで各結合する。
又各下半部6cを、クランクケース2aの後部両側部の中間部にボルト6eで各結合する。
尚、下半部6cを上半部6bと一体に設け、一体のエンジンハンガーの上下をクランクケース2aに結合しても良い。
【0022】
又ヘッドパイプ5の下端部後部には、左右のダウンチューブ7,7の上端部接合し、該ダウンチューブ7,7は、各後半部7aが後下方に垂下し、下向きの後端部にエンジンハンガー部7bを各設置する。
以上の左右のエンジンハンガー部7b,7bを、クランクケース2aの前部で上部、例えば、図8に示すように、左右のシリンダ部2b,2bの基端部近傍の両側部を跨ぐようにして、該クランクケース2aの当該部分にボルト7cで結合する。
【0023】
以上により、エンジン2のクランクケース2aの後部と、ヘッドパイプ5の後方に延びる左右のメインパイプ6,6後端部とを一体的に結合し、且つ、ダウンチューブ7,7後端部とエンジン2の前部とを一体的に結合し、エンジン2を車体フレーム構成部材で支持しつつ、該エンジン2を車体フレームの一部として構成する。
尚、ダウンチューブ7,7には、ラジエータ8を支持するスティ7d,7e等を設け、図3、図7、及び図8に示すようにダウンチューブ7,7の前面にラジエータ8を取付、支持する。図9は車体フレーム前面の理解を容易にするため、ラジエータ8を除去して示した。
【0024】
車体フレームの後部の構造を説明する。図10、及び図11は、この部分を拡大して示す。
エンジン2の後部に一体化され、エンジン2の後方に延出されたミッションケース3の後部上面には、左右に離間して取付ボス部3a,3aを設ける。該ボス部3a,3aにシートレールを兼ねるリヤフレーム9の左右の部材9a,9aの前端部9b,9bをボルト9c,9cで結合する。
リヤフレーム9は、パイプ材からなり、後端部は対向するように対称形状に曲げられて端部9d,9d相互を連結部材9eで結合し、図12で示すように平面視が前後に長い横U字型である。実施例では、左側の部材(図12では下側に表されている)の中間部〜後部にかけて、左側方に膨出させ、この部分間の部材間の幅が大きくなるように構成した。
【0025】
又リヤフレーム9は、図11に示したように、前半部9fが低位で、後半部9hが高位であり、この間を高上傾する中間部9gで連結する。
左右の部材9a,9a間には、前後に離間して複数のクロス部材9i…(…は複数を表す。以下同じ)を架設する。
一方、ミッションケース3の下部にはリヤサブフレーム10(以下サブフレームと記す)の前端部を結合する。サブフレーム10の構造は以下の如くである。
【0026】
サブフレーム10はパイプ材で形成され、左右の部材10a,10aは、図11に示したように側面視で鈍角の略L字型をなす。左右の部材10a,10aの各前部10bは、低位にあって後方に延びる直線状であり、ミッションケース3の中間部〜後部の下部3bの左右に、ボルト10c,10cで結合する。
左右の部材10a,10aは、中間部10dが後上傾するようにして後方に延出され、後部10eは急角度で後方に起立し、上端部10fを前記したリヤフレーム9の左右の部材9a,9aの後上傾する各中間部9g下部に接合、一体化する。
【0027】
左右の部材10a,10aの各中間部10dと、リヤフレーム9の左右の部材9aの前部9fの後部間には、夫々補強部材10gを縦に架設し、又図11に示すように、左右の部材10a,10aの中間部10dの後部間には、クロス部材10hを架設する。
又リヤフレーム9の左右の部材9a,9aの中間部9gと、サブフレーム10の後部10eとの結合部には、補強板10iを各架設する。又左右の後部10eには、後方に側面視三角構造の支持スティ11を、後方に突設する。
更に、後部10eの上部には、後述する燃料タンク16取付用のブラケット10jを後方に突設した。
【0028】
以上より、車体の後部フレームを構成し、ミッションケース3は、リヤフレーム9、及びサブフレーム10の取付ベースを構成するとともに、車体の後部フレームの一部を構成する。
以上のように、エンジン2、ミッションケース3を車体の必要、且つ不可欠な、又重要な一部の構成部材として、車体フレームを構成した。
【0029】
以上の車体フレームの前端部を構成するヘッドパイプ5には、図3、及び図7で示すように、前輪11を支持するフロントフォーク12を操向自在に軸支する。フロントフォーク12の上端部に設けたトップブリッジ12a上には、左右方向に延びるバー式のハンドル13を、ハンドルホルダー等を介して設置する。
又図3に示すように、エンジン2の上方には燃料供給装置を構成するスロットル弁装置等で構成した気化器14、及びエアクリーナ15を配置する。更に、リヤフレーム9の後部9hの下方で、サブフレーム10の後部10eの後方には、図3、及び図13に示すように燃料タンク16を配置する。
燃料タンク16は、図7に示すように、実施の形態では、平面視で前方が開いた略々横U字型をなす。この燃料タンク16のU字型空間内に、後輪19の上部が臨むようにした。
【0030】
燃料タンク16は、図3、図7、及び図13に示すように、サブフレーム10の左右の後部10eから後方に突設した、左右の取付ブラケット10j,10jに連結した、平面視が略々横U字型のスティ部材17に、周囲の一部を固定されて後部の車体フレーム側に取付、支持する。
又支持スティ17は、後端部をリヤフレーム9の後端部に設けた連結部材9eに、補助スティ18を介して取付、支持されている。平面視略々横U字型の燃料タンク16の上下、前方に開放された空間16aの下方に、図13に示すように後輪19の上部が臨むように構成した。
【0031】
ミッションケース3の後部の中間下部〜下部には、図3、図12、及び図13に示すように、左右に離間してスイングアーム支持用ボス部3c,3cを後方に突設する。
該ボス部3c,3cに、後輪19を支持するスイングアーム20の前端部を揺動自在に軸支する。
スイングアーム20の詳細は、図12の部分破断平面図で明確に示した如くで、後述するように、後輪19の両側を支持する所謂両持ち式で、左右のスイングアーム21,22を備える。
又図5では、図3の5−5線断面図として、スイングアーム20の軸支部(枢着部)を後方から見た断面図として示し、更に図6では、図3の6−6線断面図として、スイングアーム20の軸支部の後方部分を後方から見た断面図として示した。
【0032】
スイングアーム20は、図12に示すように、後輪19の両側を支持する所謂両持ち式で、右側(図12の上側)のものは、後輪支持用のスイングアーム機能のみを備え、後輪19の一側側を支持する一方のスイングアーム部材21を構成する。
又左側(図12に下側)のものは、スイングアーム21よりも径が大きい中空筒状のドライブシャフトケース22(説明中においてはスイングアーム部材として記載する場合がある)で、後輪19の他方側を支持する他方のスイングアーム部材を構成する。
【0033】
前記したスイングアーム20を構成する左右のスイングアーム部材21,22の先端部間には、パイプ材等で構成したクロス部材23を架設し、スイングアーム部材21,22の先端部を一体化する。
一方のスイングアーム部材21の先端部側のクロス部材23のこの側には、支軸部材23aを軸方向に突設し、ミッションケース3のこの側のボス部3cに設けた支持孔3dに、該支軸部材23aを嵌合し、軸受け3eで支軸部材23aを回転自在に枢支する。
【0034】
一方、ミッションケース3の他方のボス部3cには、支軸部材22aをその先端部が車幅方向の内側に突出するように固着する。
他方のスイングアーム部材を構成するドライブシャフトケース22の先端部の外側面には、前記支軸部23aと同軸の支持凹部22cを外側面に突設等して設け、該支持凹部22cに支軸部材22a先端部の軸部22bを嵌合し、軸受け3fで回転自在に支持する。
【0035】
以上により、スイングアーム20は、支軸中心線を構成するクロス部材23部分、具体的には、図12の支軸部材23a、及び一方のボス部3cに固設した支軸部材22aを支点として、上下に揺動自在に、ミッションケース3の後部の前記した位置に支持されることとなる。
かかる左右のスイングアーム部材21,22の後端部間に、車軸19dを架設し、後輪19を支持する。
【0036】
図12に示すように、ミッションケース3の左側の後方に、ミッションケース3内に内装された図示しない変速装置で変速された出力軸24が突出し、該出力軸24の軸端と、左側のスイングアーム部材を構成するドライブシャフトケース22内を通すように内装したドライブシャフト26の先端部とを、自在継手25で連結する。
自在継手25の中心は、前記したスイングアーム20の揺動支点に配置される。
ドライブシャフト26は、自在継手25の下流側部分にトルクリミッタ機構25aを備え、ドライブシャフト26は、ドライブシャフトケース22内を通って後方に延び、該ドライブシャフトケース22の後部には、後述するギヤを内装したギヤケース27を備える。
【0037】
ギヤケース27内には、後輪19のハブ19aと一体的に連結した被動ギヤ28を収容、支持し、又ドライブシャフト26の後端部に設けた駆動ギヤ29を収容、支持する。
これ等ギヤ28,29を噛合し、後輪19にエンジン2からミッションケース3を経由した変速された出力を伝達し、後輪19を駆動する。
以上により、後輪19を駆動するシャフトドライブ機構を構成する。
尚、図12において19bは、後輪19の右側に配設されたブレーキディスク、19cはブレーキキャリパである。
【0038】
ところで、本発明においては、スイングアーム20の一方のスイングアーム部材22を、シャフトドライブ機構のドライブシャフトケースで構成し、後輪19の駆動機構を構成するが、スイングアーム20の左右のスイングアーム部材21,22の幅を下記の如くした。
図12はこの関係をも示し、図12で明示したように、スイングアーム20を構成する左右のスイングアーム部材21,22は、これ等の先端部間の間隔Wが狭くなるように、又これ等の後端部の間隔W1が、先端部の間隔Wに対して広くなるように設定する。
左右のスイングアーム部材21,22は、その間の間隔が後端部を最も広くし、先端部へ行くに従って、その幅を減じるように構成した。
【0039】
この関係は、図5のスイングアーム部材21,22が、これ等の先端部を断面としているのに対し、図6がこの部分よりも後方部分を断面として示したので、図6のスイングアーム部材21,22間の間隔が、図5の先端部に比較し、幾分広くなっていることからも理解できる。
このように、スイングアーム20の左右のスイングアーム部材21,22は、平面視で後方に末広がりとなるように構成する。
【0040】
以上のスイングアーム20の、一方のスイングアーム部材22の後端部のギヤケース27部分の上部にはボス部を設け、該ボス部と前記補強板10iとの間にリヤクッションユニットを構成する緩衝器30を懸架し、後輪19の懸架機構を構成する。
又図7、及び図12に示すように、リヤフレーム9の左右の部材9a,9a間には、平面視で前後方向に長円状の収納ボックス31を上が開放するように配設する。
【0041】
収納ボックス31は、前後にヘルメット32,32等を収容するタンデム式の物入れ部31a,31bを備え、樹脂等で形成されており、前部の物入れ部31aが深く、ヘルメット32をその頂部を後方に向け、シールド面を上方に向けて収納し、又後部の物入れ部31bは後輪19の上方に位置し、ヘルメット32をその頂部を上方に向け、シールド面を前方に向けて収納する。
前部の物入れ部31aは、ミッションケース3の後方で、後輪19の前方に位置して設けられる。後部の物入れ部31bは、前部の物入れ部31aより高い位置に設けられる。
かかる収納ボックス31の上面に、該収納ボックス31の上面開放部を開閉する蓋体としても機能するシート33を設け、シート33は、前部のドライバーズシート部34、後部のパッセンジャ用シート35部を前後に一体に備える。
【0042】
シート33は、図示しないが、シート33の車幅方向の一側端部をヒンジとして、側方に起倒し、収納ボックス31の上面を開閉するように構成する。
尚、図1、及び図3に示すように、ミッションケース3の後部の下部にスタンドブラケット36を固設し、該ブラケット36を介してスタンド37を起立、引き込み自在に配設する。
【0043】
以上の自動二輪車1の各部の外側をボディカバー40で覆い、ボディカバー40は自動二輪車の外観を構成する。
ボディカバー40は、前部カバー41、中間カバー48、後部カバー51からなる。
ボディカバー40の前部には、フロントカウル状の前部カバー41を備え、エンジン2の両側部から前部フレームの前部、及び両側部、並びにフロントフォーク12の上半部〜上部を覆う。前部カバー41の上端部にフロントウインドシールド42を後上傾するように備える。
尚、前部カバー41の前半部左右には、レッグシールド41aを設け、レッグシールド41aは、後下傾するように設けられ、下端部は、後述する左右の足載せフロア部50の先端部に繋げられる。エンジン2のシリンダ部2bは、フロア50及びレッグシールド41aの前方に位置する。
41bはシリンダヘッドが臨む孔である。
【0044】
以上の前部カバー41の後方に、連続するように中間カバー48を一体的に設ける。
中間カバー48は、前記したエンジン2の後方に、一体的に延出されたミッションケース3の上面、及び両側面を図4、図5に示すように外側から覆う。中間カバー48は、ミッションケース3の上半部を覆うフロアトンネル部49、及び該フロアトンネル部49の左右の側片49a,49aの下端部から各外側方に一体的に延出された足載せ用のフロア部50,50を備える。
【0045】
フロアトンネル部49は、左右の側片49a,49a、及び上片49bが前後方向に延びてトンネル状をなし、該トンネル部49の前端部はハンドルカバー47の下端部に連続する。
トンネル部49は、左右の足載せフロア部50,50の間に位置して上方に膨出し、ミッションケース3の下部を除く高さ方向の上部〜中間部までを内部に嵌装して覆う。
左右の足載せフロア部50,50の足載せ面50a,50aは、車幅方向の外側方に所定長さ突出する。各足載せ面50a,50aの各外端部50b,50bから下方、且つ車幅方向に内側に下傾するように、側片部50c,50cが一体に延設されている。
足載せフロア部50,50は、後方に向かって幅が広くなるように形成される。
【0046】
足載せフロア部50,50の各外側に、内側に対称的に下傾するように設けた左右の側片部50c,50c間で、前記したミッションケース3の下部の左右側面を、図4、図5に示すように覆う。
ミッションケース3の後部左右に配置されたスイングアーム20の支持用ボス部3c,3cは、図5に示すように、左右の足載せフロア部50,50の内側端部50d,50dの内側〜下方の内部に位置し、足載せフロア部50,50の内部に配置されて隠される。
従って、スイングアーム20の左右のスイングアーム部材21,22の先端部と、ミッションケース3の後部との軸支部22a,23a、即ち、スイングアーム20の先端枢着部は、足載せフロア部50,50の内側に配置され、これにより覆われる。
【0047】
ところで、図12で述べたように、左右のスイングアーム部材21,22の先端部の間隔Wは、後端部の間隔W1よりも先端部方向に行くに従って幅狭となるように設定したので、フロア幅(車幅方向外側への突出量)を必要、且つ充分な所定の幅に設定しつつ、スイングアーム20の先端部を内部に収容、配置することができる。
又スイングアーム20の先端部を、足載せフロア部50,50の内側に配置させることができる結果、スイングアーム20の先端部のミッションケース3への支軸部(枢着部)を可及的に上方に位置させることができる。
【0048】
この結果、ミッションケース3は、フロアトンネル部49、フロア部50,50を含む中間カバー48で覆われ、外部から視認できないことから外観性が向上する。又前記したフロアトンネル部49、及びこれの左右に繋がる足載せフロア部50,50内の空間を利用して、ミッションケース3、スイングアーム20の揺動、枢着部を含むスイングアーム20の前半部を収容し、外部から隠蔽することができる。
又ミッションケース3、及びスイングアーム20の枢着部は、フロアトンネル部49、足載せフロア部50,50内に収容される結果、下方へのこれ等の突出量が少なく、走行時の車体の傾動、即ち、図5に示した所謂左右への傾斜バンク角αを大きく採ることができる。
図5においては右側のバンク角を示したが、左側も同様である。
【0049】
又図12に示したように、スイングアーム20の先端部の間隔Wが狭いので、図5に示すようにスイングアーム20の先端部を、ミッションケース3の後部に支持させてことと併せ、足載せフロア部50,50の内側下方に、スイングアーム20先端部に枢着部が位置し、これにより、スイングアーム20先端部が車体に支持させる場合に比較し、スイングアーム20の先端部間の幅が狭く設定できる。
従って、左右の足載せ面50a,50aは、車幅方向外側への突出量を制約された寸法内において可及的に大きく採ることができ、足載せフロア部50,50、特に車幅方向の大きさを大きく設定することが可能となる。
【0050】
前記したトンネル部49は、ミッションケース3の後方にまで延出して形成され、シート33のドライバーズシート34の下方にまで延出され、トンネル部49の後部49cの上部を開放して該シート34の前方、及び側方を覆い、該シート34の両側部の下方にパッセンジャの足載せフロア部50e,50eを前方の足載せフロア面50a,50aに連続して設ける。
前後の足載せフロア面50a,50eは、連続して前傾するように構成した。以上のフロアトンネル部49の後部49cで、前記した収納ボックス31の前半部の周りを囲んで覆うように構成した。これを図6で示した。
【0051】
車体フレームの後部は、後部カバー51で覆う。
後部カバー51は、シート33の後半部左右両側部下方を覆い、且つ後輪19、及びリヤフレーム9、サブフレーム10の後半部、緩衝器30等を全面的に囲んで覆う。
後部カバー51の両側部51a,51aは、前記したフロア部50,50の後方に起立する前端面51b,51bを備え、一方の前端面には、リッド52で開閉される工具等を収容する物入れ部53を設けた。
尚、図1、図3中において、54は、車体の後部右側に配置し、後方に延びるように配置したマフラーである。
以上の前部カバー41、中間部のカバー48、後部カバー51は、樹脂成形品で形成する。
【0052】
図14、及び図15は本発明の他の実施例である。図14は足載せフロア部分の要部の縦断側面図、図15は本実施例における前記した図5に相当する図である。
本実施例では、足載せフロア部150を、図14にように、前部のドライバーの足載せ部150aと、後部のパッセンジャの足載せ部150eとで、高低の段差を設けたものである。
図14のように足載せフロア部150は、ミッションケース3の後部に位置する部分で、前部のドライバーの足載せ部のフロア面150aのレベルに対して、後部のパッセンジャの足載せ部のフロア面150eを一段高く設定したもので、この間を傾斜部150fで連続するように繋げたものである。
【0053】
この結果、図15に示すように、スイングアーム20の大径部分を有するドライブシャフトケース22の継手を有する軸支部を含む先端部122は、レベルが高い後部のフロア部150eの下方に位置させることができる。
この位置では、ドライブシャフトケース22の先端部122は、この側のフロア部150eによる高さ方向の制約が無いので、図15のように、図の左側に寄せて配置することが可能となる。
従って、前記した実施例においては、図12に示すようにスイングアーム20の左右のスイングアーム部材21,22の先端部間の間隔Wを、後部の間隔W1に比較して狭く設定し、後方に向けて、平面視において末広がりとしたが、本実施例においては、スイングアーム20の先端部が、フロア部150の後部150eと干渉することが無いので、スイングアーム20の先端部を、後部に対して狭くする必要が無い。
【0054】
このため、スイングアーム20の一方を構成するドライブシャフト22の先端部122を、図15の想像線Aで示した内側寄りの位置から、外側方向に寄せて配置することができる。
この結果、スイングアーム20、特にドライブシャフトを有する側の先端部122からこれの後端部まで、略々車体中心線と平行するようにスイングアーム22を配置することができる。
従って、前記したように、スイングアーム20の左右の部材を、先端で狭く、後端部で広くするような構造や配置が必要無い。
【0055】
図16〜図18は本発明の他の実施の形態を示す。
図16はボディカバーを取外して示した側面図、図17はボディカバーを取り外した状態の平面図、図18は収納ボックス部分の説明的背面図で、収納ボックスを断面とした図である。
本実施の形態においても、基本構成部材は前記と同様なので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0056】
エンジン2は水平対向式のシリンダ部2b,2bを備える水冷式のエンジンで、ラジエータ8を左右に分割して備え、ラジエータ8は、図17で示したようにフロントフォーク12の両側部に配置する。又リヤフレーム9、及びミッションケース3に連結するサブフレーム10の具体的な形状を側面視L字型とした。
又前後のシート33の前部の下方内にバッテリ55を収納、配置し、後部の下方に燃料タンク116を収納、配置したものである。
【0057】
リヤフレーム9、及びサブフレーム10の後方に、左右の先端部117aを結合した図17で示すような平面視方形枠状の収納ボックス支持フレーム117を連結して後方に延出する。
図では図16に明示したように、サブフレーム10の後部10kに支持フレーム117の先端部117aを結合した。
該フレーム117は、左右の部分117b,117bが、車幅方向の外側に平面視で対称形状の略U字型に膨出し、後部117cの車幅方向中間部とリヤフレーム9の後部9jとの間に、補助スティ117d,117dを架設し、支持フレーム117の支持を補強した。
【0058】
以上の支持フレーム内117内に、収納ボックス131を配置して取付、支持する。該収納ボックス131は、図18で明示したように、左右の収納部131a,131aを備え、2個のヘルメット32,32を、車幅方向の左右に振り分けて収納することができるようにした。
尚、後部カバーの両側には蓋を開閉自在に設け、これを開閉することで、ヘルメットを出し入れすることができるようにする。
又図18で示したように、左右の収納部131a,131a間の上方へ膨出した区画部131bを後輪19のリヤフェンダーとした。
【0059】
又緩衝器30の配置であるが、本実施の形態では、図16に示したように、スイングアーム20の前部に略々三角形のリンク56の中点を軸支し、該リンク56の一端部をリンク57を介して前記ミッションケース3の後部の下部に設けた前記スタンドブラケット36に軸支、連結し、前記したリンク56の他端部を緩衝器30の一端部に連結し、該緩衝器30の他端部をミッションケース3の後部の上部に連結した。
これによりプログレシブリンク機構を構成し、車体側とスイングアーム20との間に、緩衝器30を含むプログレシブリンク機構を設けたものである。
【0060】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、左右に低床式の足載せフロア部を備え、該左右の足載せフロア部間に上方に膨出し、前後方向に延びるフロアトンネル部を備える自動二輪車で、エンジン後方に配置するミッションケースをフロアトンネル部内に配置すること、ミッションケースから後方に延出したドライブシャフトを後輪に連結して該後輪を駆動すること、ドライブシャフトとミッションケース出力部との結合部は、足載せフロア部の内側に配置され、該足載せフロア部により覆われること、先ず、ドライブシャフトの軸支部(枢着部)がフロア部分の内側に配置されることで、これにより足載せフロア部が軸支部に邪魔されることが無く、車幅の関係から幅を制約される足載せフロア部の幅を、車幅内で広く設定することができる。
【0061】
従って、足載せフロア部が広く、足載せ性に優れ、運転し易い低床式の自動二輪車を得ることができる。
又スイングアームの一方を構成するドライブシャフトの軸支部を、足載せフロア部の内側に配置することで、スイングアームの軸支部全体の幅を小さくすることが可能となり、これの軸支部の外側方への突出を抑えることが可能となった結果、走行時の車体の傾動、即ちバンク角を大きく採ることができ、従って、オートバイ形式の自動二輪車の如く、方向転換時における車体の傾動も円滑になされ、低床式のスクータタイプの自動二輪車で得られ難かったバンク角を大きく採る走行が行なえ、軽快な走行感を得ることが可能である低床式の自動二輪車を得ることができる。
【0062】
又フロアトンネル部内にミッションケースを配置したので、ミッションケースは外部から遮蔽されて隠されることとなり、多気筒、大排気量のエンジンを搭載し、ミッションケースが大型化しても、大型のミッションケースは外部に露出することがなく、外観性の向上を図ることができる。
【0063】
請求項2は、ドライブシャフトを、平面視においてその前部が車幅方向の中心に寄せるように傾斜して配置したので、シャフトドライブ機構を構成するドライブシャフトは、前部が車体中心線に寄って、ドライブシャフトの前部の幅が足載せフロア内に収容することができる。
従って、足載せフロア部の幅をドライブシャフトの前部の車幅方向への突出によって制約されることなく、その幅を大きく採ることができ、足載せ性に優れ、運転し易い低床式の自動二輪車を得ることができ、又ドライブシャフトに前部は幅狭となるので、外側方への突出量が少なく、バンク角を大きく採って、走行性に優れ、軽快な走行を楽しむことができる低床式のスクータタイプの自動二輪車を得ることができる。
【0064】
請求項3は、後輪を支持するスイングアームの前端部を、前記ミッションケースの後端部に軸支したので、スイングアームは幅の大きな車体側に支持するのと異なり、その幅を後輪を支持するに必要、最小限の幅とすることができ、結果的に足載せフロア部を車幅の制約を受ける範囲内で可及的に大きく設定することができ、且つバンク角を大きく採ることができる。
【0065】
請求項4は、スイングアーム前端部のミッションケースへの軸支部を、一側の足載せフロア部の足載せフロア面下方に位置させるようにしたので、請求項3の効果に加えるに、スイングアーム軸支部を外部から隠すことができ、外観性の向上と、軸支部の保護上有利である。
【0066】
請求項5は、足載せフロア面は、少なくともドライブシャフト側の足載せフロア面で、前記ミッションケースの出力部との結合部が位置する部分が、該足載せフロア面の前部に対して高さ方向に段差をもって高い位置としたので、スイングアームの先端部を構成するドライブシャフトの先端部を、後輪と同幅の状態に維持しても、足載せの段差部以降において足載せフロア面と干渉することが無く、従って、ドライブシャフトの先端部を外側方に配置するスイングアームの前後の間隔を、後輪支持部と同様の間隔に設定することができ、ドライブシャフトを含むスイングアームの先端部を後端部と略々同幅設定して、足載せフロア面の幅をドライブシャフトと干渉すること無く可及的に大きく設定することが可能であり、又バンク角を大きく採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる低床式自動二輪車の外観側面図
【図2】図1の平面図
【図3】自動二輪車の外観を構成するカバーを取外し、車体の構造を表した全体側面図
【図4】図3の4−4線断面図で、カバー取り付けた状態の断面図
【図5】図3の同様の5−5線断面図
【図6】図3の同様の6−6線断面図
【図7】図3の平面図
【図8】エンジンを一部とした車体前部の拡大側面図
【図9】図8の正面図
【図10】ミッションケースを一部とした車体後部の拡大側面図
【図11】図10の平面図
【図12】後輪を支持する両持ち式スイングアームの要部を破断した平面図
【図13】自動二輪車後部の車体レイアウト、及び収納ボックスの配置、構造を示す拡大破断側面図
【図14】図14、及び図15は本発明の他の実施例で、図14は足載せフロア部分の要部の縦断側面図
【図15】他の実施例における前記した図5に相当する図
【図16】図16〜図18は本発明の他の実施の形態を示し、図16はボディカバーを取外して示した自動二輪車の側面図
【図17】ボディカバーを取外した状態の平面図
【図18】収納ボックス部分の説明的背面図で、収納ボックスを断面とした図
【符号の説明】
1…自動二輪車、 2…エンジン、 3…ミッションケース、 20…スイングアーム、 22…一方のスイングアームを構成するドライブシャフトケース、 22a…スイングアームの軸支部、 26…ドライブシャフト、 49…フロアトンネル部、 50…足載せフロア部、 150e…高い位置の足載せフロア面、 150f…段差部である傾斜部。
Claims (5)
- 左右に低床式の足載せフロア部を備え、該左右の足載せフロア部間に上方に膨出し、前後方向に延びるフロアトンネル部を備える自動二輪車において、
エンジン後方に配置するミッションケースを前記フロアトンネル部内に配置し、
前記ミッションケースから後方に延出したドライブシャフトを後輪に連結して該後輪を駆動し、
前記ドライブシャフトと前記ミッションケース出力部との結合部は、前記足載せフロア部の内側に配置され、該足載せフロア部により覆われる、
ことを特徴とする低床式自動二輪車。 - 前記ドライブシャフトを、平面視においてその前部が車幅方向の中心に寄せるように傾斜して配置したことを特徴とする請求項1記載の低床式自動二輪車。
- 後輪を支持するスイングアームの前端部を、前記ミッションケースの後端部に軸支したことを特徴とする請求項1記載の低床式自動二輪車。
- 前記スイングアーム前端部のミッションケースへの軸支部を、一側の足載せフロア部の足載せフロア面の下方に位置させるようにしたことを特徴とする請求項3記載の低床式自動二輪車。
- 前記足載せフロア面は、少なくともドライブシャフト側の足載せフロア面で、前記ミッションケースの出力部との結合部が位置する部分が、該足載せフロア面の前部に対して高さ方向に段差をもって高い位置としたことを特徴とする請求項4記載の低床式自動二輪車。
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