JPH065990Y2

JPH065990Y2 - 自動二輪車のタンク取付部構造

Info

Publication number: JPH065990Y2
Application number: JP1986085465U
Authority: JP
Inventors: 康二北清; 喜和子橋本; 宣雄山口; 順二菊野
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1986-06-06
Filing date: 1986-06-06
Publication date: 1994-02-16
Anticipated expiration: 2001-06-06
Also published as: JPS62197489U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、シート下部に収納箱を有する形式の自動二輪
車における燃料タンク取付部に関するものである。

（従来の技術）シート下方に形成されるスペースを利用して収納箱又は
エンジン付属部材を配置する車両にあっては、燃料タン
クを該スペースに配置することが困難であり、シートの
後方に設けるようにしている（１例として特開昭59-532
78）。

（考案が解決しようとする問題点）ところで、車両におけるシート後方の長さが短い場合
は、燃料タンクの長さを大にすることが困難で、前記公
開のもののように底部を左右のリヤフレーム間で下方へ
突出させる場合がある。しかし、このような構成にする
と後輪、懸架装置等の下方部材との干渉を避けるための
配慮が特に必要になる。

（問題点を解決するための手段）本考案は、大容量でありながら底部をフレーム下方まで
突出させることがなく、かつ構成が簡単な燃料タンクの
取付部構造に関するものであり、その手段は、メインパ
イプの後端から左右一対のリヤフレームを後方へ延設
し、これらリヤフレームの下方にパワーユニットを配置
し、リヤフレーム上に収納箱を設けた自動二輪車におい
て、前記収納箱よりも後方のリヤフレームに上方へ伸び
る門型のブラケットを架設し、左右のリヤフレームを結
合すると共に緩衝器ブラケットを突設したクロス部材を
前記門型のブラケットの近傍に設け、口縁にフランジを
有する一対のタンク半部を該口縁で接合して燃料タンク
を構成し、該フランジを前記門型のブラケットと該ブラ
ケット後方のフレームに固着するようにしたことを特徴
とする。

（作用）前記の構成を備えるから、燃料タンクはその中間部に形
成されるフランジでリヤフレームの門型のブラケットと
後部のフレームに固着されるため、該リヤフレームより
略高位置に配置され下方に配置される部材と適切な間隔
が維持される。そして、該フランジを設けたことにより
タンク自体及びこれに連結されたリヤフレーム部分が補
強される。

（実施例）図面は本考案の実施例を示すもので、自動二輪車(1)
は、ヘッドパイプ(2)にメインパイプ(3)を接続し、更に
接続体(4)によってリヤフレーム(5)を接続している。リ
ヤフレーム(5)は、主フレーム(6)とこれに接続した延長
フレーム(7)からなる。主フレーム(6)は、一本のパイプ
をＵ形に曲げてサイドパイプ(8)(8)とクロス部材(9)の
部分を一体に形成してなるものでクロス部材(9)の中間
に緩衝器ブラケット(10)を下向きに溶接し、クロス部材
(9)の少し前方のサイドパイプ(8)(8)の上面に門形のタ
ンク固定用のブラケット(11)の両脚部を溶接し、該ブラ
ケット(11)の上面にタンク固定穴(12)(12)を穿設する。
サイドパイプの前方には収納箱ブラケット(13)(13)が溶
接される。

延長フレーム(7)も一本のパイプをＵ形に曲げてサイド
パイプ(14)とクロスパイプ(15)の部分を一体に形成した
もので、クロスパイプ(15)の少し前方から上向きに曲
げ、クロスパイプ(15)の上面にブラケット(16)を溶接
し、これにタンク固定穴(17)(17)と荷台固定穴(18)(18)
を穿設する。サイドパイプ(14)(14)の前端は主フレーム
(6)のサイドパイプ(8)(8)の後部下面に溶接し、ステイ
(19)(19)で補強する。

燃料タンク(20)は、タンク上半部(21)とタンク下半部(2
2)とから作り、各半部の口部には第４図に示すようにフ
ランジ(23)(23)を連設し、両フランジをろう付け又は溶
接により接合して両半部を一体とすると共に両フランジ
によって一つのフランジ(25)をタンク外周に形成し、こ
のフランジ(25)の前部及び後部には固定用の穴(26)(27)
を設け、タンク上部の燃料供給口には燃料キャップ(28)
を着脱可能に取付ける。

燃料タンク(20)の固定用の穴(26)(27)をタンクブラケッ
ト(11)の固定穴(12)及びブラケット(16)のタンク固定穴
(17)に一致させてボルト(29)(30)によって固定すると、
燃料タンク(20)は、リヤフレーム(5)における主フレー
ム(6)及び延長フレーム燃料タンク(20)は、主フレーム
(6)と延長フレーム(14)の下方まで突出することなくリ
ヤフレーム(5)に取付けられるから後輪、リヤフェンダ
等の下方部材と干渉しないように配置される。

またフランジ(25)が、延長フレーム(7)、主フレーム(6)
の後部、タンクブラケット(11)、フランジ(25)等で形成
されるトラス構造の抗張力部材となって、延長フレーム
(7)の曲げモーメントに対する抵抗力を増大し、荷台(3
1)に乗せる荷物の重量及び燃料タンクの重量を安全に支
持することができる。

このフランジ(25)は、タンクの上下半部(21)(22)を結合
するための継手であると共に、タンクをフレームに固着
するための継手になり、タンク自体の補強にもなる上、
前記のように延長フレーム(7)の補強体となるもので、
多くの効果を同時に奏するものであるが、延長フレーム
(7)の補強のための重量増加分は極めて僅かである。

したがって、延長フレーム(7)に低強度の軽量のパイプ
を使用してもフランジ(25)で補強でき、フランジ(25)に
よる重量増加分も無視できる程度であるから軽量で強い
フレームを得ることができる。

図中(32)は収納箱で主フレーム(6)のブラケット(13)に
固定され、その上にシート(33)が装着されている。また
エンジン(34)と伝動機構を一体としたパワーユニット(3
5)の前端はリンク(36)で接続体(4)に連結され、後端は
緩衝器(27)を介して前記緩衝器ブラケット(10)に接続さ
れている。

（考案の効果）以上のように本考案は、リヤフレームにおける収納箱取
付位置より後方に、上方に伸びる門型のブラケットを設
けて燃料タンクを取付けるから、燃料タンクを主として
リヤフレームの上方に配置することができ、後輪等の下
方部材の配置を容易にできる効果を有する。

更に燃料タンク半部の口縁に設けた両半部接合用のフラ
ンジを燃料タンク取付用部分としたから、取付構造が簡
単になると共に、該フランジが該燃料タンク自体及びフ
レームの補強部材として役立つ。そして、リヤフレーム
の後輪の反力を支持する部分では、クロス部材に加えて
門型のブラケットが補強部材となって剛性を向上する効
果を有し、また門型のブラケットで燃料タンクを支持す
るため、フレームに加わる負荷を分散して支持すること
ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した自動二輪車の側面図、第２図
はフレームの側面図、第３図は同じく平面図、第４図は
第１図のIV−IV線矢視図、第５図は延長フレーム部の分
解斜面図である。 (5)……リヤフレーム (6)……主フレーム (7)……延長フレーム (9)……クロス部材 (11)(16)……ブラケット (20)……燃料タンク (23)(24)(25)……フランジ (32)……収納箱 (35)……パワーユニット

フロントページの続き (72)考案者菊野順二埼玉県和光市中央１丁目４番１号株式会社本田技術研究所内 (56)参考文献特開昭57−114771（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−53278（ＪＰ，Ａ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】メインパイプの後端から左右一対のリヤフ
レームを後方へ延設し、これらリヤフレームの下方にパ
ワーユニットを配置し、リヤフレーム上に収納箱を設け
た自動二輪車において、前記収納箱よりも後方のリヤフ
レームに上方へ伸びる門型のブラケットを架設し、左右
のリヤフレームを結合すると共に緩衝器ブラケットを突
設したクロス部材を前記門型のブラケットの近傍に設
け、口縁にフランジを有する一対のタンク半部を該口縁
で接合して燃料タンクを構成し、該フランジを前記門型
のブラケットと該ブラケット後方のフレームに固着する
ようにしたことを特徴とする自動二輪車のタンク取付部
構造。