JP5570366B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、自動二輪車において、サブパイプをピボットプレートに容易に溶接できるようにすることを目的とする。
この構成によれば、車両前後方向に延びる第1の切り欠き部がピボットプレートに設けられ、サブパイプの前端が第1の切り欠き部に長手方向で嵌まり、第1の切り欠き部の周縁でサブパイプとピボットプレートとが溶接され、第1の切り欠き部の周縁が溶接し易い位置にあるため、サブパイプをピボットプレートに容易に溶接できる。また、第1の切り欠き部によってピボットプレートを軽量化できる。
この場合、第1の切り欠き部の周縁の溶接が、サブパイプの径方向中心よりも車幅方向外側でされるため、第1の切り欠き部の周縁での溶接がさらに容易になる。
この場合、ピボットプレート後面部の第2の切り欠き部によってサブパイプを位置決めでき、溶接時の位置決めが容易になる。
また、前記ピボットプレート(60,60)は左右一対で設けられ、左右一対の前記ピボットプレート(60,60)の後端を連結するピボットプレート後面部(61)を設け、前記ピボットプレート後面部(61)に前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)が径方向で嵌まる第2の切り欠き部(72,72)を設け、前記前端(21A,21A)は、断面円形のパイプ状に形成され、前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)は、前記第2の切り欠き部(72,72)に嵌まることで、その軸線(C)に垂直な断面視において径方向の半分以上の部分が前記第1の切り欠き部(71,71)に入り込むように位置決めされ、前記サブパイプ(21,21)は、前記軸線(C)に垂直な断面視において前記ピボットプレート(60,60)よりも車幅方向外側に突出した部分が、前記第1の切り欠き部(71,71)の周縁(71B,71B)で、前記ピボットプレート(60,60)に溶接されても良い。
また、前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)は、前記第2の切り欠き部(72,72)に溶接されても良い。
さらに、前記メインフレーム(17)の下端は、前記ピボット軸(22)に溶接されても良い。
また、前記メインフレーム(17)は、前記ピボット軸(22)との溶接部の上方で、ピボットプレート後面部(61)から一体に斜め上前方に延びるフレーム連結板部(61A)に形成されたメインフレーム連結孔(73)に溶接されても良い。
この場合、ピボットプレートの内側に位置するサブパイプの前端の切り欠きによって、サブパイプの軽量化を図ることができる。
また、前記リヤスイングアーム(14)は前後に延びる左右一対のアーム部(7,7)を有し、左右の各前記アーム部(7,7)は、左右一対で設けられた前記サブパイプ(21,21)よりも車幅方向の外側に設けられても良い。
この場合、リヤスイングアームのアーム部がサブパイプよりも車幅方向の外側に設けられている構成において、サブパイプが第1の切り欠き部に設けられているため、左右のアーム部を車幅方向の内側に寄せて配置することもでき、リヤスイングアームのレイアウトの自由度を向上できる。
また、第1の切り欠き部の周縁の溶接が、サブパイプの径方向中心よりも車幅方向外側でされるため、溶接がさらに容易になる。
さらに、ピボットプレートの内側に位置するサブパイプの前端の切り欠きによって、サブパイプの軽量化を図ることができる。
また、サブパイプが第1の切り欠き部に設けられているため、左右のアーム部を車幅方向の内側に寄せて配置することもでき、リヤスイングアームのレイアウトの自由度を向上できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車1の左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレーム11の前後の中央側にエンジン12が配置され、車体フレーム11の前端にフロントフォーク13が操舵可能に支持され、車体フレーム11の後部の下部に上下に揺動可能なリヤスイングアーム14が支持された鞍乗り型の車両である。
リヤスイングアーム14は、前後に延びる左右一対のアーム部7を有し、左右のアーム部7を、前部に設けられたクロスメンバ7Aで連結して構成されている。
リヤスイングアーム14の前端部14Aには、ピボット軸22が貫通し、リヤスイングアーム14は前端部14Aを揺動中心として後方へ延びている。駆動論としての後輪WRは、リヤスイングアーム14の後端に支持されている。
リヤスイングアーム14を弾性支持するリアクッション32は、上端がモノバックボーンフレーム17に設けられた上支持部24Aに連結され、下端がクロスメンバ7Aに設けられた下支持部24Bに連結されている。
左右のシートレール20に跨って設けられる乗員用のシート36は、燃料タンク35の後端に連続してシートレール20の上方に配置され、シートレール20に沿うように後方に延びている。
また、エンジン12は、クランクケース41の前部に連結された前ハンガ46が、ダウンフレーム18の下端に締結されるとともに、クランクケース41の後部が、ピボットフレーム19の前部の支持部19Aに締結されて車体フレーム11に支持されている。
シリンダ42 の前部には、排気管49が接続され、排気管49はクランクケース41の前方から下方を通って車両右後方へ延び、排気管49の後端には後輪WRの右側面に位置するマフラー50が接続されている。
図2〜図4に示すように、モノバックボーンフレーム17は、一本で設けられる断面円形のパイプ状のフレームであり、ヘッドパイプ16の後面の上部から後下がりに延びるメインパイプ17Aと、メインパイプ17Aの後部から下方に屈曲して後下がりに延びるセンターパイプ17Bとを有している。
ダウンフレーム18は、ヘッドパイプ16の後面の下部から後下がりに延び、ヘッドパイプ16の後方には、モノバックボーンフレーム17及びダウンフレーム18を前部で連結する補強プレート23が設けられている。
前部レール部20A,20Aは、前部レール部20A,20Aの前部及び後部の間にそれぞれ掛け渡されるクロスププレート25A,25Bによって補強されている。また、後部レール部20B,20Bは、後部レール部20B,20B間に掛け渡される後部クロスプレート25Cによって補強されている。
サブパイプ前部21A,21Aは、互いに略平行に延び、サブパイプ後部21B,21Bは、サブパイプ前部21A,21Aの後部から互いの間隔が車幅方向に徐々に広がるように延びている。サブパイプ後部21B,21Bの下面には、乗員用のシート36の後部において運転者の後方に着座する同乗者が足を載せるピリオンステップ27,27がそれぞれ設けられている。
図4〜図6に示すように、ピボットフレーム19は、車幅方向に左右一対で設けられるピボットプレート60,60と、左右のピボットプレート60,60の後端を連結する後面連結プレート61(ピボットプレート後面部)とを有し、これら3枚のプレートを溶接して構成されている。
ピボットプレート60,60の上下の中間部には、後上がりに前後に延びる側面視で長孔状の第1の切り欠き部71,71が形成されている。第1の切り欠き部71,71の前縁71Aは円筒状のピボット軸22が嵌合するように略円弧状に形成されており、後縁は解放端となっている。また、第1の切り欠き部71,71の上下の周縁71B,71B(第1の切り欠き部の周縁)は、互いに略平行に形成されている。
ピボットプレート60,60の後部の上縁60Aは、後下がりに傾斜して形成されている。
後面連結プレート61におけるフレーム連結板部61Bの左右縁部には、第1の切り欠き部71,71の後縁に連続して開口する第2の切り欠き部72,72(図6参照)がそれぞれ形成されている。第2の切り欠き部72,72は、車幅方向の内側へ延びる切り欠きであり、円筒状のサブパイプ21が嵌合可能なように、後方視において略円弧状の円弧状周縁72A,72A(第2の切り欠き部の周縁)を有している。
第1の切り欠き部71,71と、第1の切り欠き部71,71に連なる第2の切り欠き部72,72によってサブパイプ連結孔70,70がそれぞれ形成され、サブパイプ21,21は、サブパイプ連結孔70,70に嵌合されて溶接されることでピボットフレーム19に連結される。
ピボット軸22は、ピボットカラー63が第1の切り欠き部71,71の前縁71A,71A間に掛け渡された状態で第1の切り欠き部71,71に溶接されてピボットフレーム19に固定される。
図5及び図8に示すように、ピボットカラー63は、両端の外周面が第1の切り欠き部71,71の前縁71Aに嵌合した状態で、各前縁71Aに沿って形成される溶接ビード81によって溶接されている。
図7に示すように、サブパイプ21,21は径方向の中心を通って延びる軸線C(径方向中心)を有し、サブパイプ前部21A,21Aは、サブパイプ連結孔70,70に対し、軸線Cが車幅方向においてピボットプレート60,60の板面よりも内側に位置する深さまで径方向に嵌め込まれている。すなわち、サブパイプ前部21A,21Aは、軸線Cに垂直な断面視において、径方向の半分以上の部分がサブパイプ連結孔70,70に入り込んでおり、ピボットプレート60,60の外側に突出する部分は半円よりも小さい形状になっている。これにより、第1の切り欠き部71,71においてサブパイプ前部21A,21Aを溶接する際に、溶接ビード83,84は軸線Cよりも車幅方向外側に形成されるため、ピボットプレート60,60の外側から溶接ビード83,84を容易に形成することができる。
しかし、従来のように、例えば、サブパイプ連結孔70,70を形成せずに単にサブパイプ21,21をピボットプレート60,60の外側面に当接させて、この当接部を溶接する場合、溶接ビードが軸線Cを超えた車幅方向の内側に位置することになり、溶接作業が難しくなる。
まず、ピボットプレート60,60及び後面連結プレート61が一体に溶接されるとともに、ピボットプレート60,60間にピボットカラー63が設けられて溶接ビード81によって溶接され、ピボットフレーム19が形成される。
次いで、ヘッドパイプ16及びダウンフレーム18と一体に溶接された状態のモノバックボーンフレーム17のセンターパイプ17Bが、ピボットフレーム19のメインフレーム連結孔73に嵌合され、この状態で溶接ビード82及び溶接ビード73Aが溶接され、モノバックボーンフレーム17がピボットフレーム19に固定される。
続いて、サブパイプ前部21A,21Aは、サブパイプ連結孔70,70に位置決めされた状態で、溶接ビード83,84,85によってピボットフレーム19に溶接される。また、サブパイプ前部21A,21Aの溶接と並行して、シートレール20,20の前部は、メインパイプ17Aの後部に溶接される。
また、後面連結プレート61の第2の切り欠き部72,72の円弧状周縁72A,72Aによってサブパイプ21,21を径方向に位置決めできるため、溶接時の位置決めが容易になる。
上記実施の形態では、サブパイプ21,21は、車幅方向において軸線Cがピボットプレート60,60の板面よりも内側に位置する深さまで内側に嵌め込まれるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブパイプ21,21は、第1の切り欠き部71,71に嵌合していれば良い。さらに、サブパイプ21,21は、第1の切り欠き部71,71において、軸線Cが車幅方向でピボットプレート60,60の板面に少なくとも一致する深さまで内側に嵌め込まれることで、溶接ビード83の位置がより溶接し易い位置になり、溶接作業が容易になる。また、その他の自動二輪車1の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
以下、図9を参照して、本発明を適用した実施の形態の変形例について説明する。この変形例において、上記実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。変形例では、サブパイプ21,21の前端が切り欠かれている点が上記実施の形態と異なっている。
図9に示すように、サブパイプ前部21A,21Aは、溶接ビード83,84,85によって外側から溶接されるため、サブパイプ前部21A,21Aにおいてピボットフレーム19の内側に位置する部分は、サブパイプ21,21をピボットフレーム19に固定する溶接に寄与していない。そこで、変形例では、サブパイプ前部21A,21Aにおいてピボットフレーム19の内側に位置する部分に切り欠き80,80を設けることで軽量化を図っている。
このように、サブパイプ21,21をピボットフレーム19に固定する溶接に寄与していない部分に切り欠き80,80を設けることで、溶接強度を保ったまま軽量化を図ることができる。
7,7 アーム部
14 リヤスイングアーム
16 ヘッドパイプ
17 モノバックボーンフレーム(メインフレーム)
21,21 サブパイプ
21A,21A サブパイプ前部(サブパイプの前端)
22 ピボット軸
60,60 ピボットプレート
61 後面連結プレート(ピボットプレート後面部)
63 ピボットカラー
71,71 第1の切り欠き部
71B,71B 周縁(第1の切り欠き部の周縁)
72,72 第2の切り欠き部
72A,72A 円弧状周縁(第2の切り欠き部の周縁)
80,80 切り欠き
C 軸線(径方向中心)
Claims (9)
- ヘッドパイプ(16)と、前記ヘッドパイプ(16)の後部から延びるメインフレーム(17)と、前記メインフレーム(17)の後部に設けられたピボットプレート(60,60)と、前記ピボットプレート(60,60)を貫通しリヤスイングアーム(14)を上下にスイング可能に支持するピボット軸(22)とを備え、前記ピボット軸(22)にはピボットカラー(63)が設けられ、前記ピボット軸(22)から車両後方に向かって延びるサブパイプ(21,21)の前端(21A,21A)が、前記ピボットカラー(63)に溶接される自動二輪車において、
前記ピボットプレート(60,60)には、車両前後方向に延びる第1の切り欠き部(71,71)が設けられ、前記第1の切り欠き部(71,71)に、前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)が長手方向で嵌まり、前記第1の切り欠き部(71,71)の周縁(71B,71B)で、前記サブパイプ(21,21)と前記ピボットプレート(60,60)とが溶接されることを特徴とする自動二輪車。 - 前記第1の切り欠き部(71,71)の周縁(71B,71B)の溶接は、前記サブパイプ(21,21)の径方向中心(C)よりも車幅方向外側でされることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
- 前記ピボットプレート(60,60)は左右一対で設けられ、左右一対の前記ピボットプレート(60,60)の後端を連結するピボットプレート後面部(61)を設け、
前記ピボットプレート後面部(61)に前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)が径方向で嵌まる第2の切り欠き部(72,72)を設け、前記第2の切り欠き部(72,72)の周縁(72A,72A)で、前記サブパイプ(21,21)と前記ピボットプレート(60,60)とが溶接されることを特徴とする請求項1または2記載の自動二輪車。 - 前記ピボットプレート(60,60)は左右一対で設けられ、左右一対の前記ピボットプレート(60,60)の後端を連結するピボットプレート後面部(61)を設け、前記ピボットプレート後面部(61)に前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)が径方向で嵌まる第2の切り欠き部(72,72)を設け、
前記前端(21A,21A)は、断面円形のパイプ状に形成され、
前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)は、前記第2の切り欠き部(72,72)に嵌まることで、その軸線(C)に垂直な断面視において径方向の半分以上の部分が前記第1の切り欠き部(71,71)に入り込むように位置決めされ、
前記サブパイプ(21,21)は、前記軸線(C)に垂直な断面視において前記ピボットプレート(60,60)よりも車幅方向外側に突出した部分が、前記第1の切り欠き部(71,71)の周縁(71B,71B)で、前記ピボットプレート(60,60)に溶接されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。 - 前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)は、前記第2の切り欠き部(72,72)に溶接されることを特徴とする請求項4記載の自動二輪車。
- 前記メインフレーム(17)の下端は、前記ピボット軸(22)に溶接されることを特徴とする請求項4または5に記載の自動二輪車。
- 前記メインフレーム(17)は、前記ピボット軸(22)との溶接部の上方で、ピボットプレート後面部(61)から一体に斜め上前方に延びるフレーム連結板部(61A)に形成されたメインフレーム連結孔(73)に溶接されることを特徴とする請求項6記載の自動二輪車。
- 前記ピボットプレート(60,60)の内側に位置する前記サブパイプ(21,21)の前記前端(21A,21A)に切り欠き(80,80)が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動二輪車。
- 前記リヤスイングアーム(14)は前後に延びる左右一対のアーム部(7,7)を有し、左右の各前記アーム部(7,7)は、左右一対で設けられた前記サブパイプ(21,21)よりも車幅方向の外側に設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の自動二輪車。
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