JP6190304B2 - 鞍乗型車両の車体フレーム - Google Patents
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この構成によれば、リヤフレームの溶接部の断面二次モーメントを確保し易くすると共に、車幅方向外側への必要以上の張り出しを抑え易くなる。
また、上記構成において、前記メインフレーム(41)の側面には、前記鞍乗型車両のスイングアーム(23)を支持するためのピボットプレート(43)が接合され、前記ピボットプレート(43)は、前記フランジ部(57G,57H)に車幅方向外側から重ね合わされ、前記ピボットプレート(43)と前記フランジ部(57G,57H)と前記メインフレーム(41)の側面とが、レーザー溶接によってまとめて接合されるようにしても良い。この構成によれば、溶接工程を省略化できると共に、メインフレームとリヤフレームとの接合部を避けるようにピボットプレートを配置する必要がなく、形状の自由度が向上する。
また、上記構成において、前記ピボットプレート(43)は、前記凹部(72)の前下方に向けて貫通する開口部(72K)の車幅方向外側を覆うようにしても良い。この構成によれば、凹部の前端開口を外側から見え難くすることができ、外観性を向上できる。
また、前記ピボットプレートは、前記凹部の前下方に向けて貫通する開口部の車幅方向外側を覆うようにすれば、凹部の前端開口を外側から見え難くすることができ、外観性を向上できる。
この自動二輪車1は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ12に軸支される操舵系を構成するフロントフォーク13及びこのフロントフォーク13の下端に軸支される前輪14と、フロントフォーク13の上部に支持されるハンドル15と、車体フレーム11の前上部に支持される燃料タンク16と、この燃料タンク16の下方に配置されるエンジン17及び変速機18を有するパワーユニット21とを備えている。
また、車体フレーム11には、車体を直立状態で駐車するためのセンタースタンド35、車体を左側に傾斜した状態で駐車するためのサイドスタンド36、及び、乗員(運転者RD)が足を置く左右一対のステップ37等が取り付けられる。また、図1中、符号38は運転者RDが変速操作するためのシフトレバーである。
自動二輪車1の車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から後下がりに延出する単一のメインフレーム41と、このメインフレーム41の後下部に設けられる左右一対のピボットプレート43と、メインフレーム41の下方にてヘッドパイプ12から後下がりに延出するダウンフレーム44とを備えている。メインフレーム41は、後上がりに傾斜して配置されるヘッドパイプ12から後下方に直線状に延びるメインフレーム前部51と、メインフレーム前部51の後端から下方に向けて屈曲するメインフレーム後部52とを備えている。
このリヤフレーム55では、シートレール部56とサポートフレーム部57とが金属パイプで形成され、連結フレーム部58が鋼板をプレス成形して得られるプレスフレームで形成されている。
図4及び図5(A)に示すように、ダウンフレーム44は、一端に左フランジ部44Aを有し、他端に右フランジ部44Bを有する鋼板を筒形に折り曲げて左右フランジ部44A,44B同士を重ね合わせ、この重ね合わせた部分(以下、重ね合わせ部101と言う)が接合されることによって矩形形状の中空フレーム44Cに形成される。この左右フランジ部44A,44Bは車両後方を向くように配置される。また、ダウンフレーム44の上部には、ダウンフレーム44の左右側面から上方に延出する左右一対のフランジ部44Dが設けられる。この中空フレーム44Cの前板44Fには、後方に開放する凹断面形状の補強板44Gが接合され、この補強板44Gによってダウンフレーム44が補強される。
図4に示すように、ダウンフレーム44の上部に設けられた左右一対のフランジ部44Dは、メインフレーム前部51の左右の側面にそれぞれ重ねられ、この重ね合わせた部分(以下、重ね合わせ部103と言う)が接合され、これによって、メインフレーム41(第1の薄板部材)とダウンフレーム44(第2の薄板部材)とが連結される。なお、図4中、符号LAはメインフレーム前部51の中心軸を示しており、重ね合わせ部103はメインフレーム前部51の中心軸LAと側面視で重なる領域に設けられている。
また、本実施形態では、レーザー溶接により形成される溶接ビードとして、直線状のビード(以下、直線ビードと言う)と、C字状のビード(以下、C字状ビードと言う)とが形成される。以下、説明を判りやすくするために、直線ビードには符号B1を付して示し、C字状ビードには符号B2等を付して説明する。また、加締めの部分には符号Kを付して示す。加締めには、トックス(登録商標)接合等のメカニカルクリンチ接合が適用される。
すなわち、ダウンフレーム44とメインフレーム前部51とを接合する場合には、ヘッドパイプ12の取付前に、メインフレーム前部51の前端開口からダイ(図4中、符号Xを付して示す)を挿入し、ダウンフレーム44のフランジ部44Dとの重ね合わせ部103に車幅方向外側からパンチを押し込んで加締め部Kを形成する。これによって、加締め部Kは、重ね合わせ部102の長手方向に沿う前後方向に間隔を空けて三箇所設けられ、これら加締め部Kを両側から挟む位置、及び、加締め部Kの間の空きスペースに、複数のC字状ビードB2が間隔を空けて設けられる。
図6に示すように、加締め部Kは、パイプ状部材であるメインフレーム前部51の半径方向内側に凸であって、車幅方向内側を向くように設けられる。つまり、メインフレーム前部51内に、突起部がないダイXを挿入した状態で、車幅方向外側からパンチ(図6中、符号Yを付して示す)を半径方向内側に移動して加締める。
この場合、突起部がないダイX(受け側治具)をメインフレーム前部51内に挿入するので、メインフレーム前部51内への治具の挿入が容易になる。しかも、外側からパンチY(押圧側治具)を半径方向内側に押圧すれば良いので、加締め作業を行い易い。
また、加締め部Kにおける凹部の開放側が、自動二輪車1の直立状態において水平面L2よりも下方を向くようにしたので、凹部内に雨水や塵埃等が入ったとしても重力を利用して凹部外に排出し易くなる。
このため、重ね合わせ部101の両端部についてはC字状ビードB2と加締め部Kとによって接合剛性を効率よく高めることができ、両端部を除く領域については、直線ビードB1と加締め部Kとによって十分な接合剛性を確保する。
この場合、両端部を除く領域については、直線ビードB1となるようにレーザー溶接するので、溶接時間を短縮化できる。これにより、重ね合わせ部101の両端部については効果的に接合剛性を高めつつ、それ以外の領域の溶接時間を短縮化することができる。また、重ね合わせ部101の加締め部K、C字状ビードB2及び直線ビードB1は、重ね合わせ部101の長手方向に沿う同一線上に設けられ、接合部位の連続性を確保している。
中空フレーム44Cには、燃料タンク16を取り付けるためのタンクステーバー61、エンジンハンガ62(図1)を取り付けるための一対のカラー63,64等が溶接(例えばミグ溶接)によって接合される。また、補強板44G、中空フレーム44C及びメインフレーム前部51は、溶接(例えばミグ溶接)によってヘッドパイプ12に接合される。
メインフレーム後部52の各半体52R,52Lには、メインフレーム前部51が挿入される前端部を除く縁部の略全体に渡ってフランジ部52Aが形成される。そして、フランジ部52A同士を重ね合わせた重ね合わせ部100は、加締めとレーザー溶接とを併用して接合される。
これによって、重ね合わせ部100の両端部については、C字状ビードB2と加締め部Kとによって接合剛性を効率よく高めると共に、両端部を除く領域については、直線ビードB1と加締め部Kとによって十分な接合剛性を確保することができる。上記したように、直線ビードB1の部分は溶接時間を短縮化できるので、重ね合わせ部100の両端部の接合剛性を高めつつ、それ以外の領域の溶接時間を短縮化することができる。また、重ね合わせ部100の加締め部K、C字状ビードB2及び直線ビードB1についても、重ね合わせ部100の長手方向に沿う同一線上に設けられ、接合部位の連続性を確保している。
メインフレーム後部52において、相対的に幅狭の上部の左右には、車幅方向内側に凹んでシートレール部56の前端部56F(溶接部)の一部を収容する第1凹部71が形成される。また、相対的に幅広の下部の左右には、車幅方向内側に凹んでサポートフレーム部57の前端部57F(溶接部)を収容する第2凹部72が形成される。そして、シートレール部56は、前端部56Fの一部を第1凹部71に収容した状態でメインフレーム後部52にレーザー溶接で接合され、サポートフレーム部57は、前端部57Fを第2凹部72に収容した状態でメインフレーム後部52にレーザー溶接で接合される。なお、図7中、符号LCはシートレール部56の中心軸を示し、符号LDはサポートフレーム部57の中心軸を示している。
メインフレーム後部52の左右の第1凹部71は、膨出部56Jの一部、より具体的には、上下のフランジ部56G,56Hよりも車幅方向内側に張り出す部分を収容する収容凹部に形成されている。
第1凹部71内に膨出部56Jの一部を収容することにより、上下のフランジ部56G,56Hが各半体52R,52Lの側面に重なり、上下に重ね合わせ部105,106が形成される。そして、この上下の重ね合わせ部105,106が車幅方向外側からレーザー溶接されることによって、各フランジ部56G,56Hがメインフレーム後部52に接合される。
しかも、C字状ビードB2Bは、端末部QがC字状ビードB2Bの内側に形成されるので、小型化しつつ溶接長をより効率よく確保することができる。さらに、上側のC字状ビードB2Bは、下側に開放するビードに形成されるので、雨水等が入っても排出し易い。但し、この第1凹部71やシートレール部56の前端部56Fの領域は、燃料タンク16やシート22によって上方から覆われる領域であるため、雨水等が入りにくい領域である。なお、図7では、下側のC字状ビードB2Bについては、上側に開放するビードに形成する場合を示したが、下側や他の方向に開放するビードであっても良い。
図12に示すように、サポートフレーム部57の前端部57Fは、前下方に傾斜すると共に、上下一対のフランジ部57G,57Hを形成するように上下の縁部が潰され、上下のフランジ部57G,57H間がフランジ部57G,57Hよりも車幅方向内側に膨出する膨出部57Jに形成されている。
より具体的には、この膨出部57Jは、車幅方向外側の面が、上下のフランジ部57G,57Hの車幅方向外側の面と面一に形成され、車幅方向内側の面が、車幅方向内側に突出する三角形状の筒断面に形成される。メインフレーム後部52の各半体52R,52Lに形成される左右の第2凹部72は、膨出部57Jの全て、つまり、上下のフランジ部57G,57Hよりも車幅方向に張り出す部分を全て収容する収容凹部に形成されている。
ここで、メインフレーム後部52の左右の側面(各半体52R,52Lの側面)には、上下のフランジ部57G,57Hに対応する領域に、車幅方向内側に凹む第3凹部73が形成されている。これら第3凹部73は、フランジ部57G,57Hの厚さだけ凹んで各フランジ部57G,57Hを個別に収容する収容凹部に形成されている。
これらC字状ビードB2Cについても、C字状ビードB2Bと同様に、端末部QがC字状ビードB2Cの内側に形成され、小型化しつつ溶接長を効率よく確保することができる。また、比較的雨があたりやすい上側のC字状ビードB2Cは、下側に開放するビードに形成され、雨水を効率よく下方に排出することができる。なお、図7では、下側のC字状ビードB2Cについては、上側に開放するビードに形成する場合を示しているが、下側に開放するビードに形成するようにしても良い。なお、上記のC字状ビードB2B,B2Cは、長円状のCの字に形成されるが、その端末部は長の長径に沿う辺の位置に設けられるのが良い。更には、前記辺よりC字の半径方向内側となるような位置に配置されると良い。
このため、第2凹部72内やサポートフレーム部57内に雨水等が入ったとしても、重力を利用して第2凹部72外及びサポートフレーム部57外に効率よく排出することができる。
また、ピボットプレート43は、後方に突出する後方突出部43T(図7)を一体に備えており、この後方突出部43Tは、サポートフレーム部57の車幅方向外側をサポートフレーム部57に沿って後上がりに延びることにより、車体側面視でサポートフレーム部57と重なる。この後方突出部43Tには、サポートフレーム部57に沿って延びる長孔43Hが形成され、この長孔43Hの内周縁がサポートフレーム部57に溶接(例えばミグ溶接)される。これによっても、ピボットプレート43とサポートフレーム部57との溶接長を長く確保でき、接合剛性を向上することができる。
さらに、ピボットプレート43間には、ピボット軸が挿通される上側クロスパイプ66と、パワーユニット21等を支持するための下側クロスパイプ67も溶接により接合され、これらによってもピボットプレート43の剛性を向上できる。
図14は左側の連結フレーム部58を周辺構成と共に示した図である。
連結フレーム部58は、2枚のプレス成形された鋼板である左連結フレーム半体58Lと右連結フレーム半体58Rとを中空状に合わせ、各半体58L,58Rの開放端縁であるフランジ部58A同士を重ね合わせた部分(重ね合わせ部112)をレーザー溶接によって接合した中空フレームに形成される。
連結フレーム部58は、シートレール部56の後端部が挿通される第1筒部58Bと、サポートフレーム部57の後端部が挿通される第2筒部58Cと、第1及び第2筒部58B,58Cから後方に延在するリヤフレーム後部58Dとを一体に備えている。第1筒部58Bは、リヤフレーム後部58Dの前部から前方に直線状に延びる円筒形状に形成され、第2筒部58Cは、リヤフレーム後部58Dの前部から前下がりに直線状に延びる円筒形状に形成され、連結フレーム部58は車体側面視でY字形状に形成される。
また、第2筒部58Cの内面とサポートフレーム部57の後端部の外面とについても、車幅方向で相互に密着するように合わせられ、つまり、合わせ方向(ここでは車幅方向)に締め代が設けられている。これによって、サポートフレーム部57の後端部を第2筒部58Cに挿入すれば、サポートフレーム部57を第2筒部58Cの径方向に位置決めでき、ギャップ管理を不要にすることができる。なお、これらの合わせ方向は車幅方向に限らず、車幅方向以外に設定しても良い。
図14中、符号LEはシートレール部56の中心軸を示している。図14に示すように、C字状ビードB2Dは、この中心軸LEを側面視で跨ぐ位置に設けられると共に、両端の端末部Qが最大張り出し位置LXよりも内側、つまり、C字の半径方向内側であって、上記中心軸LEの近傍に配置される。これにより、小型化しつつ溶接長を効率よく確保し、接合剛性を効率よく高めることができる。
図14中、符号LFはサポートフレーム部57の中心軸を示している。図14に示すように、C字状ビードB2Eは、この中心軸LFを側面視で跨ぐ位置に設けられると共に、両端の端末部Qが最大張り出し位置LXよりも内側、つまり、C字の半径方向内側であって、上記中心軸LFの近傍に配置される。これにより、小型化しつつ溶接長を効率よく確保し、接合剛性を効率よく高めることができる。
ここで、半体58L,58R同士を接合するC字状ビードB2は、第1及び第2筒部58B,58Cの前端開口、及び、クロスフレーム60との重ね合わせ部115に設けられ、これらの部分の接合剛性を効果的に高めている。ここで、一部のC字状ビードB2(以下、符号B2Xを付して説明する)については、加締め部Kを取り囲むように略C字状に形成される。
図15(A)、図15(B)及び図15(C)に示すように、加締め部Kは、メカニカルクリンチ接合により形成される凹部の開放側が、サイドスタンド36の使用時に傾斜する側に形成され、この加締め部Kの外周に沿ってC字状ビードB2Xが形成される。このため、加締め部K及びC字状ビードB2X内から雨水や塵埃等を排出し易く、特に、サイドスタンド36を使用した駐車時に雨水等が溜まり難くすることができる。また、C字状ビードB2Xの内側の領域を加締め部Kに使用する分、スペースの有効利用や、雨水等が溜まり易い凹部の低減が可能になる。
また、連結フレーム部58の左右側面には、図14に示すように、鋼板製のパッチ部材80が重ねられ、この重ね合わせ部116が車幅方向外側からレーザー溶接によって接合される。このパッチ部材80の領域にリヤクッションユニット25(図1)を支持するリヤクッションボルト81が溶接される。
パッチ部材80の領域(重ね合わせ部116)には、リヤクッションボルト81の軸心を中心にして、放射状にC字状ビードB2が間隔を空けて設けられる。これらC字状ビードB2は、C字状の開放部が放射方向外側を向くように設けられる。これによって、リヤクッションボルト81側から作用するパッチ部材80を引き剥がそうとする力に効率よく対抗することができ、接合剛性を確保し易くなる。
図16に示すように、車体フレーム11の組立工程は、大別すると、メインフレーム前部51、メインフレーム後部52及びダウンフレーム44からなるフロント側フレーム(リヤフレーム55を除くフレームに相当)をサブアッセンブリーする工程と、シートレール部56、サポートフレーム部57及び連結フレーム部58からなるリヤフレーム55をサブアッセンブリーする工程とが実施される。
一方、リヤフレーム側の工程としては、まず、シートレール部56、サポートフレーム部57及び連結フレーム部58を加締める加締め工程が実施される。これにより、リヤフレーム55が仮組みされる。次いで、リヤクッションボルト81を溶接により結合する部品結合工程が実施される。
しかも、サポートフレーム部57の前端部57Fにおける車幅方向外側の面は、フランジ部57G,57Hと略面一に形成されるため、サポートフレーム部57の前端部57F(溶接部)の車幅方向への張り出しを更に抑えることができる。
また、ピボットプレート43は、第2凹部72の前下方に向けて貫通する前端開口72K(開口部)の車幅方向外側を覆うので、前端開口72Kを外部から見え難くすることができ、外観性を向上できる。
また、メインフレーム後部52の側面に接合されるピボットプレート43は、フランジ部57G,57Hに車幅方向外側から重ね合わされ、ピボットプレート43とフランジ部57G,57Hとメインフレーム後部52の側面とが、レーザー溶接によってまとめて接合されるので(図12参照)、溶接工程を省略化できると共に、メインフレーム41とリヤフレーム55との接合部を避けるようにピボットプレート43を配置する必要がなく、形状の自由度が向上する。
また、第2凹部72の前下方に向けて貫通する前端開口72K(開口部)の車幅方向外側を覆うので、前端開口72Kを外側から見え難くすることができ、外観性を向上できる。
また、上記近傍の範囲としては、本実施形態では15mm以内に設定することが好ましい。15mm範囲内に設定することにより、加締めとレーザー溶接のいずれか一方だけで接合した場合よりも効果的に接合剛性を高めることができる。なお、必要とされる接合剛性を確保できれば15mmを超えても良い。
また、パイプ状部材であるメインフレーム前部51と、板状部材であるダウンフレーム44との重ね合わせ部103(図4)に設けられる加締め部Kは、メインフレーム前部51の半径方向内側に凸の形状となるように設けられるので(図6参照)、加締めを行う際、突起部がないダイX(受け側治具)をパイプ状部材(メインフレーム前部51)に挿入することになり、治具を挿入し易くなる。
仮にパンチ側をパイプ(例えばヘッドパイプ12)内に挿入して、外側にダイを配置する方法にすると、パンチが挿入動作と押圧動作の両方を受け持つ必要があり、設備が複雑になる。また、押圧の為のストロークもパイプ内では確保しにくい為、その点でも設備が大がかりとなり易い。
また、押圧動作をパイプ外側のダイに受け持たせる手法も考えられなくは無いが、ダイの押圧動作に伴ってフレーム(例えばメインフレーム41)も動いてしまうので、位置決め等が難しく、設備の大型化を招きやすい。
また、レーザー溶接のビード(C字状ビードB2)についても、このC字状ビードB2を含む横断面におけるメインフレーム前部51の左右方向最外部αよりも下方の位置に配置されるので、ビードを乗員から視認し難くすることができ、外観性を向上することができる。
また、車体左側の加締め部Kは、メカニカルクリンチ接合により形成される凹部の開放側が、サイドスタンド36の使用時に傾斜する側に形成されるので、サイドスタンド36を使用した駐車時に雨水等が溜まり難くなる。また、レーザー溶接は、加締めの後に行われるので、ギャップ等の寸法管理がし易くなる。また、レーザーは、加締め部Kの凹部側から照射されるので、加締めにより形成される凸部とレーザー光との干渉を気にする必要がなく、溶接条件の設定がし易くなる。
例えば、本発明を適用するメインフレーム41は、車両の車幅方向に型抜き方向を持つ型成形品に好適である。但し、リヤフレーム55の膨出部57Jに対応する位置に凹部を設けられるものであれば、抜き方向は車幅方向に限定されるものではない。また、上記実施形態では、加締め部Kを避けるように溶接ビードが配置されているが、加締め部Kに溶接がされていても良い。また、上記実施形態では、プレス成形の鋼板を用いたメインフレーム41について記載したが、特にプレス成形の鋼板に特定されるものではなく、例えば、アルミニウム合金の成形品等でも良いし、鋳造品であっても良い。また、メインフレーム41とリヤフレーム55とで材料が変わっていても良い。
11 車体フレーム
12 ヘッドパイプ
41 メインフレーム(第1の薄板部材)
43 ピボットプレート
44 ダウンフレーム(第2の薄板部材)
51 メインフレーム前部(パイプ状部材)
55 リヤフレーム
56J,57J 膨出部
57 サポートフレーム部
44A,44B,44D,52A,56G,56H,57G,57H,58A フランジ部
57F サポートフレーム部の前端部(溶接部)
71 第1凹部
72 第2凹部
73 第3凹部(フランジ用凹部)
100〜116 重ね合わせ部
K 加締め部
B1 直線ビード(溶接ビード)
B2、B2A〜B2E B2X C字状ビード(溶接ビード)
Claims (6)
- ヘッドパイプ(12)と、
前記ヘッドパイプ(12)から後方に延びるように接合されると共に、横断面形状が型成形によって形成されるメインフレーム(41)と、
前記メインフレーム(41)の車幅方向外側の側面に溶接されると共に、後方に延びるリヤフレーム(55)とを備える鞍乗型車両の車体フレームにおいて、
前記リヤフレーム(55)の少なくとも前記メインフレーム(41)に溶接される溶接部(57F)は、前記メインフレーム(41)の側面に溶接されるフランジ部(57G,57H)と、前記フランジ部(57G,57H)から車幅方向内側に膨出する膨出部(57J)とを備え、
前記メインフレーム(41)の側面は、前記リヤフレーム(55)の前記膨出部(57J)に対応する位置に、前記膨出部(57J)を収容する凹部(72)を備えることを特徴とする鞍乗型車両の車体フレーム。 - 前記リヤフレーム(55)の前記溶接部(57F)における車幅方向外側の面は、前記フランジ部(57G,57H)と略面一に形成されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両の車体フレーム。
- 前記メインフレーム(41)の側面には、前記鞍乗型車両のスイングアーム(23)を支持するためのピボットプレート(43)が接合され、
前記ピボットプレート(43)は、前記フランジ部(57G,57H)に車幅方向外側から重ね合わされ、前記ピボットプレート(43)と前記フランジ部(57G,57H)と前記メインフレーム(41)の側面とが、レーザー溶接によってまとめて接合されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両の車体フレーム。 - 前記メインフレーム(41)の側面には、前記フランジ部(57G,57H)を収容するフランジ用凹部(73)が設けられ、前記ピボットプレート(43)は、前記フランジ用凹部(73)の近傍にてレーザー溶接により前記メインフレーム(41)の側面に直接接合されることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗型車両の車体フレーム。
- 前記リヤフレーム(55)の前記溶接部(57F)は、前下方に傾斜し、
前記メインフレーム(41)の前記凹部(72)は、前下方に向けて貫通することを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の鞍乗型車両の車体フレーム。 - 前記ピボットプレート(43)は、前記凹部(72)の前下方に向けて貫通する開口部(72K)の車幅方向外側を覆うことを特徴とする請求項5に記載の鞍乗型車両の車体フレーム。
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